JP4458892B2 - N−ビニルアミド重合体及びn−ビニルアミド重合体の製造方法 - Google Patents

N−ビニルアミド重合体及びn−ビニルアミド重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、N−ビニルアミド重合体及びN−ビニルアミド重合体の製造方法に関する。より詳しくは、医薬品や化粧品、食品等の添加剤の他、粘接着剤、塗料、分散剤、インキ、電子部品等の製造原料等の各種用途に用いられるN−ビニルアミド重合体及びN−ビニルアミド重合体の製造方法に関する。
N−ビニルアミド重合体は、生体適合性、安全性、親水性等の利点があり、また、増粘剤、凝集剤等としての作用を有するものであることから、医薬品や化粧品、食品等の添加剤の他、粘接着剤、塗料、分散剤、インキ、電子部品等の製造原料として有用なものである。このようなN−ビニルアミド重合体をこれらの各種の用途に好適に用いることができるようにするためには、その品質や性能、安全性等を向上させることが重要である。
従来では、例えばポリビニルビロリドンを製造する場合、残存N−ビニルピロリドン(NVP)を低減するために、重合後にNVPを加水分解処理する方法が知られている。この方法においては、2−ピロリドン(2−py)、アセトアルデヒド等の加水分解物を発生し、臭気や着色の原因となる場合がある。また、重合中に開始剤を後添加してNVPを減少させる方法も知られているが、重合中に加水分解が進行し、2−py等が発生する場合がある。
従来のN−ビニルアミド重合体の製造方法に関して、ビニルピロリドン重合体の水溶液又はアルコール溶液を吸着剤で処理するにより、ビニルピロリドン重合体からビニルピロリドンを除去する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、吸着剤を用いる方法では、溶液状態での処理が必須となることから、溶液の粘度に制約があり、また、加水分解生成物である2−ピロリドンを充分に除去できないと考えられる。
またN−ビニルピロリドンを重合導入して得られる重合体の製造方法について、重合体の溶液から低分子量の汚染物質を、限外濾過を用いて20〜100℃及び1〜80バールで分離することが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。このような方法においても、溶液状態での処理が必須であり、実施例においては、処理前後の2−ピロリドン減少率の記載しかないが、重合終了時に通常1%程度が発生していると考えられることから、重合体中に500ppm程度残存していると想定される。また、過酸化水素を用いて重合していることから、得られる重合体は着色する場合があると考えられる。
このような吸着剤処理や限外濾過等のような精製法では、溶液の形態で行われることから、時間あたりに処理できる重合体が少なくなる。また、処理できる溶液の粘度に制限があるため、特に高いK値のN−ビニルアミド重合体は低濃度の溶液で処理する必要があり、更に生産性が低くなるため実用的ではない。したがって、これらの不具合を解消し、生産性を充分に向上して、化粧品や医薬品等の用途に好適に用いることができるN−ビニルアミド重合体を製造するための工夫の余地があった。
ところで、残存モノマー含量の低い親水性重合体を製造する方法に関して、含水ゲル状重合体を、少なくとも水蒸気を含有しかつ50〜100℃の露点を有する気体と80〜250℃の温度で接触させて乾燥することが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。実施例においては、アクリル酸塩やアクリルアミドを単量体成分の主成分として、含水率25%以上の含水ゲル状重合体を製造し、固形分濃度が最大96%となるまで乾燥することが記載され、また、得られる親水性重合体の残存単量体量としては20〜2200ppmであることが記載されている。
また塩化ビニル樹脂粉末から微量の塩化ビニル単量体を分離する方法について、水性媒体で湿潤した塩化ビニル樹脂粉末を加熱して、該水性媒体と共存する塩化ビニル単量体を常圧もしくは減圧下に気化分離することが開示されている。(例えば、特許文献4参照。)
これらの方法においては、化粧品や医薬品等の用途に用いられるN−ビニルアミド重合体の製造に関する記載はなく、このような重合体の製造に好適に適用するための工夫の余地があった。
特開昭63−68609号公報(第1頁) 特開平5−239118号公報(第2、3−6頁) 特開昭64−26604号公報(第1−2、4、6−12頁) 特開昭51−126284号公報(第1−3頁)
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、残存単量体や単量体の加水分解物の含有率が低減され、化粧品や医薬品等の種々の分野に好適に用いることができる新規なN−ビニルアミド重合体及びこのようなN−ビニルアミド重合体を得ることが可能な製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、N−ビニルアミド重合体について種々検討したところ、残存N−ビニルアミド単量体や、N−ビニルアミド重合体の製造過程において不純物として混入するN−ビニルアミド単量体の加水分解物等に着目し、このような不純物の含有率が特定値以下に低減されたものとすることにより、化粧品、医薬品等の用途に好適である新規なN−ビニルアミド重合体となることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。また、N−ビニルアミド重合体の製造において、N−ビニルアミド重合体を特定値以下の粒径を有する粉体状や特定値以下の厚さを有するフィルム状等の固体の形態に乾燥したうえで、特定値以上の相対湿度下で加湿処理することにより、固体の形態である重合体が水分によって可塑化されることを見いだし、これにより重合体中を残存単量体等が自由に動き回れるようになり、表面から揮発しやすくなることで、これらの含有率を大幅に低減できることを見いだした。また、このような方法によれば、例えば開始剤を後添加して単量体の含有量を減少させるような従来法のように、必須でない化合物を添加しなくてもよいことから、重合体中の不純物量をより充分に低減できることも見いだし、本発明に到達したものである。
本発明のように、固体状態のN−ビニルアミド重合体を処理して精製することは新規であり、また、N−ビニルピロリドン等の残存単量体及び2−ピロリドン等の単量体の加水分解物を同時に100ppm以下のレベルにまで精製できる手法も新規である。従来では、溶液の形態で精製を行っていたことから、溶液の粘度に制約があり生産性が充分ではなく、特に高K値品は希釈度を挙げる必要があったが、本発明においては、K値や粘度について制限されることなく充分に不純物を除去することができることから、生産性についても充分に向上されることになる。
すなわち本発明は、N−ビニルアミド単量体単位を必須とするN−ビニルアミド重合体であって、上記N−ビニルアミド重合体は、N−ビニルアミド単量体の含有率が10ppm以下であり、かつN−ビニルアミド単量体の加水分解物の含有率が100ppm以下であるN−ビニルアミド重合体である。
本発明はまた、N−ビニルアミド単量体単位を必須とするN−ビニルアミド重合体を製造する方法であって、上記製造方法は、粒径500μm以下の粉体状又は厚さ10mm以下のフィルム状のN−ビニルアミド重合体を、相対湿度50%以上の条件で処理する工程を含んでなるN−ビニルアミド重合体の製造方法でもある。
以下に本発明を詳述する。
本発明のN−ビニルアミド重合体は、N−ビニルアミド単量体の含有率が10ppm以下であり、10ppmを超えると、化粧品、医薬品等の用途において安全性等を充分に向上して好適に用いることができないことになる。好ましくは、8ppm以下であり、より好ましくは、5ppm以下であり、更に好ましくは、3ppm以下であり、特に好ましくは、実質的にN−ビニルアミド単量体を含有しないことである。
上記N−ビニルアミド単量体の含有率としては、液体クロマトグラフィー法により定量して求めることができる。
またN−ビニルアミド単量体の加水分解物の含有率は100ppm以下であり、100ppmを超えると、毒性、臭気、着色等を充分には低減することができないことになり、化粧品、医薬品等の用途において安全性等を充分に向上して好適に用いることができないことになる。好ましくは、50ppm以下であり、より好ましくは、10ppm以下であり、更に好ましくは、1ppm以下であり、特に好ましくは、実質的にN−ビニルアミド単量体の加水分解物を含有しないことである。
上記N−ビニルアミド単量体が加水分解することにより生成する化合物であり、例えば、単量体としてN−ビニルピロリドンを用いる場合においては、2−ピロリドン、アセトアルデヒド等を挙げることができる。
上記N−ビニルアミド単量体の加水分解物の含有率としては、上述したN−ビニルアミド単量体の含有率と同様に求めることができる。
本発明におけるN−ビニルアミド重合体は、N−ビニルアミド重合体の製造において含有することになる不純物を含めたものである。不純物とは、残存するN−ビニルアミド単量体及びN−ビニルアミド単量体の加水分解物である特定の不純物(以下、特定の不純物という)と、特定の不純物以外の不純物(以下、その他の不純物という)とを意味する。本発明のN−ビニルアミド重合体は、上述のように特定の不純物の含有率が少なく特定されたものである。また、本発明における含有率とは、不純物を含まない又は除いたN−ビニルアミド重合体に対する含有割合を表すものである。
上記N−ビニルアミド重合体において、灰分の含有率としては、0.1質量%以下であることが好ましい。0.1質量%を超えると、例えば、有機溶剤中に溶解した場合に、濁りを充分に低減できないおそれがあり、また、医薬原料等としての適性が充分に向上されないおそれがある。より好ましくは、0.08質量%以下であり、更に好ましくは、0.05質量%以下であり、特に好ましくは、0.02質量%以下であり、最も好ましくは、実質的に灰分を含有しないことである。
上記灰分とは、N−ビニルアミド重合体を燃焼させた後に残留する不燃性残渣であり、無機物質及びその酸化物を主成分として含有するものである。無機物質としては、例えば、ナトリウム原子、カリウム原子、マグネシウム原子、カルシウム原子等を含有する物質を挙げることができる。
上記灰分の含有率としては、日本薬局方の強熱残分の測定法に準拠して測定することができる。
上記N−ビニルアミド重合体においてはまた、該重合体の10%水溶液の色相(APHA)が10以下であることが好ましい。10を超えると、着色を充分に低減することができないおそれがあり、例えば、化粧品、医薬品等の用途において好適に用いることができないおそれがある。より好ましくは、8以下であり、更に好ましくは、5以下である。
上記APHAとしては、JIS K0071に準拠して測定することができる。
従来N−ビニルアミド重合体は、その他の重合体、例えばアクリル酸塩やアクリルアミドを単量体成分の主成分とするような重合体と比較して、不純物等が起因する着色が生じやすい重合体であるが、本発明はこのような着色が充分に低減されたものである。
上記N−ビニルアミド重合体のK値としては、下限値が10であることが好ましい。このような範囲に設定することにより、例えば、化粧品、医薬品等の用途において望まれている基本性能を充分に発揮することができることとなる。より好ましくは、20であり、更に好ましくは、50であり、特に好ましくは、80である。また、上限値としては、250であることが好ましい。より好ましくは、200であり、更に好ましくは、150であり、特に好ましくは、120である。また、好ましい範囲としては、10〜250であり、より好ましくは、20〜200であり、更に好ましくは、50〜150であり、特に好ましくは、80〜120である。
上記K値は、重合体の分子量と相関性を有するものであると考えられている。N−ビニルアミド重合体の場合、アミド結合を有し、これがゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)のカラムに吸着して分子量を的確に示すことができないことから、K値を用いる。
上記K値は、N−ビニルアミド重合体の1質量%水溶液について、25℃で毛細管粘度計により測定した相対粘度を、下記式であるフィッケンチャーの式にあてはめて計算することができる。
logηrel/C=[(75K )/(1+1.5KC)]+K
K=1000K
C:溶液100ml中のN−ビニルアミド重合体のg数
ηrel:相対粘度
本発明のN−ビニルアミド重合体の形態としては、粉体状、顆粒状、フレーク状、フィルム状、ゲル状、液状等のいずれであってもよく、特に限定されない。なお、粉体状等の場合、例えば、N−ビニルアミド単量体やその加水分解物の含有率を測定する際には、適宜溶剤等に溶解して液状とすればよい。
本発明のN−ビニルアミド重合体は、N−ビニルアミド単量体単位を必須とするものである。N−ビニルアミド単量体単位としては、N−ビニルアミド構造を有するものであればよく、例えば、下記一般式(1);
Figure 0004458892
(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。RとRとは、結合して炭素数3〜5のアルキレン基を形成していてもよい。)で表される構造単位であることが好ましい。このようなN−ビニルアミド重合体としては、N−ビニルアミド単量体を必須として含有する単量体成分を重合して得られるものであることが好ましい。また、本発明のN−ビニルアミド重合体は、このような単量体成分を重合した後に精製することにより得られるものであってもよい。
上記N−ビニルアミド単量体としては、N−ビニルアミド構造を有する重合性化合物であればよく、下記一般式(2);
Figure 0004458892
(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。RとRとは、結合して炭素数3〜5のアルキレン基を形成していてもよい。)で表される単量体であることが好ましい。
上記一般式(2)で表される単量体としては、例えば、N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルホルムアミド、N−ビニルプロピオンアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタム等が好適であり、1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、N−ビニルピロリドンが好ましい。
上記N−ビニルアミド単量体の含有量としては、単量体成分を100質量%すると、 質量%以上であることが好ましい。25質量%未満であると、親水性や吸着性等のN−ビニルアミド単量体単位由来の性質が、重合体に充分反映されないおそれがある。より好ましくは、50質量%以上であり、更に好ましくは、75質量%以上である。特に好ましくは、単量体成分のすべてがN−ビニルアミド単量体の場合である。
上記単量体成分においてはその他の共重合可能な単量体を含有していてもよく、例えば、以下のような単量体の1種又は2種以上を用いることができる。
(1)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類。
(2)(メタ)アクリルアミド、N−モノメチル(メタ)アクリルアミド、N−モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体類。
(3)(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の塩基性不飽和単量体及びその塩又は第4級化物。
(4)ビニルオキサゾリン、イソプロペニルオキサゾリン等のイミノエーテル類。
(5)(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有不飽和単量体及びその塩。
(6)2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル2−(ヒドロキシメチル)アクリレート、エチル2−(ヒドロキシメチル)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸モノ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する不飽和単量体。
(7)無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和無水物類。
(8)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類。
(9)ビニルエチレンカーボネート及びその誘導体。
(10)スチレン及びその誘導体。
(11)(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチル及びその誘導体。
(12)ビニルスルホン酸及びその誘導体;(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類及びその塩。
(13)メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(14)エチレン、プロピレン、オクテン、ブタジエン等のオレフィン類。
(15)グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する不飽和単量体。
上記N−ビニルアミド重合体の重合方法としては、例えば、水溶液重合法、有機溶媒中での溶液重合法、逆相懸濁重合法、乳化重合法、沈殿重合法、塊状重合法等が好適であり、反応条件等は重合法により適宜設定すればよい。また、これらの重合方法においては、熱及び/又は光重合であることが好ましい。
また重合の形態としては、撹拌重合形態、静置重合形態、ベルト重合形態等が好適であり、これらの中でも、ベルト重合形態が好ましい。ベルト重合することにより、連続的に重合を行うことができ、また、撹拌する必要がないことから、反応液の粘度や単量体濃度を高く設定することが可能となり、溶媒の除去も容易に行うことができることになる。
上記水溶液重合法を行う場合における溶媒としては、主に水を用いることとなるが、その他に水系溶媒を含有していてもよい。水系溶媒とは、水と混じり合うことができる化合物の1種又は2種以上の混合溶媒や、このような化合物に水が主成分となるように混合した混合溶媒を意味する。水と混じり合うことができる化合物としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール等のアルコール;エチレングリコール等のジオール;グリセリン等のトリオール類等の多価アルコール等が好適である。なお、これらの化合物に混じり合う反応物を混合した溶液を水系溶媒としてもよい。これらの中でも、水、又は、水とアルコールとの混合溶媒を用いることが好ましい。
上記重合においては、重合開始剤を用いてもよく、例えば、アゾ系開始剤等が好適である。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
上記重合開始剤の使用量としては、単量体成分100質量%に対して、0.001〜10質量%とすることが好ましい。より好ましくは、0.005質量%〜5質量%であり、更に好ましくは、0.01〜1質量%である。また、重合を行う際には、必要に応じて連鎖移動剤等を用いることもできる。
上記重合方法において、熱重合する場合の重合条件としては、単量体成分や溶媒の組成等に応じて適宜設定すればよく、重合温度としては、0〜250℃とすることが好ましい。より好ましくは、20〜200℃であり、更に好ましくは、40〜150℃である。また、反応圧力としては、高温反応の場合には常圧としてもよく、加圧してもよいが、厳密な温度制御を必要とする場合には常圧とすることが好ましい。また、重合時間としては、好ましくは、5〜50分であり、より好ましくは、10〜40分である。
また光重合する場合においては、紫外線等を照射して重合することが好ましく、紫外線を照射する装置としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、蛍光ケミカルランプ、蛍光青色ランプ等が挙げられる。
また紫外線の照射強度としては、単量体濃度等により適宜設定すればよく、好ましくは、10〜100W/mであり、より好ましくは、20〜50W/mである。照射時間としては、好ましくは、1〜60分であり、より好ましくは、5〜30分である。
本発明はまた、N−ビニルアミド単量体単位を必須とするN−ビニルアミド重合体を製造する方法であって、上記製造方法は、粒径500μm以下の粉体状又は厚さ10mm以下のフィルム状のN−ビニルアミド重合体を、相対湿度50%以上の条件で処理する工程を含んでなるN−ビニルアミド重合体の製造方法でもある。
本発明の製造方法は、あらゆるK値を有するN−ビニルアミド重合体の製造に好適な方法であり、得られるN−ビニルアミド重合体における不純物の含有率においても、特に制限はなく、生産性の点からも有利な製造方法である。このような方法でN−ビニルアミド重合体を精製することにより、N−ビニルアミド重合体に含有される不純物を充分に除去し、医薬品、化粧品等の各種用途することができるN−ビニルアミド重合体を得ることができることになる。また、N−ビニルアミド重合体としては、N−ビニルアミド単量体単位を必須とするものであればよく、上述したような重合方法により得られるものであることが好ましい。
本発明の製造方法はまた、上述した本発明のN−ビニルアミド重合体を得るのに好適な方法でもあり、上記製造方法により得られるN−ビニルアミド重合体が、N−ビニルアミド単量体の含有率が10ppm以下であり、かつN−ビニルアミド単量体の加水分解物の含有率が100ppm以下であるN−ビニルアミド重合体であることは、本発明の好ましい実施形態の一つである。
本発明においては、N−ビニルアミド重合体を粒径500μm以下の粉体状又は厚さ10mm以下のフィルム状にして精製することになる。
上記N−ビニルアミド重合体を粉体状とする場合にはその粒径が500μm以下であり、500μmを超えると、充分には不純物等を除去することができないこととなる。好ましくは、400μmm以下であり、より好ましくは、300μm以下であり、更に好ましくは、200μm以下である。また、N−ビニルアミド重合体をフィルム状とする場合にはその厚さが10mm以下であり、10mmを超えると、充分には不純物等を除去することができないこととなる。好ましくは、5mm以下であり、より好ましくは、1mm以下であり、更に好ましくは、0.1mm以下である。
上記粒径は、平均粒径であり、その測定としては、JIS K0069「化学製品の篩い分け試験法」の乾式篩い分け試験法に準じて行うことができる。
本発明においてはまた、N−ビニルアミド重合体を相対湿度50%以上の条件で処理することになる。相対湿度50%未満であると、固体の形態である重合体を充分には可塑化できないこととなる。好ましくは、55%以上であり、より好ましくは、60%以上である。また、90%以下であることが好ましい。より好ましくは、80%以下である。
上記処理における温度としては、50〜150℃であることが好ましい。50℃未満であると、不純物の除去に長時間が必要となるおそれがあり、150℃を超えると、分子量が低下する等、物性に悪影響を及ぼすおそれがある。より好ましい下限値としては、60℃であり、更に好ましくは、70℃である。上限値としては、より好ましくは、120℃であり、更に好ましくは、100℃である。また、より好ましい範囲としては、60〜120℃であり、更に好ましくは70〜100℃である。
上記処理時間としては、処理条件、不純物の含有率等により適宜設定すればよく、例えば、15分〜5時間であることが好ましい。より好ましくは、30分〜4時間、更に好ましくは、45分〜3時間である。
上記製造方法におけるN−ビニルアミド重合体の処理方法としては、N−ビニルアミド重合体を上述のような相対湿度の条件下にある状態とすることになればよく、例えば、(1)N−ビニルアミド重合体を静置して処理する方法、(2)N−ビニルアミド重合体を動かしながら処理する方法、(3)これらを組み合わせた方法等が好適である。
上記(1)の方法としては、N−ビニルアミド重合体が粉体状である場合には、例えば処理容器や処理装置の中にN−ビニルアミド重合体を広げて静置する形態等が好適である。また、フィルム状である場合には、フィルム同士が重ならないように静置する形態、処理容器等の壁面等に接触しないように静置する形態、これらを組み合わせた形態等が好適である。
上記(2)の方法としては、N−ビニルアミド重合体が粉体状である場合には、撹拌翼等により撹拌する形態、気流下に流動させる形態、処理容器等を回転、揺動等させることにより粉体を動かす形態、これらを組み合わせた形態等が好適である。気流下に流動させる形態としては、蒸気等をあてる、吹き込む等することにより粉体を動かす形態とすることが好ましい。また、フィルム状である場合には、蒸気等を吹き付ける等することによりフィルムを動かす形態等が好適である。
本発明においては、N−ビニルアミド重合体が粉体状である場合には、処理工程において、粉体状のN−ビニルアミド重合体を撹拌する及び/又は気流下に流動させることが好ましい。このように撹拌や流動させながら処理することにより、N−ビニルアミド重合体の融着(ブロッキング)を防止することができることになり、また、充分に残存単量体等を除去することができることになる。
上記処理方法に用いることができる装置としては、例えば、箱型乾燥機、流動槽乾燥機、コニカルドライヤー等が好適である。
本発明のN−ビニルアミド重合体は、上述の構成よりなり、生体適合性、安全性、親水性等の利点があり、また、増粘剤、凝集剤等としての作用を充分に発揮することができ、医薬品や化粧品、食品等の添加剤の他、粘接着剤、塗料、分散剤、インキ、電子部品等の製造原料として有用なものである。また、本発明の製造方法は、各種分野に有用なN−ビニルアミド重合体を好適に得ることができるものである。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
合成例1
図1に示す重合反応装置を用いて実施した。N−ビニルピロリドン60部とイオン交換水40部からなる単量体水溶液を調製し、窒素バブリングすることで充分に溶存酸素を除去した。予め内部を窒素置換し、表面が100℃となるように加熱しておいた反応容器に供給口1から単量体水溶液を投入し、続いてアゾ系開始剤(V−59)0.06部をエタノール1部に溶解した開始剤溶液を供給口2から投入した。反応液の反応容器内での液深は10mmであった。窒素気流下に重合を行い、約5分で反応液の温度は100℃に達した。その後、15分間、100℃以上の温度を維持し、無色透明でシート状のポリビニルピロリドンが得られた。
得られたポリビニルピロリドンを粉砕機で粉砕し、振動ふるいにより分級した。平均粒径150μmの粉体を粉体1、平均粒径700μmの粉体を粉体2として後の評価に用いた。
実施例1〜2及び比較例1〜2
所定の条件に調整した恒温恒湿機の中に粉体1又は粉体2の少量を薄くバットに広げて静置した。3時間後に取り出して分析を行った。条件と結果を表1にまとめた。なお、初期(恒温恒湿機で処理する前)において、残存N−ビニルピロリドン(NVP)量は5000ppm、2−ピロリドン(2−py)量は0.2ppm、色相(APHA)は5であった。
Figure 0004458892
図1は、実施例において用いた反応装置の概略図である。

Claims (5)

  1. N−ビニルアミド単量体単位を必須とするN−ビニルアミド重合体を製造する方法であって、
    該製造方法は、粒径500μm以下の粉体状N−ビニルアミド重合体を、相対湿度50%以上の条件で処理する工程を含んでなり、
    該N−ビニルアミド単量体単位は、下記一般式(1);
    Figure 0004458892
    (式中、R は、水素原子又はメチル基を表す。R 及びR は、同一若しくは異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。R とR とは、結合して炭素数3〜5のアルキレン基を形成していてもよい。)で表される構造単位である
    ことを特徴とするN−ビニルアミド重合体の製造方法。
  2. 前記処理工程は、粒径200μm以下の粉体状のN−ビニルアミド重合体を、相対湿度50%以上の条件で処理する
    ことを特徴とする請求項1記載のN−ビニルアミド重合体の製造方法。
  3. 前記処理工程は、粒径150μm以下の粉体状のN−ビニルアミド重合体を、相対湿度60%以上の条件で処理する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のN−ビニルアミド重合体の製造方法。
  4. 前記処理工程は、50〜150℃の条件で処理する
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載のN−ビニルアミド重合体の製造方法。
  5. 前記製造方法により得られるN−ビニルアミド重合体は、N−ビニルアミド単量体の含有率が10ppm以下であり、かつN−ビニルアミド単量体の加水分解物の含有率が100ppm以下である
    ことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のN−ビニルアミド重合体の製造方法。
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