JP4458652B2 - 成膜装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空中で被処理基板の成膜処理を行うための成膜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯端末の送受信回路に使用される移動体通信機器向け電子部品であるSAW(Surface Acoustic Wave:表面弾性波)フィルタの需要が、無線通信機器のキーデバイスとして飛躍的に高まってきている。
【0003】
このSAWフィルタを製造するために、プラズマを利用したスパッタリング装置が使用されている。以下にSAWフィルタの動作原理とSAWフィルタの製造時に求められる成膜特性とにつき、図4を参照して説明する。図4は、典型的なSAWフィルタの構成を示す斜視図である。
【0004】
図4に示す通り、SAWフィルタは、圧電体基板10と櫛歯型電極12aおよび12bとで構成される。圧電体基板10は、物質に電場を印加すると歪みを発生するいわゆる圧電特性を有した強誘電体基板である。圧電体基板10として例えばLTO(リチウムタンタルオキサイド;LiTaO3 )が用いられる。圧電体基板10の上面にはAlやAlCu等の材料で形成された櫛歯形状の櫛歯型電極12aおよび12bが設けられる。入力側の櫛歯型電極12aに高周波電圧を印加すると、この電極12aが接触する基板10の表面に歪みが生じて、表面弾性波14が発生する。この表面弾性波14は、圧電体基板10の表面を伝播し、出力側の櫛歯型電極12bで電圧として出力される。この伝播される表面波の周波数は、入力側および出力側の櫛歯型電極の形状に応じて決定されるので、このような構造はフィルタとして機能する。
【0005】
このように、表面弾性波の周波数は、櫛歯型電極の膜厚とそのパタン形状により決定される。よって、電極の膜厚均一性が重要な要素になる。
【0006】
従来、膜厚を均一に成膜するための成膜装置として、文献1「特開平6−256940」に開示された自公転式の基板ホルダを備えたスパッタリング装置(以下、自公転式成膜装置と称する。)が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の自公転式成膜装置では、その機構的複雑さから基板を冷却するための手段を設けることができなかった。したがって、成膜中の成膜処理室内および基板の温度上昇が避けられず、不純物ガスが発生するといった問題があった。また、回転機構近傍に加熱源を設置する場合には、例えばベアリングの変形による回転運動の不具合や、潤滑剤の涸渇による潤滑機能低下等の回転機構自体のトラブルが多発していた。
【0008】
また、近年の高周波化に伴い、SAWフィルタの櫛歯型電極の電極幅を狭くすることが必要になってきている。以前は電極材料として純Alが主体であった。しかし、純Alは、高温に晒されたAl原子が直流電流を担う電子から直接運動エネルギの交換を受けて移動するエレクトロマイグレーションや振動によるストレスマイグレーションが発生しやすいので、電極の断線を引き起こすおそれがある。
【0009】
一方、純Alに不純物を添加すると上述のエレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションが低減することが知られている。そこで、櫛歯型電極材料として、例えば微量なCuを添加したAlCuが使用されている。
【0010】
しかし、Al中へのCuの溶解度は、温度依存性が非常に大きく、基板温度が上昇すると溶解度は大きくなることが知られている。図5に、Al中への各種元素の溶解度と温度の関係を示す(出典:金属便覧 改訂3版,日本金属学会編,丸善株式会社発行)。図5に示す通り、室温状態でのCuのAlへの溶解度は非常に少なく、室温(1000/T≒3.3)ではほとんど溶解しない。このことは、Cu原子はAlグレインの中には入れず、グレインのまわり、すなわちバウンダリ部分に集まった状態で存在することを意味する。しかし基板温度が上昇するとバウンダリ部分のCuがAlグレインの中に溶解し、AlとCuの合金が形成されるようになる。詳細は未だ解明されていないが、一般的には上述のように考えられている。
【0011】
また、プラズマ放電によるスパッタリング法によって、基板にAlCu膜を堆積させると、ターゲットからの輻射熱やターゲットから放出された加速2次電子による衝撃によって、基板温度は数百度になると言われている。これによって、室温ではほとんど溶解しなかったCuは、Al中に10-4at%から10-3at%溶解するようになる。このとき、基板温度に10%前後の温度ムラがあった場合、図5からCu溶解度は数倍異なることが分かる。Cuの電気抵抗値はAlに比べて小さいので、Cuに電気が流れやすい。したがって、グレインバウンダリに存在するCuの量に応じて、AlCu膜全体としてのシート抵抗値に変化が起こる。つまり、基板温度分布が生じることにより、AlCu膜の比抵抗値ρの分布を0.5%以下にすることが困難になる。
【0012】
したがって、基板冷却を行えない従来の自公転式成膜装置では、成膜される膜の電気的特性が不均一になってしまうという問題があった。
【0013】
また、強誘電体であるLTO基板は、前述のように圧電効果を持つとともに、焦電効果も併せ持っている。焦電効果とは、温度上昇によって自発分極が大きくなる現象である。LTOの焦電係数はそれほど大きくはないが、200(10-6Cm-2K-1)であり、温度上昇による分極増大によって電圧を発生する。この性質によって、水冷できなかった従来の自公転式成膜装置では、AlCu膜堆積中の基板温度上昇によって基板が基板ホルダに貼り付いてしまい、その搬送に不具合を生じていた。
【0014】
この問題を解決するために、スパッタリング電力を小さくする方法も考えられる。しかし、この方法は堆積速度の低下を意味し、堆積中に不純物ガスの混入率が増加する結果を招く。真空処理室内に残留している不純物ガスが少ないほど堆積膜の比抵抗が低いことは公知である。したがって、不純物ガスの増加は、比抵抗ρの上昇すなわちAlCu膜の膜質の低下につながり、推奨できない。
【0015】
また、基板とターゲットとの間の空間に、冷却したシールド材を配置して、ターゲットから入射する輻射熱を防ぐ方法もある。しかし、この方法では、基板近傍のシールド材から発生するごみ(堆積膜の剥がれ)が基板上に落ちてしまう問題がある。
【0016】
以上説明したように、従来の自公転式成膜装置では、基板が冷却できないために基板温度の上昇を避けられない。この結果、AlCu膜の比抵抗分布の不均一、膜質の低下、および基板搬送の不具合が生じる。
【0017】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明の成膜装置によれば、真空室内に保持された被処理基板の成膜処理を行う装置であり、真空室内に、公転軸を中心に回転自在のホルダ保持部と、ホルダ保持部により公転軸の周囲に保持され、自転軸を中心に回転自在の基板ホルダと、ホルダ保持部および基板ホルダを回転駆動するための回転駆動部と、基板ホルダにより保持される被処理基板を冷却するための冷却部とを備えることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、自公転式の基板ホルダに保持された被処理基板の冷却が行えるので、膜質の優れた膜を良好な生産性でもって作成することが可能になる。
【0019】
この発明の成膜装置において、好ましくは、冷却部は、ホルダ保持部および基板ホルダの内部に配設され、冷却媒体を循環させるための流路により構成されると良い。
【0020】
また、前述の流路は、基板ホルダ内の第1の流路と、第1の流路に接続され、自転軸に沿って配設された第2の流路と、冷却媒体の導入および排出が行われる部分である冷媒導入部と、冷媒導入部に接続され、公転軸に沿って配設された第3の流路と、第2の流路と第3の流路とを接続する第4の流路とで構成され、第2の流路と第4の流路、および第3の流路と冷媒導入部が、それぞれ回転導入機構を介して接続されると良い。
また、第3の流路と第4の流路は、接続治具を介して接続されている。
また、第4の流路は、接続治具から各基板ホルダに向かって放射状に配置されている。
また、ホルダ保持部は、内部に第3の流路が配設されている第1の管と収納チャンバとで構成されている。
また、収納チャンバの周囲には、固定ギアが環状に配置され、また、基板ホルダを構成する第2の管には、固定ギアと噛合する遊星ギアが取り付けられている。
【0021】
また、この発明の成膜装置において、好ましくは、ホルダ保持部を構成する第1の管が、真空室に対しシール機構を介して、公転軸を中心に回転自在に設けられており、基板ホルダを構成する第2の管が、ホルダ保持部に対しシール機構を介して、自転軸を中心に回転自在に設けられると良い。
【0022】
また、前述のシール機構が磁性流体シールであると良い。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して、この発明の実施の形態につき説明する。なお、図は、この発明を理解できる程度に形状、大きさおよび配置関係を概略的に示すものに他ならない。よって、この発明は図示例に限定されることがない。
【0024】
図1は、実施の形態の成膜装置の要部構成を示す断面図である。図中、断面を示すハッチングを一部省略している。また、図2は、基板ホルダとホルダ保持部との配置関係を示す斜視図である。
【0025】
この実施の形態の成膜装置は、真空室内に保持された被処理基板の成膜処理を行うスパッタリング装置である。真空室は、図1中のベースプレート16の上側に、不図示の真空チャンバによって画成される。この真空室内に、ホルダ保持部18と、基板ホルダ20と、回転導入機構68と、冷却部24とが設けられる。
【0026】
ホルダ保持部18は、管状部材(第1の管)26と収納チャンバ28とで構成される。管状部材26は、ベースプレート16の開口16aを通るごとく配置される。この管状部材26は、真空室すなわちベースプレート16に対してシール機構30を介して取り付けられる。シール機構30と管状部材26との間にベアリング32が挿入されているので、管状部材26は図1中の公転軸34を中心に回転自在である。収納チャンバ28は、管状部材26の真空室側の端部に接続されている。収納チャンバ28の内部は大気となる。
【0027】
基板ホルダ20は、管状部材(第2の管)20aと円盤形状の部材20bとより構成される。管状部材20aは、収納チャンバ28の、管状部材26とは反対側の面に形成された開口を通るごとく配置される。この管状部材20aは、ホルダ保持部すなわち収納チャンバ28に対してシール機構36を介して取り付けられる。シール機構36と管状部材20aとの間にベアリング38が挿入されているので、管状部材20aは図1中の自転軸40を中心に回転自在である。自転軸40は、公転軸34と平行である。このように基板ホルダ20は、ホルダ保持部18により公転軸34の周囲に保持され、自転軸40を中心に回転自在である。収納チャンバ28の外側における管状部材20aの端部に円盤形状の部材20bが接続されており、この部材20b上にウエハ等の被処理基板42が載置される。
【0028】
図2に示すように、この実施の形態では、4個の基板ホルダ20が公転軸34の周囲に配置されている。各基板ホルダ20の自転軸40は、公転軸34から等しい距離だけそれぞれ離間しており、公転軸34を中心に90°おきに配置されている。
【0029】
なお、基板ホルダ20の個数は4個に限らず、例えば5個にしても良い。本願の出願人による特願2000−65428には、5個の基板ホルダを備えた自公転式のスパッタリング装置において、サイズおよび配置関係等の幾何学的条件を最適化した例が示されている。この装置によれば、基板上の面内膜厚分布を±0.5%以下にすることができる。
【0030】
また、上述したシール機構30および36としては磁性流体シールを用いるのが好適である。
【0031】
回転駆動部22は、回転モータ22を駆動源とし、下記の要素から構成される伝達系を具備する。回転モータ22は、モータ支持台44に取り付けられている。回転モータ22の駆動力は、回転伝達連結器46を介してプーリー48に伝達される。プーリー48の回転運動は、歯付きベルト50によって、ホルダ保持部を構成する管状部材26に接続されたプーリー52に伝達される。プーリー52が回転すると、管状部材26は公転軸34を中心に回転運動を行う。それに応じて収納チャンバ28が公転する。一方、基板ホルダを構成する管状部材20aには遊星ギア54が取り付けられている。この遊星ギア54は収納チャンバ28の周囲に環状に配置された固定ギア56と噛合している。この固定ギア56は真空チャンバのベースプレート16に固定されている。
【0032】
よって、収納チャンバ28が公転すると、固定ギア56に沿って遊星ギア54が公転し、そのときに遊星ギア54の歯が固定ギア56の歯と噛み合うことによって、遊星ギア54は回転する。遊星ギア54の回転中心は自転軸40と一致させてあるので、遊星ギア54の回転に応じて基板ホルダ20が自転する。図2に示すように、収納チャンバ28が時計回りに回転すると、基板ホルダ20は反時計回りに自転する。
【0033】
図3は、被処理基板とターゲットとの配置関係を示す図である。真空チャンバ76は、ガス導入系78およびガス排気系80を備えている。この真空チャンバ76内に、ターゲット72、被処理基板42およびホルダ保持部18が配置されている。ターゲット72は、公転軸34上に設置されたカソード74上に、被処理基板42と対向するように設けられる。各基板42は、上述したように自転運動を行うとともに、ホルダ保持部18が回転することによって、公転する。この方式によれば、極めて均一な膜厚分布が得られる。
【0034】
次に、上述の冷却部24につき説明する。この冷却部24は、基板ホルダ20により保持される被処理基板42を冷却するためのものである。この冷却部24は、ホルダ保持部18および基板ホルダ20の内部に配設され、冷却媒体を循環させるための流路により構成される。
【0035】
上述の流路は、第1、第2、第3および第4の流路58、60、62および64と、冷媒導入部66とで構成される。
【0036】
第1の流路58は基板ホルダ20内に設けられる。この第1の流路58は、具体的には被処理基板42が載置される円盤形状の部材20bの内部空間に仕切り板などを用いて形成され、冷却媒体がよどむことなく全体に行きわたるように工夫されている。
【0037】
第2の流路60は、第1の流路58に接続され、自転軸40に沿って配設されている。したがって、第2の流路60は、基板ホルダを構成する管状部材20aの内部に配設されている。
【0038】
冷媒導入部66は、冷却媒体の導入および排出が行われる部分である。この冷媒導入部66は、上述したプーリー52の、ホルダ保持部18と反対側の端部に結合されている。ただし、冷媒導入部66はプーリー52の回転に伴って回転することはない。この冷媒導入部66は、冷媒導入口66aおよび冷媒排出口66bを備えている。
【0039】
第3の流路62は、冷媒導入部66に接続され、公転軸34に沿って配設されている。この第3の流路62は、プーリー52および管状部材26の内部に配設されている。
【0040】
第4の流路64は、第2の流路60と第3の流路62とを接続する流路である。第4の流路64と第3の流路62とは、接続治具70をもって接続されている。また、第4の流路64と第2の流路60とは、後述する回転導入機構68を介して接続されている。第4の流路64は、収納チャンバ28内に、公転軸34および自転軸40と直交する方向に延在するごとく配設されている。この実施の形態では4個の基板ホルダ20が備えられているので、第4の流路64は接続治具70から各基板ホルダ20に向かって放射状に配置される。
【0041】
また、第2の流路60と第4の流路64とが、回転導入機構68を介して接続されている。この回転導入機構68は、通常のOリング等を用いて構成することができる。この構成によれば、基板ホルダ20の自転運動、およびホルダ保持部18の回転運動が行われている最中であっても、第2の流路60と第4の流路64との間で冷却媒体の行き来が可能になる。
【0042】
同様に、第3の流路62と冷媒導入部66とが、回転導入機構(冷媒導入部66内に内在している。)を介して接続されている。この回転導入機構により、ホルダ保持部18の回転運動が行われている最中であっても、第3の流路62と冷媒導入部66との間で冷却媒体の行き来が可能になる。
【0043】
以上の第2、第3および第4の流路60、62および64は、例えばステンレス製のパイプにより構成される。これらの流路は、導入用と排出用の2系統用意される。冷媒導入部66の冷媒導入口66aに導入された冷却媒体は、導入用のパイプを通って、第3の流路62、第4の流路64、第2の流路60の順に流れて第1の流路58に到達する。続いて、冷却媒体は第1の流路58から排出用のパイプに排出され、第2の流路60、第4の流路64、第3の流路62の順に流れて、冷媒排出口66bから外部に排出される。第1の流路58において冷却媒体と被処理基板42との間で熱交換が行われ、被処理基板42が冷却される。
【0044】
この実施の形態では、基板ホルダ20の材質を、軽くて熱伝導率の良いAl製にしてある。基板42は、不図示の基板取り付け治具あるいは静電吸着法によって、良好な密着性をもって基板ホルダ20に取り付けられる。基板ホルダ20が冷却媒体によって充分に冷やされるので、基板42も冷却される。通常、冷却しないでAlCu膜を6分間堆積した場合、基板温度は百度程度になる。これに対して、この実施の形態の装置では、冷媒として水を1分当たり1リットル流した場合、基板温度は約50度程度に抑えられる。
【0045】
なお、冷却媒体としては水の他に、フロリナート等を用いても良い。
【0046】
この実施の形態の装置構成は、マグネトロンスパッタリング装置、イオンビームスパッタリング装置、電子ビームスパッタリング装置、蒸着装置などの様々な成膜装置に適用可能である。
【0047】
また、すでに説明したように、基板ホルダの個数は、プロセスおよび装置構成によって変えることができる。さらに、任意の基板サイズに変更できる。
【0048】
【発明の効果】
この発明の成膜装置によれば、自公転式の基板ホルダに保持された被処理基板の冷却が行えるので、圧電体の焦電効果を発生させることなく、成膜処理効率を大幅に向上させることができる。したがって、膜質の優れた膜を良好な生産性でもって作成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の成膜装置の要部構成を示す図である。
【図2】基板ホルダとホルダ保持部との配置関係を示す図である。
【図3】被処理基板とターゲットとの配置関係を示す図である。
【図4】典型的なSAWフィルタの構成を示す図である。
【図5】Al中への各種元素の溶解度と温度の関係を示す図である。
【符号の説明】
10:圧電体基板
12a,12b:櫛歯型電極
14:表面弾性波
16:ベースプレート
18:ホルダ保持部
20:基板ホルダ
20a:管状部材
20b:円盤形状の部材
22:回転駆動部(回転モータ)
24:冷却部
26:管状部材
28:収納チャンバ
16a:開口
30,36:シール機構
32,38:ベアリング
34:公転軸
40:自転軸
42:被処理基板
44:モータ支持台
46:回転伝達連結器
48,52:プーリー
50:歯付きベルト
54:遊星ギア
56:固定ギア
58:第1の流路
60:第2の流路
62:第3の流路
64:第4の流路
66:冷媒導入部
66a:冷媒導入口
66b:冷媒排出口
68:回転導入機構
70:接続治具
72:ターゲット
74:カソード
76:真空チャンバ
78:ガス導入系
80:ガス排気系
Claims (4)
- 真空室内に保持された被処理基板の成膜処理を行う装置であり、前記真空室内に、
公転軸を中心に回転自在のホルダ保持部と、
前記ホルダ保持部により前記公転軸の周囲に保持され、自転軸を中心に回転自在の、複数の基板ホルダと、
前記ホルダ保持部および基板ホルダを回転駆動するための回転駆動部と、
前記基板ホルダにより保持される被処理基板を冷却するための冷却部と
を備え、
前記冷却部は、前記ホルダ保持部および基板ホルダの内部に配設され、冷却媒体を循環させるための流路により構成され、
前記流路は、前記基板ホルダ内の第1の流路と、該第1の流路に接続され、前記自転軸に沿って配設された第2の流路と、冷却媒体の導入および排出が行われる部分である冷媒導入部と、該冷媒導入部に接続され、前記公転軸に沿って配設された第3の流路と、前記第2の流路と前記第3の流路とを接続する第4の流路とで構成され、
前記第2の流路と前記第4の流路、および前記第3の流路と前記冷媒導入部が、それぞれ回転導入機構を介して接続され、
前記第3の流路と前記第4の流路が、接続治具を介して接続され、
前記第4の流路は、前記接続治具から各前記基板ホルダに向かって放射状に配置され、
前記ホルダ保持部は、内部に前記第3の流路が配設されている第1の管と収納チャンバとで構成され、
前記収納チャンバの周囲には、固定ギアが環状に配置され、また、前記基板ホルダを構成する第2の管には、前記固定ギアと噛合する遊星ギアが取り付けられている
ことを特徴とする成膜装置。 - 請求項1に記載の成膜装置において、
前記ホルダ保持部を構成する前記第1の管が、前記真空室に対しシール機構を介して、前記公転軸を中心に回転自在に設けられており、
前記基板ホルダを構成する前記第2の管が、前記ホルダ保持部に対しシール機構を介して、前記自転軸を中心に回転自在に設けられる
ことを特徴とする成膜装置。 - 請求項1または2に記載の成膜装置において、
前記シール機構が磁性流体シールである
ことを特徴とする成膜装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の成膜装置において、
前記基板ホルダの材質がAl製である
ことを特徴とする成膜装置。
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