JP4458422B2 - ラクチドの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、乳酸ポリマーを解重合して乳酸の環状二量体であるラクチドを製造する方法に関するものであり、単に製造のみならずケミカルリサイクル技術として利用可能なものである。
背景技術
近年の環境間題に対する意識の高まりから、バイオリサイクルおよびケミカルリサイクル可能な乳酸ポリマーの開発が活発に展開されている。乳酸ポリマーの製造方法として、乳酸オリゴマーから熱分解によってラクチドを合成し、さらにそのラクチドを重合することによって乳酸ポリマーを製造する技術は従来から良く知られている。この製造過程において、光学純度の保持は重要である。なぜなら、実用的な乳酸ポリマーは、光学活性なL−ラクチドの開環重合によって製造される融点約175℃の透明で高強度のポリマーであり、わずかの光学活性の低下によって融点の著しい低下を招き、その実用性を失ってしまうからである。
ラクチドの光学純度は、原料となる乳酸の光学純度のみならず乳酸オリゴマーの解重合時のラセミ化によっても著しい影響を受ける。野田と奥山は、乳酸オリゴマーの熱分解触媒の検討を温度190〜230℃、圧力4〜5mmHgの減圧下で行った。その結果、触媒活性の順序はSn>Zn>Ti>Alであり、光学純度の保持についても、ほぼ同じ傾向を報告した(Chemical Pharmaceutical.Bulletin,47,467(1999))。特開平11−209370号公報は、モノブチル錫の存在下で120〜230℃に加熱することによって高純度のラクチドを得る技術を開示している。また、特開平11−292871号公報は、分子量400〜3000の乳酸オリゴマーに塩化銅を添加して、130〜260℃に加熱することによって生成するラクチドのラセミ化が抑制されることを開示している。また、特開平10−306091号公報は、周期律表IA、IIIA、IVA、IIB、およびVA族の触媒を用いた乳酸オリゴマーの解重合反応系内に、水蒸気を吹き込みながら130〜260℃に加熱する事によって、ラセミ化が抑制されることを開示している。
このように、スズ化合物は熱分解触媒活性および光学純度保持能に関していずれも良好な触媒である。ケミカルリサイクルを考えた場合、一般的に、より高分子量の乳酸ポリマーに適用されなければならず、高温かつ長時間での熱分解においても同様の特性が望まれる。しかしながら、スズ触媒であっても、高温かつ長時間の条件下では、ラセミ化が進行し、生成するラクチドの光学純度は低下する(例えば、Polymer Degradation and Stability,53,329−342(1996)およびJournal of Applied Polymer Science,78,2369−2378(2000)を参照のこと)。この高分子量の乳酸ポリマーの解重合時に、ラセミ化を抑制する方法として、従来、幾つかの技術が開示されている。例えば、特開平9−241417号公報は、熱分解触媒としてのスズの他に高沸点のアルコール類を添加して、加アルコール分解の後に解重合させる方法を開示している。
一方、ポリマーのケミカルリサイクルシステムとして解重合反応を考えた場合、単純に工場内でのラクチド合成プロセスとは異なり、スズあるいはその他のエステル交換金属触媒の環境への悪影響が危惧されている。高分子量の乳酸ポリマーをより低温でかつ短時間で解重合反応を行うためには、解重合のための触媒を新たに添加する必要があるが、より安全なものが要求されている。
このような要求を受けて、例えば、特開平8−119961号公報は、酸化第一鉄を触媒とする乳酸オリゴマーからのラクチドの合成法を開示している。さらに、アルカリ金属の水酸化物やアルコキシド、およびカルボン酸との塩などを触媒とする乳酸オリゴマーの熱分解方法(特開平6−65230号公報)が開示されている。しかしながらこれらの方法は、いずれも乳酸オリゴマーからのラクチド合成の方法である。
アルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物は、一般的に安全な化合物が多く、スズに代わる解重合触媒として期待されるが、これらは一方で、ラセミ化を起こし易い触媒としても知られている(特開平11−35663)。
発明の開示
したがって、高分子量の乳酸ポリマーから、高い光学純度のラクチドを効率的に生成するための方法が現在望まれている。
本発明の目的は、例えば使用済みの高分子量の乳酸ポリマーをケミカルリサイクルするためなど、乳酸ポリマーを高い光学純度のラクチドに効率的に変換するための触媒および解重合条件を提供することにある。
本発明者らは上記課題について鋭意検討を行った結果、乳酸ポリマーにアルカリ土類金属化合物を添加し、320℃以下、好ましくは200℃以上320℃以下の温度範囲で加熱することによって、効率的にかつ高い光学純度のラクチドに変換することができることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明者らは、以下の発明を見出した。
<1> 乳酸ポリマーにアルカリ土類金属の化合物を添加し、200℃以上320℃以下に加熱することを特徴とするラクチドの製造方法。
<2> 上記<1>において、乳酸ポリマーはその重量平均分子量が1万以上、好ましくは3万以上、より好ましくは10万以上であるのがよい。
<3> 上記<1>又は<2>において、アルカリ土類金属は、カルシウム又はマグネシウムであるのがよい。
<4> 上記<1>〜<3>のいずれかにおいて、アルカリ土類金属の化合物は、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水素化カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及び水素化マグネシウムからなる群、特に炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムからなる群、から選ばれる1種または2種以上であるのがよい。
<5> 上記<1>〜<4>のいずれかにおいて、乳酸ポリマーの分子末端周辺にアルカリ土類金属の対イオンが存在するように、添加工程を行うのがよい。
<6> 上記<1>〜<5>のいずれかにおいて、加熱を、225〜320℃、好ましくは225〜300℃、より好ましくは225〜250℃で行うのがよい。
<7> 上記<1>〜<6>のいずれかにおいて、乳酸ポリマーの光学純度が80%e.e.以上、好ましくは90%e.e.以上、より好ましくは96%e.e.以上であって、且つ得られるラクチド中のメソ−ラクチドの含有率が全ラクチドに対して10mol%以下、好ましくは5mol%以下、より好ましくは2mol%以下であるのがよい。
<8> 乳酸ポリマーにマグネシウムの化合物を添加し、320℃以下、好ましくは200〜320℃、250〜300℃に加熱することを特徴とするラクチドの製造方法。
<9> <8>において、乳酸ポリマーはその重量平均分子量が1万以上、好ましくは3万以上、より好ましくは10万以上であるのがよい。
<10> <8>又は<9>において、マグネシウムの化合物は、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムからなる群から選ばれる1種または2種以上であるのがよい。
<11> <8>又は<9>において、マグネシウムの化合物は、酸化マグネシウムであるのがよい。
<12> <10>又は<11>において、乳酸ポリマーの固体と酸化マグネシウムの固体とを混合することにより、添加工程を行うのがよい。
<13> <8>〜<12>のいずれかにおいて、乳酸ポリマーの分子末端周辺に前記マグネシウムの対イオンが存在するように、添加工程を行うのがよい。
<14> <8>〜<13>のいずれかにおいて、乳酸ポリマーの光学純度が80%e.e.以上、好ましくは90%e.e.以上、より好ましくは96%e.e.以上であって、且つ得られるラクチド中のメソ−ラクチドの含有率が全ラクチドに対して10mol%以下、好ましくは5mol%以下、より好ましくは2mol%以下であるのがよい。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明をより詳細に説明する。
後述する実施例において詳述するように、アルカリ土類金属化合物の存在下に高分子量の乳酸ポリマーを熱分解した場合、乳酸ポリマーの分子鎖末端より分解が開始し、ラクチド単位でジッパー式に脱離する解重合反応メカニズムで熱分解が進行することを発見するに至った。一方、アルカリ土類金属化合物が共存しない場合、複雑な分子内/分子間での分解反応が進行し、ラクチド以外の様々の分解生成物が生成することを確認した。さらに、アルカリ金属化合物の存在下でも、同様に複雑な分子内/分子間での分解反応が進行し、ラクチド以外の様々な分解生成物が生成することを確認した。即ち、アルカリ土類金属化合物の共存は、特異的なラクチド単位での解重合反応を引き起こすものである。
本発明において、乳酸ポリマーとは乳酸エステル構造を基本ユニットとするポリマーであり、特にL−乳酸エステル構造ユニットが全ユニットの90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上のポリマーである。L−乳酸エステル構造ユニット以外の成分としては、D−乳酸エステルユニットやラクチドと共重合可能なラクトン類、環状エーテル類、環状アミド類、環状酸無水物類などに由来する共重合成分ユニットが存在することが可能である。
好適に用いられる共重合成分としては、カプロラクトン、バレロラクトン、β−ブチロラクトン、バラジオキサノンなどのラクトン類;エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、オキセタン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類;ε−カプロラクタムなどの環状アミド類;コハク酸無水物、アジピン酸無水物などの環状酸無水物類などである。
さらに、乳酸ポリマー中に共存しうるユニットとして、開始剤成分も含まれ得る。この開始剤成分として、アルコール類、グリコール類、グリセロール類、その他の多価アルコール類、カルボン酸類、多価カルボン酸類、およびフェノール類などが用いられる。好適に用いられる開始剤成分を具体的に例示すれば、エチルヘキシルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、グリセリン、オクチル酸、乳酸、グリコール酸などである。
本発明において不可欠の要件は、アルカリ土類金属の存在である。そのために用いられるアルカリ土類金属の化合物として、特に制限なく公知の化合物を用いることができる。好適に用いられるアルカリ土類金属の化合物として、カルシウムの化合物およびマグネシウムの化合物であるのがよい。好適に用いられるアルカリ土類金属の化合物を具体的に例示すれば、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水素化カルシウムなどのカルシウム化合物類;炭酸マグネシウム、重炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水素化マグネシウムなどのマグネシウム化合物類;カルシウムとマグネシウムの複合金属化合物類;並びに上記カルシウム化合物類およびマグネシウム化合物類を少なくとも10重量%以上含有する複合化合物などを挙げることができる。さらにこれらのアルカリ土類金属化合物が2種以上混合して用いることもできる。
アルカリ土類金属の化合物の添加方法として、公知の添加法又は混合法を挙げることができ、特に限定されない。但し、アルカリ土類金属の化合物は、乳酸ポリマーの分子末端周辺に存在するように、添加するのがよい。例えば、乳酸ポリマーの分子末端周辺にアルカリ土類金属の化合物、又はアルカリ土類金属の対イオンを存在させるのがよく、そのように設計された添加法又は混合法を用いるのがよい。より具体的には、アルカリ土類金属又はその化合物が乳酸ポリマー中に均一分散することが望ましい。例えば、アルカリ土類金属又はその化合物を予め微細に粉砕したものを用いるか、アルカリ土類金属又はその化合物と乳酸ポリマーとを混合した後、機械的及び/又は熱的に混合分散させる方法を用いることができる。好適に用いられる添加法又は混合法として、ミキサー又はエクストルーダーなどの従来より公知の混合分散装置を用いる、溶融混合法、溶液混合法、粉体混合後溶融分散法、マスターバッチ法などを挙げることができる。
なお、アルカリ土類金属の化合物として、酸化マグネシウムを用いる場合、後述するような熱分解メカニズムを有するため、乳酸ポリマーと酸化マグネシウムとを、固体同士で混合する方法により、乳酸ポリマーを熱分解する試料を作製することができる。
アルカリ土類金属の化合物は、その種類によってラセミ化の度合いが変化する。例えば、アルカリ土類金属化合物としてアルカリ性の強い水酸化物と比較的中性に近い炭酸塩とを比較すると、炭酸塩の場合、熱分解の開始進行が遅くかつ水酸化物より高温側に移動しやすい。その結果として、炭酸塩の場合、200〜320℃の温度域で、ラセミ化の度合いが水酸化物よりも高い傾向になる場合がある。比較的アルカリ性の強いアルカリ土類金属の酸化物、例えば酸化マグネシウムの場合、熱分解の開始が水酸化物よりも少し高温側に移動するものの、200〜320℃の温度域においてラセミ化の度合いは比較的低い傾向にある。とりわけ、酸化マグネシウムの場合、ポリ乳酸中への分散性の低さから、200℃以下でのポリ乳酸の分解を促進せず、一方、200〜320℃の温度域では、そのアルカリ性によって熱分解を促進する傾向があるため、200℃未満でのラセミ化反応を本質的に抑制しつつ光学純度の高いラクチドへの転換を促進するという極めて好ましい作用を示す。
なお、ポリ乳酸は、次のような熱分解メカニズムを有しているものと考えられる。即ち、熱分解メカニズムとして、200℃以下での反応1、200〜320℃での反応2、及び320℃以上での反応3が考えられる。
反応1:200℃以下でのカルボン酸アニオン(−RCOO−)の不斉炭素攻撃による選択的ラセミ化とメソラクチド生成反応。この温度範囲では、カルボン酸アニオンが主反応活性種として作用し、これが電子密度の低い不斉炭素を攻撃し、バルデン反転によってほぼ選択的にラセミ化を起こしながらメソラクチドを生成するものと考えられる。
反応2:200〜320℃でのアルコラートアニオン(−RO−)のカルボニル炭素攻撃による選択的L,L−ラクチド生成反応。200〜320℃では、アルコラートアニオンが分解反応の主役となり、カルボニル炭素を攻撃して、ラセミ化を引き起こすことなくラクチドを生成するものと考えられる。反応2は、反応1と比べて非常に速いため、この温度範囲では、反応1は無視できる程度になるものと考えられる。
反応3:320℃以上でのポリマー主鎖での互変異性反応によるラセミ化の進行(メソ及びD,D−ラクチドの生成比率の増大)。320℃以上では、ポリマー主鎖内で“ケト−エノール互変異性化反応”が生じ、50%の確率でラセミ化を引き起こすものと考えられる。
具体的には、アルカリ土類金属の化合物の添加量は、乳酸ポリマーに対して50ppm〜10重量%、より好ましくは100ppm〜5重量%の範囲であるのがよい。例えば、乳酸ポリマー以外に他のポリマーを含むポリマー系に、アルカリ土類金属の化合物が含まれる場合、該ポリマー系中の乳酸ポリマーからラクチドを製造する場合も、上記の添加量が適用される。
より具体的には、乳酸ポリマー以外に他のポリマーを含むポリマー系をケミカルリサイクルする場合にも、上記添加量は適用される。なお、他のポリマーとして例えばポリオレフィンを含むポリマー系をケミカルリサイクルする場合、ポリオレフィン成分は乳酸ポリマーの熱分解温度領域において溶融再加工される。一方、アルカリ土類金属化合物はそのままポリオレフィン成分中に混合した状態で再加工され、再加エポリオレフィンのフィラーとして機能することができる。このような場合には、アルカリ土類金属化合物の添加量は、乳酸ポリマーとその他のポリマーとの総和に対して、最大100重量%まで十分添加可能である。
添加又は混合工程後、加熱工程に付される。加熱工程は、200〜320℃であるのがよく、好ましくは225〜320℃、より好ましくは225〜300℃、最も好ましくは225〜250℃で行うのがよい。
この温度範囲は、乳酸ポリマーの分子量、アルカリ土類金属、その化合物の種類及び形状に依存する。例えば、分子量の低い乳酸ポリマーの場合、比較的低い温度でもラセミ化の程度は低い傾向にある。この原因は未だ明確ではないが、200℃未満で進行するラセミ化反応が乳酸ポリマー分子量依存性を有しているためと考えられる。
一方、乳酸ポリマーの分子量が大であると末端数の減少に伴い分解速度が低下するため、同程度の分解速度を保持するにはより高温が必要となり、高温側で進行するラセミ化が顕在化してくる。この高温側でのラセミ化反応は、320℃を超える温度で急上昇し、分子量依存性が比較的小さいと考えられる。したがって、本発明の上述の温度範囲によって、ラクチド生成時のラセミ化抑制効果を十分にもたらすことができる。
本発明において、光学純度の高いラクチドを合成する方法として、乳酸ポリマーを、上記温度範囲に設定された反応器中に投入することが望ましいが、より低温から高速で昇温する方法も場合によって選択可能である。この場合、可能な限り急速な昇温が望ましいが、少なくとも30℃/分以上の昇温がラセミ化を抑制するために必要である。
本発明において利用される熱分解のための反応器として、バッチ式、連続式のいずれも用いることができる。好適に用いられる反応器として、エクストルーダー、オートクレーブ、流動床式反応器などを挙げることができる。エクストルーダーを用いる場合、シリンダーの各ブロックの温度設定とスクリューの回転数、スクリューの形状、一軸/二軸スクリューなどの形式によって、熱分解温度や熱分解速度の制御および昇温速度を本発明における好適な温度範囲および昇温範囲に設定することが可能である。
これらの熱分解反応器を用いて乳酸ポリマーの熱分解を実施する場合、生成したラクチドは揮発してくるため、気相成分を取り出すプロセスが不可欠である。上記した各反応器は、気相成分を取り出すための排出口および/又は気相成分を押出し置換するために窒素ガスなどの不活性ガスの注入口を有する。例えば、エクストルーダー反応器の場合、ベント口が排出口として好適に用いられる。
このようにして、本発明のラクチドを得ることができる。得られたラクチドのラセミ化の評価は、従来より公知の方法を用いることができる。例えば、1つの乳酸単位でラセミ化が生じ、続いてラクチド単位での脱離が生じた場合、meso−ラクチドが生成する。連続する2つの乳酸単位でラセミ化が生じ、その2つの乳酸単位がラクチドとして脱離した場合、D,D−ラクチドが生成する。一般的に、ラセミ化反応がランダムに進行した場合、meso−ラクチドが主な反応生成物として生成する。これらのmeso−ラクチド及びD,D−ラクチドのL,L−ラクチドに対する割合は、ガスクロマトグラム分析によって確認することができる。但し、光学分割が不可能なカラムを利用した場合、D,D−ラクチドとL,L−ラクチドとは、同一フラクションとして検知されるため、ラセミ化の評価は、meso−ラクチドの生成割合が指標として利用することができる。したがって、meso−ラクチドの生成割合が、得られたラクチド中10mol%以下、好ましくは5mol%以下、より好ましくは2mol%以下であるのがよい。
なお、本発明により、ラセミ化抑制効果を奏するラクチドの製法を提供することができるが、得られるラクチドの光学純度は、用いるポリ乳酸の光学純度に依存する。即ち、用いるポリ乳酸の光学純度が高ければ高いほど得られるラクチドの光学純度も高くなる。したがって、ポリ乳酸の光学純度は、80%e.e.以上、好ましくは90%e.e.以上、より好ましくは96%e.e.以上であれば、得られるラクチドの光学純度も高くなる。なお、ここで「%e.e.」とは、enantiomeric excessという一対の鏡像異性体だけからなる混合物中に存在する一方の鏡像異性体の過剰量を百分率で表したものである。
実施例
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1:225〜250℃の温度範囲でのカルシウム塩末端PLLAの熱分解によるラクチドの合成)
塩酸処理によって金属を含まないポリ乳酸(Mn=138000、Mw/Mn=1.83)5gをテトラヒドロフラン(THF)150mLに溶かして、水素化カルシウム(CaH2)を0.5g加えて1時間攪拌した。未反応のCaH2を濾別した後、ポリ乳酸溶液をメタノール1000mL中に滴下し末端カルシウム塩構造を有するポリ(L−乳酸)(PLLA−Ca)を沈殿させた。これをろ過回収後真空乾燥した。サンプラー付き熱分解装置(フロンティアラボ社製PY2020D、Shimadzu製GC−17A+GCMS−QP5050。「サンプラー付き熱分解装置」は、以下の実施例、参考例、比較例において同じ)に不活性ガス(He)を通しながら、60℃に予熱した熱分解オーブンの中に、PLLA−Ca10μgをすばやく投入した。その後、10℃/分で250℃まで昇温した。225−250℃の温度範囲での熱分解生成物をサンプラーを用いて分取し、ガスクロマトグラム−質量分析器(GCMS)にかけて分析した。分析の結果、全生成ラクチド中のmeso−ラクチドの含有率は1.3%であった。
(比較例1:60〜250℃の温度範囲でのカルシウム塩末端PLLAの熱分解によるラクチドの合成)
実施例1と同様にしてPLLA−Caの熱分解を行い、温度範囲60−250℃での熱分解生成物をサンプラーを用いて分取し、GCMSにかけて分析した。分析の結果、meso−ラクチドの含有率は、全生成ラクチド中、34.6%であった。
(比較例2:60〜225℃の温度範囲でのカルシウム塩末端PLLAの熱分解によるラクチドの合成)
実施例1と同様にしてPLLA−Caの熱分解を行い、温度範囲60〜225℃での熱分解生成物をサンプラーを用いて分取し、GCMSにかけて分析した。分析の結果、meso−ラクチドの含有率は、全生成ラクチド中、92.0%であった。
(比較例3:60〜200℃の温度範囲でのカルシウム塩末端PLLAの熱分解によるラクチドの合成)
実施例1と同様にしてPLLA−Caの熱分解を行い、温度範囲60〜200℃での熱分解生成物をサンプラーを用いて分取し、GCMSにかけて分析した。分析の結果、meso−ラクチドの含有率は、全生成ラクチド中、100%であった。
以上の実施例1、及び比較例1〜比較例3の結果から、温度範囲:200〜250℃、特に225〜250℃では、熱分解に伴うラセミ化は殆ど起こらない一方、200℃より低温では、著しいラセミ化が進行していることがわかる。
(実施例2:250℃でのPLLA−Caの等温熱分解によるラクチドの合成)
サンプラー付き熱分解装置に不活性ガス(He)を通しながら、250℃に加熱した熱分解オーブンの中に、実施例1で用いたPLLA−Ca10μgをすばやく投入した。熱分解は速やかに進行し、熱分解生成物をGCMSにかけて分析した。分析の結果、10分間分解を行った場合のmeso−ラクチドの含有率は2.3%であった。
実施例2および比較例1の結果より、PLLA−Caの250℃での等温熱分解は、60℃から250℃まで昇温した場合より、明らかに高い光学純度のラクチドが得られることがわかる。
(参考例1:PLLA−Caの熱分解メカニズムの確認)
塩酸処理によって作られた金属を含まない乳酸ポリマー2gをTHF50mlに溶解して、水素化カルシウムを0.2g加えて1時間攪拌した。未反応の水素化カルシウムをメンブランフィルター(ポアサイズ:1μ)で濾別した後、乳酸ポリマー溶液をメタノール1Lに滴下して、乳酸ポリマーを沈殿させた。沈殿した乳酸ポリマーを濾取した後、乾燥させてPLLA−Ca(Mn=94200、Mw/Mn=1.95)を得た。
このPLLA−Ca0.25gをクロロホルム5mlに溶解して、この溶液をフラットシャーレ上に展開してキャストフィルムを作成した。得られたフィルムを、一回につき約5mgを切り出し、SEIKO製TG/DTA6200を用いて、窒素雰囲気下、室温〜400℃までの温度範囲で、1、3、5、7および9℃/分の昇温速度で熱分解を行った。重量変化のデータは、SEIKO製Exter6000データ処理システムにより取り出し、この熱重量変化データを、熱分解解析のための積分法、微分法、ランダム解析法をそれぞれ用いて解析し、熱分解の動力学的パラメータを求めた。
その結果、熱分解反応活性化エネルギーは98kJ/molであり、分解反応は、ラクチドを選択的に生成する1次反応によって進行することが確認された。
さらに、上述のサンプラー付き熱分解装置に不活性ガスを通しながら、60℃まで予熱した。PLLA−Caサンプル10μgを熱分解装置にすばやく投入し、昇温速度10℃/分で昇温してPLLA−Caサンプルを完全に熱分解させた。生成した熱分解生成物を、GCMSにかけて分析した結果、meso−ラクチドの含有率は13.3%であった。
(比較例4:PLLA−Naの熱分解)
参考例1において、水素化カルシウムの代わりに水素化ナトリウムを用いて、ナトリウム塩末端構造を有する乳酸ポリマー(PLLA−Na、Mn=119600、Mw/Mn=1.97)を得た。
このPLLA−Na0.25gを用いて、参考例1と同様に、キャストフィルムを作成し、参考例1と同様に、SEIKO製TG/DTA6200を用いて、熱分解の動力学的パラメータを求めた。その結果、熱分解反応活性化エネルギーは170kJ/molであり、分解反応は主にランダム反応によって進行することが確認された。
さらに、参考例1と同様に、熱分解装置を用いてPLLA−Naサンプルを完全に熱分解させた。生成した熱分解生成物をGCMSを用いて分析した結果、ラクチドの含有率は58.2%であり、その他に乳酸エステル(4.7%)、3〜10量体(33.2%)、さらに乳酸(1.5%)、アクリル酸(0.7%)などが確認された。即ち、PLLA−Naの熱分解は、分子間/分子内でランダムに進行する分解であり、ラクチドが選択的に生成する反応でないことを確認した。
参考例1及び比較例4の結果より、カルシウム末端乳酸ポリマーPLLA−Caは、ラクチドを選択的に生成する連鎖的解重合反応であるのに対し、ナトリウム末端乳酸ポリマーPLLA−Naは、ラクチドの選択性が低いランダムな分解反応であることが確認された。
(実施例3:300−320℃の温度範囲でのPLLA−Caの熱分解によるラクチドの合成)
実施例1と同様の操作によって、PLLA−Ca(Mn=26,900、Mw/Mn=2.56)を調製した。これをろ過回収後真空乾燥した。サンプラー付き熱分解装置に不活性ガス(He)を通しながら、60℃に予熱した熱分解オーブンの中に、PLLA−Ca10μgをすばやく投入した。その後、10℃/分で320℃まで昇温した。熱分解生成物をGCMSにかけて分析した結果、全生成ラクチド中のmeso−ラクチドの含有率は7.9%であった。次に、同じPLLA−Caを同様の方法で、300℃まで昇温し、熱分解生成物をGCMSにかけて分析した結果、全生成ラクチド中のmeso−ラクチドの含有率は7.8%であった。
以上の結果から、300〜320℃の温度範囲でのPLLA−Caの熟分解において、ラセミ化が殆ど進行していないことがわかる。
(比較例5:320〜340℃の温度範囲でのカルシウム塩末端PLLA−Caの熱分解によるラクチドの合成)
実施例3と同様にしてPLLA−Caの熱分解を行い、60〜340℃温度範囲での熱分解生成物をサンプラーを用いて分取し、GCMSにかけて分析した結果、meso−ラクチドの含有率は、全生成ラクチド中、14.2%であった。従って、比較例5の結果を参照すれば、320〜340℃の温度範囲で、急速なラセミ化が進行したことが結論される。
(実施例4:炭酸カルシウムを用いて調製されたPLLA−Caの熱分解によるラクチドの合成)
塩酸処理によって調製した金属を含有しないポリ乳酸(Mn=138,000、Mw/Mn=1.83)500mgをクロロホルム5mlに溶解し、次に炭酸カルシウム25mgを加えた。15分間攪拌して炭酸カルシウムを均一に分散させた後、溶媒を揮発させ、さらに真空下で乾燥した。これにより、カルシウム含有率約2wt%のPLLA−Caを調製した。次に、サンプラー付き熱分解装置に不活性ガス(He)を通しながら、250℃に加熱した熱分解オーブンの中に、調製したPLLA−Ca10μgをすばやく投入した。熱分解は速やかに進行し、熱分解生成物をGCMSにかけて分析した。分析の結果、60秒間の熱分解を行った場含のmeso−ラクチドの含有率は4.9%であった。
(比較例6:350℃でのPLLA−Caの等温熱分解によるラクチドの合成)
熱分解オーブンの加熱温度を350℃にした以外は実施例4と同様の方法で、実施例4において調製した炭酸カルシウム分散PLLA−Caの等温熱分解を行った。熱分解生成物をGCMSにかけて分析した結果、60秒間の熱分解を行った場合のmeso−ラクチドの含有率は31.4%であった。
(比較例7:190℃でのPLLA−Caの等温熱分解によるラクチドの合成)
熱分解オーブンの加熱温度を190℃、熱分解時間を10分間にした以外、実施例4と同様の方法で、実施例5において調製した炭酸カルシウム分散PLLA−Caの等温熱分解を行った。熱分解生成物をGCMSにかけて分析した結果、meso−ラクテドの含有率は11.3%であった。
(実施例5:酸化マグネシウムを用いて調製されたPLLA−Mgの熱分解によるラクチドの合成)
塩酸処理によって調製した金属を含有しないポリ乳酸(Mn=138,000、Mw/Mn=1.83)500mgをクロロホルム5mlに溶解し、次に酸化マグネシウム16.6mgを加えた。15分間攪拌して酸化マグネシウムを均一に分散させた後、溶媒を揮発させ、さらに真空下で乾燥した。これにより、マグネシウム含有率約2wt%の末端マグネシウム塩構造を有するポリ(L−乳酸)(PLLA−Mg)を調製した。得られたPLLA−Mgの分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーによって測定した結果、Mn=141,000、Mw/Mn=1.93であった。次に、サンプラー付き熱分解装置に不活性ガス(He)を通しなが
をすばやく投入した。熱分解は速やかに進行し、熱分解生成物をGCMSにかけて分析した結果、60秒間の熱分解を行った場合のmeso−ラクチドの含有率は5.0%であった。
(実施例6:220℃でのPLLA−Mgの等温熱分解によるラクチドの合成)
熱分解オーブンの加熱温度を220℃にした以外、実施例5と同様の方法で、実施例5において調製した酸化マグネシウム分散PLLA−Mgの等温熱分解を行った。熱分解生成物をGCMSにかけて分析した結果、60秒間の熱分解を行った場合のmeso−ラクチドの含有率は4.2%であった。
(実施例7:200℃でのPLLA−Mgの等温熱分解によるラクテドの合成)
熱分解オーブンの加熱温度を200℃にした以外、実施例5と同様の方法で、実施例5において調製した酸化マグネシウム分散PLLA−Mgの等温熱分解を行った。
熱分解生成物をGCMSにかけて分析した結果、60秒間の熱分解を行った場合のmeso−ラクチドの含有率は5.0%であった。
(実施例8:210℃での酸化マグネシウム添加PLLAの熱分解によるラクチドの合成)
攪拌翼を備えた100ml容量の三口フラスコ中に、塩酸処理によって金属を含まないポリ乳酸(Mn=133000、Mw/Mn=1.82)20gと酸化マグネシウム(MgO)1.66g(MgとしてPLLAに対して5重量%)を加えて、機械的攪拌によって固体同士のまま混合した。攪拌を停止し、真空ポンプを用いて三口フラスコ内部を減圧にした後、油浴中で昇温加熱した。210℃まで昇温した後、溶融したPLLAと酸化マグネシウム混合物を再び機械的に攪拌しながら、減圧下に210℃で4時間保持した。減圧下に溜去した熱分解生成物は、室温トラップ中に捕集した。4時間の加熱中に溜去した生成物の重量は11.93gであり粗回収率は59.6%であった。回収された熱分解生成物をガスクロマトグラフを用いて分析した結果、生成物の組成は、L−ラクチドの含有率が94.5%、meso−ラクチドの含有率が4.7%、およびD−ラクチドの含有率が0.8%であった。
Claims (13)
- 乳酸ポリマーにアルカリ土類金属の化合物を添加し、200℃以上320℃以下に加熱することを特徴とするラクチドの製造方法。
- 前記乳酸ポリマーはその重量平均分子量が1万以上である請求項1記載の方法。
- 前記アルカリ土類金属は、カルシウム又はマグネシウムである請求項1又は2記載の方法。
- 前記アルカリ土類金属の化合物は、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムからなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
- 前記乳酸ポリマーの分子末端周辺に前記アルカリ土類金属の対イオンが存在するように、前記添加工程を行う請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
- 前記乳酸ポリマーの光学純度が80%e.e.以上であって、且つ得られるラクチド中のメソ−ラクチドの含有率が全ラクチドに対して10mol%以下である請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
- 乳酸ポリマーにマグネシウムの化合物を添加し、200℃以上320℃以下に加熱することを特徴とするラクチドの製造方法。
- 前記乳酸ポリマーはその重量平均分子量が1万以上である請求項7記載の方法。
- 前記マグネシウムの化合物は、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムからなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項7又は8記載の方法。
- 前記マグネシウムの化合物は、酸化マグネシウムである請求項7又は8記載の方法。
- 前記乳酸ポリマーの固体と前記酸化マグネシウムの固体とを混合することにより、前記添加工程を行う請求項9又は10記載の方法。
- 前記乳酸ポリマーの分子末端周辺に前記マグネシウムの対イオンが存在するように、前記添加工程を行う請求項7〜11のいずれか1項記載の方法。
- 前記乳酸ポリマーの光学純度が80%e.e.以上であって、且つ得られるラクチド中のメソ−ラクチドの含有率が全ラクチドに対して10mol%以下である請求項7〜12のいずれか1項記載の方法。
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