JP4457830B2 - 自律移動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自律移動ロボットなどであって、例えば人などの障害物と同じ移動空間を共有して移動し、人と衝突せずに安全かつスムースな移動動作を行う自律移動装置に関する。
従来、この種の自律移動装置は、移動する障害物を検出した場合、安全のため停止するか、又は障害物の相対移動速度を計算して、それに応じた回避経路を計算して回避動作を行うことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この公報に示される装置においては、移動する複数の障害物の速度を計算して、回避行動を決定するようにしている。この装置によれば、全ての障害物の時刻間における位置を正確に対応付けて、速度を計算し、正確に回避行動を決定できるとされる。しかしながら、この装置の問題は、上記の対応付けを行うため、障害物の数が増えるに従って演算量が増大し、回避判断処理のリアルタイム性が崩れる怖れがあることである。また、ある障害物が別の障害物の陰に隠れた場合等、対応付けは必ずしも正確に行えるとは限らず、誤った速度情報に基づいた回避判断を行ってしまう危険性がある。
特開平10−143245号公報
本発明は、上記問題を解消するものであり、複数の障害物が存在する場合においても各々の対応付けを行わず、自律移動装置に最も近い障害物の速度のみを計算して回避判断を行うことによって演算量を削減し、回避判断処理のリアルタイム性を保持できるようにした自律移動装置を提供することを目的とする。
上記課題を解消するために請求項1の発明は、走行を行うための走行手段と、装置に対する障害物の距離情報を定期的に取得する距離情報取得手段と、この距離情報取得手段により得られた距離情報を基に前記走行手段を制御して障害物を回避しながら走行する走行制御手段とを有する自律移動装置において、前記距離情報取得手段により得られた距離情報を基に、複数の障害物のうち装置に最も近い障害物を検知し、該障害物の速度の方向成分を演算すると共に、前記障害物の速度の方向成分に基づいて装置の移動方向と該移動方向に直交する方向を基準とする座標系において各軸方向ごとに正、負及び0に3値化した値で表した挙動パターンを求める演算手段を備え、前記走行制御手段は、前記演算手段により求まった過去複数回分の挙動パターンより、過去複数回分における正、負、0の値をそれぞれ+1、−1、0として各軸方向毎に加算した値を取得し、この値の正、負及び0値により前記障害物の前後及び左右方向の移動を判定し、この判定結果に基づいて前記走行手段を制御して前記障害物を回避しながら走行する障害物回避動作を行うものであり、前記演算手段は、走行方向の所定領域内のみで挙動パターンを求め、前記所定領域は、装置に近い方から危険ゾーンと監視ゾーンに分割し、装置に最も近い障害物が危険ゾーンに検知されず監視ゾーンに検知されたとき、該障害物の位置と速度に応じて次の距離情報取得時には危険ゾーンに突入するか否かを予測し、前記走行制御手段は、前記危険ゾーンに障害物が検知されず監視ゾーンに障害物が検知される状態では、前記演算手段により求めた挙動パターンに基づく前記障害物回避動作を行うと共に、前記演算手段により危険ゾーンに障害物が突入することが予測されたとき、及び危険ゾーンに障害物が検知されたときに、走行手段を走行停止して緊急回避動作させるものである。
請求項の発明は、請求項1記載の自律移動装置において、前記演算手段は、さらに装置に2番目に近い障害物の位置を検出し、前記走行制御手段は、回避動作の際に前記検出された位置情報から、装置に最も近い障害物と2番目に近い障害物を避けるように走行手段を制御するものである。
請求項1の発明によれば、障害物の距離情報を基に速度の方向成分を演算し、自律移動装置(装置という)の移動方向座標系における障害物の挙動パターンを求め、それによって障害物回避動作をするようにしたので、障害物の発見と同時に停止する必要性を廃し、装置は移動しながら減速・加速・右方向転換・左方向転換等の回避を行えばよく、それにより装置の稼動効率を向上することができる。また、障害物の速度情報を用いることによって、位置情報のみを用いる場合よりも的確な回避ルートを選択することができる。
さらに、全ての障害物の速度を計算するのではなく、各時点で最も重要性の高い対象であると考えられる、最も装置に近い障害物の速度情報のみを計算するようにしたので、演算処理の負担を軽減することができる。ここで、最も装置に近い障害物というのは各時点でそれを満たす障害物のことであり、速度を計算する際にもその対象が入れ替わったかどうかを特に判定しない。従って、どの障害物が次の瞬間にどこに移動しているかを追跡する必要はなく、演算量を大幅に削減することが可能となる。このとき、多様な大きさや方向を持ちうる速度情報を、装置の移動方向の成分と移動方向に直交する成分に分解し、それぞれについてどちら側に移動しているか移動していないかだけの挙動パターンとして扱うようにしたので、回避判断を簡便化することができる。また、過去複数回の挙動パターンを考慮して回避動作を行うので、障害物の速度情報が実際の動きを反映した結果、又は他の要因によって移動方向が一定せず頻繁に入れ替わるようなことがあっても、装置の回避行動がそのたびに細かく変化するといった状況を避けることができる。
さらに、速度情報を得る観察対象である最も近い障害物が入れ替わるようなことがあると、入れ替わった瞬間に現れる速度情報は誤りの情報であって、このような速度情報で回避動作を行うことは避けたい。特に、速度の大きさを含んだ速度情報を基に回避動作を行うと、大きな値になりやすい誤りの速度情報に回避動作が支配されてしまう恐れがある。本発明では、速度の方向成分のみを考慮し、過去複数回分の挙動パターンから回避動作を行うので、上記のような誤りの情報によって誤った回避動作を行う怖れを低減することができる。特に、速度の大きさ成分を考慮しないので、誤りの速度情報の影響を受け難いものとなる。
また、回避行動を行う余裕のないほど接近した距離に障害物が検出されたときには、速度情報によらず緊急回避行動をとる、例えば停止することができる。これにより、万一の場合にも衝突を避けることができ、安全性が向上する。
また、現時点ではすぐに衝突するほどの距離ではない障害物でも、速度情報より接近中であることが分かれば、次の瞬間に危険ゾーンに入ることを予測することができ、緊急回避行動を早めに取ることができ、安全性が向上する。
請求項の発明によれば、装置から2番目に近い障害物の位置情報をも検出することで、最も近い障害物の速度情報と併せて回避動作を行うことにより、適切な回避行動を選択することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態に係る自律移動装置について図面を参照して説明する。図1は本実施形態に係る自律移動装置の構成を示す。自律移動装置1(装置と略記する)は、以下の機能を備えるものとし、個々に説明する。記憶手段2は、装置1が走行するための各種パラメータ、及び障害物までの距離情報や速度情報等を記憶するものである。距離情報取得手段3は、装置1と障害物との間の距離情報を取得するためのものである。演算手段4は、距離情報より障害物の移動速度を算出し、また走行のためのパラメータ(具体的には後述する挙動パターンなど)を決定するためのものである。演算制御手段5は演算手段4を制御するものである。走行手段6は、装置1が走行するためのものである。走行制御手段7は、演算手段4の出力に基づいて走行手段6を制御して障害物を回避しながら装置が走行するためのものである。報知手段8は、周囲に装置1自身の移動情報を知らせるためのディスプレイ・スピーカ等である。報知制御手段9は、報知のための情報を演算手段4より取得し、報知手段8を制御するものである。
距離情報取得手段3は、計測範囲内に存在する全ての対象物までの距離情報を一度に測定する距離測定手段31と、距離情報から計測範囲内の占有マップを作成し、計測範囲内に含まれる複数の障害物を分離認識する距離情報解析手段32と、障害物の位置情報を記憶手段2に出力する通信制御部33とを備える。
図2は、自律移動装置1の外観の一例を示す。装置1の本体上面には報知手段8である表示用ディスプレイ81が設けられている。この表示用ディスプレイ81は回転自在な可動部82に取り付けられている。距離測定手段31は、例えば超音波やレーザを用いた障害物検知センサであり、装置1の進行方向前方に向いて設けられている。装置1の底面には走行手段6である操舵用車輪61と駆動車輪62が設けられている。
図3は、距離情報取得手段3の構成を示す。距離情報取得手段3における距離情報解析手段32は、作業用メモリ321と、演算処理などを行うCPU322と、プログラムメモリ323とから構成される。
図4は、距離情報解析手段32における距離データより障害物の座標値を求める処理の流れを示す。(a)距離測定手段31より計測範囲内の距離データを取得し、(b)そのデータを距離画像に変換し、(c)歪補正及び座標変換を施すことによって、画像のx,y座標と画素値をz座標とした3次元データとして扱える状態になる。(d)このデータによって占有マップと呼ばれるx−z座標の画像を描くことができる。(e)この画像内の画素値の分布の特徴から障害物である人を分離・抽出して人を検出することが可能となる。(f)このように人を他の要素から分離することができると、人の座標値を求めることが可能となる。
図5は距離情報解析手段32における障害物の座標値を求める処理のフローチャートを示す。処理は、距離画像を撮像し(#1)、レンズ歪等の補正処理を行い(#2)、極座標データを直交座標に変換し(#3)、計測範囲内を上方から見た図(占有マップ)を作成し(#4)、障害物の分離・抽出を行い(#5)、障害物の座標を計算する(#6)。距離情報解析手段32においては、あるサンプリング時間間隔で取得された障害物の位置情報(以下、ある時間の障害物座標のセットをフレームと呼ぶ)が、後述する回避判断アルゴリズムの入力として毎回与えられるものとする。与えられる座標値は自律移動装置自身を原点とし、その進行方向(移動方向)とそれに直交する方向を2軸とした直交座標系の座標値とする。
障害物の移動速度情報により回避方向を判断するため、障害物の発見から判断の終了までの一連の処理はリアルタイムでなければならない。そのためには、内部処理のアルゴリズムは処理時間の短いものが望ましく、本発明では、ある時間に得られた全障害物の座標のうち、移動の計算を行うものは各時点で自律移動装置に最も近い座標に関してのみとすることによって処理時間を軽減している。
この処理量の削減は、自律移動装置1にとって、最も重要な監視対象は装置自身からの距離が最も近いものであるという考え方に基づくものである。当然、複数の障害物が検知されている場合、最も近い座標がどの障害物を指しているかは常に一定ではなく、途中で被検知対象が入れ替わることがある。
図6は、最も近い障害物の位置座標だけを取得する例を説明するものであり、図6(a)〜(d)は時系列での2つの障害物の移動履歴の例を示す。ここでは、障害物が途中で入れ替わる場合について説明する。2つの障害物1,2が時間t〜t+3の間に、図示のように動いたとすると、自律移動装置からの距離は、
(1)時間t, t+1のときは障害物1のほうが近い
(2)時間t+2, t+3のときは障害物2のほうが近い
というように、時間t+1→t+2の間で最も近い障害物が入れ替わっている。
図6(e)は自律移動装置に保存される座標値を示す。自律移動装置が保持する座標値は、時間t, t+1のときは障害物1の座標(1と2)、時間t+2, t+3のときは障害物2の座標(3と4)となる。時間t+1→t+2間の座標値から計算される速度情報は「偽」の情報であるため、以下に説明する工夫によって、この「偽」の情報が混入することによる影響を軽減する。
前述のように得られた最も近い障害物の座標値から障害物の速度を求め、その速度の持つ方向から移動を判定する。このとき、移動判定には速度の大きさを使用せず、速度の向きを各軸方向ごとに正,0,負に3値化した値のみを挙動パターンとして使用する。正及び負は、それぞれ各軸方向の正の向き、負の向きへ移動しているときの値であり、0はその軸方向に関して移動していないことを表す値となる。速度の各軸方向の成分が或る定められたしきい値より小さいときを、0 とすることによって、ノイズのような細かい動きの影響を除外することができる。この3値化判定によって判定処理を簡単かつ高速に行うことができる。
さらに、1つ前のフレームから現フレームへの移動速度情報のみによる判定ではなく、過去nフレームまでに取得した速度情報まで遡って利用するものとする。すなわち、あるフレームの速度情報である正,0,負をそれぞれ+1,0,−1として考えて、過去nフレーム分を加算した結果をまた正,0,負に3値化して障害物の移動判定基準値(請求項でいう挙動パターン)とする。人が入れ替わったときの速度情報は誤りの情報である。過去nフレームの情報の平均化によって誤りのデータに引っ張られる影響を低減することができる。また、速度の大きさごと平均してしまうと、障害物である人が入れ替わったときの誤りの速度情報は大きな数値になりやすいため、それに強く影響を受けてしまうが、速度の向きの符号だけを見ることによって、この現象を回避することができる。
図7は、上記の障害物の移動判定基準値の計算例を示す。この例は、4回分(n=4)のデータ、すなわち、4フレーム前までの速度情報を用いて現在の障害物の移動状態を判定する。ここでは、左右方向では右向きを正の向き、前後方向では近づく向きを正の向きとしている。この例では、過去4フレームにおいて以下のような速度情報が得られているとする。
(1)左右方向の速度情報
3フレーム前:正、2フレーム前:正、1フレーム前:0 、現在のフレーム:正
(2)前後方向の速度情報
3フレーム前:負、2フレーム前:0、1フレーム前:0 、現在のフレーム:正
それぞれの方向について、正、0、負をそれぞれ+1,0,-1として全フレームの和を計算すると、
(1)左右方向:+3
(2)前後方向:0
となり、さらに、3値化によって左右方向の移動判定は「正」、前後判定の移動判定は「0」となる。以上より、障害物は「右に移動中」であると判定される。
ところで、自律移動装置にとって、障害物がどの位置に検出されているかによって、取るべき回避行動の判断は異なるはずである。障害物が十分に遠方であれば、前述のような速度計算や移動判定を行う必要もなく、回避が必要であるほど接近したときにのみ移動判断を行えばよい。また、障害物の移動速度が大きい場合や、障害物がセンサの死角から自律移動装置の移動範囲に現れるような場合においては、回避行動を行う余裕のないほど接近した距離に障害物が検出されることもあり得る。この場合は速度情報によらず、一定の緊急回避(通常は停止)を行うべきである。
この考え方に基づき、距離情報取得手段3の計測範囲内を3つの領域に分割する。図8は、その領域分割の例を示す。自律移動装置の前方において、その位置に障害物が検知されれば自動的に緊急回避を行う領域を「危険ゾーン」とし、速度計算を行い、移動判定結果に基づいて回避行動を行う領域を「監視ゾーン」とし、それ以外を速度の計算を行わない領域としている。このようにしておくことにより、監視ゾーン内の障害物の位置と速度情報より、次の瞬間には危険ゾーンに突入しそうであるものを予測することが可能となる。この場合も緊急回避行動を取ることによって安全性を高めることができる。また、計測範囲内に入る障害物の中でも、衝突の危険性があるものだけを監視対象とすることによって、余計な処理を省くことができる。
監視ゾーン内では、前述のように得られた障害物の移動判定結果に基づいて回避行動を行う。基本的には、障害物が近づいて来ていると判定されれば、減速し、遠ざかっていると判定されれば、現在が基準速度以下ならば、加速し、基準速度に達していれば、速度を維持する。前後方向に動いていない(相対的に距離が変わっていない=進行方向の速度成分が自律移動装置と等しい)と判定されれば、速度は現状維持とする。また、右に移動していると判定されれば、左に回避し、左に移動していると判定されれば右に回避する。左右方向に動いていないと判定された場合は、予め左右どちらかに定められた回避方向に従い、回避を行う。
上記は最も近い障害物を検知して回避動作を行う例を示したが、この例では回避先に別の障害物が有れば、そこは回避ルートに使用できない。そこで、2番目に近いと判定される障害物の位置情報をも回避行動の判断に利用すれば、より的確な回避動作を行うことができる。図9は、最も近い障害物の情報を用いる他に、2番目に近い障害物の位置情報を用いて自律移動装置が回避行動を取る例を示す。最も近い障害物をA1、2番目に近い障害物をA2とする。
(1)A1が左に移動中のとき
(1−1)A2が右側:右に大きく回避
(1−2)A2が正面:右に回避
(1−3)A2が左側:右に回避
(2)A1が左右方向で静止中のとき
この場合はA1,A2両方の位置情報から回避を判断する(どちらも存在しない方向へ移動する)。
(2−1)A1が正面、A2が右側:左に回避
(2−2)A1が左側、A2が正面:右に回避
(2−3)A1,A2がともに正面:予め左右どちらかに定められた方向に回避
(3)A1が右に移動中のとき
(3−1)A2が右側:左に回避
(3−2)A2が正面:左に回避
(3−3)A2が左側:左に大きく回避
次に、回避行動を行う際に、自律移動装置の周囲に回避動作することを報知する実施例を説明する。この報知によって、人が移動中の自律移動装置と対面した場合等に、どのように移動すればスムースにすれ違いやすいかを判断することができる。報知手段8(図1)としては、以下のようなものが挙げられる。
(1)音声による案内「右に移動します…」、(2)表示装置に進行方向を示す記号を表示、(3)表示装置の向きを障害物の方へ向ける、このような手段のいずれか、あるいは組合せによって周囲への報知を行う。
以上の考え方に基づいた障害物の移動判定アルゴリズムの実装法を以下に示す。ここでは、自律移動装置の位置を原点とし、進行方向をz軸、進行方向に直交して右向きをx軸としている。図10は、本発明の前提として、過去1フレームのみを使用して、障害物の座標値入力を基に障害物の移動判定基準値を求めるフローチャートを示す。
(1)距離情報取得手段3(図1)より、或る時間tにおける計測範囲内の障害物N(t)個の座標値(x1(t),z1(t)), (x2(t),z2(t)),..., (xN(t),zN(t))を取得する(#11)。
(2)障害物の各座標の自律移動装置(ロボット)からの距離di=√{xi(t)+zi(t)}を求める(i = 1,...,N)(#12)。
(3)diの最小値を求め、Min(di)i=1,,N=√{xj(t)+zj(t)}を満たす(xj(t),zj(t))を最も近い障害物の座標値(x(t),z(t))とする(#13)。
(4)同様にして2番目に近い障害物の位置を求め、(x’(t),z’(t))として保持しておく(#14)。
(5)x(t-1),z(t-1)のデータが存在しているかを調べて、存在しなければtを(t+1)として#11に戻り、存在していれば#16に進む(#15)。
(6)速度vx(t) = x(t) - x(t-1) , vz(t) = z(t) - z(t-1)を計算する(#16)。図中のfはx又はzをとる。
(7)速度の符号
Figure 0004457830
を求める(δは予め定めておく有効移動速度しきい値)(#17)。
(8)移動判定基準値Mx = vxsign(t) , Mz = vzsign(t)を求める(#18)。
本発明では、過去nフレーム分の速度情報を用いて移動判定基準値を求める。この場合、上記(8)の代わりに、次の(8−2)を実行する。図11は、この場合のフローチャートを示す。
(8−2)移動判定基準値Mx =vxsign(t-n+1) +...+ vxsign(t) , Mz=vzsign(t-n+1) +...+ vzsign(t)を求める(#18’)。
次に、上記により得られた移動判定基準値値Mxを用いて、最も近い障害物がどの方向に移動しているかを判定する処理を説明する。図12は、移動判定結果を求めるフローチャートを示す。
(1) 左右方向の移動判定
Mx = 0 :左右方向には静止中(#21)
Mx > 0 :右に移動中(#22)
Mx < 0 :左に移動中(#23)
(2)前後方向の移動判定
Mz = 0 :前後方向には静止中(#24)
Mz > 0 :遠ざかっている(#25)
Mz < 0 :近づいている(#26)
続いて、移動判定結果を用いて自律移動装置の回避行動を決定する。回避の基準は図9に示した通りである。図13A,B,C,Dは、これを実現するフローチャートを示す。図13Aの上半分は、最も近い障害物検知の有無に応じた処理を示し、障害物検知時には、その障害物の検知位置が危険ゾーン内であれば、停止及び停止報知処理を行い、危険ゾーン内でなければ、障害物が近づいているか否かに応じて適宜の報知処理とロボットの走行速度制御がなされる。障害物が近づいている時は、次のフレームでも障害物が危険ゾーンに突入しない位置速度かを判断し、危険ゾーンへの突入が予測されるときは停止処理がなされる。図13Aの下半分は、2番目に近い障害物が検知されているかの判定処理と、検知されていない時の走行処理を示す。
図13Bは、上記の2番目に近い障害物が検出された時の、該障害物の移動判定と、位置判定に応じた処理を示す。図13Cは、上記の2番目に近い障害物の移動判定で障害物が移動していない時の、最も近い障害物の位置判定と、それに応じた処理を示す。図13Dは、上記最も近い障害物の位置判定ができない時に、再び2番目に近い障害物の位置判定を行い、それに応じて適宜行われる処理を示す。
なお、ここで「左に移動」「左に大きく移動」と表示したものは、それぞれ以下の移動量と定義する(右の場合も同様)。
・「移動」: α
・「大きく移動」:β
ここで、αは障害物1つ、βは障害物2つぶんを迂回することができる十分な距離であると定義する。従って、α<βである。これらの値は予め定めておくこともできるし、障害物の大きさの情報から計算して決めることもできる。
さらに、上記図13A〜Dの処理において、回避行動を行う際に、周囲にそのことを報知する動作を説明する。緊急回避で停止を行う場合は、停止後に停止報知処理を行う。図14は、停止報知処理のフローチャートを示す。図15は、通常の回避行動を行う前に周囲への報知を行うフローチャートを示す。ここで、表示装置に表示させる表示記号は、表1に示すような、文字による表示、又は視覚的に意味することが分かり易い記号、又はそれらの組合せを使用する。速度関連の記号と方向関連の記号は表示エリアを別個に設けて、同時に表示することができるようにする。
Figure 0004457830
上記のように、回避行動を行う際に周囲に回避行動を行うことを知らせることにより、例えば障害物が人間であった場合には、その報知によって人に対して注意を喚起し、人がどのように動けば、スムースにすれ違うことができるか判断する材料を与えることができる。
以上の実施例説明から明らかなように、本発明は、複数の障害物を検出した場合、距離情報を取得する各フレームにおいて最も近い障害物のみの速度データを求めることに特徴があり、複数の障害物が計測範囲内に検出された場合においても移動情報の対応付けを行わず、1つの障害物が動いているかのように扱う。それにより、演算量の削減ができる。従来技術に示されるように複数の障害物のフレーム間対応付けを行うと、障害物の数が増え、演算量は多くなっていくが、本発明によれば、障害物の数に関係なく障害物が1つであるときと、ほぼ同じ演算量に抑えることができ、回避判断処理のリアルタイム性を保持することができる。また、障害物の対応付けを前提としないことによって、対応付けが失敗したときに判断が狂うという危険性を回避することができる。なお、本発明は上記実施例の構成に限られることなく、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。
本発明の一実施形態に係る自律移動装置の構成図。 同自律移動装置の外観の一例を示す斜視図。 同自律移動装置の距離情報取得手段の構成図。 距離情報解析手段における距離データより障害物の座標値を求める処理の流れを示す図。 距離情報解析手段における障害物の座標値を求める処理のフローチャート。 (a)〜(d)は最も近い障害物の位置座標だけを取得する場合における2つの障害物の移動履歴例を示す図、(e)は装置に保持される座標値を示す図。 障害物の移動判定基準値の計算例を説明する図。 距離情報取得手段の計測範囲内を3つの領域に分割している状況を示す図。 最も近い障害物の情報を用いる他に2番目に近い障害物の位置情報を用いて自律移動装置が回避行動を取る例を示す図。 過去1フレームのみを使用して障害物の座標値入力を基に障害物の移動判定基準値を求めるフローチャート。 過去nフレーム分の速度情報を用いて移動判定基準値を求めるフローチャート。 移動判定結果を求めるフローチャート。 移動判定結果を用いて自律移動装置の回避行動を決定するフローチャート。 移動判定結果を用いて自律移動装置の回避行動を決定するフローチャート。 移動判定結果を用いて自律移動装置の回避行動を決定するフローチャート。 移動判定結果を用いて自律移動装置の回避行動を決定するフローチャート。 停止報知処理のフローチャート。 通常の回避行動を行う前に周囲への報知を行うフローチャート。
符号の説明
1 自律移動装置
3 距離情報取得手段
4 演算手段
6 走行手段
7 走行制御手段

Claims (2)

  1. 走行を行うための走行手段と、装置に対する障害物の距離情報を定期的に取得する距離情報取得手段と、この距離情報取得手段により得られた距離情報を基に前記走行手段を制御して障害物を回避しながら走行する走行制御手段とを有する自律移動装置において、
    前記距離情報取得手段により得られた距離情報を基に、複数の障害物のうち装置に最も近い障害物を検知し、該障害物の速度の方向成分を演算すると共に、前記障害物の速度の方向成分に基づいて装置の移動方向と該移動方向に直交する方向を基準とする座標系において各軸方向ごとに正、負及び0に3値化した値で表した挙動パターンを求める演算手段を備え、
    前記走行制御手段は、前記演算手段により求まった過去複数回分の挙動パターンより、過去複数回分における正、負、0の値をそれぞれ+1、−1、0として各軸方向毎に加算した値を取得し、この値の正、負及び0値により前記障害物の前後及び左右方向の移動を判定し、この判定結果に基づいて前記走行手段を制御して前記障害物を回避しながら走行する障害物回避動作を行うものであり、
    前記演算手段は、走行方向の所定領域内のみで挙動パターンを求め、前記所定領域は、装置に近い方から危険ゾーンと監視ゾーンに分割し、装置に最も近い障害物が危険ゾーンに検知されず監視ゾーンに検知されたとき、該障害物の位置と速度に応じて次の距離情報取得時には危険ゾーンに突入するか否かを予測し、
    前記走行制御手段は、前記危険ゾーンに障害物が検知されず監視ゾーンに障害物が検知される状態では、前記演算手段により求めた挙動パターンに基づく前記障害物回避動作を行うと共に、前記演算手段により危険ゾーンに障害物が突入することが予測されたとき、及び危険ゾーンに障害物が検知されたときに、走行手段を走行停止して緊急回避動作させることを特徴とする自律移動装置。
  2. 前記演算手段は、さらに装置に2番目に近い障害物の位置を検出し、前記走行制御手段は、回避動作の際に前記検出された位置情報から、装置に最も近い障害物と2番目に近い障害物を避けるように走行手段を制御することを特徴とする請求項1記載の自律移動装置。
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