JP6314744B2 - 移動物体進路予測装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の従来技術では、複数の移動物体それぞれの進路を予測し、予測結果から、複数の移動物体の進路が互いに干渉する干渉領域が存在すると判定した場合、複数の移動物体のいずれか1つが干渉領域を占有する、または複数の移動物体のすべてが干渉領域を回避するという前提のもと、予測した複数の移動物体の進路を補正する。これにより、複雑な交通環境下でも、移動物体の進路を適切に予測可能となっている。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、移動物体の進路をより適切に予測可能な移動物体進路予測装置を提供することを目的とする。
(第1実施形態)
(構成)
図1に示すように、移動物体進路予測装置1は、車両(以下、「自車両」とも呼ぶ)Aに搭載されている。そして、移動物体進路予測装置1は、自車状態検出部2と、自車位置検出部3と、移動状態検出部4と、コントローラ5とを備える。
自車状態検出部2は、自車両Aの走行状態を検出する。自車状態検出部2は、車速検出部2aと、加速度検出部2bと、ヨーレート検出部2cとを備える。
加速度検出部2bは、自車両Aの加速度を検出する。そして、加速度検出部2bは、検出結果をコントローラ5に出力する。ヨーレート検出部2cは、自車両Aのヨーレートを検出する。そして、ヨーレート検出部2cは、検出結果をコントローラ5に出力する。
このように、第1実施形態では、他車両Bの走行状態を移動物体Bの移動状態として検出する。それゆえ、移動物体Bの進路として、他車両Bの進路を予測できる。
自車状態認識部5aaは、自車状態検出部2の検出結果(自車両Aの車速、ヨーレート、加速度。走行状態)を取得する。続いて、自車状態認識部5aaは、取得した検出結果(走行状態)を制御目標算出部5bに出力する。
自車経路認識部5abは、地図情報記憶部5abaと、情報処理部5abbと、経路表示部5abcとを備える。
情報処理部5abbは、自車状態検出部2で検出した自車両Aの走行状態と、自車位置検出部3で検出した自車両Aの現在地と、地図情報記憶部5abaが記憶している地図情報と、予め定めた目的地とを用いて、自車両Aの現在地から目的地までの経路(以下、「目標経路」とも呼ぶ)を探索する。そして、情報処理部5abbは、自車両Aの現在位置と、地図情報と、目標経路とを経路表示部5abcと、制御目標算出部5bとに出力する。
移動物体認識部5acは、移動状態検出部4の検出結果(移動物体Bの相対位置、相対速度。移動状態)を取得する。続いて、移動物体認識部5acは、取得した検出結果(移動状態)を制御目標算出部5bに出力する。
進路設定部5baは、移動物体認識部5acで取得した移動物体Bの移動状態(相対位置、相対速度)を用いて、移動物体B毎に、移動物体B同士の干渉を考慮しない場合の、移動物体Bの進路(地図上の位置)を予測する。移動物体Bの進路(地図上の位置)としては、例えば、予め定めた設定時間T[秒]後に移動物体Bが存在する可能性のある位置それぞれにおける移動物体Bの存在確率を表す存在確率分布がある。また、設定時間T[秒]としては、例えば、予め定めた目標軌跡の長さ(例えば、3秒)がある。
また、前後速度や横速度の正規分布の標準偏差としては、乗員が不快に感じない程度の加速度(減速度)にT/3を乗算した値を採用できる。乗員が不快に感じない程度の加速度としては、前後速度の正規分布では1.5[m/s2]を用いる。また、横速度の正規分布では、道路形状に応じた値を設定する(例えば、片側1車線の道路である場合には、設定時間T[秒]後に車線外に逸脱しない値)。これにより、約99.7[%]の確率で、移動物体Bが、乗員が不快に感じない程度の加速度(減速度)以下で速度変化を行う状況を表せる。それゆえ、設定時間T[秒]後の移動物体Bの位置(相対予測位置)f(x,y)は、下記(1)式のように表せる。
続いて、進路設定部5baは、算出した設定時間T[秒]後の移動物体Bの位置(相対予測位置)f(x,y)と、移動物体Bの地図上の位置(初期位置)とを用いて、設定時間T[秒]後の移動物体Bの位置(地図上の位置。進路)を算出する。これにより、進路設定部5baは、移動物体B毎に、移動物体Bの進路(地図上の位置)を設定する。
上記(2)式を用いることで、例えば、図4に示すように、他車両B1の進路(他車両B1の位置の確率分布)と他車両B2の進路(他車両B2の位置の確率分布)とが干渉する場合、図6に示すようなリスク値g1(x,y)となる。
このように評価関数J[u]を設定することで、小さな操舵で、車速変化を抑え、リスク値(他車両B)に近づきにくくなる制御入力を算出することができる。
パワートレーンコントローラ7は、コントローラ5が出力した駆動力指令値を用い、駆動力指令値が表す駆動力が発生するように駆動力制御装置10を制御する。駆動力制御装置10としては、例えば、駆動輪を駆動する駆動源(エンジン、モータ)がある。
ブレーキコントローラ8は、コントローラ5が出力した制動力指令値を用い、制動力指令値が表す制動力が発生するように制動力制御装置11を制御する。制動力制御装置11としては、例えば、各輪に油圧で制動力を発生するホイールシリンダがある。
次に、コントローラ5が実行する進路予測処理について図面を参照しつつ説明する。進路予測処理は、予め定めた設定時間毎に実行する。
図7に示すように、まずステップS101では、コントローラ5(自車状態認識部5aa)は、自車状態検出部2の検出結果(自車両Aの車速、ヨーレート、加速度。自車両Aの走行状態)を取得する。
続いてステップS102に移行して、コントローラ5(自車経路認識部5ab)は、自車位置検出部3の検出結果(自車両Aの現在地)を取得する。続いて、コントローラ5(自車経路認識部5ab)は、取得した自車両Aの車速等と、ステップS101で取得した自車両Aの走行状態と、地図情報記憶部5abaが記憶している地図情報とを用いて、自車両Aの現在地から目標地点までの目標経路を探索する。
続いてステップS104に移行して、コントローラ5(進路設定部5ba)は、ステップS101で取得した自車両Aの走行状態と、ステップS104で取得した移動物体Bの移動状態(相対位置、相対速度)とを用いて、移動物体B毎に、移動物体B同士の干渉を考慮しない場合の、移動物体Bの進路(地図上の位置)を予測する。移動物体Bの進路は、設定時間T[秒]後に移動物体Bが存在する可能性のある位置それぞれにおける移動物体Bの存在確率を表す存在確率分布で表すものとする。
次に、本実施形態の移動物体進路予測装置1を搭載した車両の動作について説明する。
自車両Aの走行中、図5(a)に示すように、自車両A前方に2台の他車両B1、B2が現れたとする。すると、コントローラ5が、自車両Aの走行状態(車速、加速度、ヨーレート)を取得する(図7のステップS101)。続いて、コントローラ5が、自車両Aの現在地と車速を取得し、取得した自車両Aの現在地等と地図情報記憶部5abaが記憶している地図情報とを用いて目標経路を探索する(図7のステップS102)。続いて、コントローラ5が、他車両B1、B2それぞれの相対位置と相対速度(移動物体Bの移動状態。走行状態)を取得する(図7のステップS103)。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態に係る移動物体進路予測装置1は、次のような効果を奏する。
(1)第1実施形態に係る移動物体進路予測装置1によれば、移動物体B毎に、予め定めた設定時間T[秒]後に移動物体Bが存在する可能性のある位置それぞれにおける移動物体Bの存在確率を表す存在確率分布を移動物体Bの進路として設定する。続いて、設定した移動物体Bの進路から、複数の移動物体Bの進路が互いに干渉する干渉領域が存在すると判定した場合、存在すると判定された干渉領域に対する複数の移動物体Bそれぞれの優先確率P1、P2、…を設定する。続いて、設定した優先確率P1、P2、…に従って、干渉領域における移動物体Bの存在確率を補正する。
このような構成によれば、干渉領域に対する複数の移動物体Bそれぞれの優先確率P1、P2、…を設定し、設定された優先確率P1、P2、…に従って干渉領域における存在確率を補正する。それゆえ、移動物体Bの進路をより適切に予測できる。
このような構成によれば、移動物体Bの進路として、他車両Bの進路を予測できる。
(3)第1実施形態に係る移動物体進路予測装置1によれば、道路に沿って連なって走行している複数の他車両B1、B2が交差点前で停車すると判定した場合、複数の他車両B1、B2のうち、前方に存在する他車両B1の優先確率P1を、後方に存在する他車両B2の優先確率よりも高くする。
このような構成によれば、交差点付近で、他車両B1、B2それぞれの優先確率をより適切に設定できる。これにより、他車両B1、B2の進路をより適切に予測できる。
このような構成によれば、カーブ付近で、他車両B1、B2それぞれの優先確率をより適切に設定できる。これにより、他車両B1、B2の進路をより適切に予測できる。
このような構成によれば、登り坂付近で、他車両B1、B2それぞれの優先確率をより適切に設定できる。これにより、他車両B1、B2の進路をより適切に予測できる。
このような構成によれば、他車両B1、B2それぞれの優先確率をより適切に設定できる。これにより、他車両B1、B2の進路をより適切に予測できる。
このような構成によれば、後方の他車両B2の特性を考慮し、後方の他車両B2の優先確率P1、P2をより適切に設定できる。これにより、後方の他車両B2の進路をより適切に予測できる。
このような構成によれば、優先確率P1、P2をより現状にあったものに更新できる。これにより、他車両B1、B2の進路をより適切に予測できる。
次に、本発明に係る第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同様な構成等については同一の符号を使用して、その詳細は省略する。
第2実施形態は、複数の車両(自車両A、他車両B)の過去及び現在の走行状態を用いて、干渉領域に対する移動物体Bの優先確率を設定する点が第1実施形態と異なる。具体的には、第1実施形態とは、図8に示すように、状態認識部5aにプローブ情報認識部5adを設けたことと、進路設定部5ba、優先確率設定部5bbの内容とが異なっている。
また、進路設定部5baでは、前後速度や横速度の正規分布の標準偏差としては、例えば、プローブ情報認識部5adで取得したプローブ情報から得られる自車両Aの現在地周囲の各地点の車速の標準偏差を採用する。これにより、実際の交通環境を加味して移動物体Bの進路を予測でき、他車両Bの進路の予測精度を向上できる。
5ba 進路設定部
5bb 優先確率設定部
5bc 存在確率補正部
Claims (8)
- 自車両周囲に存在する移動物体の移動状態を検出する移動状態検出部と、
検出した前記移動状態を用いて、前記移動物体毎に、予め定めた設定時間後に前記移動物体が存在する可能性のある位置それぞれにおける前記移動物体の存在確率を表す存在確率分布を前記移動物体の進路として設定する進路設定部と、
設定した前記移動物体の進路から、複数の前記移動物体の進路が互いに干渉する干渉領域が存在すると判定した場合、存在すると判定された前記干渉領域に対する複数の前記移動物体それぞれの優先確率を設定する優先確率設定部と、
設定した前記優先確率に従って、前記干渉領域における前記移動物体の存在確率を補正する存在確率補正部と、を備えたことを特徴とする移動物体進路予測装置。 - 前記移動状態検出部は、前記自車両周囲に存在する他車両の走行状態を前記移動物体の前記移動状態として検出することを特徴とする請求項1に記載の移動物体進路予測装置。
- 前記優先確率設定部は、道路に沿って連なって走行している複数の前記他車両が交差点前で停車すると判定した場合、複数の前記他車両のうち、前方に存在する前記他車両の前記優先確率を、後方に存在する前記他車両の前記優先確率よりも高くすることを特徴とする請求項2に記載の移動物体進路予測装置。
- 前記優先確率設定部は、道路に沿って連なって走行している複数の前記他車両の前方にカーブがあると判定した場合、複数の前記他車両のうち、前方に存在する前記他車両の前記優先確率を、後方に存在する前記他車両の前記優先確率よりも高くすることを特徴とする請求項2または3に記載の移動物体進路予測装置。
- 前記優先確率設定部は、道路に沿って連なって走行している複数の前記他車両の前方に登り坂があると判定した場合、複数の前記他車両のうち、前方に存在する前記他車両の前記優先確率を、後方に存在する前記他車両の前記優先確率よりも高くすることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の移動物体進路予測装置。
- 前記優先確率設定部は、道路に沿って複数の前記他車両が連なって走行していると判定した場合、複数の前記他車両のうち、前方に存在する前記他車両の前記優先確率を、後方に存在する前記他車両の前記優先確率よりも高くすることを特徴とする請求項2に記載の移動物体進路予測装置。
- 前記優先確率設定部は、道路に沿って連なって走行している複数の前記他車両のうち、後方の前記他車両が前方の前記他車両との距離を詰める傾向にある場合、後方に存在する前記他車両の前記優先確率を、前方に存在する前記他車両の前記優先確率よりも高くすることを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載の移動物体進路予測装置。
- 前記優先確率設定部は、時間経過にともない、前記移動物体の前記優先確率を逐次更新することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の移動物体進路予測装置。
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