JP3900111B2 - 車両用外界認識装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自車両の前方物体と自車両との相対位置を検出し、この相対位置に基づいて前方物体と自車両との相対速度を算出することにより、前方物体の運動状況を検出するようにした車両用外界認識装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自車両の前方物体を検知し、その運動状況を検出するようにした装置としては、例えば、捕捉した前方物体と自車両との相対速度を算出し、その際に、算出した相対速度が自車速に基づく所定の範囲内であり且つ過去の履歴からその状態が連続的に求めることができる場合に、前方走行車両と判断し、これ以外は、停止物として判別するようにしたものがある。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−159759号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の特許文献1においては、複数の距離信号に基づいて最小二乗法を用いて相対速度を算出するようにしているため、前方物体が、停止物であるのか、移動物であるのかを的確に判断するまでに時間がかかり、このため、この算出された相対速度を用いて制御を行う制御手段側では、前方物体が検知されたとしても相対速度が算出されるまでの間は、的確な対処を行うことができないという問題がある。
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、検知された前方物体が停止物であるのか移動物であるのかを速やかに判別することの可能な車両用外界認識装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る車両用外界認識装置は、相対位置検出手段で検出された自車両前方の検知物体と自車両との相対位置関係及び相対速度の算出値の過去値と、相対位置関係の今回値とに基づいて逐次擬似微分演算が行われ、相対速度の今回値が相対速度算出手段により算出される。このとき、擬似微分演算で用いる相対位置関係及び相対速度の算出値の過去値の初期値として、検知物体が停止物又は自車両よりも低速度で同一方向に走行していると仮定した場合の相対位置関係及び相対速度が用いられる。そして、この相対速度算出手段で算出された相対速度と、車速検出手段で検出された自車速とに基づいて、前記検知物体の運動状況を表す動き属性が、動き属性判別手段により判別される。
【0006】
つまり、例えば、検知物体が停止物体である場合には、相対速度算出手段で算出される相対速度は、初期値から自車速に収束することになる。したがって、相対速度算出手段で算出される相対速度が真の値に収束する以前に、相対速度が自車速と同等とみなすことの可能な範囲の値に収束した時点で、検知物体は停止物体であると判別することができ、また、自車速と同等とみなすことの可能な範囲外となった時点で検知物体は停止物体ではない、つまり移動物体であると判別することができることになる。
【0007】
【発明の効果】
本発明に係る車両用外界認識装置は、相対位置検出手段で検出した自車両前方の検知物体と自車両との相対位置関係及び相対速度の算出値の過去値と、相対位置関係の今回値とを用いて逐次擬似微分演算を行って相対速度の今回値を算出し、このとき、擬似微分演算に用いる相対位置関係及び相対速度の算出値の過去値の初期値として、検知物体が停止物又は自車両よりも低速度で同一方向に走行していると仮定した場合の相対位置関係及び相対速度を用いる。そして、このようにして算出した相対速度と車速検出手段で検出された自車速とに基づいて、検知物体の運動状況を表す動き属性を判別するようにしたから、初期値に基づいて算出される相対速度が真の値に収束する以前に、検知物体が停止物体であるか否かといった動き属性を判別することができる。したがって、この相対速度に基づいて制御を行うような場合には、より早い段階で、動き属性に応じた制御を行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した車両用制動制御装置の一例を示す概略構成図である。
図中、1は、自車両前方の物体を検知するための、例えばスキャニング式のレーザレーダであって、ミリ波レーダのような、ドップラー効果によって直接相対速度を検出することのできるような検知原理を適用することのできないレーダで構成されている。そして、このレーザレーダ1の走査結果は、レーダ処理装置2に入力され、ここで、レーザレーダ1によって検出した一つ又は複数の障害物候補に対して、自車両を原点とする二次元座標値、つまり、車間距離方向及び車幅方向における座標値が算出されると共に、障害物候補の幅(大きさ)が算出される。そして、これら算出結果は、外界認識装置10に入力される。
【0009】
また、車両の適所には、自車両前方を撮像し、自車両前方の状況を高速に把握するための、例えばプログレッシブスキャン式の3CCDカメラ等で構成される撮像装置3が搭載され、この撮像装置3の撮像結果は画像処理装置4に入力される。この画像処理装置4では、レーダ処理装置2で捕捉した障害物候補の位置座標付近の画像データを記憶し、自車両のピッチング変動等によってレーダ検知物体をロストした場合に、画像処理によってロストしたレーダ検知物体を検知する等の処理を行う。そして、この画像処理装置4での検知結果は、外界認識装置10に入力される。
【0010】
また、車両には、自車両の走行状態を検出するためのセンサとして、従動輪の左右車輪速度を検出するための車速センサ5や、前輪操舵角を検出するための操舵角センサ6が搭載され、これらセンサの検出値は、前記外界認識装置10に入力される。
さらに、車両には、道路側に配設された、いわゆるインフラストラクチャと情報の通信を行う路車間通信装置7が搭載されている。この路車間通信装置7は、近い将来の走行状況、つまり、走行中の道路区間において自車両前方に故障車両等の停止車両が存在するか等といった自車両前方の道路状況情報を獲得する。
【0011】
そして、前記外界認識装置10では、レーダ処理装置2で捕捉した物体と自車両との相対速度を算出すると共に、この相対速度及び各種装置或いはセンサから入力される情報に基づいて、レーダ処理装置2で捕捉した物体が自車両にとって障害物であるか否かを判断する。そして、前方物体が自車両にとって障害物であり、自車両がこの障害物と衝突する可能性があると判定される場合等には、必要に応じて自動ブレーキ制御装置12に制動指令を出力する。この自動ブレーキ制御装置12では、外界認識装置10からの制動指令に応じて負圧ブレーキブースタ14を作動し、例えば、前方物体と自車両との間の車間距離を、外界認識装置10で算出された前方物体の相対速度rVで割り算して、自車両が前方物体位置に到達するまでの到達時間を算出すると共に、自車速Vspに応じて設定される制動開始タイミング、つまり現在の車速で走行した場合に十分減速するのに要する所要時間を算出し、到達時間が、制動開始タイミング以下となったときに、各車輪に制動力を付与することによって、障害物との衝突を回避するようになっている。
【0012】
なお、前記レーダ処理装置2や、画像処理装置4、外界認識装置10、自動ブレーキ制御装置12は、マイクロコンピュータ等の演算処理装置とその周辺機器、並びに、各アクチュエータを駆動するための駆動回路等を備えており、互いに通信回路を介して情報を送受信できるようになっている。
図2は、前記外界認識装置10で実行される、前方物体との相対速度を算出するための、相対速度算出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0013】
この相対速度算出処理は、例えば、100〔ms〕程度のサンプリング時間ごとに実行されるようになっている。
この相対速度算出処理では、まず、ステップS1で、車速センサ5から自車両の自車速Vsp〔m/s〕を読み込む。
次いで、ステップS2に移行し、レーダ処理装置2からレーザレーダ1で検知した、前方物体のレーダ検知情報として、相対位置及び物体の幅Wを読み込む。なお、前記相対位置は、車幅方向をPx、自車両進行方向をPyとする。
【0014】
次いで、ステップS3に移行し、ステップS2で読み込んだレーダ検知情報から、今回のサンプリングで初めて出現した前方物体が存在するかどうかを判定する。この判定は、例えば予め保持している前回サンプリング時のレーダ検知情報に基づいて判定し、今回初めて存在する前方物体がある場合には、ステップS4に移行し、そうでない場合には、ステップS5に移行する。
【0015】
前記ステップS4では、今回初めて存在する前方物体に対し、異なる初期値を有する2種類の相対速度を設定する。具体的には、次式(1)及び(2)で表される第1の初期値を持つ第1の相対速度と、次式(3)及び(4)で表される第2の初期値を持つ第2の相対速度と、の2種類の初期状況を設定する。
Figure 0003900111
なお、前記(1)〜(4)式中の、(0)は、今回のサンプリングタイミングにおける値であることを意味し、(1)は、1サンプリング過去の値であることを意味し、同様に(n)は、nサンプリング過去の値であることを意味する。また、Tsは、サンプリング周期〔s〕を表す。
【0016】
前記(1)及び(2)式で表される第1の相対速度は、検知直後の前方物体を、自車両と等速であり同じ方向に走行する先行車両であるものと仮定し、前記(3)及び(4)式で表される第2の相対速度は、検知直後の前方物体を、停止車両であるものと仮定することを意味している。
次いで、ステップS5に移行し、レーザレーダ1で捕捉中の物体が存在するかどうかを判定する。そして、捕捉中の物体が存在する場合には、ステップS6に移行する。
【0017】
このステップS6では、レーザ検知物体の相対速度を次式(5)及び(6)に基づいて算出する。
Figure 0003900111
ここで、前記係数a、b、cは正数であって、これらは所望の擬似微分特性を有するようにサンプリング周期、この場合、100〔ms〕で離散化されたものである。また、式(5)及び式(6)では、同じ係数a、b、cを用いて演算を行う。
【0018】
このようにして、第1及び第2の相対速度を算出したならば、ステップS7に移行し、前記ステップS1で算出した自車速Vspと、ステップS6で算出した第2の相対速度rVy2、つまり検知物体は停止車両であると仮定した場合の相対速度とに基づいて、検知物体の属性判断を行う。
具体的には、自車速Vspと第2の相対速度の今回値rVy2(0)との差分値の絶対値がしきい値Th以下である場合には、検知物体は“停止物”であると判断する。また、第2の相対速度rVy2(0)が自車速Vspとしきい値Thとの和よりも大きい場合には、前方物体は“対向車”であると判断する。さらに、第2の相対速度rVy2(0)が、自車速Vspからしきい値Thを減算した値よりも小さい場合には、前方物体は“自車両と同じ方向に進む移動物体”であると判断する。なおしきい値Thは、レーザレーダ1の検知精度等で決定される正の値である。
【0019】
つまり、検知物体の動きに関しては、自車両と同じ方向に移動する物体、停止物体、自車両と逆方向に進む対向車の3通りに、その動き属性を分類することができる。
図3に示すように、前記検知物体が停止物である場合には、その相対速度の定常値は、自車速と同等の大きさを有する。また、検知物体が対向車両である場合には、その相対速度の定常値は、自車速よりも大きくなり、検知物体が自車両と同じ方向に移動する物体である場合には、その相対速度の定常値は、自車速よりも小さくなる。なお、ここでは、自車両の進む方向を正とし、相対速度は、自車速から検知物体速度を減算することにより算出するようにしている。
【0020】
また、ここでは、相対速度rVに基づいて自動ブレーキ制御装置12においては、制動制御を行うようにしており、自車両と同じ方向に進行する物体である場合、自車両よりも移動速度が遅い物体である場合には、自車両と前方物体とが衝突する可能性があるが、自車両よりも移動速度が早い物体である場合には、自車両と前方物体との間の距離が広がっていき、これらは衝突する可能性がないため、ここでは、自車両と同じ方向に進行する物体としてひとまとめにして扱っている。
【0021】
このようにして、検知物体の動き属性を判断したならば、ステップS8に移行し、路車間通信装置7で、インフラストラクチャから獲得したインフラ情報に基づいて、自車両前方の走行状況を把握する。つまり、現在走行中の走行路前方に、故障車両等の停止車両等といった、自車両にとって障害となり得る障害物が存在するかどうかを把握する。
【0022】
次いで、ステップS9に移行し、ステップS8で把握した自車両前方の走行状況が、緊急な対処を要する走行状況であるかどうかを判定する。この判定は、例えば、現在走行中の走行路前方に停止車両等の障害物が存在すると通知された場合には、緊急な対処を要する走行状況であると判定し、現在走行中の区間に障害物は存在しないと通知された場合には、緊急な対処を要する走行状況ではないと判定する。
【0023】
そして、緊急を要する走行状況であると判定されるとき、つまり、自車両の走行路前方に停止車両等の障害物が存在すると通知された場合には、新たに検知した検知物体は停止車両等である可能性があるから、ステップS10に移行し、前方物体を停止物体であると仮定した場合の第2の相対速度rVy2(0)を、自動ブレーキ制御装置12の制動制御処理において用いる前方物体の相対速度rVとして特定する。逆に、緊急を要する走行状況ではないと判定されるとき、つまり、自車両の走行車線前方に停止車両等障害物が存在しないと通知された場合には、検知物体は停止車両ではない可能性が高いから、ステップS11に移行し、前方物体を自車両と同等速度で同じ方向に走行する移動物体であると仮定した場合の第1の相対速度rVy1(0)を、制動制御処理において用いる前方物体の相対速度rVとして特定する。
【0024】
このようにして、ステップS10又はステップS11において、前方物体の相対速度rVを特定したならば、ステップS12に移行し、検知物体の動き属性や、検知物体の位置及び幅情報等の各種情報を自動ブレーキ制御装置12に通知すると共に、属性を検知した検知物体位置や第1及び第2の相対速度の過去値を更新し処理を終了する。
【0025】
また、前記ステップS5で、検知中の物体が存在しない場合もそのままステップS12に移行する。
次に、本発明の動作を説明する。
今、前方物体を検知していない状態から、レーザレーダ1によって、物体を検知したものとすると、この物体を初めて検知したことから、ステップS1、ステップS2を経てステップS3からステップS4に移行し、前記(1)〜(4)式にしたがって、検知物体が自車両と同じ進行方向に同等速度で移動する物体と仮定した場合の第1の相対速度、検知物体が停止物体であると仮定した場合の第2の相対速度について、それぞれ初期状況を設定する。
【0026】
そして、このとき、初めて物体を検知したから、ステップS5からそのままステップS12に移行し、第1及び第2の相対速度の今回の値を1サンプリング周期過去の値として更新した後処理を終了する。
そして、次のサンプリングタイミングとなったときには、レーザレーダ1で検知した物体の位置座標を読み込み(ステップS2)、このとき、初めて出現した物体はないものとすると、ステップS3からステップS5に移行し、先に物体を検知しているから、検知中の物体が存在すると判断してステップS5からステップS6に移行し、前記第1及び第2の相対速度を、前記(1)〜(4)式に基づいて算出する。
【0027】
そして、ステップS7に移行し、停止物体と仮定したときの第2の相対速度に基づいて、動き属性の判断を行う。
ここで、検知物体が実際には、自車両の走行車線上を自車両と同じ方向に走行する先行車両である状態で、停止物体であると仮定して相対速度を算出した場合、実際は、自車両と同じ方向に走行する先行車両であるため、第2の相対速度rVy2(0) は、図4に示すように、自車速から徐々に減少していくことになり、自車両と同等の速度で走行している場合には零に収束し、自車両よりも早い走行速度で走行している場合には負値となる。
【0028】
したがって、検知直後に第2の相対速度が算出されたときには、第2の相対速度は自車速と同等の値であるから、検知直後の動き属性は、停止車両として判定されることになる。
そして、インフラ情報として、緊急を要する状況でないと判定された場合、つまり、自車両前方に停止車両がいない場合には、ステップS9からステップS11に移行し、第1の相対速度、つまり、自車両と同じ方向に同等の速度で進む物体であると仮定された第1の相対速度が検知物体の相対速度rVとして設定され、自動ブレーキ制御装置12では、相対速度rV、つまり第1の相対速度に基づいて、制動制御処理を行うことになる。
【0029】
そして、次のサンプリングタイミングでも同様に処理が行われ、自車速Vspと第2の相対速度との差分値がしきい値Thを超えると、検知物体は同じ方向に進む物体であると判定され、ひき続き緊急を要する状況でなければ、ステップS9からステップS11に移行し、第1の相対速度が、前方物体の相対速度rVであるとして特定されることになる。
ここで、前方物体が、自車両と同等の速度で自車両と同じ進行方向の物体であると仮定した場合の、第1の相対速度の応答は、図5で表すことができる。
【0030】
上述のように、自動ブレーキ制御装置12では、前方物体は、自車両と同等方向に進む車両であると仮定して算出される第1の相対速度に基づいて、制動制御処理が行われることになり、このとき、実際には、前方物体は、自車両と同じ方向に移動する物体であるから、自動ブレーキ制御装置12では、図5に示すように、零近傍の値に算出される第1の相対速度に基づいて制動制御処理が行われることになる。つまり、図4に示すように、検知物体が停止物体であると仮定した場合よりも、より速やかに真の相対速度に収束し、また、真の相対速度に近い値で変動する値に基づいて制動制御処理を行うことになる。
【0031】
また、第2の相対速度に基づいて、制動制御処理を行った場合には、相対速度は自車速値から徐々に減少することになる。このように、相対速度が真の値に収束していない時点では、自車速の値によっては、制動力を発生させる必要があると判定される場合があり、制動力が発生されることになるが、このとき、実際には、検知物体は自車両と同等速度で走行している物体であるため、すなわち不必要な制動力が発生されることになる。しかしながら、相対速度が真の値に収束していない、相対速度に誤差が含まれる間は、初期値が零として設定される第1の相対速度に基づいて制動制御処理が行われるから、制動力を低ゲイン化する傾向で制御が行われることになって、相対速度の誤差に起因して不必要に制動力が発生される傾向となることを回避することができる。
【0032】
一方、このとき、インフラ情報からの走行状況に基づいて、緊急を要する走行状況であると判定された場合、つまり、自車両前方に停止車両等が存在する場合には、ステップS9からステップS10に移行し、前記第1の相対速度に替えて第2の相対速度、つまり、検知物体は停止車両であると仮定して算出された第2の相対速度に基づいて自動ブレーキ制御装置12における制動制御処理が行われることになる。
【0033】
このとき、図4及び図5に示すように、第2の相対速度は、第1の相対速度に比較して真の相対速度よりも高めに推移することになり、つまり、制動制御処理においては、制動力をより発生しやすい傾向で制御が行われることになる。したがって、物体検知直後の相対速度に比較的誤差が含まれる状態にあっても、前方の走行状況から緊急を要すると予測されるときには、前方物体は停止物体であると仮定して算出された第2の相対速度に基づいて制動制御処理が行われ、より制動力を発生する傾向となるように制動制御処理が行われることになるから、自車両前方の緊急度合に則して的確に制動力を発生させることが可能となる。
【0034】
一方、レーザレーダ1によって検知した検知物体が、停止物体である場合には、検知物体は自車両と同じ方向に同等速度で走行する物体であると仮定した場合には、第1の相対速度は、図6に示すように、零から増加して自車速Vspと同等の価に収束することになり、逆に、検知物体が停止物体であると仮定した場合の第2の相対速度は、図7に示すように、自車速Vspと同等の値に速やかに収束することになる。
【0035】
したがって、第2の相対速度に基づいて、動き属性を判断した場合、検知物体が停止物体である場合には、検知直後から、停止物体であると判断されることになり、このとき、緊急を要する走行状況でなければ、ステップS9からステップS11に移行し、第1の相対速度が、自動ブレーキ制御装置12に通知されて、これに基づいて制動制御処理が行われることになる。
【0036】
ここで、検知物体は、実際には、停止物体であるが、第1の相対速度は、検知物体は自車両と同等の車速であると仮定しているから、図6に示すように、第1の相対速度は、零から徐々に増加することになる。
したがって、第1の相対速度は実際の相対速度よりも低めに設定されることになり、この第1の相対速度に基づいて自動ブレーキ制御装置12において、制動制御処理が行われると、比較的低ゲインとなるように制動力が発生されることになり、この場合も、物体検知直後であって、比較的誤差を多く含む状態では低ゲインの制動力が発生されることになる。
【0037】
そして、緊急を要する走行状況にある場合には、ステップS9からステップS10に移行し、第2の相対速度に基づいて制動制御処理が実行され、図6及び図7に示すように、第2の相対速度は、第1の相対速度よりも高めの値で推移するから、緊急を要する場合には、比較的高めの相対速度に基づいて制動制御を行うことによって、緊急事態に則した制動力を発生させることができる。
【0038】
このように、自動ブレーキ制御装置12において用いる、検知物体の相対速度rVとしては、その検知物体の初期値を零、つまり、検知物体は自車両と同等の速度で走行している移動物体であると仮定して算出した第1の相対速度に基づいて制御を行い、検知物体は停止物体であると仮定した場合の第2の相対速度よりも、低めの値に算出される第1の相対速度に基づいて制動制御を行うようにしているから、物体検知直後の物体が停止物体であるか移動物体であるかといった属性の判断精度が低い状態における制動力を低ゲイン化することができ、不必要な制動力が発生することに起因して運転者に不快感を与えることを低減し、検知物体に対して急に大きな制動力が発生することのない走行制御系を構築することができる。
【0039】
また、図4〜図7に示すように、相対速度から、その検知物体を判別するまでに要する所要時間は、検知物体を停止物体であると仮定した場合の第1の相対速度の場合には所要時間t2であるのに対し、検知物体を自車両と同等の速度で同一方向に走行する移動物体であると仮定した場合の第2の相対速度の場合には、所要時間t1であって、所要時間t2よりも短い。これは、相対速度を算出する際に、演算結果が振動的にならないように何らかの平滑化を行うようになっているためである。
【0040】
つまり、図8に示すように、検知直後から算出される相対速度の過渡応答は、時間の経過と共に真値に近づくが、その近づき方は、真値に近づくほど小さくなる。また、前述のように、相対速度が自車速値と同等のとき、検知物体は停止物体と判断することができ、それ以外は、移動物体と判定することができるから、検知物体は停止物体であると仮定して相対速度を算出した場合、図7に示すように、実際に、検知物体が停止物体である場合には、速やかに、真の属性判定結果が得られることになるが、検知物体が移動物体である場合には、図4に示すように、相対速度が、自車速値と同等とみなすことの可能な属性識別エリア外となるまでは、停止物体であると誤判定され、属性識別エリア外となった時点t1で、真の属性判定結果が得られることになる。
【0041】
また、検知物体は移動物体であると仮定して相対速度を算出した場合には、図5に示すように、実際に検知物体が移動物体である場合には、速やかに、真の属性判定結果を得ることができるが、図6に示すように、検知物体が停止物体である場合には、相対速度が、自車速値と同等とみなすことの可能な属性識別エリアに達するまでは、移動物体であると誤判定されることになり、属性識別エリアに到達した時点t2で真の属性判定結果が得られることになる。
【0042】
ここで、前述の図8に示すように、相対速度の応答特性は、相対速度の算出開始時ほど真値へ向かう勢いが大きく、また傾きが大きい。したがって、図4及び図7に示すように、相対速度を算出する際に、相対速度の値が、自車速から真値へ向かって変化するようにした方が、停止物体と特定するための属性識別エリアに属するか属さないかをより早い時点で、確定することができることになる。
【0043】
したがって、このようにより早い段階で停止物体であるか否かを特定することのできる第2の相対速度に基づいて前記ステップS7の処理で、属性を判定することによって、より早い段階で、的確に検知物体の属性を判別することができる。したがって、この第2の相対速度に基づく属性の判別結果に基づいて、各属性に適した対処を行うことによって、より早い段階で、検知物体に対して的確な対処を行うことができる。
【0044】
また、このとき、インフラ情報等に基づいて、現在走行中の区間に、停止車両が存在することが通知された場合等には、第1の相対速度よりも高めの値に推移する、検知物体は停止車両であると仮定して算出した第2の相対速度に基づいて制動制御処理を行うようにしているから、物体検知直後の過渡時の相対速度演算の応答性を向上させ、過渡的な相対速度の精度を向上させることができる。
【0045】
また、属性を判別する場合には、検知物体は停止物体であると仮定した場合の第2の相対速度に基づいて判断するようにし、移動物体であると仮定した場合の第1の相対速度よりも、より早い段階で停止物体であるかどうかを判断することの可能な第2の相対速度に基づいて判断しているから、相対速度のバラツキ、つまり擬似微分演算のカットオフ周波数を替えることなく、検知物体の属性判別に要する所要時間を短縮することができ、また、インフラ情報の提供が行われない一般道路等を走行している場合においても、検知物体の属性を確定するまでに要する所要時間の短縮を図ることができる。
【0046】
また、検知物体の相対速度rVとして、検知物体は自車両と同等の速度で走行する移動物体として仮定した第1の相対速度を設定し、自動ブレーキ制御装置12では、この第1の相対速度、つまり、第2の相対速度よりも低めの値に設定される第1の相対速度に基づいて制動制御処理を行うようになっているから、自動ブレーキ制御装置12では、制動制御処理において、相対速度が小さく比較的制動力を必要としない傾向にあるものとみなし、比較的低ゲイン化した制動力を発生させることになるから、前方物体検知後、急制動状態となることを回避することができ、また、物体検知後、物体の属性判定精度が低い状態で、強い制動力が作用することを回避することができる。
【0047】
また、第1及び第2の相対速度を算出する際には、初期値は異なるが、同一の動特性で算出するようにしているから、自動ブレーキ制御装置12における制動制御処理における制動に関する動特性と、検知物体の属性判断における動特性とが同じとなる。つまり、制動制御処理によって制動力を発生させることに起因して変化する車速の特性と、属性判断に用いる相対速度の動特性、つまり位相が同じため、高精度に検知物体の属性判断を行うことができる。
【0048】
なお、上記実施の形態においては、制動制御を自動ブレーキ制御装置12において用いる相対速度を算出する場合について説明したが、相対速度に基づいて制動制御を行うようにしたシステムであれば適用することができる。特に、検知物体に対して速やかに対処を行う必要のあるシステム等、強めの制動力制御特性を期待するシステムに好適であるが、全般的に(制動力の強さを問わず)、自動制御の介入操作を嫌う走行システムにおいて、検知物体の動き属性に応じた制動制御を行うシステムに最適である。また、制動制御を行う制御装置に限らず、相対速度を用いて制御を行うようにした制御装置であれば、適用することができる。
【0049】
また、上記実施の形態においては、相対速度に基づいて制御を行うようにした制御装置に適用するようにした場合について説明したが、相対速度に基づいて検知物体が停止物体であるか、自車両と同じ方向に移動する移動物体であるか、自車両と対向する移動物体であるかを判別することができるから、検知物体の属性に基づいて異なる対処を行うようにした制御装置であっても適用することができる。
【0050】
また、上記実施の形態においては、検知物体が自車両と同等速度で走行する移動物体であると仮定した第2の相対速度を、自動ブレーキ制御装置12において用いる相対速度rVとして設定することによって、自動ブレーキ制御装置12での制動制御処理における物体検知直後の制動力の低ゲイン化を図るようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、制動制御処理における物体検知直後の制動力特性の高ゲイン化を期待する場合には、第1の相対速度に替えて第2の相対速度を、相対速度rVとして設定するようにしてもよい。
【0051】
また、上記実施の形態においては、検知物体として一つの物体を検知した場合について説明したが、複数の物体を検知した場合であっても適用することができることはいうまでもなく、この場合には、検知物体毎に、上記と同様の処理を行うようにすればよい。
また、上記実施の形態においては、路車間通信装置7によりインフラ情報を獲得とし、これに基づいて自車両前方の走行状況を獲得するようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、車車間通信等、自車両前方の道路状況を獲得することの可能な前方道路状況獲得手段であれば、適用することができる。
【0052】
また、上記実施の形態においては、インフラ情報に基づいて緊急を要する走行状況であるかどうかを判定するようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、自車両から検知物体までの距離、自車速、自車両の加速度等に基づいて、自車両と検知物体との接近度合等を推定しこれに基づいて、緊急時であるかどうかを判定するようにしてもよい。
【0053】
また、上記実施の形態においては、インフラ情報に基づいて第1及び第2の相対速度の何れを用いるかを判定するようにした場合について説明したが、必ずしもインフラ情報に基づいて判定する必要はなく、ステップS7の処理での検知物体の属性の判断結果に基づいて、第1及び第2の相対速度の何れを用いるかを判定するようにしてもよい。
【0054】
また、上記実施の形態においては、検知物体が停止物体であると仮定し、初期値を自車速とした場合と、検知物体が自車両と同等速度で走行している仮定し、初期値を零とした場合と、について相対速度を算出する場合について説明したが、これに限るものではなく、任意の値を初期値として設定することができる。例えば、相対速度の初期値として、零と自車速との中間の値に設定し、これに基づいて相対速度を算出すれば、停止車両を停止物と判定するまでの所要時間と、検知物体が車両と同じ方向に走行する車両であると判断するまでの所要時間とが同一となるタイミングで検知物体の属性を判別することができる。
【0055】
また、上記実施の形態においては、検知物体が停止物体であると仮定して初期値を自車速とした場合と、検知物体が自車両と同等速度で走行している仮定して初期値を零とした場合と、の2つの相対速度を算出する場合について説明したが、これに限るものではなく、任意数の相対速度を算出するようにすることも可能であって、上述のように、零及び自車速だけでなく、さらに、零と自車速との中間値を相対速度の初期値として設定し、3種類の相対速度を算出するようにしてもよい。また、相対速度の初期値を変更することによって、この相対速度を用いて制御する制御装置の制御特性を変更することができるから、所望の制御特性を得ることのできる相対速度となるように初期値を設定するようにしてもよい。
【0056】
また、上記実施の形態においては、前記(5)及び(6)式に基づいて、相対速度を算出するようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、初期値及び過去値に基づいて今回の相対速度を算出すようにした演算方法であれば適用することができる。
なお、上記実施の形態において、レーザレーダ1及びレーダ処理装置2が相対位置検出手段に対応し、車速センサ5が、車速検出手段に対応し、図2のステップS1〜ステップS6の処理が相対速度算出手段に対応し、図2のステップS7の処理が動き属性判別手段に対応し、ステップS10及びステップS11の処理が相対速度特定手段に対応し、路車間通信装置7及びステップS8の処理が走行状況検出手段に対応している。
【0057】
また、上記実施の形態においては、前記相対速度算出手段は、予め設定された複数の異なる初期値に基づいて複数の相対速度候補を算出する手段であって、当該相対速度算出手段で算出される、複数の相対速度候補の中から前記動き属性判定手段で判定される属性に応じた相対速度候補を選定し、これを前記検知物体と自車両との相対速度として特定する相対速度特定手段を備える構成としたから、物体検知直後の相対速度が真の値を表していない過渡時点では、動き属性判定手段で判定される属性に適した値の相対速度候補を、前記相対速度として設定することができる。
【0058】
また、前記複数の相対速度候補は、同一の動特性を有する構成としたから、例えば、相対速度特定手段で特定された相対速度に応じて車両の制駆動制御が行われる場合には、この制駆動制御により変化する車速の特性と、前記動き属性判定手段での判定に用いる相対速度候補の特性とが一致し、つまり位相が同一となるから、前記動き属性の判定をより高精度に行うことができる。
【0059】
また、前記相対速度候補の初期値は、前記検知物体を自車両と同等速度の先行車両と仮定した場合に相当する値及び、前記検知物体を停止物体と仮定した場合に相当する値とする構成としたから、物体検知直後の真の相対速度への過渡状況における応答特性が異なる相対速度候補が算出されることになり、動き属性判定手段での判定結果に則した応答特性を有する相対速度候補を、前記相対速度として設定することにより、過渡状態における相対速度の算出精度を向上させることができる。
【0060】
また、前記動き属性判定手段は、前記検知物体を停止物体と仮定した場合に相当する値に基づいて算出される相対速度候補に基づいて、前記動き属性の判定を行う構成としたから、より早い段階で停止物体であるか否かを特定することの可能な相対速度候補に基づいて動き属性を判定することにより、動き属性の判定をより速やかに行うことができる。
【0061】
また、前記相対速度は、車両の走行制御を行う走行制御手段の状態変数として用いられ、前記相対速度特定手段は、前記動き属性判定手段で判定される動き属性に基づき、前記走行制御手段の制御特性が所望の特性となる方向に作用する相対速度候補を前記相対速度として選定する構成としたから、物体検知直後の過渡状態における走行制御手段の制御特性を向上させることができる。
【0062】
また、前記走行制御手段は、前記相対速度に基づいて制動力制御を行う手段であって、前記相対速度算出手段は、前記検知物体を自車両と同等速度の先行車両と仮定した場合に相当する値及び、前記検知物体を停止物体と仮定した場合に相当する値を初期値とする相対速度候補を算出し、前記動き属性判定手段は、前記検知物体を停止物体と仮定した場合に相当する値を初期値とする相対速度候補に基づいて前記動き属性の判定を行い、前記相対速度特定手段は、前記検知物体を自車両と同等速度の先行車両と仮定した場合に相当する値を初期値とする相対速度候補を前記相対速度として特定する構成としたから、停止物体であるか否かをより早い時点で特定可能な、検知物体を停止物体と仮定した場合の相対速度候補に基づいて動き属性の判定を行うことによって動き属性を速やかに特定することができると共に、検知物体を停止物体と仮定した場合よりも小さな値で推移する、検知物体を移動物体と仮定した場合の相対速度候補に基づいて走行制御手段による制動力制御を行うことによって、物体検知直後の相対速度過渡状況において、急制動が行われる傾向となることを回避することができる。
【0063】
さらに、前記検知物体に対し、速やかに対処する必要がある状態にあるかどうかを検出する走行状況検出手段を備え、前記相対速度特定手段は、前記走行状況検出手段で速やかに対処する必要がある状態にあると判定されるときには、前記検知物体を停止物体と仮定した場合に相当する値を初期値とする相対速度候補を、前記相対速度として特定する構成としたから、検知物体に対し速やかに対処する必要がある状況においては、検知物体を移動物体と仮定した場合に比較して、より高い値で推移する、停止物体と仮定した場合の相対速度候補に基づいて制動力制御を行うことによって、走行状況に適した制動力を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した車両用制動制御装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】図1の自動ブレーキ制御装置で行われる相対速度算出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】動き属性の判別方法を説明するための図である。
【図4】検知物体が停止物体であると仮定した場合の、第2の相対速度の変化状況を表す図である。
【図5】 検知物体が自車両と同一方向の移動物体であると仮定した場合の、第の相対速度の変化状況を表す図である。
【図6】検知物体が自車両と同一方向の移動物体であると仮定した場合の、第1の相対速度の変化状況を表す図である。
【図7】 検知物体が停止物体であると仮定した場合の、第の相対速度の変化状況を表す図である。
【図8】相対速度の収束特性を説明するための図である。
【符号の説明】
1 レーザレーダ
2 レーダ処理装置
3 撮像装置
4 画像処理装置
5 車速センサ
6 操舵角センサ
7 路車間通信装置
10 外界認識装置
12 自動ブレーキ制御装置
14 負圧ブレーキブースタ

Claims (7)

  1. 自車両前方の物体を検知しこの検知物体と自車両との相対位置関係を検出する相対位置検出手段と、
    車両と前記検知物体との相対速度を算出する相対速度算出手段と、
    自車両の走行速度を検出する車速検出手段と、
    前記相対速度算出手段で算出される相対速度と前記車速検出手段で検出される自車速とに基づいて、前記検知物体の運動状況を表す動き属性を判別する動き属性判別手段と、を備えた車両用外界認識装置であって、
    前記相対速度算出手段は、前記相対位置検出手段で検出した相対位置関係及び前記相対速度の算出値の過去値と、前記相対位置関係の今回値と、を用いて逐次擬似微分演算を行って相対速度の今回値を算出し、
    前記擬似微分演算で用いる前記相対位置関係及び相対速度の算出値の過去値の初期値として、前記検知物体が停止物又は自車両よりも低速度で同一方向に走行していると仮定した場合の相対位置関係及び相対速度を用いることを特徴とする車両用外界認識装置。
  2. 前記相対速度算出手段は、少なくとも前記検知物体が停止物又は自車両よりも低速度で同一方向に走行していると仮定した場合の前記相対位置関係及び相対速度を含む、複数の異なる初期値に基づいて複数の相対速度を相対速度候補として算出し、
    当該相対速度算出手段で算出される、複数の相対速度候補の中から前記動き属性判定手段で判定される属性に応じた相対速度候補を選定し、これを前記検知物体と自車両との相対速度として特定する相対速度特定手段を備えることを特徴とする請求項1記載の車両用外界認識装置。
  3. 前記複数の相対速度候補は、同一の動特性を有することを特徴とする請求項2記載の車両用外界認識装置。
  4. 前記相対速度候補の初期値は、前記検知物体を自車両と同等速度の先行車両と仮定した場合に相当する値及び、前記検知物体を停止物体と仮定した場合に相当する値であることを特徴とする請求項2又は3記載の車両用外界認識装置。
  5. 前記相対速度は、車両の走行制御を行う走行制御手段の状態変数として用いられ、
    前記相対速度特定手段は、前記動き属性判定手段で判定される動き属性に基づき、前記走行制御手段の制御特性が所望の特性となる方向に作用する相対速度候補を前記相対速度として選定することを特徴とする請求項2又は3記載の車両用外界認識装置。
  6. 前記走行制御手段は、前記相対速度に基づいて制動力制御を行う手段であって、
    前記相対速度算出手段は、前記検知物体を自車両と同等速度の先行車両と仮定した場合に相当する値及び、前記検知物体を停止物体と仮定した場合に相当する値を初期値とする相対速度候補を算出し、
    前記動き属性判定手段は、前記検知物体を停止物体と仮定した場合に相当する値を初期値とする相対速度候補に基づいて前記動き属性の判定を行い、
    前記相対速度特定手段は、前記検知物体を自車両と同等速度の先行車両と仮定した場合に相当する値を初期値とする相対速度候補を前記相対速度として特定することを特徴とする請求項記載の車両用外界認識装置。
  7. 前記検知物体に対し、速やかに対処する必要がある状態にあるかどうかを検出する走行状況検出手段を備え、
    前記相対速度特定手段は、前記走行状況検出手段で速やかに対処する必要がある状態にあると判定されるときには、前記検知物体を停止物体と仮定した場合に相当する値を初期値とする相対速度候補を、前記相対速度として特定することを特徴とする請求項記載の車両用外界認識装置。
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