JP4457711B2 - 有機el装置の製造方法、有機el装置および電子機器 - Google Patents

有機el装置の製造方法、有機el装置および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、有機EL装置の製造方法、有機EL装置および電子機器に関する。
近年、バックライト等を必要としない自発光型の表示装置として有機EL装置が実用化されている(例えば特許文献1参照)。この有機EL装置の構造としては、様々なものが提案されているが、その1つとして、基板上に陽極、正孔注入層、高分子有機発光層、陰極を順に積層したものがある。
特開2002−170431号公報
前述の正孔注入層としては、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)にPSS(ポリスチレンスルホン酸)をドープしたPEDOT:PSSが採用されることが多い。しかし、このPSSは強酸性(pH=1.3程度)を示すため、陽極上にPEDOT:PSSを積層すると、その酸性成分によって陽極がダメージを受けることがある。また、溶液中に溶出した陽極の金属イオンが発光層中に拡散することによって、発光特性の悪化、発光物質の輝度の低下及び有機EL装置の短寿命化を招く虞もある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、酸性物質による陽極へのダメージを防止し、もって有機EL装置の信頼性を向上させることのできる有機EL装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の有機EL装置の製造方法は、陽極と陰極との間に有機発光層を有してなり、前記陽極の上に酸性溶液を用いて形成された機能層を含む有機EL装置の製造方法であって、前記陽極の形成された基板上に、前記陽極の平面領域に前記基板の表面から離れるに従って開口面積が狭くなるような形状を有する開口部を備えたバンク層を形成する工程と、前記バンク層をマスクとして前記基板の表面に気相法により耐酸性を有する貴金属からなる導電材料を堆積し、前記バンク層の上面と前記陽極の表面にそれぞれ前記陰極の補助電極となる導電層と前記陽極の腐食を防止するための陽極保護層とを一括して形成する工程と、前記陽極保護層の上に、前記酸性溶液を用いて液相法により前記機能層を形成する工程とを備えたことを特徴とする。
本方法は、酸性溶液を用いて機能層を形成する前に、予めこの酸性溶液に対して耐食性を有する膜(陽極保護層)を形成して陽極の表面を保護するようにしたものである。この方法では、陽極同士の短絡を防止するために、前記陽極保護層を陽極の形状に合わせてパターニングする必要があるが、この陽極保護層は耐酸性を有するため、通常の酸性のエッチング液を使ったパターニング方法は適用することができない。そこで本発明では、陽極毎に孤立した島状の膜パターンを形成するために、前記膜を堆積する前に、予め基板上にT字型若しくは逆テーパ状等の断面形状を有するバンク層を形成している。このようなバンク層を形成すると、蒸着等により堆積された膜はバンク層上面のエッジによって段切れを生じる。この結果、前記膜はバンク層の上面とバンク層の開口部内に互いに絶縁された状態で堆積されることになる。本発明では、このバンク層の開口部を介して陽極の露出面に堆積された膜を前記陽極保護層として利用し、バンク層の上面に堆積された膜を陰極の補助電極として利用している。こうすることで、前記酸性溶液による陽極のダメージを抑制しつつ、前記バンク層上面の補助電極によって電気的特性の向上を図ることができる。
また、前記陽極および前記陽極保護層からなる第1電極層により発光層から発光される光の少なくとも一部を反射させ、前記第1電極層と陰極からなる第2電極層との間で多重反射を繰り返しながら発光材料による誘導放出を顕著にする、且つ、電気光学装置から放出すべき光の波長により第1電極層と第2電極層の間の光学距離を所定の光学距離に設定することにより、電気光学装置から放出される光を所望の波長とすることができる。さらに、このようにすることにより、電気光学装置から放出される光のスペクトル幅を狭くすることができるため、電気光学装置として色彩の鮮明度を向上することができる。このような効果を共振効果と称する。本発明による陽極保護層を形成することにより、第1の電極層の表面が荒れることがないため、第1電極層から第2電極層への反射を良好にすることができる。したがって、前記共振効果を良好にすることができるため、電気光学装置として色彩の鮮明度を向上することができる。
本発明の有機EL装置の製造方法では、前記バンク層の形成工程が、前記基板上に有機絶縁膜を形成する工程と、前記有機絶縁膜の上に、前記陽極の平面領域を含む位置に第1の開口部を有する無機絶縁膜を形成する工程と、前記無機絶縁膜をマスクとして前記有機絶縁膜を異方性エッチングし、前記有機絶縁膜に前記陽極に通じる第2の開口部を形成する工程と、前記有機絶縁膜の前記第2の開口部の側面を等方性エッチングする工程とを含むものとすることができる。このように無機絶縁膜をマスクとして有機絶縁膜を2段階エッチングすることにより、有機絶縁膜は無機絶縁膜の開口部周縁の下側の部分が抉られるような形でエッチングされる。この結果、これらの無機絶縁膜及び有機絶縁膜により断面T字型の開孔形状を有するバンク層を形成することができる。
また本発明の有機EL装置の製造方法では、前記陽極保護層の仕事関数が、前記陽極の仕事関数若しくは前記機能層の仕事関数と同等か、又は、前記陽極の仕事関数と前記機能層の仕事関数との間の値であるものとすることができる。こうした場合、少なくとも陽極からの電荷の注入効率が損なわれることはない。むしろ、陽極保護層の仕事関数を陽極と機能層との間の値にした場合には、これを改善する効果が期待できる。
また本発明の有機EL装置の製造方法では、前記機能層が正孔注入層であるものとすることができる。この場合、前記酸性溶液としては例えばPEDOT:PSSを用いることができる。
また本発明の有機EL装置の製造方法では、前記機能層が液滴吐出法により形成されたものとすることができる。このように液滴吐出法を用いることにより、材料の無駄が少なくなり、製造も容易になる。
また、本発明の有機EL装置の製造方法では、前記導電材料が金,銀,プラチナ等の貴金属からなるものとすることができる。このような材料は耐食性が高く、導電性にも優れるため、陽極の保護及び陰極の導電性向上を図る上で最適である。この場合、特に前記陽極保護層は金からなることが好ましい。金の仕事関数は5eV程度であり、従来、陽極として使用されているITOやIZO等の金属酸化物(仕事関数は4.8eV〜5eV程度)と正孔注入層として使用されているPEDOT:PSS(仕事関数は5.2eV程度)の仕事関数の中間の値をとる。このため、従来の構成をそのまま踏襲しつつ、陽極からの電荷注入効率を高めることが可能になる。またこの場合、前記陽極保護層の厚みを10nm以下とすることができる。こうすることで、陽極保護層は光透過性を示すようになる。このため、本発明の方法をボトムエミッション型の有機EL装置の製造方法に適用することが可能になる。陽極保護層を金(Au),銀(Ag),プラチナ(Pt)等の貴金属からなる材料により形成することにより、貴金属の反射率が高く、かつ、正孔注入材料としてのPEDOT:PSSなどにより第1電極層の表面が荒れることがないため、第1電極層から第2電極層への反射を良好にすることができる。したがって、前記共振効果を良好にすることができるため、電気光学装置として色彩の鮮明度を向上することができる。
また本発明の有機EL装置の製造方法では、前記機能層の上に前記有機発光層を含む有機層を液滴吐出法により形成する工程を備えることができる。このように液滴吐出法を用いることで、有機発光材料の打ち分けが可能になる。したがって、例えばR,G,Bの各色の有機発光材料を別々の画素領域に打ち分けることで、カラー有機EL表示装置を製造することができる。
本発明の有機EL装置は、前述の方法により製造されたことを特徴とする。また、本発明の電子機器は、係る有機EL装置を備えたことを特徴とする。これにより、高性能且つ高信頼性の有機EL装置、電子機器を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の全ての図面においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
[有機EL装置]
以下に示す本実施の形態の有機EL装置1は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと略記する)を用いたアクティブマトリクス方式の有機EL表示装置であり、特にR(赤),G(緑),B(青)の3種類の高分子有機発光層を備えたカラー有機EL表示装置である。
図1は、本実施形態に係る有機EL装置の等価回路を示す模式図である。
有機EL表示装置1は、複数の走査線101と、各走査線101に対して直角に交差する方向に延びる複数の信号線102と、各信号線102に並列に延びる複数の電源線103とがそれぞれ配線された構成を有するとともに、走査線101と信号線102の各交点付近に、画素領域Xが設けられている。
信号線102には、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチを備えるデータ線駆動回路100が接続されている。また、走査線101には、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査線駆動回路80が接続されている。さらに、各画素領域Xには、走査線101を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT11bと、このスイッチング用TFT11bを介して信号線102から共有される画素信号を保持する保持容量11cと、該保持容量11cによって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用TFT11a(駆動用電子素子)と、この駆動用TFT11aを介して電源線103に電気的に接続したときに当該電源線103から駆動電流が流れ込む陽極(画素電極)12と、この陽極12と陰極(共通電極)17との間に挟み込まれた電気光学層Eとが設けられている。陽極12と陰極17と電気光学層Eにより、発光素子が構成されている。
この有機EL表示装置1によれば、走査線101が駆動されてスイッチング用TFT11bがオン状態になると、そのときの信号線102の電位が保持容量11cに保持され、該保持容量11cの状態に応じて、駆動用TFT11aのオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用TFT11aのチャネルを介して、電源線103から陽極12に電流が流れ、さらに電気光学層Eを介して陰極17に電流が流れる。電気光学層Eは、これを流れる電流量に応じて発光する。
次に、図2を用いて本実施形態の有機EL表示装置1の平面構造について説明する。
図2に示すように、本実施形態の有機EL表示装置1は、電気絶縁性を備える基板10Aと、図示略のスイッチング用TFTに接続された画素電極が基板10A上にマトリックス状に配置されてなる図示略の画素電極域と、画素電極域の周囲に配置されるとともに各画素電極に接続される電源線103(図1参照)と、少なくとも画素電極域上に位置する平面視ほぼ矩形の画素部3(図中一点鎖線枠内)とを具備して構成されている。また、画素部3は、中央部分の実表示領域4(図中二点鎖線枠内)と、実表示領域4の周囲に配置されたダミー領域5(一点鎖線および二点鎖線の間の領域)とに区画されている。
実表示領域4には、それぞれ画素電極を有する表示領域R、G、BがA−B方向及びC−D方向に離間して配置されている。また、実表示領域4の図中両側には、走査線駆動回路80が配置されている。該走査線駆動回路80は、ダミー領域5の下側に位置して設けられている。さらに、実表示領域4の図中上側には、検査回路90が配置されている。該検査回路90は、ダミー領域5の下側に位置して設けられている。検査回路90は、有機EL表示装置1の作動状況を検査するための回路であって、例えば、検査結果を外部に出力する不図示の検査情報出力手段を備え、製造途中や出荷時の表示装置の品質、欠陥の検査を行うことができるように構成されている。
走査線駆動回路80及び検査回路90の駆動電圧は、所定の電源部から駆動電圧導通部を介して印加されている。また、これら走査線駆動回路80及び検査回路90への駆動制御信号及び駆動電圧は、この有機EL表示装置1の作動制御を司る所定のメインドライバなどから駆動制御信号導通部等を介して送信および印加されるようになっている。なお、この場合の駆動制御信号とは、走査線駆動回路80及び検査回路90が信号を出力する際の制御に関連するメインドライバなどからの指令信号である。
次に、図5(c)を用いて有機EL表示装置1の画素構造について説明する。
本実施の形態の有機EL表示装置1は、図2に示したように信号線102及び走査線101等にて囲まれた領域の内側に陽極12を備えてなる画素領域Xを有している。この画素領域内には、図5(c)に示すように、一の画素領域に対応して3原色のうちの一の色に対応する電気光学層Eが配設され、R,G,Bの3つの画素領域によって一の絵素を構成している。
この有機EL表示装置1は、素子基板10上に陽極12,電気光学層E,陰極17を順に備えた構造を有する。
素子基板10には、ガラスや樹脂等からなる基板本体10Aの上に回路部11が形成され、この回路部11の上に、各画素Xに対応して、平面視略矩形状の陽極12がマトリクス状に配列されている。回路部11には、前述した走査線101,信号線102等の各種配線や、保持容量11c、TFT11a,11b等を含む電子回路が形成されている。この陽極12の形成された素子基板10の上には、それぞれの画素位置に開口部を有するバンク層13が形成されている。このバンク層13は各画素を仕切るための隔壁として機能するものであり、このバンク層13によって区画された領域内(即ち、バンク層13の開口部H1,H4,H3内)には、それぞれ有機発光層16を含む電気光学層Eが形成されている。
バンク層13は、酸化珪素や酸化チタン等の無機絶縁材料からなる第1の無機バンク層13aと、アクリル樹脂やポリイミド樹脂等の有機絶縁材料からなる第2のバンク層13bと、酸化珪素や酸化チタン等の無機絶縁材料からなる第3の無機バンク層13cの3層構造からなる。これらのバンク層13a,13b,13cには、それぞれ陽極12の平面領域に、互いに連通する開口部H1,H4,H3が設けられている。第1のバンク層13aの開口部H1は陽極12の平面領域内に設けられており、その周縁部は、陽極12の周縁部上に乗上げるように形成されている。第2のバンク層13bは、この第1のバンク層13aの平面領域内に設けられており、その幅は第1のバンク層13aの幅よりも狭く形成されている。一方、第3のバンク層13cは、第2のバンク層13bよりも幅広に形成されており、第3のバンク層13cは第2のバンク層13bの上面にオーバーハングした状態で積層されている。すなわち、バンク層13aの上に積層されたバンク層13b,13cをまとめてバンク層13dとすると、このバンク層13dは、陽極12の平面領域に互いに連通する開口部H3,H4(これらをまとめて開口部H5と表記する)を有し、その開口部H5の開口形状は、基板10Aの表面から離れるに従って開口面積が狭くなるような形状(本例では断面T字型の形状)となっている。
バンク層13の互いに連通する開口部H1,H3,H4には前述の電気光学層Eが形成されており、このバンク層13及び電気光学層Eを覆うように、陰極17が設けられている。また、バンク層13の上面(即ち、第3のバンク層13cの上面)には、陰極17の補助電極となる導電層14bが形成されている。
陽極12及び陰極17はITOその他の導電材料からなる。例えば電気光学層Eから発した光を陽極側から取り出すボトムエミッション型の構造では、陽極12にはITO等の透光性導電材料が用いられる。この場合、陰極側に発した光を陽極側から取り出せるように、陰極17にはAlやAg等の高反射率の金属材料や、Al/ITO等の透光性材料と高反射率金属材料との積層構造を採用することができる。逆に、発光光を陰極側から取り出すトップエミッション型の構造では、陰極17に透光性導電材料が用いられ、陽極12には高反射率の導電材料が用いられる。この場合、陰極17には、例えばバソクプロイン(BCP)とセシウム(Cs)の共蒸着膜を用い、さらに導電性を付与するためにITOを積層するといった構造が好適に採用される。なお、陰極17はバンク層13及び電気光学層Eの露出面を覆うように配置されており、各画素に共通の共通電極として機能する。
本実施形態では、電気光学層Eから発した光を基板10A側から取り出すボトムエミッション構造を採用しており、陽極12にはITOやIZO等の金属酸化物からなる透光性導電材料を用いている。
電気光学層Eは、陽極保護層14aと正孔注入層15と有機発光層16とが下層側から順に積層された構造を有する。
正孔注入層15は、有機発光層16(16R,16G,16B)の発光効率、寿命などの素子特性を向上させる機能を有する。正孔注入層15を形成するための材料(正孔注入材料)としては、例えば、ポリチオフェン誘導体、ポリピロール誘導体等、又は、これらの材料にポリスチレンスルホン酸(PSS)等の酸性物質をドープしたドーピング体等を使用することができる。例えば、ポリチオフェン誘導体では、PEDOTにPSSをドープしたPEDOT:PSSを採用することができる。
有機発光層16は、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料によって形成されている。具体的には、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体等の高分子発光体や、ペニレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素等の低分子の有機発光色素が好適に使用される。発光物質となる共役系高分子の中ではアリーレンビニレン又はポリフルオレン構造を含むものなどが特に好ましい。また、これらの材料にルブレン、ペニレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の材料をドープして用いることもできる。
陽極保護層14aは、その上層に形成される層、即ち、本実施形態における正孔注入層15が酸性を示す場合に、この正孔注入層15を構成する酸性物質によって、下層側の陽極12が腐食するのを防止するための保護膜として機能するものである。陽極保護層14aを形成するための材料としては、耐酸性で且つ導電性を有する材料、例えば金(Au),銀(Ag),プラチナ(Pt)等の貴金属を好適に用いることができる。特に、この陽極保護層14aとしては、陽極12の仕事関数と正孔注入層15の仕事関数との間の値の仕事関数を有する導電材料が好ましい。例えば陽極12にITOやIZO等の金属酸化物からなる透光性導電材料(仕事関数:4.8eV〜5eV程度)を用い、正孔注入層15にPEDOT:PSS(仕事関数:5.2eV程度)を用いた場合、陽極保護層14aとしては、これらの間の仕事関数を有する金(仕事関数:5eV程度)が好適である。
この陽極保護層14aは、前述の断面T字状をなすバンク層13dをマスクとして真空蒸着等により前記導電層14bと共に一括して形成されたものである。すなわち、バンク層13dの形状を前述のような形状とすると、蒸着等により堆積された膜はバンク層上面で段切れを生じる。この結果、前記膜はバンク層13dの上面とバンク層13a,13dの開口部H1,H5内に互いに絶縁された状態で堆積されることになる。本実施形態では、このバンク層13a,13dの開口部H1,H5内に堆積された膜を前記陽極保護層14aとして利用し、バンク層13dの上面に堆積された膜を陰極17の補助電極14bとして利用している。
なお、本実施形態では電気光学層Eを3層構造としたが、4層以上の多層構造としてもよい。例えば、正孔注入層15と有機発光層16との間には正孔輸送層を形成してもよく、又、有機発光層16と陰極17との間には、必要に応じて電子輸送層や電子注入層等を設けることもできる。これらの層を設けることで、駆動電圧の上昇を制御することができ、駆動寿命(半減期)も長くすることができる。
このように構成された素子基板10の表面は、乾燥剤を備えた封止缶やガスバリア性の封止材(図示略)によって封止することができる。封止材としては例えばSiO2等の珪素酸化物や、SiN等の珪素窒化物、或いはSiOxy等の珪素酸窒化物を好適に用いることができる。また、陰極17と封止材との間には、必要に応じて保護膜を設けてもよい。また、陽極12の下層側に配された層間絶縁膜をこのような珪素酸化物,珪素窒化物,珪素酸窒化物によって構成した場合には、陽極12,電気光学層E,陰極17からなる発光素子がガスバリア性の膜(即ち、層間絶縁膜及び封止材)によって包みこまれることとなり、より信頼性の高い有機EL装置を構成することができる。
また、陽極および陽極保護層からなる第1電極層により発光層から発光される光の少なくとも一部を反射させ、第1電極層と陰極からなる第2電極層との間で多重反射を繰り返しながら発光材料による誘導放出を顕著にする、且つ、電気光学装置から放出すべき光の波長により第1電極層と第2電極層の間の光学距離を所定の光学距離に設定することにより、電気光学装置から放出される光を所望の波長とすることができる。さらに、このようにすることにより、電気光学装置から放出される光のスペクトル幅を狭くすることができるため、電気光学装置として色彩の鮮明度を向上することができる。このような効果を共振効果と称する。陽極保護層を金(Au),銀(Ag),プラチナ(Pt)等の貴金属からなる材料により形成することにより、貴金属の反射率が高い、かつ、正孔注入材料としてのPEDOT:PSSなどにより第1電極層の表面が荒れることがないため、第1電極層から第2電極層への反射を良好にすることができる。したがって、前記共振効果を良好にすることができるため、電気光学装置として色彩の鮮明度を向上することができる。この場合の陰極としては、光反射性の高いマグネシウムと銀との合金などのアルカリ金属、アルカリ土類金属と安定化金属との合金が望ましい。また、電子注入材料としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属などと比して、光透過性の高い有機錯体であることが好ましい。有機錯体としては、金属元素からなる中心原子をM、有機材料からなる配位子をAとして一般式MA(n:中心原子Mの価数)で示される有機金属化合物である。このような金属錯体としては、キレート錯体やクラウンエーテル錯体等、種々の構造の錯体を用いることができる。具体的には、上記配位子Aとして、アセチルアセトン(acac),ジピパロイルメタン(dpm),ヘキサフルオロアセチルアセトン(hfa),2,2,6,6,−テトラメチル−3,5−オクタンジオアセトン(TMOD),テノイルトリフルオロアセトン(TTA),1−フェニル−3−イソヘプチ−1,3−プロパンジオン(商品名LIX54,LIX51;ヘンケル社)等のβ−ジケトン系の配位子、8−キノリノール(オキシン),2−メチル−8−キノリノール等のキノリノール系の配位子、トリオクチルホフフィンオキシド(TOPO),リン酸トリブチル(TBP),イソブチルメチルケトン(MBK),ビス(2−エチルヘキシル)リン酸(D2EHPA)等のリン酸系の配位子、酢酸,安息香酸等のカルボン酸系の配位子、ジフェニルチオカルバゾン配位子等を好適に用いることができる。また、アルカリ金属、或いはアルカリ土類金属のフッ化物、或いは酸化物は、バンドギャップが広く、可視光の光透過性が高いため、好ましい。このようにすることにより、陽極および陽極保護層からなる第1電極層と陰極からなる第2電極層との間での多重反射を促進することができ、共振効果により、電気光学装置として色彩の鮮明度を向上することができる。
[有機EL装置の製造方法]
次に、本発明の有機EL装置の製造方法について説明する。図3〜図5は、本実施形態の有機EL表示装置1の製造工程を示す断面模式図である。
本実施形態の有機EL表示装置1の製造方法は、例えば、(1)バンク層形成工程、(2)陽極保護層形成工程、補助電極形成工程、(3)正孔注入層形成工程、(4)発光層形成工程、(5)陰極(共通電極)形成工程、封止工程を備えている。なお、有機EL表示装置の製造方法は、これに限定されるものではなく、必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。以下、それぞれの工程について説明する。
(1)バンク層形成工程
まず、図3(a)に示すような回路部11及び陽極12の形成された素子基板10を用意し、この素子基板10の上に画素を仕切るためのバンク層13を形成する。
ここではまず、酸化珪素や酸化チタン等の無機絶縁膜を蒸着やスパッタ等により成膜する。そして、パターニングにより、各画素領域に開口部H1を形成し、陽極12の電極面を一部露出させる。この際、開口部H1の縁が陽極12の外周部よりも内側(即ち、陽極12の中心側)に配置されるようにする。また、前記無機絶縁膜の厚みは50nm〜200nmの範囲が好ましい。
以上により、第1のバンク層13aが形成される。
次に、第1のバンク層13a及び陽極12の表面を覆うように、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の有機絶縁膜Rをスピンコート等により成膜する。この有機絶縁膜Rの厚みは0.1μm〜3.5μmの範囲が好ましい。本例では、例えば3μmとする。次に、この有機絶縁膜Rの上に酸化珪素や酸化チタン等の無機絶縁膜を蒸着やスパッタ等により成膜する。この無機絶縁膜は、有機絶縁膜Rをエッチングするためのマスクとして利用するものである。よって、その膜厚はマスクとして機能し得る厚みであればよい。本例では、例えば0.5μmとする。続いて、パターニングにより、前記無機絶縁膜に開口部H3を形成する。図3(c)は無機絶縁膜に開口部H3を形成した状態を示す図である。
以上により、有機絶縁膜R上に前記無機絶縁膜からなる第3のバンク層13cが形成される。
次に、第3のバンク層13cをマスクとして前記有機絶縁膜Rに対して2段階エッチングを行なう。まず、第1のエッチング処理として、図4(a)に示すように、O等のガスを用いてリアクティブイオンエッチング(異方性エッチング)を行ない、前記有機絶縁膜Rをアンダーカットが生じないように垂直にドライエッチングする。これにより、前記有機絶縁膜Rには、陽極12に通じる開口部H2が形成される。次に、第2のエッチング処理として、図4(b)に示すように、アルカリ溶液を使って前記有機絶縁膜Rの開口部H2の側面を等方的にウェットエッチングする。エッチング時間は0.5分〜2分程度とする。これにより、有機絶縁膜Rは第3のバンク層13cの開口部周縁の下側の部分が抉られるような形でエッチングされ、この結果、前記第3のバンク層13cの開口部H3よりも拡径の開口部H4が形成されることになる。
以上により、前記第3のバンク層13cの下に前記有機絶縁膜Rからなる第2のバンク層13bが形成される。
以上の工程より、基板10上に3層構造のバンク層13が形成される。特に本実施形態では、第3のバンク層13cには、第2のバンク層13bに対してその開口部H4側に突出するオーバーハング部13Aが形成され、この結果、バンク層13b,13cによって断面T字型のバンク形状が実現される。なお、以下では、バンク層13bと13cをまとめてバンク層13dと表記し、更に、これらのバンク層13b,13cの互いに連通する開口部H3,H4をまとめて開口部H5と表記する。
(2)陽極保護層形成工程、補助電極形成工程
次に、図4(c)に示すように、バンク層13dをマスクとして気相法(真空蒸着法やスパッタ法等)により基板全面に耐酸性を有する導電材料を堆積する。前述のように、第2のバンク層13bの上にはオーバーハング部13Aを有する第3のバンク層13cが配置されているため、このようなバンク層13b,13cをマスクとして真空蒸着等を行なうと、蒸着等により堆積された膜はバンク層上面のエッジ、例えばオーバーハング部13Aによって段切れを生じる。この結果、前記膜はバンク層13dの上面とバンク層13a,13dの開口部H1,H5内に互いに絶縁された状態で堆積されることになる。本実施形態では、この開口部H1,H5を介して陽極表面に堆積された膜を陽極保護層14aとして利用し、バンク層13dの上面に堆積された膜を陰極17の補助電極14bとして利用する。すなわち、本工程によって、陽極保護層14aと陰極17の補助電極となる導電層14bとが一括して形成されることになる。
なお、本工程で使用する導電材料としては、金(Au),銀(Ag),プラチナ(Pt)等の貴金属が好適である。このような材料は耐食性が高く、導電性にも優れるため、陽極の保護及び陰極の導電性向上を図る上で最適である。特に金は、陽極として使用するITOと正孔注入層として使用するPEDOT:PSSとの中間の仕事関数を有することから、金を陽極酸化層14aとして陽極12と正孔注入層15との間に介在させることで、陽極12からの電荷注入効率を高める効果が期待できる。
また、本実施形態ではボトムエミッション構造を採用しているため、金の厚みは10nm以下とすることが望ましい。この程度まで薄膜化することで、陽極保護層14aは十分な光透過性を示すようになる。
(3)正孔注入層形成工程
次に、図5(a)に示すように、バンク層13dの開口部H5に液滴吐出法により正孔注入層15を形成する。この工程では、まず、インクジェット装置の吐出ヘッドに正孔注入材料を含有する液体材料を充填し、吐出ヘッドと基板10とを相対移動させながら吐出ノズルから前記液体材料をバンク層13dの開口部H5内に吐出する(液滴吐出工程)。そして、液体材料中の溶媒を乾燥により除去し、液体材料中に含まれる正孔注入材料を膜化する(乾燥工程)。これにより、陽極12の露出面に正孔注入層15が形成される。
なお、前記液体材料としては、前述した正孔注入材料を極性溶媒に溶解させたものを用いることができる。極性溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール(IPA)、n−ブチルアルコール、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)及びその誘導体、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のグリコール類等を挙げることができる。そして、上記の材料をインクジェットプロセスに適した組成で混合する。
なお、この正孔注入層形成工程を含めこれ以降の工程は、水、酸素の無い雰囲気とする事が好ましく、例えば、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。
(発光層形成工程)
次に、図5(b)に示すように、液滴吐出法により正孔注入層15の上に有機発光層16を形成する。この工程では、まず、インクジェット装置の吐出ヘッドに所定の色の発光材料、例えば青色発光材料を含有する液体材料を充填し、吐出ヘッドと基板10とを相対移動させながら吐出ノズルから前記液体材料を青色画素に対応したバンク層13dの開口部H5内に吐出する(液滴吐出工程)。そして、液体材料中の溶媒を乾燥により除去し、液体材料中に含まれる発光材料を膜化する(乾燥工程)。これにより、正孔注入層15の露出面に青色の有機発光層16Bが形成される。続いて、この青色の有機発光層16Bを形成したのと同様の手順を用いて、赤色(R)の有機発光層16Rと緑色(G)の有機発光層16Gを順次形成する。
なお、前記液体材料としては、前述した発光材料を非極性溶媒中に溶解させたものを用いることができる。非極性溶媒としては、正孔注入層15に対して不溶なものが好ましく、例えば、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の非極性溶媒を用いることができる。このような非極性溶媒を発光材料の溶媒に用いることで、正孔注入層15を再溶解させることなく液体材料を塗布することが可能となる。
以上により、陽極12上に電気光学層Eが形成される。なお、有機発光層16R,16G,16Bの形成順序は前述したものに限定されず、どのような順番で形成してもよい。
(4)陰極(共通電極)形成工程、封止工程
次に、図5(c)に示すように、バンク層13及び電気光学層Eの露出面に陰極17を形成する。本実施形態ではボトムエミッション構造を採用しているので、陰極17は光反射性の導電材料からなることが望ましい。よって、本例では陰極17としてAlやAg等の高反射率の金属膜を成膜する。陰極17はAl等の単層膜としてもよいが、発光素子を効率よく発光させるために、電子注入層と導電層のような積層構造を採用してもよい。この場合、有機発光層16に近い側にCa、Ba等の仕事関数が小さい材料からなる電子注入層を形成することが好ましい。また、発光材料によっては、CaやBaの有機発光層側にLiF等からなる薄層を形成してもよい。電子注入層および導電層の成膜方法は、抵抗加熱蒸着法、スパッタ法など、既知の成膜方法から適切な方法を選択すればよい。この陰極17の膜厚は、バンク層13dのオーバーハング部13Aによって段切れが生じない程度の厚みであればよい。本例では、例えば300nm以上の厚みとする。この工程では、前記正孔注入層15や有機発光層16の形成工程とは異なり、蒸着法やスパッタ法等を使用するため、導電材料は画素領域にのみ選択的に形成されるのではなく、基板の略全面に形成されることになる。
この後、陰極17や電気光学層Eが水分や酸素等により劣化されないように、必要に応じて素子基板10の表面を封止缶やガスバリア性の封止材によって封止する。封止材としてはガスバリア性を有するものが好ましく、例えばSiO2等の珪素酸化物や、SiN等の珪素窒化物、或いはSiOxy等の珪素酸窒化物を好適に用いることができる。さらに効果的には、これら無機酸化物層の上にアクリルやポリエステル、エポキシなどの樹脂層を積層すると良い。
以上により、本実施形態の有機EL装置1が製造される。
以上説明したように、本実施形態では、酸性溶液を用いて正孔注入層14を形成する前に、予めこの酸性溶液に対して耐食性を有する膜(陽極保護層14a)を形成して陽極12の表面を保護している。このため、信頼性の高い有機EL装置を製造することができる。この際、陽極保護層14aの形成工程を、断面T字型のバンク層13dをマスクとした蒸着により行なっているため、この工程によって、陽極保護層14aと同時にバンク層上面に陰極17の補助電極となる導電層14bを形成することができる。このため、素子の信頼性だけでなく、素子の電気的特性をも向上することができる。
なお、本実施形態ではバンク層13dの形状を断面T字型としたが、バンク層13dは必ずしもこのような形状に限定されない。すなわち、バンク層13dは、当該バンク層13dをマスクとして蒸着等を行なったときに、蒸着膜がそのバンク層上面のエッジ部で段切れされるような形状であればどのようなものであってもよい。例えば、バンク層13dの開孔形状を、基板10Aの表面から離れるに従ってその開口面積が徐々に変化するような逆テーパ状の形状とすることもできる。
[電子機器]
次に、本発明の電子機器について説明する。
図6は、本発明に係る電子機器の一例を示す斜視図である。この図に示す携帯電話1300は、表示部1301に、前述の方法を用いて製造された有機EL装置を備えている。なお、図中、符号1302は操作ボタン1302、符号1303は受話口、符号1304は送話口を示している。
前記実施形態の有機EL装置は、前記携帯電話に限らず、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々、種々の電子機器に適用することができる。いずれの電子機器においても、本発明の有機EL装置を適用することで、信頼性の向上を図ることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
本発明の実施形態に係る有機EL装置の等価回緒を示す図。 同、有機EL装置の平面構造を示す模式図。 同、有機EL装置の製造方法を示す工程図。 図3に続く工程図。 図4に続く工程図。 本発明の電子機器の一例を示す斜視図。
符号の説明
1・・・有機EL装置、10・・・素子基板、12・・・陽極(画素電極)、15・・・正孔注入層(機能層)、16・・・有機発光層、13,13a〜13d・・・バンク層、14a・・・陽極保護層、14b・・・補助電極(導電層)、17・・・陰極(共通電極)、1300・・・電子機器、H1〜H5・・・開口部、R・・・有機絶縁膜

Claims (11)

  1. 陽極と陰極との間に有機発光層を有してなり、前記陽極の上に酸性溶液を用いて形成された機能層を含む有機EL装置の製造方法であって、
    前記陽極の形成された基板上に、前記陽極の平面領域に前記基板の表面から離れるに従って開口面積が狭くなるような形状を有する開口部を備えたバンク層を形成する工程と、
    前記バンク層をマスクとして前記基板の表面に気相法により耐酸性を有する貴金属からなる導電材料を堆積し、前記バンク層の上面と前記陽極の表面にそれぞれ前記陰極の補助電極となる導電層と前記陽極の腐食を防止するための陽極保護層とを一括して形成する工程と、
    前記陽極保護層の上に、前記酸性溶液を用いて液相法により前記機能層を形成する工程とを備えたことを特徴とする、有機EL装置の製造方法。
  2. 前記バンク層の形成工程が、前記基板上に有機絶縁膜を形成する工程と、前記有機絶縁膜の上に、前記陽極の平面領域を含む位置に第1の開口部を有する無機絶縁膜を形成する工程と、前記無機絶縁膜をマスクとして前記有機絶縁膜を異方性エッチングし、前記有機絶縁膜に前記陽極に通じる第2の開口部を形成する工程と、前記有機絶縁膜の前記第2の開口部の側面を等方性エッチングする工程とを含むことを特徴とする、請求項1記載の有機EL装置の製造方法。
  3. 前記陽極保護層の仕事関数が、前記陽極の仕事関数若しくは前記機能層の仕事関数と同等か、又は、前記陽極の仕事関数と前記機能層の仕事関数との間の値であることを特徴とする、請求項1又は2記載の有機EL装置の製造方法。
  4. 前記機能層が正孔注入層であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかの項に記載の有機EL装置の製造方法。
  5. 前記酸性溶液がPEDOT:PSSからなることを特徴とする、請求項4記載の有機EL装置の製造方法。
  6. 前記機能層が液滴吐出法により形成されたことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかの項に記載の有機EL装置の製造方法。
  7. 前記陽極保護層が金からなることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかの項に記載の有機EL装置の製造方法。
  8. 前記陽極保護層の厚みが10nm以下であることを特徴とする、請求項記載の有機EL装置の製造方法。
  9. 前記機能層の上に前記有機発光層を含む有機層を液滴吐出法により形成する工程を備えたことを特徴とする、請求項1〜のいずれかの項に記載の有機EL装置の製造方法。
  10. 請求項1〜のいずれかの項に記載の方法を用いて製造されたことを特徴とする、有機EL装置。
  11. 請求項10記載の有機EL装置を備えたことを特徴とする、電子機器。
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