JP4457478B2 - プローブの嵌合軸補正機構及びこれを用いた装置 - Google Patents

プローブの嵌合軸補正機構及びこれを用いた装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プローブの嵌合軸補正機構及びこれを用いた装置に関し、特に、携帯電話などの移動体通信機器本体にあって信号経路を切り換える機能を有するレセプタクルに接続されるプローブの嵌合軸補正機構及びこれを用いた装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯電話機等の中には、信号経路を切り換える機能を有する表面実装タイプの同軸レセプタクルを使用したものがある。そして、このような同軸レセプタクルに接続されるプローブとして、たとえば図10に示すような構成を有するものが知られている。
【0003】
該プローブ50Aは、プローブ固定部材74によって機器本体80に固定されている。プローブ50Aは、プローブ本体51の嵌合軸60に凸形状のスプリング保持部70が形成される一方、プローブ固定部材74にスプリング保持部72が形成されており、これらスプリング保持部70と72との間に円錐状のコイルスプリング68が縮装されている。プローブ固定部材74には、プローブ本体51の嵌合軸60が嵌合軸補正された際に干渉しないだけの内径を有する孔74aが開けられており、コイルスプリング68の大径側を孔74aの外側の部分で保持している。嵌合軸60に形成されたスプリング保持部70は、コイルスプリング68の小径側を保持している。
【0004】
さらに、プローブ本体51の接続部64側とは反対側には、コイルスプリング68のばね力荷重でプローブ本体51がプローブ固定部材74の孔74aから抜けないように、ストッパプレート76が配設されている。これにより、プローブ本体51は相手レセプタクル50Bに向かって付勢され、ストッパプレート76を介してプローブ固定部材74に保持される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のプローブ50Aは、相手レセプタクル50Bとの嵌合が解除されているときのプローブ固定部材74に対する嵌合軸60の基準位置補正を、円錐形のコイルスプリング68の形状保持力のみで行っている。このため、嵌合軸60は、プローブ固定部材74に対する位置ばらつき、さらには機器本体80側の基準位置に対する位置ばらつきが大きくなり、相手レセプタクル50Bとの実質的な嵌合軸補正量が少なくなるという問題があった。
【0006】
また、従来のプローブ50Aでは、円錐形のコイルスプリング68の形状保持力のみで軸芯方向の移動を行う構成であるため、プローブ本体51に接続されている同軸ケーブル53にコイルスプリング68の形状保持力以上の張力が加わると、プローブ本体51の頭部が同軸ケーブル53側に引っ張られて嵌合軸60が傾斜した状態(いわゆる、倒れ込み状態)になり、相手レセプタクル50Bとの嵌合不良が発生するという問題もあった。
【0007】
さらに、円錐形のコイルスプリング68の一端をプローブ固定部材74に固定し、他端をプローブ本体51に固定し、コイルスプリング68の両端のコイル軸のずれを利用して相手レセプタクル50Bとの嵌合軸補正を行うので、両端のコイル軸のずれが生じるに伴い、プローブ本体51には、コイルスプリング68の形状を保持しようとする力が加わり、より大きなプローブ本体51の倒れ込みを誘発する要因となっている。しかも、プローブ本体51が相手レセプタクル50Bと嵌合して、コイルスプリング68が圧縮されるに伴い、コイルスプリング68の形状を保持しようとする力が増加する方向にあるため、プローブ本体51の倒れ込みがさらに助長されるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、大きな嵌合補正量を有するとともに、嵌合不良の発生が少なく、プローブ本体の倒れ込みの少ないプローブの嵌合軸補正機構及びこれを用いた装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】
前記目的を達成するため、本発明に係るプローブの嵌合軸補正機構は、中心コンタクトが軸芯方向及び該軸芯方向に対して垂直な方向に移動して、相手レセプタクルの中心コンタクトに電気的に接続するプローブの嵌合軸補正機構であって、
(a)前記中心コンタクトを軸芯部に内蔵した胴部と、前記胴部の一端側に設けた前記相手レセプタクルとの接続部と、前記胴部の他端側に設けた頭部とを有するプローブ本体と、
(b)前記プローブ本体の胴部に摺動自在に外嵌するプローブ摺動部材と、
(c)前記プローブ本体の頭部と前記プローブ摺動部材との間に位置し、前記プローブ本体の胴部の外径よりも大径のガイド孔を有するプローブ固定部材と、
(d)前記プローブ本体の接続部と前記プローブ摺動部材との間に圧縮状態で装填され、前記プローブ摺動部材を前記プローブ固定部材に向かって付勢するばね部材と、
を備え、
(e)前記プローブ本体を前記相手レセプタクルに嵌合させる際に、前記中心コンタクトの軸芯が前記相手レセプタクルの軸芯に対してずれているときには、前記プローブ本体の接続部に形成されたテーパ面に前記相手レセプタクルが当接し、前記プローブ固定部材に対して軸芯方向に前記プローブ本体が前記ばね部材を圧縮する状態で前記プローブ本体が軸芯方向に対して垂直な方向に前記プローブ摺動部材を介して移動すること、
特徴とする。
【0010】
以上の構成により、プローブ本体を相手レセプタクルに嵌合させる際に、中心コンタクトの軸芯が相手レセプタクルの軸芯に対してずれているときには、プローブ本体が軸芯方向に対して垂直な方向にプローブ摺動部材を介して移動する。これにより、プローブは相手レセプタクルとの嵌合軸のずれが自動補正されるとともに、嵌合軸補正時におけるプローブ本体の倒れ込みや相手レセプタクルとの嵌合不良の発生も防止される。
【0011】
さらに、プローブ本体は、頭部から胴部に向かって径が漸減するように形成されたテーパ部と、該テーパ部の頭部側に形成されてプローブ固定部材のガイド孔の開口縁がはめあい挿入される基準位置補正溝とを有している。以上の構成により、プローブと相手レセプタクルとの嵌合が解除されると、ばね部材のばね力によってプローブ固定部材のガイド孔の開口縁がテーパ部に沿って案内され、基準位置補正溝にガイド孔の開口縁が係合してプローブ本体の中心コンタクトを常にガイド孔の軸芯に合致させる。従って、使用する機器本体側の基準位置に対して常に精度のよいプローブ本体の位置復帰が行われる。
【0012】
さらに、プローブ固定部材のガイド孔は、プローブ本体の胴部の半径と、前記接続部に形成されたテーパ面の最大半径と最小半径の差分とを加算した値以上の半径を有していることが好ましい。これにより、プローブ本体を、少なくとも最大嵌合補正量の範囲内で、プローブ固定部材に沿って摺動させることができる。
【0013】
また、プローブ本体の接続部に、円筒状の相手レセプタクル嵌合部とすり鉢状の相手レセプタクル誘導部とを設けるようにすれば、レセプタクル誘導部が有するガイド機能とレセプタクル嵌合部の位置決め作用により、プローブの相手レセプタクルへの嵌合が一層スムーズに行われる。
【0014】
また、本発明に係る装置は、前述の特徴を有するプローブの嵌合軸補正機構を備えることにより、高い信頼性が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るプローブの嵌合軸補正機構及びこれを用いた装置の実施形態について添付の図面を参照して説明する。
【0016】
[第1実施形態、図1〜図7]
本発明に係るプローブの嵌合軸補正機構の一つの実施形態の構成を図1及び図2にそれぞれ示す。該プローブ1Aは、相手レセプタクル1B(図3参照)との接続部2を有するプローブ本体3と、本プローブ1Aを機器本体4(図4参照)側に取り付け固定するためのリング状のプローブ固定部材5と、プローブ本体3の軸芯の方向を常にプローブ固定部材5の軸芯の方向に保持して、プローブ本体3をプローブ固定部材5の径方向に沿う方向及びプローブ固定部材5の軸芯の方向に移動自在とするためのプローブ摺動部材6と、相手レセプタクル1Bとの接続位置のばらつきを吸収するためのコイルスプリング7とから構成されている。
【0017】
プローブ本体3は、軸芯部に中心コンタクト8を内蔵した円筒状の胴部11と、該胴部11の一端側に装着された相手レセプタクル1Bとの接続部2と、胴部11の他端側に設けた頭部12を有している。頭部12は、胴部11の外径よりも一段大きな外径を有しており、該頭部12からは同軸ケーブルwが引き出されている。胴部11の軸芯部には、ポリエチレン等の樹脂からなる誘電体13により同軸ケーブルwに接続される中心コンタクト8が保持されている。接続部2には、相手レセプタクル1Bを受け入れる円筒状の嵌合部2aと、相手レセプタクル1Bの先端面の周縁部に当接して相手レセプタクル1Bを嵌合部2a内に誘導するすり鉢状の誘導部2bとが形成されている。
【0018】
頭部12と胴部11との間には、胴部11に向かって径が漸減するようにテーパ部14が形成されており、該テーパ部14の頭部12側には、基準位置補正溝15が形成されている。基準位置補正溝15の内径は、後述のプローブ固定部材5のガイド孔9の径と略等しい。
【0019】
プローブ固定部材5は、ガイド孔9を有するリング形状を有している。ガイド孔9の径は、プローブ本体3の頭部12の径より小さい寸法に設定されている。より具体的には、ガイド孔9は、プローブ本体3の胴部11の半径と、プローブ本体3と相手レセプタクル1Bとの間の最大嵌合補正量とを加算した値以上の半径を有している。プローブ固定部材5は、プローブ本体3の頭部12とプローブ摺動部材6とで挟み込まれ、かつ、プローブ本体3はプローブ摺動部材6に対しては軸芯方向のみで摺動可能な状態となっている。これにより、プローブ本体3の頭部12に接続されている同軸ケーブルwの張力によるプローブ本体3の倒れ込みが抑えられる。このプローブ固定部材5は、固定される機器本体4(図4参照)側に圧入、ねじ留めもしくは溶着等で位置決めされ固定される。プローブ固定部材5に形成されたガイド孔9の開口縁9aは、基準位置補正溝15にはめあい挿入される。
【0020】
プローブ摺動部材6は円筒形状を有しており、プローブ本体3の胴部11に摺動自在に外嵌している。そして、そのプローブ固定部材5側の端部には、ガイド孔9の径より大きい外径を有するフランジ部6aが形成されている。フランジ部6aの上面はプローブ固定部材5の下面に接するとともに、フランジ部6aの下面にはコイルスプリング7が係止されている。
【0021】
コイルスプリング7は、プローブ本体3の胴部11の外周に配置されている。コイルスプリング7の一端側はプローブ摺動部材6のフランジ部6aに係止されるとともに、他端側はプローブ本体3の接続部2に形成されたフランジ部2fに係止され、これらフランジ部6aとフランジ部2fとの間に縮装されている。コイルスプリング7は、そのばね力により、プローブ摺動部材6を常時、プローブ固定部材5に向かって付勢している。
【0022】
プローブ本体3は、プローブ固定部材5のガイド孔9とコイルスプリング7のばね力により、常時は、そのテーパ部14がプローブ固定部材5のガイド孔9に案内されてその基準位置補正溝15(図2参照)にガイド孔9の開口縁9aが係合し、プローブ本体3の中心コンタクト8はガイド孔9の軸芯に合致するようになっている。従って、プローブ本体3に形成されたテーパ部14と、該テーパ部14に形成されてプローブ固定部材5のガイド孔9の開口縁9aが嵌合する基準位置補正溝15は、プローブ本体3の中心コンタクト8を、常時、ガイド孔9の軸芯に合致させるように作用する。
【0023】
一方、プローブ1Aが接続される相手レセプタクル1Bは、たとえば図3に示すような構成を有するものである。該レセプタクル1Bは、アース端子31と、固定端子32と、ばね端子33と、樹脂材料からなる第1絶縁ケース部材34及び第2絶縁ケース部材35と、第1絶縁ケース部材34及び第2絶縁ケース部材35内に移動可能に収容されて固定端子32及びばね端子33に離接する可動接点部材37とから構成されている。
【0024】
可動接点部材37は金属材料からなり、第1絶縁ケース部材34のガイド孔34bに挿通するピン状の第1接点部37aと、ばね端子33の螺旋状の梁部33aに電気的に接続する第2接点部37bと、フランジ部37cとから構成されており、レセプタクル1Bの中心コンタクトとして機能している。ばね端子33は、弾性を有する梁部33aが可動接点部材37を押し上げ、固定端子32にフランジ部37cを電気的に接続させるとともに、ピン状の第1接点部37aの先端部を第1絶縁ケース部材34の突部34aから突出させる向きに付勢している。
【0025】
次に、以上の構成を有するプローブ1A及び相手レセプタクル1Bの動作を図4〜図7を参照して説明する。
【0026】
図4及び図5に示すように、相手レセプタクル1Bとの嵌合前におけるプローブ本体3は、スプリング7のばね力により、プローブ本体3の基準位置補正溝15がプローブ固定部材5のガイド孔9の開口縁9aに嵌合した状態で保持されている。一方、相手レセプタクル1Bの可動接点部材(中心コンタクト)37は、ばね端子33の梁部33aのばね力に付勢されて、可動接点部材37のフランジ部37cが固定端子32に圧接して電気的に接続されている。つまり、固定端子32−可動接点部材37−ばね端子33の信号経路が形成されている。
【0027】
いま、前記の状態にあるプローブ1Aをレセプタクル1Bに嵌合させると、図6及び図7に示すように、プローブ本体3の胴部11の接続部2の嵌合部2aにレセプタクル1Bが嵌合する。このとき、コイルスプリング7のばね力に抗して、プローブ本体3は、その頭部12が中心コンタクト8の軸芯方向でプローブ固定部材5から離れる向き(図6の矢印K1の方向)に移動し、コイルスプリング7のばね力の作用により、胴部11の先端が相手レセプタクル1Bのアース端子31に圧接するとともに、プローブ1Aの中心コンタクト8がレセプタクル1Bの可動接点部材37の第1接点部37aに圧接する。
【0028】
これにより、レセプタクル1Bの可動接点部材37は、プローブ1Aの中心コンタクト8から受ける力により、レセプタクル1B内に移動し、固定端子32と可動接点部材37のフランジ部37cとの接触が絶たれるとともに、中心コンタクト8と可動接点部材37とが電気的に接続される。つまり、プローブ1Aの中心コンタクト8−レセプタクル1Bの可動接点部材37−ばね端子33の信号経路が形成される。
【0029】
ところで、プローブ1Aを相手レセプタクル1Bに嵌合させる際に、図4及び図5に示すように、プローブ1Aの中心コンタクト8の軸芯が相手レセプタクル1Bの可動接点部材37の軸芯に対してずれているときには、プローブ本体3は、レセプタクル1Bと完全に嵌合する前に、プローブ本体3の胴部11の接続部2に形成されたテーパ面2bに相手レセプタクル1Bの先端エッジ部が当接し、プローブ固定部材5に対して軸芯方向(図6の矢印K1の方向)にプローブ本体3がスプリング7を圧縮する状態でプローブ摺動部材6を介して移動する。 その際、プローブ本体3は、プローブ固定部材5のガイド孔9の開口縁9aによる拘束から解放され、プローブ本体3の胴部11とプローブ固定部材5のガイド孔9の間に空間が発生する。従って、その空間分だけプローブ本体3がプローブ摺動部材6を介してプローブ本体3の胴部11の垂直面方向(言い換えると、プローブ固定部材5のガイド孔9の径方向、図6の矢印K2の方向)に摺動可能となり、プローブ本体3の軸芯とレセプタクル1の中心軸のずれが補正される。
【0030】
また、プローブ1Aを相手方レセプタクル1Bから外すと、スプリング7のばね力により、プローブ本体3のテーパ部14がプローブ固定部材5のガイド孔9により案内されて、基準位置補正溝15にプローブ固定部材5のガイド孔9の開口縁9aがはめあい挿入される。この結果、プローブ本体3の基準位置補正溝15がプローブ固定部材5に当接した状態で保持されるので、プローブ本体3の中心軸は再びガイド孔9の中心軸に合致した状態に復帰する。機器本体4側の基準位置に対して常に精度のよい位置復帰が行われ、プローブ本体3の胴部11の軸芯の水平面方向の摺動可能量に対する嵌合軸補正量を実質的に大きくすることができる。
【0031】
[第2実施形態、図8]
本第2実施形態は、図8に示すように、第1実施形態で説明したプローブ1Aに配置されていた接続部2を省略し、代わりに、相手レセプタクル1Bに接続部材2cを配置したものである。接続部材2cは、プローブ本体3の胴部11の先端部を受け入れる円筒状の嵌合部2aと、胴部11の先端部の周縁部に当接して胴部11を嵌合部2a内に誘導するすり鉢状の誘導部2bが形成されている。
【0032】
本第2実施形態は、前記第1実施形態とほぼ同様の作用及び効果に加えて、プローブ本体3側に接続部2を設ける必要がないので、プローブ1Aの構成が簡単になる。なお、図8において、図1〜図7と対応するものには同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
【0033】
[第3実施形態、図9]
第3実施形態は、本発明に係るプローブの嵌合軸補正機構を用いた装置を、携帯電話の測定器に適用した例について説明する。図9は、携帯電話120の高周波回路部分の電気回路ブロック図である。図9において、122はアンテナ素子、123はデュプレクサ、125は切換スイッチ、131は送信側アイソレータ、132は送信側増幅器、133は送信側段間用バンドパスフィルタ、134は送信側ミキサ、135は受信側増幅器、136は受信側段間用バンドパスフィルタ、137は受信側ミキサ、138は電圧制御発振器(VCO)、139はローカル用バンドパスフィルタである。また、126は、測定器の同軸ケーブルwに接続されたプローブである。
【0034】
ここに、携帯電話120の切換スイッチ125並びに測定器のプローブ126として、それぞれ前記第1実施形態もしくは第2実施形態で説明した相手レセプタクル1B及びプローブ1Aを使用することができる。これにより、セットメーカが携帯電話120の製造工程において、高周波回路部の電気特性をチェックする場合、測定器に接続されたプローブ1Aを相手レセプタクル1Bに嵌合させれば、高周波回路部からアンテナ素子122への信号経路を、高周波回路部から測定器への信号経路に切り換えることができる。前記プローブ1Aを相手レセプタクル1Bから外すと、再び高周波回路からアンテナ素子122への信号経路に戻る。このように、測定器のプローブ126として、前記実施形態に係るプローブ1Aを使用することにより、携帯電話120の電気特性のチェックを効率よく確実に行うことができる。
【0035】
[他の実施形態]
なお、本発明は前記実施形態に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。例えば、接続部がプローブ本体と一体成形されているものであってもよい。プローブ本体と接続部を一体成形することにより、プローブの部品点数が少なくなる。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明によれば、嵌合時や嵌合動作時におけるプローブ本体が、プローブ固定部材に対して嵌合軸芯方向及び嵌合軸の垂直面方向に摺動可能な状態で配設されるので、相手レセプタクルとの嵌合軸のずれを自動補正できる。また、プローブ摺動部材はプローブ固定部材のガイド孔の軸芯方向及びそれに垂直なプローブ固定部材に沿う方向にのみ摺動可能な状態となっているので、嵌合軸補正時におけるプローブ本体の倒れ込みや相手レセプタクルとの嵌合不良の発生の少ないプローブの嵌合軸補正機構を得ることができる。
【0037】
さらに、プローブを相手レセプタクルから外したときには、プローブ本体のテーパ部がプローブ固定部材のガイド孔により案内され、基準位置補正溝にプローブ固定部材のガイド孔の開口縁が係合することにより嵌合軸補正が行われるので、使用する機器本体側の基準位置に対して常に精度のよい位置復帰が行われ、プローブ本体の中心コンタクトの軸芯の水平面方向の嵌合軸補正量を実質的に大きくすることができる。
【0038】
また、プローブ本体の頭部とプローブ摺動部材とでプローブ固定部材を挟み込み、かつ、プローブ本体はプローブ摺動部材に対しては軸芯方向のみで摺動可能な状態で構成されているため、プローブ本体の頭部側に取着されている同軸ケーブルの張力によるプローブ本体の倒れ込みが抑えられる。
【0039】
さらに、本発明に係るプローブの嵌合軸補正機構を使用することにより、携帯電話等の電気機器本体の電気特性のチェックを効率よく確実に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプローブの嵌合軸補正機構の第1実施形態を示す分解斜視図。
【図2】図1に示したプローブの一部縦断面図。
【図3】図1に示したプローブが嵌合する相手レセプタクルの一例を示す分解斜視図。
【図4】図1に示したプローブと図3に示した相手レセプタクルとが嵌合する前の状態を示す断面図。
【図5】図4の一部拡大断面図。
【図6】図1に示したプローブと図3に示した相手レセプタクルとが嵌合したときの状態を示す断面図。
【図7】図6の一部拡大断面図。
【図8】本発明に係るプローブの嵌合軸補正機構の第2実施形態を示す縦断面図。
【図9】本発明に係るプローブの嵌合軸補正機構を用いた装置の一例を示す電気回路ブロック図。
【図10】従来のプローブの嵌合軸補正機構を示す縦断面図。
【符号の説明】
1A…プローブ
1B…相手レセプタクル
2…接続部
2a…嵌合部
2b…誘導部
2c…接続部材
3…プローブ本体
4…機器本体
5…プローブ固定部材
6…プローブ摺動部材
7…コイルスプリング
8…プローブの中心コンタクト
9…ガイド孔
9a…ガイド孔の開口縁
11…胴部
12…頭部
15…基準位置補正溝
126…プローブ

Claims (5)

  1. 中心コンタクトが軸芯方向及び該軸芯方向に対して垂直な方向に移動して、相手レセプタクルの中心コンタクトに電気的に接続するプローブの嵌合軸補正機構において、
    前記中心コンタクトを軸芯部に内蔵した胴部と、前記胴部の一端側に設けた前記相手レセプタクルとの接続部と、前記胴部の他端側に設けた頭部とを有するプローブ本体と、
    前記プローブ本体の胴部に摺動自在に外嵌するプローブ摺動部材と、
    前記プローブ本体の頭部と前記プローブ摺動部材との間に位置し、前記プローブ本体の胴部の外径よりも大径のガイド孔を有するプローブ固定部材と、
    前記プローブ本体の接続部と前記プローブ摺動部材との間に圧縮状態で装填され、前記プローブ摺動部材を前記プローブ固定部材に向かって付勢するばね部材と、
    を備え、
    前記プローブ本体を前記相手レセプタクルに嵌合させる際に、前記中心コンタクトの軸芯が前記相手レセプタクルの軸芯に対してずれているときには、前記プローブ本体の接続部に形成されたテーパ面に前記相手レセプタクルが当接し、前記プローブ固定部材に対して軸芯方向に前記プローブ本体が前記ばね部材を圧縮する状態で前記プローブ本体が軸芯方向に対して垂直な方向に前記プローブ摺動部材を介して移動すること、
    特徴とするプローブの嵌合軸補正機構。
  2. 前記プローブ本体が、前記頭部から前記胴部に向かって径が漸減するように形成されたテーパ部と、該テーパ部の前記頭部側に形成されて前記プローブ固定部材のガイド孔の開口縁がはめあい挿入される基準位置補正溝とを有していることを特徴とする請求項1記載のプローブの嵌合軸補正機構。
  3. 前記プローブ固定部材のガイド孔が、前記プローブ本体の胴部の半径と、前記接続部に形成されたテーパ面の最大半径と最小半径の差分とを加算した値以上の半径を有していることを特徴とする請求項1または請求項2記載のプローブの嵌合軸補正機構。
  4. 前記プローブ本体の接続部が、円筒状の相手レセプタクル嵌合部とすり鉢状の相手レセプタクル誘導部とを備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載のプローブの嵌合軸補正機構。
  5. 請求項1ないし請求項4の少なくともいずれか一つに記載のプローブの嵌合軸補正機構を備えたことを特徴とする装置。
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