JP4456215B2 - 易重合性化合物貯蔵用タンクおよび貯蔵方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は易重合性化合物貯蔵用タンクおよび貯蔵方法に関し、詳しくは(メタ)アクリル酸などの易重合性化合物を、重合の発生を抑制して、安定して貯蔵し得るようにした貯蔵タンクおよびこのタンクを用いた貯蔵方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
(メタ)アクリル酸などの易重合性化合物を貯蔵する際には、その重合を防止するために、ハイドロキノン、フェノチアジンなどの重合防止剤を添加し、また分子状酸素を含む不活性ガスを貯蔵タンクに投入することが行われている。また、重合防止のために、貯蔵する液を冷却、循環して、貯蔵液の温度を調節したり、貯蔵液中の重合防止剤濃度の均一化を図ることも行われている。
【0003】
しかし、これら従来公知の重合防止のための対策を講じても、なお不可避的に重合が発生し、重合物の付着や流路(循環パイプ)の閉塞によって安定的に貯蔵できないという問題があった。これら付着物および閉塞物は化学的または人為的に除去しなければならず、その除去作業は3K作業の一つとみなされるようになっている。このように、貯蔵タンクでの重合の発生を防止することは、易重合性化合物貯蔵用タンクにとって重要なテーマである。
【0004】
また、一般に、貯蔵用タンクにおいては、適宜、製造工程からの生産品をタンクに導入、貯蔵し、また一方、製品として使用または出荷のために、貯蔵液をタンクから抜き出すことが行われている。易重合性化合物の場合には、その重合防止のために、重合防止剤が添加されているので、貯蔵タンク内の易重合性化合物中の重合防止剤濃度とともに、貯蔵タンクから抜き出す易重合性化合物中の重合防止剤濃度もできるだけ均一なことが望ましい。つまり、できるだけ均一な組成を有する易重合性化合物を抜き出し得ることが望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かくして、本発明は、易重合性化合物の貯蔵時における重合を効果的に防止し、しかも、できるだけ均一な組成を有する易重合性化合物を取り出し得る、易重合性化合物貯蔵用タンクおよびこのタンクを用いた貯蔵方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、易重合性化合物の混合性を高めたり、滞留部の形成を低減させたりすると、貯蔵液の組成、温度などが均一となって重合を効果的に防止でき、また組成の均一な易重合性化合物を貯蔵タンクから抜き出すことができること、そして、易重合性化合物貯蔵用タンクにおいて、液導入管、または液導入管と循環液導入管とを液抜き出し管に対し特定の位置に設けると、易重合化合物性の液混合性を高めたり、滞留部の形成を低減できることを知り、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、液導入管、液抜き出し管および循環液導入管を備えてなる易重合性化合物貯蔵用の縦型円筒状タンクであって、
(1)液導入管を、液抜き出し管に対し、120〜240°の範囲の角度(この角度とは、液抜き管の先端断面の中心点とタンクの垂直中心線とを水平に結ぶ線Aと、液導入管の先端断面の中心点とタンクの垂直中心線とを水平に結ぶ線Bととがなす角度を意味する。)で、あるいは、さらに、循環液導入管を、液抜き出し管に対し、120〜240°の範囲の角度(この角度とは、上記線Aと、循環液導入管の先端断面の中心点とタンクの垂直中心線とを水平に結ぶ線Cとがなす角度を意味する。)で設けてなり、
(2)液抜き出し管は、タンク内でタンク底面方向への曲管を有する、
ことを特徴とする易重合性化合物貯蔵タンクである。
【0008】
また、本発明は、上記易重合性化合物貯蔵用タンクを用い、
(1)タンク内液温度:15〜50°
(2)液循環時間((タンク内の液量)/(循環液量)):0.1〜50時間
の条件下に(メタ)アクリル酸およびそのエステルから選ばれる少なくとも1種の化合物を貯蔵する易重合性化合物の貯蔵方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の易重合性化合物貯蔵用タンクの説明図である。図2は、本発明の易重合性化合物貯蔵用タンクにおいて、液導入管、液抜き出し管および循環液導入管をタンク内へ開口させて設けた、それぞれの管の位置関係を示す横断面説明図である。図3は、本発明の易重合体化合物貯蔵用タンクの一つの態様を示す横断面説明図である。図4は、曲管を有する液抜き出し管の縦断面図である。図5は、液導入管の曲管の曲げ方向を示す横断面説明図である。
【0010】
以下、図1〜5に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0011】
本願発明の易重合性化合物貯蔵用タンク1は、図1に示すように、貯蔵すべき易重合性化合物(本発明では、「貯蔵液」または単に「液」ということもある)をタンクに導入するための液導入管3、貯蔵液をタンクから抜き出すための液抜き出し管4、および液抜き出し管4から抜き出した貯蔵液の一部または全部を、熱交換器2により冷却した後、循環してタンク1に導入するための循環液導入管5を備えている。液の循環は循環ポンプ8を用いて行う。
【0012】
液抜き出し管4から抜き出した貯蔵液の一部または全部を熱交換した後、タンクに循環することにより、タンク1内の貯蔵液の温度調整、重合防止剤濃度の均一化が図られる。タンク1内には、通常、貯蔵液の重合を防止するための分子状酸素ガスを、その液相部および/または気相部に導入する。また、貯蔵液には一般の重合防止剤を添加する。
【0013】
本発明の易重合性化合物貯蔵用タンクは、縦型円筒状タンクであり、その屋根としては、コーンルーフ形、ドームルーフ形などが挙げられる。
【0014】
そのほか、本発明で使用する熱交換器および循環ポンプなどの付属機器にも特に制限はなく、化学製品の貯蔵に一般に用いられているものを用いることができる。熱交換器としては、多管式、コイル式、スパイラル式などが用いられる。また、循環ポンプとしては、遠心渦巻ポンプ、ロータリーポンプ、ねじポンプ、無漏洩ポンプなどの各種ポンプが使用でき、なかでもポンプケーシングにおけるポンプ軸貫通部から液漏れを制限するための軸封部を持たない無漏洩ポンプの一つであるキャンドモーターポンプが好適に用いられる。
【0015】
循環液導入管5のタンクへの開口位置は、タンクの屋根に限定されるものではなく、タンク側壁に設けてもよい。液導入管3および液抜き出し管4はタンク側壁に開口させて設けられている。なお、これら管はいずれもその先端がタンク内に延長されていても、あるいは延長されていなくてもよい。
【0016】
本発明の特徴は、上記のような易重合性化合物貯蔵タンクにおいて、液導入管3、あるいは液導入管3と循環液導入管5とを液抜き出し管4に対し特定の位置関係になるようにタンク内に開口させて設ける点にある。
【0017】
図2は、本発明の易重合性化合物貯蔵用タンクにおける、タンク内に開口させて設けた液導入管3、液抜き出し管4および循環液導入管5の位置関係を示す横断面説明図である。ここでは、循環液導入管5はタンク1の屋根に設けられており、その位置は丸印により示されている。
図2に関して説明すれば、液導入管3を、その先端と液抜き出し管4の先端とのなす中心角(本発明では「中心角(α)」という)が120〜240゜の範囲となるようにして設ける。あるいは、さらに、循環液導入管5を、その先端と液抜き出し管4の先端とのなす中心角(α)が120〜240゜の範囲となるようにして設ける。このように設置することにより、液のショートパスが防止され、液混合性を高めることができる。
【0018】
上記中心角(α)については、例えば、図2に示す横断面が円形のタンクの場合、液導入管3の先端断面の中心点と円(タンク断面)の中心線とを水平に結ぶ線と、液抜き出し管4の先端断面の中心点と円(タンク断面)の中心線とを水平に結ぶ線とがなす角度をもって中心角(α)とする。
【0019】
本発明の易重合性化合物貯蔵用タンクにおいては、図3に示すように、タンク底面(底板)に液抜き出し管4に向かって下り勾配(β)、具体的には1/200〜1/10、好ましくは1/100〜1/10の勾配を設けるのがよい。これにより、貯蔵液の滞留を低減して、液混合性をより向上させることができる。このような下り勾配(β)を設けるには、予めその施工時に、コンクリート基礎に所定の勾配(β)をつければよい。
【0020】
本発明の易重合性化合物貯蔵用タンクにおいては、液抜き出し管4が、図4に示すように、タンク内でタンク底面方向への曲管を有するのが好ましい。これにより、貯蔵液の滞留を低減して、液混合性をより向上させることができる。そして、液抜き出し管4の場合、その先端部分が、タンク底面方向、特にタンク底面に対しほぼ垂直に曲がっているのが好ましい。曲管の先端、すなわち液抜き出し管4の先端とタンク底面との距離(L)は、(0.5〜2)×D(ここで、Dは液抜き出し管の内径である)の範囲内とするのがよい。距離(L)が小さすぎると、液抜き出し管4の先端とタンク底面との隙間が小さくなって、貯蔵液の良好な流動性が得られなくなる。一方、大きすぎると、デッドスペースの増加によって液混合性が損なわれて、貯蔵液の滞留が発生し、重合が起こり易くなる。
【0022】
本発明の易重合性化合物貯蔵用タンクにおいては、液抜き出し管4の先端断面の中心点とタンク断面の中心線とを水平に結ぶ線、またはその延長線(本発明では液抜き出し管4のタンク中心方向という)と液導入管3の先端部分の延長線(本発明では液導入管3の先端方向という)とがなす角度(γ)が0〜90゜、好ましくは20〜80゜となるように、液導入管3をタンク内に開口させて設けるのが好ましい。すなわち、図5に示すように、液導入管3の先端方向と液抜き出し管4のタンク中心方向とのなす角度(γ)を0〜90゜、好ましくは20〜80゜の範囲になるようにするのがよい。
【0023】
なお、液導入管3はタンク内で直管であっても、あるいは液抜き出し管4のように曲管を有していてもよい。いずれにしても、液導入管3の先端と液抜き出し管4の先端とが、より離れた位置に存在するようにするのがよい。このためには、例えば図5に示すように、液導入管3がタンク側壁方向(液抜き出し管方向と異なる方向)への曲管を有するようにするのがよい。これにより、貯蔵液の滞留を低減して、液混合性をより向上させることができる。
【0024】
循環液導入管5についても、角度(γ)が0〜90゜、好ましくは20゜〜80゜の範囲となるようにするのがよい。この循環液導入管5に係わる中心角(α)および角度(γ)は液導入管3と同様にして決定される。
【0025】
したがって、本発明の易重合性化合物貯蔵用タンクのなかでも、液導入管、循環液導入管および液抜き出し管に関し、
▲1▼ 液導入管と液抜き出し管、または液導入管および循環液導入管と液抜き出し管とに係わる中心角(α)が90〜270゜の範囲にあり、
▲2▼ 液抜き出し管がタンク内でタンク底面方向への曲管を有し、しかも
▲3▼ 液導入管および/または循環液導入管と液抜き出し管とに係わる角度(γ)が0〜90゜の範囲にある
ものが好適に用いられる。
【0026】
図6(a)、(b)、(c)は、本発明の易重合性化合物貯蔵用タンクのなかでも好適な態様の横断面および縦断面説明図である。
【0027】
また、本発明の易重合性化合物貯蔵用タンクにおいては、その屋根板を自己支持形とし、かつラフターを屋根外部に設けるのが好ましい。
【0028】
図7は、屋根板を自己支持形とし、かつラフターを屋根外部に設けた、本発明の易重合性化合物貯蔵用タンクの一態様を示した断面説明図である。図7において、6は自己支持形屋根、7はラフターを示す。
【0029】
ここでは、屋根板が自己支持形であるので、タンク内に支柱がない。このため、タンク内の支柱に起因する、貯蔵液の混合性の低減、滞留部の形成が防止され、結果として重合を効果的に防止することができる。さらに、ラフターを屋根の外に設けることにより、ラフターに起因するタンク内の気相部または液相部における重合を防止することができる。
【0030】
屋根板の勾配(δ)については、JIS B8501に記載の、1/6〜3/4、好ましくは1/6〜1/2の範囲にするのがよい。
【0031】
さらに、本発明の易重合性化合物貯蔵用タンクにおいては、タンク(底板、側板、屋根板を含む)およびその付属機器、例えば循環パイプ、の内壁面(易重合性化合物がガス状または液状で接触する面。本発明では、これらを総称して「タンク内壁面」という)の凹部を可及的に少なくするのが好ましい。例えば、マンホール、計器類など取り付けが止むをえないものは、極力長さを短くして、凹部を少なくするのが好ましい。このように、タンク内壁面を実質的に凹部フリーとし、また更に好ましくはタンク内壁面を平滑にすることにより貯蔵液の滞留を防止して、液流動性ないしは液混合性を高めることができる。
【0032】
具体的に、タンク内壁面を実質的に凹部フリーとするには、タンク構造部材の溶接を適宜選択すればよい。図8は、重ね両側断続溶接法による溶接部の斜視図であり、ここでは、断続的に凹部が形成されるので好ましくない。これに対し、図9および10は、それぞれ、突合せ両側連続溶接および重ね両側連続溶接を示すものであり、いずれにおいても、実質的に凹部フリーとなっている。なお、溶接表面はビードが消えるまでグラインダーなどで平滑にするのが好ましい。
【0033】
上記タンク構造部材とは、タンクの底板、側板、屋根板などのほかに、タンク内に設けられる部材などを意味し、上記の液導入管、液抜き出し管、循環液導入管なども包含される。例えば、液抜き出し管の場合も、図4に示すように、連続的に溶接して凹部をなくすのがよい。
【0034】
上記溶接方法としては、被覆アーク溶接、自動アーク溶接、ティグ溶接、ミグ溶接、マグ溶接などが挙げられる。
【0035】
さらには、タンク内壁面をJIS B0601に記載のRmax12.5S以下の表面粗度とするのが好ましい。このためには、バフ研磨、電解複合研磨などの表面処理法を採用することができる。
【0036】
本発明の易重合性化合物貯蔵用タンクにおいては、液抜き出し管のタンク開口部から循環液導入管のタンク開口部にいたる循環パイプにおける液滞留部の形成を低減するために、循環パイプは不必要に分岐したり、あるいは長くならないようにするのが好ましい。
【0037】
本発明の易重合性化合物貯蔵用タンクの材質については特に制限はなく、一般に用いられているステンレス鋼などを用いればよい。
【0038】
本発明の貯蔵方法は、上記の易重合性化合物貯蔵用タンクを用いて易重合性化合物を貯蔵するものである。
【0039】
本発明の易重合性化合物の代表例としては、(メタ)アクリル酸およびそのエステル、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルなどを挙げることができる。本発明の易重合性化合物の貯蔵とは、これら易重合性化合物の単独、または混合物、もしくはこれらを含む液の貯蔵を意味する。
【0040】
本発明の貯蔵方法は、タンクとして上記の易重合性化合物貯蔵用タンクを用いる点を除けば一般の貯蔵方法と同様に行うことができる。もちろん、常法にしたがって、重合防止剤、分子状酸素の投入を行うのが好ましい。
【0041】
重合防止剤としては、従来公知の、例えばハイドロキノン、フェノチアジンなどを用いることができる。分子状酸素については、通常、分子状酸素と窒素などの不活性ガスとの混合ガスとして投入する。これにより、タンク内の気相部および液相部における重合を効果的に防止することができる。具体的には、タンク内の気相部の酸素濃度が5〜9容量%となるように、分子状酸素含有ガスを適宜タンクに投入するのがよい。例えば、分子状酸素濃度が5〜9容量%の混合ガスを毎時1容量%以上、好ましくは2〜10容量%(タンク容量基準)で投入すればよい。
【0042】
本発明の貯蔵方法においては、液抜き出し管から抜き出した貯蔵液の一部または全部を熱交換器で冷却した後、循環液導入管からタンクに循環して、タンク内液温度を15〜50℃、好ましくは15〜30℃の範囲に調整するのがよい。
【0043】
本発明の貯蔵方法においては、タンク内での貯蔵液の滞留を低減させるために、貯蔵液の循環を速やかに行うのが好ましい。具体的には、下記に定義する液循環時間が0.1〜50時間、好ましくは0.2〜30時間となるように循環するのが好ましい。
液循環時間=(タンク内の液量)/(循環液量)
また、本発明の貯蔵方法においては、攪拌機を設けて、貯蔵液を攪拌してもよい。攪拌機としては、パドル、プロペラ、タービンなどの形式攪拌翼のものを、必要に応じて、平板、円筒などのバッフルと組み合わせて使用することができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明の易重合性化合物貯蔵用タンクにおいては、液導入管、または液導入管と循環液導入管とを液抜き出し管に対し特定の位置に設けてあるので、易重合性化合物の混合性が高まり、また滞留部の形成が低減される。このため、タンク内での重合が効果的に防止され、しかも組成の均一な易重合性化合物をタンクから抜き出すことができる。
【0045】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
図1に示すような、液導入管(曲管を有す)、液抜き出し管(曲管を有す)、および循環液導入管を備え、
(a)液導入管と液抜き出し管との中心角(α):150゜
(b)タンクの下り勾配(β):1/100
(c)液抜き出し管の先端とタンク底面との距離(L):40mm
(液抜き出し管の径(D)=50mm)
(d)液導入管の曲管の液抜き出し管に対する角度(γ):45゜
(e)タンク内の溶接方法:重ね両側連続溶接
である、容量300m3のステンレス鋼製(SUS304)の自己支持形コーンルーフ式タンクに、アクリル酸98重量%、酢酸2重量%の液(貯蔵容量200m3)を貯蔵し、一部を外部熱交換器、ポンプを用いて連続的に冷却、循環させながら、連続貯蔵運転を行った。なお、この際の貯蔵条件は次のとおりであった。
(f)タンク内の貯蔵液の温度:20℃
(g)分子状酸素含有ガス投入量:6Nm3/h
(h)循環液量:20m3/h
(i)液循環時間:10時間
6ヶ月後、運転を中止して内部点検を行った。タンク気相部および液相部には、重合物の生成および付着は認められなかった。
比較例1
実施例1において、
(a)液導入管と液抜き出し管との中心角(α)
を150゜から45゜に変更した以外は、実施例1と同様に連続貯蔵運転を行った。
【0046】
1ヶ月後、運転を中止して内部点検を行った。タンクの液相部、特に液導入管から離れたところに多量の重合物が認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の易重合性化合物貯蔵用タンクの説明図である。
【図2】 本発明の易重合性化合物貯蔵用タンクにおける、液導入管、液抜き出し管および循環液導入管をタンク内へ開口させて設けた、それぞれの管の位置関係を示す横断面説明図である。
【図3】 本発明の易重合性化合物貯蔵用タンクの一つの態様を示す説明図である。
【図4】 曲管を有する液抜き出し管の縦断面図である。
【図5】 液導入管の曲管の曲げ方向を示す横断面説明図である。
【図6】 (a)、(b)、(c)は、本発明の易重合性化合物貯蔵用タンクのなかでも好適な態様の横断面および縦断面説明図である。
【図7】 本発明のタンクの屋根の一態様を示した断面説明図である。
【図8】 重ね両側断続溶接を示す斜視図である。
【図9】 突合せ両側連続溶接を示す斜視図である。
【図10】 重ね両側連続溶接を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 タンク
2 熱交換器
3 液導入管
4 液抜き出し管
5 循環液導入管
6 自己支持形屋根板
7 ラフター
8 循環ポンプ
9 底板
Claims (7)
- 液導入管、液抜き出し管および循環液導入管を備えてなる易重合性化合物貯蔵用の縦型円筒状タンクであって、
(1)液導入管を、液抜き出し管に対し、120〜240°の範囲の角度(この角度とは、液抜き管の先端断面の中心点とタンクの垂直中心線とを水平に結ぶ線Aと、液導入管の先端断面の中心点とタンクの垂直中心線とを水平に結ぶ線Bととがなす角度を意味する。)で、あるいは、さらに、循環液導入管を、液抜き出し管に対し、120〜240°の範囲の角度(この角度とは、上記線Aと、循環液導入管の先端断面の中心点とタンクの垂直中心線とを水平に結ぶ線Cとがなす角度を意味する。)で設けてなり、
(2)液抜き出し管は、タンク内でタンク底面方向への曲管を有する、
ことを特徴とする易重合性化合物貯蔵タンク。 - 液抜き出し管の先端とタンク底面との距離(L)が(0.5〜2)×D(ここで、Dは液抜き出し管の内径である)の範囲内にある請求項1記載のタンク。
- 液導入管および/または循環液導入管がタンク内で曲管を構成している請求項1または2記載のタンク。
- 液導入管および/または循環液導入管の曲管の先端が、液抜き出し管に対し、20〜80°の範囲の角度(この角度とは、線Aと、曲管の先端方向の延長線とがなす角度を意味する。)で配置されている請求項3記載のタンク。
- タンク底面に液抜き出し管に向かって下り勾配を設けてなる請求項1〜4のいずれかに記載のタンク。
- 易重合性化合物が(メタ)アクリル酸およびそのエステルから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれかに記載のタンク。
- 請求項1〜5のいずれかの易重合性化合物貯蔵用タンクを用い、
(1)タンク内液温度:15〜50°
(2)液循環時間((タンク内の液量)/(循環液量)):0.1〜50時間
の条件下に(メタ)アクリル酸およびそのエステルから選ばれる少なくとも1種の化合物を貯蔵する易重合性化合物の貯蔵方法。
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