JP4455791B2 - 炉内耐火物のコーティング方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融金属炉から溶融金属を出湯後、炉内に存在するスラグに、上方からガスを吹きつけることによってスラグを飛散させて炉内耐火物の表面をコーティングする方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
転炉、溶融還元炉、スクラップ溶解炉などの金属精錬炉などや、金属溶解炉などの溶融金属炉は、約1300〜1700℃の高温下で金属の溶解や精錬を行う炉であり、炉の内面には耐火物が設置されている。そして、この耐火物はMgO系であるので、MgO濃度が低いスラグによって侵食されたり、熱衝撃によってスポーリングが発生するなどの問題を生じていた。そこで、従来では、炉内耐火物の欠損部分に不定形耐火物を吹きつける熱間補修や、スラグ中のMgO濃度を高めておくスラグコントロールなどの方法で炉内耐火物を保護していた。しかし、これらの方法では、補修の為の不定形耐火物やMgO源としてのドロマイト等が別途必要となるので、操業コストの低減効果は不充分であった。
【0003】
また、溶融金属炉において溶解や精錬した金属を取鍋などの容器に移した後、炉内に存在するスラグの全量あるいは一部をそのまま炉内に残した状態で、炉体を傾動させることによって内張り耐火物をスラグでコーティングする方法もある。この方法では、余分なコストをかけずに耐火物(特に、炉底の耐火物)を保護することができるが、傾動方向に対して直角方向の炉壁耐火物をコーティングすることができないという問題があった。
【0004】
この様な問題を解決するために、炉の上方に設けられているランスから、窒素やアルゴンなどのガスをスラグに吹きつけることによってスラグを吹き飛ばし、炉壁の耐火物をスラグでコーティングするスラグスプラッシュコーティング法が提案されている。
【0005】
例えば、特開2000-178631号には、スラグを効果的に飛散させる為に、ガスをスラグに吹きつける際のランス高さやガス流量を制御する技術が開示されている。しかし、本発明者らが検討した結果、この技術では炉内の残留スラグ量について考慮していないので、新たな問題が生じることが分かった。
【0006】
また、スプラッシュコーティングを行うに当たって炉壁にスラグを付着しやすくする技術として、例えば、特開平1-152214号や特開平8-246018号、特開平10-183219号などの技術も提案されている。
【0007】
このうち、特開平1-152214号では、スラグの融点を高めて粘性を大きくすることによってスラグの炉壁耐火物への付着性を向上させており、ドロマイト等のフラックスと石炭又はコークスをスラグに投入した後、スプラッシュコーティングしている。また、特開平8-246018号は、スプラッシュを発生させる際に、高融点酸化物(MgOやCaOなど)やドロマイトなどの固体粉末を容器中に添加することを提案している。さらに、特開平10-183219号には、コーティング性の良好なスラグを得るために、スラグ酸化度低減材(コークスやアルミニウム含有化合物など)を投入して粘性を低減してから、耐火度向上材(生ドロマイトや石灰石など)を投入し、スプラッシュコーティングする技術が開示されている。
【0008】
しかしながら、本発明者らが検討した結果、スプラッシュコーティングする直前のスラグにMgOやCaO、コークスなどの物質を添加すると、スラグの温度が低下して、スラグの粘性が急激に上昇することが分かった。そして、スラグの組成によっては、炉壁への付着性が悪くなる場合があった。また、コークスやアルミニウムなどの還元剤をスラグに添加してスラグの粘性を低下させる際に、スラグ中のFeOを過剰に還元してしまうと、スラグの粘性が高くなり過ぎて充分に飛散せず、付着性が低下してしまう。つまり、スラグの炉壁への付着性を向上させる観点からスラグの粘性を最適化することは困難であった。
【0009】
一方、炉壁に付着したスラグの耐火度を向上させる観点から、生ドロマイトやレンガ屑などの改質剤をスラグに添加する技術も提案されている(特開昭61-56223号)。しかし、スラグにドロマイトなどを添加しても、ドロマイト中の高融点酸化物はスラグ中へ殆ど溶解しないので、低融点のスラグ相と高融点酸化物粒子が混在した状態となることが分かった。そして、この様なスラグを用いて金属を溶解や精錬すると、低融点のスラグ相は容易に溶け出して充分に耐用性を改善することができないことが分かった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、炉底の耐火物を損傷することなく効果的にスラグを飛散させて炉内耐火物をコーティングすることのできるスラグスプラッシュコーティング方法を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、スラグスプラッシュコーティングを行った際の炉壁へのスラグ付着性を向上させると共に、付着したスラグの耐用性も向上させることのできるスラグスプラッシュコーティング方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決できた本発明に係るスラグスプラッシュコーティング方法とは、溶融金属炉から溶融金属を出湯後、炉内に存在するスラグに、上方からガスを吹きつけることによって前記スラグを飛散させて炉内耐火物の表面をスラグでコーティングする方法において、前記ガスがスラグを吹き抜けない様にガスを吹きつける点に要旨を有し、スラグ表面にガスを吹きつける際に形成されるスラグの凹みを、ガスを吹きつける前のスラグ水平表面レベルからの垂直方向距離Lが100mm以上となる様にガスを吹きつけることが好ましい。
【0013】
ここで、前記距離Lは、吹きつけガスのスラグ面への衝突圧力Pとスラグの密度ρに基づいて下記式(1)で算出することができる。但し、gは重力加速度である。
L=P/(ρ・g) ・・・(1)
また、前記吹きつけガスのスラグ面への衝突圧力Pは、下記式(2)〜(8)から算出することができる。
P=C(X*−X0 *)n×[P0(X*=15)−Patm]×cosθ ・・・(2)
C=−26.344M2−0.5458M+2.1588 ・・・(3)
X*=X/D ・・・(4)
X0 *=1.2434M2−0.5458M+2.1558 ・・・(5)
P0(X*=15)=(0.2512M2−1.0567M+1.4281)×P0(X*=0) ・・・(6)
X=X1/cosθ ・・・(7)
M={2/(γ−1)×[(P0(X*=0)/Patm)(γ-1)/γ−1]}1/2
・・・(8)
但し、C:係数、X*:無次元距離、X0 *:仮想原点、n:指数、P0(X*=15):無次元距離が15の位置でのガスの絶対圧力、Patm:大気圧、θ:ランスに設けられたノズルの鉛直下向きに対する吹きつけガスの噴出しノズル角度、D:ノズル出口径、X:ノズル出口からスラグ表面までの距離、M:マッハ速度、X1:ノズル出口からスラグ表面までの鉛直距離、P0(X*=0):ノズル1孔あたりのノズル出口における上吹きガス圧力、γ:吹きつけガスの比熱比である。
【0014】
本発明に係るスラグスプラッシュコーティング方法では、さらに
(a)溶融金属炉における溶解処理または精錬処理を複数回行う毎に一回の前記ガス吹きつけを行うことや、
(b)スラグの塩基度[CaO質量%/SiO2質量%]を3〜5に調整すると共に、該塩基度をxとした際に、スラグ中のMgO含有量が下記式(9)を満足する様に調整することや、
7≦MgO質量%≦−1.7x2+13.6x−17 ・・・(9)
(c)溶融金属炉から溶融金属を出湯後、スラグに冷却材を添加せずに操業すること、によって一層の効果を奏する。
【0015】
【発明の実施の形態】
最近では、精錬前の溶銑段階においてSiやPを除去する溶銑予備処理が普及しているので、精錬時にSiやPを除去する為のスラグ量を増加させる必要がない。つまり、溶銑予備処理を施した金属を転炉で吹錬するときは、脱炭と昇温が主体となるので、脱珪や脱リンの為のスラグは少量で充分なのである。さらに溶銑段階においてP濃度が製品規格範囲内であるときは、精錬時における脱リンのためのスラグは必要無く、排ガスへのダストロスを抑制する程度の少量のカバースラグで充分である。よって、この様に炉内に存在するスラグが少ない状態で効率良くスプラッシュコーティングするには、スラグに吹きつけるガスの圧力を高くするなどして、スラグを飛散させる必要がある。
【0016】
しかし、本発明者らが検討したところ、炉内における残留スラグ量が少ない状態でスラグにガスを強く吹きつけると、該ガスが炉底耐火物に直接当たって、炉底耐火物を損傷させるといった問題が生じることが分かった。すなわち、常温のガスが、高温状態(約1500℃)の炉底耐火物に直接当たると、炉底耐火物に大きな熱応力が発生し、熱スポーリングによる炉底耐火物の剥離現象が発生するのである。
【0017】
そこで、本発明者らがさらに鋭意検討した結果、溶融金属炉の炉内に存在するスラグに上方からガスを吹きつける際に、該ガスがスラグを吹き抜けない様にガスを吹きつけると上記問題が発生しないことが判明した。すなわち、スラグで覆われている炉底面が露出しない様にガスを吹きつけると、高温状態の炉底面に常温のガスは接触しないので、熱応力が発生せず、炉底面も保護することができるのである。
【0018】
この場合、炉底面を損傷させること無く効果的にスラグを飛散させて炉内耐火物をコーティングするには、スラグに吹きつけるガスの圧力とスラグの厚みとのバランスが重要である。この理由は、薄いスラグにガスを強く吹きつけると炉底の耐火物が損傷してしまうが、逆に吹きつけガスの圧力を小さくすると、炉底の耐火物は損傷しないが、スラグが充分に飛散せず、炉壁の耐火物を保護するという目的を達成することができないからである。
【0019】
そこで、本発明者らは、炉内に存在するスラグ量(スラグ厚み)とスラグにガスを吹きつける際に生じるスラグ凹み深さとの関係が、炉底耐火物の損傷に与える影響や炉壁へのスラグ付着性に与える影響を調べた。溶融金属炉には、240トン規模の上下吹き転炉を用い、窒素ガスでスラグスプラッシュコーティング実験を行った。
【0020】
炉内に存在するスラグ量(スラグ厚み)は、炉内に投入した副原料の量と、溶銑中のSi,Fe,Mn,Pが酸化されてスラグ成分となる量とを合わせた「合計スラグ量」と、「炉内形状」を考慮して計算した。
【0021】
ガスを吹きつけることによって生じるスラグの凹み深さは、スラグにガスを吹きつける前のスラグ水平表面レベルからの垂直方向距離Lとして求めた。そして、本発明では、吹きつけガスのスラグ面への衝突圧力[P]とスラグの密度[ρ]に基づいて、前記距離Lを下記式(1)で算出することができる。但し、式中gは重力加速度(9.8m/sec2)を示す。
L=P/(ρ・g) ・・・(1)
【0022】
そして、本発明者らは、ランスに設けられたノズルの鉛直下向きに対する吹きつけガスの噴出しノズル角度[θ]、ノズル出口径[D]、ノズル1孔あたりのノズル出口における上吹きガス圧力[P0(X*=0)]、ノズル出口からスラグ表面までの鉛直距離(ランス高さ)[X1]を種々変化させる実験を繰り返すことによって、前記ガスのスラグ面への衝突圧力[P]が下記式(2)で具体的に算出できることを見出した。
P=C(X*−X0 *)n×[P0(X*=15)−Patm]×cosθ ・・・(2)
【0023】
ここで、Cは下記式(3)で算出される係数であり、X*は下記式(4)で算出される無次元距離、X0 *は下記式(5)で算出される仮想原点、nは実験によって得られた指数であり上記式(2)では−2である。また、P0(X*=15)は下記式(6)で算出される無次元距離が15の位置でのガスの絶対圧力、Patmは大気圧(1.01325×105Pa)を意味する。
【0024】
尚、上記ではガスのスラグ面への衝突圧力を、1つの孔(ガス排出口)からガスが排出されている場合を想定して計算しているけれども、ランスが複数の孔を有していても、各孔から排出されるガスジェット間の相互作用は小さく、ガスのスラグ面への衝突圧力Pの値は殆ど変わらないことを確認している。また、上記X*=15の位置では、ガス吹き出し口から噴出されるガスが、亜音速になっていることを意味している。
C=−26.344M2−0.5458M+2.1588 ・・・(3)
X*=X/D ・・・(4)
X0 *=1.2434M2−0.5458M+2.1558 ・・・(5)
P0(X*=15)=(0.2512M2−1.0567M+1.4281)×P0(X*=0) ・・・(6)
また、上記式中のX(ノズル出口からスラグ表面までの距離)とM(マッハ速度)は、夫々次式で示される。
X=X1/cosθ ・・・(7)
M={2/(γ−1)×[(P0(X*=0)/Patm)(γ-1)/γ−1]}1/2
・・・(8)
【0025】
ここで、γは吹きつけガスの比熱比(窒素ガスの場合は1.405)である。尚、実操業では次に示す範囲が一般的である:ρ=約2500〜3000kg/m3、X1=約1〜4m、D=約0.02〜0.07m。また、比熱比とは定圧比熱と定積比熱の比である。
【0026】
スプラッシュコーティング後における炉底の損傷度合いは、目視で観察した場合に、炉底が黒く且つ炉底の凹みが認められた場合を「損傷あり」とし、炉底の変色や凹みが認められない場合を「損傷なし」とした。
【0027】
スプラッシュコーティング後における炉壁へのスラグ付着性は、目視で観察した場合に、炉壁耐火物の目地が完全に見えなくなる状態までスラグが付着している状態を「スラグ付着」とし、炉壁耐火物の目地の一部もしくは全部が見える状態を「スラグ付着せず」とした。
【0028】
実験結果を図1に示す。図1から明らかな様に、計算で求めたスラグ厚みよりもスラグ凹み深さ[L]が大きいときは、炉底耐火物の損傷が認められた。一方、計算で求めたスラグ厚みよりもスラグ凹み深さ[L]が小さいときは、炉底耐火物の損傷が認められないが、スラグ凹み深さが100mm未満であると、スラグが炉壁に充分付着していないことが分かる。すなわち、スラグにガスを吹きつけることによって生じるスラグ凹み深さが100mm未満では、スラグ表面におけるガスの衝撃圧力が小さいので、スラグが充分に飛散せず、炉壁耐火物に付着しない。よって、炉壁耐火物をコーティングできないのである。
【0029】
そして、本発明者らがさらに検討した結果、炉の容量が70トン以上の溶融金属炉の場合では、スラグ表面にガスを吹きつける際に形成されるスラグの凹みの深さが、ガスを吹きつける前のスラグ水平表面レベルからの垂直方向距離Lが100mm以上となる様にガスを吹きつけると、炉底面耐火物を損傷させること無く炉壁面も効率良く保護できることを知った。
【0030】
尚、ガスを吹きつける前のスラグ水平表面レベルとは、溶融金属炉から溶融金属を出湯した後におけるスラグ表面の静止位置を意味し、前記Lはこの位置から垂直下向きに降ろした場合のスラグ凹みの最下点までの距離である。この距離Lが100mm以上となる様にガスをスラグに吹きつけると、炉内壁を充分にコーティングできる程度の量のスラグが、飛散している状態となる。
【0031】
本発明において、スラグにガスを吹きつける手段は、スラグ表面よりも上方からガスを吹きつけることができる手段であれば特に限定されず、スプラッシュコーティング用のガス供給設備を設けても良いし、吹錬の際に用いるランスを用いても良い。
【0032】
炉底を保護しつつ効果的にスプラッシュコーティングを行って炉壁も保護する為には、溶融金属炉内に充分な量のスラグが存在していることが好ましいが、上述した様に、溶銑予備処理の普及に伴って、転炉吹錬時におけるスラグ量が大幅に減少することとなった。よって、1回の溶解や精錬で生じたスラグ量では、充分なスラグ厚みを確保できず、効果的なスラグスプラッシュコーティングを施すことができないときがあった。従って、溶融金属炉内に存在するスラグ量が所期の量より少ない場合は、スラグを増量させておく必要があるが、スラグスプラッシュコーティングを施す為だけにスラグ量を多くすることは、コストの面から有効な手段とは言えない。そこで、本発明では、溶融金属炉における溶解処理または精錬処理を複数回行う毎に1回のスラグスプラッシュコーティングを行えば良い。
【0033】
つまり、炉内のスラグ量が少ないときは、スラグスプラッシュコーティングを行わず、溶融金属炉における溶解処理または精錬処理で発生するスラグの全量または一部を炉内に残留させた状態で、次の溶解処理または精錬処理を行い、これを複数回繰り返すことによってスラグ表面から測定したスラグの厚みを100mm超とするのである。
【0034】
尚、本発明において、「複数回行う毎に」とは、溶解処理または精錬処理を一定の回数行ったあと、スラグスプラシュコーティングすることのみを指すのではなく、溶解処理または精錬処理後の炉内に存在するスラグ量を考慮しつつ不定期にスラグスプラッシュコーティングすることも指す。また、炉内に存在している溶融スラグに溶銑を装入すると、該スラグと溶銑が急激に反応するときがあるので、炉内のスラグ量が少ないときであってもスラグの一部を炉外へ排出する場合がある。
【0035】
本発明者らがスラグスプラッシュコーティングを行った際の炉壁へのスラグ付着性について検討した結果、スラグ付着性はスラグの組成に大きく影響を受けることが分かった。つまり、スプラッシュコーティングするときにおけるスラグの組成が異なると、スラグの粘性も変化し、これによってスラグの飛散状態が変わるのである。そして、スラグ組成の中でも、スラグ中に存在するFeOがスラグの粘性に大きく影響を与えていることが分かった。よって、スラグの付着性を向上させるには、スラグ中に存在するFeO濃度を調整すれば良いのである。しかしながら、スラグ中のFeOは、溶鋼に精錬用酸素ガスを吹きつけた際に、溶鋼の一部が酸化されてFeOが生成し、このFeOがスラグに移行することによって生じるものであるから、スラグ中のFeO濃度を調整することは非常に困難である。そこで、本発明者らは、FeO以外のスラグ成分を調整することによってスラグの付着性を向上させることを検討した。
【0036】
FeO以外のスラグ成分としては、CaOやSiO2、MgO等が挙げられる。CaOは脱硫や脱リンの為に添加され、SiO2はCaOの反応性を高めると共に、CaOを溶かす為に添加される。また、MgOはMgO質耐火物のスラグによる溶損を抑制する目的で添加される。尚、CaOおよびSiO2は、塩基度[CaO質量%/SiO2質量%]を用いて物性を評価する。
【0037】
図2は、スラグの塩基度およびスラグ中のMgO含有量が、スプラッシュコーティングを施した際の炉壁へのスラグ付着性に与える影響を示した図である。ここで、スラグ付着性の評価基準は次の通りである。
<スラグ付着性>
●:スラグの付着性良好
▲:スラグが炉壁に付着した後、流れ落ちた
×:スラグが充分に飛散しなかった
【0038】
図2から明らかな様に、スラグの塩基度[CaO質量%/SiO2質量%]が3〜5の範囲で、且つ、該塩基度をxとした際に、スラグ中のMgO含有量が下記式(9)を満足する様に調整したスラグにガスを吹きつけると、炉壁へのスラグ付着性が良好であることが分かった。
7≦MgO質量%≦−1.7x2+13.6x−17 …(9)
【0039】
すなわち、精錬温度は一般に約1600〜1700℃であるので、塩基度が4を超えると、CaOがスラグ中におけるCaOの飽和溶解度を超えて、スラグ中にCaOが懸濁した状態となり、スラグの粘性が高くなる。そして、塩基度が4.5を超えると、スラグの反応性が低下して脱リンや脱硫能が若干低下する。さらに、塩基度が5を超えると、スラグの粘度が高くなりすぎてスラグが充分に飛散しない。よって、本発明では、塩基度を5以下、より好ましくは4.5以下に調整することが推奨される。一方、塩基度が3より小さいと、スラグの粘性が低いのでスプラッシュコーティングを行っても、炉壁耐火物にスラグが付着し難く、さらに、精錬時におけるスラグの脱リン能や脱硫能が低い。よって、塩基度を3以上、より好ましくは3.5以上とするのが良い。
【0040】
また、本発明では、スラグの塩基度を上記範囲に調整すると共に、スラグ中の塩基度をxとした際のスラグ中におけるMgO含量が上記式(9)を満足するように調整することが推奨される。MgO含量が7質量%未満であると、スラグの粘度が小さく、スラグが炉壁に殆ど付着せずに流れ落ちるからである。よって、本発明では、MgO含有量の下限を7質量%とするのが良い。
【0041】
但し、一般的に精錬は約1600〜1700℃で行われるが、このときのMgOの飽和溶解度は8質量%程度であるので、スラグ中のMgO含量が8質量%未満であると、スラグによる耐火物の溶損が生じてしまうときがある。従って、MgO含量の下限をより好ましくは8質量%とするのが良い。
【0042】
一方、実験結果から明らかな様に、スラグ中のMgO含有量が上記式(9)の右辺を超えると、スラグの粘度が上昇し過ぎるので、ガスによってスラグが飛散せず炉壁を保護することが困難となる。よって、本発明では、MgO含有量を上記式(9)を満足する様に調整することが推奨される。
【0043】
本発明では、上記の範囲にスラグ成分組成を調整することが好ましいが、スラグ組成を調整するタイミングは、金属溶解時や精錬時に終えていることが好ましい。つまり、溶融金属炉において溶解処理または精錬処理をした溶融金属を出湯した後にCaOやMgOなどを添加してスラグ組成を調整すると、該CaOやMgOは高融点化合物であるので、溶融したスラグへは溶解せず、固体状態でスラグに分散することとなる。よって、スラグ中のCaOやMgOの濃度にバラツキが生じて、CaOやMgO濃度の低い低融点スラグと、CaOやMgO濃度の高い高融点スラグが混在した状態となる。しかし、この低融点スラグが炉壁耐火物に付着したとしても、次の金属精錬や溶解の際にスラグが流れ落ちてしまい、耐用性に劣るのである。また、スプラッシュコーティングを行う直前のスラグにCaOやMgO、ドロマイト(カルシウム、マグネシウム炭酸塩)などの物質を添加すると、該物質は冷却材として作用してスラグ温度を低下させる原因となり、スラグの粘性が増加してしまうのである。
【0044】
本発明において、溶融金属炉とは特に限定されないが、転炉や溶融還元炉、スクラップ溶解炉などの金属精錬炉や、金属溶解炉などが例示できる。
【0045】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0046】
【実施例】
実施例1
<本発明例1>
予め脱硅および脱リン処理した溶銑予備処理銑を、240トン転炉で吹錬した。この際のスラグの塩基度は3.9、スラグ中のMgO含量は9.3質量%、スラグ量は7.5トン(スラグ厚みは150mm)に調整した。吹錬終了後、炉内の溶鋼を取鍋へ出鋼し、スラグを全量残した状態でスラグスプラッシュコーティングを行った。スラグスプラッシュコーティングは、上吹きランスから窒素ガスを供給して、上記式(1)で算出されるスラグの凹み深さLが130mmとなる様にランス高さと窒素ガス流量を調整して3分間行った。この結果、スプラッシュコーティング後の炉内を観察すると、転炉の直胴部の炉壁全面にスラグが付着していた。
【0047】
続いて、炉壁にスラグが付着している状態で吹錬を行った。吹錬後に炉壁を観察すると、炉壁全面積の約30%の範囲にスラグが残っていた。
【0048】
<本発明例2>
溶銑予備処理を施していない溶銑を、240トン転炉で吹錬した。この際のスラグの塩基度は3.6、スラグ中のMgO含量は8.5質量%、スラグ量は21.9トン(スラグ厚みは450mm)に調整した。吹錬終了後、炉内の溶鋼を取鍋へ出鋼し、スラグを全量残した状態でスラグスプラッシュコーティングを行った。スラグスプラッシュコーティングは、上吹きランスから窒素ガスを供給して、上記式(1)で算出されるスラグの凹み深さLが350mmとなる様にランス高さと窒素ガス流量を調整して3分間行った。この結果、スプラッシュコーティング後炉内を観察すると、転炉の直胴部の炉壁全面に多量のスラグが付着していることが観察された。
【0049】
続いて、炉壁にスラグが付着している状態で吹錬を行った。吹錬後に炉壁を観察すると、炉壁全面積の約80%の範囲にスラグが残っていた。
【0050】
<比較例>
予め脱硅および脱リン処理した溶銑予備処理銑を、240トン転炉で吹錬した。この際のスラグの塩基度は3.9、スラグ中のMgO含量は9.2質量%、スラグ量は6.0トン(スラグ厚みは120mm)に調整した。吹錬終了後、炉内の溶鋼を取鍋へ出鋼し、スラグを全量残した状態でスラグスプラッシュコーティングを行った。スラグスプラッシュコーティングは、上吹きランスから窒素ガスを供給して、上記式(1)で算出されるスラグの凹み深さLが150mmとなる様にランス高さと窒素ガス流量を調整して3分間行った。
【0051】
この結果、スプラッシュコーティング後炉内を観察すると、転炉の直胴部の炉壁全面にスラグが付着していることが観察されたが、炉底耐火物の中央部に直径約1mの黒い凹みが観察された。
【0052】
<参考例>
予め脱硅および脱リン処理した溶銑予備処理銑を、240トン転炉で吹錬した。この際のスラグの塩基度は3.3、スラグ中のMgO含量は7.5質量%、スラグ量は9.5トン(スラグ厚みは190mm)に調整した。吹錬終了後、炉内の溶鋼を取鍋へ出鋼し、スラグを全量残した状態でスラグスプラッシュコーティングを行った。スラグスプラッシュコーティングは、上吹きランスから窒素ガスを供給して、上記式(1)で算出されるスラグの凹み深さLが150mmとなる様にランス高さと窒素ガス流量を調整して3分間行った。
【0053】
この結果、スプラッシュコーティング後炉内を観察すると、転炉の直胴部の炉壁全面に亘ってスラグが流れ落ちた跡が観察され、非常に薄い液状スラグが付着していた。尚、炉底耐火物には、凹みが観察されなかった。
【0054】
実施例2
240トン転炉を用いて溶融金属の吹錬を行った後の残留スラグに窒素ガスを吹きつけてスラグスプラッシュコーティングを行う際に、スラグの成分組成を調整する時期がスラグの耐用性に及ぼす影響を調べた。
【0055】
<比較例>
溶融金属を出湯した後の残留スラグに対して軽焼ドロマイトを約1〜2トン添加し、スラグの塩基度が3.5〜4.5、スラグ中のMgO含量が8.5〜9.5質量%となるように調整した。成分調整後のスラグに、上記式(1)で算出されるスラグ凹み深さLが100mm以上となる様にランスから窒素ガスを吹きつけてスラグスプラッシュコーティングを行った。このときスラグスプラッシュコーティングの前と後でレーザー距離計を用いて転炉内の耐火物表面あるいは付着スラグ表面の形状(プロフィール)を測定し、耐火物に付着したスラグの厚みを算出した。スラグ厚み算出後、吹錬を一度行ってから再びスラグのプロフィールを測定して炉壁に残ったスラグの厚みを算出した。その結果を図3に○で示す。
【0056】
図3から明らかな様に、スラグ凹み深さが100mm以上となる様に窒素ガスを吹きつけているので、炉壁耐火物にはスラグが付着しているけれども、吹錬を一度行うと殆どのスラグが流れ落ちていることが分かる。つまり、スプラッシュコーティングの直前にスラグの組成を調整しているので、スラグ中のCaOやMgO含量にバラツキが生じて、低融点スラグとなったのである。よって、この低融点スラグが吹錬中に溶けて流れ落ちたのである。
【0057】
<本発明例>
吹錬中に軽焼ドロマイトをスラグに対して約1〜2トン添加し、スラグの塩基度が3.5〜4.5、スラグ中のMgO含量が8.5〜9.5質量%となるように調整した。スラグ成分を調製後に溶融金属を出湯し、残留したスラグにスラグ凹み深さが100mm以上となる様に窒素ガスを吹きつけてスラグスプラッシュコーティングを行った。このときスラグスプラッシュコーティングの前と後でレーザー距離計を用いて転炉内の耐火物あるいは付着スラグのプロフィールを測定し、耐火物に付着したスラグの厚みを算出した。スラグ厚み算出後、吹錬を一度行ってから再びスラグのプロフィールを測定して、炉壁に残ったスラグの厚みを算出した。図3に結果を●で示す。
【0058】
図3から明らかな様に、吹錬中に組成を調整したスラグを用いてスプラッシュコーティングすると、吹錬を行っても流れ落ちるスラグの量が少なく耐用性が高くなっていることが分かる。つまり、吹錬中に軽焼ドロマイトを添加しているので、MgOやCaOがスラグに溶解して、高融点のスラグになっていることが分かる。
【0059】
【発明の効果】
上記のような構成を採用すると、炉底の耐火物を損傷することなく効果的にスラグを飛散して炉内耐火物をコーティングすることのできるスラグスプラッシュコーティング方法を提供することができる。
【0060】
また、本発明では、スラグスプラッシュコーティングを行った際の炉壁へのスラグ付着性を向上させると共に、付着したスラグの耐用性も向上させることのできるスラグスプラッシュコーティング方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スラグ凹み深さとスラグ付着性の関係を示す模式図である。
【図2】 スラグ組成とスラグ付着性との関係を示す模式図である。
【図3】 スラグ組成の調製時期がスラグの耐用性に及ぼす影響を示す模式図である。
Claims (3)
- 溶融金属炉から溶融金属を出湯後、炉内に存在するスラグに、上方からガスを吹きつけることによって前記スラグを飛散させて炉内耐火物の表面をスラグでコーティングする方法において、
(A)前記溶融金属炉は、容量が240トン規模の上下吹き転炉であり、
(B1)窒素ガスを吹きつける前のスラグの厚みは、スラグ水平表面レベルからの垂直方向距離で100mm超〜600mmであり、
(B2)前記ガスとして窒素ガスを用い、スラグを吹き抜けない様に窒素ガスを吹きつけると共に、
(B3)スラグ表面に窒素ガスを吹きつける際に形成されるスラグの凹みを、窒素ガスを吹きつける前のスラグ水平表面レベルからの垂直方向距離Lで表したとき、前記Lは、100mm以上であって、且つ、窒素ガスを吹きつける前の前記スラグの厚みよりも小さくなる様にランス高さと窒素ガス流量を調整し、
(B4)ここで、前記垂直方向距離Lで表されるスラグの凹みは、吹きつけガスのスラグ面への衝突圧力Pとスラグの密度ρに基づいて下記式(1)で算出され、
L=P/(ρ・g) ・・・(1)
上記式(1)中、
g:重力加速度(9.8m/sec 2 )、
ρ:スラグの密度(2500〜3000kg/m 3 )、
P:下記式(2)で算出される衝突圧力であり、
上記式(2)中、
C:下記式(3)で表される係数、
X * :下記式(4)で表される無次元距離、
X 0 * :下記式(5)で表される仮想原点、
n:指数(−2)、
P 0 (X * =15):下記式(6)で表される、無次元距離X * =15の位置でのガス
の絶対圧力(Pa)、
P atm :大気圧(1.01325×10 5 Pa)、
θ:ランスに設けられたノズルの鉛直下向きに対する吹きつけガスの噴出しノズル
角度であり、
上記式(3)中、
M:下記式(8)で表されるマッハ速度であり、
上記式(4)中、
X:下記式(7)で表される、ノズル出口からスラグ表面までの距離、
D:ノズル出口径(0.02〜0.07m)であり、
上記式(7)中、
X 1 :ノズル出口からスラグ表面までの鉛直距離(1〜4m)であり、
上記式(8)中、
γ:吹きつけガスの比熱比(1.405)、
P 0 (X * =0):ノズル1孔あたりのノズル出口における上吹きガス圧力(Pa
)であり、
(C)溶融金属出湯前の溶融金属炉内に存在するスラグについて、前記スラグの塩基度[CaO質量%/SiO2質量%]を3〜5に調整すると共に、該塩基度をxとした際に、スラグ中のMgO含有量(MgO質量%)が下記式(9)を満足する様に調整する
ことを特徴とするスラグスプラッシュコーティング方法。
8≦MgO質量%≦−1.7x2+13.6x−17 ・・・(9) - 溶融金属炉における溶解処理または精錬処理を複数回行う毎に一回の前記ガス吹きつけを行う請求項1に記載のスラグスプラッシュコーティング方法。
- 溶融金属炉から溶融金属を出湯後、スラグに冷却材を添加せずに操業する請求項1または2に記載のスラグスプラッシュコーティング方法。
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