JP2004277797A - 転炉内壁付着物厚みの制御方法 - Google Patents

転炉内壁付着物厚みの制御方法 Download PDF

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英樹 横山
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Abstract

【課題】本発明は、酸素ガスによる溶断を行わず、且つ生産性を阻害せずに、炉壁へ付着する地金、スラグ等の量を調整可能な転炉内壁付着物量の制御方法を提供することを目的としている。
【解決手段】転炉を用いて酸素吹錬で溶鋼を溶製するに際して、1チャージ又は数チャージの溶製が終了する毎に転炉内壁付着物厚みを測定し、その測定値と予め定めた目標値との差(ΔY)に応じ、次回チャージの溶製時に炉内で生成されるスラグ成分(X)を下記基準に従い調整する。ΔYが−100mmより薄い場合:X>8.0、ΔYが−100mmと+100mmの間にある場合:1.5≦X≦8.0、ΔYが+100mmより厚い場合:X<1.5。ここで、(%CaO):炉内生成スラグのCaO含有率(質量%)、(%SiO):SiO含有率(質量%)、(%Al):Al含有率(質量%)。X:スラグ組成(%CaO)/{(%SiO)×(%Al)}、ΔY:付着物厚さの測定値(mm)−付着物厚さの目標値(mm)である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、転炉内壁付着物厚みの制御方法に係わり、特に製鋼用転炉の直胴部及炉口の内壁に付着する地金やスラグの量を操業中に調整し、一定の炉内容積を常時確保する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶銑等の製鋼用原料を装入し、酸素吹錬により脱炭等を行い溶鋼とする転炉では、図3(a)に示すように、酸素吹錬中に溶鋼1のスプラッシュ等で、その直胴部2から炉口3に至るまでの内壁(耐火物8)に地金4が付着する。また、出鋼に際しての転炉5の傾動時には、図3(b)に示すように、スラグ6等の付着も生じる。このような地金4及びスラグ6の付着は、1回の操業(1ヒートとか、1チャージと称する)では少ない量であっても、チャージを重ねる毎に増量し、炉内容積を小さくする。その結果、転炉の処理能力を小さくしたり、あるいは出鋼、排滓の作業をやり難くするため、生産性の低減を引き起こす。そのため、従来より、数チャージ(例えば、5〜10チャージ)に一度の割合で、付着物を除去する必要があった。
【0003】
そのような付着物の除去には、
(1)非操業中に酸素ジェットで付着物を直接溶断する方法、
(2)スクラップシュート等を付着物に接触させて、付着物を掻き取る方法、
(3)別途設けた上吹きランスを介して付着物に酸素ガスを吹き付けて溶断する方法等、多種の方法が用いられる。例えば、上吹きランスを利用する方法としては、底吹き転炉に上吹きランスを挿入し、吹錬操業中に該上吹きランスを旋回、若しくは回転させつつ昇降し、直胴部の内壁から炉口までに酸素ガスを吹き付け、地金を溶解する技術が提案されている(特許文献1参照)。また、溶銑の脱炭時に発生するCOガスを、転炉のフリーボ−ド(浴面上の空間)内で上吹きランスから噴出させた酸素ガスで二次燃焼(CO+1/2 O→CO)させ、その燃焼熱で地金を溶解する技術もある(特許文献2参照)。
【0004】
ところが、前記酸素ジェットで直接付着地金を切断したり、スクラップシュート等を地金に接触させ除去する、上吹きランスの先端にアタッチメントを設置し、酸素ジェットの噴出方向を変更し、地金に直接吹付けて溶解する方法は、非操業中に行われるため、生産時間のロスになり、生産性の低減が免れない。また、操業待ちの空き時問が増えるので、転炉からの放熱ロスが増加する等のデメリットもある。さらに、直接酸素ジェットを吹き付ける方法では、過度に吹き過ぎると、付着物のみならず転炉の内張り耐火物をも溶損させる危険性がある。
【0005】
一方、吹錬中の上吹きランスを利用する特許文献1記載の技術や、吹錬中に発生したCOガスの二次燃焼熱で地金を溶解する特許文献2記載の技術では、操業中に地金を低減させることが可能であり、生産時間のロスはない。しかしながら、上吹ランスから転炉内に供給する酸素ガスを地金溶断や二次燃焼に用いるので、本来の脱炭精錬等に用いる酸素供給速度が低下し、精錬時間を長くする。また、付着物は金属だけではなくスラグも混在しており、場合によっては高融点スラグであることも多い。そのような場合には、二次燃焼熱を利用して雰囲気温度を上昇させる技術での付着物溶解は困難であるし、直接酸素ガスを吹き付ける技術でも長時間を要する。
【0006】
以上述べたように、従来の付着物除去技術は、いずれも生産性を阻害する要因になるばかりでなく、その実施タイミングが限定されるので、生産性を阻害しない付着物厚みの低減技術の出現が望まれていた。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−320732号公報
【特許文献2】
実開平1−110246号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑み、酸素ガスによる溶断を行わず、且つ生産性を阻害せずに、炉壁へ付着する地金、スラグ等の量を調整可能な転炉内壁付着物厚みの制御方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ね、その成果を本発明に具現化した。
【0010】
すなわち、本発明は、転炉を用いて酸素吹錬で溶鋼を溶製するに際して、1チャージ又は数チャージの溶製が終了する毎に転炉内壁付着物厚みを測定し、その測定値と目標値との差(ΔY)に応じ、次回チャージの溶製時に炉内で生成されるスラグ成分(X)を下記基準に従い調整することを特徴とする転炉内壁付着物厚みの制御方法である。
【0011】
1)ΔYが−100mmより小さい場合:
X>8.0
2)ΔYが−100mmと+100mmとの間にある場合:
1.5≦X≦8.0
3)ΔYが+100mmより大きい場合:
X<1.5
ここで、
(%CaO):炉内生成スラグのCaO含有率(質量%)
(%SiO):炉内生成スラグのSiO含有率(質量%)
(%Al):炉内生成スラグのAl含有率(質量%)
X:スラグ組成指標(%CaO)/{(%SiO)×(%Al)}
ΔY:付着物厚さの測定値(mm)−付着物厚さの目標値(mm)
この場合、前記目標値を200mmとするのが良い。また、前記スラグ成分の調整を、溶鋼への造滓材の投入で行うことが好ましく、あるいは前記造滓材のうちのアルミナ源に、連続鋳造スラグを利用するのが良い。さらに、本発明では、前記転炉内壁付着物厚みの測定を、レーザー距離計で行うのが良い。
【0012】
本発明では、転炉を用いて酸素吹錬で溶鋼を溶製するに際して、1チャージ又は数チャージの溶製が終了する毎に転炉内壁付着物厚みを実測し、測定値と予め定めた目標値との差(ΔY)に閾値を設けて、現状をΔYが−100mmより小さい場合、ΔYが−100mmと+100mmより大きい場合の3つの領域に分けて把握し、それぞれの領域にある場合に応じて、次回チャージの溶製において生じるスラグの組成を適切なものに変更するようにしたので、酸素ガスを利用しなくても付着物厚みを所望する程度に抑制できるようになる。その結果、炉内容積は常に一定の大きさを確保でき、転炉を用いた溶鋼の溶製での生産性が従来より高まった。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、発明をなすに至った経緯をまじえ、本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
まず、発明者は、溶鋼の溶製を多数チャージ行った転炉の炉体を補修する作業(炉修ともいう)時に、該転炉の直胴部〜炉口部(図3参照)の内壁に付着している付着物(以下、転炉内壁付着物という)をサンプリングし、詳細な観察を行った。その結果、転炉内壁付着物は、スラグと鉄が炉壁面から層状に重なっているものであることが分かった。つまり、鉄とスラグは付着時期が異なると共に、各チャージ毎に付着が起きているのである。
【0015】
その付着物を形成している鉄の部分は、炭素含有率が1〜3質量%と高い。溶鋼の酸素吹錬による溶製では、一般に、溶銑を主体とした原材料である精錬前溶鉄の炭素含有率が4質量%で、精錬終了後の溶鋼の炭素含有率が0.05質量%程度のことが多いので、精錬途中の初期から中期の間に溶鉄がスピッティング(浴面から上方空間へ飛び散る現象)して内壁又は既に付着している付着スラグの表面に付着したものと推測される。一方、付着物を形成しているスラグの部分は、精錬終了時に溶鋼上に存在するスラグの成分とほぼ同等であったので、転炉から溶鋼を出鋼する際の傾動時に、直胴部や炉口の内壁又は既に付着している付着鉄の表面に付着したものと推定される。
【0016】
このように、炉内付着物には、鉄だけでなくスラグも含まれていることから、発明者は、スラグが付着に少なからず影響を及ぼしていると考えた。このスラグの性状を左右する因子としては、塩基度(=(CaO)/(SiO))、アルミナ(Al)含有量等のスラグ組成が挙げられる。そこで、スラグ組成と炉内付着物量との相関を得るため、種々のスラグ組成と炉内付着物厚さとの関係を調査した。その際、炉内付着物厚さの測定手段は、接触方式、非接触方式の種々の測定手段があるが、今までの実績から精度が高いレーザー式距離計を用いることにした。また、この測定は、ほぼ類似した鋼種を溶製する時期に、10チャージの溶製が終了する毎に行い、得られた値は、当該10チャージのスラグ組成を代表する指標の平均値に対応させて整理することにした。
【0017】
その結果、図1に示すように、下記に定義する直胴部から炉口にかけての炉内付着物厚さの変化量を縦軸に、スラグ組成のある指標Xを横軸にして整理した場合が、付着物厚みの制御に利用し易い関係になっていることを見出した。なぜならば、通常の転炉での酸素吹錬では、脱燐等の冶金反応の観点からスラグの塩基度(=(CaO)/(SiO))を大きく変動させることはできないが、下記スラグ組成の指標Xは、アルミナ含有率(Al)の変更を主体にして調整できるからである。つまり、スラグのアルミナ含有率を低くしてスラグ組成の指標Xを高くすると、付着物厚さは増加し(図1では、プラス方向)、アルミナ含有率を低くして指標Xを高くすると、付着物厚みは低減する(図1では、マイナス方向)。
【0018】
X=(%CaO)/{(%SiO)×(%Al)}
ここで、(%CaO):炉内生成スラグのCaO含有率(質量%)
(%SiO):炉内生成スラグのSiO含有率(質量%)
(%Al):炉内生成スラグ中のAl含有率(質量%)
これは、アルミナ含有率が高くなるとスラグの融点は低下し、見かけの粘性も低下するので、出鋼に際しての転炉傾動時(傾動角度は、鉛直方向から80〜110゜)に酸素吹錬中に生成されたスラグが炉内壁に触れても、出鋼完了後、転炉を鉛直方向に起こした時(傾動角度は0゜近傍)にそのスラグのほとんどが転炉の炉底に流れ落ち、炉内壁に残存して、付着しないからである。また、万が一、炉内壁に残存して付着ても、スラグの融点が比較的低いため、次チャージの酸素吹錬で炉内雰囲気温度が上昇する際に、付着物は溶解するためでもある。一方、アルミナ含有率が低いと、前記スラグは炉内壁に付着し易くなり、融点も高いので、溶解も難しくなる。そして、酸素吹錬中に前記スピッティング等で付着した鉄分の上層に、このような難溶解のスラグが付着、コーティングすると、融点が比較的低い(1500〜1535℃程度)付着した鉄も溶解し難くなり、付着物の成長を助長させる傾向がある。なお、炉内付着物厚さの変化量は、前記したレーザー距離計で測定した付着物厚さの測定値(mm)と付着物厚さの目標値(mm)との差(記号:ΔY)で定義している。
【0019】
そこで、発明者は、この知見を付着物厚み制御に利用すべく、さらなる研究を重ねた。そして、前記スラグ組成の指標X及び付着物厚さの測定値と目標値との差ΔYに閾値を設け、現状の付着物厚さを薄過ぎ、適正、厚過ぎの3つの領域に分けて把握し、それぞれの領域にある場合に応じて、次回チャージの溶製において生じるスラグ組成の指標を適切な値に変更するようにして本発明を完成させたのである。
【0020】
具体的なΔYの閾値とXの値は、下記の通りである。
【0021】
1)ΔYが−100mmより小さい場合:
X>8.0
2)ΔYが−100mmと+100mmとの間にある場合:
1.5≦X≦8.0
3)ΔYが+100mmより大きい場合:
X<1.5
Xの値を上記のように限定したのは、次の理由による
1)ΔYが−100mmより小さい場合は、付着物厚みが目標値の200mmより100mm以上薄いので、X>8.0として付着物厚みの増加を図る。この場合、付着物厚さの目標値は、使用転炉の炉容積280m、溶製した鋼種が低炭素鋼、極低炭素鋼であることを配慮し、炉壁面に厚さ200mmで付着物が付いている状態とした。厚さ200mm程度の付着物が付着していても、操業にマイナスの影響がなく、炉壁保護の観点ではむしろ好ましいからである。
【0022】
2)ΔYが−100mmと+100mmとの間にある場合は,付着物厚みが目標値200mmの±100mm以内にあるので、1.5≦X≦8.0として付着物厚みの現状維持を図る。1.5未満では付着物厚みが低減し、8.0超えでは付着物厚みが増加するため付着物厚みが目標範囲を外れ不都合である。
【0023】
3)ΔYが+100mmより大きい場合は、付着物厚みが目標値の200mmより100mm以上厚いので、X<1.5として付着物厚みの低減を図る。1.5超えると、付着物厚みが目標値よりも厚いままで維持される若しくはさらに付着物厚みが増加し、不都合だからである。
【0024】
以上述べたように、本発明は、酸素吹錬中に生じるスラグ中のアルミナ含有率を調整することで、炉内壁付着物の量を制御するものである。図1より、アルミナ含有量が1〜3質量%程度では、炉内壁付着物厚さの変化量は小さく、その厚さをほぼ維持でき、付着物を低減したい場合には3質量%以上とし、付着物厚さを増加させたい場合には1質量%以下になるようにアルミナ含有量を調整すれば良いのである。
【0025】
具体的なスラグ成分の調整方法としては、金属や合金鉄の投入も考えられるが、経済的な見地より従来から行っている石灰石、珪砂、アルミナ含有物質等の造滓材を、酸素吹錬中に炉内へ投入することで行われる。その際、アルミナ源として、本発明では、溶鋼の連続鋳造に際してタンディッシュに移行せず、取鍋内に残留したスラグである所謂「連続鋳造スラグ」を活用することにした。該「連続鋳造スラグ」は、特にアルミキルド鋼を溶製する場合には、アルミナが10〜30質量%も含有したものになっているからである。そのような連続鋳造スラグは、高アルミナであるため、精錬工程へのリサイクル使用が困難であり、操業コストアップの原因となっていたが、本発明では、それをアルミナ含有量調整用のアルミナ源として活用することにしたのである。
【0026】
【実施例】
装入量260ton/チャージの底吹き転炉(二次燃焼用に上吹ランスを付帯している)を用い、溶鋼の溶製を多数チャージ行った。溶製した溶鋼の鋼種は、低炭素鋼、極低炭素鋼であり、溶製終了時の溶鋼温度は1610〜1640℃である。
【0027】
最初は、従来通り付着物溶解の吹錬中に上吹きランスを介して酸素を10m(標準状態)/tonで噴射し、ランスには一次燃焼を主目的としているためソフトブローのランス・チップを使用しての操業を行い、転炉直胴部から炉口までの内壁付着物厚みが500mmに到達した以降の150チャージ分について、該内壁付着物厚みの変化状況を図2(a)に示す。この操業は、全チャージにわたって、スラグ中のアルミナ含有量を調整することなく操業を行ったものである。その結果、アルミナ含有量は、前記指標Xの値で3〜12の範囲で変化していたが、内壁付着物厚さは生成したスラグの性状により増加する時期及び減少する時期が見られ、変動が大きい。
【0028】
それに対して、同様に炉内壁付着物厚さが約500mmの状態から、本発明に係る炉内壁付着物厚みの制御方法を適用した。本発明では、炉内壁付着物厚さの調整は、スラグ成分のコントロールで実施するため、上吹きランスにはハードブロー用のランス・チップを取りつけ、ランス高さも従来よりも2m下方で吹錬中に送酸素することで、溶鋼精錬に寄与する酸素量を増加させた(上吹きランスからの酸素量は、10m(標準状態)/tonで)。図2(a)に炉内付着物厚さ、図2(b)にスラグ組成指標Xの推移を示す。炉内付着物厚みが、徐々に目標値200mmに近づき、最終的には目標値に完全に制御されるようになった。なお、この本発明の実施では、炉内壁付着物の測定を連続5チャージの操業が終わった毎に行い、該測定値に基づきΔYを計算し、次回チャージでスラグ組成の指標Xを調整した。
【0029】
また、図4に上述の従来例と本発明での転炉吹錬時間の比較を示す。図4より明らかなように、従来例では、二次燃焼用(非吹錬用)に用いていた上吹きランスからの酸素を、本発明では吹錬用に転用でき、吹錬時間の短縮が実現できた。
【0030】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明により、酸素ガスを利用しなくても付着物厚みを所望する程度に抑制できるようになる。つまり、非操業中での付着物除去作業や操業中の上吹ランスからの酸素ガス吹き付けによる付着物除去を行う必要がなく、炉内容積は常に一定の大きさを確保でき、転炉を用いた溶鋼の溶製での生産性が従来より高まった。また、酸素ガスの吹付けによる耐火物の溶損も解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基礎となった炉内壁付着物厚さの指標(Y)とスラグ組成の指標(X)との関係を示す図である。
【図2】炉内壁付着物厚さと溶製チャージ数との関係(a)及びスラグ組成指標と溶製チャージ数との関係(b)を、本発明例で比較して示す図である。
【図3】転炉内壁への付着物の付着状況を示す縦断面図であり、(a)は酸素吹錬中の直立時(傾動角0°)の場合、(b)は出鋼に際して傾動時(傾動角80〜100°)の場合である。
【図4】従来例と本発明例での転炉吹錬時間の比較を示す図である。
【符号の説明】
1 溶銑又は溶鋼
2 直胴部
3 炉口
4 地金
5 転炉
6 スラグ
7 底吹き用羽口
8 耐火物
9 溶融状態にあるスラグ

Claims (5)

  1. 転炉を用いて酸素吹錬で溶鋼を溶製するに際して、
    1チャージ又は数チャージの溶製が終了する毎に転炉内壁付着物厚みを測定し、その測定値と予め定めた目標値との差(ΔY)に応じ、次回チャージの溶製時に炉内で生成されるスラグ成分(X)を下記基準に従い調整することを特徴とする転炉内壁付着物厚みの制御方法。
    1)ΔYが−100mmより小さい場合:
    X>8.0
    2)ΔYが−100mmと+100mmの間にある場合:
    1.5≦X≦8.0
    3)ΔYが+100mmより大きい場合:
    X<1.5
    ここで、
    (%CaO):炉内生成スラグのCaO含有率(質量%)
    (%SiO):炉内生成スラグのSiO含有率(質量%)
    (%Al):炉内生成スラグのAl含有率(質量%)
    X:スラグ組成指標(%CaO)/{(%SiO)×(%Al)}
    Y:付着物厚さの測定値(mm)−付着物厚さの目標値(mm)
  2. 前記目標値を200mmとすることを特徴とする請求項1記載の転炉内壁付着物厚みの制御方法。
  3. 前記スラグ成分の調整を、溶鋼への造滓材の投入で行うことを特徴とする請求項1又は2記載の転炉内壁付着物厚みの制御方法。
  4. 前記造滓材のうちのアルミナ源に、連続鋳造スラグを利用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の転炉内壁付着物厚みの制御方法。
  5. 前記転炉内壁付着物厚みの測定を、レーザー距離計で行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の転炉内壁付着物厚みの制御方法。
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