JP4455721B2 - 往復動ポンプ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、往復動ポンプに関し、詳しくは、往復動する駆動手段としてダイヤフラム等(他には、例えばピストンまたはプランジャ等)を用いて構成された往復動ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ダイヤフラムを駆動させて流体を搬送させる往復動ポンプは、従来から知られている。係る往復動ポンプにおいては、モータ等の駆動手段で得られる回転運動をカムを介して直線往復運動に変換して、この直線往復運動にてダイヤフラムを駆動させるべく構成されている。
【0003】
上記従来技術に係る往復動ポンプは、一般的には、化学薬品や薬剤等を注入する際の、いわゆる定量注入等に用いられている。つまり、ダイヤフラムを用いて構成された往復動ポンプ(以下、単に「往復動ポンプ」ともいう。)は、従来から、定量搬送を必要とする箇所に設けられている。
【0004】
しかし、以上のような利点(吐出流量の変動が少ないという利点)を有する往復動ポンプにも、次のような問題がある。
上記往復動ポンプは、ダイヤフラムの往復動に基づいて流体の搬送を行うわけであるが、その際には、ダイヤフラムが往動することによってポンプヘッド部内の流体が加圧されて押し出され(以下、「往動工程」という。)、ダイヤフラムが復動することによってポンプヘッド部内が減圧されて流体が引き込まれる(以下、「復動工程」という。)こととなる。従来技術に係る往復動ポンプにおいては、このような比較的細かい動作たる往動工程と復動工程とを所定時間に所定回数繰り返すことによって、全体として定量搬送を可能とするが、一の往動工程と一の復動工程とを比較すれば、これらの工程間には、大きな吐出流量の差が存在する(基本的に、復動工程においては吐出は行わない。)。
すなわち、上記従来技術に係る往復動ポンプにおいては、この吐出流量の差によって、搬送される流体に脈動が発生するという問題が生ずるわけである。
【0005】
そこで、係る問題を解決するための技術として、最近は、ダイヤフラムを有するポンプヘッドを二つ設けた構造の往復動ポンプが知られている。
【0006】
図8は、従来技術に係る往復動ポンプの概略斜視図を示したものである。図8において、往復動ポンプ200は、第一のポンプヘッド部210と、第二のポンプヘッド部220と、これらのポンプヘッド部210,220に内包されているダイヤフラムを駆動させる駆動部230と、各ポンプヘッド部210,220における流体の流入側および流出側に設けられた逆止弁機構(例えば、バルブ部および弁座部等から成る)(図示省略)を有した接続部211,212,221,222等とを用いて構成されている。ここで、駆動部230は、例えば、電動モータ等を用いて構成されている。
【0007】
往復動ポンプ200には、液体の流入側に流入側配管部240が接続され、流出側に流出側配管部250が接続されている。具体的には、流入側配管部240に設けられた流入側フランジ部241,242と、ポンプ流入側フランジ部213,223とがボルト等を用いて連結され、流出側配管部250に設けられた流出側フランジ部251,252と、ポンプ流出側フランジ部214,224とがボルト等を用いて連結されることによって、往復動ポンプ200と配管部240,250とが接続されている。
【0008】
ここで、通常、各接続部211,212,221,222の一方の端部は、ポンプヘッド部210,220に螺合状態で固着されている。また、各接続部211,212,221,222の他方の端部には、フランジ部213,214,223,224が固着されている。
【0009】
そして、上記往復動ポンプ200を構成する各ポンプヘッド部210,220に内包されているダイヤフラムは、一方のダイヤフラムが往動工程のときは他方のダイヤフラムが復動工程となり、一方のダイヤフラムが復動工程のときは他方のダイヤフラムが往動工程となるように構成されている。
【0010】
すなわち、図8に示された往復動ポンプによれば、一方のダイヤフラムが他方のダイヤフラムを、他方のダイヤフラムが一方のダイヤフラムを補完すべく駆動するので、従来問題であった脈動を効果的に改善可能な往復動ポンプを得ることができる。
この際、従来技術に係る往復動ポンプにおいては、各ダイヤフラムが、それぞれ略180゜位相の異なるカムを用いて駆動させられており、各ダイヤフラムについては、所定方向(通常は吐出と反対方向)にダイヤフラムを付勢すべく、付勢手段(スプリング等)が設けられている。
【0011】
往復動ポンプ200を構成する各ポンプヘッドの内部は、例えば、図9に示すように構成されている。図9は、従来技術に係る往復動ポンプ200を構成するいずれか一方のポンプヘッド部の一部の縦断面図を示したものである。
【0012】
図9においては、ダイヤフラム301を往復動させるための駆動手段たるピストン部343が、ベアリング347を有するベアリング支持部348に固着されており、ピストン部343等を内包する支持体350とベアリング支持部348との間には付勢手段349が設けられ、この付勢手段349によってベアリング347が偏心カム342に接すべく(図面上の右方向に)付勢して構成されている。そして、図9においては、図面上の左方向に搬送流体が流通する配管部240,250等が設けられている。
【0013】
このように構成された従来技術に係る往復動ポンプによれば、偏心カム342を矢印R方向に回転させることによって、ベアリング347、ベアリング支持部348、およびピストン部343等を介してダイヤフラム301が矢印Z方向に往復動されることとなる。その際、偏心カム342のT0点からT1点までがダイヤフラム301の吐出工程となり、T0点のときの上死点S0からT1点のときの下死点S1までのストローク距離Sが、付勢手段349が撓む距離ということになる。
【0014】
すなわち、この従来技術に係る往復動ポンプによれば、偏心カム342とベアリング347とが接した状態で、偏心カム342が回転し、この回転に基づいてピストン部343が往復動することによって、適切にダイヤフラム301を往復動させて、流体の搬送を行っている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術に係る往復動ポンプには、次のような問題があった。
【0016】
従来技術に係る往復動ポンプ200は、上述したように、付勢手段349によって、ベアリング347の外輪側が偏心カム342に接触すべく付勢され、その状態にて、偏心カム342の駆動力がピストン部343等を介してダイヤフラム301に伝えられる。すなわち、常時、ベアリング347の外輪側と偏心カム342とが接触した状態で往復動ポンプが駆動されることとなる。
【0017】
このような構成によれば、ベアリング347および偏心カム342の形状および接触状態等が、往復動ポンプ200の駆動精度に大きく影響を与えることとなる。一般的に、偏心カムに付勢されるベアリングによって大きな駆動力を伝達するためには、ベアリングの外径を大きくする必要があり、偏心カムの外径も必然的に大きくする必要があるので、その結果ポンプ自体(ポンプケース)が大きくなってしまうという問題があった。
【0018】
そこで、本発明は、上記従来技術に係る問題を解決するためになされたものであって、偏心カムの駆動力をダイヤフラム等に伝達するために設けられた要素(偏心カムと接触すべく設けられた要素)の径をできるだけ小さく形成し、駆動力の伝達効率を向上させて、適切な無脈動搬送を実現可能である往復動ポンプを提供することを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
すなわち、上記課題を解決するための本発明は、搬送される流体と接した状態で往復動するダイヤフラム1,2と、前記ダイヤフラム1,2を駆動させる駆動力供給部とを備えた往復動ポンプにおいて、前記駆動力供給部が、一つの偏心カム42と、前記偏心カム42の回転によって往復動する第一のピストン部43および第二のピストン部44と、前記偏心カム42の駆動力を前記各ピストン部43,44に伝えるべく、前記偏心カム42に接する接触転動要素とを用いて構成されており、前記接触転動要素が前記偏心カム42よりも小さい径にて形成され、前記各ピストン部43,44にベアリングが設けられており、前記ベアリングの内輪側に前記接触転動要素が設けられていることを特徴としている。すなわち、本発明に係る往復動ポンプにおいては、前記接触転動要素は、可能な限り小さく形成されていることが好ましい。
【0020】
したがって、本発明に係る往復動ポンプによれば、前記接触転動要素をできるだけ小さく形成することによって、従来技術と比較して、往復動ポンプの長寿命化を図ることが可能となり、長期間の無脈動搬送を実現することができる。
【0023】
また、本発明は、搬送される流体と接した状態で往復動するダイヤフラム1,2と、前記ダイヤフラム1,2を駆動させる駆動力供給部とを備えた往復動ポンプにおいて、前記駆動力供給部が、一つの偏心カム42と、前記偏心カム42の回転によって往復動する第一のピストン部43および第二のピストン部44と、前記偏心カム42の駆動力を前記各ピストン部43,44に伝えるべく、前記偏心カム42に接する接触転動要素とを用いて構成されており、前記接触転動要素が前記偏心カム42よりも小さい径にて形成され、前記各ピストン部43,44にそれぞれ二つ以上のベアリングが設けられており、前記各ピストン部43,44においては、前記ベアリングと前記偏心カムとで支持されるべく前記接触転動要素が設けられていることを特徴としている。
【0024】
この好ましい構成によれば、前記接触転動要素が所定の強度等を有するものであれば、ベアリングあるいは偏心カム等の大きさに特に左右されることなく、前記接触転動要素を必要最小限の大きさとすることが可能となる。したがって、この好ましい構成によれば、前記偏心カム42の摩耗を効果的に防止して長期間の無脈動搬送を実現することができる。つまり、従来技術と比較して、往復動ポンプの長寿命化を図ることが可能となる。
【0025】
また、本発明に係る往復動ポンプにおいては、前記第一のピストン部43および前記第二のピストン部44の位置を調整する調整手段49が設けられており、前記調整手段49が、前記第一および第二のピストン部43,44に設けられた前記接触転動要素を前記偏心カムの位置する方向に付勢させる付勢機能と、前記偏心カムの対角距離の変化に起因する前記第一のピストン部と前記第二のピストン部との間に生ずる隙間を吸収し得る緩衝機能とを有する構成であることが好ましい。
【0026】
さらに、本発明は、搬送される流体と接した状態で往復動するダイヤフラム1,2と、前記ダイヤフラム1,2を駆動させる駆動力供給部40とを備えた往復動ポンプにおいて、前記駆動力供給部40が、一つの偏心カム42と、前記偏心カム42の回転によって往復動する第一のピストン部43および第二のピストン部44と、前記第一および第二のピストン部43,44の位置を調整する調整手段49とを用いて構成されており、前記調整手段49が、前記第一および第二のピストン部43,44を前記偏心カム42の位置する方向に付勢させる付勢機能と、前記偏心カムの対角距離の変化に起因する前記第一のピストン部43と前記第二のピストン部44との間に生ずる隙間を吸収し得る緩衝機能とを有することを特徴としている。
【0027】
本発明に係る往復動ポンプによれば、一つの偏心カム42を用いて、二つのピストン部43,44を往復動させ、これに基づいて、二つのダイヤフラム1,2を往復動させているので、二つのダイヤフラム1,2を駆動させる場合であっても、従来よりも、部品点数を削減することが可能となり、それに伴い、封止部の数も減らすことができるので、液漏れ等の発生確率を低減可能な往復動ポンプを得ることができる。
また、本発明に係る往復動ポンプによれば、上述したように、従来よりも構成要素を少なくすることが可能となるので、各要素の製作誤差の発生確率を従来よりも低減でき、また、その分組立誤差等も低減可能となる。したがって、本発明によれば、従来技術においては往復動ポンプの駆動状態に悪影響を及ぼしていた各要素の製作誤差・組立誤差等を、部品点数の低減等により、効果的に削減することが可能となる。
さらに、本発明に係る往復動ポンプは、一つの偏心カム42を用いて構成されているので、従来のように二つの偏心カムの形状の同一性等求められることはなく、また、一つの偏心カム42であるため、従来ほどの組立精度等を要求されることはない。したがって、本発明によれば、従来ほどの煩雑な工程を経ることなく、効率的に往復動ポンプ(および各要素)を製作・組立等することが可能となる。
【0028】
また、本発明に係る往復動ポンプにおいては、前記第二のピストン部44が中空状に形成されており、前記第二のピストン部44の内部に前記偏心カム42と前記第一のピストン部43とが設けられ、前記第一のピストン部43の外面部43aと前記第二のピストン部44の内面部44aとの間に前記調整手段49が設けられており、前記偏心カム42の回転によって前記第一のピストン部43と前記第二のピストン部44とが前記調整手段49を伴って往復動する構成であることが好ましい。
【0029】
この好ましい構成によれば、前記偏心カム42の回転によって、前記調整手段(位置規制付勢手段)49を挟持した状態で前記ピストン部43,44がそれぞれスライドしつつ、往復動を繰り返すこととなるため、前記ピストン部43,44の往復動距離に対して、前記調整手段49の最大撓み距離を従来よりもかなり小さな距離とすることが可能となる。
したがって、従来技術においては、ピストンのストローク距離と付勢手段の撓む距離とが同一であった(ピストンのストローク距離分撓む付勢手段が必要であった)のに対し、この好ましい構成によれば、付勢手段等から成る前記調整手段49の撓み量は、前記ピストン部43,44のストローク距離よりも小さく(例えば1/4程度)することが可能となる。よって、従来よりも、小型で且つ低強度の付勢手段を用いて前記調整手段49を構成することが可能となるので、前記駆動力供給部40、延いては往復動ポンプの小型化を実現することができる。
【0030】
また、本発明に係る往復動ポンプにおいては、前記第一および第二のピストン部43,44の往復動方向と、前記調整手段49の付勢方向および緩衝方向とが略平行である構成が好ましい。
【0031】
この好ましい構成によれば、比較的簡単な構成によって且つ小型化を実現可能な、上述した種々の効果を奏する往復動ポンプを得ることができる。
【0032】
また、本発明に係る往復動ポンプにおいては、前記調整手段49が、一つのスプリング等から成る付勢部材を用いて構成されていることが好ましい。
この好ましい例によれば、上述した種々の効果を奏する前記調整手段49を、容易に構成することが可能となる。
【0033】
また、本発明に係る往復動ポンプにおいては、前記第一のピストン部43の端面部43aと一のダイヤフラム1との間に形成された第一の空間(第一の配管部21内の空間等)と、前記第二のピストン部44の端面部44aと他のダイヤフラム2との間に形成された第二の空間(第二の配管部22内の空間等)とが、それぞれ略密閉状態に構成されており、前記各空間内には作動油が充填されており、前記第一および第二のピストン部43,44の往復動に基づいて前記作動油に圧力が作用して、前記圧力によって前記一および他のダイヤフラム1,2が往復動する構成であることが好ましい。
【0034】
この好ましい構成によれば、前記ピストン部43,44からの駆動力を前記ダイヤフラム1,2に対して効果的に伝達することが可能となり、前述した種々の効果を奏する前記駆動力供給部40等を用いて、小型化等を実現できる往復動ポンプを得ることが可能となる。
【0035】
さらに、本発明は、搬送される流体と接した状態で往復動するダイヤフラムを二つ用いて構成された往復動ポンプにおいて、一のダイヤフラム1の接液面1aと他のダイヤフラム2の接液面2aとが、搬送経路を有するポンプヘッド3を介して略平行に対向し得るべく設けられており、前記一のダイヤフラム1の接液面1aと前記他のダイヤフラム2の接液面2aと前記ポンプヘッド3とを用いて流体搬送領域が形成されたことを特徴としている。
ここで「流体搬送領域」とは、各ダイヤフラム1,2を駆動させることによって、前記ポンプヘッド3の前記搬送経路に接続された配管部外に対しては漏洩させることなく、前記流体を適切に搬送させることが可能である領域をいう。
【0036】
本発明に係る往復動ポンプによれば、前記ポンプヘッド3を介して前記ダイヤフラム1,2を対向して設けたことにより、従来のように二つの独立したポンプヘッド部を有する場合と比較して、ポンプを構成する際の部品点数を大幅に減少させることが可能となる。したがって、部品点数の減少に伴い、封止部の数も従来よりも削減させることが可能となるので、封止部の減少分だけ液漏れの可能性を低減させることができる。また、本発明に係る往復動ポンプによれば、対向する前記ダイヤフラム1,2の間に前記ポンプヘッド3が設けられているので、一のダイヤフラムの動きが他のダイヤフラムに対して悪影響等を及ぼすことなく、各ダイヤフラムがそれぞれ所定の動きを適切に実施することができる。したがって、本実施形態によれば、各ダイヤフラムにおける吐出流量が適切に保持され、効果的に搬送流体の脈動を防止することが可能な往復動ポンプを得ることができる。
【0037】
また、本発明に係る往復動ポンプにおいては、前記ダイヤフラム1,2および前記ポンプヘッド3を用いて構成される搬送流体流通ブロック25が、前記流体搬送領域から前記流体を漏洩させることなく、分離可能であることが好ましい。すなわち、前記ダイヤフラム1,2における前記接液面1a,2aの裏側の面には、前記搬送される流体が接することのない構成であって、前記搬送流体流通ブロック25が、前記搬送される流体を漏洩させることなく、各ダイヤフラム1,2を駆動させる駆動力供給部等との切り離しが可能である構成が好ましい。
【0038】
この好ましい構成によれば、、メンテナンス処理を効率的に行うことが可能となる。
すなわち、本発明に係る往復動ポンプによれば、前記搬送流体流通ブロック25を分解等することなく、配管部等を取り外し、駆動力供給部のメンテナンス(例えば、偏心カム、位置規制付勢手段の交換等)を行うことが可能となるので、従来のように、二つのポンプヘッド部の分解・組立等を行うことなく、メンテナンス処理を行うことができる。よって、前記搬送流体流通ブロック25内を流通する搬送流体を予め抜くことなく、前記駆動力供給部等のメンテナンスを行うことが可能である、メンテナンス性に優れた往復動ポンプを得ることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
【0040】
図1は、本発明の実施形態に係る往復動ポンプの概略断面図を示したものである。また、図2は、図1の往復動ポンプを構成する流体搬送部の拡大図を示したものであり、図2(イ)は組立状態を示し、図2(ロ)は分解状態を示している。さらに、図3は図1のIII−III断面図を示したものであり、図4は、図1のIV−IV断面図を示したものである。以下、これらの図面に基づいて、本実施形態に係る往復動ポンプについて詳細に説明する。
【0041】
本実施形態に係る往復動ポンプは、ダイヤフラム(第一のダイヤフラム1および第二のダイヤフラム2)が往復動することによって流体の搬送を実現する流体搬送部10と、ダイヤフラム1,2を駆動させるべく適切なタイミングで作動油を供給する駆動力供給部40と、この駆動力供給部40の偏心カムを駆動させる駆動部70等とを用いて構成されている。
【0042】
本実施形態に係る往復動ポンプを成す流体搬送部10は、具体的には、図1、図2および図4に示すべく構成されている。
これらの図面において、流体搬送部10は、第一のダイヤフラム1と、第二のダイヤフラム2と、ポンプヘッド3と、このポンプヘッド3と共にダイヤフラム1,2を挟持して支持するダイヤフラム支持体(第一のダイヤフラム支持体4および第二のダイヤフラム支持体5)と、ダイヤフラム1,2の接液面1a,2a側であってポンプヘッド3と各ダイヤフラム1,2との間に設けられた搬送流体流通部(第一の搬送流体流通部6および第二の搬送流体流通部7)と、ダイヤフラム1,2の裏面(接液面1a,2aの裏面)側であって各ダイヤフラム支持体4,5と各ダイヤフラム1,2との間に設けられた作動油流通部(第一の作動油流通部8および第二の作動油流通部9)と、駆動力供給部40(後述する)からの駆動力を伝達する配管部(第一の配管部21および第二の配管部22)に連通すべく形成された作動油供給部(第一の作動油供給部11および第二の作動油供給部12)等とを用いて構成されている。
【0043】
ここで、各ダイヤフラム1,2は、その断面形状が、例えば、波形形状、曲面形状等に形成されているが、図2等においては、図面の複雑化を避けるために、あえて具体的な断面形状については省略している。
また、ポンプヘッド3には、流体を搬送する際の搬送経路3A,3Bが形成されている。そして、これらの搬送経路3A,3Bの流入側と流出側には、図4に示すべく、それぞれ逆止弁(流入側逆止弁23、流出側逆止弁24)が設けられている。ここで、各逆止弁23,24は、ボールチャッキを二個用いて構成されている。
さらに、各ダイヤフラム1,2とポンプヘッド3との間には、搬送流体流通部6,7が設けられている。搬送流体流通部6,7には、複数個の貫通孔が形成されており、ダイヤフラム1,2の往復動による正圧・負圧が貫通孔を介して搬送経路3A,3Bに伝えられる。そして、このダイヤフラム1,2の往復動(による正圧・負圧)によって、逆止弁23,24が開閉して、流体の搬送が行われる。
【0044】
各ダイヤフラム1,2の裏面側には、作動油流通部8,9を介してダイヤフラム支持体4,5が設けられており、このダイヤフラム支持体4,5とポンプヘッド3とによって、ダイヤフラム1,2が挟持して固定されている。また、ダイヤフラム支持体4,5とポンプヘッド3とは、ボルト等の締結手段にて締結されている。
作動油流通部8,9には、複数個の貫通孔が形成されており、後述する駆動力供給部40から供給される作動油が、この貫通孔を介してダイヤフラム1,2裏面側に対して送排出されることとなる。
また、作動油流通部8,9には、駆動力供給部40に連通した作動油供給部11,12が取り付けられており、この作動油供給部11,12は、ボルト等にて作動油流通部8,9に締結されている。
【0045】
次に、本実施形態に係る往復動ポンプを成す駆動力供給部40は、具体的には、図1、図3、および図4等に示すべく構成されている。
これらの図面において、駆動力供給部40は、後述する駆動部70からの駆動力を伝える駆動力伝達軸41と、この駆動力伝達軸41に取り付けられた偏心カム42と、この偏心カム42の動きに応じて往復動するピストン部(第一のピストン部43および第二のピストン部44)と、第一のピストン部43内のベアリング47,47の内輪で支持された第一の回動軸45と、第二のピストン部44内のベアリング48,48の内輪で支持された第二の回動軸46と、第二のピストン部44内にて第一のピストン部43と第二のピストン部44とを適切に付勢して、各ピストン部43,44内に設けられている各回動軸45,46を偏心カム42に接触させるべく機能する調整手段たる位置規制付勢手段49と、これらの各要素を内包しているケーシング部50等とを用いて構成されている。
そして、以上のような要素を有する駆動力供給部40においては、ケーシング部50内壁とピストン部43,44との間の密閉空間に、作動油が充填されている。
【0046】
本実施形態に係る駆動力供給部40においては、第二のピストン部44が中空状に形成されている。すなわち、第二のピストン部44は、その内部に、駆動力伝達軸41、偏心カム42、第一のピストン部43、ベアリング48、および位置規制付勢手段49等が包含可能であるべく形成されている。
そして、第二のピストン部44の内壁部(内面部)44aと第一のピストン部43の外壁部(外面部)43aとの間には、位置規制付勢手段49が挟持されている。すなわち、この位置規制付勢手段49によって、第一および第二のピストン部43,44が偏心カム42の位置する方向に付勢されることとなる。換言すれば、この位置規制付勢手段49によって、第一のピストン部43内の第一の回動軸45と、第二のピストン部44内の第二の回動軸45とが、常に偏心カム42の外周面に接すべく、適切に付勢されることとなる。
【0047】
また、ケーシング部50には、各配管部21,22に連通すべく、作動油の供給口(第一の供給口51および第二の供給口52)が形成されている。そして、各ピストン部43,44の端面部43a,44aから、供給口51,52、配管部21,22等を介して、各ダイヤフラム1,2までの間に形成される空間は、略密閉状態に構成されており、この空間内には、作動油が充填されている。
したがって、本実施形態においては、各ピストン部43,44の動きに応じて作動油に対して正圧・負圧が作用し、この圧力変動により各供給口51,52を介して作動油が流通することとなる。そして、この作動油によって、ダイヤフラム1,2が往復動することとなる。
【0048】
次に、本実施形態に係る往復動ポンプを成す駆動部70は、図1および図4に示すべく構成されている。
これらの図面において、駆動部70は、回転運動を生ずる電動モータ71と、この電動モータ71からの回転力を先に述べた駆動力伝達軸41に伝えるためのギヤ部72等とを用いて構成されている。
【0049】
以上のように、本実施形態に係る往復動ポンプは、流体搬送部10、駆動力供給部40、および駆動部70等を用いて構成されており、次のように機能する。
【0050】
本実施形態に係る往復動ポンプにおいては、まずはじめに、電動モータ71を回転させて、この回転力をギヤ部72を介して駆動力伝達軸41に伝える。
【0051】
次に、この駆動力伝達軸41によって偏心カム42を回転させ、この偏心カム42の回転によって、第一および第二のピストン部43,44を往復動させる。
ここでは、上述した構成に基づいて、第一のピストン部43と第二のピストン部44とが一体的に、一つの偏心カム42によって往復動する。
そして、このピストン部43,44の往復動によって作動油に対して所定の力および方向の圧力が作用し、その作動油が、供給口51,52を介して配管部21,22に送排出されることとなる。
【0052】
次に、配管部21,22を介して流通する作動油に基づいて、ダイヤフラム1,2が適切なタイミングで往復動し、このダイヤフラム1,2の動きによって、流入側逆止弁23および流出側逆止弁24が作動して、所望の液体が搬送されることとなる。
【0053】
以上のように構成され、そして機能する本実施形態に係る往復動ポンプは、係る構成および機能の少なくとも一方に基づいて、以下のような特徴を有することとなる。
【0054】
本実施形態に係る往復動ポンプを構成する駆動力供給部40は、上述したように、ケーシング50内に設けられた偏心カム42、ピストン部43,44、および位置規制付勢手段49等を用いて構成されている。また、各ピストン部43,44には、ベアリング47,48が設けられており、このベアリング47,48の内輪側に支持された第一および第二の回動軸45,46に対して、偏心カム42の外周部が接するべく構成されている。
【0055】
すなわち、本実施形態に係る往復動ポンプにおいては、ピストン部43,44を往復動させるための駆動力が、偏心カム42から第一および第二の回動軸45,46を介して伝えられることとなる。したがって、本実施形態によれば、従来(ベアリングの外輪側)よりも径が小さい回動軸45,46(ベアリングの内輪側)と、偏心カム42とが接触した状態で往復動ポンプが駆動することとなる。よって、本実施形態によれば、長期間の無脈動搬送を実現することができる。つまり、従来技術と比較して、往復動ポンプの長寿命化を図ることが可能となる。
【0056】
また、本実施形態においては、二つのダイヤフラム1,2を駆動させる場合であっても、従来の如く(図8および図9参照)、それぞれカムおよびスプリング等を有した二つのポンプヘッド部等を設ける必要がない。すなわち、本実施形態によれば、一つの偏心カム42を用いて、二つのピストン部43,44を往復動させ、これに基づいて、二つのダイヤフラム1,2を往復動させている。
【0057】
したがって、本実施形態によれば、二つのダイヤフラムを駆動させる場合であっても、従来よりも、部品点数を削減することが可能となり、それに伴い、封止部の数も減らすことができるので、液漏れ等の発生確率を低減可能な往復動ポンプを得ることができる。
【0058】
また、本実施形態に係る往復動ポンプは、上述したように、従来よりも構成要素を少なくすることが可能となるので、各要素の製作誤差の発生確率を従来よりも低減でき、また、その分組立誤差等も低減可能となる。
したがって、本実施形態によれば、従来技術においては往復動ポンプの駆動状態に悪影響を及ぼしていた各要素の製作誤差・組立誤差等を、部品点数の低減等により、効果的に削減することが可能となる。
【0059】
また、従来であれば、二つの偏心カムを180゜位相をずらして取り付ける必要があり、さらに、取り付ける偏心カムは、同一の形状であることが必要であったので、製作誤差・組立誤差等に高い精度が要求されていた。よって、製作・組立等の工程が非常に煩雑であった。
しかしながら、本実施形態においては、一つの偏心カムを用いて構成されているので、従来のように二つの偏心カムの形状の同一性等求められることはなく、また、一つの偏心カムであるため、従来ほどの組立精度等を要求されることはない。したがって、本実施形態によれば、従来ほどの煩雑な工程を経ることなく、効率的に往復動ポンプ(および各要素)を製作・組立等することが可能となる。
【0060】
さらに、本実施形態に係る往復動ポンプは、以下の理由により、従来と比較して、より小型化することが可能となる。
【0061】
図5は、本実施形態に係る駆動力供給部40を構成する第二のピストン部44の駆動状態を示したものである。ここで、図5(イ)は、第二のピストン部44が下死点にある状態を示し、図5(ロ)は、第二のピストン部44が上死点にある状態を示している。図5においては、所定位置(偏心カム42等の回転、往復運動によって特に変動しない適当な位置、例えばケーシング50壁面)から第二のピストン部44の端面部44aまでの距離を、それぞれ下死点距離P1、上死点距離P2としている。
【0062】
本実施形態に係る往復動ポンプにおいては、この図5における下死点と上死点との距離の差が、往復動ポンプにおける第二のピストン部44のストローク距離P(P=P2−P1)となる。なお、ここでは、省略するが、180゜位相をずらした状態において、第一のピストン部43についても、同様のストローク距離Pにて往復動が行われる。
【0063】
本実施形態においては、図5(イ)の如く第二のピストン部44が下死点にある状態を「偏心カム角度0゜」と定義して、第二のピストン部44を押し込む方向に偏心カム42を回転させて、例えば、偏心カム42が210゜回転したときに第二のピストン部44が上死点にある状態となる。なお、この偏心カム42の回転角度は、偏心カムの形状等に基づいて、適宜変更し得るものである。
【0064】
また、図6は、本実施形態に係る駆動力供給部40を構成する位置規制付勢手段49の作動状態を示したものである。ここで、図6(イ)は、位置規制付勢手段49が最も縮んだ状態(最小長さR1)を示し、図6(ロ)は、位置規制付勢手段49が最も伸びた状態(最大長さR2)を示している。
【0065】
本実施形態に係る往復動ポンプにおいては、この図6における縮んだ状態(最小長さR1)と伸びた状態(最大長さR2)との距離の差が、位置規制付勢手段49の最大撓み距離R(R=R2−R1)となる。
【0066】
つまり、本実施形態に係る往復動ポンプにおいては、第一のピストン部43と第二のピストン部44とに挟持された位置規制付勢手段49が、偏心カム42の回転に伴って、ピストン部43,44と共にスライドしながら最大撓み距離Rの分だけ、伸び縮みすることとなる。
【0067】
図5および図6から明らかなように、本実施形態によれば、ピストン部の往復動距離Pに対して、位置規制付勢手段49の最大撓み距離Rは、かなり小さな距離となっている。本実施形態においては、P:R=4:1程度となっている。
【0068】
一方、従来技術においては、上述したように、ピストンのストローク距離と付勢手段が撓む距離とは、同一であった(ピストンのストローク距離分撓む付勢手段が必要であった)わけであるが(図9参照)、本実施形態によれば、位置規制付勢手段49の撓み量Rは、ストローク距離Pの1/4程度でよいこととなる。
【0069】
したがって、本実施形態によれば、従来よりも、小型で従来ほどの強度も必要ない付勢手段を用いて位置規制付勢手段49を構成することが可能となるので、駆動力供給部40、延いては往復動ポンプの小型化を実現することができる。
【0070】
また、本実施形態に係る往復動ポンプを構成する位置規制付勢手段49は、コイルばね等の付勢手段を用いて形成されているので、その付勢力によって、第一のピストン部43と第二のピストン部44とを偏心カム42の位置する方向に(偏心カム42に接する方向に)効果的に付勢し、ピストン部43,44と偏心カム42との位置関係を適切に維持することができる。
【0071】
さらに、位置規制付勢手段49は、コイルばね等の付勢手段を用いて形成されているので、偏心カム42(の対角距離の変化等)に起因して、各ピストン43,44および偏心カム42との間に隙間が生ずる方向に力が作用する場合であっても、付勢手段であるため(コイルばね等が付勢力と共に弾性力をも有するため)、係る隙間を効果的に吸収することができる。すなわち、位置規制付勢手段49が、各ピストン43,44等に生ずる隙間を効果的に吸収する緩衝機能をも備えることとなる。
【0072】
以上説明したように、本実施形態によれば、従来よりも撓み量の少ない小型の付勢手段を用いて、往復動ポンプを構成することが可能となる。このような小型の付勢手段を用いて構成可能となるのは、図3等に示したように、本実施形態に係る駆動力供給部40を構成するピストン部43,44が、それぞれスライドしつつ、往復動を繰り返すべく構成されているからである。
【0073】
すなわち、本実施形態に係る往復動ポンプによれば、第二のピストン部44が中空状に形成されており、この第二のピストン部44の内部に偏心カム42と第一のピストン部43とが設けられ、この第一のピストン部43の外面部43aと第二のピストン部44の内面部44aとの間に調整手段たる位置規制付勢手段49が設けられているため、偏心カム42の回転によって第一のピストン部43と第二のピストン部44とが位置規制付勢手段49を伴って往復動することとなる。つまり、偏心カム42の回転によって、位置規制付勢手段49を挟持した状態でピストン部43,44がそれぞれスライドしつつ、往復動を繰り返すこととなるため、上述したように、位置規制付勢手段49の小型化を実現することが可能となる。
【0074】
なお、本実施形態に係る往復動ポンプは、各ピストン部43,44と各ダイヤフラム1,2との間に作動油を有し、この作動油を介して各ピストン部43,44からの駆動力を各ダイヤフラム1,2に伝える構成について説明したが、本発明は、この構成に限定されるものではなく、何等かの手段によって各ピストン部43,44からの駆動力を各ダイヤフラム1,2に伝えることが可能であればよい。したがって、例えば、各ピストン部と各ダイヤフラム1,2とが機械的に連動可能であるべく構成されていてもよい。
また、本実施形態に係る往復動ポンプにおいては、接液部にダイヤフラムを用いる場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、例えば、接液部にピストンあるいはプランジャ等を設けて、往復動ポンプを構成してもよい。
【0075】
また、本実施形態に係る往復動ポンプは、二つのダイヤフラム1,2を有し、これらの各接液面1a,2aは、搬送流体流通部6,7およびポンプヘッド3を介して略平行となるべく設けられている。さらに、各ダイヤフラム1,2の裏面側には、作動油流通部8,9を介してダイヤフラム支持体4,5が設けられている。
つまり、本実施形態によれば、ポンプヘッド3、ダイヤフラム支持体4,5、搬送流体流通部6,7、および作動油流通部8,9等を用いて、搬送流体流通ブロック25が形成されることとなる(図2(ロ)参照)。
なお、この搬送流体流通ブロック25は、上記構成に限定されるものではなく、搬送流体を漏洩させない状態であれば、他の構成としてもよい。例えば、ダイヤフラム1,2をポンプヘッド3に固着させて、これらの部材を用いて搬送流体流通ブロックを構成してもよい。
【0076】
このように構成された搬送流体流通ブロック25は、第一のダイヤフラム1と第二のダイヤフラム2との間が密閉空間として形成されているため、図2(ロ)に示すべく作動油供給部11,12等を取り外した状態においても、搬送流体流通ブロック25内から搬送流体が漏洩することはない。
【0077】
したがって、以上のように構成された本実施形態に係る往復動ポンプによれば、メンテナンス処理を効率的に行うことが可能となる。
すなわち、本実施形態に係る往復動ポンプによれば、図2(ロ)に示すように、搬送流体流通ブロック25を分解等することなく、配管部21,22等を取り外し、駆動力供給部40のメンテナンス(例えば、偏心カム42、位置規制付勢手段49の交換等)を行うことが可能となるので、従来のように、二つのポンプヘッド部の分解・組立等を行うことなく、メンテナンス処理を行うことができる。よって、本実施形態においては、搬送流体流通ブロック25内を流通する搬送流体を予め抜いたりすることなく、駆動力供給部40のメンテナンス等を行うことが可能である、メンテナンス性に優れた往復動ポンプを得ることができる。
【0078】
また、本実施形態に係る往復動ポンプも、従来と同様に二つのダイヤフラムを有しているが、本実施形態によれば、二つのダイヤフラムが一つのブロック(搬送流体流通ブロック25)内に設けられているので、従来のように二つの独立したポンプヘッド部を有する場合と比較すれば、ポンプを構成する際の部品点数を大幅に減少させることが可能となる。したがって、部品点数の減少に伴い、封止部の数も従来よりも削減させることが可能となるので、封止部の減少分だけ液漏れの可能性を低減させることができる。
【0079】
さらに、本実施形態に係る往復動ポンプによれば、対向するダイヤフラム1,2の間にポンプヘッド3が設けられているので、一のダイヤフラムの動きが他のダイヤフラムに対して悪影響等を及ぼすことなく、各ダイヤフラムがそれぞれ所定の動きを適切に実施することができる。したがって、本実施形態によれば、各ダイヤフラムにおける吐出流量が適切に保持され、効果的に搬送流体の脈動を防止することが可能な往復動ポンプを得ることができる。
【0080】
また、図7は、本発明の他の実施形態に係る往復動ポンプを構成する駆動力供給部90の断面図を示したものである。
図7において、駆動力供給部90は、先に述べた駆動部70からの駆動力を伝える駆動力伝達軸41と、この駆動力伝達軸41に取り付けられた偏心カム42と、この偏心カム42の動きに応じて往復動する第一および第二のピストン部43,44と、第二のピストン部44内にて第一のピストン部43と第二のピストン部44とを適切に付勢する位置規制付勢手段49と、これらの各要素を内包しているケーシング部50等とを用いて構成されている。
【0081】
また、本実施形態に係る駆動力供給部90においては、各ピストン部43,44には、それぞれ二つずつのベアリング97(97A,97B),98(98A,98B)と、ベアリング97,98と偏心カム42との間に位置する(ベアリング97,98と偏心カム42とで三点支持されている)転動部(第一の転動部101,第二の転動部102)とが設けられている。そして、偏心カム42の駆動力が、転動部101,102およびベアリング97,98を介して、各ピストン部43,44に伝達されるべく構成されている。
そして、以上のような要素を有する駆動力供給部90においては、ケーシング部50内壁とピストン部43,44との間の密閉空間に、作動油が充填されている。
【0082】
さらに、本実施形態に係る往復動ポンプは、偏心カム42、転動部101,102、およびベアリング97,98周辺の構成以外については、原則として、図1および図2等を用いて先に説明した実施形態と同様の構成を有している。
【0083】
以上のように、本実施形態においては、偏心カム42とベアリング97,98とが直接接触することなく、ベアリング97,98の内輪側よりもさらに径の小さい転動部101,102と、偏心カム42とが接触することによって、偏心カム42からの駆動力がピストン部43,44に伝わるように構成されている。したがって、本実施形態に係る往復動ポンプによれば、偏心カム42と直接接触する部材たる転動部101,102を小さく形成することができるので、長期間の無脈動搬送を実現し、従来技術と比較して、往復動ポンプの長寿命化を図ることができる。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、偏心カムの駆動力をダイヤフラム等に伝達するために設けられた要素(偏心カムと接触すべく設けられた要素)の径をできるだけ小さく形成し、長期間適切な無脈動搬送を実現可能である往復動ポンプを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る往復動ポンプの概略断面図
【図2】図1の往復動ポンプを構成する流体搬送部の拡大図
【図3】図1のIII−III断面図
【図4】図1のIV−IV断面図
【図5】本実施形態に係る駆動力供給部を構成する第二のピストン部の駆動状態を示した概略図
【図6】本実施形態に係る駆動力供給部を構成する位置規制付勢手段の作動状態を示した概略図
【図7】本発明の他の実施形態に係る往復動ポンプを構成する駆動力供給部の概略断面図
【図8】従来技術に係る往復動ポンプの概略斜視図
【図9】図8の往復動ポンプを構成するいずれか一方のポンプヘッド部の一部縦断面図
【符号の説明】
1…第一のダイヤフラム、2…第二のダイヤフラム、3…ポンプヘッド、4…第一のダイヤフラム支持体、5…第二のダイヤフラム支持体、6…第一の搬送流体流通部、7…第二の搬送流体流通部、8…第一の作動油流通部、9…第二の作動油流通部、10…流体搬送部、11…第一の作動油供給部、12…第二の作動油供給部、21…第一の配管部、22…第二の配管部、23…流入側逆止弁、24…流出側逆止弁、25…搬送流体流通ブロック、40,90…駆動力供給部、41…駆動力伝達軸、42…偏心カム、43…第一のピストン部、44…第二のピストン部、45…第一の回動軸、46…第二の回動軸、47,48,97,98…ベアリング、49…位置規制付勢手段、50…ケーシング、51…第一の供給口、52…第二の供給口、70…駆動部、101…第一の転動部、102…第二の転動部

Claims (3)

  1. 搬送される流体と接した状態で往復動するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムを駆動させる駆動力供給部とを備えた往復動ポンプにおいて、前記駆動力供給部が、一つの偏心カムと、前記偏心カムの回転によって往復動する第一のピストン部および第二のピストン部と、前記偏心カムの駆動力を前記各ピストン部に伝えるべく、前記偏心カムに接する接触転動要素とを用いて構成されており、前記接触転動要素が前記偏心カムよりも小さい径にて形成され
    前記各ピストン部にベアリングが設けられており、前記ベアリングの内輪側に前記接触転動要素が設けられていることを特徴とする往復動ポンプ。
  2. 搬送される流体と接した状態で往復動するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムを駆動させる駆動力供給部とを備えた往復動ポンプにおいて、前記駆動力供給部が、一つの偏心カムと、前記偏心カムの回転によって往復動する第一のピストン部および第二のピストン部と、前記偏心カムの駆動力を前記各ピストン部に伝えるべく、前記偏心カムに接する接触転動要素とを用いて構成されており、前記接触転動要素が前記偏心カムよりも小さい径にて形成され、
    前記各ピストン部にそれぞれ二つ以上のベアリングが設けられており、前記各ピストン部においては、前記ベアリングと前記偏心カムとで支持されるべく前記接触転動要素が設けられていることを特徴とする往復動ポンプ。
  3. 前記第一のピストン部および前記第二のピストン部の位置を調整する調整手段が設けられており、前記調整手段が、前記第一および第二のピストン部に設けられた前記接触転動要素を前記偏心カムの位置する方向に付勢させる付勢機能と、前記偏心カムの対角距離の変化に起因する前記第一のピストン部と前記第二のピストン部との間に生ずる隙間を吸収し得る緩衝機能とを有する請求項1又は2に記載の往復動ポンプ。
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