JP2019124216A - 流体ポンプ - Google Patents
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Abstract
Description
本発明に係る流体ポンプの特徴構成は、
流体を順に吸入し吐出する三つ以上の容積室と、
前記容積室の夫々に設けられて前記容積室と相対移動し、前記流体を前記容積室に対して吸入・吐出する移動子と、
前記移動子を当接駆動させるカムと、
前記移動子および前記カムのうち少なくとも何れか一方を駆動して、前記移動子と前記カムとを相対回転させ、当該相対回転の一周期において前記流体を前記容積室の夫々から一回吐出させる駆動部と、を備え、
前記容積室の夫々について、前記流体を吸引・吐出する際に、前記一周期に係る一周期回転角Zのうち前記流体の瞬間吐出量がゼロである開始位相となったのち前記瞬間吐出量が最大となる中央位相となり再び前記瞬間吐出量がゼロである終了位相となるまでの吐出回転角αが、前記容積室の数がMであり、2乃至(M−1)の何れかの整数をNとして、
α=(Z/M)×N
であり、
前記容積室の何れか一つが前記終了位相となったとき、当該容積室に続くN番目の前記容積室が前記開始位相となるように構成され、
前記開始位相と前記中央位相とのちょうど中間の位相を第1中間位相とするとき、前記開始位相から前記第1中間位相までの前記瞬間吐出量の増加傾向と、前記第1中間位相から前記中央位相までの前記増加傾向が、前記第1中間位相を挟んで反転し、
前記開始位相から前記中央位相までの前記増加傾向と、前記中央位相から前記終了位相までの前記流体の減少傾向とが、前記中央位相を挟んで対称となる点にある。
流体ポンプが、容積室と移動子とを相対移動させて流体の吸入・吐出を行う形式の場合、容積室に出入りする流体の流量は通常周期的に変化することが多い。そのため、容積室が振動し、流体配管の流体圧が変化して脈動が生じる。
吐出回転角α=(Z/M)×N と表すことができる。
ここで、Mは容積室の数を表す3以上の整数であり、Nは2乃至(M−1)のうちの何れかの整数である。
本発明に係る流体ポンプは、
前記容積室が前記流体の給排に係る少なくとも一つの開口を有するシリンダであると共に、
前記移動子が前記シリンダの内部で往復移動するピストンであり、
前記カムおよび前記シリンダの少なくとも何れか一方が、前記ピストンを下死点と上死点とに亘って繰り返し駆動するよう回転可能であり、
前記開始位相が、前記カムが前記ピストンを前記下死点に位置させる位相であり、
前記終了位相が、前記カムが前記ピストンを前記上死点に位置させる位相であると好都合である。
このように、シリンダとピストンを用いることで、カムによるピストンの駆動態様の決定が容易となる。また、シリンダは長尺状の形状ゆえ、カムの周囲に複数のシリンダを配置することも容易であり、流体ポンプの設計の自由度が高まる。
本発明に係る流体ポンプは、
前記カムのカム面のうち、前記ピストンを前記下死点に位置させる下死対応点を含む領域と、前記ピストンを前記上死点に位置させる上死対応点を含む領域とに、前記カムの単位回転に対する前記ピストンの位置変化を少なくして、前記シリンダからの瞬間吐出量の変化を緩和する吐出量調節面を備えることで、
前記開始位相から前記第1中間位相までの領域で前記瞬間吐出量が急増すると共に、前記第1中間位相から前記中央位相までの領域で前記瞬間吐出量が漸増し、
前記中央位相から前記中央位相と前記終了位相とのちょうど中間の第2中間位相までの領域で前記瞬間吐出量が急減すると共に、前記第2中間位相から前記終了位相までの領域で前記瞬間吐出量が漸減するように構成することができる。
本構成では、カム面のうち下死対応点を含む領域と上死対応点を含む領域とに吐出量調節面を設け、開始位相付近と終了位相付近における流体の瞬間吐出量の変化を緩和している。これにより、一つのシリンダが終了位相に達する際には、流体の瞬間吐出量の減少程度が緩くなる。つまり、流体の吐出がなかなか終わらない状態となる。一方、当該一つのシリンダに入れ替わる後続のシリンダが開始位相となる場合には、流体の瞬間吐出量の増加程度が抑えられる。これにより、特定のシリンダから他のシリンダに吐出作業を交代する際の流体の圧力変動が低減され脈動が解消される。
本発明に係る流体ポンプにおいては、前記カムを回転軸芯の周りに回転可能とし、前記カムのカム面を前記回転軸芯の周囲に位置する筒状の側面に形成することができる。
本構成の流体ポンプは例えばラジアルポンプとなる。本構成の場合、中心に配置したカムを一周させることでピストンを1周期だけ動作させることができる。シリンダは、サイズに応じてカムの周りに所定数を設置することができる。本構成であれば、各シリンダの配置が容易であり、主にカム面を所定形状に構成するだけで、吐出流量の安定した流体ポンプを得ることができる。
本発明に係る流体ポンプにあっては、前記カムを回転軸芯の周りに回転可能とし、前記カムのカム面を前記回転軸芯の延出方向に向く面に環状に形成してもよい。
本構成の流体ポンプは例えばアキシャルポンプである。本構成の場合、各シリンダを平行に配置できるからコンパクトな流体ポンプを得ることができる。
本発明に係る流体ポンプは、
前記移動子が、回転軸芯の周りに回転するロータおよび当該ロータに複数設けられた前記ロータに対して出退可能なベーンであり、
前記容積室が、前記ロータおよび前記ベーンと、前記ロータおよび前記ベーンを内包するケーシングとで形成され、前記回転軸芯の周りに分散配置された吸入室と吐出室であり、
前記カムが、前記ベーンと摺接可能に前記ケーシングの内面に設けられ、
前記ケーシングには、前記流体を吐出する吐出口が前記吐出室に連通して設けられ、
前記吐出口において、前記ロータの回転方向の上手側を上手縁部とし、前記回転方向の下手側を下手縁部とし、
前記ベーンのうち隣接する二つを先行ベーンおよび後行ベーンとして、
前記開始位相が、前記ロータが前記先行ベーンを前記上手縁部に位置させたときの位相であり、
前記終了位相が、前記ロータが前記後行ベーンを前記下手縁部に位置させたときの位相であるように構成することができる。
本構成のように、流体吐出時の脈動を抑えたポンプとしてベーンポンプを構成することもできる。ベーンポンプにおける一つの容積室は、隣接するベーンどうしの間の空間によって形成される。このベーンは、上記のシリンダやピストンに比べて寸法が小さく、ベーンやロータは一つのケーシングの内部に備えることができる。よって、流体の吐出能力に対して全体サイズのコンパクト化が可能である。
本発明に係る流体ポンプは、
前記カムのうち、前記開始位相において前記先行ベーンが摺接する第1位置を含む領域と、前記終了位相において前記後行ベーンが摺接する第2位置を含む領域とに、前記回転方向に沿って内径変化の少ない吐出量調節面を備え、
前記開始位相から前記第1中間位相までの領域で前記瞬間吐出量が急増すると共に、前記第1中間位相から前記中央位相までの領域で前記瞬間吐出量が漸増し、
前記中央位相から前記中央位相と前記終了位相とのちょうど中間の第2中間位相までの領域で前記瞬間吐出量が急減すると共に、前記第2中間位相から前記終了位相までの領域で前記瞬間吐出量が漸減するように構成することができる。
ベーンポンプに脈動が生じる一つの原因は、例えば一つのベーンを挟んで両側にある吐出室の吐出流量の変動がバランスしないことによる。一つのベーンが吐出口の中央付近にあるとき、当該ベーンの回転方向下手側の吐出室からの吐出量は減少過程であることが多く、回転方向上手側の吐出室からの吐出量は増加過程にあることが多い。つまり、一方の吐出室に係る吐出量の減少と他方の吐出室に係る吐出量の増加とがバランスすれば脈動は減少する。
本発明に係る流体ポンプにおいては、前記カムのうち、前記第1位置と前記第2位置とのちょうど中間の位置を挟んだ領域に、前記回転方向に沿って内径変化の少ない第2吐出量調節面を備え、前記先行ベーンが前記第2吐出量調節面に摺接するあいだ、前記瞬間吐出量が最大値に維持されるように構成することができる。
本構成のように瞬間吐出量が最大となる位相を広げることで、ロータの回転に際して、瞬間吐出量の変化する位相領域が狭くなり、瞬間吐出量が一定となる時間が長くなる。その結果、ベーンポンプ全体から発生する脈動がさらに小さくなる。
本発明に係る流体ポンプにおいては、前記カムのうち、前記第1位置と前記第2位置とのちょうど中間の位置に変曲点を設け、前記先行ベーンが前記変曲点を通過する際に、前記瞬間吐出量が増加状態から減少状態に急変するように構成することができる。
本構成のように、カム面の途中に変曲点を設ける場合、変曲点の前後においてロータに対するベーンの出退動作が急変するため、一定の機械振動が発生する場合がある。ただし、変曲点での瞬間吐出量の変化が大きい分、変曲点に至るまでの領域と、変曲点を通過した後の領域において、瞬間吐出量の変化を小さくすることができる。
本発明に係る流体ポンプSは、流体Wを吐出する際に、吐出圧の変動などに伴う流体Wの脈動や、流体ポンプSあるいは接続配管などの振動を防止しようとするものである。当該流体ポンプSの構成としては、流体Wを順に吸入し吐出する三つ以上の容積室Bと、容積室Bの夫々に設けられて容積室Bと相対移動し、流体Wを容積室Bに対して吸入・吐出する移動子Dと、を備えている。
本発明に係る流体ポンプSの第1実施形態について図1乃至図10を参照しながら説明する。この流体ポンプSは、容積室Bであるシリンダ2と、移動子Dであるピストン1とを有するプランジャPを複数備えた所謂ラジアルポンプS1である。図1および図2に示すように、例えば、一周の回転でプランジャPのピストン1を1周期だけ動作させることのできるカムCを中心位置に一つ配置してある。カムCの回転軸芯Xの周りには、例えば第1プランジャP1乃至第4プランジャP4が90度の回転角を持たせて配置されている。このカムCにより、夫々のプランジャPが順に駆動され、ピストン1が往復移動する。これにより、シリンダ2の内部に作動油等の流体Wが給排され、流体Wを所定の個所に搬送する。
図1に示すように、本実施形態では第1プランジャP1乃至第4プランジャP4の四つのプランジャPを備えている。各プランジャP1〜P4はシリンダ2とピストン1とを有する。これらのプランジャPはカムCの回転軸芯Xの周りに90度毎に配置され、カムCの1周の周期に対して4分の1周期ずつ位相差が設けられている。各シリンダ2には、例えば、流体Wの吸入口5aと吐出口5bとが別に形成される。これにより流体Wの吸入・吐出を円滑に行うことができる。
各シリンダ2には、内面に沿って往復移動するピストン1が挿入されている。ピストン1の一部とシリンダ2の一部とに亘ってばね部材3が設けられており、ピストン1が常にカムCの側に付勢されて、ピストン1の外部端面1aとカムCとの当接状態が維持される。
各シリンダ2の吸入口5aには流体Wをシリンダ2の内部に供給する流路Rとしての供給路R1が接続されている。一方の吐出口5bには、流体Wを他の流体供給先に搬送する流路Rとしての吐出路R2が接続されている。各シリンダ2に接続された四本の供給路R1は、例えば1本の大径の配管から分岐されるものであっても良い。また、四本の吐出路R2も一本に纏められて大径の配管とされても良い。
図1に示すように、本実施形態のカムCは円形状に近い断面を有し、偏心した回転軸芯Xの周りに回転する。図示は省略してあるが、このカムCに駆動部Gからの回転駆動が伝達される。ピストン1はカムCに対して回転軸芯Xと垂直な方向から当接する。本構成であれば、各プランジャPの配置が容易であり、主にカムCのカム面C1を所定の形状に構成するだけで吐出流量の安定したラジアルポンプS1を得ることができる。
図11および図12には、本発明に係る流体ポンプSの第2実施形態を示す。この流体ポンプSは、例えば、第1プランジャP1乃至第4プランジャP4の四つを基本構成とするアキシャルポンプS2である。図12(a)は、図11のI-I断面からみたカムCを示す斜視図であり、図12(b)は、図11のII-II断面からみたケーシングKの底壁部Kcを示す平面図である。
(全体概要)
本実施形態では、流体ポンプSの一つとしてベーンポンプS3を用いる例を示す。このベーンポンプS3は、特に流体Wを吐出する場合の吐出流量を一定に維持し、流体Wを流通させる配管内での脈動を無くして、振動や騒音の発生を低減しようとするものである。以下、当該ベーンポンプS3について図13乃至図18を参照しながら説明する。
本実施形態のベーンポンプS3は、少なくとも四枚のベーンVを備えたロータrと、夫々のベーンVの先端が摺動するカム面Caを有するカムリングCrと、をケーシングKの内部に備えている。これらべ―ンVとロータrとで移動子Dが形成される。
図13に示すように、ロータrは例えば円柱状の側面と二面の平端面を有し、回転軸芯Xを中心に回転可能である。回転方向は、ベーンポンプS3の設置個所に応じて変更することができる。外周部には、ベーンVを出退自在に収容する溝部r1を四つ備えている。回転方向に隣接する二枚のベーンVを一組とするとき、回転方向に沿って先行するベーンVを先行ベーンV1と称し、後から追随するベーンVを後行ベーンV2と称する。ベーンVは、例えば、矩形状の平板部材であり、溝部r1に沿って径方向に滑らかにスライドすることができる。ベーンVの外縁部がカムリングCrのカム面Caに摺接する。ベーンVの数は、本発明のベーンポンプS3においては、例えば8枚や16枚に設定するなど4の倍数に設定すると好都合である。
図13に示すように、カムリングCrは、例えば環状の部材であり、内周面にベーンVが摺接するカム面Caが形成されている。カム面Caは略円形であり、その中心は、ロータrの回転軸芯Xとは偏心した位置に設けてある。カムリングCrは、ロータrとベーンVとの間で流体Wを吐出する吐出室11と流体Wを吸入する吸入室21とを形成する。これらのうち特に吐出室11が容積室Bとして機能する。
ケーシングKは、内面にカムリングCrが固定され、このカムリングCrに対して偏心した状態でロータrを回転させるための軸受部(図外)を備えている。ロータrの軸部はロータrの外部に延出しており、図外の駆動部Gによって回転駆動されるよう駆動ギヤ等が接続されている。
本実施形態では、図13に示すように、カム面Caは真円を基本としつつ、カム面Caのうち所定領域を真円とは異なる形状にしている。カム面Caのうち、吐出口10の上手縁部10aに対応する位置を第1位置C10とし、下手縁部10bに対応する位置を第2位置C20として、少なくとも第1位置C10から回転方向下手側の近傍位置に至る領域と、第2位置C20から回転方向上手側の近傍位置に至る領域とに、波線で示したようにベーンVの移動方向に沿って内径変化を少なくした吐出量調節面C3を備える。
尚、本実施形態のベーンポンプS3の動作を説明する前に、従来の真円形状のカム面Caを有するベーンポンプS3の動作につき説明する。図24は、ロータrが第1位相から第2位相に移行する様子を示したものである。また、図25は各ベーン室Aの容積の変化を示すグラフであり、図26は各ベーン室Aの瞬間吐出吸入量の変化を示すグラフであり、図27は各ベーン室Aの瞬間吐出量の変化とベーンポンプS3の全体の瞬間吐出総量を示すグラフである。
(中央位相で瞬間吐出量が最大となる場合)
ロータrが回転し、第1位相となった直後から第1ベーン室A1の流体Wの吐出が開始され、その後、流体Wの瞬間吐出量が増大し、減少してロータrが第2位相に至るときに流体Wの吐出がゼロとなる。本実施形態では、吐出量調節面C3を形成することで、ロータrが、図15(c)の状態、即ち、ロータrが第1位相と第2位相とのちょうど中央の位相となったときに流体Wの瞬間吐出量が最大となるように構成してある。尚、この中央の位相を最大吐出位相と称する。
また、吐出量調節面C3の形状については、さらに次のように構成することができる。つまり、ロータrが、第1位相から最大吐出位相まで回転する際には、第1位相と最大吐出位相との中央位相において、瞬間吐出量が急増から漸増に切り替わるように構成する。また、ロータrが、最大吐出位相から第2位相まで回転する際には、最大吐出位相と第2位相との中央位相において、瞬間吐出量が急減から漸減に切り替わるように構成する。
ただし、図18に示したような両合成曲線の流量を足し合わせた瞬間吐出総量が常に一定となるためには、さらに両合成曲線の形状が限定される必要がある。即ち、本実施形態のベーンポンプS3においては、第1位相から最大吐出位相までの瞬間吐出量の増加態様が、第1位相と最大吐出位相との中央位置を挟んで反転し、第1位相から最大吐出位相までの瞬間吐出量の増加態様と、最大吐出位相から第2位相までの瞬間吐出量の減少態様とが、最大吐出位相を挟んで対称となるよう、吐出量調節面C3が形成されていると好都合である。
第3実施形態で示したベーンポンプS3は、図14に示したように、回転軸芯Xを挟んで対向する第1ベーン室A1および第3ベーン室A3の第1組と、これに対して、回転軸芯Xを挟んで互いに反対に配置されると共に第1組の第1ベーン室A1および第3ベーン室A3に対してロータrの4分の1周期の位相差を有する第2ベーン室A2および第4ベーン室A4の第2組とを組み合わせるものが基本となる。
瞬間吐出量の増減態様としては、例えば、図20および図21に示すように台形状に変化する態様にすることもできる。このためには、カム面Caの一部に内径の縮み量を緩和した領域を形成し、最大瞬間吐出量を一定期間だけ維持できるようにする。
瞬間吐出量の増減態様としては、さらに、図22および図23に示すように三角形状に変化する態様にすることもできる。そのためには、カム面Caの一部に内径の縮み量が変化する変曲点C4を設け、流体Wの瞬間吐出量が変曲点C4において増加から減少に反転するように構成する。
上記の各実施形態に示した通り、脈動を無くすためには、シリンダ2やベーン室Aなどの容積室Bにおいて流体Wの吐出が終了する際に他の容積室Bからの流体吐出が開始され、流体Wの瞬間吐出量が連続的に増減する必要がある。このような増減特性は、容積室BやカムCの構成を決定することで複数組が設定される。
吐出回転角α=(Z/M)×N
のように規定する。
ここで、Mは容積室Bの数を表す3以上の整数であり、Nは2乃至(M−1)のうちの何れかの整数である。
2 シリンダ
10 吐出口
10a 上手縁部
10b 下手縁部
11 吐出室
20 吸入口
21 吸入室
C カム
C1 カム面
C1’ 環状カム面
C2 吐出量調節面
C3 吐出量調節面
C4 変曲点
C10 第1位置
C20 第2位置
Ca カム面
Cd 下死対応点
Cr カムリング
Cu 上死対応点
K ケーシング
P プランジャ
R1 供給路
R2 吐出路
r ロータ
S 流体ポンプ
V ベーン
V1 先行ベーン
V2 後行ベーン
W 流体
X 回転軸芯
Claims (9)
- 流体を順に吸入し吐出する三つ以上の容積室と、
前記容積室の夫々に設けられて前記容積室と相対移動し、前記流体を前記容積室に対して吸入・吐出する移動子と、
前記移動子を当接駆動させるカムと、
前記移動子および前記カムのうち少なくとも何れか一方を駆動して、前記移動子と前記カムとを相対回転させ、当該相対回転の一周期において前記流体を前記容積室の夫々から一回吐出させる駆動部と、を備え、
前記容積室の夫々について、前記流体を吸引・吐出する際に、前記一周期に係る一周期回転角Zのうち前記流体の瞬間吐出量がゼロである開始位相となったのち前記瞬間吐出量が最大となる中央位相となり再び前記瞬間吐出量がゼロである終了位相となるまでの吐出回転角αが、前記容積室の数がMであり、2乃至(M−1)の何れかの整数をNとして、
α=(Z/M)×N
であり、
前記容積室の何れか一つが前記終了位相となったとき、当該容積室に続くN番目の前記容積室が前記開始位相となるように構成され、
前記開始位相と前記中央位相とのちょうど中間の位相を第1中間位相とするとき、前記開始位相から前記第1中間位相までの前記瞬間吐出量の増加傾向と、前記第1中間位相から前記中央位相までの前記増加傾向が、前記第1中間位相を挟んで反転し、
前記開始位相から前記中央位相までの前記増加傾向と、前記中央位相から前記終了位相までの前記流体の減少傾向とが、前記中央位相を挟んで対称となる流体ポンプ。 - 前記容積室が前記流体の給排に係る少なくとも一つの開口を有するシリンダであると共に、
前記移動子が前記シリンダの内部で往復移動するピストンであり、
前記カムおよび前記シリンダの少なくとも何れか一方が、前記ピストンを下死点と上死点とに亘って繰り返し駆動するよう回転可能であり、
前記開始位相が、前記カムが前記ピストンを前記下死点に位置させる位相であり、
前記終了位相が、前記カムが前記ピストンを前記上死点に位置させる位相である請求項1に記載の流体ポンプ。 - 前記カムのカム面のうち、前記ピストンを前記下死点に位置させる下死対応点を含む領域と、前記ピストンを前記上死点に位置させる上死対応点を含む領域とに、前記カムの単位回転に対する前記ピストンの位置変化を少なくして、前記シリンダからの前記瞬間吐出量の変化を緩和する吐出量調節面を備えることで、
前記開始位相から前記第1中間位相までの領域で前記瞬間吐出量が急増すると共に、前記第1中間位相から前記中央位相までの領域で前記瞬間吐出量が漸増し、
前記中央位相から前記中央位相と前記終了位相とのちょうど中間の第2中間位相までの領域で前記瞬間吐出量が急減すると共に、前記第2中間位相から前記終了位相までの領域で前記瞬間吐出量が漸減する請求項2に記載の流体ポンプ。 - 前記カムが回転軸芯の周りに回転可能であり、前記カムのカム面が前記回転軸芯の周囲に位置する筒状の側面に形成されている請求項2または3に記載の流体ポンプ。
- 前記カムが回転軸芯の周りに回転可能であり、前記カムのカム面が前記回転軸芯の延出方向に向く面において環状に形成されている請求項2または3に記載の流体ポンプ。
- 前記移動子が、回転軸芯の周りに回転するロータおよび当該ロータに複数設けられた前記ロータに対して出退可能なベーンであり、
前記容積室が、前記ロータおよび前記ベーンと、前記ロータおよび前記ベーンを内包するケーシングとで形成され、前記回転軸芯の周りに分散配置された吸入室と吐出室であり、
前記カムが、前記ベーンと摺接可能に前記ケーシングの内面に設けられ、
前記ケーシングには、前記流体を吐出する吐出口が前記吐出室に連通して設けられ、
前記吐出口において、前記ロータの回転方向の上手側を上手縁部とし、前記回転方向の下手側を下手縁部とし、
前記ベーンのうち隣接する二つを先行ベーンおよび後行ベーンとして、
前記開始位相が、前記ロータが前記先行ベーンを前記上手縁部に位置させたときの位相であり、
前記終了位相が、前記ロータが前記後行ベーンを前記下手縁部に位置させたときの位相である請求項1に記載の流体ポンプ。 - 前記カムのうち、前記開始位相において前記先行ベーンが摺接する第1位置を含む領域と、前記終了位相において前記後行ベーンが摺接する第2位置を含む領域とに、前記回転方向に沿って内径変化の少ない吐出量調節面を備え、
前記開始位相から前記第1中間位相までの領域で前記瞬間吐出量が急増すると共に、前記第1中間位相から前記中央位相までの領域で前記瞬間吐出量が漸増し、
前記中央位相から前記中央位相と前記終了位相とのちょうど中間の第2中間位相までの領域で前記瞬間吐出量が急減すると共に、前記第2中間位相から前記終了位相までの領域で前記瞬間吐出量が漸減する請求項6に記載の流体ポンプ。 - 前記カムのうち、前記第1位置と前記第2位置とのちょうど中間の位置を挟んだ領域に、前記回転方向に沿って内径変化の少ない第2吐出量調節面を備え、
前記先行ベーンが前記第2吐出量調節面に摺接するあいだ、前記瞬間吐出量が最大値に維持される請求項7に記載の流体ポンプ。 - 前記カムのうち、前記第1位置と前記第2位置とのちょうど中間の位置に変曲点を設け、前記先行ベーンが前記変曲点を通過する際に、前記瞬間吐出量が増加状態から減少状態に急変するように構成してある請求項7に記載の流体ポンプ。
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