JP6338170B2 - 流体回転機 - Google Patents

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本発明は、例えば気送ポンプ、液送ポンプ、真空ポンプ、気送コンプレッサー、多段圧縮機、流体モータなどの流体回転機に関する。
気送ポンプ、液送ポンプなどの流体回転機においては、クランク軸に連繋するピストン組の往復運動で流体の吸込みと送出しを繰り返すレシプロ駆動方式が主流であったが、一組の両頭ピストンを交差して配置してシャフトの回転によりクランク軸に連繋する両頭ピストンを内サイクロイドの原理により直線往復運動させることで流体の吸込みと送出しを繰り返す小型にしてストロークを伸ばしたロータリー式の流体回転機も提案されている(特許文献1参照)。
また、本件出願人は、バルブ構造を簡略化し、流体の吸込み及び吐出が行われる外部接続管路を減らすことで設置面積を減らすことが可能な流体回転機を提案した。具体的には、ケース体に回転可能に軸支された第一,第二バランスウェイトの一方側に流体の第一,第二ロータリーバルブが一体に設けられており、配管接続部がケース体の一方側に集約して設けられている。(特許文献2参照)。
特開昭56−141079号公報 WO2012/017820号公報
上述した特許文献1の第12図に示す流体回転機においては、両頭ピストンが摺動する4つのシリンダの各々に対してそれぞれ吸込み口,吐出口があり吸気バルブ及び排気バルブが存在する。このため各吸込み口及び吐出口に接続する管路(チューブ)を引き回す配管構造が煩雑になり、設置スペースも必要になる。
また、特許文献2の図19に示すバルブ構造によれば、ケース本体に流路を形成し、一方側にロータリーバルブを設けて流体の吸込み及び吐出が行われる外部接続管路を減らしているが、各シリンダ室間の連通路が吸込み側と吐出側に各々必要であり、ピストンによる流体の圧縮吐出動作に寄与しないデッドスペース比率が大きい。
ロータリーバルブが入出力軸(シャフト)と別体で構成されている場合、組間違いによる動作不良が発生するおそれがある。
また、シャフトを中心とした回転体の回転バランスを取るため、吸込み側及び吐出側のバルブにおいて肉盗みを設ける必要があり、バランス計算や形状が煩雑になる。
また、ロータリーバルブの摺動抵抗の低減及び気密性向上のため、オイルをロータリーバルブの摺動部に介在させており、このオイルの粘性抵抗により、入力に対する出力の損失が大きくなり出力効率が低下し易い。
本発明の目的は、流体の圧縮吐出動作に寄与しない流路のデッドスペース比率を低減し、ロータリーバルブの回転に伴うオイルの粘性抵抗による影響をロータリーバルブの回転を減速することにより小さくして、入力に対する出力の損失を低減することで出力効率を改善可能な流体回転機を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明は次の構成を有する。
シャフトの軸心に対して偏心して組み付けられ、当該シャフトを中心に半径rの第一仮想クランクアームを介して回転可能に組み付けられた第一クランク軸と、前記第一クランク軸の軸心に対して偏心した複数の第二仮想クランク軸を軸心とする筒体が連続して形成された偏心カムと、前記偏心カムに互いに交差したまま組み付けられ、前記第一クランク軸を中心とする半径rの第二仮想クランクアームの回りを相対的に回転可能に組み付けられた複数の両頭ピストン組と、前記第一クランク軸の両端部に各々組み付けられ、前記シャフトを中心に組み付けられた回転部品間の回転バランスをとる第一,第二バランスウェイトと、前記シャフトを回転可能に軸支し、当該シャフトを中心に回転若しくは相対回転する回転部品を収容するとともに前記複数の両頭ピストン組が往復動するシリンダが組み付けられたケース体と、前記シャフトの回転に伴って回転し、前記ケース体に形成される各シリンダ室に対する流体の吸込み動作と吐出動作の切り換えを行なうロータリーバルブと、前記第一クランク軸に組み付けられた前記偏心カムが相対的に回転することで、前記偏心カムに交差して組み付けられた前記複数の両頭ピストン組が内サイクロイドの軌跡に沿って各シリンダ内を直線往復運動する流体回転機であって、前記ロータリーバルブの外周面に前記ケース体側の流体の入口側流路に接続する前記吸込み用バルブと出口側流路に接続する前記吐出用バルブが一対となって仕切り壁で仕切られて周回して形成されており、前記吸込み用バルブと前記吐出用バルブの組み合わせがn(n;バルブ分割数であって奇数)個となるように周方向に分割されて形成され、前記ケース体内に前記各シリンダ室と前記吸込み用バルブ並びに前記吐出用バルブとの連通路を共通化して備えていることを特徴とする。
ここで、第一仮想クランクアームとは、シャフトと第一クランク軸の軸心間を連結する部位をいい、部品単体でクランクアームが存在しなくても構造上クランクアームの存在が認められるものを言う。また、第二仮想クランクアームとは、第一クランク軸と第二仮想クランク軸の軸心間を連結する部位をいい、クランクアームが省略されていても機構上クランクアームの存在が認められるものを言う。また、第二仮想クランク軸とは、機構上のクランク軸が存在しなくとも回転中心となる軸心の存在が仮想上認められるクランク軸を言う。
上記流体回転機を用いれば、ロータリーバルブは、吸込み用バルブと吐出用バルブを、仕切り壁で仕切られて周回して形成されており、ケース体内に各シリンダ室と吸込み用バルブ及び吐出用バルブとの連通路を共通化して備えているので、流体の圧送吐出動作に寄与しない流路のデッドスペース比率を低減し、流体モータ性能を向上させることができる。
尚、ロータリーバルブに吸込み用バルブと吐出用バルブを併設することで、バルブ径(D)とバルブ高さ(L)の比(D/L)が小さくなるので、一般論としてロータリーバルブはロックし難くなりシャフトと共に円滑に回転させることができる。
また、前記ロータリーバルブは、前記ケース体内に前記シャフトの一端側に自在継手を介して一体的に組み付けられ、前記シャフトの回転を減速して駆動伝達する減速機構を介して駆動伝達されることが好ましい。これにより、シャフトの回転を減速機構により減速してロータリーバルブを回転させることで、オイルの粘性抵抗による機械的なロスを低減することができる。
前記吸込み用バルブと前記吐出用バルブは、幅広溝部と幅狭溝部が交互に周回して形成されており、前記ケース体に形成され前記各シリンダ室と連通する連通路に連なる連通孔は、前記仕切り壁で仕切られた前記吸込み用バルブ及び吐出用バルブを含む溝幅の中心線上であって前記幅広溝部に臨むように周方向で等間隔に形成されていることが好ましい。
これにより、一カ所に設けられたロータリーバルブの回転によって、吸込み用溝及び吐出用溝の幅広溝部と各シリンダ室へ連通する連通孔が連通したり仕切り壁により遮断されたりすることを繰り返しながら、流体の吸込み、吐出動作の切替えがスムーズに行うことができる。また、各シリンダ室と吸込み用バルブ及び吐出用バルブとを連通する連通路を共用し、さらに吸込み用バルブと吐出用バルブとの間を連通路を通じて互いに連通させることで、ケース体における連通路の占める容積を減らしてデッドスペース比率を低減することができる。
本発明に係る流体回転機を用いれば、流体の圧送吐出動作に寄与しない流路のデッドスペース比率を低減し、ロータリーバルブの回転に伴うオイルの粘性抵抗による影響をロータリーバルブの回転を減速することにより小さくして、入力に対する出力の損失を低減することで出力効率を改善することができる。
流体回転機の正面図、上面図、底面図、右側面図及び斜視図である。 図1(B)の矢印A−A断面図及び断面斜視図である。 減速機構の組み付け構成を示す部分断面図である。 他例にかかる図1(B)の矢印A−A断面斜視図である。 流体回転機の分解斜視図である。 6分割されたロータリーバルブの正面図 左右側面図、上視図及び下視図、背面図及び斜視図である。 10分割されたロータリーバルブの正面図 左右側面図、上視図及び下視図、背面図及び斜視図である。 6分割及び10分割されたロータリーバルブの入口側流路と出口側流路に対するバルブ切替状態を示す断面説明図である。 ピストン組の移動位置の模式図と対応するロータリーバルブの正逆回転における入口側流路と出口側流路に対するバルブ切替状態を示す断面説明図である。
以下、発明を実施するための一実施形態について添付図面に基づいて詳細に説明する。先ず、図1乃至図9を参照して一例として圧縮性の流体に用いられる流体回転機、例えば流体モータについて説明する。
図1(A)〜(E)において、第一ケース体1、第二ケース体2及び第三ケース体3とで構成されるケース体4にシャフト5(入出力軸)が回転可能に軸支されている。第一ケース体1と第二ケース体2とは、ボルト6により四隅をねじ嵌合させて一体に組み付けられている(図1(B)参照)。また、第二ケース体2には、吸込み用配管2aと吐出用配管2bが接続されている。また、第二ケース体2の端部には、第三ケース体3(筒体3A,蓋体3B;図2参照)が嵌めこまれてボルト7により一体に組み付けられている(図1(A)(C)参照)。第一ケース体1及び第二ケース体2の4側面には、シリンダヘッド8及びシリンダ9がボルト10により一体に組み付けられている(図1(D)(E)参照)。
図2(A)(B)に示すように、ケース体4内にはシャフト5が分割されたシャフト5a,5bが回転可能に各々軸支されている。このシャフト5a,5bを中心に回転する第一クランク軸11、第一,第二バランスウェイト12a,12b、並びに第一クランク軸11に組み付けられた偏心カム13、偏心カム13に交差して相対的に回転可能に組み付けられた第一両頭ピストン組14及び第二両頭ピストン組15、シャフト5bの一端に減速機構16、自在継手17を介して組み付けられ各シリンダ室に対する流体の吸込み動作と吐出動作の切り換えを行なうロータリーバルブ18などが回転可能に収納されている。以下に、具体的な構成について説明する。
図2(A)(B)において、一方のシャフト5aは、第一ケース体1に設けられた第一軸受19aに回転可能に軸支され、他方のシャフト5bは第二ケース体2に設けられた第一軸受19bによって回転可能に軸支されている。第一クランク軸11は、シャフト5a,5bの軸心に対して偏心して連結される。
本実施形態では、シャフト5aの一端(Dカット部)は、第一バランスウェイト12aと一体に組み付けられている。また、第一クランク軸11の一端は、第一バランスウェイト12aと一体に組み付けられている。第一バランスウェイト12aに嵌め込まれたシャフト5aと第一クランク軸11の一端は、これらに直交するボルト20aを第一バランスウェイト12aにねじ嵌合することによって一体に組み付けられている。
また、シャフト5bの一端(Dカット部;図3参照)は、第二バランスウェイト12bと一体に組み付けられている。また、第一クランク軸11の他端は、第二バランスウェイト12bと一体に組み付けられている。第二バランスウェイト12bに嵌め込まれたシャフト5bと第一クランク軸11の他端は、これらに直交するボルト20bを第二バランスウェイト12bにねじ嵌合することによって一体に組み付けられている。
図2(A)(B)において、第一,第二バランスウェイト12a,12bは、シャフト5a,5bを中心として組み付けられる第一クランク軸11及び偏心カム13を含む回転部品間の回転バランスを取るために設けられている。このように、第一,第二バランスウェイト12a,12bにシャフト5a,5b及び第一クランク軸11が一体に組み付けられていると、シャフト5a,5bと第一クランク軸11を結ぶ第一仮想クランクアームの長さを例えば第一,第二バランスウェイト12a,12bの回転半径rにより調整して、シャフト5a,5bを中心として第一クランク軸11を軸方向及び径方向にコンパクトに組み付けることができる。
図5に示すように、第一,第二両頭ピストン組14,15が互いに十字状に交差して第一クランク軸11を中心に回転する偏心カム13に組み付けられている。具体的には、図2(A)に示すように偏心カム13は、回転中心となる第一クランク軸11が挿通する筒孔の軸心方向両側に偏心した筒体13a,13bが各々連続して形成されている。偏心カム13の筒孔内には、両側から軸受ホルダ21a,21bが圧入されるか或いは筒孔壁に接着されて組み付けられる。一対の軸受ホルダ21a,21bには、少なくとも偏心カム13の筒孔より大径の第二軸受22a,22bを各々保持可能な軸受保持部21c,21dが形成されている。軸受ホルダ21a,21bは、筒孔に両側から挿入され、軸受保持部21c,21dが摺動板(ワッシャー)に突き当たる位置まで挿入されて組み付けられる。軸受ホルダ21a,21bは第二軸受22a,22bを介して偏心カム13を第一クランク軸11に対して相対的に回転可能に軸支する。第一クランク軸11は、偏心カム13の回転中心となる。また、互いに偏心して設けられた筒体13a,13bの軸心は、第一クランク軸11の軸心に対して互いに偏心しており、第二仮想クランク軸と一致するようになっている。
図2(A)(B)に示すように、筒体13a,13bの外周側には第三軸受23a,23bが各々組み付けられている。第二軸受22a,22bは、シャフト5a,5bを中心とする第一クランク軸11の回転に伴って偏心カム13が相対的に回転可能に支持している。また、第三軸受23a,23bは、筒体13a,13bに軸直角方向に十字状に交差して組み付けられた第一,第二両頭ピストン組14,15を偏心カム13の回転に対して相対的に回転するように支持している。
これにより、第一クランク軸11と第二仮想クランク軸(筒体13a,13bの軸心)を結ぶ第二仮想クランクアームの長さを、筒体13a,13bの回転半径rにより調整して、第一クランク軸11を中心として偏心カム13、第一両頭ピストン組14、第二両頭ピストン組15を含む回転体を軸方向及び径方向にコンパクトに組み付けることができる。
また、図2(A)(B)において、第一,第二両頭ピストン組14,15の長手方向両端部に設けられたピストンヘッド部14a,15a(15a;図5参照)にはリング状のシールカップ14b,15b(15b;図示せず)、シールカップ押さえ部材14c,15c(15c;図示せず)が各々ボルト24(図5参照)により組み付けられている。シールカップ14b,15b(15b;図示せず)は、オイルフリーのシール材(例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂材等)が用いられる。シールカップ14b,15b(15b;図示せず)の外周縁部にはピストン摺動方向に沿って起立部が起立形成されている。流体回転機においては、起立部はピストンヘッド部14a,15a(15a;図5参照)の摺動方向外側に向けて組み付けられる。第一,第二両頭ピストン組14,15は、シールカップ14b,15b(15b;図示せず)によって、シリンダ9の内壁面とのシール性を保ちながら摺動するようになっている。尚、シールカップ14b,15b(15b;図示せず)は、他の回転部品に比べて回転質量が無視できるほど軽量であるため、第一,第二バランスウェイト12a,12bによるバランス取りに影響を与えない。
また、図5において、第一,第二両頭ピストン組14,15は、ピストン本体14d,15dには、長手方向に沿って両側に長孔14e,15eが各々設けられている。この長孔14e,15e内には、図2(A)(B)に示すように、第一ケース体1及び第二ケース体2に立設されたガイド軸25が各々挿入されている(第二両頭ピストン組15側は省略)。このガイド軸25に同軸状に組み付けられた複数のガイド軸受25aによって、第一,第二両頭ピストン組14,15(ピストン本体14d,15d)が往復動するのをガイドするようになっている。このガイド軸受25aによって、シリンダ9内を直線往復運動する第一,第二両頭ピストン組14,15のピストンヘッド部14a,15aがシリンダ摺動面から受ける反力をガイド軸受25aで受け止めて軽減するため、ピストンヘッド部14a,15aとシリンダ9との摺動抵抗を減らして摩擦損失、特に流体のエネルギーを流体モータの回転エネルギーへ変換する際のエネルギー損失を低減することができる。
図3において、シャフト5bには、当該シャフト5bの回転を減速してロータリーバルブ18に駆動伝達する減速機構16が設けられている。以下、具体的に説明する。
シャフト5bには駆動ギア16aが一体となって回転可能に組み付けられている。この駆動ギア16aには、アイドラギア16bが噛み合っている。アイドラギア16bは、第二ケース体2に嵌め込まれた抜け止めピン26により組み付けられ、抜け止めピン26を中心に従動回転する。アイドラギア16bは、内歯車16cと噛み合っている。内歯車16cは、シャフト5bに第四軸受27を介して回転可能に組み付けられている。第四軸受27は、内歯車16cの中心孔16c2近傍に設けられた軸受保持部16c3に保持されている。内歯車16cのシャフト5bが挿通する中心孔16c2には筒状に形成された押圧部材28が挿入され、第四軸受27を軸方向に抜け止めし、外周に形成されたフランジ部28aが軸受保持部16c3に当接して内歯車16cを軸方向に抜け止めして組み付けられている。内歯車16cは、後述するように自在継手17と重ね合わせて凹凸嵌合により一体に組み付けられている。押圧部材28は、フランジ部28aが軸受保持部16c3とロータリーバルブ18のハブ18aに挟み込まれて組み付けられる。自在継手17は、外形寸法が内歯車16cと同様であり、中心孔17cが内歯車16cの軸受保持部16c3より広く環状に形成されている。
図5において、内歯車16cには、アイドラギア16bが組み付けられる面とは反対面側であって径方向に設けられたハブの外端に一対の嵌合突起16c1が突設されている。また、自在継手17の対向する部位には、一対の嵌合用切欠き部17aが径方向に形成されている。また、自在継手17の内歯車16cと重ね合わさる面とは反対面側であって、一対の嵌合用切欠き部17aと90°交差する径方向外端に一対の嵌合突起17bが突設されている。また、自在継手17と対向するロータリーバルブ18の対向する一対のハブ18aには、長手方向に一対の嵌合孔18bが各々設けられている。
図5に示すように、シャフト5bに駆動ギア16aをアイドラギア16bと噛み合うように組み付け、第四軸受27を組み付けられた内歯車16cをアイドラギア16bと噛み合うように重ね合わせる。そして、内歯車16cの中心孔16c2に押圧部材28を挿入し、内歯車16cと自在継手17を一対の嵌合突起16c1が一対の嵌合用切欠き部17aと各々径方向に摺動可能に嵌め合うように重ね合わせる。また、自在継手17とロータリーバルブ18を一対の嵌合突起17bが一対の嵌合孔18bと径方向に摺動可能に嵌め合うように重ね合わせる。このとき、図3に示すように押圧部材28のフランジ部28aは、内歯車16cの軸受保持部16c3とロータリーバルブ18のハブ18aに挟み込まれた状態にある。そして、押圧部材28に環状のワッシャー29を重ねてナット30をシャフト5bの端部にねじ嵌合することで減速機構16とロータリーバルブ18が一体に組み付けられる。このように、ロータリーバルブ18と自在継手17とが、90°直交する位置で互いに凹凸嵌合して一体に組み付けられることで、ロータリーバルブ18が傾斜することなくシャフト5bに対して同軸状に組み付けられる。
図3において、シャフト5bが回転すると、駆動ギア16aが一体に回転し、アイドラギア16bを介して内歯車16cが従動回転する。内歯車16cは自在継手17を介してロータリーバルブ18と一体に組み付けられているため、ロータリーバルブ18が同方向に回転するようになっている。尚、駆動ギア16aと内歯車16cとのギア比は、例えば1対3、或いは1対5などのように後述するバルブ分割数nに対応するように設定されている。これにより、シャフト5bの回転を減速機構16により減速してロータリーバルブ18に伝達するようになっている。
また、駆動ギア16aと内歯車16cと噛み合うアイドラギア16bは、1カ所に限らず図4に示すように駆動ギア16aの径方向に対向する位置に2カ所以上設けてもよい。
上述したようにロータリーバルブ18は、シャフト5bに組み付けられる環状の回転体であり、4か所あるシリンダ室9A〜9D(図9参照)に対する流体の吸込み動作と吐出動作の切り換えを行なう。図6(A)に示すように、ロータリーバルブ18の外周面には、ケース体4側の入口側流路に接続する吸込み用バルブ18A(吸込み用溝)と出口側流路に接続する吐出用バルブ18B(吐出用溝)が、仕切り壁18Cを介して周回して形成されている。この吸込み用バルブ18Aと吐出用バルブ18Bの組み合わせが、ロータリーバルブ18の周方向全体でn(n;バルブ分割数であって奇数)個となるように周方向に分割されて形成されている。図6(A)〜(G)は、バルブ分割数n=3で吸込み用と吐出用とで合計6分割されており、図7(A)〜(G)はバルブ分割数n=5で吸込み用と吐出用とで合計10分割された場合を示す。
また、ケース体4内には各シリンダ室9A〜9Dと吸込み用バルブ18A並びに吐出用バルブ18Bとの連通路31A〜31D(図9参照)を共通化して備えている。
詳しくは、図6(A)(B)(C)(F)に示すように、吸込み用バルブ18Aは幅広溝部18A1と幅狭溝部18A2が周方向に60度の範囲で交互に形成されている。また、吐出バルブ18Bは幅広溝部18B1と幅狭溝部18B2が周方向に60度の範囲で交互に形成されている。幅広溝部18A1と幅狭溝部18B2、幅広溝部18B1と幅狭溝部18A2が仕切り壁18Cを介して隣接して形成されている。
また、図7(A)(B)(C)(F)に示すように、吸込み用バルブ18Aは幅広溝部18A1と幅狭溝部18A2が周方向に36度の範囲で交互に形成されている。また、吐出バルブ18Bは幅広溝部18B1と幅狭溝部18B2が周方向に36度の範囲で交互に形成されている。幅広溝部18A1と幅狭溝部18B2、幅広溝部18B1と幅狭溝部18A2が仕切り壁18Cを介して隣接して形成されている。
図8(A)は図6(A)の矢印B−B断面図、図8(B)は図7(A)の矢印C−C断面図である。流体の入口側に接続する吸込み用バルブ18Aを斜線で示し、流体の出口側に接続する吐出用バルブ18Bを白抜きで示してある。図8(A)は減速比1対3のロータリーバルブ18で、バルブ分割数は6、図8(B)は減速比1対5のロータリーバルブ18でバルブ分割数は10の場合を示す。いずれもロータリーバルブ18は反時計回り方向に回転するものとする。シリンダ室9A〜9Dに連通する連通路31A〜31Dがロータリーバルブ18の周囲に沿って90°ずつ位相をずらして4か所に形成されている。
図8(A)は、連通路31Aが吐出用バルブ18Bに接続しており、連通路31Cが吸込み用バルブ18Aに接続している。また、連通路31Dが吸込み用バルブ18Aから吐出用バルブ18Bへの切り替えポイント(遮断状態)にあり、連通路31Bが吐出用バルブ18Bから吸込み用バルブ18Aへの切り替えポイント(遮断状態)にある。また、図8(B)は、連通路31Aが吸込み用バルブ18Aに接続しており、連通路31Cが吐出用バルブ18Bに接続している。また、連通路31Dが吸込み用バルブ18Aから吐出用バルブ18Bへの切り替えポイント(遮断状態)にあり、連通路31Bが吐出用バルブ18Bから吸込み用バルブ18Aへの切り替えポイント(遮断状態)にある。
即ち、四つの連通路31A〜31Dにおいて、吸込み用バルブ18Aと吐出用バルブ18Bに接続する連通路31が対等となるようにバランスしている。
図2(A)(B)において、ロータリーバルブ18が収容される第三ケース体3、第三ケース体3が組み付けられる第二ケース体2、第二ケース体2に組み付けられるシリンダ9、シリンダ9を閉止するシリンダヘッド8には、シリンダ室9A〜9Dと連通する連通路31が4か所(31A〜31D;図9参照)に各々形成されている。連通路31は、第三ケース体3、第二ケース体2、シリンダ9、シリンダヘッド8を通じて形成され、各シリンダ室9A〜9Dと吸込み用バルブ18A及び吐出用バルブ18Bとの間を連絡するようになっている。第二ケース体2には、連通路31の一部を形成する管状シール材32が各々嵌め込まれている。この管状シール材32の両側にはOリング33が嵌め込まれており、第三ケース体3と第二ケース体2の隙間、第二ケース体2とシリンダ9との隙間が各々シールされている。また、シリンダ9の開口を覆うようにシリンダヘッド8にもOリング34が嵌め込まれており、シリンダ9とシリンダヘッド8との間の隙間がシールされている。第一ケース体1と第二ケース体2の嵌合部にはOリング35が設けられており、第二ケース体2と第三ケース体3との嵌合部にもOリング36が設けられており、第三ケース体3の蓋体と筒体の重なり部にもOリング37が設けられており、隙間をシールしている。
各シリンダ室9A〜9Dへの連通路31に連なる第三ケース体3に形成される連通孔3a〜3d(図5参照)は、ロータリーバルブ18の外周面に形成された仕切り壁18Cを含む吸込み用バルブ18A及び吐出用バルブ18Bの溝幅の中心線M上に周方向で等間隔(例えば90°間隔)に形成されている(図6,図7参照)。
吸込み用バルブ18A(幅広溝部18A1)及び吐出用バルブ18B(幅広溝部18B1)の対向位置には、第三ケース体3(筒体3A;図5参照)の外周面に周方向に90°ごとに形成された連通孔3a〜3dが臨むように形成されている(図5参照)。連通孔3a〜3dは連通路31A〜31Dを通じてシリンダ室9A〜9Dへ連通する(図9参照)。また、吸込み用バルブ18Aと吐出用バルブ18Bとの流体の連絡は、幅広溝部18A1と幅広溝部18B1に臨む連通孔3a〜3d(図5参照)、連通路31A〜31Dを通じて行われる。この結果、吸込み用バルブ18Aと吐出用バルブ18Bとの連絡は、ロータリーバルブ18の回転位置によって幅広溝部18A1と幅広溝部18B1に臨む連通孔3a〜3dを介して共通の連通路31A〜31Dを通じて行われる。
よって、一か所に設けられたロータリーバルブ18の回転によって、吸込み用バルブ18Aの幅広溝部18A1と吐出用バルブ18Bの幅広溝部18B1が各シリンダ室9A〜9Dへ連通する連通路31A〜31Dと連通した連通孔3a〜3dが仕切り壁18Cにより遮断されたり連通したりすることを繰り返しながら、流体の吸込み、吐出動作の切替えを行うことができる。また、各シリンダ室9A〜9Dと吸込み用バルブ18A及び吐出用バルブ18Bとの間を連絡する連通路31A〜31Dを共用し、吸込み用バルブ18Aと吐出用バルブ18Bとの間の流体の移動も連通路31A〜31Dを用いて幅広溝部18A1と幅広溝部18B1を互いに連通させることで、ケース体4における連通路31A〜31Dの占める容積を減らして流体の圧送吐出動作に寄与しない流路のデッドスペース比率を低減することができる。
ここでロータリーバルブ18の開閉動作について、図9に示す第一両頭ピストン組14及び第二両頭ピストン組15の移動位置の模式図と対応するロータリーバルブ18の正逆回転における入口側流路と出口側流路に対するバルブ切替状態を示す断面説明図を参照しながら説明する。図9の左半図はロータリーバルブ18が原点位置から反時計回り方向に30°ずつ90°回転するまでのバルブ切替状態を第一両頭ピストン組14及び第二両頭ピストン組15の移動状態とともに模式的に表したものであり、図9の右半図はロータリーバルブ18が原点位置から60°回転した位置から‐30°まで時計回り方向に回転するまでのバルブ切替状態を第一両頭ピストン組14及び第二両頭ピストン組15の移動状態とともに模式的に表したものである。ロータリーバルブ18は、流体の入口側に接続する吸込み用バルブ18Aを斜線で示し、流体の出口側に接続する吐出用バルブ18Bを白抜きで示している。シャフト5の回転方向は、駆動ギア16aからアイドラギア16bを介して内歯車16cに伝達されるため、ロータリーバルブ18の回転方向と一致している(図3参照)。
図9左半図において、シャフト5が0°(即ち原点位置)にあるとき、第二両頭ピストン組15は移動下端にあって反対方向(移動上端)へ向かって切り替わる途中にあり、シリンダ室9Dとシリンダ室9Bへの流路は一時的に遮断されている。また、第一両頭ピストン組14は、移動左端に向かって移動中であり、シリンダ室9Aへ流体の吐出動作を継続中であり、シリンダ室9Cへ新たな流体の吸込み動作を継続中である。
このとき、ロータリーバルブ18も0°(即ち原点位置)にあり、連通路31D,31Bが仕切り壁18Cにより一時的に遮断され、連通路31Aが吐出用バルブ18B(幅広溝部18B1)に臨み、連通路31Cが吸込み用バルブ18A(幅広溝部18A1)に臨む位置にある。
シャフト5が反時計回り方向(正回転方向)に90°回転すると、第二両頭ピストン組15は移動上端に向かって移動中であり、シリンダ室9Dから流体の吐出動作を継続中であり、シリンダ室9Bへ新たな流体の吸込み動作を継続中である。また、第一両頭ピストン組14は、移動左端にあって反対方向(移動右端)へ移動方向が切り替わる状態にあり、シリンダ室9Aとシリンダ室9Cへの流路は一時的に遮断されている。
このとき、ロータリーバルブ18は、ギア比1/3により回転角度が反時計回り方向に30°まで回転し、連通路31A,31Cは仕切り壁18Cにより一時的に遮断され、連通路31Dは吐出用バルブ18B(幅広溝部18B1)に臨み、連通路31Bは吸込み用バルブ18A(幅広溝部18A1)に臨む位置にある。
シャフト5が反時計回り方向に180°回転すると、第二両頭ピストン組15は移動上端にあって反対方向(移動下端)へ移動方向が切り替わる状態にあり、シリンダ室9Dとシリンダ室9Bへの流路は一時的に遮断されている。また、第一両頭ピストン組14は、移動右端に向かって移動中であり、シリンダ室9Aへ新たな流体の吸込み動作を継続中であり、シリンダ室9Cから流体の吐出動作を継続中である。
このとき、ロータリーバルブ18は反時計回り方向に60°まで回転し、連通路31D,31Bは仕切り壁18Cにより一時的に遮断され、連通路31Aは吸込み用バルブ18A(幅広溝部18A1)に臨む位置にあり、連通路31Cは吐出用バルブ18B(幅広溝部18B1)に臨む位置にある。
シャフト5が反時計回り方向に270°回転すると、第二両頭ピストン組15は移動下端に向かって移動中であり、シリンダ室9Dへ新たな流体の吸込み動作を継続中であり、シリンダ室9Bから流体の吐出動作を継続中である。また、第一両頭ピストン組14は、移動右端にあって反対方向(移動左端)へ向かって切り替わる途中にあり、シリンダ室9Aとシリンダ室9Cへの流路は一時的に遮断されている。
このとき、ロータリーバルブ18は反時計回り方向に90°まで回転し、連通路31A,31Cは仕切り壁18Cにより一時的に遮断され、連通路31Dは吸込み用バルブ18A(幅広溝部18A1)に臨む位置にあり、連通路31Bは吐出用バルブ18B(幅広溝部18B1)に臨む位置にある。
シャフト5が360°回転すると、原点位置に戻り、第一、第二両頭ピストン組14,15は同様の動作を繰り返す。また、ロータリーバルブ18も原点位置に戻って同様の動作を繰り返す。
次に、ロータリーバルブ18(シャフト5)を逆回転(時計回り方向に回転)する場合について説明する。ロータリーバルブ18を正回転から逆回転させる場合には、流体の入口と出口を入れ替える必要がある。この場合にケース体4に接続される吸込み用配管2aと吐出用配管2bの上下位置を入れ替えるか(図1(E)参照)、或いはピストン位置を変えずに、ロータリーバルブ18を6分割された1ピッチ(60°)分だけ逆回転方向にずらして原点位置とする、のうちからいずれかを選択することになる。本実施例では、後者のピストン位置を変えずに、ロータリーバルブ18を1ピッチずらして原点位置とする方法を選択している。尚、この原点位置の調整は図3に示すようにナット30を緩めてロータリーバルブ18を所定位置まで回転させるだけで行うことができる。
図9右半図において、シャフト5が0°(即ち原点位置)にあるとき、第二両頭ピストン組15は移動下端にあって反対方向(移動上端)へ向かって切り替わる途中にあり、シリンダ室9Dとシリンダ室9Bへの流路は一時的に遮断されている。また、第一両頭ピストン組14は、移動右端に向かって移動中であり、シリンダ室9Aへ新たな流体の吸込み動作を継続中であり、シリンダ室9Cから高圧流体の吐出動作を継続中である。
このとき、ロータリーバルブ18は60°(1ピッチ逆回転方向にずらした原点位置)にあり、連通路31D,31Bが仕切り壁18Cにより一時的に遮断され、連通路31Aが吸込み用バルブ18A(幅広溝部18A1)に臨み、連通路31Cが吐出用バルブ18B(幅広溝部18B1)に臨む位置にある。
シャフト5が時計回り方向に90°まで回転すると、第二両頭ピストン組15は移動上端に向かって移動中であり、シリンダ室9Dから流体の吐出動作を継続中であり、シリンダ室9Bへ新たな流体の吸込み動作を継続中である。また、第一両頭ピストン組14は、移動右端にあって反対方向(移動左端)へ移動方向が切り替わる状態にあり、シリンダ室9Aとシリンダ室9Cへの流路は一時的に遮断されている。
このとき、ロータリーバルブ18は、ギア比1/3により回転角度が時計回り方向に30°まで回転し、連通路31A,31Cは仕切り壁18Cにより一時的に遮断され、連通路31Dは吐出用バルブ18B(幅広溝部18B1)に臨み、連通路31Bは吸込み用バルブ18A(幅広溝部18A1)に臨む位置にある。
シャフト5が時計回り方向に180°まで回転すると、第二両頭ピストン組15は移動上端にあって反対方向(移動下端)へ移動方向が切り替わる状態にあり、シリンダ室9Dとシリンダ室9Bへの流路は一時的に遮断されている。また、第一両頭ピストン組14は、移動左端に向かって移動中であり、シリンダ室9Cへ新たな流体の吸込み動作を継続中であり、シリンダ室9Aから流体の吐出動作を継続中である。
このとき、ロータリーバルブ18は時計回り方向に0°まで回転し、連通路31D,31Bは仕切り壁18Cにより一時的に遮断され、連通路31Cは吸込み用バルブ18A(幅広溝部18A1)に臨む位置にあり、連通路31Aは吐出用バルブ18B(幅広溝部18B1)に臨む位置にある。
シャフト5が時計回り方向に270°まで回転すると、第二両頭ピストン組15は移動下端に向かって移動中であり、シリンダ室9Dへ新たな流体の吸込み動作を継続中であり、シリンダ室9Bから流体の吐出動作を継続中である。また、第一両頭ピストン組14は、移動左端にあって反対方向(移動右端)へ向かって切り替わる途中にあり、シリンダ室9Aとシリンダ室9Cへの流路は一時的に遮断されている。
このとき、ロータリーバルブ18は時計回り方向に‐30°まで回転し、連通路31A,31Cは仕切り壁18Cにより一時的に遮断され、連通路31Dは吸込み用バルブ18A(幅広溝部18A1)に臨む位置にあり、連通路31Bは吐出用バルブ18B(幅広溝部18B1)に臨む位置にある。
シャフト5が360°回転すると、原点位置に戻り、第一、第二両頭ピストン組14,15は同様の動作を繰り返す。また、ロータリーバルブ18も1ピッチ逆回転方向にずらした原点位置に戻って同様の動作を繰り返す。
以上のように、シャフト5及びロータリーバルブ18を正回転させる場合のみならず逆回転させる際にも、ロータリーバルブ18の原点位置を調整するだけで実現できるので、汎用性が広がる。
次に、流体回転機の組立構成の一例について図5を参照して説明する。
図5において、先ずケース体4に収納される回転体を組み立てる。第三軸受23a,23bを筒体13a,13bの外周に各々組み付け、第三軸受23a,23bを介して第一,第二両頭ピストン組14,15を、十字状に交差するように嵌め込む。また、偏心カム13の筒体13a,13b内に軸受ホルダ21a,21bを挿入し、第二軸受22a,22bを軸受保持部21c,21dに組み付け、偏心カム13の中心孔に第二軸受22a,22bを介して第一クランク軸11を組み付ける。また、第一クランク軸11の両端に第一,第二バランスウェイト12a,12b、シャフト5a,5bを第一,第二バランスウェイト12a,12bに一体に組み付ける(図2参照)。
次に、上述した回転体を第一ケース体1及び第二ケース体2に収容する。このとき、予め、第一ケース体1及び第二ケース体2にはガイド軸受25aが同軸に組み付けられたガイド軸25を組み付けておく。回転体は、シャフト5aが第一ケース体1の第一軸受19aにシャフト5bが第二ケース体2の第一軸受19bに回転可能に支持される。
また、第一,第二両頭ピストン組14,15のピストン本体14d,15dに設けられた長孔14e,15eにガイド軸25を挿入して、孔壁面にガイド軸受25aを当接するように嵌め込む(図2参照)。第一ケース体1は第二ケース体2に対して4隅に設けられたボルト6をねじ嵌合させて一体に組み付けられる。
また、第一ケース体1及び第二ケース体2の四方の側面には、シリンダ9、シリンダヘッド8が各々組み付けられる。このとき、第二ケース体2の各側面に穿孔された連通孔2cには、両端にOリング33が嵌め込まれた管状シール材32が嵌め込まれ、シリンダ9にとの間で挟み込まれて組み付けられる。また、シリンダ9とシリンダヘッド8との間にはOリング34が挟み込まれて組み付けられる。シリンダヘッド8とシリンダ9は、例えば6か所でボルト10によって第一ケース体1及び第二ケース体2の側面に一体に組み付けられる。なお、吸込み用配管2a、吐出用配管2bは、第二ケース体2のコーナー部において図示しないシールリング及び接続管を介して組み付けられる。
また、図5に示すように、第二ケース体2より突設されるシャフト5bに駆動ギア16aをアイドラギア16bと噛み合うように組み付け、第四軸受27を組み付けられた内歯車16cをアイドラギア16bと噛み合うように重ね合わせる。そして、内歯車16cの中心孔16c2に押圧部材28を挿入し、内歯車16cと自在継手17を一対の嵌合突起16c1が一対の嵌合用切欠き部17aと各々径方向に摺動可能に嵌め合うように重ね合わせる。また、自在継手17とロータリーバルブ18を一対の嵌合突起17bが一対の嵌合孔18bと径方向に摺動可能に嵌め合うように重ね合わせる。そして、押圧部材28に環状のワッシャー29を重ねてナット30をシャフト5bの端部にねじ嵌合することで減速機構16とロータリーバルブ18が一体に組み付けられる。
最後に第三ケース体3を第二ケース体2に組み付ける。具体的には、筒体3AをOリング36を介して第二ケース体2に嵌め込んでボルト38をねじ嵌合させて組み付け、Oリング37を介して蓋体3Bを筒体3Aの端面に重ねあわせてボルト7によりねじ嵌合することで、ケース体4内にシャフト5を中心とする回転体が収納された流体回転機が組み立てられる。このとき、ロータリーバルブ18に形成された吸込み用バルブ18A,吐出用バルブ18Bと連通路3A〜3Dは幅広溝部18A1,18B1に臨むように対向可能に配置され、各シリンダ室9A〜9Dと共通の連通路31A〜31Dを介して連通可能に組み付けられる(図2(A)(B)参照)。
上述のように組み立てられた流体回転機は、第一,第二両頭ピストン組14,15の第二仮想クランク軸(図示せず)を中心とした第一の回転バランス、第一クランク軸11を中心とする第二の回転バランス及び回転体のシャフト5a,5bを中心とする第三の回転バランスが第一,第二バランスウェイト12a,12bによりバランス取りされて組み立てられている。
シャフト5a,5bを中心とする半径rの第一クランク軸11の回転運動と、第一クランク軸11を中心とする半径rの偏心カム13の回転運動により、第一,第二両頭ピストン組14,15が相対的に回転しながらシャフト5a,5bを中心とする第二仮想クランク軸の半径2rの転がり円の径方向(内サイクロイドの軌跡)に沿って直線往復運動を行なう。このとき、シャフト5bと同軸状に一体に組み付けられているロータリーバルブ18によって、各シリンダ室9A〜9Dに対する流体の吸込み動作と吐出動作の切り換えが行なわれる。
上記流体回転機を用いれば、ロータリーバルブ17は、吸込み用バルブ18Aと吐出用バルブ18Bを、仕切り壁18Cを介して一体に形成されており、各シリンダ室9A〜9Dと吸込み用バルブ18Aと吐出用バルブ18Bとの連通路31A〜31Dを共通化して備えているので、流体の圧送吐出動作に寄与しない流路のデッドスペース比率を低減し、ポンプ性能を向上させることができる。
また、流体の入口側流路に接続する吸込み用バルブ18Aと出口側流路に接続する吐出用バルブ18Bの組み合わせがn(n;バルブ分割数であって奇数)個となるように周方向に分割されて形成されているので、ロータリーバルブ18の回転に伴いオイルの粘性抵抗による影響をロータリーバルブ18の回転を減速することにより小さくして、入力に対する出力の損失を低減することができる。
また、ロータリーバルブ18に吸込み用バルブ18Aと吐出用バルブ18Bを併設することで、バルブ径(D)とバルブ高さ(L)の比(D/L)が小さくなるので、一般論としてロータリーバルブ18はロックし難くなりシャフト5bと共に円滑に回転させることができる。
尚、上述した実施例では駆動ギア16aと内歯車16cとのギア比が1対3あるは1対5の場合を例示したが、バルブ分割数nと減速機構16の構成及びロータリーバルブ18の回転方向の関係をまとめると以下のようになる。
すなわち、バルブ分割数nの値がn=4m+3(m=0,1,2,3…)場合には、図3に示す減速機構16の構成と同様であり駆動ギア16aとアイドラギア16bを介して内歯車16cが噛み合う構成となる。このとき、ロータリーバルブ18の回転方向はシャフト5bの回転方向と逆方向となる。
一方、バルブ分割数nの値がn=4m+1(m=0,1,2,3…)場合には、図3に示す減速機構16のアイドラギア16bに更にアイドラギアを1つ噛み合わせて内歯車16cと噛み合う構成となる。このとき、ロータリーバルブ18の回転方向はシャフト5bの回転方向と同一方向となる。
上記いずれの減速機構の構成を採用するかは、流体回転機の種類や装置構成(減速比)などによって適宜選択される。
上述した実施例は、4ヘッドのシリンダを備えた流体回転機について説明したが、2ヘッドないしは6ヘッド以上のシリンダを備えた流体回転機であってもよい。
また、流体回転機の一例として流体モータを例示して説明したが、これらに限定されるものではなく、気送ポンプ、液送ポンプ、真空ポンプ、気送コンプレッサー、多段圧縮機等、他の装置に適用することも可能である。
1 第一ケース体 2 第二ケース体 2a 吸込み用配管 2b 吐出用配管 3 第三ケース体 3A 筒体 3B 蓋体 3a〜3d 連通孔 4 ケース体 5,5a,5b シャフト 6,7,10,20a,20b,24,38 ボルト 8 シリンダヘッド 9 シリンダ 9A〜9D シリンダ室 11 第一クランク軸 12a 第一バランスウェイト 12b 第二バランスウェイト 13 偏心カム 13a,13b 筒体 14 第一両頭ピストン組 14a,15a ピストンヘッド部 14b,15b シールカップ 14c,15c シールカップ押さえ部材 14d,15d ピストン本体 14e,15e 長孔 15 第二両頭ピストン組 16 減速機構 16a 駆動ギア 16b アイドラギア 16c 内歯車 16c1 嵌合突起 16c2 中心孔 16c3 軸受保持部 17 自在継手 17a 嵌合用切欠き部 17b 嵌合突起 17c 中心孔 18 ロータリーバルブ 18a ハブ 18b 嵌合孔 18A 吸込み用バルブ 18A1,18B1 幅広溝部 18A2,18B2 幅狭溝部 18B 吐出用バルブ 18C 仕切り壁 19a,19b 第一軸受 21a,21b 軸受ホルダ 21c,21d 軸受保持部 22a,22b 第二軸受 23a,23b 第三軸受 25 ガイド軸 25a ガイド軸受 26 抜け止めピン 27 第四軸受 28 押圧部材 28a フランジ部 29 ワッシャー 30 ナット 31A〜31D 連通路 32 管状シール材 33,34,35,36,37 Oリング

Claims (3)

  1. シャフトの軸心に対して偏心して組み付けられ、当該シャフトを中心に半径rの第一仮想クランクアームを介して回転可能に組み付けられた第一クランク軸と、
    前記第一クランク軸の軸心に対して偏心した複数の第二仮想クランク軸を軸心とする筒体が連続して形成された偏心カムと、
    前記偏心カムに互いに交差したまま組み付けられ、前記第一クランク軸を中心とする半径rの第二仮想クランクアームの回りを相対的に回転可能に組み付けられた複数の両頭ピストン組と、
    前記第一クランク軸の両端部に各々組み付けられ、前記シャフトを中心に組み付けられた回転部品間の回転バランスをとる第一,第二バランスウェイトと、
    前記シャフトを回転可能に軸支し、当該シャフトを中心に回転若しくは相対回転する回転部品を収容するとともに前記複数の両頭ピストン組が往復動するシリンダが組み付けられたケース体と、
    前記シャフトの回転に伴って回転し、前記ケース体に形成される各シリンダ室に対する流体の吸込み動作と吐出動作の切り換えを行なうロータリーバルブと、
    前記第一クランク軸に組み付けられた前記偏心カムが相対的に回転することで、前記偏心カムに交差して組み付けられた前記複数の両頭ピストン組が内サイクロイドの軌跡に沿って各シリンダ内を直線往復運動する流体回転機であって、
    前記ロータリーバルブの外周面に前記ケース体側の流体の入口側流路に接続する前記吸込み用バルブと出口側流路に接続する前記吐出用バルブが一対となって仕切り壁で仕切られて周回して形成されており、前記吸込み用バルブと前記吐出用バルブの組み合わせがn(n;バルブ分割数であって奇数)個となるように周方向に分割されて形成され、前記ケース体内に前記各シリンダ室と前記吸込み用バルブ並びに前記吐出用バルブとの連通路を共通化して備えていることを特徴とする流体回転機。
  2. 前記ロータリーバルブは、前記ケース体内に前記シャフトの一端側に自在継手を介して一体的に組み付けられ、前記シャフトの回転を減速して駆動伝達する減速機構を介して駆動伝達される請求項1記載の流体回転機。
  3. 前記吸込み用バルブと前記吐出用バルブは、幅広溝部と幅狭溝部が交互に周回して形成されており、前記ケース体に形成され前記各シリンダ室と連通する連通路に連なる連通孔は、前記仕切り壁で仕切られた前記吸込み用バルブ及び吐出用バルブを含む溝幅の中心線上であって前記幅広溝部に臨むように周方向で等間隔に形成されている請求項1又は2記載の流体回転機。
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