JP3561226B2 - 多連型ポンプ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力噴霧機や洗浄機等で用いられるポンプ装置に関し、特に、複数の強制弁式ピストンポンプを並設してなる多連型のポンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
農業用薬剤を噴霧するための動力噴霧機等においては、吸込効率及び吐出効率の高さや小型軽量化が可能なことから、強制弁式ないしはユニフロー式と称される型式のピストンポンプから構成されたポンプ装置が広く用いられている。従来の強制弁式ピストンポンプは、例えば特開平11−50969号公報に開示されているように、ピストンに吸込弁が組み込まれたものが一般的である。
【0003】
より詳細に述べるならば、図9及び図10に示すように、従来一般の強制弁式ピストンポンプ1におけるピストン2は、ピストンロッド3の先端に固定され流体通路用貫通孔4が形成されたストッパ5と、このストッパ5から他端側に所定の間隔を置いてピストンロッド3に固定された弁座6と、ストッパ5と弁座6との間にてピストンロッド3に遊嵌され且つシリンダ7の内壁面に摺動可能に接する弁体8とから構成されている。このような構成のピストン2を図9において矢印で示すようにシリンダ7の一端の吐出弁(図示しない)側に前進させると、弁座6と弁体8が互いに密着し、液圧により吐出弁が開放されて薬剤等の流体を吐き出す。また、これと同時に、シリンダ7の他端側の吸込口(図示しない)から吸水が行われる。一方、ピストン2を逆方向に移動させると、弁座6から弁体8が離れ、先に吸い込まれた流体が弁体8とピストンロッド3との間からストッパ5の貫通孔4を経て、ピストン2と吐出弁との間に送られる。
【0004】
また、ピストンポンプ1が1個のみであると、吐出量がピストン2の位置により変化し脈動が生じるので、動力噴霧機等において用いられる従来のポンプ装置は、通常、複数のピストンポンプ1が並設された多連型とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような従来の多連型ポンプ装置では、図9及び図10に示すように、ピストン2がピストンロッド3に同軸に取り付けられている。このため、ピストン2の外径は隣合うピストンロッド3間の間隔によって規制される。すなわち、ピストンロッド3間の間隔からシリンダ7の肉厚を引いた値がピストン2の外径(シリンダ7の内径)の最大値となる。
【0006】
ピストンポンプ1においては、吐出量はストローク容積により定まるため、現状よりも吐出量を増やそうとした場合、ピストンロッド3間を広げてピストン2の外径を大きくするか、ピストン2のストロークを大きくする必要がある。
【0007】
しかし、いずれの場合も、ピストンポンプを駆動するための駆動手段(図1の符号14を参照)、具体的にはコネクティングロッド及び/又はクランク軸の大型化を招き、ポンプ装置全体が大型化してしまうという問題がある。また、従来製品の部品、特にクランク軸、コネクティングロッド及びクランクケースを援用することができないので、不経済である。
【0008】
また、クランク軸の回転数を上げることで吐出量を増加させる方法もあるが、騒音や耐久性の低下という問題がある。
【0009】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、外形の大きさに対して吐出量が大きな多連型のポンプ装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、互いに平行に配置された複数のピストンポンプ(12)と、これらのピストンポンプ(12)を駆動する駆動手段(14)とを備える多連型ポンプ装置(10)において、各ピストンポンプ(12)を、シリンダ(30)と、シリンダ(30)内で摺動すると共に、シリンダ(30)の内部を吸込口(28)と連通する第1室(30a)と吐出口(38)に連通する第2室(30b)とに仕切るピストン(32)であって、第1室(30a)の側への移動時に開弁して第1室(30a)及び第2室(30b)を互いに連通させ、第2室(30b)の側への移動時に閉弁して第2室(30b)内の流体を吐出口(38)に圧送すると共に第1室(30a)内に吸込口(28)から流体を吸い込む弁を有するピストン(32)と、ピストン(32)が取り付けられたピストンロッド(20)とから構成し、且つ、少なくとも1対の隣合うピストンポンプ(12)におけるピストン(32)の中心軸線(C)間の間隔(P)を、当該隣合うピストンポンプ(12)におけるピストンロッド(20)の中心軸線(C)間の間隔(P)よりも大きくしたことを特徴としている。駆動手段(14)としては、回転駆動されるクランク軸(18)と、各ピストンポンプ(12)のピストンロッド(20)とクランク軸(18)とを連結するコネクティングロッド(22)とを備えたものがある。
【0011】
この構成においては、ピストンロッド(20)間の間隔及びシリンダ(30)の肉厚を従来と同等とした場合、ピストン(32)の外径は従来のものよりも大きくすることができる。従って、ポンプ装置(10)の吐出量が増大する。また、ピストンロッド(20)を駆動する駆動手段(14)については従来構成と同等の寸法のものをそのまま用いることができる。逆にピストン(32)間の間隔を従来と同一とした場合には、ピストンロッド(20)間の間隔は従来よりも小さくなるため、駆動手段(14)を小型化することが可能となる。
【0012】
本発明のポンプ装置(10)は、例えば3個のピストンポンプ(12a,12b,12c)が一定の間隔で配列されている場合においては、中央に配置されているピストンポンプ(12b)におけるピストンロッド(20)を対応のピストン(32)に同軸に取り付け、外側に配置されているピストンポンプ(12a,12c)におけるピストンロッド(20)を対応のピストン(32)に、当該ピストン(32)の中心軸線(C)から中央に配置されているピストンポンプ(12b)の側に偏倚して、取り付けることが有効である。
【0013】
また、弁機能を有するピストン(32)の構成としては、ピストンロッド(20)の一端に固定され流体通路用の貫通孔(50)が形成されたストッパ(44,45)と、ストッパ(44,45)から他端側に所定の間隔を置いてピストンロッド(20)に固定された弁座(46,47)と、ストッパ(44,45)と弁座(46,47)との間にてピストンロッド(20)に遊嵌され且つシリンダ(30)の内壁面に摺動可能に接する弁体(48,49)とを備えるものがある。
【0014】
かかる構成において、ピストン(32)の中心軸線(C)からピストンロッド(20)の中心軸線(C)が偏倚された状態でピストン(32)がピストンロッド(20)に取り付けられているピストンポンプ(12a,12c)に関しては、ピストン(32)におけるストッパ(45)及び弁座(47)の、ピストンロッド(20)の中心軸線(C)回りに関する位置を定める位置決め手段(66,68)を備えることが好ましい。
【0015】
また、ピストン(32)の弁座(47)を、ピストン(32)の中心軸線(C)及びピストンロッド(20)の中心軸線(C)を結ぶ平面に直交すると共にピストンロッド(20)の中心軸線(C)を含む平面(P)よって第1部分(47a)と、この第1部分よりも面積の小さな第2部分(47b)とに区切り、第1部分(47a)の外面(ストッパとは反対側の面)に対する流体抵抗を、第2部分(47b)の外面(ストッパとは反対側の面)に対する流体抵抗よりも小さくなるように形成することが、流体抵抗の違いによりピストン(32)等に発生する曲げ応力を低減するために望ましい。
【0016】
そのための形状としては種々考えられるが、少なくとも第1部分(47a)の外面を第1室(30a)の側に凸状となる球面の一部から構成し、当該第1部分(47a)の外周部の肉厚が第2部分(47b)の外周部の肉厚よりも薄くなるようにしたものが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明するが、図中、同一又は相当部分には同一符号を付することとする。
【0018】
図1は、本発明により構成されたポンプ装置10を示す縦断面図であり、図2は図1のポンプ装置10の一部を示す水平断面図、図3は図2のIII−III線に沿っての断面図である。図示のポンプ装置10は動力噴霧機等に好適に用いられ、3個の強制弁式ピストンポンプ12(以下、必要に応じて添字a,b,cを付す)が並設されてなる主要部と、ピストンポンプ12を駆動する駆動部(駆動手段)14とから構成された3連型である。
【0019】
駆動部14は、クランクケース16と、クランクケース16の外部に配置される例えば電動モータ等の駆動源(図示しない)と、クランクケース16内に配置され且つ駆動源の回転軸に接続されるクランク軸18と、各ピストンポンプ12におけるピストンロッド20とクランク軸18とを連結するコネクションロッド22とから主として構成されている。
【0020】
クランクケース16のピストンポンプ12側の端部にはシリンダ元金具23が接続されている。このシリンダ元金具23には、農業用薬剤等の流体を吸い込む一つの吸込口28と、当該吸込口28から分岐して各ピストンポンプ12に流体を輸送する分岐流路26が形成されている。また、シリンダ元金具23には、クランクケース16側から流体が漏出しないよう、シール部材24が設けられ、各ピストンロッド20の外周面に液密に接している。
【0021】
ポンプ装置10の主要部を構成する各ピストンポンプ12は、シリンダ30と、このシリンダ30内に往復動可能に配置され且つシリンダ30内を第1室30aと第2室30bに区切るピストン32とを備えている。ピストン32はピストンロッド20の一端に取り付けられている。ピストンロッド20の他端は駆動部14の方向に延び、前述したようにコネクティングロッド22を介してクランク軸18に連結されている。ピストン32は吸込弁としても機能するものであり、この点については後述する。
【0022】
3本のシリンダ30は、互いに平行に且つ図3に示すようにそれぞれの中心軸線Cが同一平面に置かれるよう配置されており、図示実施形態においては隣合うシリンダ30間は互いに密着されている。これらのシリンダ30の一端はシリンダ元金具23に接続され、他端はシリンダ先金具34に接続されている。これにより、3本のシリンダ30は一体化されている。
【0023】
シリンダ先金具34内には、各シリンダ30の一端の開口部と連通する吐出流路36と、これらの吐出流路36が合流し吐出口38に続く主流路40とが形成されている。各吐出流路36には吐出弁42が設けられている。吐出弁42は、シリンダ30内から主流路40への流れのみを許容する逆止弁である。
【0024】
図1〜図3から諒解される通り、互いに平行に配置された3個のピストンポンプ12における中央のものは、従来構成と実質的に同様である。すなわち、中央のピストンポンプ12bにおけるシリンダ30、ピストン32及びピストンロッド20は同軸に配置されている。
【0025】
中央のピストンポンプ12bにおけるピストン32は、図4に明示するように、ストッパ44と、ストッパ44から駆動部14の側に所定の間隔を置いて配置された弁座46と、ストッパ44と弁座46との間に配置された弁体48とを備えている。
【0026】
ストッパ44は、その外径がシリンダ30の内径よりも小さな円形プレートであり、複数の流体流通用の貫通孔50が形成されている。また、弁座46もシリンダ30の内径より小さな外径の円形プレートであるが、貫通孔等は形成されていない。弁座46及びストッパ44の中央には貫通孔52,54が形成されており、これらの貫通孔に、ピストンロッド20の先端部に形成された縮径部56が通されるようになっている。弁体48は、内径がピストンロッド20の縮径部56の外径よりも大きく且つ弁座46側の端面が弁座46の内面(ストッパ44側の表面)に密着可能となっている環状体58と、この環状体58の外周に装着されシリンダ30の内壁面に摺動可能に接する環状のピストンパッキン60とから構成されている。
【0027】
このようなピストン32は、弁座46、弁体48及びストッパ44の順番でピストンロッド20の縮径部56に嵌合し、縮径部56の先端に形成されたねじ部にナット62を螺合させることで、ピストンロッド20に取り付けられる。なお、符号64は弁座46とストッパ44との間の間隔を維持するために、ピストンロッド20の縮径部56に嵌合されたスペーサである。
【0028】
両側のピストンポンプ12a,12cにおけるピストン32もまた、図5に示すように(図5はピストンポンプ12aに関するものであるが、ピストンポンプ12cはピストンポンプ12aとは鏡像関係にあるので、図示は省略する)、ストッパ45、弁座47及び弁体49をその構成要素としている。弁体49については中央の弁体48と同一であり、ストッパ45及び弁座も中央のストッパ44及び弁座46と同一外径の円形プレートである点で同一である。ストッパ45は複数の流体通路用の貫通孔50も有している。
【0029】
しかしながら、これらのピストンポンプ12a,12cにおいては、ピストンロッド20は、その中心軸線Cがピストン32の中心軸線Cとは平行であるが、中央のピストンポンプ12bの側に偏倚した位置となるように配置されていることから、ストッパ45及び弁座47は、中央のストッパ44及び弁座46と相違して、ピストンロッド20に取り付けるための貫通孔53,55が偏心して設けられている(図6及び図7参照)。
【0030】
また、図3に示すように、3本のピストンロッド20の中心軸線Cは、ピストン32ないしはシリンダ30の中心軸線Cを含む平面に置かれ、隣合うピストンロッド20の中心軸線C間の間隔Pは等しくされることが、一般的な構成のコネクティングロッド22及びクランク軸18を用いることができるので好適である。斯くして、隣合うピストン32の中心軸線C間の間隔Pは、隣合うピストンロッド20の中心軸線C間の間隔Pよりも大きくなっている。
【0031】
ところで、ピストン32の各構成要素はシリンダ30と同軸である必要があるため、両側のピストンポンプ12a,12cにおけるストッパ45及び弁座47は、ピストンロッド20に対する周方向の向きが常に一定でなければならない。そこで、ストッパ45及び弁座47と、ピストンロッド20の縮径部56との間に位置決め手段を設けることが好ましい。本実施形態では、位置決め手段として、図6及び図7に示すように、ストッパ45と弁座47の貫通孔53,55のそれぞれに、互いに平行な1対のオリエンテーションフラット66を設けると共に、ピストンロッド20の縮径部56の側面に互いに平行な1対の平面68を設けて、その断面形状を当該貫通孔53,55と相補的な形状としている。これにより、ピストンロッド20の位置が定まれば、当該ピストンロッド20に取り付けられたピストン32のストッパ45及び弁座47の向きは一義的に定まり、シリンダ30に対してピストン32の各構成要素を同軸に維持することが可能となる。これは、ピストン32のシリンダ30に対する組付け作業を容易化するものでもある。なお、位置決め手段としてはキー及びキー溝のようなものであってもよい。
【0032】
ここで、隣合うピストンロッド20の中心軸線C間の間隔Pが、図9及び図10に示す如き従来のポンプ装置におけるものと同一であるとした場合、隣合うピストン32の中心軸線C間の間隔Pを従来のものよりも大きくできることは理解されよう。言い換えるならば、ピストンロッド20を含む駆動部14の構成を従来のものから変更することなく、各ピストン32の外径(シリンダ30の内径)を大きくすることができるので、ポンプ装置10全体の吐出量を増加させることができる。駆動部14の構成の変更が不要であるということは、従来機との互換性を保ち、部品の援用を可能とするので、経済的効果もある。
【0033】
逆に、本実施形態におけるシリンダ30の内径を従来構成のシリンダ30の内径と同一とした場合、ピストンロッド20の中心軸線C間の間隔P、ひいてはコネクティングロッド22間の間隔及びクランク軸18の全長を小さくすることができるので、駆動部14を小型化することができる。
【0034】
更に、シリンダ30の内径は従来構成と同一とし、シリンダ30の肉厚を厚くすることもできる。かかる場合、吐出圧を高めることができるので、動力噴霧機において当該ポンプ装置10を用いた場合、噴霧距離を伸ばすことが可能である。
【0035】
上述したような構成のポンプ装置10の作用について次に説明する。
【0036】
駆動源(図示しない)を駆動させ、クランク軸18を所定の方向に回転させると、その回転力がコネクティングロッド22及びピストンロッド20を経て伝えられ、各ピストン32がシリンダ30内を往復動する。
【0037】
ピストン32が第2室30bの側から第1室30aの側に移動すると、ピストン32を構成する弁体48,49は、ピストンパッキン60とシリンダ30の内壁面との間の摩擦力、及び流体からの圧力を受け、ストッパ44,45側に移動してこれに当接し、弁座46,47からは分離する。この状態においては、弁座46,47とシリンダ30との間、弁体48,49とピストンロッド20との間、及び、ストッパ44,45の貫通孔50が開放され、第1室30aと第2室30bとは互いに連通した状態となる。これにより、第1室30a内に既に存在する流体はピストン32の移動に伴い第2室30bに移動する。
【0038】
この吸込工程においては、弁座46,47に貫通孔が形成されていないので、比較的大きな負荷を流体から受ける。この負荷は、両側のピストンポンプ12a,12cにおいてはピストンロッド20がピストン32に偏心して配置されているので、過大な応力を発生させる原因となるおそれがある。そこで、図5に明示するように、弁座47の外面(駆動部14側の表面)を特殊形状とすることが好ましい。
【0039】
より詳細に述べる。まず、図5及び図7に示すように、弁座47を第1部分47aと第2部分47bとから構成されているものとする。この第1部分47aと第2部分47bとは、ピストン32の中心軸線C及びピストンロッド20の中心軸線Cを結ぶ平面に直交すると共にピストンロッド20の中心軸線Cを含む平面Pより区切られたものである。第1部分47aの外面の面積は、第2部分47bの外面の面積よりも大きい。従って、第1部分47a及び第2部分47bが共に平坦なものであるならば、流体による負荷は、第1部分47aの方が第2部分47bよりも大きく作用することになり、弁座47自体に曲げ応力を作用させ、弁座47を支持しているピストンロッド20にも曲げ応力が作用することになる。そこで、図示実施形態では、第1部分47aに作用する負荷が第2部分47bに作用する負荷と同程度となるように、弁座47の外面を、中心が第2室30b側にあり第1室30a側に凸状となる球面の一部から構成すると共に、第1部分47aの外周部の肉厚が第2部分47bの外周部よりも大きくしている。これにより、中心軸線Cに対する第1部分47aの外面の平均傾斜角度は第2部分47bよりも鋭角となるので、第1部分47bにて受ける流体圧は第2部分47bに比して分散されることになる。よって、中心軸線Cに対して比較的に大きな角度となっている第2部分47bの外面に対する流体による負荷が第1部分47aの外面に対するものと平衡され、曲げ応力の発生が防止或いは抑制されることになる。勿論、第1部分47aの形状は、第2部分47bよりも流体抵抗の小さいものであれば良いので、その形状は図示のものに限られない。
【0040】
なお、中央のピストンポンプ12bに関しては、ピストンロッド20とピストン32とは同軸に配置されているので、上述したような曲げ応力の問題はなく、弁座46を特殊形状にする必要はない。
【0041】
ピストン32が第1室30aの側から第2室30bの側に移動すると、上述とは逆に弁体48,49が弁座46,47側に移動し、弁体48,49の環状体58の端面と弁座46,47の内面とが密着する。弁座46,47は貫通孔が設けられておらず、弁体48,49のピストンパッキン60は環状体58及びシリンダ30の間を封止しているので、弁体48,49と弁座46,47が接した状態では、第1室30aと第2室30bとの間はピストン32により液密に仕切られる。この状態で、ピストン32を第2室30b側に移動させると、第2室30b内の流体はシリンダ先金具34内の吐出弁42を開き、外部に吐き出される。同時に、第1室30aは負圧となるので、シリンダ元金具23の吸込口28から流体が第1室30aに吸い込まれる。
【0042】
この吐出工程と吸込工程を繰り返すことで、流体は吸込口28から吐出口38へと一方向に安定して流れる。
【0043】
以上、本発明の好適な実施形態について使用際に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0044】
例えば、上記実施形態では、ピストンポンプ12のシリンダ30の中心軸線C及びピストンロッド20の中心軸線Cが同一平面に配置されているが、図8に示すように、断面において3本のシリンダ30を二等辺三角形の如く配置することも考えられる。この場合、全てのピストンポンプ12について、ピストン32の中心軸線Cとピストンロッド20の中心軸線Cをずらして配置し、3本のピストンロッド20の中心軸線Cが同一平面上に置かれるようにすることが、駆動部の構成の変更を不要とするので好ましい。図8からも理解されるように、かかる配置では、隣合うピストンポンプ12のシリンダ30の中心軸線C間の間隔Pを隣合うピストンロッド20の中心軸線C間の間隔Pよりも、図1〜図3に示す構成に比して、更に大きくすることができるので、吐出量を一層増やすことが可能となる。
【0045】
また、上記実施形態は3連型のポンプ装置に関するものであるが、2連型及び4連型以上のポンプ装置の全てに本発明は適用可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、複数のピストンポンプからなる多連型ポンプ装置において、隣合うピストンロッドの中心軸線間の間隔が従来構成と同一であっても、ピストンの外径を大きくすることが可能となるため、ポンプ装置の外形を小さく維持したまま、吐出量を増加させることができる。
【0047】
また、吐出量を従来のものと同一とした場合には、ピストンロッドを動かすための駆動部の機構を小さくすることができるので、ポンプ装置の小型化が可能となり、作業性や取扱い性が向上する、という効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による3連型ポンプ装置の縦断面図である。
【図2】図1に示すポンプ装置の水平断面図であり、主要部を拡大して示す図である。
【図3】図2におけるIII−III線に沿っての断面図である。
【図4】中央のピストンポンプにおけるピストンの構成を示す断面図である。
【図5】外側のピストンポンプにおけるピストンの構成を示す断面図である。
【図6】図5のピストンにおけるストッパを示す正面図である。
【図7】図5のピストンにおける弁座を示す正面図である。
【図8】ピストンポンプの配置構成を変更した例を示す図3と同様な断面図である。
【図9】従来のポンプ装置の一部を示す水平断面図である。
【図10】図9のX−X線に沿って断面図である。
【符号の説明】
10…ポンプ装置、12(12a,12b,12c)…ピストンポンプ、14…駆動部(駆動手段)、18…クランク軸、20…ピストンロッド、22…コネクションロッド、28…吸込口、30…シリンダ、30a…第1室、30b…第2室、32…ピストン、38…吐出口、44,45…ストッパ、46,47…弁座、48,49…弁体、50…貫通孔、58…環状体、60…ピストンパッキン、66,68…オリエンテーションフラット(位置決め手段)。

Claims (7)

  1. 互いに平行に配置された複数のピストンポンプ(12)と、前記ピストンポンプ(12)を駆動する駆動手段(14)とを備える多連型ポンプ装置(10)において、
    前記ピストンポンプ(12)が、
    シリンダ(30)と、
    前記シリンダ(30)内で摺動すると共に、前記シリンダ(30)の内部を吸込口(28)と連通する第1室(30a)と吐出口(38)に連通する第2室(30b)とに仕切るピストン(32)であって、前記第1室(30a)の側への移動時に開弁して前記第1室(30a)及び前記第2室(30b)を互いに連通させ、前記第2室(30b)の側への移動時に閉弁して前記第2室(30b)内の流体を前記吐出口(38)に圧送すると共に前記第1室(30a)内に前記吸込口(28)から流体を吸い込む弁を有するピストン(32)と、
    前記ピストン(32)が取り付けられたピストンロッド(20)と
    を備え、
    少なくとも1対の隣合う前記ピストンポンプ(12)における前記ピストン(32)の中心軸線(C)間の間隔(P)が、当該隣合うピストンポンプ(12)における前記ピストンロッド(20)の中心軸線(C)間の間隔(P)よりも大きくされている多連型ポンプ装置。
  2. 3個の前記ピストンポンプ(12a,12b,12c)が一定の間隔で配列されている場合において、中央に配置されている前記ピストンポンプ(12b)における前記ピストンロッド(20)が対応のピストン(32)に同軸に取り付けられ、外側に配置されている前記ピストンポンプ(12a,12c)における前記ピストンロッド(20)が対応のピストン(32)に、当該ピストン(32)の中心軸線(C)から中央に配置されている前記ピストンポンプ(12c)の側に偏倚して取り付けられている請求項1に記載の多連型ポンプ装置。
  3. 前記ピストン(32)が、
    前記ピストンロッド(20)の一端に固定され流体通路用の貫通孔(50)が形成されたストッパ(44,45)と、
    前記ストッパ(44,45)から他端側に所定の間隔を置いて前記ピストンロッド(20)に固定された弁座(46,47)と、
    前記ストッパ(44,45)と前記弁座(46,47)との間にて前記ピストンロッド(20)に遊嵌され且つ前記シリンダ(30)の内壁面に摺動可能に接する弁体(48,49)と
    を備える請求項1又は2に記載の多連型ポンプ装置。
  4. 前記ピストン(32)の中心軸線(C)から前記ピストンロッド(20)の中心軸線(C)が偏倚された状態で前記ピストン(32)が前記ピストンロッド(20)に取り付けられている前記ピストンポンプ(12a,12c)において、
    前記ピストン(32)における前記ストッパ(45)及び前記弁座(47)の、前記ピストンロッド(20)の中心軸線(C)回りに関する位置を定める位置決め手段(66,68)を備える請求項3に記載の多連型ポンプ装置。
  5. 前記ピストン(32)の中心軸線(C)から前記ピストンロッド(20)の中心軸線(C)が偏倚された状態で前記ピストン(32)が前記ピストンロッド(20)に取り付けられている前記ピストンポンプ(12a,12c)において、
    前記ピストン(32)の前記弁座(47)が、前記ピストン(32)の中心軸線(C)及び前記ピストンロッド(20)の中心軸線(C)を結ぶ平面に直交すると共に前記ピストンロッド(20)の中心軸線(C)を含む平面(P)により区切られた第1部分(47a)と、前記第1部分よりも小さな面積の第2部分(47b)とを有し、
    前記ストッパ(45)とは反対側の前記第1部分(47a)の表面に対する流体による負荷が、前記ストッパ(45)とは反対側の前記第2部分(47b)の表面に対する流体による負荷よりも小さくなるように構成されている請求項3又は4に記載の多連型ポンプ装置。
  6. 少なくとも前記第1部分(47a)の前記表面を前記第1室(30a)の側に凸状となる球面の一部から構成し、当該第1部分(47a)の外周部の肉厚が前記第2部分(47b)の外周部の肉厚よりも薄くなるようにした請求項5に記載の多連型ポンプ装置。
  7. 前記駆動手段(14)が、回転駆動されるクランク軸(18)と、前記ピストンポンプ(12)の前記ピストンロッド(20)と前記クランク軸(18)とを連結するコネクティングロッド(22)とを備えている請求項1〜6のいずれか1項に記載の多連型ポンプ装置。
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