JP2002147363A - ベローズ式ポンプ装置 - Google Patents

ベローズ式ポンプ装置

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JP2002147363A
JP2002147363A JP2000344250A JP2000344250A JP2002147363A JP 2002147363 A JP2002147363 A JP 2002147363A JP 2000344250 A JP2000344250 A JP 2000344250A JP 2000344250 A JP2000344250 A JP 2000344250A JP 2002147363 A JP2002147363 A JP 2002147363A
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JP
Japan
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bellows
pump device
type pump
dead volume
volume filling
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JP2000344250A
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English (en)
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Eitaro Tanaka
田中  栄太郎
Shingo Morishima
信悟 森島
Hiroshi Kawai
博 河合
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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  • Reciprocating Pumps (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素循環ポンプとしてダイアフラムを用いた
ものが知られているが、ダイアフラムは伸縮量を大きく
とることができず、作動流体を大流量で循環させる場合
はポンプ装置の体格が大きくなってしまい、例えば車両
への搭載は困難であった。 【解決手段】 ベローズ式ポンプ装置は、ダイアフラム
に比較して伸縮変移量を多くとることができるベローズ
2を用いたベローズユニット1を、回転シャフト13の
周囲に4つづつ、合計8つ配置し、全てのベローズ2を
1枚の斜板14で往復駆動するものである。ベローズ式
ポンプ装置は、8つのベローズユニット1によって大流
量の作動流体を循環させることができる。また、ベロー
ズ式ポンプ装置の体格を小さくできるため、車両等への
搭載が容易になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作動流体を循環さ
せるベローズ式ポンプ装置に関するものであり、例えば
燃料電池用の水素循環ポンプに用いて好適な技術であ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の水素循環ポンプとして、特開平9
−259912号公報に開示された技術が知られてい
る。この公報に開示される水素循環ポンプは、ダイアフ
ラムによって区画された密閉空間の容積をダイアフラム
を変移させることによって変化させて、水素の吸入と吐
出とを行うものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ダイアフラムを用いた
ポンプ装置では、ダイアフラムの伸縮量を大きくとるこ
とができない。このため、燃料電池用の未反応ガスを循
環させるのに要求されるような大流量の循環には、ポン
プ装置の体格を大きくする必要がある。特に、車載用の
循環ポンプとして使用する場合は、ポンプ装置の体格が
大きくなると、ポンプ装置を車両に搭載するのが困難に
なってしまう。本発明の目的は、小さな体格で大流量の
循環が可能なベローズ式ポンプ装置の提供にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】〔請求項1の手段〕請求
項1の手段を採用することにより、ダイアフラムに比較
して伸縮変位量を多くとることができるベローズを用い
たベローズユニットが、回転シャフトと平行に複数配置
され、各ベローズユニットが斜板の回転によって作動す
るため、小さな体格のベローズ式ポンプ装置によって、
大流量の作動流体を循環させることができる。
【0005】〔請求項2の手段〕請求項2の手段を採用
することにより、ベローズが伸びてベローズ内に作動流
体を吸引する際、タンク室から安定して作動流体をベロ
ーズ内に吸引できる。このため、ベローズが伸びてベロ
ーズ内に作動流体を吸引する際、例えば他のベローズが
作動流体を吸引する際であっても、タンク室から安定し
て作動流体をベローズ内に吸引することができ、他のベ
ローズユニットの吸引作動の影響を小さく抑えることが
できる。
【0006】〔請求項3の手段〕請求項3の手段を採用
することにより、ベローズが伸びてベローズ内に作動流
体を吸引する際、タンク室の内部には約1回の吸引量の
作動流体が存在するため、例えば他のベローズが作動流
体を吸引する際であっても、タンク室から安定して作動
流体をベローズ内に吸引することができる。
【0007】〔請求項4の手段〕請求項4の手段を採用
することにより、ベローズの伸縮時に、ベローズの内側
に配置される死容積埋部材とベローズの内周とが接触し
ても、蛇腹の内周側の傾斜によってベローズが外側に逃
げる。このため、ベローズが死容積埋部材と接触して破
損する不具合を回避できる。
【0008】〔請求項5の手段〕請求項5の手段を採用
することにより、ベローズの伸縮時に、筒体によってベ
ローズと死容積埋部材とが干渉する不具合を回避でき
る。このため、ベローズが死容積埋部材と接触して破損
する不具合を回避できる。また、筒体によってベローズ
の振れが抑えられる。
【0009】〔請求項6の手段〕請求項6の手段を採用
することにより、ベローズが縮んだ際の作動室の容積を
小さくできる。つまり、作動流体の圧縮率が高まるた
め、ベローズによる作動流体の圧送ロスを低減でき、各
ベローズユニットのポンプ効率を高めることができる。
【0010】〔請求項7の手段〕請求項7の手段を採用
することにより、ベローズは駆動端側に戻ろうとする反
力が常に働くため、ベローズを高速で伸縮させても、駆
動端から離れた側でも伸縮に追従できる。このため、ベ
ローズを高速駆動した際に、駆動端側のみが伸縮する不
具合が回避でき、ベローズの耐久性を向上することがで
きる。
【0011】〔請求項8の手段〕請求項8の手段を採用
することにより、ベローズに圧送された高温の作動流体
が吐出孔から吐出されてデリバリプレートの外側を流れ
るため、作動流体の熱が外部に伝わりやすくなり、圧縮
された作動流体の放熱を効率的に行うことができる。こ
のため、圧縮された作動流体の昇温に伴う吐出効率の低
下を抑制できる。
【0012】〔請求項9の手段〕請求項9の手段を採用
することにより、デリバリプレートと、各ベローズユニ
ットとの接合箇所に設けるシールリングが、デリバリプ
レートの中心側の複数の孔の周囲のシールリングと、外
側の複数の孔の周囲のシールリングの2つで良い。この
ため、部品点数の低減および組付数の低減に伴うコスト
の低減を図ることができるとともに、シール箇所の低減
によって信頼性が向上する。
【0013】〔請求項10の手段〕請求項10の手段を
採用することにより、一方に溝を形成したプレートを2
枚合わせてデリバリプレートを形成する場合に比較し
て、重ね合わせた部分のシールをする必要がないため、
デリバリプレートから作動流体がリークする不具合を回
避でき、信頼性を高めることができる。
【0014】〔請求項11の手段〕請求項11の手段を
採用することにより、複数のベローズユニットのうちの
少なくとも1つのベローズユニットの作動によって、潤
滑油が摺動部等に供給されるため、潤滑油不足による摩
耗を防ぐことができ、ベローズ式ポンプの耐久性を向上
させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、複数の実
施例および変形例を用いて説明する。 〔第1実施例〕図1はベローズ式ポンプ装置の断面図、
図2はベローズユニット1の配置を示す斜視図、図3は
ベローズユニット1の概略断面図である。まず、図3を
参照してベローズユニット1の構成を説明する。なお、
この実施例に示すベローズユニット1は、例えば水素循
環に用いられるものであり、水素を透過せず、耐被毒性
および耐久性に優れた金属材料(例えばステンレス)に
よって構成されるものである。
【0016】ベローズユニット1は、軸方向に弾性的に
伸縮する蛇腹状の筒形を呈したベローズ2、このベロー
ズ2の駆動端側に固着されたキャップ3、ベローズ2の
内部に配置された死容積埋部材4を備え、ベローズ2の
伸縮による内部の容積変化を利用して作動流体の吸引と
圧送を行うものである。
【0017】ベローズ2は、図3中の右側端部が伸縮駆
動を受ける駆動端であり、図3中の左側端部が固定端で
ある。ベローズ2の駆動端は、円盤状のキャップ3にろ
う付けや溶接等の接合技術によって接合されるものであ
り、キャップ3が往復駆動されることによってベローズ
2の駆動端が往復駆動されるものである。ベローズ2の
固定端は、略円柱形状を呈した死容積埋部材4の図示左
側に設けられたフランジ4aに、ろう付けや溶接等の接
合技術によって接合されたものであり、ベローズ2、キ
ャップ3、死容積埋部材4に囲まれて外部と遮断された
空間によって、作動流体を吸入、圧縮するための作動室
5が形成される。
【0018】死容積埋部材4は、ベローズ2の内部空間
に生じる死容積を埋め、作動室5の作動流体圧縮比を向
上させて適切な圧縮比を得るための部材である。この死
容積埋部材4の作動室5側の角部6は、斜めに面取りが
成されており、ベローズ2の伸縮時に、ベローズ2の内
側に配置される死容積埋部材4とベローズ2の内周とが
接触しても、面取りによる角部6の傾斜によってベロー
ズ2が外側に逃げる。このため、ベローズ2が破損する
不具合を回避できる。ここで、死容積埋部材4の面取り
によって、作動室5内に死容積が生じてしまう。これを
回避するため、キャップ3の作動室5の内側を面取り形
状と嵌合する形状に設けた。
【0019】死容積埋部材4の内部には、作動室5へ作
動流体を導くための吸入通路7、および作動室5から圧
送された作動流体を外部へ導くための吐出通路8が形成
されている。これにより、ベローズユニット1における
吸入通路7および吐出通路8の取回しがシンプルにな
る。吸入通路7と作動室5を連通する部分には、吸入通
路7から作動室5に向かってのみ作動流体を流す一方向
弁である吸入弁9が設けられている。また、吐出通路8
と作動室5を連通する部分には、作動室5から吐出通路
8に向かってのみ作動流体を流す一方向弁である吐出弁
10が設けられている。なお、吸入弁9および吐出弁1
0は、リード弁あるいはチェック弁など、周知の一方向
弁を用いたものである。
【0020】次に、ベローズ式ポンプ装置における上記
ベローズユニット1の駆動機構について、図1〜図3を
参照して説明する。この実施例の駆動機構は、回転動力
を発生する電動モータ11と、この電動モータ11の発
生する回転動力を、キャップ3の軸方向の往復動に変換
する往復動機構12とから構成される。この実施例のベ
ローズ式ポンプ装置は、8つのベローズユニット1を、
電動モータ11によって回転駆動される回転シャフト1
3の周りに4つづつ対向配置したものであり、各ベロー
ズユニット1は、ベローズ2の伸縮方向(軸方向)が回
転シャフト13に平行で、且つ回転シャフト13の周り
に等間隔(90°)を隔てて配置されるものである。
【0021】往復動機構12は、回転シャフト13に対
して傾斜して取り付けられた斜板14を備える。この斜
板14は、軸方向に対向するベローズユニット1の間に
配置されたものである。斜板14には、斜板14の揺動
を各キャップ3に伝えるための駆動軸15(伝達手段に
相当する)が取り付けられており、斜板14と駆動軸1
5との間には斜板14の揺動を駆動軸15の往復移動に
変換するためのシュー16が配置されている。なお、駆
動軸15は、シリンダ17内に配置されて軸方向のみに
移動可能に設けられている。
【0022】次に、ベローズ式ポンプ装置における吸入
通路7と吐出通路8の接続構造を、図4に示す。この図
は、回転シャフト13の周囲に配置された4つのベロー
ズユニット1の各死容積埋部材4に固着されるデリバリ
プレート18を示すものであり、このデリバリプレート
18には、各死容積埋部材4のそれぞれの吸入通路7に
連通する4つの吸入孔7aと、各死容積埋部材4のそれ
ぞれの吐出通路8に連通する4つの吐出孔8aとが設け
られている。
【0023】この実施例では、図4に示すように、4つ
の吸入孔7aがデリバリプレート18の中心側に配置さ
れ、4つの吐出孔8aが吸入孔7aの周囲に配置され
る。このように設けられることにより、吐出孔8aから
吐出される高温の作動流体の熱が、デリバリプレート1
8の外側に伝わりやすくなり、圧縮された作動流体の放
熱を効率的に行うことができる。このため、圧縮された
作動流体の昇温に伴う吐出効率の低下を抑制できる。
【0024】また、4つのベローズユニット1の各死容
積埋部材4とデリバリプレート18との接合箇所には、
図5に示すように、中心側の4つの吸入孔7aと、外側
の4つの吐出孔8aとの間に、1つの内側シールリング
19が配置されて4つの吸入孔7aのシールを行うとと
もに、外側の4つの吐出孔8aの周囲にも1つの外側シ
ールリング20が配置されて4つの吐出孔8aのシール
を行うように設けられている。ここで、4つの吸入孔7
aごと、4つの吐出孔8aごとにシールリングを用いる
と、8つのシールリングが必要となるが、この実施例で
は、上述したように、1つの内側シールリング19と、
1つの外側シールリング20とで良い。このため、部品
点数の低減および組付数の低減に伴うコストの低減を図
ることができるとともに、シール箇所の低減によって信
頼性の向上を図ることができる。
【0025】デリバリプレート18は、2枚接合したも
のではなく、1枚の板材よりなるものであり、このデリ
バリプレート18に設けられる4つの吸入孔7aは、図
4、図5に示すように、デリバリプレート18の一方の
端面(図中右側の端面)から穴を開けて形成した外部吸
入通路7bと連通するものである。同様に、デリバリプ
レート18に設けられる4つの吐出孔8aは、デリバリ
プレート18の他方の端面(図中左側の端面)から穴を
開けて形成した外部吐出通路8bと連通するものであ
る。このように、1枚のデリバリプレート18に穴を開
けて外部吸入通路7bと外部吐出通路8bを形成してい
るため、一方に溝を形成したプレートを2枚合わせてデ
リバリプレート18を形成する場合に比較して、重ね合
わせた部分にシールを施す必要がない。このため、デリ
バリプレート18から作動流体がリークする不具合を回
避でき、信頼性を高めることができる。
【0026】回転シャフト13の周囲に4つづつ対向配
置されたベローズユニット1は、図1に示すように、両
端のデリバリプレート18と矩形ケーシング21による
空間内に収納される。ここで、矩形ケーシング21は、
電動モータ11に近い側の4つのベローズユニット1の
周囲を覆う第1枠体21aと、外部吸入通路7bに連通
する吸入ポート7c、および外部吐出通路8bに連通す
る吐出ポート8cが形成された第2枠体21bと、第3
枠体21cと、電動モータ11から離れた側の4つのベ
ローズユニット1の周囲を覆う第4枠体21dとから構
成される。なお、第2、第3枠体21b、21cの内部
には、駆動軸15を軸方向のみに摺動保持するためのシ
リンダ17が配置されている。
【0027】〔第1実施例の作動〕電動モータ11が作
動すると、回転シャフト13の回転に伴って斜板14が
傾斜した状態で回転する。すると、斜板14の端部の揺
動が駆動軸15を介してキャップ3に伝わり、キャップ
3が軸方向に沿って往復駆動される。キャップ3の往復
動に伴って、ベローズ2が伸縮する。ベローズ2が伸び
る際は、作動室5の容積の増大によって、吸入通路7か
ら作動室5内に作動流体が流入する。続いて、ベローズ
2が収縮すると、作動室5の容積の減少によって、作動
室5の作動流体が圧縮され、圧縮された作動流体が吐出
通路8を介して外部へ圧送される。つまり、キャップ3
が連続して伸縮駆動されることで、各ベローズユニット
1がポンプ作動を行う。
【0028】ベローズユニット1は、回転シャフト13
の回りに、4つづつ90度間隔で配置され、それを斜板
14で駆動しているため、各ベローズユニット1の動作
の位相が90度づつずれて作動することになる。つま
り、膨張行程と圧縮行程の位相が90°づつずれて作動
するため、作動流体の吸入および吐出の脈動を低減でき
るとともに、作動流体の圧縮および膨張を効率良く行う
ことができ、作動流体の循環流量を大きくできる。
【0029】〔第1実施例の効果〕ダイアフラムに比較
して伸縮変移量を多くとることができるベローズ2を用
いたベローズユニット1が、回転シャフト13と平行に
8つ配置され、各ベローズユニット1が1枚の斜板14
の回転によって同時に作動する。このため、小さな体格
のベローズ式ポンプ装置によって、大流量の作動流体を
循環させることができる。このように、大流量の作動流
体を循環させることのできるベローズ式ポンプ装置の体
格を小型化できるため、車両に搭載される燃料電池の未
反応ガスの循環用として、車両に容易に搭載できる。
【0030】また、上述したように、4つの吐出孔8a
がデリバリプレート18の外側に配置されることによ
り、吐出孔8aから吐出される作動流体の熱が外側に伝
わりやすくなり、圧縮された作動流体の放熱を効率的に
行うことがきる。このため、圧縮された作動流体の昇温
に伴う吐出効率の低下を抑制できる。4つの死容積埋部
材4とデリバリプレート18との接合箇所のシールは、
1つの内側シールリング19と、1つの外側シールリン
グ20とで良いため、部品点数の低減および組付数の低
減に伴うコストの低減を図ることができるとともに、シ
ール箇所の低減によって信頼性を向上できる。さらに、
1枚のデリバリプレート18に穴を開けて外部吸入通路
7bと外部吐出通路8bを形成しているため、一方に溝
を形成したプレートを2枚合わせてデリバリプレート1
8を形成する場合に比較して、重ね合わせた部分にシー
ルを施す必要がなく、デリバリプレート18から作動流
体がリークする不具合を回避でき、信頼性を高めること
ができる。
【0031】〔第2実施例〕図6のベローズユニット1
の概略断面図を参照して、第2実施例を説明する。な
お、以下の実施例中において、上記第1実施例と同一符
号は、同一機能物を示すものである。ベローズユニット
1を2つ以上搭載するベローズ式ポンプ装置では、各ベ
ローズユニット1の吸入通路7および吐出通路8は最終
的に1つの吸入ポート7cおよび吐出ポート8cに連通
する。そして、複数のベローズユニット1の吸入行程が
重なると、吸入通路7内の作動流体が同時に複数のベロ
ーズユニット1に吸引される。つまり、吸入通路7内の
作動流体を複数のベローズユニット1が取り合うことに
なる。この結果、各ベローズユニット1への作動流体の
吸入不足が発生し、ポンプ効率が低下してしまう。
【0032】そこでこの第2実施例では、死容積埋部材
4の内部に吸入通路7に連通するタンク室22を設ける
とともに、このタンク室22の容量を作動室5の容積と
同量に設けている。このように、死容積埋部材4の内部
に吸入通路7に連通するタンク室22を設けることによ
り、ベローズ2が伸びて作動室5内に作動流体を吸引す
る際、タンク室22から安定して作動流体をベローズ2
内に吸引できる。このため、複数のベローズユニット1
の吸入行程が重なっても、各ベローズユニット1はタン
ク室22から安定して作動流体をベローズ2内に吸引す
ることができるため、各ベローズユニット1に作動流体
の吸入不足が発生する不具合を回避できる。
【0033】また、この実施例では、タンク室22の容
量を作動室5の容積と同量に設けている。これにより、
ベローズ2が伸びて作動室5内に作動流体を吸引する
際、タンク室22の内部には約1回の吸引量の作動流体
が存在するため、他のベローズユニット1が作動流体を
吸引する際であっても、タンク室22から安定して作動
流体をベローズ2内に吸引することができる。
【0034】〔第3実施例〕図7のベローズユニット1
の概略断面図を参照して第3実施例を説明する。上記第
1実施例では、死容積埋部材4の作動室5側の角部6に
面取りを形成して、死容積埋部材4とベローズ2の接触
によるベローズ2の破損を防ぐ例を示したが、この第3
実施例は、ベローズ2の内周側の谷部2aを、図7に示
すように、ベローズ2の駆動端側(キャップ3側)に向
けたものである。これによって、ベローズ2の伸縮時
に、死容積埋部材4とベローズ2の内周とが接触して
も、蛇腹の内周側の傾斜によってベローズ2が外側に逃
げるため、ベローズ2が破損する不具合を回避できる。
【0035】〔第4実施例〕図8のベローズユニット1
の概略断面図を参照して第4実施例を説明する。上記第
1実施例では、死容積埋部材4の作動室5側の角部6に
面取りを形成した例を示したが、この第4実施例は、死
容積埋部材4の作動室5側の角部6に断面弧状のR部を
設けたものである。これによって、ベローズ2の伸縮時
に、死容積埋部材4とベローズ2の内周とが接触して
も、死容積埋部材4の角部6に形成されたR部によっ
て、ベローズ2が外側に逃げるため、ベローズ2が破損
する不具合を回避できる。
【0036】〔第5実施例〕図9のベローズユニット1
の概略断面図を参照して第5実施例を説明する。この第
5実施例は、死容積埋部材4とベローズ2の間に、死容
積埋部材4とベローズ2の接触を回避するための筒体2
3を配置したものである。この筒体23は、死容積埋部
材4より径が大きく、且つベローズ2の内径より径が小
さいものであり、筒体23の一端がキャップ3に固定さ
れるものである。このように筒体23を設けることによ
って、ベローズ2と死容積埋部材4の干渉が回避される
ため、ベローズ2の伸縮時にベローズ2が死容積埋部材
4と接触して破損する不具合を回避できる。また、筒体
23によってベローズ2の振れが抑えられる。
【0037】〔第6実施例〕図10のベローズユニット
1の概略断面図を参照して、第6実施例を説明する。ベ
ローズ2を伸縮した場合、圧縮時の死容積を低減するこ
とがポンプ効率を向上させる有効な手段であるが、作動
室5を形成する死容積埋部材4の端面には、吸入弁9に
よる凸部、および吐出弁10による凹部が形成されるた
め、圧縮時の死容積が大きくなってしまう。
【0038】そこでこの第6実施例は、キャップ3の作
動室5内の面に嵌合凹部3aおよび嵌合凸部3bを設け
たものである。この嵌合凹部3aおよび嵌合凸部3b
は、死容積埋部材4の端面に設けられた吸入弁9による
凸部、および吐出弁10による凹部に嵌まり合うもので
ある。これによって、ベローズ2を伸縮した際、圧縮時
の死容積を低減できるため、ベローズユニット1のポン
プ効率を高めることができる。
【0039】〔第7実施例〕図11のベローズユニット
1の概略断面図を参照して、第7実施例を説明する。ベ
ローズ2を高速で伸縮駆動した場合、伸縮速度に駆動端
から離れた側の部分が伸縮に追従できず、ベローズ2の
駆動端側でのみ伸縮が行われるといった現象が発生す
る。すると、ベローズ2の駆動端側に応力が集中するた
め、ベローズ2の耐久性が低下してしまう。
【0040】そこでこの第7実施例は、ベローズ2を自
然長Aの状態(図中破線参照)から所定量B圧縮させた
状態で組付けたものである。このように設けると、ベロ
ーズ2は駆動端側に戻ろうとする反力が常に働くため、
ベローズ2を高速で伸縮させても、駆動端から離れた側
でも自力で伸びようと作用し、伸縮に追従できる。この
ため、ベローズ2を高速で伸縮駆動した場合であって
も、駆動端側のみが伸縮する不具合が回避でき、ベロー
ズ2の耐久性を向上することができる。また、ベローズ
2の蛇腹密度が高まるため、圧縮時の死容積を低減で
き、ベローズユニット1のポンプ効率を高めることがで
きる。
【0041】〔第8実施例〕図12のベローズ式ポンプ
装置の要部断面図を参照して、第8実施例を説明する。
ベローズ式ポンプ装置は、斜板14とシュー16、駆動
軸15とシュー16、駆動軸15とシリンダ17、斜板
14のスラスト軸受14a等、摺動等によって潤滑油を
必要とする部位が存在する。斜板14の回転によって、
矩形ケーシング21の下部に溜まったオイルを跳ねかけ
する場合では、摺動部に潤滑油不足が発生する懸念があ
る。
【0042】そこでこの第8実施例は、8つあるベロー
ズユニット1のうちの1つのベローズユニット1を、潤
滑油を循環させるためのオイル循環ポンプ24として用
いたものである。このオイル循環ポンプ24の死容積埋
部材4には、吸入通路7および吐出通路8に代えてオイ
ル通路25が設けられており、このオイル通路25の下
部は矩形ケーシング21の下部に溜まったオイルを吸入
するように設けられている。
【0043】オイル通路25と作動室5を連通する部分
には、オイル通路25から作動室5に向かってのみオイ
ルを流す第1一方向弁26(リード弁あるいはチェック
弁等)が設けられており、オイル循環ポンプ24のベロ
ーズ2が伸びた際に、オイルをオイル通路25から作動
室5内に吸引するように設けられている。また、オイル
循環ポンプ24のキャップ3には、作動室5内で圧縮さ
れるオイルを斜板14に向けて吐出するための給油ポー
ト27が形成されており、この給油ポート27にも作動
室5から外部に向かってのみオイルを通過させる第2一
方向弁28(リード弁あるいはチェック弁等)が設けら
れている。
【0044】このように、複数のベローズユニット1の
うちの1つをオイル循環ポンプ24として用いることに
より、摺動部等に潤滑油を充分に供給できるため、潤滑
油不足による摩耗や発熱を防ぐことができ、ベローズ式
ポンプ装置の耐久性を向上させることができる。なお、
死容積埋部材4の内部には、オイル通路25を流れるオ
イルを濾過するフィルタ29が配置されており、オイル
中に含まれる摩耗粉等の汚れを除去して摺動部等に供給
するように設けられている。
【0045】〔変形例〕上記の実施例では、本発明を水
素循環ポンプに適用した例を示したが、例えば可燃性ガ
ス、毒性ガス等の気体圧送用ポンプや、可燃性液体、毒
性液体等の液体圧送用ポンプに適用しても良い。上記の
実施例では、ベローズ2の一例として山部および谷部2
aがU字形状を呈したU字ベローズ2を用いた例を示し
たが、皿バネ状に設けられたリング円盤を交互に重ね合
わせて接合して構成されるベローズ2に本発明を適用し
ても良い。上記の実施例では、ベローズユニット1の材
質として、金属を用いた例を示したが、ベローズユニッ
ト1の構成部材の一部、あるいは全部を樹脂やゴムを用
いて構成しても良い。つまり、例えば、適用される作動
流体に応じて、ベローズ2等を樹脂やゴムを用いて構成
しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベローズ式ポンプ装置の断面図である(第1実
施例)。
【図2】ベローズユニットの配置を示す斜視図である
(第1実施例)。
【図3】ベローズユニットの概略断面図である(第1実
施例)。
【図4】デリバリプレートにおける吸入孔および吐出孔
の配置を示す説明図である(第1実施例)。
【図5】吸入孔および吐出孔をシールするシールリング
の配置を示す説明図である(第1実施例)。
【図6】ベローズユニットの概略断面図である(第2実
施例)。
【図7】ベローズユニットの概略断面図である(第3実
施例)。
【図8】ベローズユニットの概略断面図である(第4実
施例)。
【図9】ベローズユニットの概略断面図である(第5実
施例)。
【図10】ベローズユニットの概略断面図である(第6
実施例)。
【図11】ベローズユニットの概略断面図である(第7
実施例)。
【図12】ベローズ式ポンプ装置の要部断面図である
(第8実施例)。
【符号の説明】
1 ベローズユニット 2 ベローズ 2a 谷部 3 キャップ 3a 嵌合凹部 3b 嵌合凸部 4 死容積埋部材 5 作動室 7 吸入通路 7a 吸入孔 7b 外部吸入通路 8 吐出通路 8a 吐出孔 8b 外部吐出通路 9 吸入弁(凸部) 10 吐出弁(凹部) 13 回転シャフト 14 斜板 15 駆動軸(伝達手段) 18 デリバリプレート 19 内側シールリング 20 外側シールリング 22 タンク室 23 筒体 24 オイル循環ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河合 博 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3H071 AA01 AA03 AA06 AA07 AA15 BB01 BB12 BB17 CC11 CC31 DD03 DD04 DD12 DD13 DD42 DD73 3H077 AA01 AA03 AA11 BB01 BB03 BB05 CC03 DD02 DD12 EE34 EE36 FF03 FF04 FF09 FF10 FF14 FF22 3J045 AA20 CB04 CB25 EA10 5H027 AA02 BA19 BC14 BC19

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 回転駆動される回転シャフトと、 (b) この回転シャフトに回転駆動される斜板と、 (c) 前記回転シャフトの軸方向と平行に配置され、前記
    軸方向に沿って弾性的に伸縮する蛇腹状の筒形を呈した
    ベローズと、このベローズの駆動端側を閉塞するキャッ
    プと、前記ベローズの内部に配置されて前記ベローズの
    内部の死容積を埋めるとともに、前記ベローズ内の容積
    の増大変化によって作動流体を前記ベローズの内部に供
    給するするための吸入通路および前記ベローズ内の容積
    の減少変化によって作動流体を前記ベローズの外部に排
    出するための吐出通路が形成された死容積埋部材とを備
    え、前記ベローズの伸縮による内部の容積変化を利用し
    て作動流体の吸引と圧送を行う複数のベローズユニット
    と、 (d) 前記斜板の揺動を往復動に変換してそれぞれの前記
    ベローズの端部に伝える伝達手段とを具備するベローズ
    式ポンプ装置。
  2. 【請求項2】請求項1のベローズ式ポンプ装置におい
    て、 前記死容積埋部材の内部には、前記吸入通路に連通する
    タンク室が設けられたことを特徴とするベローズ式ポン
    プ装置。
  3. 【請求項3】請求項2のベローズ式ポンプ装置におい
    て、 前記タンク室の容量は、前記ベローズの伸縮によって変
    化する前記ベローズ内の作動室の容積とほぼ同等に設け
    られたことを特徴とするベローズ式ポンプ装置。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれかのベロ
    ーズ式ポンプ装置において、 前記ベローズの内周側の各谷部は、前記ベローズの駆動
    端側に向けて傾斜して設けられたことを特徴とするベロ
    ーズ式ポンプ装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれかのベロ
    ーズ式ポンプ装置において、 前記キャップには、前記死容積埋部材と前記ベローズの
    間を区画する筒体が設けられたことを特徴とするベロー
    ズ式ポンプ装置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし請求項5のいずれかのベロ
    ーズ式ポンプ装置において、 前記死容積埋部材に対向する前記キャップの面には、前
    記キャップに対向した前記死容積埋部材の凹部あるいは
    凸部に嵌まり合う嵌合凸部あるいは嵌合凹部が設けられ
    たことを特徴とするベローズ式ポンプ装置。
  7. 【請求項7】請求項1ないし請求項6のいずれかのベロ
    ーズ式ポンプ装置において、 前記ベローズは、自然長から圧縮した状態で組付けられ
    たことを特徴とするベローズ式ポンプ装置。
  8. 【請求項8】請求項1ないし請求項7のいずれかのベロ
    ーズ式ポンプ装置において、 複数の前記死容積埋部材は、共通のデリバリプレートに
    接合して設けられ、 このデリバリプレートには、複数の前記死容積埋部材の
    それぞれの前記吸入通路に連通する複数の吸入孔と、複
    数の前記死容積埋部材のそれぞれの前記吐出通路に連通
    する複数の吐出孔とが設けられ、 複数の前記吸入孔を前記デリバリプレートの中心側に配
    置し、複数の前記吐出孔を前記吸入孔の外側に配置した
    ことを特徴とするベローズ式ポンプ装置。
  9. 【請求項9】請求項1ないし請求項8のいずれかのベロ
    ーズ式ポンプ装置において、 複数の前記死容積埋部材は、共通のデリバリプレートに
    接合して設けられ、 このデリバリプレートには、複数の前記死容積埋部材の
    それぞれの前記吸入通路に連通する複数の吸入孔と、複
    数の前記死容積埋部材のそれぞれの前記吐出通路に連通
    する複数の吐出孔とが設けられ、 複数の前記吸入孔あるいは複数の前記吐出孔の一方を前
    記デリバリプレートの中心側に配置し、複数の前記吸入
    孔あるいは複数の前記吐出孔の他方を外側に配置し、 複数の前記吸入孔あるいは複数の前記吐出孔の一方と、
    複数の前記吸入孔あるいは複数の前記吐出孔の他方の間
    を1つのシールリングでシールするとともに、外周側に
    配置された複数の前記吸入孔あるいは複数の前記吐出孔
    の他方の周囲も1つのシールリングでシールすることを
    特徴とするベローズ式ポンプ装置。
  10. 【請求項10】請求項1ないし請求項9のいずれかのベ
    ローズ式ポンプ装置において、 複数の前記死容積埋部材は、共通のデリバリプレートに
    接合して設けられ、 このデリバリプレートには、複数の前記死容積埋部材の
    それぞれの前記吸入通路に連通する複数の吸入孔と、複
    数の前記死容積埋部材のそれぞれの前記吐出通路に連通
    する複数の吐出孔とが設けられるとともに、前記吸入孔
    と前記ベローズユニットの外部とを連通する外部吸入通
    路と、前記吐出孔と前記ベローズユニットの外部とを連
    通する外部吐出通路とが設けられ、 前記外部吸入通路および前記外部吐出通路は、1枚の板
    材よりなるデリバリプレートの端面から穴を開けて形成
    したものであることを特徴とするベローズ式ポンプ装
    置。
  11. 【請求項11】請求項1ないし請求項10のいずれかの
    ベローズ式ポンプ装置において、 複数の前記ベローズユニットのうちの少なくとも1つの
    ベローズユニットは、潤滑油を循環させるためのオイル
    循環ポンプとして用いられることを特徴とするベローズ
    式ポンプ装置。
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