JP4401539B2 - 往復動ポンプ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、往復動ポンプに関し、詳しくは、往復動する駆動手段としてダイヤフラム等(他には、例えばピストンまたはプランジャ等)を用いて構成された往復動ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ダイヤフラムを駆動させて流体を搬送させる往復動ポンプは、従来から知られている。係る往復動ポンプにおいては、モータ等の駆動手段で得られる回転運動をカムを介して直線往復運動に変換して、この直線往復運動にてダイヤフラムを駆動させるべく構成されている。
【0003】
上記従来技術に係る往復動ポンプは、一般的には、化学薬品や薬剤等を注入する際の、いわゆる定量注入等に用いられている。つまり、ダイヤフラムを用いて構成された往復動ポンプ(以下、単に「往復動ポンプ」ともいう。)は、従来から、定量搬送を必要とする箇所に設けられている。
【0004】
しかし、以上のような利点(吐出流量の変動が少ないという利点)を有する往復動ポンプにも、次のような問題がある。
上記往復動ポンプは、ダイヤフラムの往復動に基づいて流体の搬送を行うわけであるが、その際には、ダイヤフラムが往動することによってポンプヘッド部内の流体が加圧されて押し出され(以下、「往動工程」という。)、ダイヤフラムが復動することによってポンプヘッド部内が減圧されて流体が引き込まれる(以下、「復動工程」という。)こととなる。従来技術に係る往復動ポンプにおいては、このような比較的細かい動作たる往動工程と復動工程とを所定時間に所定回数繰り返すことによって、全体として定量搬送を可能とするが、一の往動工程と一の復動工程とを比較すれば、これらの工程間には、大きな吐出流量の差が存在する(基本的に、復動工程においては吐出は行わない。)。
すなわち、上記従来技術に係る往復動ポンプにおいては、この吐出流量の差によって、搬送される流体に脈動が発生するという問題が生ずるわけである。
【0005】
そこで、係る問題を解決するための技術として、最近は、ダイヤフラムを有するポンプヘッドを二つ設けた構造の往復動ポンプが知られている。
【0006】
図12は、従来技術に係る往復動ポンプの概略斜視図を示したものである。図12において、往復動ポンプ200は、第一のポンプヘッド部210と、第二のポンプヘッド部220と、これらのポンプヘッド部210,220に内包されているダイヤフラムを駆動させる駆動部230と、各ポンプヘッド部210,220における流体の流入側および流出側に設けられた逆止弁機構(例えば、バルブ部および弁座部等から成る)(図示省略)を有した接続部211,212,221,222等とを用いて構成されている。ここで、駆動部230は、例えば、電動モータ等を用いて構成されている。
【0007】
往復動ポンプ200には、液体の流入側に流入側配管部240が接続され、流出側に流出側配管部250が接続されている。具体的には、流入側配管部240に設けられた流入側フランジ部241,242と、ポンプ流入側フランジ部213,223とがボルト等を用いて連結され、流出側配管部250に設けられた流出側フランジ部251,252と、ポンプ流出側フランジ部214,224とがボルト等を用いて連結されることによって、往復動ポンプ200と配管部240,250とが接続されている。
【0008】
ここで、通常、各接続部211,212,221,222の一方の端部は、ポンプヘッド部210,220に螺合状態で固着されている。また、各接続部211,212,221,222の他方の端部には、フランジ部213,214,223,224が固着されている。さらに、各接続部211,212,221,222内には、それぞれチャッキボール(図示省略)が配設されている。
【0009】
そして、上記往復動ポンプ200を構成する各ポンプヘッド部210,220に内包されているダイヤフラムは、一方のダイヤフラムが往動工程のときは他方のダイヤフラムが復動工程となり、一方のダイヤフラムが復動工程のときは他方のダイヤフラムが往動工程となるように構成されている。
【0010】
すなわち、図12に示された往復動ポンプによれば、一方のダイヤフラムが他方のダイヤフラムを、他方のダイヤフラムが一方のダイヤフラムを補完すべく駆動するので、従来問題であった脈動を効果的に改善可能な往復動ポンプを得ることができる。
この際、従来技術に係る往復動ポンプにおいては、各ダイヤフラムが、それぞれ略180゜位相の異なるカムを用いて駆動させられており、各ダイヤフラムについては、所定方向(通常は吐出と反対方向)にダイヤフラムを付勢すべく、付勢手段(スプリング等)が設けられている。
【0011】
往復動ポンプ200を構成する各ポンプヘッドの内部は、例えば、図13に示すように構成されている。図13は、従来技術に係る往復動ポンプ200を構成するいずれか一方のポンプヘッド部の一部の縦断面図を示したものである。
【0012】
図13においては、ダイヤフラム301を往復動させるための駆動手段たるピストン部343が、ベアリング347を有するベアリング支持部348に固着されており、ピストン部343等を内包する支持体350とベアリング支持部348との間には付勢手段349が設けられ、この付勢手段349によってベアリング347が偏心カム342に接すべく(図面上の右方向に)付勢して構成されている。そして、図13においては、図面上の左方向に搬送流体が流通する配管部240,250等が設けられている。
【0013】
このように構成された従来技術に係る往復動ポンプによれば、偏心カム342を矢印R方向に回転させることによって、ベアリング347、ベアリング支持部348、およびピストン部343等を介してダイヤフラム301が矢印Z方向に往復動されることとなる。その際、偏心カム342のT0点からT1点までがダイヤフラム301の吐出工程となり、T0点のときの上死点S0からT1点のときの下死点S1までのストローク距離Sが、付勢手段349が撓む距離ということになる。
【0014】
すなわち、この従来技術に係る往復動ポンプによれば、偏心カム342とベアリング347とが接した状態で、偏心カム342が回転し、この回転に基づいてピストン部343が往復動することによって、適切にダイヤフラム301を往復動させて、流体の搬送を行っている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術に係る往復動ポンプには、次のような問題があった。
【0016】
従来技術に係る往復動ポンプ200は、上述したように、付勢手段349によって、ベアリング347の外輪側が偏心カム342に接触すべく付勢され、その状態にて、偏心カム342の駆動力がピストン部343等を介してダイヤフラム301に伝えられる。すなわち、常時、ベアリング347の外輪側と偏心カム342とが接触した状態で往復動ポンプが駆動されることとなる。
【0017】
このような構成によれば、ダイヤフラムの動きに応じて、各接続部211,212,221,222内の各チャッキボールに対しては、正圧と負圧とが交互に作用することとなり、ダイヤフラムおよびチャッキボールの作用によって、流入側配管部240から流出側配管部250に、流体が搬送されることとなる。
【0018】
しかしながら、従来技術に係る往復動ポンプは、左右各ポンプの吸込工程が終了し、吐出工程をはじめるときに、吸込側弁座(接続部211,221側の弁座)で、チャッキボールが着座するまでの短時間に、わずかな量の液体が流入側配管部240側に逆流するという現象が発生する。
また、ピストン部の駆動力をダイヤフラムに伝達する作動油中には、何等かの原因によってエアが混入する場合がある。このようにエアの混入が生ずると、作動油中のエアが圧縮されることがある。また、超高圧(例えば、10MPa以上)の環境下においては、ポンプを駆動させる際において、作動油自体が圧縮されて体積変化等の現象が生ずることがある。
すなわち、従来技術に係る往復動ポンプにおいては、上述した逆流による洩れや、エアの圧縮あるいは作動油の体積変化(減少方向)等が発生して、脈動が生ずるという問題があった。
【0019】
そこで、本発明は、上記従来技術に係る問題を解決するためになされたものであって、チャッキボール近傍の流体の逆流による洩れに対応する量の流体を補充すべく構成されることによって、効果的に脈動を防止することができる往復動ポンプを提供することを課題とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
すなわち、上記課題を解決するための本発明は、搬送される流体と接した状態で往復動するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムを駆動させる駆動力供給部とを備えた往復動ポンプにおいて、前記駆動力供給部が、一つの偏心カムと、前記偏心カムの回転によって往復動する第一のピストン部および第二のピストン部と、前記偏心カムの駆動力を前記各ピストン部に伝えるべく、前記偏心カムに接する接触転動要素とを用いて構成されており、前記ダイヤフラムの駆動状態を調整可能な駆動調整機構が設けられていることを特徴としている。
【0021】
本発明に係る往復動ポンプによれば、前記駆動調整機構を設けることによって、前記ダイヤフラムの駆動状態を適宜調整可能であるため、前記往復動ポンプの吐出側にて脈動等が発生したとしても、その脈動部分の減少分を補正すべく、前記ダイヤフラムを駆動させることが可能となり、効果的に脈動を防止可能な往復動ポンプを得ることができる。
【0022】
また、本発明に係る往復動ポンプにおいては、前記ピストン部の駆動力が作動油を介して前記ダイヤフラムに伝達されるべく構成されており、前記駆動調整機構が、各ピストン部の動きに応じて駆動する補助プランジャと、前記補助プランジャの作用時間を調整可能な調整用プランジャとを有し、前記補助プランジャが前記作動油を押圧することによって前記ダイヤフラムの駆動状態が調整される構成が好ましい。
【0023】
この好ましい構成によれば、前記往復動ポンプの吐出側にて脈動等が発生したとした場合であっても、前記補助プランジャによって前記作動油を押圧することによって、前記脈動部分の補正すべく、前記ダイヤフラムを駆動させることが可能であるため、効果的に脈動を防止可能な往復動ポンプを得ることができる。
【0024】
また、本発明に係る往復動ポンプにおいては、前記補助プランジャと前記調整用プランジャとの間隔が前記補助プランジャの作用時間を規制し、前記間隔を任意に設定可能であるべく前記調整用プランジャが構成されていることが好ましい。
【0025】
この好ましい構成によれば、前記補助プランジャの作用時間を任意に設定可能であるため、ポンプの機差等によって、種々の脈動等が生ずる場合であっても、各ポンプ毎に前記調整用プランジャを用いた調整が可能であるため、効果的に脈動を防止可能な往復動ポンプを得ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
【0031】
図1は、本発明の第一の実施形態に係る往復動ポンプの概略断面図を示したものである。また、図2は、図1の往復動ポンプを構成する流体搬送部の拡大図を示したものであり、図2(イ)は組立状態を示し、図2(ロ)は分解状態を示している。さらに、図3は図1のIII−III断面図を示したものであり、図4は、図1のIV−IV断面図を示したものである。以下、これらの図面に基づいて、本実施形態に係る往復動ポンプについて詳細に説明する。
【0032】
本実施形態に係る往復動ポンプは、ダイヤフラム(第一のダイヤフラム1および第二のダイヤフラム2)が往復動することによって流体の搬送を実現する流体搬送部10と、ダイヤフラム1,2を駆動させるべく適切なタイミングで作動油を供給する駆動力供給部40と、この駆動力供給部40の偏心カムを駆動させる駆動部70等とを用いて構成されている。
【0033】
本実施形態に係る往復動ポンプを成す流体搬送部10は、具体的には、図1、図2および図4に示すべく構成されている。
これらの図面において、流体搬送部10は、第一のダイヤフラム1と、第二のダイヤフラム2と、ポンプヘッド3と、このポンプヘッド3と共にダイヤフラム1,2を挟持して支持するダイヤフラム支持体(第一のダイヤフラム支持体4および第二のダイヤフラム支持体5)と、ダイヤフラム1,2の接液面1a,2a側であってポンプヘッド3と各ダイヤフラム1,2との間に設けられた搬送流体流通部(第一の搬送流体流通部6および第二の搬送流体流通部7)と、ダイヤフラム1,2の裏面(接液面1a,2aの裏面)側であって各ダイヤフラム支持体4,5と各ダイヤフラム1,2との間に設けられた作動油流通部(第一の作動油流通部8および第二の作動油流通部9)と、駆動力供給部40(後述する)からの駆動力を伝達する配管部(第一の配管部21および第二の配管部22)に連通すべく形成された作動油供給部(第一の作動油供給部11および第二の作動油供給部12)等とを用いて構成されている。
【0034】
ここで、各ダイヤフラム1,2は、その断面形状が、例えば、波形形状、曲面形状等に形成されているが、図2等においては、図面の複雑化を避けるために、あえて具体的な断面形状については省略している。
また、ポンプヘッド3には、流体を搬送する際の搬送経路3A,3Bが形成されている。そして、これらの搬送経路3A,3Bの流入側と流出側には、図4に示すべく、それぞれ逆止弁(流入側逆止弁23、流出側逆止弁24)が設けられている。ここで、各逆止弁23,24は、ボールチャッキを二個用いて構成されている。
さらに、各ダイヤフラム1,2とポンプヘッド3との間には、搬送流体流通部6,7が設けられている。搬送流体流通部6,7には、複数個の貫通孔が形成されており、ダイヤフラム1,2の往復動による正圧・負圧が貫通孔を介して搬送経路3A,3Bに伝えられる。そして、このダイヤフラム1,2の往復動(による正圧・負圧)によって、逆止弁23,24が開閉して、流体の搬送が行われる。
【0035】
各ダイヤフラム1,2の裏面側には、作動油流通部8,9を介してダイヤフラム支持体4,5が設けられており、このダイヤフラム支持体4,5とポンプヘッド3とによって、ダイヤフラム1,2が挟持して固定されている。また、ダイヤフラム支持体4,5とポンプヘッド3とは、ボルト等の締結手段にて締結されている。
作動油流通部8,9には、複数個の貫通孔が形成されており、後述する駆動力供給部40から供給される作動油が、この貫通孔を介してダイヤフラム1,2裏面側に対して送排出されることとなる。
また、作動油流通部8,9には、駆動力供給部40に連通した作動油供給部11,12が取り付けられており、この作動油供給部11,12は、ボルト等にて作動油流通部8,9に締結されている。
【0036】
次に、本実施形態に係る往復動ポンプを成す駆動力供給部40は、具体的には、図1、図3、および図4等に示すべく構成されている。
これらの図面において、駆動力供給部40は、後述する駆動部70からの駆動力を伝える駆動力伝達軸41と、この駆動力伝達軸41に取り付けられた偏心カム42と、この偏心カム42の動きに応じて往復動するピストン部(第一のピストン部43および第二のピストン部44)と、第一のピストン部43内のベアリング47,47の内輪で支持された第一の回動軸45と、第二のピストン部44内のベアリング48,48の内輪で支持された第二の回動軸46と、第二のピストン部44内にて第一のピストン部43と第二のピストン部44とを適切に付勢して、各ピストン部43,44内に設けられている各回動軸45,46を偏心カム42に接触させるべく機能する調整手段たる位置規制付勢手段49と、これらの各要素を内包しているケーシング部50等とを用いて構成されている。
そして、以上のような要素を有する駆動力供給部40においては、ケーシング部50内壁とピストン部43,44との間の密閉空間に、作動油が充填されている。
【0037】
本実施形態に係る駆動力供給部40においては、第二のピストン部44が中空状に形成されている。すなわち、第二のピストン部44は、その内部に、駆動力伝達軸41、偏心カム42、第一のピストン部43、ベアリング48、および位置規制付勢手段49等が包含可能であるべく形成されている。
そして、第二のピストン部44の内壁部(内面部)44aと第一のピストン部43の外壁部(外面部)43aとの間には、位置規制付勢手段49が挟持されている。すなわち、この位置規制付勢手段49によって、第一および第二のピストン部43,44が偏心カム42の位置する方向に付勢されることとなる。換言すれば、この位置規制付勢手段49によって、第一のピストン部43内の第一の回動軸45と、第二のピストン部44内の第二の回動軸45とが、常に偏心カム42の外周面に接すべく、適切に付勢されることとなる。
【0038】
また、ケーシング部50には、各配管部21,22に連通すべく、作動油の供給口(第一の供給口51および第二の供給口52)が形成されている。そして、各ピストン部43,44の端面部43a,44aから、供給口51,52、配管部21,22等を介して、各ダイヤフラム1,2までの間に形成される空間は、略密閉状態に構成されており、この空間内には、作動油が充填されている。
したがって、本実施形態においては、各ピストン部43,44の動きに応じて作動油に対して正圧・負圧が作用し、この圧力変動により各供給口51,52を介して作動油が流通することとなる。そして、この作動油によって、ダイヤフラム1,2が往復動することとなる。
【0039】
次に、本実施形態に係る往復動ポンプを成す駆動部70は、図1および図4に示すべく構成されている。
これらの図面において、駆動部70は、回転運動を生ずる電動モータ71と、この電動モータ71からの回転力を先に述べた駆動力伝達軸41に伝えるためのギヤ部72等とを用いて構成されている。
【0040】
以上のように、本実施形態に係る往復動ポンプは、流体搬送部10、駆動力供給部40、および駆動部70等を用いて構成されており、次のように機能する。
【0041】
本実施形態に係る往復動ポンプにおいては、まずはじめに、電動モータ71を回転させて、この回転力をギヤ部72を介して駆動力伝達軸41に伝える。
【0042】
次に、この駆動力伝達軸41によって偏心カム42を回転させ、この偏心カム42の回転によって、第一および第二のピストン部43,44を往復動させる。
ここでは、上述した構成に基づいて、第一のピストン部43と第二のピストン部44とが一体的に、一つの偏心カム42によって往復動する。
そして、このピストン部43,44の往復動によって作動油に対して所定の力および方向の圧力が作用し、その作動油が、供給口51,52を介して配管部21,22に送排出されることとなる。
【0043】
次に、配管部21,22を介して流通する作動油に基づいて、ダイヤフラム1,2が適切なタイミングで往復動し、このダイヤフラム1,2の動きによって、流入側逆止弁23および流出側逆止弁24が作動して、所望の液体が搬送されることとなる。
【0044】
以上のように構成され、そして機能する本実施形態に係る往復動ポンプは、係る構成および機能の少なくとも一方に基づいて、以下のような特徴を有することとなる。
【0045】
本実施形態に係る往復動ポンプを構成する駆動力供給部40は、上述したように、ケーシング50内に設けられた偏心カム42、ピストン部43,44、および位置規制付勢手段49等を用いて構成されている。また、各ピストン部43,44には、ベアリング47,48が設けられており、このベアリング47,48の内輪側に支持された第一および第二の回動軸45,46に対して、偏心カム42の外周部が接するべく構成されている。
【0046】
すなわち、本実施形態に係る往復動ポンプにおいては、ピストン部43,44を往復動させるための駆動力が、偏心カム42から第一および第二の回動軸45,46を介して伝えられることとなる。したがって、本実施形態によれば、従来(ベアリングの外輪側)よりも径が小さい回動軸45,46(ベアリングの内輪側)と、偏心カム42とが接触した状態で往復動ポンプが駆動することとなる。
よって、本実施形態によれば、偏心カム42との間に生ずる圧力角を従来よりも小さくすることが可能となり、長期間の無脈動搬送を実現することができる。つまり、従来技術と比較して、往復動ポンプの長寿命化を図ることが可能となる。
【0047】
また、本実施形態においては、二つのダイヤフラム1,2を駆動させる場合であっても、従来の如く(図12および図13参照)、それぞれカムおよびスプリング等を有した二つのポンプヘッド部等を設ける必要がない。すなわち、本実施形態によれば、一つの偏心カム42を用いて、二つのピストン部43,44を往復動させ、これに基づいて、二つのダイヤフラム1,2を往復動させている。
【0048】
したがって、本実施形態によれば、二つのダイヤフラムを駆動させる場合であっても、従来よりも、部品点数を削減することが可能となり、それに伴い、封止部の数も減らすことができるので、液漏れ等の発生確率を低減可能な往復動ポンプを得ることができる。
【0049】
また、本実施形態に係る往復動ポンプは、上述したように、従来よりも構成要素を少なくすることが可能となるので、各要素の製作誤差の発生確率を従来よりも低減でき、また、その分組立誤差等も低減可能となる。
したがって、本実施形態によれば、従来技術においては往復動ポンプの駆動状態に悪影響を及ぼしていた各要素の製作誤差・組立誤差等を、部品点数の低減等により、効果的に削減することが可能となる。
【0050】
また、従来であれば、二つの偏心カムを180゜位相をずらして取り付ける必要があり、さらに、取り付ける偏心カムは、同一の形状であることが必要であったので、製作誤差・組立誤差等に高い精度が要求されていた。よって、製作・組立等の工程が非常に煩雑であった。
しかしながら、本実施形態においては、一つの偏心カムを用いて構成されているので、従来のように二つの偏心カムの形状の同一性等求められることはなく、また、一つの偏心カムであるため、従来ほどの組立精度等を要求されることはない。したがって、本実施形態によれば、従来ほどの煩雑な工程を経ることなく、効率的に往復動ポンプ(および各要素)を製作・組立等することが可能となる。
【0051】
さらに、本実施形態に係る往復動ポンプは、以下の理由により、従来と比較して、より小型化することが可能となる。
【0052】
図5は、本実施形態に係る駆動力供給部40を構成する第二のピストン部44の駆動状態を示したものである。ここで、図5(イ)は、第二のピストン部44が下死点にある状態を示し、図5(ロ)は、第二のピストン部44が上死点にある状態を示している。図5においては、所定位置(偏心カム42等の回転、往復運動によって特に変動しない適当な位置、例えばケーシング50壁面)から第二のピストン部44の端面部44aまでの距離を、それぞれ下死点距離P1、上死点距離P2としている。
【0053】
本実施形態に係る往復動ポンプにおいては、この図5における下死点と上死点との距離の差が、往復動ポンプにおける第二のピストン部44のストローク距離P(P=P2−P1)となる。なお、ここでは、省略するが、180゜位相をずらした状態において、第一のピストン部43についても、同様のストローク距離Pにて往復動が行われる。
【0054】
本実施形態においては、図5(イ)の如く第二のピストン部44が下死点にある状態を「偏心カム角度0゜」と定義して、第二のピストン部44を押し込む方向に偏心カム42を回転させて、例えば、偏心カム42が210゜回転したときに第二のピストン部44が上死点にある状態となる。なお、この偏心カム42の回転角度は、偏心カムの形状等に基づいて、適宜変更し得るものである。
【0055】
また、図6は、本実施形態に係る駆動力供給部40を構成する位置規制付勢手段49の作動状態を示したものである。ここで、図6(イ)は、位置規制付勢手段49が最も縮んだ状態(最小長さR1)を示し、図6(ロ)は、位置規制付勢手段49が最も伸びた状態(最大長さR2)を示している。
【0056】
本実施形態に係る往復動ポンプにおいては、この図6における縮んだ状態(最小長さR1)と伸びた状態(最大長さR2)との距離の差が、位置規制付勢手段49の最大撓み距離R(R=R2−R1)となる。
【0057】
つまり、本実施形態に係る往復動ポンプにおいては、第一のピストン部43と第二のピストン部44とに挟持された位置規制付勢手段49が、偏心カム42の回転に伴って、ピストン部43,44と共にスライドしながら最大撓み距離Rの分だけ、伸び縮みすることとなる。
【0058】
図5および図6から明らかなように、本実施形態によれば、ピストン部の往復動距離Pに対して、位置規制付勢手段49の最大撓み距離Rは、かなり小さな距離となっている。本実施形態においては、P:R=4:1程度となっている。
【0059】
一方、従来技術においては、上述したように、ピストンのストローク距離と付勢手段が撓む距離とは、同一であった(ピストンのストローク距離分撓む付勢手段が必要であった)わけであるが(図13参照)、本実施形態によれば、位置規制付勢手段49の撓み量Rは、ストローク距離Pの1/4程度でよいこととなる。
【0060】
したがって、本実施形態によれば、従来よりも、小型で従来ほどの強度も必要ない付勢手段を用いて位置規制付勢手段49を構成することが可能となるので、駆動力供給部40、延いては往復動ポンプの小型化を実現することができる。
【0061】
また、本実施形態に係る往復動ポンプを構成する位置規制付勢手段49は、コイルばね等の付勢手段を用いて形成されているので、その付勢力によって、第一のピストン部43と第二のピストン部44とを偏心カム42の位置する方向に(偏心カム42に接する方向に)効果的に付勢し、ピストン部43,44と偏心カム42との位置関係を適切に維持することができる。
【0062】
さらに、位置規制付勢手段49は、コイルばね等の付勢手段を用いて形成されているので、偏心カム42(の対角距離の変化等)に起因して、各ピストン43,44および偏心カム42との間に隙間が生ずる方向に力が作用する場合であっても、付勢手段であるため(コイルばね等が付勢力と共に弾性力をも有するため)、係る隙間を効果的に吸収することができる。すなわち、位置規制付勢手段49が、各ピストン43,44等に生ずる隙間を効果的に吸収する緩衝機能をも備えることとなる。
【0063】
以上説明したように、本実施形態によれば、従来よりも撓み量の少ない小型の付勢手段を用いて、往復動ポンプを構成することが可能となる。このような小型の付勢手段を用いて構成可能となるのは、図3等に示したように、本実施形態に係る駆動力供給部40を構成するピストン部43,44が、それぞれスライドしつつ、往復動を繰り返すべく構成されているからである。
【0064】
すなわち、本実施形態に係る往復動ポンプによれば、第二のピストン部44が中空状に形成されており、この第二のピストン部44の内部に偏心カム42と第一のピストン部43とが設けられ、この第一のピストン部43の外面部43aと第二のピストン部44の内面部44aとの間に調整手段たる位置規制付勢手段49が設けられているため、偏心カム42の回転によって第一のピストン部43と第二のピストン部44とが位置規制付勢手段49を伴って往復動することとなる。つまり、偏心カム42の回転によって、位置規制付勢手段49を挟持した状態でピストン部43,44がそれぞれスライドしつつ、往復動を繰り返すこととなるため、上述したように、位置規制付勢手段49の小型化を実現することが可能となる。
【0065】
なお、本実施形態に係る往復動ポンプは、各ピストン部43,44と各ダイヤフラム1,2との間に作動油を有し、この作動油を介して各ピストン部43,44からの駆動力を各ダイヤフラム1,2に伝える構成について説明したが、本発明は、この構成に限定されるものではなく、何等かの手段によって各ピストン部43,44からの駆動力を各ダイヤフラム1,2に伝えることが可能であればよい。したがって、例えば、各ピストン部と各ダイヤフラム1,2とが機械的に連動可能であるべく構成されていてもよい。
また、本実施形態に係る往復動ポンプにおいては、接液部にダイヤフラムを用いる場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、例えば、接液部にピストンあるいはプランジャ等を設けて、往復動ポンプを構成してもよい。
【0066】
また、本実施形態に係る往復動ポンプは、二つのダイヤフラム1,2を有し、これらの各接液面1a,2aは、搬送流体流通部6,7およびポンプヘッド3を介して略平行となるべく設けられている。さらに、各ダイヤフラム1,2の裏面側には、作動油流通部8,9を介してダイヤフラム支持体4,5が設けられている。
つまり、本実施形態によれば、ポンプヘッド3、ダイヤフラム支持体4,5、搬送流体流通部6,7、および作動油流通部8,9等を用いて、搬送流体流通ブロック25が形成されることとなる(図2(ロ)参照)。
なお、この搬送流体流通ブロック25は、上記構成に限定されるものではなく、搬送流体を漏洩させない状態であれば、他の構成としてもよい。例えば、ダイヤフラム1,2をポンプヘッド3に固着させて、これらの部材を用いて搬送流体流通ブロックを構成してもよい。
【0067】
このように構成された搬送流体流通ブロック25は、第一のダイヤフラム1と第二のダイヤフラム2との間が密閉空間として形成されているため、図2(ロ)に示すべく作動油供給部11,12等を取り外した状態においても、搬送流体流通ブロック25内から搬送流体が漏洩することはない。
【0068】
したがって、以上のように構成された本実施形態に係る往復動ポンプによれば、メンテナンス処理を効率的に行うことが可能となる。
すなわち、本実施形態に係る往復動ポンプによれば、図2(ロ)に示すように、搬送流体流通ブロック25を分解等することなく、配管部21,22等を取り外し、駆動力供給部40のメンテナンス(例えば、偏心カム42、位置規制付勢手段49の交換等)を行うことが可能となるので、従来のように、二つのポンプヘッド部の分解・組立等を行うことなく、メンテナンス処理を行うことができる。よって、本実施形態においては、搬送流体流通ブロック25内を流通する搬送流体を予め抜いたりすることなく、駆動力供給部40のメンテナンス等を行うことが可能である、メンテナンス性に優れた往復動ポンプを得ることができる。
【0069】
また、本実施形態に係る往復動ポンプも、従来と同様に二つのダイヤフラムを有しているが、本実施形態によれば、二つのダイヤフラムが一つのブロック(搬送流体流通ブロック25)内に設けられているので、従来のように二つの独立したポンプヘッド部を有する場合と比較すれば、ポンプを構成する際の部品点数を大幅に減少させることが可能となる。したがって、部品点数の減少に伴い、封止部の数も従来よりも削減させることが可能となるので、封止部の減少分だけ液漏れの可能性を低減させることができる。
【0070】
さらに、本実施形態に係る往復動ポンプによれば、対向するダイヤフラム1,2の間にポンプヘッド3が設けられているので、一のダイヤフラムの動きが他のダイヤフラムに対して悪影響等を及ぼすことなく、各ダイヤフラムがそれぞれ所定の動きを適切に実施することができる。したがって、本実施形態によれば、各ダイヤフラムにおける吐出流量が適切に保持され、効果的に搬送流体の脈動を防止することが可能な往復動ポンプを得ることができる。
【0071】
また、図7は、本発明の第二の実施形態に係る往復動ポンプを構成する駆動力供給部90の断面図を示したものである。
図7において、駆動力供給部90は、先に述べた駆動部70からの駆動力を伝える駆動力伝達軸41と、この駆動力伝達軸41に取り付けられた偏心カム42と、この偏心カム42の動きに応じて往復動する第一および第二のピストン部43,44と、第二のピストン部44内にて第一のピストン部43と第二のピストン部44とを適切に付勢する位置規制付勢手段49と、これらの各要素を内包しているケーシング部50等とを用いて構成されている。
【0072】
また、本実施形態に係る駆動力供給部90においては、各ピストン部43,44には、それぞれ二つずつのベアリング97(97A,97B),98(98A,98B)と、ベアリング97,98と偏心カム42との間に位置する(ベアリング97,98と偏心カム42とで三点支持されている)転動部(第一の転動部101,第二の転動部102)とが設けられている。そして、偏心カム42の駆動力が、転動部101,102およびベアリング97,98を介して、各ピストン部43,44に伝達されるべく構成されている。
そして、以上のような要素を有する駆動力供給部90においては、ケーシング部50内壁とピストン部43,44との間の密閉空間に、作動油が充填されている。
【0073】
さらに、本実施形態に係る往復動ポンプは、偏心カム42、転動部101,102、およびベアリング97,98周辺の構成以外については、原則として、図1および図2等を用いて先に説明した実施形態と同様の構成を有している。
【0074】
以上のように、本実施形態においては、偏心カム42とベアリング97,98とが直接接触することなく、ベアリング97,98の内輪側よりもさらに径の小さい転動部101,102と、偏心カム42とが接触することによって、偏心カム42からの駆動力がピストン部43,44に伝わるように構成されている。
したがって、本実施形態に係る往復動ポンプによれば、偏心カム42と直接接触する部材たる転動部101,102を小さく形成することができるので、偏心カム42との間に生ずる圧力角を従来よりも小さくすることが可能となるため、長期間の無脈動搬送を実現し、従来技術と比較して、往復動ポンプの長寿命化を図ることができる。
【0075】
また、図8は、本発明の第三の実施形態に係る往復動ポンプの概略断面図を示したものである。この第三の実施形態に係る往復動ポンプは、基本的に、第一の実施形態と同様の構成を有しており、補助プランジャ等を有する点のみが、第一の実施形態と異なる。そこで、以下、第三の実施形態については、主に、第一の実施形態と異なる部分に関する説明を行うこととし、特に説明しない部分については、原則として、第一の実施形態と同様である。
【0076】
この第三の実施形態に係る往復動ポンプは、図8に示すべく、第一および第二のピストン部43,44の近傍に補助プランジャ機構A,Bを有している。偏心カム42の左右に設けられた各補助プランジャ機構A,Bは、基本的には、それぞれ同様の構成を有している。よって、以下、図9および図10においては、左側に位置する補助プランジャ機構Aを用いて、第三の実施形態に係る往復動ポンプを具体的に説明する。
【0077】
先に述べたように(本明細書の[発明が解決しようとする課題]中にて述べたように)、従来技術に係る往復動ポンプにおいては、吸込側弁座にチャッキボールが着座するまでの短時間に、わずかな量の液体が液体の流入側に逆流する。また、作動油の中にわずかに残るエアの圧縮や、超高圧下における作動油自体の体積変化(減少)によって作動油の効率低下を生じる。そこで、この第三の実施形態においては、その逆流や作動油の効率低下による流体量に対応する流量を補充すべく、補助プランジャ機構が設けられている。具体的には、この補助プランジャ機構は、逆流する搬送流体分を補充すべくダイヤフラムを駆動させるために、作動油の押圧量を調整している。
【0078】
図9は、所定量の補充を行うために構成し、調整された補助プランジャ機構の拡大図を示したものである。図9(イ)は、補助プランジャの駆動開始時を示し、図9(ロ)は、補助プランジャの駆動終了時を示したものである。
【0079】
図9において、本実施形態に係る補助プランジャ機構は、作動油押圧手段140と、補充量調整手段160とを用いて構成されている。
作動油押圧手段140は、第一のピストン部43に取り付けられた押圧部170で押圧される補助プランジャ141と、補助プランジャ141を摺動可能に保持する補助プランジャ保持部142と、補助プランジャ141に固着されたスプリング保持部143と、プランジャ保持部142とスプリング保持部143との間に設けられ、補助プランジャ141を偏心カム42側に付勢しているスプリング部144とを用いて構成されている。
また、補充量調整手段160は、補助プランジャ141の作用時間を調整する調整用プランジャ161と、調整用プランジャ161を摺動可能に保持する調整用プランジャ保持部162と、調整用プランジャ保持部162に固着されたスプリング保持部163と、調整用プランジャ161とスプリング保持部163との間に設けられ、調整用プランジャ161を作動油押圧手段140側(偏心カム42側)に付勢しているスプリング部164とを用いて構成されている。
【0080】
調整用プランジャ保持部162の外周面には、雄ネジ部が形成されており、この雄ネジ部は、調整手段挿入部180の内周面に形成された雌ネジ部と螺合すべく形成されている。すなわち、本実施形態においては、調整手段挿入部180と調整用プランジャ保持部162との螺合位置(螺合状態)を調整することによって、補充量調整手段160を矢印X方向(図9(イ)参照)に移動させることが可能となる。よって、本実施形態においては、補助プランジャ141の端面と、調整用プランジャ161の端面との距離tを容易に調整できる。
【0081】
本実施形態に係る補助プランジャ機構においては、補助プランジャ141の端面が、調整用プランジャ161の端面に接するまでが、作動油を補充する工程となる。すなわち、補助プランジャ141の端面と、調整用プランジャ161の端面との距離tが、作動油の補充量を規定することとなる。そして、上述したように、本実施形態においては、距離t(補助プランジャ141の作用時間)を容易に調整することが可能であるため、作動油の補充量をも容易に調整可能となる。
【0082】
上述したように、図9(イ)は、補助プランジャ141の駆動開始時を示しており、補助プランジャ141は、第一のピストン部43の動きに応じて、プランジャ押圧部170によって押圧され、矢印P方向(図9(イ)参照)に摺動する。そして、図9(ロ)の如く、補助プランジャ141が調整用プランジャ161に接すれば、補助プランジャ141は、作動油に対して何も作用しない(作動油に対して押圧力等を生じない)こととなるため、このように、互いのプランジャ141,161が接した状態が、補助プランジャ141の駆動終了時を示すこととなる。
【0083】
すなわち、本実施形態に係る往復動ポンプにおいては、従来技術にて問題となっていた洩れ量を補うために、搬送される流体の逆流するタイミングに合わせて、ダイヤフラムを駆動させるべく、ダイヤフラムを駆動させる作動油の吐出量を増加させている。つまり、本実施形態に係る往復動ポンプによれば、搬送される流体の逆流タイミングに合わせて、吐出工程終了間際のピストン部側の作動油の流量を増加させることによって、搬送流体の逆流分を補正すべくダイヤフラムを駆動させて、脈動を減少させることが可能となる。よって、本実施形態においては、作動油室内に補助プランジャ機構を設けることによって、容易に脈動を防止することが可能となる。
【0084】
また、図10は、補助プランジャの流量を零に調整した状態の拡大図を示したものである。図10(イ)は、補助プランジャの駆動開始時を示し、図10(ロ)は、補助プランジャの駆動終了時を示したものである。
【0085】
図10に示すべく調整された補助プランジャ141および調整用プランジャ161は、基本的には、図9にて説明した場合と同様に、第一のピストン部43に取り付けられた押圧部170によって駆動する。しかしながら、この図10においては、押圧部170が補助プランジャ141に接する前から、補助プランジャ141と調整用プランジャ161とが互いに接するべく調整されている(図10(イ)参照)。具体的には、調整用プランジャ保持部162と調整手段挿入部180との螺合状態を調整することによって、図9(イ)と比較して、補充量調整手段160を、矢印Y方向(図10(イ)参照)に移動させている(補助プランジャ141と調整用プランジャ161とが接する位置まで、補充量調整手段160(調整用プランジャ保持部162)を移動させている)。
【0086】
したがって、この図10に示すべく調整すれば、補助プランジャ141の駆動開始時(図10(イ))から、駆動終了時(図10(ロ))に至るまで、補助プランジャ141と調整用プランジャ161とは接した状態となる。すなわち、この図10の調整状態であれば、補助プランジャ141の端面と調整用プランジャ161の端面との距離が零であるため、補助プランジャ141は、作動油に何の作用も及ぼさないこととなる。
【0087】
以上の図8、図9および図10に示すように、本実施形態に係る補助プランジャ機構は、必要に応じて、補助プランジャ141の作用時間を容易に調整することができる。したがって、本実施形態によれば、往復動ポンプ毎の脈動状態に応じて、適宜、補充量調整手段160を調整し、効果的に脈動を防止することができる。
【0088】
さらに、図11は、往復動ポンプの参考例を構成する偏心カム近傍の概略斜視図を示したものである。図11に示すべく、本実施形態においては、偏心カム(等速度偏心カム)42を駆動させるべく設けられた駆動力伝達軸41に対して、減速機192を介してステッピングモータ191から駆動力が供給されるべく構成されており、駆動力伝達軸41の同軸上には、偏心カム42の変位を検知すべく、回転位置検出器193が設けられている。この回転位置検出器193としては、例えば、ロータリーエンコーダ、タコジェネレータ等があげられる。そして、本実施形態においては、回転位置検出器193の検知信号に基づいてステッピングモータ191の制御を行うことが可能な制御手段(図示省略)が設けられている。つまり、本実施形態においては、回転位置検出器193と制御手段とを用いることによって、偏心カム42の回転速度を任意に制御することが可能となる。また、本実施形態においては、吐出側の流量を検出すべく、流量計(図示省略)が設けられており、係る流量計で検知される検知信号も制御手段に送られるべく構成されている。
【0089】
心カム42近傍は、以上のように構成されているため、第三の実施形態にて説明したチャッキボール近傍における流体の逆流が生ずる場合であっても、本参考例によれば、効果的に脈動を防止することができる。すなわち、本参考例によれば、先に説明した逆流が発生して吐出側流量に脈動が発生したとしても、その流量信号(脈動信号)が流量計から制御手段に送られ、逆流による脈動分の流量を増加させるべく、制御手段からステッピングモータ191に駆動信号が送られることとなる。また、この駆動信号は、偏心カム42の位置も正確に検知した上で、制御手段からステッピングモータ191に送られる。つまり、この往復動ポンプによって、脈動を補正する場合には、偏心カム42の回転位置と連動させた状態でステッピングモータ191の回転を制御することによって、逆流による減少分を補正している。
【0090】
なお、往復動ポンプを駆動させる場合においては、各ポンプの機差および搬送させる流体の性状によって、先に述べたチャッキボール近傍の逆流量が変化する場合がある。しかしながら、本実施形態に係る往復動ポンプによれば、上述したように、ポンプの吐出側に設けられた流量計等にて、流量の脈動(あるいは圧力の変動等)を検知して、その検知信号をステッピングモータ191にフィードバックすることによって、脈動分を補正することができる。すなわち、本参考例に係る往復動ポンプによれば、流体を搬送する際のいかなるタイミングであっても、脈動等を防止して、効果的な流体搬送を実現することが可能となる。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、チャッキボール近傍の流体の逆流による洩れに対応する量の流体を補充すべく構成することによって、効果的に脈動を防止することができる往復動ポンプを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る往復動ポンプの概略断面図
【図2】図1の往復動ポンプを構成する流体搬送部の拡大図
【図3】図1のIII−III断面図
【図4】図1のIV−IV断面図
【図5】第一の実施形態に係る駆動力供給部を構成する第二のピストン部の駆動状態を示した概略図
【図6】第一の実施形態に係る駆動力供給部を構成する位置規制付勢手段の作動状態を示した概略図
【図7】本発明の第二の実施形態に係る往復動ポンプを構成する駆動力供給部の概略断面図
【図8】本発明の第三の実施形態に係る往復動ポンプの概略断面図
【図9】第三の実施形態に係る往復動ポンプにおける補助プランジャ機構の拡大図
【図10】第三の実施形態に係る往復動ポンプにおける補助プランジャ機構の拡大図(補充量が零の場合)
【図11】復動ポンプの参考例を構成する偏心カム近傍の概略斜視図
【図12】従来技術に係る往復動ポンプの概略斜視図
【図13】図12の往復動ポンプを構成するいずれか一方のポンプヘッド部の一部縦断面図
【符号の説明】
1…第一のダイヤフラム、2…第二のダイヤフラム、3…ポンプヘッド、4…第一のダイヤフラム支持体、5…第二のダイヤフラム支持体、6…第一の搬送流体流通部、7…第二の搬送流体流通部、8…第一の作動油流通部、9…第二の作動油流通部、10…流体搬送部、11…第一の作動油供給部、12…第二の作動油供給部、21…第一の配管部、22…第二の配管部、23…流入側逆止弁、24…流出側逆止弁、25…搬送流体流通ブロック、40,90…駆動力供給部、41…駆動力伝達軸、42…偏心カム、43…第一のピストン部、44…第二のピストン部、45…第一の回動軸、46…第二の回動軸、47,48,97,98…ベアリング、49…位置規制付勢手段、50…ケーシング、51…第一の供給口、52…第二の供給口、70…駆動部、101…第一の転動部、102…第二の転動部、140…作動油押圧手段、141…補助プランジャ、142…プランジャ保持部、143…スプリング保持部、144…スプリング部、160…補充量調整手段、161…調整用プランジャ、162…調整用プランジャ保持部、163…スプリング保持部、164…スプリング部、170…プランジャ押圧部、180…調整手段挿入部、191…ステッピングモータ、192…減速機、193…回転位置検出器

Claims (1)

  1. 搬送される流体と接した状態で往復動するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムを駆動させる駆動力供給部とを備えた往復動ポンプにおいて、前記駆動力供給部が、一つの偏心カムと、前記偏心カムの回転によって往復動する第一のピストン部および第二のピストン部と、前記偏心カムの駆動力を前記各ピストン部に伝えるべく、前記偏心カムに接する接触転動要素とを用いて構成されており、前記ダイヤフラムの駆動状態を調整可能な駆動調整機構が設けられ
    前記ピストン部の駆動力が作動油を介して前記ダイヤフラムに伝達されるべく構成されており、前記駆動調整機構が、各ピストン部の動きに応じて駆動する補助プランジャと、前記補助プランジャの作用時間を調整可能な調整用プランジャとを有し、前記補助プランジャが前記作動油を押圧することによって前記ダイヤフラムの駆動状態が調整され、
    前記補助プランジャと前記調整用プランジャとの間隔が前記補助プランジャの作用時間を規制し、前記間隔を任意に設定可能であるべく前記調整用プランジャが構成されていることを特徴とする往復動ポンプ。
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