JP4455720B2 - 生産管理方法およびtft基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生産管理方法に関し、特に、液晶表示装置のTFT基板の製造に用いて好適な生産管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
(1)生産管理方法、スケジューリング方法:
従来、生産ラインのスケジューリング方法として一般的に負荷平準化の方法が用いられている。負荷平準化の方法は、装置に所定の工程の製品を割り付ける場合、まず生産計画に対応する量の製品を(ボトルネック工程などの)装置に山積みする。そして、当該装置の負荷が100%を越えたら、同じ期間でその製品を割り付けることが可能で負荷が100%未満の他の装置にその負荷を移す。そしてさらに、生産能力に対し余力が生じる他の期間に負荷を移すようにする。
【0003】
また、かんばん方式と呼ばれる生産管理方法は、後工程が使った製品分だけを前工程に取りに行き、前工程は引き取られた製品分だけを補充する方式であり(例えば、菅又忠美、他「生産管理がわかる事典」日本実業出版社pp.301)、ジャストインタイムを可能にする方式である。
【0004】
また、TOCと呼ばれる生産改善手法の基本的なスケジューリングまたは生産管理方法では、長時間の停止などで工場全体の生産計画に悪影響を与える可能性がある制約工程の直前と、出荷前に仕掛を集中させる方式を取っている。この場合、制約工程の前の工程(制約工程でないとする)は、制約工程の処理に影響を与えないように、十分な保護能力を持つ必要があるとされている(例えば、稲垣公夫、「TOC革命 制約条件の理論」日本能率協会マネジメントセンタpp.119−142)。
【0005】
液晶表示装置のTFT基板や液晶表示装置の生産ラインのように、装置が複雑でメンテナンスに長時間を要する場合には、ボトルネック工程は、しばしば稼動時の能力が最小の工程を意味していない。例えば、中日程例えば1ヶ月の生産計画を律速するボトルネック工程の1日当りの平均処理能力を1とし、中日程の生産計画がこのボトルネック工程の能力に合わせて設定されている場合を考える。ボトルネック工程の装置が、月に2回1.5日の定期メンテナンスで停止する場合、この工程は、定期メンテナンスの日以外は、1.1の能力で処理を行う必要がある。もしこのボトルネックの次の工程の装置が稼動時に1.05の能力を持っていたとしても、ボトルネックの装置が停止している間、次の工程にも仕掛がなく、同時に停止する場合には、当該次工程は平均して1の能力を発揮することはできなくなってしまう。この場合、ボトルネック以外の工程に全て1.1の能力を持たせることは、しばしば大きな投資を必要とする。また、ボトルネックの停止に合わせて他の工程が停止することを許容すれば、能力を律速する隘路が他工程に移り、ラインは本来のボトルネック工程の能力を最大限に活用できないことになる。
【0006】
ラインの納期を中日程生産計画の操業期間で管理する場合、期限が近づくと過剰な出荷優先、後工程優先が行われる可能性がでてくる。そうなると、工程群が装置群を共用している場合、装置が前工程の仕掛があっても処理を行わず、後工程の製品を待って処理を行うため、製品待ちが頻繁に生じる。結果として前工程で大きな損失が発生し、次の中日程生産計画に対する遅れを生じ、悪循環に陥り易いという問題がある。
【0007】
(2)生産ラインの設計・構成方法:
従来の半導体装置の生産ラインの構成方法として、各ベイのストッカーの保管棚の数を、生産計画から決まる各ストッカーのカセット(ロット)のベイ間搬送からの入庫総数(from)とベイ間搬送への出庫総数(to)の和を目安として決める方法が知られている。この場合、各ストッカーの入庫総数と出庫総数の比率に従ってストッカーの棚数が決まることになる。しかしながらこの方式では、実際の生産ラインで制約工程が必要とする仕掛の確保ができず、棚の有効性に問題がある。
【0008】
これに対し、ベイ毎のストッカーは置かずに、装置の近傍に分散保管する方法が、日経マイクロデバイス1998年3月号pp.l04−107に記載されている。これは、長時間停止する装置がある場合に、その停止時間分の製品を保管しておくのに必要な保管棚を装置近傍に設置するという考え方である。ところがこの方式では、停止時に前工程から多量の製品が供給されると棚が不足するため、ライン全体を停止する必要が生じてしまうという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
(1)生産管理方法、スケジューリング方法:
従来の負荷平準化の方法の課題について説明する。従来の負荷平準化方法では、負荷の山積みと平準化は、まず同一時間帯でより負荷の小さい他の装置に製品を割り付け、次に時間的にずらして製品を割り付けていく方法を取っている。従って各装置の負荷率は、異なる日や異なる工程では等しくならない。また、各装置の各工程に対する使用比率も日毎に異なっている。このような方法では、製品の割り付けの自由度が大きいためルールの設定が難しく、計算にも長時間を要してしまうという問題がある。このため、現実にはボトルネック工程に絞って計算を行うなど、現場への適用にはかなりの制約が生じている。また、投入計画の組替えやメンテナンス予定の組替えによる仕掛バランスの良否を短時間で評価することが困難である。従って、仕掛バランスの評価に基づき最適な中日程生産計画及びそれと連動する小日程生産計画を作成することが困難である。また、生産計画の変更やトラブル発生時の処理予定の見直しやメンテナンスの組替えのための再計算にも長時間を要し、ライン損失の予防とリカバリーをタイムリーに行うことは難しかった。
【0010】
かんばん方式によるジャストインタイム生産の場合、長時間停止する装置がある場合には、その停止時間だけ生産ラインが停止する。したがって、ライン内の装置の停止によるライン停止損失を予め考慮して、生産ラインのスループットを少な目に設定して初めてジャストインタイムの生産が可能となる。これは、液晶表示装置のTFT基板製造ラインなどのように付加価値が投資額に対して比較的低く、量産効果で利益を確保する必要がある一方で、装置の世代交代が早く、装置の信頼性が不十分なラインには適していない。
【0011】
TOCスケジューリング方法では、制約工程直前と出荷前に仕掛を集中させている。これら以外の工程は制約工程の長時間停止の影響で工場全体の生産計画に影響を与えないよう、十分な保護能力を持たせる必要がある。しかし、十分な保護能力を持たせるには、装置台数を増加させたり装置仕様を高くしたりすることになるため設備投資が増大する。設備投資の増大は、減価償却費が製品コストの大きな割合を占める液晶表示装置のTFT基板や半導体装置の製造ラインでは、製品コストを増加させる大きな要因となる。
【0012】
また、従来の生産管理方法では、装置群を工程群で共用しており、装置の共用関係により、お互いに能力の授受が可能な工程群を含むラインを2種類以上の品種が流れる生産ラインにおいて以下のような問題を生じる。すなわち、所定の工程での所定の品種の製品の加工に使用した号機の履歴が、他の工程での当該品種の製品の加工に使用できる号機を制約するという号機の使用限定条件が生産ラインに存在しているものとする。この場合、所定の工程での所定の品種製品の処理装置履歴が、手番分の時間差で他の工程の当該品種製品の処理の効率に影響する場合に、手番による時間差や装置のメンテナンス予定も考慮して装置群の処理能力を最大効率で活用して、工程群の処理能力を生産計画の対象となる操業期間の累積で最大化するようなスケジューリングができないという問題がある。
【0013】
(2)生産ラインの設計・構成方法:
上述の、各ストッカーの入庫総数と出庫総数の和を目安として決め、入庫総数と出庫総数の比率に従って各ベイのストッカーの棚数を決める方法は、どの工程にも均等に仕掛を持たせようという考え方に基づいている。ところがこの方法は、装置の長時間停止がライン全体に与える影響を考慮していない。
【0014】
例えば、入庫総数/出庫総数が他のベイに比較して少ないからといって、装置の長時間停止でライン全体に大きな影響のある工程を抱えたベイの棚数を少なくしてしまった場合を考えてみる。装置の長時間停止でその工程が停止してロットの投入ができなくなると、後続ロットを保管する場所がないため、その工程の前工程も停止してしまい、影響が順次ライン全体に波及してしまう。
【0015】
一方、入庫総数/出庫総数が他のベイに比較して多いからといって、装置停止がほとんどない工程のベイの棚数を増やしてしまうと、空き棚ばかり多くなり、棚の有効利用ができなくなってしまう。
【0016】
次に、ベイ毎のストッカーは置かずに、装置の近傍に分散保管する方法の課題について説明する。この方法では長時間停止が予想される装置の近傍だけに棚を置くため、停止装置の後の工程が仕掛不足で停止してしまうことを防ぐことができない。
【0017】
従来のTFT基板製造ラインでは、最終製品である液晶表示装置の大型化に伴い、製品基板の面積も大型化し、したがって製造装置の大型化が進んできた。この結果、装置のMTBF(平均故障時間)やMTTR(平均修復時間)が十分改善されないまま、新しい機種への切替えが起り、MTBFやMTTRが低い状態でのライン管理を強いられる結果となっている。一方で液晶表示装置は、画面サイズが大きいため、1枚のTFT基板での取れ面数が少なく、半導体装置と比較すると付加価値を高くできず、コストダウンのためのラインのスループットの向上が重要となっている。したがってMTTRやMTBFの不十分な装置でできる限り大きなスループットを確保するために、装置の長時間停止の影響をできるだけ少なくすることが求められる。従来はこのような装置の信頼性の不十分な状態で、高いスループットを確保するような生産管理方法によるTFT基板の製造方法が存在しなかったため、TFT基板の製造による利益確保が難しかった。
【0018】
本発明の目的は、装置群を工程群で共用する場合に、各装置の各工程に対する使用比率が、中日程生産計画の対象となる操業期間で原則として一定となるようなスケジューリングを可能とする生産管理方法を提供することにある。
【0019】
また、本発明の目的は、長時間停止を伴うボトルネック工程を持つ生産ラインにおいて、設備投資を最小限に抑え、かつボトルネック工程の能力を最大限に活用する生産ラインの設計ができる生産管理方法を提供することにある。
【0020】
さらに、本発明の目的は、納期が近づいた場合に適正な出荷優先を行い、前工程の遅れを最小限に抑え、全体として最適なライン運用を可能とする生産管理方法を提供することにある。
【0021】
またさらに、本発明の目的は、複数の装置群が複数の工程群と複数の品種群を処理するような生産ラインにおいて、号機の使用限定条件が存在する場合に、手番による時間差や装置のメンテナンス予定も考慮して装置群の処理能力を最大効率で活用して、工程群の処理能力を中日程生産計画の対象となる操業期間の累積で最大化するようなスケジューリングを可能とする生産管理方法を提供することにある。
【0022】
また、本発明の目的は、液晶表示装置におけるTFT基板の生産ラインのような装置の信頼性の不十分な状態のラインにおいて、装置の長時間停止の影響を最小限に抑え、スループットを改善し、利益を確保できる生産管理方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、装置群を工程群で共用しており、装置の共用関係により、お互いに能力の授受が可能な工程群において、前記工程群の各工程の製品処理能力に対する前記各工程の必要製品処理数の比率である負荷率を、中日程生産計画の対象となる操業期間全体での前記各工程の累積能力に対する前記各工程の累積生産予定の比率として求め、前記負荷率が前記工程群の各工程で等しくなるように、各装置の前記各工程に対する最適使用比率を計算し、前記最適使用比率を小日程生産計画に反映させることを特徴とする生産管理方法によって達成される。
【0024】
上記本発明の生産管理方法において、前記操業期間での前記各装置の前記各工程に対する使用比率を前記最適使用比率にほぼ等しくして前記各工程の処理予定を一意に定め、前記中日程生産計画に対応する平準化した出荷予定と投入予定に対し、ある時点での前記各工程の実際の仕掛を基に、前記操業期間でのライン全体に渡る仕掛推移を計算し、前記仕掛の過不足の発生状況に基づいて、投入計画やメンテナンス予定の良否を評価し、前記中日程生産計画に対応する最適な日割り計画と、必要に応じ前記日割り計画と連動する前記小日程生産計画を作成することを特徴とする。
【0025】
また、上記目的は、中日程生産計画での出荷予定及び歩留り計画とラインの出荷実績及び仕掛と各工程の処理予定とに基づく処理予定量に対する処理を所定の工程が終了したことを認識し、前記所定の工程と装置を共用する後の工程に前記所定の工程の能力を振向け、前記後の工程の前記処理予定量の処理が終了した後に、振向けた前記能力に相当する能力を前記所定の工程に戻すことにより、納期遵守のための出荷優先を適切に行うことを特徴とする生産管理方法によって達成される。
【0026】
さらに、上記目的は、装置群を工程群で共用しており、装置の共用関係により、お互いに能力の授受が可能な工程群を含むラインを2種類以上の品種が流れる場合、前記工程群のうち一の工程での一の品種の製品の加工に使用した装置の履歴が、前記工程群のうち他の工程で前記一の品種の製品の加工に使用できる号機を制約する使用限定条件が存在する場合に、前記工程群の各工程の製品処理能力に対する前記各工程の必要製品処理数の比率である負荷率が中日程生産計画の対象となる操業期間の累積処理に対して等しくなるように、前記各装置の前記各工程と前記品種とに対する最適使用比率を計算し、前記最適使用比率を小日程生産計画に反映させることを特徴とする生産管理方法によって達成される。
【0027】
またさらに、上記目的は、マトリクス状の複数の画素領域のそれぞれに薄膜トランジスタを形成するTFT基板の製造方法において、上記本発明の生産管理方法のいずれかを用いることを特徴とするTFT基板の製造方法によって達成される。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態による生産管理方法について実施例を用いて説明する。初めに本実施の形態による生産管理方法の手順と作用について説明する。
【0029】
(1)生産管理方法、スケジューリング:
負荷平準化のための割り付けに長い時間を必要とする従来の課題について、本生産管理方法は以下のようにして解決する。すなわち、装置群を工程群で共用している場合に、工程群の各工程の製品処理能力に対する各工程の必要製品処理数の比率である負荷率を、中日程生産計画の対象となる操業期間の累積処理に対して等しくなるように、各装置の各工程に対する最適使用比率を計算し、これを小日程生産計画でのスケジューリングに反映させる生産管理を行う。
これにより、ライン全体を中日程生産計画に対して最適となるように小日程のスケジューリングを統合的に管理することが可能となる。
【0030】
同時に、各装置の各工程に対する使用比率が、中日程生産計画の対象となる操業期間で原則として一定となるようにする。これにより、処理予定や仕掛推移の計算時間を短縮できる。そして、投入計画の組替えやメンテナンス予定の組替えによる仕掛バランスの良否を短時間で評価できる。従って、最適な中日程生産計画、及びこれと連動する小日程生産計画の作成が可能となる。
また、生産計画の変更やトラブル発生時の処理予定の見直しやメンテナンスの組替えのための再計算も短時間で行うことができ、ライン損失の予防とリカバリーをタイムリーに行うことも可能となる。
【0031】
既述のように、かんばん方式は、長時間停止する装置がある場合にその停止時間だけ生産ラインが停止するという課題を有している。また、TOCの基本的なスケジューリングは、制約工程が長時間停止しても工場全体の生産計画に影響を与えることがないように、装置台数を増加したり装置仕様を高くしたりする必要が生じて設備投資が増大してしまうという課題を有している。これらの課題に対し、本生産管理方法は以下のようにして解決する。
【0032】
すなわち、ボトルネック工程や制約工程の前後の工程群の間で、装置の工程間の共用関係を作り、ボトルネック工程や制約工程で長時間停止が生じると、その後工程で仕掛不足で製品待ちとなる工程の装置能力をボトルネック工程の前の工程に振向け、ボトルネック工程や制約工程の装置復旧後は、再度、前工程に振向けた能力を後工程に戻すことで、ボトルネック工程や制約工程での装置の長時間停止のラインへの影響を最小限に抑えるようにする。
【0033】
このとき、工程群で共用している装置群の装置の各工程に対する最適使用比率が予め中日程生産計画に対して計算されている。このため、この最適使用比率を基準として、暫定的にボトルネックの前工程に振向けた能力を計算し、ボトルネック装置の復旧後、これに相当する能力を容易にボトルネックの後の工程に戻すことができる。
【0034】
工程群のトータル能力が一定であるとすれば、能力を前工程に振向けてから次に後工程に戻しても、全体として生産計画に対する遅れは生じない。
【0035】
また本生産管理方法は、中日程生産計画の出荷予定及び歩留り計画と、ラインの出荷実績及び仕掛と、各工程の処理予定とに基づいて、中日程の生産計画に対応する処理量(例えば月で管理する場合は、その月の処理予定量)の処理をある工程が終了したことを認識したら、その工程と装置を共用する後工程に、その工程の能力を振向け、その後工程がその月の処理予定量の処理を終了した後に、振向けた能力に相当する能力を前工程に戻すことで、出荷優先を適切に行うことができる。
【0036】
また、本実施の形態による生産管理方法は、複数の装置群が複数の工程群と複数の品種群を処理し、かつ、号機の使用限定条件(ある工程でのある品種の製品の加工に使用した装置の履歴が、他の工程でのその品種の製品の加工に使用できる号機を制約する)が存在する場合に、工程群の各工程の製品処理能力に対する各工程の必要製品処理数の比率である負荷率を、中日程生産計画の対象となる操業期間の累積処理に対して等しくなるように、各装置の各工程と品種に対する最適使用比率を計算し、これを小日程生産計画でのスケジューリングに反映させるようにしている。
こうすることにより、手番による時間差や装置のメンテナンス予定も考慮して装置群の処理能力を最大効率で活用して、工程群の処理能力を生産計画の対象となる操業期間の累積で最大化するようなスケジューリングが可能となる。
【0037】
このとき、号機の使用限定を生じる最初の工程での製品処理の号機と品種毎の最適使用比率に合わせて、ラインへの製品(ロット)投入を行うことで、基本的には先入れ先出しによるディスパッチで、各工程の処理を行うことが可能となる。
【0038】
本実施の形態による生産管理方法を用い、装置の信頼性の不十分な状態で高いスループットを確保する必要があるTFT基板のような製品を製造することにより、装置の故障やメンテナンスのラインへの影響を最小限に抑えてスループットを改善し、コストダウンが達成できる。また、本生産管理方法に合わせて装置やラインを設計して構成することにより、最小限の投資で最大限のスループットを実現することができるようになる。
【0039】
本実施の形態による生産管理方法では、ある工程の装置の長時間停止の影響を他工程に及ぼさないための安全仕掛数に相当する仕掛を当該工程の直後に確保し、直前にはこれとほぼ同数の空き棚を確保しておくようにしている。そして長時間停止が発生した場合には、直後仕掛が次工程で消費されて減少すると共に、直前にこれとほぼ同数の投入待ちの仕掛が溜まる。
【0040】
直後仕掛と直前仕掛の和が、平常時も装置長時間停止時も一定となるように管理することで、装置長時間停止が他工程に影響することを防ぐことができる。従来は工程の仕掛を直前仕掛だけで考えているため、装置の長時間停止時には仕掛が増加してしまい、ラインが停止してしまうという問題が生じている。本実施の形態では直前仕掛と直後仕掛の和で管理することで、装置長時間停止時にも仕掛が一定で管理することが可能となる。即ち直前仕掛と直後仕掛の和の計画数と、和の実績仕掛数を比較することで、ラインを止める必要がなくなり、影響を自工程だけで吸収することが可能となる。
【0041】
(2)生産ラインの設計・構成方法:
本実施の形態では、装置の長時間停止が予想される制約工程の直前だけでなく、この制約工程の前後の工程群の間で装置の工程間の共用関係を作る。そして、制約工程の前の共用関係にある工程の直前にも、後工程の装置が振向けられて処理能力が一時的に急増しても吸収できるだけの仕掛を保持するのに必要十分なストッカーの棚数を用意する。
【0042】
これにより、制約工程の装置が長時間停止すると、制約工程の後の工程は、一時的に装置の能力を制約工程の前の工程に振向け、制約工程の装置復旧後は前工程の能力を他と後工程に回すようにして、工場全体の生産計画に影響する損失が発生することを防止する。
【0043】
また、装置の稼動実績データから安全仕掛数を計算する方法を提供する。この方法は、仕掛数と処理数の推移から近似的に求める方法に比べて、計画仕掛数を明確に定義することが可能である。この安全仕掛数を計算することで、必要なストッカーの棚数を決めることができる。必要な所に必要な棚数を用意することで、装置長時間停止の影響が他工程に及ぶことを防ぎ、ストッカーの棚がラインのスループット最大化に確実に寄与することとなる。しかも不要な棚を置く無駄も排除できて、ストッカーのコストを必要最小限に抑えることが可能となる。
【0044】
【実施例】
以下、具体的に実施例を用いて本生産管理方法について説明する。
〔実施例1〕
装置群Ej(j=1,…,n)が工程群Pi(i=1,…,m)を処理する場合において、装置Ejの工程Piに対する最適使用比率をRijs、装置Ejの工程Piに対する月の第k日目の最大処理能力をTijk(枚/日)として次式で定義する。
【0045】
Tijk={1440×(1−Fj)−Djk}×Rijs/Hij[枚/日]・・・(1)
【0046】
ただし、定数1440は1日(24時間)を分で表わしたものである。Fjは平均故障率、Djkは第k日目のメンテナンス時間、Hij(分)は品種で平準化したタクトである。なお、TFT基板の製造や半導体装置の製造においては、処理を主に律速するものは装置である。タクトは、装置が1枚の基板を処理するのに要する時間であり負荷を測る単位となる。タクトは品種により異なる場合がある。各品種を処理する必要数は生産計画により決まる。そこで、ある装置が各品種を一定数ずつ処理する際の負荷の大きさは、品種毎のタクトに品種毎の必要処理数を掛けて総和を取った時間で表わすことができる。
【0047】
また装置Ejの工程Piに対する中日程生産計画上の第k日目の平準化した処理予定をLi・Tijkで表わし、また第f日目を中日程生産計画上の最終操業日とする。ここで、Liは中日程生産計画の対象となる操業期間全体での各工程の累積能力に対する各工程の累積生産予定の負荷率で、次式を満足するものとする。
【0048】
【数1】
【0049】
(2)式のLiが各工程で等しくなるように(1)式のRijsを計算することにより、装置群Ejの各装置の工程群Piの各工程に対する最適使用比率を求めることができる。
【0050】
なお、負荷率について言及すると、負荷率とは装置が製品処理可能な総時間に対する負荷時間の割合を言う。負荷率100%とは、装置が製品処理可能な時間にフルに処理を行うことを意味する。製品処理可能な時間とは、工場の操業時間から、その装置の平均故障時間と、装置の性能を維持するのに必要な定期メンテナンス、点検、付帯作業のための時間と、休息や引継ぎ等で装置を計画的に空ける時間とを差し引いた時間である。
【0051】
本実施例1により、各装置の工程間での複雑な共用関係や、メンテナンス予定の絡み合った状況においても、工程毎の処理予定が一意に定まり、与えられた初期仕掛と出荷予定に対し、中日程生産計画の対象となる操業期間でのライン全体に渡る仕掛推移が瞬時に計算できる。したがって1ヶ月程度の期間での仕掛の過不足を瞬時に予測して、投入計画の組替えやメンテナンス予定の組替による仕掛バランスの良否を短時間で評価し、最適な中日程生産計画、及びこれと連動する小日程生産計画の作成が可能になる。
【0052】
〔実施例2〕
負荷率Liを実施例1のように計算することで、装置Ejの工程Piに対する月の第k日目の最大処理能力Tijkが一意に定まる。そこで各工程の月の第k日目の平準化した処理予定Yikを次式で求める。
【0053】
【数2】
【0054】
(3)式のYikを中日程生産計画の操業期間内の各操業日において、各工程の処理予定とすることにより、この期間での各装置の各工程に対する使用比率を、この操業期間における最適使用比率Rijsに等しくする。さらに、このYikを初期値として、各工程のある時点の仕掛を基に仕掛推移を計算し、仕掛の過不足の発生状況により、投入計画やメンテナンス予定の良否を評価し、最適な中日程生産計画に対応する日割り計画を作成する。
【0055】
〔実施例3〕
定期メンテナンスなどで、ある工程Pbで装置の長時間停止による処理不足が発生する場合に、その後工程Pxにおいて実施例2で計算した仕掛が負とならないよう工程間共用装置Emの使用比率Rijを調整する。このとき装置Emが、長時間停止する装置が担当する工程Pbを挟んで、後の工程に当るPx工程と、前の工程に当るPy工程を処理可能であるとして、Px工程からPy工程に能力を振向ける。振向ける能力Δtは、中日程生産計画が月単位として、長時間停止が発生する月の第a日目に装置Emの長時間停止が発生するとして、振向けた場合の装置Emの後工程Pxでの使用比率をRxmkとして、
【0056】
Δt=1440×(Rxms−Rxmk)/Hxm ・・・(4)
【0057】
で与えられる。そこで、この1440×(Rxms−Rxmk)に相当する時間を、次の日以降に装置EmのPy工程での使用時間からPx工程に戻すようにする。これにより、後工程Pxにおける装置Emの長時間停止による処理不足を解消して後工程Pxでの処理低下を防止することができる。
【0058】
工程Pbがボトルネック工程の場合、その後工程Pxへは、工程Pbの装置稼動開始後も平準化した予定を大きく上回る量の製品は流れてこない。中日程例えば1ヶ月の生産計画を律速するボトルネック工程Pbの1日当りの平均処理能力を1とし、中日程の生産計画がこのボトルネック工程Pbの能力に合わせて設定されている場合を考える。
【0059】
中日程の生産計画での1日の必要処理量をN(枚/日)とする。例えばボトルネック工程Pbの装置が月に2回1.5日の定期メンテナンスで停止する場合、このPb工程は、定期メンテナンスの日以外は、1.1×Nの能力で処理を行う必要がある。ボトルネック工程Pbの後のpx工程が稼動時に1.05×Nの能力を持っている場合、稼動開始後は、1日0.05×NずつPyからPx工程に能力を戻していけばよい。この場合、Px工程とPy工程の処理量のバランスが回復するまでの期間Trは、
【0060】
Tr=Δt/(0.05×N)=1440×(Rxms−Rxmk)/(0.05×Hxm×N) ・・・(5)
で与えられる。
【0061】
〔実施例4〕
実施例2の(3)式でLi=1とした場合のYikをTikで表わすと、Tikは工程iの第k日目の最大処理可能数を表わす。
【0062】
【数3】
【0063】
装置トラブルや品質トラブルなどで、特定の工程または工程群の処理が遅れた場合には、これらの工程の処理予定数を、最大処理可能数以下の範囲で必要な上乗せを行うことによりリカバリーを行う。上乗せ処理予定数Yikuは、上乗せ係数をa(0≦a≦1)として、
【0064】
Yiku=Yik+a×(Tik−Yik) ・・・(7)
となる。
【0065】
〔実施例5〕
実施例4の方法だけではリカバリーが難しい場合、次のような方法でリカバリーを行うことができる。すなわち、各工程が中日程生産計画の1日目からの累積で処理した実績が中日程生産計画の予定処理量に達しているかどうかを判定する。前の工程であるほど手番が長いので早い時点で予定数に達する。予定数に達した工程Pyが、後の(出荷により近い)工程Pxと装置Emを共用している場合、出荷優先のためPy工程からPx工程に能力を振向ける。振向ける能力Δuは、中日程生産計画が月単位として、月の第a日目に工程Pyの累計処理実績が生産計画に達したとし、振向けた場合の装置Emの後工程Pyでの使用比率をRymkとして、第k日目からk+n日目まで能力を振向けたとすると
【0066】
【数4】
となる。
【0067】
Px工程の累積処理数が中日程生産計画の予定数に達した後は、振向けた能力Δuを再びPx工程からPy工程に戻してバランスを回復させる。
【0068】
〔実施例6〕
複数の装置群が複数の工程群と複数の製品品種群を処理する生産ラインの場合について説明する。このような生産ラインであって、ある工程でのある品種の製品の加工に使用した号機の履歴が、他の工程でのその品種の製品の加工に使用できる号機を制約するという、号機の使用限定条件が存在する場合を考える。このような生産ライン号機の使用限定がある場合には、まず工程毎に、その工程を処理する各装置に対して中日程生産計画(通常1ヶ月程度)で生産を予定している品種を処理する比率を設定する。
【0069】
このとき工程Aと工程Bの間に号機限定が存在する場合、例えば工程Aの1号機での処理製品は、工程Bでは1号機か3号機で処理するという限定がある場合、工程Aでの1号機の各品種の処理量比率に、工程Bでの1号機と3号機の各品種の処理量比率を等しくするようにする。同じように、工程Aでのi号機の処理製品が、工程Bでは、ある号機群で処理するという号機限定がある場合、これらの号機群での各品種の処理量比率を工程Aでのi号機の各品種の処理量比率に等しくなるようにする。
【0070】
また、号機限定のある工程群と同じ装置群の装置で処理しているが、品種の限定や号機限定が存在しない工程については、その工程を処理する各号機の各品種の処理量比率が等しくなるようにする。このように品種比率を設定した後、各号機を各工程に使用する使用時間比率を設定する。その上で、中日程生産計画の設定されているラインの操業期間の各号機のメンテナンス予定に対して、各工程の処理可能枚数を計算し、これに対する生産計画上の処理必要枚数の割合である負荷率が各工程で等しくなるように、各号機の各工程での品種の処理比率と、各工程での各号機の使用時間比率の回帰計算を行う。
【0071】
このように設定すると、中日程生産計画の対象となる操業期間全体に対して、装置の工程と品種に対する使用比率と、製品の各号機系列に対する使用比率を最適化することができる。さらに、製品のラインへの投入順序を号機限定が生じる最初の工程の、品種と号機の比率に合わせて投入することで、基本的には先入れ先出しのディスパッチにより最適な処理を行うことができる。
【0072】
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、特に液晶表示装置のTFT基板の生産ラインを例にとって説明しているが、本発明はこれに限られない。カラーフィルタ(CF)基板の製造工程、あるいは基板貼り合わせや液晶注入等のセル工程での生産管理やスケジューリング、あるいは生産ラインのライン設計及び構成方法にも本発明を適用可能である。
【0073】
また、液晶表示装置の製造工程に限らず、プラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)や半導体ウェハの生産ラインの生産管理及びスケジューリングあるいは生産ラインのライン設計及び構成方法にも本発明を適用可能である。
【0074】
以上説明した実施形態に基づき、本発明は以下のようにまとめられる。
(第1の発明)
装置群を工程群で共用しており、装置の共用関係により、お互いに能力の授受が可能な工程群において、前記工程群の各工程の製品処理能力に対する前記各工程の必要製品処理数の比率である負荷率を、中日程生産計画の対象となる操業期間全体での前記各工程の累積能力に対する前記各工程の累積生産予定の比率として求め、
前記負荷率が前記工程群の各工程で等しくなるように、各装置の前記各工程に対する最適使用比率を計算し、
前記最適使用比率を小日程生産計画に反映させること
を特徴とする生産管理方法。
【0075】
(第2の発明)
第1の発明の生産管理方法において、
前記操業期間での前記各装置の前記各工程に対する使用比率を前記最適使用比率にほぼ等しくして前記各工程の処理予定を一意に定め、
前記中日程生産計画に対応する平準化した出荷予定と投入予定に対し、ある時点での前記各工程の実際の仕掛を基に、前記操業期間でのライン全体に渡る仕掛推移を計算し、
前記仕掛の過不足の発生状況に基づいて、投入計画やメンテナンス予定の良否を評価し、
前記中日程生産計画に対応する最適な日割り計画と、必要に応じ前記日割り計画と連動する前記小日程生産計画を作成すること
を特徴とする生産管理方法。
【0076】
(第3の発明)
第1又は第2の発明の生産管理方法において、
ボトルネック工程や制約工程の前後の工程間で装置の共用関係を作り、
前記ボトルネック工程や前記制約工程で長時間の停止が生じたら、当該工程の後の工程で仕掛不足で製品待ちとなる工程の装置能力を前記ボトルネック工程や前記制約工程より前の工程に振向け、
前記ボトルネック工程や前記制約工程の復旧後は、前記前の工程に振向けた前記能力に相当する能力を前記後の工程に戻すこと
を特徴とする生産管理方法。
【0077】
(第4の発明)
第3の発明の生産管理方法において、
前記最適使用比率を基準として暫定的に前記前の工程に振向けた前記能力を計算し、
前記工程群のトータル能力が一定であるという条件の下で、前記ボトルネック工程や前記制約工程の復旧後は、前記計算した能力に相当する能力を前記後の工程に戻すことにより、全体として生産計画に対し遅れが生じないようにすること
を特徴とする生産管理方法。
【0078】
(第5の発明)
第3又は第4の発明の生産管理方法において、
前記操業期間中に予想される前記ボトルネック工程や前記制約工程で発生する故障による最長停止時間と、定期メンテナンスによる停止時間とのいずれか長い方を予想最長停止時間とし、
前記予想最長停止時間に対応する前記能力分を前記後の工程から前記前の工程に振向けた場合に、前記前の工程で前記能力分を吸収するのに必要な仕掛が確保されるように、前記各工程の処理予定を調整すること
を特徴とする生産管理方法。
【0079】
(第6の発明)
第5の発明の生産管理方法において、
前記前の工程の前記仕掛が確保されるよう、前記前の工程或いはそれよりさらに前の工程の装置周辺に、前記仕掛を保管する保管棚を設けること
を特徴とする生産管理方法。
【0080】
(第7の発明)
第6の発明の生産管理方法において、
前記ボトルネック工程や前記制約工程の周辺に、前記ボトルネック工程や前記制約工程の仕掛を保管する保管棚を設けること
を特徴とする生産管理方法。
【0081】
(第8の発明)
中日程生産計画での出荷予定及び歩留り計画とラインの出荷実績及び仕掛と各工程の処理予定とに基づく処理予定量に対する処理を所定の工程が終了したことを認識し、
前記所定の工程と装置を共用する後の工程に前記所定の工程の能力を振向け、前記後の工程の前記処理予定量の処理が終了した後に、振向けた前記能力に相当する能力を前記所定の工程に戻すことにより、納期遵守のための出荷優先を適切に行うこと
を特徴とする生産管理方法。
【0082】
(第9の発明)
装置群を工程群で共用しており、装置の共用関係により、お互いに能力の授受が可能な工程群を含むラインを2種類以上の品種が流れる場合、前記工程群のうち一の工程での一の品種の製品の加工に使用した装置の履歴が、前記工程群のうち他の工程で前記一の品種の製品の加工に使用できる号機を制約する使用限定条件が存在する場合に、
前記工程群の各工程の製品処理能力に対する前記各工程の必要製品処理数の比率である負荷率が中日程生産計画の対象となる操業期間の累積処理に対して等しくなるように、前記各装置の前記各工程と前記品種とに対する最適使用比率を計算し、
前記最適使用比率を小日程生産計画に反映させること
を特徴とする生産管理方法。
【0083】
(第10の発明)
第9の発明の生産管理方法において、
前記号機の使用限定を生じる最初の工程での製品処理の号機の前記最適使用比率に基づいてラインへ製品を投入することにより、原則的に先入れ先出しによるディスパッチで前記各工程を処理すること
を特徴とする生産管理方法。
【0084】
(第11の発明)
マトリクス状の複数の画素領域のそれぞれに薄膜トランジスタを形成するTFT基板の製造方法において、
第1乃至第10の発明のいずれかの生産管理方法を用いることを特徴とするTFT基板の製造方法。
【0085】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)装置群を工程群で共用している場合において、所定の操業期間の累積処理に対して負荷率が等しくなるように、各装置の各工程に対する最適使用比率を計算して小日程生産計画に反映させるため、ライン全体を中日程生産計画に対して最適となるように小日程のスケジューリングを統合的に管理することができる。
【0086】
(2)各装置の各工程に対する使用比率が所定の操業期間で原則として一定となるようにするので、処理予定や仕掛推移の計算時間が短縮でき、また、投入計画の組替えやメンテナンス予定の組替えによる仕掛バランスの良否を短時間で評価できるようになる。これにより最適な中日程生産計画及びそれと連動する小日程生産計画の作成が可能となる。また、生産計画の変更やトラブル発生時の処理予定の見直しやメンテナンスの組替えのための再計算も短時間で行うことができ、ライン損失の予防とリカバリーをタイムリーに行うことも可能となる。
【0087】
(3)ボトルネック工程前後の工程間で装置の共用関係を作るので、ボトルネック工程や制約工程での装置の長時間停止のラインへの影響を最小限に抑えることができる。
【0088】
(4)工程群で共用している装置群の装置の各工程に対する最適使用比率を基準として、暫定的にボトルネック工程の前工程に振向けた能力を計算し、ボトルネック工程の装置の復旧後、これに相当する能力を容易にボトルネック工程の後の工程に戻すことができる。工程群のトータル能力が一定の条件で、能力を振向けるため、能力を前工程に振向け、次に後工程に戻した場合に、全体として生産計画に対し遅れを生じることがない。
【0089】
(5)処理予定量を処理し終えた所定の工程と装置を共用する後工程に対して、当該所定の工程の能力を振向け、後工程が処理予定量を処理し終えたら、振向けた能力に相当する能力を前工程に戻すようにできるため、出荷優先を適切に行うことができる。
【0090】
(6)号機の使用限定条件が存在する場合に、所定の操業期間の累積処理に対して負荷率が等しくなるように、各装置の各工程と品種に対する最適使用比率を計算して小日程生産計画に反映させることができ、基本的に先入れ先出しによるディスパッチで各工程の処理を行うことが可能となる。
【0091】
(7)TFT基板の生産ラインのような、装置の信頼性が不十分な状態で高いスループットを確保する必要がある場合には、装置の故障やメンテナンスのラインへの影響を最小限に抑え、スループットを改善し、コストダウンを押し進めることができる。
Claims (4)
- 装置群を工程群で共用しており、装置の共用関係により、お互いに能力の授受が可能な工程群において、前記工程群の各工程の製品処理能力に対する前記各工程の必要製品処理数の比率である負荷率を、中日程生産計画の対象となる操業期間全体での前記各工程の累積能力に対する前記各工程の累積生産予定の比率として求め、
前記負荷率が前記工程群の各工程で等しくなるように、各装置の前記各工程に対する最適使用比率を計算し、
前記最適使用比率を小日程生産計画に反映させること
を特徴とする生産管理方法。 - 請求項1記載の生産管理方法において、
前記操業期間での前記各装置の前記各工程に対する使用比率を前記最適使用比率にほぼ等しくして前記各工程の処理予定を一意に定め、
前記中日程生産計画に対応する平準化した出荷予定と投入予定に対し、ある時点での前記各工程の実際の仕掛を基に、前記操業期間でのライン全体に渡る仕掛推移を計算し、
前記仕掛の過不足の発生状況に基づいて、投入計画やメンテナンス予定の良否を評価し、
前記中日程生産計画に対応する最適な日割り計画と、必要に応じ前記日割り計画と連動する前記小日程生産計画を作成すること
を特徴とする生産管理方法。 - 装置群を工程群で共用しており、装置の共用関係により、お互いに能力の授受が可能な工程群を含むラインを2種類以上の品種が流れる場合、前記工程群のうち一の工程での一の品種の製品の加工に使用した装置の履歴が、前記工程群のうち他の工程で前記一の品種の製品の加工に使用できる号機を制約する使用限定条件が存在する場合に、
前記工程群の各工程の製品処理能力に対する前記各工程の必要製品処理数の比率である負荷率が中日程生産計画の対象となる操業期間の累積処理に対して等しくなるように、前記各装置の前記各工程と前記品種とに対する最適使用比率を計算し、
前記最適使用比率を小日程生産計画に反映させること
を特徴とする生産管理方法。 - マトリクス状の複数の画素領域のそれぞれに薄膜トランジスタを形成するTFT基板の製造方法において、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の生産管理方法を用いることを特徴とするTFT基板の製造方法。
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