JP4454955B2 - 剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物に係り、特に、可使時間が長いうえ各種基材に塗布されると短時間で硬化する保存安定性および硬化性に優れた剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、紙、プラスチックフィルム、金属箔等の基材表面に剥離性の硬化皮膜を形成するため、アルケニル基含有ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンおよび白金系触媒からなる、いわゆる付加反応型のポリオルガノシロキサン組成物(シリコーン組成物)が汎用されている。
【0003】
一般に、このような付加反応型のポリオルガノシロキサン組成物においては、可使時間の確保と硬化時間の短縮という相反する特性を両立させるため、室温下で白金系触媒の反応を抑制し、高温下ではアルケニル基含有ポリオルガノシロキサンとポリオルガノハイドロジェンシロキサンの付加反応を促進する抑制剤が配合される。代表的な抑制剤はアセチレンアルコールやそのシリル化物であり、これらのアセチレンアルコールとそのシリル化物を併用する方法もこの目的のために提案されている(例えば、特許文献1−4参照。)。
【0004】
しかしながら、このような抑制剤の多くは、初期硬化性、すなわち処理浴調製直後の硬化性を低下させたり、あるいは、初期硬化性は変わらないものの、十分な可使時間(ポットライフ)が得られない、すなわち時間の経過とともに処理浴のゲル化が進む、という問題があった。また、可使時間が長く、かつ、初期硬化性に優れるものであっても、時間の経過とともに硬化性が低下することがあった。なお、これは、抑制剤が白金系触媒の活性を低下させるからと考えられる。
【0005】
【特許文献1】
特開平1−12786号公報
【特許文献2】
特開平6−329917号公報
【特許文献3】
特開平11‐166122号公報
【特許文献4】
特許第3098946号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の抑制剤では、初期硬化性が低下する、十分な可使時間が得られない、硬化性が経時劣化するなどの問題があり、硬化性と可使時間を十分に両立させることは困難であった。
【0007】
このため、可使時間と硬化性を十分に両立させることができる抑制剤、そして、このような新規な抑制剤を用いて、初期硬化性に優れ、硬化性の経時劣化が少なく、かつ、可使時間の長い剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物が要望されている。
【0008】
本発明はこのような要望に応えるべくなされたもので、初期硬化性に優れるうえ、硬化性の経時劣化が少なく、しかも、可使時間の長い剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、付加反応抑制剤として、分子内に2個のビニル基を有する特定構造のジシロキサンを使用することにより、硬化性と可使時間を十分に両立させることができ、また、そのようなジシロキサンにアセチレンアルコール、アセチレンアルコールのシリル化物およびマレイン酸エステルを併用することにより、特に保存安定性を向上させ、より長時間の可使時間が確保されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本願の請求項1記載の発明の剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物は、(A)1分子中に少なくとも2個の不飽和基を有するポリオルガノシロキサン100重量部、(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に直接結合した水素原子を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン0.1〜30重量部、(C)1,1,3,3−テトラメチル1,3−ジビニルジシロキサン0.1〜20重量部、(D)触媒量の白金系触媒、および(E)トリメチル(1,1−ジメチルプロピニロキシ)シラン、メチルトリス(1,1−ジメチルプロピニロキシ)シラン、ジメチルビス(1,1−ジメチルプロピニロキシ)シラン、およびメチルビニルビス(1,1−ジメチルプロピニロキシ)シランの群より選ばれる少なくとも1種のアセチレンアルコールのシリル化物0.0001〜1重量部を含有することを特徴とするものである。
【0011】
本願の請求項2記載の発明の剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物は、請求項1記載の発明の剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物において、(A)成分の少なくとも2個の不飽和基が、アルケニル基であることを特徴とするものである。
【0012】
本願の請求項3記載の発明の剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物は、請求項1記載の発明の剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物において、(A)成分の少なくとも2個の不飽和基が、ビニル基であることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物においては、付加反応抑制剤として、上記一般式[I]で示される分子内に2個のビニル基を有するジシロキサンを使用したことにより、初期硬化性に優れるうえ、硬化性の経時劣化が少なく、さらに、可使時間も長いものとなる。特に、付加反応抑制剤として、アセチレンアルコール、アセチレンアルコールのシリル化物およびマレイン酸エステルを併用した場合には、保存安定性が向上し、可使時間がより長くなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の剥離処理剤は、(A)1分子中に少なくとも2個の不飽和基を有するポリオルガノシロキサン、(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に直接結合した水素原子を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン(C)付加反応抑制剤として、前記一般式[I]で示されるジシロキサン、および(D)白金系触媒を含有するものである。
【0017】
(A)成分のポリオルガノシロキサンとしては、一般には、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に直接結合したアルケニル基を有するポリオルガノシロキサンが使用される。
【0018】
アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等が例示されるが、なかでもビニル基が好ましい。本発明においては、ケイ素原子に直接結合したアルケニル基を、ケイ素原子に結合するすべての基に対して0.05〜30モル%、特に0.1〜20モル%含有することが好ましい。アルケニル基の割合が0.05モル%に満たないと十分な硬化性が得られず、逆に30モル%を超えると剥離特性が低下する。
【0019】
また、ケイ素原子に結合するアルケニル基以外の基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基、トリル基等のアリール基、または、これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部もしくは全部を、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基等で置換した、クロルメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノプロピル基、フェノール基、ヒンダードフェノール基等の、同種または異種の置換または非置換の1価の炭化水素基等が例示されるが、なかでも、炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基が好ましい。
【0020】
このポリオルガノシロキサンの分子構造は、直鎖状および分岐状のいずれであってもよい。分子鎖末端は、特に限定されるものではなく、アルケニル基、メチル基、水酸基、フェニル基等が例示されるが、なかでもアルケニル基が好ましく、特にビニル基が好ましい。
【0021】
この(A)成分のポリオルガノシロキサンの具体例としては、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリメチルビニルシロキサン等が挙げられる。
【0022】
(B)成分のポリオルガノハイドロジェンシロキサンは、(A)成分のポリオルガノシロキサンの架橋成分として作用するものであり、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に直接結合した水素原子を有するものであれば、一般にこの種の付加反応型シリコーン組成物に使用されているもののなかから任意に選択して使用することができる。
【0023】
このポリオルガノハイドロジェンシロキサンの分子構造は、直鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよい。
【0024】
この(B)成分のポリオルガノハイドロジェンシロキサンの具体例としては、ジメチルハイドロジェンシロキシ基末端封鎖メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、ジメチルハイドロジェンシロキシ基末端封鎖ポリメチルハイドロジェンシロキサン、トリメチルシロキシ基末端封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ基末端封鎖ポリメチルハイドロジェンシロキサン、環状ポリメチルハイドロジェンシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン単位とSiO2単位からなる共重合体等が挙げられる。
【0025】
この(B)成分のポリオルガノハイドロジェンシロキサンの配合量は、1分子中のケイ素原子に結合した水素原子の数によって異なるが、一般的には(A)成分のポリオルガノシロキサン100重量部に対し、0.1〜30重量部である。0.1重量部未満では、硬化皮膜の形成速度が遅くなり、30重量部を超えると、硬化皮膜の剥離性能が低下する。
【0026】
(C)成分の付加反応抑制剤は、本発明の特徴をなす成分であり、後述する(D)成分の白金系触媒の保存中における触媒活性を低下させることなく、(A)成分のアルケニル基と(B)成分のケイ素原子に結合した水素原子の付加反応を抑制し、組成物の保存安定性を高める働きをする。
【0027】
前記一般式[I]中、R1、R2、R3およびR4で示される炭素数1〜10の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基等が挙げられる。R1、R2、R3、R4が、炭素数10を超える基であると、実用的な初期硬化性が得られない。
【0028】
この(C)成分のジシロキサンの具体例としては、1,1,3,3-テトラメチル1,3-ジビニルジシロキサン、1,1,3,3-テトラフェニル1,3-ジビニルシロキサン等が挙げられ、なかでも1,1,3,3-テトラメチル1,3-ジビニルジシロキサンが好ましい。
【0029】
この(C)成分のジシロキサンの配合量は、(A)成分のポリオルガノシロキサン100重量部に対し、0.1〜20重量部であり、好ましくは0.2〜15重量部である。0.1重量部未満では、(A)成分と(B)成分の付加反応を抑制する効果が得られず、室温での保存安定性が低下する。また、20重量部を超えると、組成物の初期硬化性が低下する。
【0030】
(D)成分の白金系触媒は、(A)成分と(B)成分の付加反応を促進し、本発明の組成物を硬化させる成分である。このような白金系触媒としては、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸のオレフィン、ビニルシロキサン等との錯体、炭素粉末担体上に吸着させた微粒子白金、白金黒触媒等が例示される。
【0031】
この白金系触媒の配合量は触媒量とすればよく、通常、(A)成分のポリオルガノシロキサン100重量部に対し、白金量として、1〜1000 ppmの範囲である。1 ppm未満では、満足な硬化性が得られず、1000 ppmを超えると、非経済的であるうえ、十分な可使時間が得られない。
【0032】
本発明のシリコーン組成物には、組成物の保存安定性をさらに高める目的で、従来より知られる付加反応抑制剤を配合することができる。このような付加反応抑制剤としては、アセチレンアルコールやそのシリル化物、マレイン酸エステルが例示される。
【0033】
アセチレンアルコールの具体例としては、3-メチル-1-ブチン-3-オール、3-メチル-1-ペンチン-3-オール、3,5-ジメチルヘキシン-3-エン-1-イン、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、1-エチニル-1-シクロヘキサノール等が挙げられる。また、アセチレンアルコールのシリル化物の具体例としては、トリメチル(1,1−ジメチルプロピニロキシ)シラン、メチルトリス(1,1−ジメチルプロピニロキシ)シラン、ジメチルビス(1,1−ジメチルプロピニロキシ)シラン、メチルビニルビス(1,1-ジメチルプロピニロキシ)シラン等が挙げられる。さらに、マレイン酸エステルの具体例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジアリル等が挙げられる。本発明においては、なかでもアセチレンアルコールのシリル化物が好ましい。
【0034】
このような付加反応抑制剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で配合され、その種類によっても異なるが、通常、(A)成分のポリオルガノシロキサン100重量部に対し、 0.0001〜1重量部である。0.0001重量部未満では、添加による効果が得られず、1重量部を超えると、実用的な初期硬化性が得られなくなる。
【0035】
本発明のシリコーン組成物には、以上の成分の他に、さらに必要に応じて、この種のシリコーン組成物に通常配合される有機溶剤、増粘剤、剥離性調整剤、顔料、染料等を、本発明の効果を阻害しない範囲で配合することができる。
【0036】
本発明の剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物は、上記(A)〜(D)成分および任意成分を均一に混合することにより得られるが、この場合、(D)成分を除く各成分を予め均一に混合した後、(D)成分を添加することが好ましい。
【0037】
このように調製されたシリコーン組成物は、紙、プラスチックフィルム、金属箔等の各種基材に塗布された後、常法により加熱硬化され、剥離性の硬化皮膜が形成される。
【0038】
本発明の組成物は、保存安定性に優れ、しかも、保存中に硬化触媒の活性が低下することがないため、基材に塗布後、速やかに硬化し、剥離性に優れた硬化皮膜を形成する。したがって、剥離紙や剥離性フィルム等の用途に非常に有用である。
【0039】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載において「部」は「重量部」を意味し、また、粘度は25℃における測定値である。
【0040】
参考例1
分子鎖両末端がジメチルビニル基で封鎖された、ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体(ビニル基含有量1.0モル%、トルエンで55%に希釈したときの粘度20,000mPa・s)100部と、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖されたポリオルガノハイドロジェンシロキサン(粘度25mPa・s)1.5部と、付加反応抑制剤として、1,1,3,3−テトラメチル1,3−ジビニルジシロキサン5.5部と、トルエン900部とを均一に混合した後、白金系触媒として、上記ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体100部に対して白金量として100ppmとなる量の白金のビニル基含有シロキサン錯体を添加し、均一に混合して剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物を調製した。
【0041】
参考例2、3
各成分の配合量を表1に示すように変えた以外は参考例1と同様にして剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物を調製した。
【0042】
実施例1〜3
付加反応抑制剤として、1,1,3,3−テトラメチル1,3−ジビニルジシロキサンとともにジメチルビス(1,1−ジメチルプロピニロキシ)シランを配合するとともに、各成分の配合量を表1に示すように変えた以外は参考例1と同様にして剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物を調製した。
【0043】
比較例1〜3
付加反応抑制剤として、1,1,3,3-テトラメチル1,3-ジビニルジシロキサンに代えて3-メチル-1-ブチン-3-オールを配合するとともに、各成分の配合量を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様にして剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物を調製した。
【0044】
上記各参考例、各実施例および各比較例で得られた剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物について、以下に示す方法で、その硬化性(硬化皮膜が形成されるまでの時間およびその変化)、ポットライフ(粘度変化)、剥離力および残留接着率を測定した。これらの結果を付加反応抑制剤の添加量とともに表1に示す。
【0045】
[硬化性]
剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物をガラス容器に入れ、40℃温度下で撹拌しながら、所定時間毎(調製直後、2時間後、4時間後)に所要量取り出し、基材(ポリエチレンラミネート紙)上に約0.7g/m2塗布した後、90℃の熱風循環式オーブン中で加熱して硬化皮膜が形成されるまでの時間を測定した。この硬化の判定は、塗工面を指で擦っても皮膜が脱落せず、かつ曇らない時点とした。
【0046】
[ポットライフ]
剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物をガラス容器に入れ、40℃の温度下で撹拌しながら、所定時間毎(調製直後、2時間後、4時間後)に粘度を測定した。
【0047】
[剥離力]
調製直後の剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物を、基材(ポリエチレンラミネート紙)上に約0.8g/m2塗布し、140℃の熱風循環式オーブン中で30秒間加熱して硬化させた後、その硬化皮膜面にTesa7475テープ(バイヤスドルフ社製 商品名)を貼り合せた。次いで、70℃で20g/cm2の荷重下に20時間エイジングさせて、試験片を作製した。この試験片を引張り試験機を用いて180°の角度で剥離速度0.3m/分で引張り、テープの剥離に要する力を測定した。
【0048】
[残留接着率]
剥離力の場合と同様にして基材(ポリエチレンラミネート紙)上に硬化皮膜を形成した後、その表面にポリエステルテープのニットー31B(日東電工社製 商品名)を貼り合わせ、20g/cm2の荷重下に70℃で20時間エイジングさせた後、そのテープを剥がし、ステンレス板に貼り付けた。次いで、この処理テープをステンレス板から180°の角度で剥離速度0.3 m/分で剥がして剥離に要する力を測定するとともに、標準テープをステンレス板に貼り付け、同様にしてテープの剥離に要する力を測定し、次式より残留接着率を算出した。なお、標準テープとは、ポリエステルテープのニットー31Bをテフロン(登録商標)シートに貼り合せ、試験片と同様に20g/cm2の荷重下に70℃で20時間エイジングさせたものをいう。
残留接着率(%)=(処理テープの剥離に要する力/標準テープの剥離に要する力)×100
【0049】
【表1】
【0050】
表1から明らかなように、実施例の剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物は、初期硬化性が良好なうえ、硬化性の経時劣化が少なく、かつ、経時による粘度の増大も少なかった。特に、従来のアセチレンアルコール系抑制剤を使用した比較例に比べ、硬化性の経時劣化に対し顕著な効果が認められた。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物によれば、付加反応抑制剤として分子内にビニル基を有する特定構造のジシロキサンを含有しているので、硬化性と可使時間を十分に両立させることができ、特に、従来に比べ、硬化性の経時劣化を抑制することができる。
Claims (3)
- (A)1分子中に少なくとも2個の不飽和基を有するポリオルガノシロキサン100重量部、
(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に直接結合した水素原子を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン0.1〜30重量部、
(C)1,1,3,3−テトラメチル1,3−ジビニルジシロキサン0.1〜20重量部、
(D)触媒量の白金系触媒、および
(E)トリメチル(1,1−ジメチルプロピニロキシ)シラン、メチルトリス(1,1−ジメチルプロピニロキシ)シラン、ジメチルビス(1,1−ジメチルプロピニロキシ)シラン、およびメチルビニルビス(1,1−ジメチルプロピニロキシ)シランの群より選ばれる少なくとも1種のアセチレンアルコールのシリル化物0.0001〜1重量部
を含有することを特徴とする剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物。 - 前記(A)成分の少なくとも2個の不飽和基が、アルケニル基であることを特徴とする請求項1記載の剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物。
- 前記(A)成分の少なくとも2個の不飽和基が、ビニル基であることを特徴とする請求項1記載の剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物。
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