JP4454656B2 - メタルボンドバンドソー - Google Patents

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Description

本発明は、被切削材を切削する切断装置に設けられたメタルボンドバンドソーに関する。
メタルボンドバンドソーは、一端と他端とを接続することで環状に形成されたバンドと、このバンドの一方の側縁部に所定間隔ごとに設けられたセグメントチップとを備えている。このメタルボンドバンドソーは、バンドを周回させ、半導体インゴットなどの被切削材にセグメントチップを押し当てることで、被切削材に切削溝を掘りながら切断するものである。
このようなメタルボンドバンドソーを使用して被切削材を切断する際には、被切削材の切断面の品質はセグメントチップの切れ味に左右される。特に、バンドソーの進行方向に対して平行なチップ本体の側面は、被切削材と接触する時間が長く、切れ味が高く、耐久性が高いことが求められる。しかし、セグメントチップの側面に砥粒が配置されていないと、図10に示すように、バンド101からの押圧力による底面102および溝底103の摩擦と、側面104および溝壁105の摩擦により、側面104と底面102との接続部分である角部106が、溝壁105に摺動することで摩耗する側面104全体より先に摩耗して円弧面となる「角だれ」が発生してしまい切れ味の低下を招いてしまう。従って、セグメントチップの側面には、砥粒を配置するのが望ましい。
ところで、半導体インゴットなどの被切削材を切断するものとして、例えば、ブレードではあるが特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1に記載の超砥粒ブレードは、円板状の基板の外周部のチップ側面に、チップの内縁からチップの外縁方向へ、ダイヤモンド砥粒または立方晶窒化ホウ素砥粒を固着した複数の砥粒連結列を設けたものである。
この特許文献1には、砥粒連結列を形成する砥粒の間隔が、平均砥粒径以内とするのが望ましく、また、ホイール回転方向に対しての傾斜角度は、切れ味への影響が懸念されるため、放射状が好ましく傾斜させた場合でも45°までにとどめるのが望ましいと記載されている。
特開2004−298969号公報
特許文献1に記載の超砥粒ブレードは、円板状の基板が回転するものなので、それぞれの砥粒連結列が、放射状であっても、ホイール回転方向に対して傾斜していても、被切削材を切削したときの切粉を遠心力によって、砥粒連結列同士の間を通過させ、切削溝とチップ側面との間から排出することができる。また、この超砥粒ブレードにおける砥粒の配置を、セグメントチップの側面に適用すると、切削が進むに連れて次第に側面の先側から順次摩耗しても、側面と底面との接続部分である角部には、次々と側面に配置された砥粒が位置することになるので、角だれの防止を図ることができる。
しかし、メタルボンドバンドソーの場合には、被切削材をセグメントチップが直線的に移動して切削していくので、セグメントチップの側面に特許文献1の砥粒連結列を単に複数配列しただけでは、切粉が前方に位置する砥粒連結列に蓄積されることで切れ味が低下するおそれがある。また、前方に位置する砥粒連結列を抜けたとしても、次の砥粒連結列に引っかかり蓄積されるおそれもあり、やはり、切れ味の低下が懸念される。
そこで本発明は、角だれの防止を図りつつ、切削時の切粉の排出性を維持することで、切削を続けても切れ味の低下を抑制することができるメタルボンドバンドソーを提供することを目的とする。
本発明のメタルボンドバンドソーは、直方体状のセグメントチップが、バンドの一方の側縁部に沿って所定間隔ごとに配設されたメタルボンドバンドソーにおいて、前記セグメントチップの進行方向に対して平行なチップ本体の側面であって、それぞれが平行な等間隔で、かつ前記進行方向の前方から後方へ向かうに従って前記チップ本体の先側から基側に向かって傾斜する第1仮想平行直線群と、それぞれが平行な等間隔で、前記進行方向の後方から前方へ向かうに従って前記チップ本体の先側から基側に向かって傾斜する第2仮想平行直線群とで格子状とした交点の位置に、砥粒が配列され、前記それぞれのセグメントチップは、前記バンドに沿って両側面の位置を揃えて形成され、前記砥粒は、一方の側面と前記一方の側面とは反対側となる他方の側面とのいずれかに設けられると共に、隣接する前記セグメントチップ同士で異なる側面に配列されていることを特徴とする。
本発明のメタルボンドバンドソーは、砥粒が、チップ本体の側面であって、格子状とした第1仮想平行直線群と第2仮想平行直線群との交点の位置に配列されているので、側面に規則的に分散した状態である。従って、切削が進むに連れて、チップ本体の側面の先側の摩耗が進むことで砥粒が脱落しても、規則的に配列された砥粒が次々に側面の先側の角部に出現するので、角部が摩耗によって丸くなるいわゆる「角だれ」を抑止することができ、同じ切れ味を維持することができる。このセグメントチップは、メタルボンドバンドソーが進行することで、直線状の切削溝を被切削材に形成しながら切削していく。そして、セグメントチップの側面がこの切削溝の溝壁に接することで、溝壁が削られ切粉が発生する。チップ本体の側面に設けられた砥粒は、第1仮想平行直線群と第2仮想平行直線群とで格子状となった交点の位置に配列されているので、切粉は、進行方向の前方から後方へ向かうに従ってチップ本体の先側から基側に向かう第1仮想平行直線群の間を直線的に通過することで、側面と溝壁との間から排出される。また、第1仮想平行直線群を横切るように通過する切粉は、第1仮想平行直線群に交差するそれぞれが平行な第2仮想平行直線群の間を直線的に通過することができる。従って、第1仮想平行直線群または第2仮想平行直線群のいずれかの間、または両方を、切粉が蓄積されることなく抜けていくことで、側面と溝壁との間から排出することができるので、切削時の切粉の排出性を維持することができ、切粉が砥粒に蓄積することによる切れ味の低下を抑制することができる。
また、前記それぞれのセグメントチップは、前記バンドに沿って両側面の位置を揃えて形成され、砥粒が、一方の側面または他方の側面のいずれかに設けられているので、砥粒が配列されている側面はボンドの摩耗が抑止され、砥粒がない側面は摩耗が進行する。砥粒は隣接するセグメントチップ同士で異なる側面に配列されているので、1個おきに砥粒が配置されていないボンド面に段差ができる。この段差がチップポケットとなることで、より一層、切れ味を向上させることができる。
前記第1仮想平行直線群は、前記進行方向に対して、135°から175°の範囲に傾斜しているのが望ましい。
また、前記砥粒は、前記第1仮想平行直線群の仮想直線を斜辺とする仮想直角三角形の前記斜辺の両端上に配置され、前記仮想直角三角形の高さを、前記砥粒の粒径の0.8倍倍から1.2倍の範囲とすると、セグメントチップの側面の先側の角部に位置する砥粒が切削により脱落しても、次の砥粒が順次角部に位置することで角部から突き出した状態となる。従って、摩耗が進行しても常に角部には砥粒が位置しているので、「角だれ」を抑止することができ、同じ切れ味を維持することができる。
前記第2仮想平行直線群は、前記進行方向に対して、45°から135°の範囲に傾斜しているのが望ましい。
前記砥粒は、複数の砥粒が集まった砥粒集合体であるのが望ましい。前記砥粒が、砥粒集合体であると、1個の砥粒を単独にろう付けする場合と比較して、砥粒集合体の全体が強固に固着されるため、砥粒集合体の保持強度が高まり、個々の砥粒の脱落を防止することができる。
また、前記砥粒集合体は、1個の中心となる砥粒と、この砥粒の周囲を取り囲む複数の砥粒とで形成されているのが望ましい。このようにチップ本体の側面に砥粒集合体が設けられていることで、砥粒集合体においては各砥粒の間隔が小さく、被切削材との接触面が砥粒集合体の研削面として作用するので、切断抵抗を小さくすることができる。
前記砥粒は、前記チップ本体に内包された砥粒より粒径が小さく形成されているのが望ましい。被切削材に切削溝を効率よく深堀りするためには、チップ本体に内包された砥粒は、ある程度の大きさが必要である。チップ本体の側面に配置される砥粒の粒径が、チップ本体に内包された砥粒より小さいと、切削溝の溝壁を切削しつつ、溝壁にできる切削傷を小さくすることができるので、被切削材を切断したときの切断面を見栄えのよいものとすることができる。
本発明は、砥粒が、直方体状のセグメントチップの側面上の格子状とした第1仮想平行直線群と第2仮想平行直線群との交点の位置に配列されていることにより、ほぼ同じ個数の砥粒が切削溝の角部に接触するので、「角だれ」を抑止することができ、同じ切れ味を維持することができる。また、切削した際に発生する切粉は、第1仮想平行直線群または第2仮想平行直線群のいずれかの間、または両方を、切粉が蓄積されることなく抜けていくことができるので、切削時の切粉の排出性を維持することができる。よって、本発明は、角だれの防止を図りつつ、切削時の切粉の排出性を維持することができるので、切削を続けても切れ味の低下を抑制することができる。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る切断装置について、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る切断装置を示す図である。図2は、図1に示す切断装置に用いられるメタルボンドバンドソーの一部拡大図である。図3は、図2におけるA−A線断面図である。図4は、本発明の実施の形態1に係るセグメントチップの側面図である。図5は、図4に示すセグメントチップの側面における砥粒の配置を説明するための図である。なお、図2においては、チップ本体の側面に配置された砥粒は図示していない。また、図面中に記載された砥粒の大きさは、チップ本体に対して実際の比率で記載されたものではない。
図1に示すように切断装置1は、環状のメタルボンドバンドソー2と、このメタルボンドバンドソー2を引っ張った状態で掛け渡されている2つのプーリー3,3と、一方のプーリー3を回転させる駆動モーター(図示せず)とを備え、プーリー3,3の間であり、かつメタルボンドバンドソー2の下方に位置する半導体インゴットなどの被切削材Wを切断するものである。
メタルボンドバンドソー2は、一端と他端とを接続することで環状に形成されたバンド21と、このバンド21の一方の側縁部に所定間隔ごとに設けられたセグメントチップ22とを備えている。
図2に示すように、バンド21は、可撓性を有するステンレスまたはスチール等の薄板で形成されている。このバンド21には、所定間隔ごとにセグメントチップ22が配置される第1凹部21aが設けられている。この第1凹部21aにセグメントチップ22がろう付けされることで固着されている。また、バンド21には、セグメントチップ22が配置されたそれぞれの間に、第2凹部21bが設けられている。
図2および図3に示すように、セグメントチップ22は、チップ本体22xが直方体状に形成され、複数の砥粒22aをメタルボンドで焼結することで、チップ本体22xに砥粒22aが分散した状態で内包されている。チップ本体22xは、高さHが3.5mm、長さLが3.5mm、幅Wが1.6mmに形成されている。このチップ本体22xに内包される砥粒22aは、粒径が約230μmのものである。このチップ本体22xは、メタルボンドバンドソー2の進行方向Fに対して前側となる前面221と、後側となる後面222と、下側となる底面223と、進行方向Fに対して平行な一方の側面224および他方の側面225とのうち、側面224,225に粒径が190μmの砥粒22bが露出した状態で設けられている。
ここで、チップ本体22xの側面224,225に設けられた砥粒22bの配列について、図4に基づいて詳細に説明する。
図4に示すように、砥粒22bは、本体22xの側面224上の第1仮想平行直線群L1(一点鎖線)と、第2仮想平行直線群L2(二点鎖線)とで格子状とした交点に配置されている。なお、図4においては、側面224の反対側となる側面225は図示されていないが、側面225も側面224と同様に砥粒22bが配置されている。
第1仮想平行直線群L1は、それぞれが平行で、かつ進行方向Fの前方から後方へ向かうに従ってチップ本体22xの先側22yから基側22zに向かって傾斜させた直線群である。本実施の形態1では、この第1仮想平行直線群L1の傾斜角度を、進行方向Fに対して、166°としている。また、本実施の形態1では、第1仮想平行直線群L1のそれぞれの仮想直線L1xの間隔を、切粉の排出性を考慮して砥粒22bの粒径よりも広くした0.83mmとしている。
第2仮想平行直線群L2は、それぞれが平行で、かつ進行方向Fの前方から後方へ向かうに従ってチップ本体22xの基側22zから先側22yに向かって傾斜させた直線群である。本実施の形態1では、この第2仮想平行直線群L2の傾斜角度を、進行方向Fに対して、80°としている。また、本実施の形態1では、第2仮想平行直線群L2のそれぞれの仮想直線L2xの間隔を、切粉の排出性を考慮して砥粒22bの粒径よりも広くした0.83mmとしている。
この砥粒22bの配置については、第1仮想平行直線群L1の傾斜角度および間隔と、第2仮想平行直線群L2の傾斜角度および間隔で決定することができる他に、図5に示すように、砥粒22bの配置を、進行方向Fに対して166°に傾斜した第1仮想平行直線群L1の仮想直線L1xを斜辺Sとし、砥粒22bの粒径の0.8倍した長さを高さTとした仮想直角三角形Rの斜辺Sの両端上に砥粒22bを配置とすることで、第1仮想平行直線群L1の傾斜角度およびそれぞれの間隔と、第2仮想平行直線群L2のそれぞれの間隔で決定することも可能である。
以上のように構成された本発明の実施の形態1に係る切断装置の使用状態を、図1から図5と、更に図6に基づいて説明する。図6は、図3に示すセグメントチップが被切削材を切削する状態を示す図である。
まず、図示しない操作盤からモータの駆動を指示することで、モータが回転する。このモータの回転により図1に示すプーリー3,3に掛け渡らせたメタルボンドバンドソー2が周回を始める。
メタルボンドバンドソー2の下方に位置する被切削材Wに対して、メタルボンドバンドソー2を下降させることで、被切削材Wにセグメントチップ22を接触させる。
メタルボンドバンドソー2が進行することで、被切削材Wの上面に直方体状のセグメントチップ22の前面221の下端が接触しつつ底面223全体が接触して、被切削材Wにセグメントチップ22の幅の直線状の切削溝が形成される。そして、切削が進行することで、切削溝が深くなっていく。
セグメントチップ22の側面224,225がこの切削溝の溝壁に接する際には、溝壁が削られ切粉が発生する。砥粒22bは、第1仮想平行直線群L1と第2仮想平行直線群L2とで格子状となった交点の位置に配列されているので、切粉22bは、進行方向Fの前方から後方へ向かうに従ってチップ本体22xの先側22yから基側22zに向かう第1仮想平行直線群L1の間を、矢線F1で示す方向に直線的に通過することで、側面223と溝壁との間から排出される。
また、第1仮想平行直線群L1を横切るように通過する切粉は、第1仮想平行直線群L1に交差するそれぞれが平行な第2仮想平行直線群L2の間を、矢線F2で示す方向に直線的に通過することができる。
従って、第1仮想平行直線群L1または第2仮想平行直線群L2のいずれかの間、または両方を、切粉が蓄積されることなく抜けていくことで、側面224,225と溝壁との間から排出することができるので、切削時の切粉の排出性を維持することができる。
また、砥粒22bが、格子状とした第1仮想平行直線群L1と第2仮想平行直線群L2との交点の位置に配列されているので、側面224,225に規則的に分散した状態である。従って、図6に示すように、側面224,225の先側22yである下端の摩耗が進んでも、ほぼ同じ個数の砥粒22bが切削溝の角部Cに接触することになる。これにより、同じ切れ味を維持することができるので、側面224,225の先側22yの角部が摩耗によって丸くなるいわゆる「角だれ」を抑止することができる。
また、本実施の形態1では、砥粒22bがチップ本体22xに内包された砥粒22aより粒径が小さく形成されている。これは、被切削材Wに切削溝を効率よく深堀りするためには、チップ本体に内包された砥粒22aは、ある程度の大きさが必要であるが、砥粒22bの粒径が砥粒22aの粒径と同等、または大きければ、溝壁と接触した際に砥粒222bによる切削が引っ掻き傷となってしまうおそれがあり、切断が完了して溝壁面が切断面となったときに見栄えが悪くなってしまう。
従って、砥粒22bが砥粒22aより粒径が小さく形成されていることで、被切削材Wを切断したときの切断面を見栄えのよいものとすることができる。
なお、本実施の形態1では、第1仮想平行直線群L1の傾斜角度を、進行方向Fに対して、166°の角度に傾斜させているが、この傾斜角度は135°から175°の範囲内であればよい。傾斜角度が135°未満であると、切削が進行することでチップ本体22xが先側22yから摩耗して、側面224,225の下端に位置する砥粒22bが脱落すると、第1仮想平行直線群L1上に位置する次の砥粒22bが下端に位置しない状態となることがある。また、傾斜角度が175°より大きければ、傾斜角度が135°未満のときと同様に、切削が進行することで砥粒22bが脱落すると、第1仮想平行直線群L1上に位置する次の砥粒22bが下端に位置しない状態となることがある。これは、第2仮想平行直線群L2の間隔を狭くして、砥粒22bの配置を隣接させることで、摩耗による砥粒22bの脱落が発生しても次の砥粒22bを下端に位置させることで防止することができる。しかし、切粉の排出性の点から砥粒22bの間隔を粒径以上に確保する必要があるため好ましくない。従って、傾斜角度は135°から175°の範囲とするのが望ましい。
また、本実施の形態1では、第2仮想平行直線群L2の傾斜角度を、進行方向Fに対して、80°に傾斜させているが、この傾斜角度は45°から135°の範囲内であればよい。傾斜角度が45°未満であると、切削が進行することでチップ本体22xが先側22yから摩耗して、側面224,225の下端に位置する砥粒22bが脱落すると、第2仮想平行直線群L2上に位置する次の砥粒22bが下端に位置しない状態となることがある。また、傾斜角度が135°より大きければ、傾斜角度が45°未満のときと同様に、切削が進行することで砥粒22bが脱落すると、第2仮想平行直線群L1上に位置する次の砥粒22bが下端に位置しない状態となることがある。この場合においても、第1仮想平行直線群L1の間隔を狭くして、砥粒22bの配置を隣接させることで、摩耗による砥粒22bの脱落が発生しても次の砥粒22bを下端に位置させることで防止することができる。しかし、切粉の排出性の点から砥粒22bの間隔を粒径以上に確保する必要があるため好ましくない。従って、傾斜角度は45°から135°の範囲とするのが望ましい。
また、砥粒22bの配置を、図5に示す仮想直角三角形Rで決定する場合には、仮想直角三角形Rの高さTを、砥粒22bの粒径の0.8倍から1.2倍の範囲内とすることもできる。仮想直角三角形Rの高さTが砥粒22bの0.8倍未満であると砥粒22bの間隔が狭くなりすぎることで、側面224,225に必要以上の砥粒22bが配置されてしまい、コストが増大する。高さTが砥粒22bの1.2倍より大きいと砥粒22bの間隔が広くなりすぎて、切削が進行することでチップ本体22xが先側22yから摩耗して、側面224,225の下端に位置する砥粒22bが脱落すると、次の砥粒22bが下端に位置しない状態となることがある。従って、仮想直角三角形Rの高さTは、砥粒22bの粒径の0.8倍から1.2倍の範囲とするのが望ましい。
このように本実施の形態1に係るセグメントチップ22は、切削時の切粉の排出性を維持することで、切削を続けても切粉が砥粒22bに蓄積することによる切れ味の低下を抑制することが可能である。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係るメタルボンドバンドソーについて、図面に基づいて説明する。図7は、本発明の実施の形態2に係るメタルボンドバンドソーを示す底面図である。なお、図7においては、図2から図4と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、メタルボンドバンドソー20は、バンド21の一方の側縁部に、両方の側面224,225の位置を揃えて形成されていると共に、所定間隔ごとに設けられたセグメントチップ23を備えている。このセグメントチップ23は、側面224,225のいずれか一方のみに、砥粒22bが設けられている。
図7においては、進行方向Fに対して前方に位置するセグメントチップ23には側面225に砥粒22bが配置され、後方に位置するセグメントチップ23には側面224に砥粒22bが配置されている。つまり、砥粒22bは、隣接するセグメントチップ23同士で異なる側面224,225に配列されている。
この砥粒22bは、実施の形態1に係るセグメントチップ22と同様に、第1仮想平行直線群L1(一点鎖線)と、第2仮想平行直線群L2(二点鎖線)とで格子状とした交点に配置されている。
このように砥粒22bが配置されていることで、前方のセグメントチップ23の砥粒22bが配列されている側面225はボンドの摩耗が抑止され、砥粒がない側面224は摩耗が進行する。また、後方のセグメントチップ23の砥粒22bが配列されていない側面225はボンドの摩耗が進行し、砥粒がない側面224は摩耗が進行する。従って、1個おきに砥粒22bが配置されていないボンド面(側面224,225)と、砥粒22bが配置されているボンド面(側面224,225)とに段差ができる。この段差がチップポケットとなることで、より一層、切れ味を向上させることができる。
また、側面224,225のいずれか一方に砥粒22bが配置されたセグメントチップ23は、チップ本体22xが摩耗しても側面224,225の下端に順次砥粒22bが位置しているので、チップ本体22x内のみに砥粒22aを分散させたセグメントチップよりも切れ味がよい。つまり、チップ本体22x内のみに砥粒22aを分散させたセグメントチップと、側面224,225に砥粒22bが配置されたセグメントチップ23とで、同じ寿命となるように設計しても、セグメントチップ23の刃厚(図1に示す幅W)を薄くすることができる。従って、半導体インゴットなどの高価材料を切断するときのカーフロスを低減させることができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係るセグメントチップについて、図面に基づいて説明する。図8は、本発明の実施の形態3に係るセグメントチップの側面図である。なお、図8においては、図4と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
図8に示すように、セグメントチップ24は、複数の砥粒25aが集まった砥粒集合体25が、実施の形態1に係るセグメントチップ22(図4参照)と同様に、側面224上の第1仮想平行直線群L1(一点鎖線)と、第2仮想平行直線群L2(二点鎖線)とで格子状とした交点に配置されている。なお、図8においては、図4と同様に、側面224の反対側となる側面225は図示されていないが、側面225も側面224と同様に砥粒集合体25が配置されている。
このように複数の砥粒25aが集まった砥粒集合体25とすることで、1個の砥粒を単独にろう付けする場合と比較して、砥粒集合体25の全体が強固に側面224,225に固着されるため、砥粒集合体25の保持強度が高まり、個々の砥粒25aの脱落を防止することができる。
本実施の形態3では、4つの砥粒25aを寄せて集めて砥粒集合体25を形成しているが、2つ以上であれば、それぞれの砥粒が接する砥粒の固着強度を高めることができる。
次に、本発明の実施の形態3に係るセグメントチップの変形例について、図面に基づいて説明する。図9は、本発明の実施の形態3に係るセグメントチップの変形例を示す側面図である。なお、図9においては、図4と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
図9に示すように、セグメントチップ26は、1個の中心となる砥粒27aと、この砥粒の周囲を取り囲む複数の砥粒27bとで形成された砥粒集合体27が、実施の形態1に係るセグメントチップ22(図4参照)と同様に、側面224上の第1仮想平行直線群L1(一点鎖線)と、第2仮想平行直線群L2(二点鎖線)とで格子状とした交点に配置されている。なお、図9においては、図4と同様に、側面224の反対側となる側面225は図示されていないが、側面225も側面224と同様に砥粒集合体27が配置されている。
このように側面224,225に砥粒集合体27が設けられていることで、砥粒集合体27においては各砥粒27a,27bの間隔が小さく、被切削材との接触面が砥粒集合体27の研削面として作用するので、切断抵抗を小さくすることができる。また、単に砥粒を寄せ集めた場合よりも、砥粒27aは全部の砥粒27bに固着し、砥粒27bは隣接する2つの砥粒27bに固着しているので、より強固にチップ本体22xに固着させることができる。
本発明は、被切削材を切削する切断装置に用いられるメタルボンドバンドソーに好適であり、特に、多結晶シリコンなどの半導体インゴットを切断するメタルボンドバンドソーに最適である。
本発明の実施の形態1に係る切断装置を示す図である。 図1に示す切断装置に用いられるメタルボンドバンドソーの一部拡大図である。 図2におけるA−A線断面図である。 本発明の実施の形態1に係るセグメントチップの側面図である。 図4に示すセグメントチップの側面における砥粒の配置を説明するための図である。 図3に示すセグメントチップが被切削材を切削する状態を示す図である。 本発明の実施の形態2に係るメタルボンドバンドソーを示す底面図である。 本発明の実施の形態3に係るセグメントチップの側面図である。 本発明の実施の形態3に係るセグメントチップの変形例を示す側面図である。 (A)は、従来のセグメントチップが被切削材を切削する状態を示す図であり、(B)は(A)の断面図である。
符号の説明
1 切断装置
2 バンドソー
21 バンド
21a 第1凹部
21b 第2凹部
22,23,24,26 セグメントチップ
221 前面
222 後面
223 底面
224,225 側面
22a,22b 砥粒
22x チップ本体
22y 先側
22z 基側
25,27 砥粒集合体
25a,27a,27b 砥粒
3 プーリー
F 進行方向
L1 第1仮想平行直線群
L1x 仮想直線
L2 第2仮想平行直線群
L2x 仮想直線
R 仮想直角三角形
S 斜辺
T 高さ
W 被切削材

Claims (7)

  1. 直方体状のセグメントチップが、バンドの一方の側縁部に沿って所定間隔ごとに配設されたメタルボンドバンドソーにおいて、
    前記セグメントチップの進行方向に対して平行なチップ本体の側面であって、それぞれが平行な等間隔で、かつ前記進行方向の前方から後方へ向かうに従って前記チップ本体の先側から基側に向かって傾斜する第1仮想平行直線群と、それぞれが平行な等間隔で、前記進行方向の後方から前方へ向かうに従って前記チップ本体の先側から基側に向かって傾斜する第2仮想平行直線群とで格子状とした交点の位置に、砥粒が配列され
    前記それぞれのセグメントチップは、前記バンドに沿って両側面の位置を揃えて形成され、
    前記砥粒は、一方の側面と前記一方の側面とは反対側となる他方の側面とのいずれかに設けられると共に、隣接する前記セグメントチップ同士で異なる側面に配列されていることを特徴とするメタルボンドバンドソー。
  2. 前記第1仮想平行直線群は、前記進行方向に対して、135°から175°の範囲で傾斜している請求項1記載のメタルボンドバンドソー
  3. 前記砥粒は、前記第1仮想平行直線群の仮想直線を斜辺とする仮想直角三角形の前記斜辺の両端上に配置され、
    前記仮想直角三角形の高さを、前記砥粒の粒径の0.8倍から1.2倍の範囲とした請求項2記載のメタルボンドバンドソー
  4. 前記第2仮想平行直線群は、前記進行方向に対して、45°から135°の範囲で傾斜している請求項1から3のいずれかの項に記載のメタルボンドバンドソー
  5. 前記砥粒は、複数の砥粒が集まった砥粒集合体である請求項1から4のいずれかの項に記載のメタルボンドバンドソー
  6. 前記砥粒集合体は、1個の中心となる砥粒と、この砥粒の周囲を取り囲む複数の砥粒とで形成されている請求項5記載のメタルボンドバンドソー
  7. 前記砥粒は、前記チップ本体に内包された砥粒より粒径が小さく形成されている請求項1から5のいずれかの項に記載のメタルボンドバンドソー
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