JP4454070B2 - ラベル付き電池及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属外装缶に発電要素が収納され、その金属外装缶の外面がラベルで被覆されているラベル付き電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、アルカリマンガン電池、リチウム電池、ニッケルカドミウム電池といった一次電池や二次電池の多くは、底を有する円筒形あるいは角筒形の金属製の外装缶に、発電要素である正極及び負極がセパレータを介して収納され、開口部が封口体で封口された構造となっている。そして、外装缶は、正極端子あるいは負極端子を兼用しており、外装缶の外周には、装飾や表示のために印刷が施されたシュリンクラベルやシュリンクチューブが巻き付けられて絶縁されている。
【0003】
図4は、電池の外装缶に貼り付けられているシュリンクラベルの一例を模式的に示す断面図である。
シュリンクラベル方式は、例えば特公平7−54696号公報に詳細が記載されているが、一般的には塩化ビニル(PVC)やポリエチレンテレフタレート(PET)からなるシュリンクフィルム表面にUVインキで印刷が施されたものを用いる。そして、シュリンクラベルの貼り付け面には感圧粘着剤が塗られており、外装缶の外周面に巻き付けながら貼り付けてラベルの端部同士を重ね、加熱による収縮加工を施すことによって外装缶に装着される。
【0004】
一方、シュリンクチューブ方式では、同様に表面に印刷が施されたシュリンクフィルムを用いるが、その両端部同士を貼り合わせて一旦シュリンクチューブを作製し、これを外装缶に被せて加熱による収縮加工を施すことによって外装缶に装着する。
いずれの場合も、金属光沢を出すために、フィルムにアルミ蒸着を施すことが多い。
【0005】
ところで、一般的に一次電池及び二次電池のいずれにおいても、電池の高容量化に対する要請は大きく、そのための研究も盛んに行われている。
電池の高容量化を実現するためには、発電要素のエネルギー密度を向上させたり、セパレータを薄くしたりすることも重要であるが、外装缶の容積を大きく確保して、収納する発電要素の体積をできるだけ大きくすることも効果的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
外装缶の容積を大きくするには、外装缶のサイズを大きく設定すればよいが、電池の外径や高さの範囲は規格によって定められているため、上記のように筒形の外装缶にシュリンクラベルを貼りつけた電池の場合、外装缶の外径は、電池の外径の規格値からラベルの厚み分(ラベルの重ね合わせの分も含めるとラベル3枚分の厚さ相当)を差し引いた範囲に設定しなければならないという制約を受ける。
【0007】
例えば、単3型のアルカリマンガン電池(LR6)の場合、電池の外径は、日本工業規格(JIS)で13.5mm〜14.5mmの範囲に定められている。図4に示すようなシュリンクラベルの場合、フィルム自体の厚さは40〜60μmであるが感圧粘着剤の厚みまで含めた総厚みは60〜90μm程度であるので、実際の電池製造時においては、ラベル3枚分の総厚み(ラベルの総厚みを80μmとすると240μm)を加算した電池の外径が14.0mm〜14.2mmの範囲に納まるように、外装缶の外径は13.85mm程度に設定される。
【0008】
このように電池サイズが規格によって定められている制約の下で、できるだけ外装缶の容積を大きく確保することが課題である。
一方、シュリンクチューブを用いる方式によれば、粘着剤を塗布する必要がないのでその分だけ外装缶の外径を大きく設定できるが、更に電池を高容量化するのに有効な技術が望まれる。
【0009】
ここでシュリンクフィルムの厚さを小さくすることができれば、それだけ外装缶の外径を大きく設定することが可能となるが、シュリンクフィルムの厚さをあまり小さくすると、印刷時に紫外線を照射してUVインキを硬化させるのに伴ってフィルムがシュリンクしてしまう。そして、ラベルとしての機能が低下すると共に外装缶に装着できなくなるという問題がある。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑み、ラベル付き電池において、電池サイズの規定は満たしながら、従来よりも電池の内容積を増大させることにより、電池の高容量化を実現することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のラベル付き電池の製造方法は、外装缶の中に発電要素を収納して電池本体を作製する電池本体作製ステップと、厚さが45μm以下のシュリンクフィルムの表面に、当該シュリンクフィルムが収縮する環境以外の環境で定着可能な印刷インキを用いて印刷を施す印刷ステップと、印刷を施したシュリンクフィルムを用いてシュリンクチューブを作製するシュリンクチューブ作製ステップと、電池本体にシュリンクチューブを被せて収縮加工を施す収縮加工ステップとを備え、前記収縮加工ステップでは、収縮加工の前に電池本体の外表面を予めシュリンクチューブの収縮温度よりも低い温度に加温している。
【0012】
この構成によれば、ラベルを構成するシュリンクフィルムとして厚さ45μm以下、好ましくは15μm〜45μmのシュリンクフィルムを用い、そのシュリンクフィルムが収縮しない環境で定着可能な印刷インキ(具体的には蒸発乾燥型や酸化重合型などの自然乾燥による定着が可能な印刷インキ)により印刷を施したラベルを用いる。また、シュリンクチューブ方式のため、フィルムに粘着剤を塗布する必要がない。従って、粘着剤で貼り付けるラベルと比べると、粘着剤の厚み相当分だけ外装缶の容量を大きく設定することができると共に、離型紙を用いる必要もないのでそれだけ廃棄物も少ないことになる。また、シュリンクフィルムの厚さは45μm以下と従来のものよりかなり小さく設定されているので、その分だけ外装缶の外径を大きく設定することが可能となる。
【0013】
また、上記のようにシュリンクフィルムが収縮しない環境で定着可能な印刷インキを用いて印刷しているので、UVインキを用いる場合のように印刷時に紫外線を照射することはない。従って、上記のような小さい厚さのシュリンクフィルムを用いても、印刷時にフィルムがシュリンクするのを避けることができる。即ち、従来のようにUVインキで印刷する場合には用いることができなかった厚さ45μm以下のシュリンクフィルムを用いることが可能となる。ここで、印刷をシュリンクチューブの内側の面に施すようにすれば、ラベルを外側から見たときの光沢感が出るので、ラベルに蒸着層を設けなくても光沢感のあるラベル付き電池とすることができる。なお、アルカリ電池の場合、薄いシュリンクフィルム及び通常乾燥の可能なインキを用いて印刷する場合に耐アルカリ性の問題が生じる可能性も考えられるが、硬化型樹脂からなる保護コート層で印刷面を覆うようにすれば、ラベルの耐アルカリ性をかなり向上させることができるので上記の問題も解消することができる。
【0014】
また、このような硬化型樹脂からなる保護コート層を設けることにより、ラベルの引っ張り強度も上がるので、シュリンクフィルム自体の引っ張り強度が不足していたとしても、ラベルに必要な強度を確保することができる。また、シュリンクフィルムは薄いものほど収縮性が優れるので、従来より薄いフィルムを用いることによって、収縮加工における不良率を低減することができる。また、予め電池本体の外表面をシュリンクチューブの収縮温度よりも低い温度に加温しておき、その状態でシュリンクチューブを電池本体に被せて収縮加工を施しているので、シュリンクフィルムを用いたシュリンクチューブを電解液等の発電要素を外装缶に収納した電池本体に被せて収縮加工を施す際に、シュリンクチューブの収縮が不均一になることがなく、外観上のシワや収縮部と未収縮部との混在の発生を防ぐことができ、商品価値が損なわれのを防ぐことができる。
【0015】
また、上記のラベル付き電池の製造方法の収縮加工ステップにおいて、予め電池本体の外表面をシュリンクチューブの収縮温度よりも1〜10℃低い温度に加温しておき、その状態でシュリンクチューブを電池本体に被せて収縮加工を施すと、予め電池本体の外表面をシュリンクチューブの収縮温度よりも低い温度に加温した効果を十分に得ることができるとともに、シュリンクチューブを電池本体に被せる途中で収縮が起こったりすることを防ぐこともできる。
【0016】
このようにして、本発明では、ラベルとしての機能を落とすことなく、シュリンクチューブの厚さを従来よりかなり薄くできる。即ち、ラベル付き電池の外観サイズは変えることなく、従来よりも外装缶の内容積を増大させ電池の高容量化を実現することができる。
本発明は、特に外装缶が有底円筒状に成型され開口部が封口体で封口されている電池に対して適用すれば効果的である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、ラベル付き電池に関するものであって、基本的に、厚さが45μm以下のシュリンクフィルムの表面に、自然乾燥による定着が可能な印刷インキを用いて印刷を施し、印刷を施したシュリンクフィルムを用いてシュリンクチューブを作製し、シュリンクチューブを、外装缶の中に発電要素を収納して作製した電池本体に被せて収縮加工を施すことによって作製されたものである。
【0018】
電池のタイプについては、外装缶に発電要素が内蔵された円筒形電池や角形電池に適用され、一次電池、二次電池に係らず、また、アルカリ電池、リチウム電池、ニッケルカドミウム電池などあらゆるタイプの電池に適用される。
シュリンクフィルムの材質としては、従来から電池のラベルに用いられている熱収縮性のPETフィルムやPVCフィルムなどを用いるが、シュリンクフィルムの厚さについては、従来のシュリンクフィルムの厚さ(50〜80μm)と比べてかなり小さい45μm以下のものを用いる。ただし、厚さ15μm未満のフィルムは電池のラベルとしての強度が不足する傾向にあるので、厚さ15〜45μmのシュリンクフィルムを用いることが好ましい。
【0019】
シュリンクフィルムには文字や図柄などを印刷するが、この印刷には、蒸発乾燥型或は酸化重合型といった自然乾燥による定着が可能な印刷インキを用いる。
印刷方式としては、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、シルク印刷などが挙げられる。特にグラビア印刷は、印刷後に塗膜から有機溶剤が蒸発することによって早く乾燥するので好ましい。
【0020】
このように自然乾燥による定着が可能なインキを用いれば、印刷した塗膜を比較的低温で乾燥することができる。従って、上記のように厚さ45μm以下の薄いシュリンクフィルムを用いても、UV硬化型インキを用いる場合のように印刷インキの乾燥に伴ってフィルムがシュリンクするのを避けることができる。
シュリンクチューブの耐アルカリ性を向上させるため、このように形成した印刷面上に、硬化型樹脂からなるコーティング剤で保護コート層を設けることが好ましい。
【0021】
このコーティング剤も、コーティング時におけるシュリンクフィルムの収縮を避けるために、常温もしくは低い温度で硬化させることの可能な樹脂を用いる。この硬化型樹脂の具体例としては、アクリル系2液硬化型樹脂の他に、ニトロセルロース系やウレタン系の硬化型樹脂を挙げることができる。
このように保護コート層を硬化型樹脂からなるコーティング剤で設ければ、収縮加工時においてフィルムの収縮に追従して保護コート層も収縮するので、従来から用いられているシリコン系の樹脂からなる保護コート層を設ける場合と比べて、ラベルの耐アルカリ性を向上させることができる。
【0022】
次に、印刷を施したシュリンクフィルムを用いて、シュリンクチューブを作製する。通常は、帯状のシュリンクフィルムの端部に接着剤を塗布して両端部同士を接着することによってシュリンクチューブを作製するが、この限りではない。例えば、シュリンクフィルム自体の熱接着性を利用して接着剤を用いないでシュリンクチューブを作製することも可能である。
なお、シュリンクチューブを作製する際に、印刷面がフィルムの外側に来るように作製してもよいが、印刷面がフィルムの内側に来るようにシュリンクチューブを作製すれば、ラベルを外側から見たときの光沢感を出すことができる。
【0023】
従って、この方法を用いると共に印刷面の工夫を加えれば、ラベルに蒸着層を設けなくても光沢感を出すことができる。ただし、特に金属光沢感が必要な場合には、印刷を施す前または後にフィルムに蒸着層を形成してもよい。
次に、作製したシュリンクチューブを電池本体に被せ、加熱してシュリンクチューブを収縮させることによってラベル付き電池を作製する。
なお、収縮温度範囲が狭いPETフィルム等のシュリンクフィルムを用いる場合、収縮温度に達すると急激に収縮が起こるため、工夫が必要である。即ち、そのようなシュリンクフィルムを用いたシュリンクチューブを電解液等の発電要素を外装缶に収納した電池本体に被せて収縮加工を施すと、シュリンクチューブが収縮温度に達しても電池本体は収縮温度に達していないため、シュリンクチューブの収縮が不均一になり、外観上シワが発生したり、収縮部と未収縮部の混在が発生したりして、商品価値が損なわれるという問題がある。このような場合、解決手段として、予め電池本体の外表面をシュリンクチューブの収縮温度よりも低い温度に加温しておき、その状態でシュリンクチューブを電池本体に被せて収縮加工を施すとよい。なお、加温後の電池本体の外表面の温度はシュリンクチューブに用いるシュリンクフィルムの収縮温度によって異なるが、好ましくはシュリンクチューブの収縮温度よりも1〜10℃低いことが好ましい。即ち、電池本体の外表面の温度とシュリンクチューブの収縮温度との差が10℃を越えると加温効果が得られず、また、電池本体の外表面の温度とシュリンクチューブの収縮温度との差が1℃未満であるとシュリンクチューブを電池本体に被せる途中で収縮が起こったりするため好ましくない。
【0024】
このような本実施形態のラベル付き電池によれば、シュリンクチューブの厚さを、保護コート層を設けた場合でも40〜50μm程度と小さく抑えることができるので、電池本体の大きさをその分だけ大きく設定し、電池容量を大きくすることが可能である。
また、シュリンクチューブのフィルム厚さが従来よりも小さいので、シュリンクチューブの熱収縮性は従来よりも良好である。また、粘着剤付きのシュリンクラベルを巻き付けたラベル付き電池の場合のように、ラベル端部の重ね合わせ部分が剥がれることもない。
【0025】
従って、ラベル付き電池を製造する上での歩留まりも良好である。
【0026】
【実施例】
図1は、本実施例にかかる円筒形アルカリマンガン電池の断面図である。
本図に示すように、このアルカリマンガン電池10は、有底円筒状の外装缶1の中に、発電要素である正極2及び負極3、そしてこれを分離するセパレータ4が充填され、外装缶1の開口部が円盤状の封口体5で封口された電池本体と、外装缶1の外周面全体を被覆するシュリンクチューブ8とから構成されており、電池サイズはLR6タイプである。
【0027】
電池本体の構成は次のとおりであって、高さ48mm、外径が14.0mmに設定されている。
外装缶1は、有底円筒状の鋼板の内側表面がニッケルメッキ層で覆われたものであって、厚さ0.25mmのニッケルメッキ鋼板を成形加工したものである。外装缶1の底部の中央には、正極端子となる突部1aが形成されている。
【0028】
正極2は、マンガン及び黒鉛などが混合された正極合剤がドーナツ状に加圧成型されたペレットで構成されている。
負極3は、亜鉛粉末、ゲル化剤などの混合物であって、正極2の内側の中空部にセパレータ4を介して充填されている。
セパレータ4は、円筒状の側板4aと円形の底板4bとからなり、ポリビニルアルコールを主原料とするセパレータ原紙で形成され、アルカリ電解液が含浸されている。
【0029】
封口体5は、絶縁材料(66ナイロン)からなる円盤状の部材であって、外装缶1の開口部に填め込まれてこれを封口している。この封口体5には、安全弁となる切り込み5aが形成されている。
この封口体5の外側面には、円板状の負極端子板6が取り付けられ、封口体5の中央部には、釘状の負極集電体7が差し込まれている。この負極集電体7は、針部7aが封口体5を貫通して負極3に挿入され、頭部7bが負極端子板6に固着されている。
【0030】
外装缶1の縁端部は、負極端子板6の外周部にカシメ圧着されているが、ここに封口体5の外周部が介挿されることによって、外装缶1と負極端子板6とは絶縁されている。
図2はシュリンクチューブの断面を示す模式図である。
本図に示すように、シュリンクチューブは、厚さ30μmのPETシュリンクフィルムにグラビア印刷が施され、印刷面がアクリル系の2液硬化型樹脂からなる保護コート層で覆われたものである。
【0031】
図3は、アルカリマンガン電池10の製造方法を示す図である。本図を参照しながらアルカリマンガン電池10の作製方法を説明する。
電池本体の作製:
図3(a)に示すように、外装缶1に、ドーナツ状の正極ペレットを3個並べて収納することによって正極2を充填した。そして、正極2の中空部に、セパレータ4の側板4a及び底板4bを装着した。
【0032】
次に、セパレータ4の内側にノズルでアルカリ電解液を注入して、セパレータ4にこのアルカリ電解液を含浸させた。そして、セパレータ4の内側に、負極材料となる亜鉛粉末及びゲル化剤からなるスラリを充填して負極3を形成した。
図3(b)に示すように、発電要素を充填した外装缶1の開口端部を加工してシーム溝1bを形成し、封口体5を填め込んだ。そして、負極端子板6が取り付けられた負極集電体7を、封口体5を貫通して負極3に差し込んだ。
【0033】
そして、外装缶1の縁端部と負極端子板6の外周部との間に、封口体5の外周部を介挿させた状態で、外装缶1の縁端部を負極端子板6の外周部にカシメ圧着することによって、図3(c)に示す電池本体を作製した。
シュリンクチューブの作製:
図3(d)に示すように、厚さ30μmのPETシュリンクフィルムを用い、グラビア印刷で4色刷りを施した。なお、4色中、1色は金インキを用いた。その印刷面上にアクリル系2液硬化型樹脂からなるコーティング剤で保護コート層を形成した。このときの乾燥は70℃で行い、保護コート層の膜厚は約5μmに設定した。
【0034】
そして、図3(e)に示すように、印刷したシュリンクフィルムを所定寸法の帯状に切断し、図3(f)に示すように、端部に接着剤を塗布し、印刷面がフィルムの内側に来るようにフィルムを曲げて、両端部同士を接着することによってシュリンクチューブを作製した。
シュリンクチューブの装着:
上記電池本体の外表面を予め65〜68℃に加温し、その後作製したシュリンクチューブを電池本体に被せ、70℃に加熱することにより収縮加工を行い、図3(g)に示すラベル付き電池を作製した。
【0035】
このようにして作製したラベル付き電池は、金属光沢に近い外観を持つものとなった。また、このようにして100個のラベル付き電池を作製して、その外径を測定したところ、すべて14.10mm〜14.20mmの範囲に入った。
比較例として、本実施例と外観サイズが同等で、図4に示すようなシュリンクラベルを用いたラベル付き電池を作製した。この比較例では、従来技術のところで述べたように、電池本体の外径は13.85mmである。
【0036】
本実施例では電池本体の外径が14.0mmであるので、本実施例の方が比較例よりも電池本体の外形が0.15mm大きい。これは、本実施例の電池が比較例の電池に対して、内容積が2.2%増大したことに相当する。
(実験)
上記実施例と比較例のラベル付き電池を用いて放電時間の測定を行った。
【0037】
試験方法は、各電池について所定の抵抗(10Ω並びに3.9Ω)を介して放電を行い、放電電圧が0.9Vになるまでの放電時間を測定した。測定結果は次の通りである。
本実験結果から、比較例と比べて実施例の方が放電時間が数%向上している(即ち電池容量が向上している)ことがわかる。
また、別の比較例として、作製された電池本体を予め加温せず、室温でシュリンクチューブを被せた後加温するという以外は上記実施例と同様の手順でラベル付き電池を作製したところ、得られたラベル付き電池のラベルには激しいシワが生じており、商品として使用に耐えないものであった。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、ラベル付き電池において、ラベルを構成するシュリンクフィルムとして厚さ45μm以下のシュリンクフィルムを用い、蒸発乾燥型や酸化重合型などの自然乾燥による定着が可能な印刷インキにより印刷を施したラベルを用いることによって、ラベル付き電池の外観サイズは変えることなく、従来のシュリンクラベルやシュリンクチューブを用いたものよりも電池の内容積を増大させ、電池の高容量化を実現することができる。
【0039】
特に、本発明は、ラベル付き円筒形電池やラベル付き角形電池に対して容易に適用することができ効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例にかかる円筒形アルカリマンガン電池の断面図である。
【図2】 上記電池に用いられているシュリンクチューブの断面を示す模式図である。
【図3】 図1の電池の製造方法を示す図である。
【図4】 従来のラベル付き電池に用いられているシュリンクラベルの断面を示す模式図である。
【符号の説明】
1 外装缶
2 正極
3 負極
4 セパレータ
5 封口体
6 負極端子板
7 負極集電体
8 シュリンクチューブ
10 アルカリマンガン電池
Claims (8)
- 外装缶の中に発電要素を収納して電池本体を作製する電池本体作製ステップと、
厚さが45μm以下のシュリンクフィルムの表面に、当該シュリンクフィルムが収縮する環境以外の環境で定着可能な印刷インキを用いて印刷を施す印刷ステップと、
印刷を施したシュリンクフィルムを用いてシュリンクチューブを作製するシュリンクチューブ作製ステップと、
電池本体にシュリンクチューブを被せて収縮加工を施す収縮加工ステップと
を備え、
前記収縮加工ステップでは、収縮加工の前に電池本体の外表面を予めシュリンクチューブの収縮温度よりも低い温度に加温することを特徴とするラベル付き電池の製造方法。 - 前記収縮加工ステップでは、収縮加工の前に電池本体の外表面を予めシュリンクチューブの収縮温度よりも1℃以上10℃以下低い温度に加温することを特徴とする請求項1に記載のラベル付き電池の製造方法。
- 前記印刷ステップでは、蒸発乾燥型または酸化重合型の印刷インキを用いて印刷することを特徴とする請求項1または2に記載のラベル付き電池の製造方法。
- 前記シュリンクチューブ作製ステップでは、印刷面がフィルムの内側に位置するようにシュリンクチューブを作製することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のラベル付き電池の製造方法。
- 前記印刷ステップの後に、硬化型樹脂からなる保護コート層で印刷面を覆う被覆ステップを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のラベル付き電池の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法にて製造されるラベル付き電池であって、
外装缶の中に発電要素が収納された電池本体の外表面がラベルで被覆されているラベル付き電池において、
前記ラベルは、自然乾燥による定着が可能な印刷インキにより表面に印刷が施された厚さ15μm以上45μm以下のシュリンクフィルムからなるシュリンクチューブであることを特徴とするラベル付き電池。 - 前記印刷は、シュリンクチューブの内側の面に施されていることを特徴とする請求項6に記載のラベル付き電池。
- 前記印刷面は、硬化型樹脂からなる保護コート層で覆われていることを特徴とする請求項6または7に記載のラベル付き電池。
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