(第1の実施の形態)
以下本発明をコンパクトタイプのデジタルカメラに適用した場合の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1及び図2は、このデジタルカメラ10の主として外観構成を示すものである。図1(A)がデジタルカメラ10による撮影、再生を行なわない非使用時の上面図、図1(B)が同右側面図、図1(C)が同正面図、図1(D)が同背面図である。
同様に、図2(A)がデジタルカメラ10による撮影を行なう撮影モード時の上面図、図2(B)が同右側面図、図2(C)が同正面図、図2(D)が同背面図である。
このデジタルカメラ10は、略平板状の本体ケーシング11の上面の右端側に電源をオン/オフする電源スイッチ12と撮影を指示するシャッタキー13を設け、正面から背面に係る辺上の略中央部に、スライドスイッチでなり、基本モードである撮影モードと再生モードとを切換えるモードスイッチ14を配設する。
また本体ケーシング11の前面には、光学ファインダ窓15、撮影レンズ16、セルフタイマインジケータ17、ストロボ発光部18を撮影時にユーザの手指で各部を覆ってしまうことがないように主に本体ケーシング11の左側(図1(C)及び図2(C)の右側)に寄せて配設する。
撮影レンズ16は、後述するズームキー21の操作に応じて焦点距離(全長)が変化するズーム機能を有するもので、撮影モード時には同心筒状の3段のレンズ鏡筒が順次せり出され、レンズバリア19が開いて撮影可能となる一方で、撮影モード時以外ではレンズ鏡筒が短縮されて本体ケーシング11内に沈胴し、合わせてレンズバリア19が閉じられることで光学レンズ系中の特に前玉(最前位置のレンズ)を保護する。
さらに本体ケーシング11の背面には、上記モードスイッチ14の他に、ズームキー21、メニューキー22、リングキー23、セットキー24、ディスプレイキー25、液晶モニタ26、光学ファインダ27、動作確認ランプ28を配設する。
ズームキー21は、シーソースイッチで構成され、上記撮影レンズ16の焦点距離を「W(広角)」側あるいは「T(望遠)」側に移動させる際に操作する。
メニューキー22は、撮影モード、再生モード及び設定モードでの各種動作メニューの表示を指示する際に操作する。
リングキー23は、リング状のキー上の上下左右各位置を操作することで撮影モード時であれば露出補正、メニュー画面表示中であれば画面中のカーソルの移動等を指示する。
セットキー24は、メニュー画面表示中の選択項目の決定等を指示する。
ディスプレイキー25は、液晶モニタ26の表示/非表示と表示を行なう場合の内容の切換えを指示する。
液晶モニタ26は、撮影モード時にその時点で撮影レンズ16で撮影しているモニタ画像や必要によりその他の情報をスルー表示させることで電子ファインダとして機能する一方で、再生モード時には選択した画像を必要により各種情報と共に再生表示する。
光学ファインダ27は、上記撮影レンズ16と並列して設けられた光学レンズ系により、撮影モード時に液晶モニタ26を使用せずに被写体像を視認するべく設けられたもので、上記撮影レンズ16のズーム位置に連動してその視認範囲が可変される。
動作確認ランプ28は、例えばAF(自動合焦)の動作やストロボの充電状態等を2色、赤と緑のLEDの消灯/点滅/点灯の状態により表示する。
しかるに、本体ケーシング11の右端面に沿って回動式の半円柱状のグリップ部29が設けられる。このグリップ部29は、撮影モード時以外では図1に示すように平板状の本体ケーシング11の延長上に位置させる一方で、撮影モード時には特に図2(A)中に矢印IIで示す如く、本体ケーシング11に対して前方に90°回動させることで、撮影時にユーザがこのデジタルカメラ10をしっかりと把持できるものとなる。
このグリップ部29は、本体ケーシング11側に突出した2本のアーム29a,29bが本体ケーシング11内で軸止され、その回動軸RAを中心に90°の範囲で回動可能となるもので、下側のアーム29bの先端が検出スイッチ30と連結され、その回動位置が検出されて、電源オフ時からでも自動的に電源がオンされ、撮影モードが自動的に設定されるようになる。
図3は、本体ケーシング11内に備えられる、グリップ部29のアーム29bと検出スイッチ30との連結構造を示すものである。
アーム29bの先端側、すなわち回動軸RAを挟んでグリップ部29とは反対側に長円形の開孔を有する連結リンク29b1が形成され、この連結リンク29b1の該開孔に検出スイッチ30の可動子30aの先端を掛止する。
図中、破線で示す非撮影モード時の状態から、ユーザが本体ケーシング11に対してグリップ部29を90°前方に回動させることで、回動軸RAを中心にアーム29bの連結リンク29b1も図中に実線で示す位置まで移動し、これに掛止された検出スイッチ30の可動子30aも90°回動されるために、検出スイッチ30でこれを検出して検出信号を出力する。
図4は、主としてこのデジタルカメラ10の電子回路の機能構成を示すものであり、ここでは本体ケーシング11をその底面側から見ている。
上記レンズバリア19及び撮影レンズ16は共にレンズ駆動部31により駆動されるものであり、撮影モード時に撮影レンズ16により得られる被写体像は、例えばCCD(電荷結合素子)で構成される撮像部32の撮像面位置で結像される。
この撮像部32で得られるアナログの画像信号が、映像信号処理部33で適宜ゲインにより増幅、デジタル化された後、補間処理、ガンマ補正等のプロセス処理が施された後にバッファメモリである画像メモリ34に一旦保持される。
これらレンズ駆動部31、撮像部32、映像信号処理部33及び画像メモリ34はいずれも、撮影動作に関する制御を実行する撮影制御部35により制御される。この撮影制御部35にはまた、上記グリップ部29の回動位置を検出する検出スイッチ30からの検出信号も入力される。
しかして、画像メモリ34、撮影制御部35、及び検出スイッチ30が共に主制御部36と接続される。
主制御部36は、このデジタルカメラ10全体の動作制御を司るものであり、上記画像メモリ34、撮影制御部35、及び検出スイッチ30の他に、照明駆動部37、インタフェース38を介してメモリカード39、電源制御部40、インタフェース42を介して外部入出力(I/O)端子43、圧縮符号器・伸長符号器44、表示制御部45、入力制御部46、及びプロファイル情報メモリ48と接続される。
照明駆動部37は、主制御部36の制御の下に図示しない大容量コンデンサを充電し、その電力によりキセノン放電管等よりなる上記ストロボ発光部18を閃光駆動させる。
撮影モード時のスルー画像表示状態では、上記画像メモリ34に保持された画像データは主制御部36により読出され、表示制御部45に送られる。表示制御部45は、この画像から上記液晶モニタ26の構成画素数に対応した表示データ生成し、液晶モニタ26を表示駆動することで、その時点で撮像部32で撮影している画像をリアルタイムに液晶モニタ26でモニタ画像として表示させる。
また、シャッタキー13の操作による撮影実行時に主制御部36は、撮影により画像メモリ34に保持される画像データを圧縮符号器・伸長符号器44に送出して例えばJPEG(Joint Photograph coding Experts Group)規格に則ったデータ圧縮を行なわせ、データ圧縮した画像データをファイル化してインタフェース38を介して、このデジタルカメラ10の記録媒体であるメモリカード39に記録させる。
このメモリカード39は、デジタルカメラ10の所定のカードスロットに着脱自在に装着されるものである。
このメモリカード39に記録されている画像データは、再生モード時に主制御部36の選択制御によりメモリカード39から読出され、インタフェース38を介して圧縮符号器・伸長符号器44で上記データ圧縮時とは逆の方法により伸長された後に画像メモリ34に保持され、この画像メモリ34に保持される画像データを主制御部36が表示制御部45に送出して、液晶モニタ26で再生表示させる。
上記照明駆動部37は、撮影モード時に主制御部36の制御の下に図示しない大容量コンデンサを充電し、撮影制御部35から画像撮影に同期した信号を入力することで該コンデンサに充電した電力を用いてキセノン放電管等よりなる上記ストロボ発光部18を閃光駆動させる。
電源制御部40は、主制御部36の制御の下にこのデジタルカメラ10の電源として着脱自在に取付けられる電池ユニット41の装着状態、装着されている場合の供給電圧等を管理し、電池ユニット41から供給される電圧値から各回路に必要な駆動電圧に変換してそれぞれ供給させる。
外部入出力端子43は、例えば図示しない外部機器であるパーソナルコンピュータ等とUSBケーブル等を介して接続され、画像データ等の送受を行なう。
入力制御部46は、2段階の操作ストロークで操作信号を出力する上記シャッタキー13と、電源スイッチ12、モードスイッチ14、ズームキー21、‥‥を含むその他の操作入力部47からの操作信号入力を受けて主制御部36に通知する。
プロファイル情報メモリ48は、例えばこのデジタルカメラ10に内蔵されたフラッシュメモリ等の不揮発性メモリでなり、各種モードの設定情報を含むこのデジタルカメラ10のユーザのプロファイル情報を記憶する。
次に上記実施の形態の動作について説明する。
図5は、このデジタルカメラ10の電源がオフされている状態から主制御部36及びこの主制御部36の制御の下に撮影制御部35が実行する処理内容の一部を示すものである。
電源がオフされている初期状態にあって主制御部36は、所定時間周期でその他の操作入力部47中の電源スイッチ12が操作された否か、あるいは撮影制御部35を介して検出スイッチ30によりグリップ部29が上記図2(A)に示した如く本体ケーシング11に対して90°となる角度まで回動されたか否か、それぞれの状態を読取る(ステップA01)。
次にユーザがグリップ部29の回動操作による電源オン操作を行なう設定を行なっているか否かをプロファイル情報メモリ48の記憶内容から判断し(ステップA02)、同設定が行なわれていると判断した場合には、さらに上記検出スイッチ30から読取った状態からグリップ部29が電源オンのために回動操作されたか否か(ステップA03)、電源スイッチ12が操作されたか否か(ステップA04)、を連続して判断することで、これらの状態となるのを待機する。
ここでグリップ部29が回動操作されておらず、また電源スイッチ12も操作されていないと判断した場合には、引き続きこのデジタルカメラ10を電源オフのHALT状態、すなわち上記のように電源をオンするための操作を待機するのみの状態に設定した上で(ステップA05)、再び上記ステップA01からの処理に戻る。
なお、上記ステップA02でユーザがグリップ部29の回動操作による電源オン操作を行なう設定を行なっていないと判断した場合には、上記ステップA03での判断処理を省略して直接ステップA04に進み、電源スイッチ12の操作があったか否かのみを判断する。
しかるに、上記ステップA03でグリップ部29が回動操作されたと判断した場合、主制御部36は即時電源をオンすると共に、被写体の撮影に即応するべく基本モードを撮影モードに自動設定する(ステップA06)。
また、上記ステップA04で電源スイッチ12により電源をオンするための操作がなされたと判断した場合には、主制御部36は即時電源をオンすると共に、必要な初期設定、具体的には前回電源をオフした時点での動作モードが設定モードであった場合にのみ設定モードを再設定し、そうでなければこの時点でモードスイッチ14で選択されている内容により撮影モードあるいは再生モードを選択する設定を行なう(ステップA07)。
上記ステップA06またはステップA07での電源オン処理後、主制御部36はその時点でまず撮影モードが設定されているか否かを判断する(ステップA08)。
上記グリップ部29での回動操作により電源をオンした場合を含めて、ここで撮影モードが設定されていると判断した場合には、撮影制御部35を介して撮像部32の走査駆動を開始し、併せてレンズ駆動部31により撮影レンズ16のレンズ鏡筒を本体ケーシング11から伸長し、初期のズーム位置、例えば最短(広角側)の焦点距離位置となるまで繰出す(ステップA09)。
これと共に、同じくレンズ駆動部31により撮影レンズ16先端のレンズバリア19を開け、また上記照明駆動部37によりストロボ発光部18駆動のための充電を開始させて(ステップA10)、以上でこの図5による電源オフ状態から電源オン状態への処理内容を終了し、電源オン状態での通常の処理に移行する。
また、上記ステップA08で撮影モードが設定されていないと判断した場合に主制御部36は、次いでその時点で再生モードが設定されているか否かを判断する(ステップA13)。
ここで再生モードが設定されていると判断すると、前回の電源オフ時に撮影モード時から例えば電池ユニット41が取り外された場合などのように、このデジタルカメラ10が撮影モードでの形態をとっている場合を考慮し、あらためて撮影レンズ16のレンズ鏡筒を本体ケーシング11内に沈胴させて収納し、撮影レンズ16先端のレンズバリア19を閉じ、撮像部32の走査駆動と照明駆動部37によるストロボ発光用の充電を停止させるなど、撮影に関連する部材を一括して収納、停止させ(ステップA14)、以上でこの図5による電源オフ状態から電源オン状態への処理内容を終了し、再生モードに基づいた電源オン状態での通常の処理に移行する。
さらに、上記ステップA13で再生モードも設定されていないと判断した場合、必然的に設定モードが設定されていると判断して、上記再生モード時と同様に、前回の電源オフ時に撮影モード時から例えば電池ユニット41が取り外された場合などのように、このデジタルカメラ10が撮影モードでの形態をとっている場合を考慮し、あらためて撮影レンズ16を本体ケーシング11内に沈胴させて収納し、撮影レンズ16先端のレンズバリア19を閉じ、撮像部32の走査駆動と照明駆動部37によるストロボ発光用の充電を停止させるなど、撮影に関連する部材を一括して収納、停止させ(ステップA15)、以上でこの図5による電源オフ状態から電源オン状態への処理内容を終了し、設定モードに基づいた電源オン状態での通常の処理に移行する。
図6は、上記図5での処理に続く電源オン時の通常の処理動作を示すもので、その当初に主制御部36は、その他の操作入力部47中の電源スイッチ12が操作された否か、あるいは撮影制御部35を介して検出スイッチ30によりグリップ部29が上記図1(A)に示した如く本体ケーシング11と同一面状となる角度まで回動されたか否か、それぞれの状態を読取る(ステップB01)。
次にユーザがグリップ部29の回動操作による電源オフ操作を行なう設定を行なっているか否かをプロファイル情報メモリ48の記憶内容から判断し(ステップB02)、同設定が行なわれていると判断した場合には、さらに上記検出スイッチ30から読取った状態からグリップ部29が電源オフのために回動操作されたか否か(ステップB03)、電源スイッチ12が操作されたか否か(ステップB04)、を連続して判断することで、これらの状態となるのを待機する。
また、上記ステップB02でユーザがグリップ部29の回動操作による電源オフ操作を行なう設定を行なっていないと判断した場合には、上記ステップB03での判断処理を省略して直接ステップB04に進み、電源スイッチ12の操作があったか否かのみを判断する。
しかるに、グリップ部29が回動操作されておらず、また電源スイッチ12も操作されていないと判断した場合には、次にその時点でモードスイッチ14で選択されているのが撮影モードであるか否かを判断する(ステップB05)。
ここで撮影モードが設定されていると判断した場合、ユーザの操作とその時点の各種撮影機能の設定に基づき、撮影条件を設定する(ステップB06)。
これは、例えば絞り優先プログラム、シャッタ速度優先プログラム、及び複数のシーンプログラム等の中から一つが選択されていればその条件に従って絞り値、シャッタ速度、ズーム位置、フォーカス位置、ホワイトバランス、色強調、感度、シャープネス、彩度、ストロボモード、コントラストを適宜設定するものである。
この後、上記の設定に加えて必要に応じ、AE(自動露光)処理とAWB(自動ホワイトバランス)処理とを実行し(ステップB07)、さらに上記ズームキー21の操作に基づくズーム位置の移動処理とAF(自動合焦)処理とを実行した上で(ステップB08)、その時点で撮像部32で得られる画像を液晶モニタ26で表示するスルー画像表示を行なう(ステップB09)。
このスルー画像表示の状態で上記シャッタキー13の操作があり、画像の撮影が指示されたか否かを判断し(ステップB10)、操作がなければ再び上記ステップB01からの処理に戻って同様の処理を繰返すことで、シャッタキー13の操作があるのを待機する。
しかして、撮影モード時にシャッタキー13が操作された場合、上記ステップB10でこれを判断し、その直前のステップB07,B08で得た撮影条件に基づいて撮影を実行し(ステップB11)、得た画像データを圧縮符号器・伸長符号器44でデータ圧縮した後にデータファイル化してメモリカード39に記録させる(ステップB12)。その後、再び次の撮影に備えるべく上記ステップB01からの処理に戻る。
また、上記ステップB05で撮影モードが設定されていないと判断した場合には、次いで再生モードが設定されているか否かを判断する(ステップB13)。
ここで再生モードが設定されていると判断すると、ユーザの上記リングキー23の操作に基づく選択操作に応じてメモリカード39に記録されている画像データから1つを選択すると(ステップB14)、その選択された画像データをメモリカード39から読出して圧縮符号器・伸長符号器44で伸長した後に画像メモリ34に保持させ、表示制御部45により液晶モニタ26で再生表示させた上で(ステップB15)、次の動作に備えるべく上記ステップB01からの処理に戻る。
さらに、上記ステップB13でその時点で設定されているのが再生モードでもないと判断した場合には、ユーザが撮影モード時あるいは再生モード時に上記メニューキー22の操作等で設定モードを設定したものと判断し、そのキー操作に応じて所望される機能の選択を受付ける(ステップB16)。
ここで、選択された機能はグリップ部29の電源操作に関するものであるか否かを判断し(ステップB17)、そうでなければその選択された機能に対応した設定処理を実行する(ステップB19)。
その一方で、ステップB17においてグリップ部29の電源操作に関する設定を行なうと判断した場合には、ユーザの設定操作にしたがってグリップ部29の電源操作の有効/無効に係る設定を記憶する(ステップB18)。
上記ステップB18またはステップB19の処理後、再び次の動作に備えるべく上記ステップB01からの処理に戻る。
また、上記ステップB03でグリップ部29が電源オフのために回動操作されたと判断した場合、及び上記ステップB04で電源スイッチ12が操作されたと判断した場合には、その時点で撮影に関連する各部材を電源オフに備えて収納状態に移行させる(ステップB20)。
これはすなわち、撮影レンズ16のレンズ鏡筒を短縮して本体ケーシング11に沈胴させると共にレンズバリア19を閉じる、撮像部32の操作駆動と照明駆動部37によるストロボ発光用の充電を停止させる、等の処理であり、これらの処理を行なった後、記憶内容に変更があった場合のプロファイル情報メモリ48のバックアップ設定等を含む終了準備処理を実行する(ステップB21)。
その後、このデジタルカメラ10を電源オフのHALT状態とし、(ステップB22)、以上でこの図6の処理を終了して、再び上記図5に示した電源オンの操作を待機する状態に戻る。
このように、撮影時にユーザが必要に応じてグリップ部29を本体ケーシング11に対して90°曲げるような操作を行なうことで、非使用時の携帯性及び収納性を損ねることなく、ユーザがより把持し易い形状となり、デジタルカメラ10をしっかりとホールドして撮影を実行することができる。
加えて、ユーザの設定によっては電源オフ時に本体ケーシング11に対してフラットになっている上記グリップ部29を曲げ、また電源オン時に本体ケーシング11に対して曲がっているグリップ部29を本体ケーシング11とフラットとなるように戻すような操作を行なうことで、電源スイッチ12を操作することなくデジタルカメラ10の電源のオン/オフを切換ることができ、操作を簡略化してより一層ユーザの使い勝手を向上することができる。
(第1の実施の形態の変形例1)
次に上記第1の実施の形態に係るデジタルカメラ10の変形例1について図面を参照して説明する。
図7及び図8は、このデジタルカメラ10の主として外観構成を示すものである。図7(A)がデジタルカメラ10による撮影、再生を行なわない非使用時の上面図、図2(B)が同右側面図、図2(C)が一部切り欠いて内部構造を示す同正面図である。
また、図8がデジタルカメラ10による撮影を行なう撮影モード時の上面図である。
これらに図示する如く、外観上は上記図1、図2で示したものと基本的に同様であるので、同一部分には同一符号を用いてその説明は省略する。
しかして、本変形例におけるグリップ部29は、本体ケーシング11側に突出した2本のアーム29a,29bが本体ケーシング11内で軸止され、その回動軸RAを中心に90°の範囲で回動可能となるもので、下側のアーム29bの上記回動軸RAを中心とした先端側には半円状のギアが歯刻形成され、減速ギア51と歯合される。この減速ギア51は、モータ52により回動駆動されるものであり、モータ52の駆動により減速ギア51を介してグリップ部29が90°の範囲内で回動される。
図9は、主としてこのデジタルカメラ10の電子回路の機能構成を示すものである。ここでは本体ケーシング11をその底面側から見ており、その大部分は上記図4で示したものと同様であるので、同一部分には同一符号を用いてその説明を省略する。
しかるに、上記モータ52は、上記撮影制御部35の制御の下に駆動部53から供給される電力によって回動制御されるものであり、その回動を減速ギア51を介してグリップ部29に伝達することで、グリップ部29を上記90°の範囲内の任意角度位置に設定することができる。
このグリップ部29の角度位置は、例えばロータリエンコーダでなる検知機構部54に検出され、撮影制御部35にフィードバックされる。
次に上記変形例の動作について説明する。
図5は、このデジタルカメラ10の電源がオフされている状態から主制御部36及びこの主制御部36の制御の下に撮影制御部35が実行する処理内容について図5により説明する。なお、基本的には上記第1の実施の形態で説明した通りであるので、同一内容についての説明は省略する。
なお、グリップ部29の回動操作による電源オンの検出は、上記第1の実施の形態における検出スイッチ30に代わって、この変形例では検知機構部54が検出するものとする。
しかして、上記ステップA08で撮影モードが設定されていると判断した場合、ステップA09で撮像部32の走査駆動を開始し、併せて撮影レンズ16のレンズ鏡筒を本体ケーシング11から伸長して初期のズーム位置となるまで繰出した後、ステップA10でレンズバリア19を開け、またストロボ発光部18の充電を開始させる。
その後、グリップ部29の回動位置の自動設定を行なう機能が設定されているか否かを判断し(ステップA11)、設定されていると判断した場合にのみ、駆動部53によりモータ52で減速ギア51を介してグリップ部29を所定位置、例えば本体ケーシング11に対して90°となる回動位置とさせるか、あるいはプロファイル情報メモリ48にそのユーザ固有の角度位置が記憶されている場合にはその記憶されている角度位置となるまで回動駆動し(ステップA12)、以上でこの図5による電源オフ状態から電源オン状態への処理内容を終了し、電源オン状態での通常の処理に移行する。
次に、上記図5での処理に続く電源オン時の通常の処理動作を図6により説明する。なお、その内容は基本的に上記第1の実施の形態で説明した通りであるので、同一内容についての説明は省略する。
しかして、上記ステップB13でその時点で設定されているのが再生モードでもないと判断し、続くステップB16で所望される機能の選択を受付けて、ステップB17で選択された機能がグリップ部29の電源操作に関するものであると判断した場合、ユーザの設定操作にしたがって、グリップ部29の電源操作の有効/無効に係る設定、またはグリップ部29の回動角度位置の設定をプロファイル情報メモリ48に更新記憶する(ステップB18)。
ここでグリップ部29の回動角度位置の設定を行なう場合には、例えばリングキー23の左右各方向のキーを操作することで駆動部53によるモータ52の駆動でグリップ部29をユーザが所望する角度位置となるように回動させた後、リングキー23の中央に位置するセットキー24を操作することで、その時点での回動角度を設定したものとして当該角度情報がプロファイル情報メモリ48に記憶設定される。
このように、電源のオン/オフによりグリップ部29の回動位置を電動制御するものとしたので、ユーザの使い勝手をより一層向上できる。
加えて、グリップ部29の回動位置は、所定範囲内であればユーザの好みによって任意に可変設定することができ、さらにその回動位置をプロファイル情報メモリ48に記憶しておくことで、次の電源投入時にも即時再現することができるので、特定のユーザがこのデジタルカメラ10を使用する場合の使い勝手をより向上させることができる。
(第1の実施の形態の変形例2)
次に上記第1の実施の形態に係るデジタルカメラ10の変形例2について図面を参照して説明する。
図10は、撮影モード時のデジタルカメラ10の外観構成を示すもので、主要な構成は上記図1、図2で示したものと基本的に同様であるので、同一部分には同一符号を用いてその説明は省略する。
しかして、本体ケーシング11のグリップ部29を設けた側の右端面にバッテリスロット61、メモリカードスロット62、及び外部入出力端子43が形成される。
これらバッテリスロット61、メモリカードスロット62、及び外部入出力端子43は、グリップ部29の2本のアーム29a,29bに挟まれた領域に形成され、図中に矢印Xで示す如く、グリップ部29を本体ケーシング11に対して前方側に90°回動した状態で露出される。
バッテリスロット61は、このデジタルカメラ10の電源である電池ユニット41を装着して収納するためのものであり、図示する如く矢印α,βの方向に従ってユーザが任意に着脱できる。
メモリカードスロット62は、このデジタルカメラ10の記録媒体であるメモリカード39を装着して収納するためのものであり、図示する如く矢印γ,δの方向に従ってユーザが任意に着脱できる。
外部入出力端子43は、例えば図示しないUSBケーブルを接続してパーソナルコンピュータとの間で画像データ等の送受を行なうためのものである。
図11及び図12は、上記本体ケーシング11に対するグリップ部29の状態と上記バッテリスロット61、メモリカードスロット62、及び外部入出力端子43との関係を示すものである。
図11は、本体ケーシング11に対してグリップ部29が延長上にあり、デジタルカメラ10全体がフラットな平板状となるもので、図11(A)は本体ケーシング11の一部右端側とグリップ部29を示す上面図、図11(B)は同右側面図、図11(C)は同正面図である。
また、図12は図中にも矢印XIIで示すように本体ケーシング11に対してグリップ部29を前方側に略90°回動した場合であり、電源スイッチ12(A)はデジタルカメラ10全体を示す上面部、図12(B)は同右側面図、図12(C)は同正面図である。
上記のような構成にあっては、グリップ部29がバッテリスロット61、メモリカードスロット62、及び外部入出力端子43のカバーとしても機能するものとした。
これにより、グリップ部29を本体ケーシング11に対して前方に90°回動させた上記図10及び図12の状態では電池ユニット41、メモリカード39を任意に着脱し、あるいは外部入出力端子43によりパーソナルコンピュータ等の外部機器と接続することが可能となる。
その一方で、グリップ部29が本体ケーシング11の延長上にある上記図11の状態では、グリップ部29がカバーとなってバッテリスロット61、メモリカードスロット62、及び外部入出力端子43が外部には露出せず、不用意に電池ユニット41やメモリカード39を取り外すことができなくなる。
このように、電池ユニット41やメモリカード39を装着するバッテリスロット61、メモリカードスロット62、あるいは外部機器との接続のための外部入出力端子43のカバーをグリップ部29で兼ねる構成としたため、デジタルカメラ10の構成をより簡略化することができる。
次いで、第2乃至第11の各実施の形態について順次図面を参照して説明する。
なお、以下に示す各実施の形態においては、本発明をいずれもコンパクトタイプのデジタルカメラに適用した場合について示すものであり、グリップ部以外の他の外観構成や電子回路の機能構成、動作の処理内容については、基本的に上記第1の実施の形態、及び同実施の形態の変形例のいずれかに準ずるものとして、それらの図示及び説明は省略する。
(第2の実施の形態)
以下本発明をコンパクトタイプのデジタルカメラに適用した場合の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。
図13(A)は、本実施の形態に係るデジタルカメラ70の第1の状態での上面構成を示すもので、全体が略平板状の本体ケーシング71の前面、左端側に撮影レンズ72が配設され、また本体ケーシング71の上面右端、やや前寄りに長円状のシャッタキー73が配設される。
本体ケーシング71の右端前側は、他の部分よりも厚さを増して形成することで固定式の第1のグリップ部71aを構成すると共に、この第1のグリップ部71aを形成した本体ケーシング71の右側面に略同じ厚さの回動式の第2のグリップ部74を取付ける。
図13(B)は、同図(A)の本体ケーシング71の第1のグリップ部71aと第2のグリップ部74の取付け構造を示すもので、第2のグリップ部74は例えば上下2本のアーム74a,74bにより回動軸RAを中心として第1のグリップ部71aに取付けられ、ユーザの手動操作により所定範囲、例えば本体ケーシング71の前方方向に90°の範囲内で回動自在となる。
図13(C)は、第2のグリップ部74を上記前方に回動した第2の状態でのデジタルカメラ70の上面構成を示すものである。図中に矢印XIIIで示す如く、第2のグリップ部74を本体ケーシング71に対して90°前方に曲げることにより、本体ケーシング71の第1のグリップ部71aの前方に第2のグリップ部74が位置している第2の状態となる。このときの本体ケーシング71の第1のグリップ部71aと第2のグリップ部74の取付け構造を図13(D)に示す。
なお、このデジタルカメラ70のその他の外観構成や電子回路の機能構成、動作の処理内容については、基本的に上記第1の実施の形態、及び同実施の形態の変形例のいずれかと同様であるものとして、それらの図示及び説明は省略する。
このような構成にあって、図14(A)は、上記図13(A)と同じくこのデジタルカメラ70を第1の状態で、破線で示すユーザの手Hにより把持した場合を例示している。本体ケーシング71の第1のグリップ部71aに対して第2のグリップ部74が本体ケーシング71の延長上に位置して全体で薄く、幅の広いグリップを形成しており、ここではユーザの手Hの人差し指H2が、細長い長円形状のシャッタキー73の略中央部を押圧操作している。
一方、図14(B)は、上記図13(B)と同じくこのデジタルカメラ70を本体ケーシング71に対して第2のグリップ部74を90°回動した第2の状態で、破線で示すユーザの手Hにより把持した場合を例示している。本体ケーシング71の第1のグリップ部71aと第2のグリップ部74とがデジタルカメラ70の前後方向に重なった状態となり、上記図14(A)の状態と比較して幅が狭く、前後方向に厚みのあるグリップを形成しており、ここではユーザの手Hの人差し指H2がシャッタキー73の左端、すなわちこのデジタルカメラ70のグリップ部がある右側から、より遠い側の端部を押圧操作している。
このように、デジタルカメラ70に設けた固定式の第1のグリップ部71aと、この第1のグリップ部71aに対して設けた回動式の第2のグリップ部74との位置関係を可変することで、ユーザの手の大きさや撮影スタイルの好み等で第2のグリップ部74の回動角度を任意の位置とし、本体ケーシング71の第1のグリップ部71aと第2のグリップ部74とで形成されるグリップ形状をより多くのユーザに把持し易いものとすることができる。
(第3の実施の形態)
以下本発明をコンパクトタイプのデジタルカメラに適用した場合の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。
図15(A)は、本実施の形態に係るデジタルカメラ80の上面構成を示すものである。このデジタルカメラ80は、全体が略平板状の本体ケーシング81の前面、左端側に撮影レンズ82が配設され、また本体ケーシング81の上面右端に長円状のシャッタキー83が配設される。さらに本体ケーシング81の半円柱形状の右側面にグリップ部84が取り付けられる。
図15(B)は、同図(A)の本体ケーシング81の右端側とグリップ部84の取付け構造を示すもので、グリップ部84は例えば上下2本のアーム84a,84bが本体ケーシング81右端側に各水平方向に形成された2条のスリットでなるガイドレール81a,81bに外面側から差し入れられ、1本の楕円柱上のスライダ85で当該アーム84a,84bを貫通して本体ケーシング81を挟装することで、ガイドレール81a,81bに沿ってスライド操作することが可能となる。
図15(C)は、第2のグリップ部74を上記ガイドレール81a,81bに沿って本体ケーシング81の前方側にスライドさせた状態でのデジタルカメラ80の上面構成を示すものである。図中に矢印XVで示す如く、グリップ部84を本体ケーシング81のガイドレール81a,81bに沿って前方側にスライドさせることにより、シャッタキー83の略前方にグリップ部84を位置させる状態となる。このときの本体ケーシング81右端側とグリップ部84の取付け構造を図15(D)に示す。
このように、グリップ部84が本体ケーシング81に形成したガイドレール81a,81bに沿ってスライドする構成としたので、上記第1乃至第2の各実施の形態で説明したような回動による円運動に限定された形状の変化ではなく、ガイドレール81a,81b(を形成した本体ケーシング81端部側)の形状によって、例えば平行移動するなどグリップ部84の形状の変化の自由度を上げることができる。
(第4の実施の形態)
以下本発明をコンパクトタイプのデジタルカメラに適用した場合の第4の実施の形態について図面を参照して説明する。
図16(A)は、本実施の形態に係るデジタルカメラ90の非撮影モード時の上面構成を示すものである。このデジタルカメラ90は、全体がほぼ平板状の本体ケーシング91の前面、左端側に撮影レンズ92が配設され、また本体ケーシング91の上面右端に円形のシャッタキー93が配設される。さらに本体ケーシング91の前面右端から右側面前側にかけて回動式のグリップ部94が取り付けられる。
図16(B)は、同図(A)の本体ケーシング91の右端側とグリップ部94の取付け構造を示すもので、略半円柱状のグリップ部94が回動軸RAを中心に回動する。これら図16(A)及び同図(B)では、グリップ部94の平坦面がこのデジタルカメラ90の前方向に向けられ、本体ケーシング91の前面と一体的な平面となって、前方には一切突出していない状態を示す。
図16(C)は、グリップ部94を矢印XVIで示すように上から見て左(反時計)方向に180°回動させた撮影モード時でのデジタルカメラ90の上面構成を示すものである。
この場合にグリップ部94は、本体ケーシング91の前方に大きく突出するため、ユーザがこのグリップ部94を用いて本体ケーシング91を把持することでデジタルカメラ90の良好なホールドが得られ、手振れ等を起こしてしまう可能性を極力排除できる。このときの本体ケーシング91右端側とグリップ部94の取付け構造を図16(D)に示す。
グリップ部94は、その周面を弾性を有する樹脂、あるいはゴム等により構成し、上記図16(A)及び同図(B)と、上記図16(C)及び同図(D)とで示した各位置からグリップ部94が容易に回動しないよう、その周面の一部、回動軸RAを挟んで対向する位置に、本体ケーシング91前面の端部と係止する一対の凹部94a,94bを形成する。
これらグリップ部94の周面に形成した凹部94a,94bと本体ケーシング91の対応する凸部91aにより、グリップ部94を180°回動させた上記各位置が適度なクリック感を伴って固定される。
このように、グリップ部94の回動操作によりグリップ部94が本体ケーシング91前面と同一面となり、全く突出していない状態では、このデジタルカメラ90の携帯あるいは収納に際してグリップ部94が収納場所であるポケット等に引っかかってしまうことなく、確実に収納でき、または簡単に取り出すことができる。
一方で撮影モード時にグリップ部94を大きく突出された状態では、ユーザがこのグリップ部94を用いてデジタルカメラ90をより確実に把持できるため、手振れ等を起こしてしまう可能性を極力排除できる。
(第5の実施の形態)
以下本発明をコンパクトタイプのデジタルカメラに適用した場合の第5の実施の形態について図面を参照して説明する。
図17(A)は、本実施の形態に係るデジタルカメラ100の上面構成を示すものである。このデジタルカメラ100は、全体がほぼ平板状の本体ケーシング101の前面、左端側に撮影レンズ102が配設され、また本体ケーシング101の上面右端に円形のシャッタキー103が配設される。さらに本体ケーシング101の前面右端から右側面前側にかけて回動式のグリップ部104が取付けられる。
図17(B)は、同図(A)の本体ケーシング101の右端側とグリップ部104の取付け構造を示すもので、略半円柱状のグリップ部104が回動軸RAを中心に回動する。
グリップ部104は、図示する如く本来平坦である面に、その軸方向に平行な複数条の溝を形成することで形成した第1のグリップ面104aが上記図17(A),(B)の回動状態でデジタルカメラ100の前方に向けられ、本体ケーシング101の前面よりわずかに突出するものとなるが、第1のグリップ面104aに形成された複数の溝により滑ることなく把持し、デジタルカメラ100のホールドを容易とする。
図17(C)は、グリップ部104を矢印XVIIで示すように上から見て左(反時計)方向に180°回動させた撮影モード時でのデジタルカメラ100の上面構成を示すものである。
この場合にグリップ部104は、上記第1のグリップ面104aと回動軸RAを挟んで対向する半円柱状の第2のグリップ面104bが本体ケーシング101の前方に大きく突出するため、ユーザがこのグリップ部104を用いて本体ケーシング101を把持することでデジタルカメラ100の良好なホールドが得られ、手振れ等を起こしてしまう可能性を極力排除できる。このときの本体ケーシング101右端側とグリップ部104の取付け構造を図17(D)に示す。
グリップ部104は、その周面を弾性を有する樹脂、あるいはゴム等により構成し、上記図17(A)及び同図(B)と、上記図17(C)及び同図(D)とで示した各位置からグリップ部104が容易に回動しないよう、その周面の一部、回動軸RAを挟んで対向する位置に、本体ケーシング101前面の端部に形成した凸部101aと係止する一対の凹部104c,104dを形成する。これらグリップ部104の周面に形成した凹部104c,104dと本体ケーシング101の対応する凸部101aにより、グリップ部104を180°回動させた上記各位置が適度なクリック感を伴って固定される。
このように、グリップ部104の回動操作により第1のグリップ面104aが本体ケーシング101の前面よりわずかに突出している状態でも、第1のグリップ面104aに形成された多数の細かに凹凸によりこのデジタルカメラ100をしっかりと把持して撮影を行なうことができる一方で、グリップ部104を回動させて第2のグリップ面104bがデジタルカメラ10の前方に大きく突出する状態とすれば、ユーザがこの第2のグリップ面104bを用いてデジタルカメラ100をより確実に把持できるため、手振れ等を起こしてしまう可能性を極力排除できる。
したがって、ユーザの手の大きさや好みの撮影スタイル、具体的にはカメラのグリップの仕方等をユーザ自身が自由に選択することができる。
(第6の実施の形態)
以下本発明をコンパクトタイプのデジタルカメラに適用した場合の第6の実施の形態について図面を参照して説明する。
図18(A)は、本実施の形態に係るデジタルカメラ110の上面構成を示すものである。このデジタルカメラ110は、全体がほぼ平板状の本体ケーシング111の前面、左端側に撮影レンズ112が配設され、また本体ケーシング111の上面右端に円形のシャッタキー113が配設される。さらに本体ケーシング111の上記前面に対して直交する右側面にスライド式のグリップ部114が取付けられる。
図18(B)は、同図(A)の本体ケーシング111の右端側とグリップ部114の取付け構造を示すもので、略矩形柱状のグリップ部114は、例えば上下2本のアーム114a,114bが本体ケーシング111右端側に各水平方向に形成された2条のスリットでなるガイドレール111a,111bに摺動可能に係止されて、該ガイドレール111a,111bに沿ってスライド操作することが可能となる。
図18(C)は、グリップ部114を上記ガイドレール111a,111bに沿って本体ケーシング111の前方側にスライドさせた状態でのデジタルカメラ110の上面構成を示すものである。
図中に矢印XVIIIで示す如く、グリップ部114を本体ケーシング111のガイドレール111a,111bに沿って前方側にスライドさせることにより、本体ケーシング111の前面より突出した状態となる。
このときの本体ケーシング111右端側とグリップ部114の取付け構造を図18(D)に示すもので、グリップ部114が本体ケーシング111の前面より距離D1だけ前方に突出していることがわかる。
このように、必要によりグリップ部114が本体ケーシング111の右側面に形成したガイドレール111a,111bに沿ってスライドし、本体ケーシング111の前面より突出する構成としたので、撮影モード時以外ではグリップ部114が本体ケーシング111と一体的でフラットな状態となる一方で、撮影モード時にはグリップ部114を本体ケーシング111の前面より前方側に突出させ、より本体ケーシング11の把持を確実にすることができる。
(第7の実施の形態)
以下本発明をコンパクトタイプのデジタルカメラに適用した場合の第7の実施の形態について図面を参照して説明する。
図19(A)は、本実施の形態に係るデジタルカメラ120の上面構成を示すものである。このデジタルカメラ120は、全体がほぼ平板状の本体ケーシング121の前面、左端側に撮影レンズ122が配設され、また本体ケーシング121の上面右端に円形のシャッタキー123が配設される。さらに本体ケーシング121の上記前面に対して斜めとなる右側面にスライド式のグリップ部124が取付けられる。
図19(B)は、同図(A)の本体ケーシング121の右端側とグリップ部124の取付け構造を示すもので、断面が略平行四辺形となる柱状のグリップ部124は、例えば上下2本のアーム124a,124bが本体ケーシング121右端面に各水平方向に形成された2条のスリットでなるガイドレール121a,121bに摺動可能に係止され、該ガイドレール121a,121bに沿ってスライド操作することが可能となる。
図19(C)は、グリップ部124を上記ガイドレール121a,121bに沿って本体ケーシング121の前方側にスライドさせた状態でのデジタルカメラ120の上面構成を示すものである。
図中に矢印XIXで示す如く、グリップ部124を本体ケーシング121右側面のガイドレール121a,121bに沿って左前方側に斜めにスライドさせることにより、本体ケーシング121の前面より突出した状態となる。
このときの本体ケーシング121右端側とグリップ部124の取付け構造を図19(D)に示すもので、グリップ部124が本体ケーシング121の前面より距離D2だけ前方、且つ斜め左側に突出していることがわかる。
このように、必要によってグリップ部124が本体ケーシング121の右側面に形成したガイドレール121a,121bに沿って斜め前方にスライドし、本体ケーシング121の前面より斜めに突出する構成としたので、撮影モード時以外ではグリップ部124が本体ケーシング111と一体的でフラットな状態となり、特にグリップ部124はその斜面を有する形状からポケット等に容易に収納可能となる一方で、撮影モード時にはユーザの操作によりグリップ部124を本体ケーシング121の前面より斜め前方側に突出させることで、グリップ部124の左前側の鋭角部分によりユーザの右手で確実にこのデジタルカメラ120を把持することができる。
(第8の実施の形態)
以下本発明をコンパクトタイプのデジタルカメラに適用した場合の第8の実施の形態について図面を参照して説明する。
図20(A)は、本実施の形態に係るデジタルカメラ130の上面構成を示すものである。このデジタルカメラ130は、全体が平板状の本体ケーシング131の前面、左端寄りに撮影レンズ132が配設され、また本体ケーシング131の上面右端に長円形のシャッタキー133が配設される。
さらに本体ケーシング131の前面右端から右側面にかけてスライド式のグリップ部134が図示する如く収納状態では本体ケーシング131と一体にして取付けられ、同グリップ部134の右側面前端寄りに複数条、例えば3条の線状突起134aが形成される。
図20(B)は、同図(A)の本体ケーシング131の右端側とグリップ部134の取付け構造を示すもので、断面コ字状の底面134bをデジタルカメラ130の前方に向けたグリップ部124は、上記線状突起134aを設けた右側面134cの内面先端側に、上記線状突起134aと平行な、断面が3角形となる線状突起による係止部134eを設ける。
また、グリップ部134の左側面134dは、このグリップ部134の移動方向を規定するガイドとして本体ケーシング131のガイド孔131aに挿通される。
このグリップ部134の係止部134eが、本体ケーシング131右側面に形成された複数条、例えば3条のそれぞれ断面が3角形となる線状凹部131b,131b,131bのいずれかと嵌合、係止されてグリップ部134の前後位置が決められる。
図20(B)は最も背面側の線状凹部131bにグリップ部134の係止部134eが嵌合、係止された状態であり、この状態でグリップ部134の底面134bは本体ケーシング131の前面と同一平面を形成する。
グリップ部134は、弾性を有する合成樹脂、例えばポリプロピレンで構成され、図20(C)に示すように上記線状突起134aをユーザが手指、例えば右手親指で本体ケーシング131に対してより前側、図中矢印XXに示す方向に押圧操作することで、グリップ部134の上記係止部134eを形成した右側面134cが弾性変形し、その内面先端の係止部134eが一つ前側に位置する線状凹部131bに移動して嵌合、係止されて、右側面134b全体も線状凹部1ノッチ分だけデジタルカメラ130の前方側に移動するものである。
図20(D)はこの時の本体ケーシング131の右端側とグリップ部134の取付け構造を示すもので、グリップ部134が本体ケーシング131の前面より距離D11、すなわち上記線状凹部131b,131b,131bの1ノッチ分だけ前方に突出していることがわかる。
上記図20(C),(D)の状態からさらに上記グリップ部134の線状突起134aを同様に矢印XXの方向に押圧操作することで、図20(E)に示すようにグリップ部134はその最前位置間で移動する。
図20(D)はこの時の本体ケーシング131の右端側とグリップ部134の取付け構造を示すもので、グリップ部134が本体ケーシング131の前面より距離D12、すなわち上記線状凹部131b,131b,131bの2ノッチ分前方に突出していることがわかる。
グリップ部134の係止部134eは、すでに最前位置にある線状凹部131bと嵌合、係止されているため、これ以上グリップ部134の線状突起134aを前方向に押圧操作しても、グリップ部134を移動させることはできない。
上記とは反対に、最前位置まで突出移動されたグリップ部134を上記図20(A)に示した如く後退、収納させる際は、単に本体ケーシング131に対してグリップ部134の最前位置にある底面134bをデジタルカメラ10の背面側に押圧すればよい。
このように、グリップ部134が本体ケーシング131の右側面部で適宜ユーザの操作によって前方向にスライドし、本体ケーシング131の前面より突出する構成としたので、きわめてグリップ部134を簡易で安価な構成としながら、撮影モード時以外ではグリップ部134が本体ケーシング131と一体的でフラットな状態となる一方で、撮影モード時に必要によってはユーザの操作によりグリップ部134を本体ケーシング131の前面より前方に突出させることで、ユーザがこのグリップ部134を把持してこのデジタルカメラ130を確実にホールドできる。
(第9の実施の形態)
以下本発明をコンパクトタイプのデジタルカメラに適用した場合の第9の実施の形態について図面を参照して説明する。
図21(A)は、本実施の形態に係るデジタルカメラ140を右側面から見た外観構成を示すものである。このデジタルカメラ140は、全体が平板状の本体ケーシング141の前面の左端寄りに図示しない撮影レンズが配設され、また同本体ケーシング141の上面右端にシャッタキー143が配設される。
さらに本体ケーシング141の前面右端に、上下方向に延在されたグリップ部144が取付けられる。
図21(B)は、同図(A)のグリップ部144を前面側から見た図であり、本体ケーシング141の前面に埋設された外枠部144aに対し、グリップ材144bの両端に固着した一対のスライダ144c,144dをスライド自在に取り付けられることでこのグリップ部144が構成される。
グリップ材144bは、例えば鋼板などの弾性を有する金属薄板等で構成される。このグリップ材144bの両端に固着されたスライダ144c,144dはそれぞれ、外枠部144a内でグリップ材144bの長手方向に沿ってスライドし、当該外枠部144aに形成された各3組の凹部中の1組に係止する1組の凸部を形成しており、そのいずれかの位置に選択的に係止されている。
この図21(A)及び同図(B)では上記スライダ144c,144dが共に外枠部144aの最も外側の凹部に係止され、グリップ材144bはまっすぐに延在されている状態を示す。この状態ではグリップ材144bはその弾性による応力を発生していない。
しかるに、上記両スライダ144c,144dは、それぞれデジタルカメラ140の前面側に互いに外側に向けたテーパ面を有しており、ユーザが手指、例えば親指と人差し指でこのテーパ面を共に押圧し、曲げられるグリップ材144bの弾性を上回る力でスライダ144c,144dの間隔を縮めるように操作することで、スライダ144c,144dは共に外枠部144a内での係止位置が内側に移動される。
図21(C)はこのようにしてスライダ144c,144dを図中に矢印XXI,XXIで示す如く押圧操作し、グリップ材144bをアーチ状に曲げてその中央部をデジタルカメラ140の前面側に突出させた状態を示すものである。
このとき図21(D)に示す如くスライダ144c,144dは、外枠部144aに対して上記図21(B)で示した位置よりそれぞれ1段ずつ内側の凹部に係止されることとなる。
すなわち外枠部144aとスライダ144c,144dは、例えばユーザが手指によりスライダ144c,144dを押圧する状態、すなわちデジタルカメラ140の背面側に押圧する力が働いた場合に自在にスライドし、且つユーザが手指による押圧を解除してグリップ材144bの弾性が働き、スライダ144c,144dを互いの外側及びデジタルカメラ140の前面側に押し付ける力が発生する場合に上記外枠部144a側の凹部にスライダ144c,144dの凸部が係止するように、外枠部144aの下(デジタルカメラ140の背面)側にスライダ144c,144dの幅より略広い程度のスライド溝を、上(デジタルカメラ140の前面)側に凹部を刻設したノッチ構造を有する。
しかるに、図21(E)に示す如くさらに図中に矢印XXI,XXIで示す如くスライダ144c,144dを押圧操作し、グリップ材144bをさらに深く曲げてその中央部をデジタルカメラ140の前面側に突出させることができる。
このとき、図示はしないがスライダ144c,144dは、外枠部144aに対してそれぞれ上記図21(D)で示した位置よりさらにそれぞれ1段ずつ内側の凹部に係止されることとなる。
グリップ材144bがアーチ状に曲げられ、デジタルカメラ140前方に突出した状態を解除するためには、上記スライダ144c,144dを共にデジタルカメラ140の背面側に押圧したままゆっくりその間隔を広げるようにすれば、容易に上記図21(A)及び同図(B)に示した状態に戻すことができる。
このように、必要によりグリップ部144のスライダ144c,144dを押圧操作してグリップ材144bを本体ケーシング141の前面よりアーチ状に突出させる構成としたので、グリップ部144を撮影モード時以外では本体ケーシング141に対してなるべく突出しない状態とする一方で、撮影モード時にはグリップ材144bを任意の大きさまで前方側に突出させ、より本体ケーシング11の把持を確実にすることができる。
加えて、グリップ部144をきわめて簡単な構造で視覚的にも理解しやすく、デザイン上も平板な本体ケーシング141の前面右側のアクセントとなりうる形状で実現できる。
(第10の実施の形態)
以下本発明をコンパクトタイプのデジタルカメラに適用した場合の第10の実施の形態について図面を参照して説明する。
図22は、本実施の形態に係るデジタルカメラ150を右斜め上から見た外観構成を示すものである。このデジタルカメラ150は、全体が平板状の本体ケーシング151の上面の右端側に電源スイッチ12とシャッタキー13を設け、正面から背面に係る辺上の略中央部にモードスイッチ14を配設する。
また本体ケーシング151の前面には、光学ファインダ窓15、撮影レンズ16、セルフタイマインジケータ17、ストロボ発光部18を撮影時にユーザの手指で各部を覆ってしまうことがないように主に本体ケーシング151の左側(図22の右側)に寄せて配設する。
しかるに、本体ケーシング151の前面右端に沿ってグリップ部154と空気ポンプ155及び排気弁156が取り付けられる。
グリップ部154は、この本体ケーシング151前面右端の矩形状の凹部151a内に蛇腹状に収納された空気袋でなり、ユーザによる空気ポンプ155の操作に応じて膨張して本体ケーシング151前面より突出するもので、同図では最大限膨張した状態を示している。
空気ポンプ155は、グリップ部154を任意の大きさとなるまで膨張させるべく、ユーザが複数回押圧操作するためのものであり、一方の排気弁156は膨張したグリップ部154内の空気を排出させ、グリップ部154を凹部151a内に収納させるべくユーザが押圧操作するためのものである。
図23は、上記グリップ部154と空気ポンプ155、及び排気弁156のみをデジタルカメラ150から抽出してその構成概念を示すもので、ここではグリップ部154を円柱状の蛇腹構造を有するものとして表しているが、デジタルカメラ150では上記図22に示した如くその上面中央がより盛り上がった、矩形柱状の蛇腹構造を有するものでなる。
図中に矢印A1で示す如くユーザが空気ポンプ155を押圧操作する毎に、空気ポンプ155の円柱状のボタン側周面に形成された吸気口155a,155aより空気が取り入れられ、矢印A2で示すように本体ケーシング151内に配管されたパイプ157を介して、空気袋でなるグリップ部154に注入される。
グリップ部154を挟んで設けられた空気ポンプ155及び排気弁156は、共に逆止弁を有し、排気弁156が押圧操作されていない状態では、空気ポンプ155からの注入空気が順次グリップ部154内に蓄積されてグリップ部154は膨張する。
グリップ部154は、本体ケーシング151内に配管されたパイプ158を介して排気弁156とも接続されており、矢印A4で示すようにユーザが排気弁156を押圧操作することで排気弁156内の逆止弁が開放され、グリップ部154内に蓄積された空気が矢印A3で示すように排気弁156の排気口156a,156aより排出される。
このグリップ部154内の空気の排出時にユーザは、排気弁156と同時にグリップ部154自体も押圧することにより、グリップ部154内の空気を紙や確認排気弁156の排気口156a,156aより排出所定検知機構部54を凹部151a内に収納することができる。
図24(A)は、本実施の形態に係るデジタルカメラ150の上面構成を示すものであり、このときグリップ部154は、本体ケーシング151の前面よりわずかに突出する程度に上記空気ポンプ155の操作により膨張されている。
図24(B)は、同図(A)の本体ケーシング151の右端側とグリップ部154の断面構造を示すもので、本体ケーシング151の凹部151aに設けられたグリップ部154が、ここでは図示しない空気ポンプ155をユーザが押圧操作することにより若干膨張し、本体ケーシング151の前面よりわずかに突出している状態を示す。
この図24(A),(B)の状態からユーザがさらに上記空気ポンプ155を複数回押圧操作することで、図24(C)に示すようにグリップ部154内にさらに注入空気が蓄積されて膨張し、図中に矢印XXIVで示す如くグリップ部154がデジタルカメラ150の前方に大きく突出することとなる。このときの本体ケーシング151右端側とグリップ部154の断面構造を図24(D)に示す。
このように、必要によってユーザが空気ポンプ155を押圧操作する毎に、空気袋であるグリップ部154内に注入空気を蓄積し、グリップ部154を徐々に本体ケーシング151の前方に所望の大きさとなるまで突出させることができる。
また、撮影モード時以外では、排気弁156を押圧操作し、必要により合わせてグリップ部154自体を押圧することで、グリップ部154内の空気を容易に排出させ、グリップ部154を本体ケーシング151の凹部151a内に収納させることができ、このデジタルカメラ150の携帯時等にグリップ部154が邪魔になるのを回避できる。
(第11の実施の形態)
以下本発明をコンパクトタイプのデジタルカメラに適用した場合の第11の実施の形態について図面を参照して説明する。
図25は、本実施の形態に係るデジタルカメラ160を右斜め下から見た外観構成を示すものである。このデジタルカメラ160は、全体が平板状の本体ケーシング161の前面に、光学ファインダ窓15、撮影レンズ16、セルフタイマインジケータ17、ストロボ発光部18を撮影時にユーザの手指で各部を覆ってしまうことがないように主に本体ケーシング161の左側(図24の右側)に寄せて配設する。
しかるに、本体ケーシング161の前面右端に沿ってグリップ部164Aが配設される。このグリップ部164Aは、図示する如くデジタルカメラ10に対して着脱自在に設けられるもので、着脱を行なう際には、本体ケーシング161底面右端のグリップリッド161aを開いた上で、グリップ部164Aまたは図示する如くその他のグリップ部164B,164C,‥‥のうちの一つを図中に矢印XXVで示す如く本体ケーシング161の当該部位に形成された溝に沿ってスライドさせながら挿入させることで装着し、またはその反対の方向に操作することで装着されているグリップ部164を取り外すことができる。
図26は、各種のグリップ部164を装着したデジタルカメラ160の上面と、本体ケーシング161右端側及びグリップ部164の断面構造とを示すものである。
図26(A)は、上記図25と同様にグリップ部164Aを装着したデジタルカメラ160の上面構成を示すものであり、同図(B)はその一部の断面図である。このときグリップ部164Aは、例えばゴム製で縦方向の線状溝を複数条設けたものでなり、本体ケーシング161前面からのと終了はそれほど大きくないものの、上記線状溝によりユーザの手指の「かかり」がよく、確実にデジタルカメラ160を把持することができる。
図26(C)は、グリップ部164Bを装着したデジタルカメラ160の上面構成を示すものであり、同図(D)はその一部の断面図である。このグリップ部164Bは、例えば表面全体に梨地加工を施した、断面が台形の合成樹脂製部材でなり、上記図25で示した如くこのユーザの名前、例えば「KAZU」がデジタルカメラ160の前側となる上底面外側に刻印されるもので、上記グリップ部164Aよりも本体ケーシング161前面からの突出量が大きい。
したがって、このグリップ部164Bによれば、本体ケーシング161前面からの突出量を大きくし、且つ表面全体を梨地加工とし、その上に前面側に大きく名前の刻印も形成しているため、グリップ部164全体で大小総じて凹凸が多く、大変滑りにくくして、デジタルカメラ160を確実に把持できる構造にできる。
図26(E)は、グリップ部164Dを装着したデジタルカメラ160の上面構成を示すものであり、同図(F)はその一部の断面図である。このグリップ部164Dは、中空で断面がD字状の合成樹脂製部材で構成され、上記グリップ部164Bよりも大きく本体ケーシング161前面より突出するもので、デジタルカメラ160上記本体ケーシング151内の溝に挿入される底面全面と外部に露出する前面の中央部が透明となる。
このグリップ部164Dを装着する本体ケーシング161の、グリップ部に当接される背面部には、例えば発光素子としてLEDを用いた照明部161bが埋設されるものであり、図26(F)中に矢印Lで示すその発光により、グリップ部164Dの前面中央が光って見えることとなる。
このように、本体ケーシング161より大きく突出するグリップ部164Dを用いることにより、デジタルカメラ160を確実に把持できる構造にできる。
なお、上記実施の形態で説明したグリップ部164A〜164Dを含め、それらの形状、素材、表面全体の加工、文字や記号、模様等の刻印など、種々バラエティーに富んだグリップ部164を考えることができ、ユーザの撮影技術レベルや好み等に合わせて任意のグリップ部164を選択して本体ケーシング161に装着することで、デジタルカメラ160撮影時の把持をより確実にできると共に、デザイン面でもデジタルカメラ160の個性化を図ることができ、ユーザにデジタルカメラ160を所有することの満足感を与えることができる。
特に、上記図26(E),(F)に示したようにグリップ部164Dが内部から光って見えるような構造とすることで、グリップ部164Dの前面に設けた刻印や模様等を透明、あるいは半透明の部材で構成して、必要によりそれらを浮かび上がるように光らせることも可能となる。
なお、上記実施の形態では、グリップ部164が本体ケーシング161に設けられた溝にスライドするように挿入するものとして説明したが、これに限るものではない。
図27は、同実施の形態に係るグリップ部の他の取付け構造を示すものである。ここでは、図27(A)に示すように、予め取付け位置に貫通孔が形成された上でナット161cが埋設された本体ケーシング161′に対し、ボルト164aを遊嵌して内蔵したグリップ部164′を当接し、図27(B)に示すようにボルト164aを上記ナット161cに螺合して締付けることでグリップ部164′を本体ケーシング161に取り付けるような構造も考えられる。
(第12の実施の形態)
以下本発明をコンパクトタイプのデジタルカメラに適用した場合の第12の実施の形態について図面を参照して説明する。
図28は、主として本実施の形態に係るデジタルカメラ170の外界構成を示すもので、図28(A)が正面図、図28(B)が背面図であり、これらで示すデジタルカメラ170の本体ケーシング171に取り付ける外装部品として、図28(C)に着脱式グリップ174を、図28(D)に衝撃吸収リング175をそれぞれ示す。
デジタルカメラ170自体は、グリップ部を形成していない点を除いて、上記図1及び図2に示したデジタルカメラ10とその細部の構成は基本的に同様であるので、同一部分には同一符号を用いてその説明は省略する。
図28(C)に示すように着脱式グリップ174は、全体が弾性を有する金属、例えばステンレス鋼の線材で構成されるもので、デジタルカメラ170装着時に本体ケーシング171の前面に当接されるアーチ部174aの中央を包囲するようにして、例えば発泡ゴムや樹脂製でなるグリップ部174bが形成される。
また、このグリップ部174bが形成されたアーチ部174aと対向する辺部174cには、本体ケーシング171背面のリングキー23との干渉を避けるためのR部174dが形成される。
一方、図28(D)は、デジタルカメラ170の携帯時等に撮影レンズ16の衝撃緩衝材として機能する衝撃吸収リング175の構成を示すものである。同図に示す如く衝撃吸収リング175は、本体ケーシング171前面の撮影レンズ16基部に配設された平板リング状のベースリング176に取付けるべく、全体が弾性を有する金属、例えばステンレス鋼の線材で構成される。
すなわち、衝撃吸収リング175は、上下各約1/4円弧部が上記ベースリング176の外径に合わせた大径部となり、これら大径部と、撮影レンズ16の最外周のレンズ鏡筒との干渉を回避するように構成された、左右各約1/4円弧部からなる小径部とが、計4個所でそれぞれ上記ベースリング176の厚さに合わせてクランク状に段差を設けて接続されるもので、上記小径部は、着脱式グリップ174のグリップ部174bと同様にその殆どの線部を包囲するようにして、例えば発泡ゴムや樹脂製でなる衝撃吸収部175a,175aが形成される。
図29は、デジタルカメラ170の本体ケーシング171に着脱式グリップ174及び衝撃吸収リング175を外装部品として装着した場合の外観構成を示すものであり、図29(A)はその上面図、図29(B)は同正面図、図29(C)は同背面図である。
着脱式グリップ174は、一対の対向したアーチ部174aと辺部174cとで本体ケーシング171右端側を表裏から挟持するようにして、その線材部分の弾性と上記グリップ部174bの摩擦力により図示する如く本体ケーシング171右端に装着されるものであり、このデジタルカメラ170のユーザが本体ケーシング171右端側を右手で把持した際に、右手の特に中指、薬指及び小指による把持を確実なものとするべく、アーチ部174aに形成されたグリップ部174bを円弧形状としている。
一方、衝撃吸収リング175は、撮影レンズ16基部のベースリング176に対してその外径部を上下から挟持するようにして、その線材部分の弾性と上記衝撃吸収部175a,175aの摩擦力により図示する如く装着されるものであり、このデジタルカメラ170のユーザが撮影モード時に撮影レンズ16を構成する例えば3段のズームレンズを本体ケーシング171前方に向けて繰出した場合でも小径部側の衝撃吸収部175a,175aが干渉しないように、当該衝撃吸収部175a,175aの最内周が、撮影レンズ16の最外周側のレンズ鏡筒よりも大径となるように構成されている。
このような構成とすれば、本体ケーシング171に対して着脱式グリップ174,衝撃吸収リング175を簡単に本体ケーシング171に対して着脱することができる。
着脱式グリップ174は、アーチ部174aに形成したグリップ部174bの素材や形状、長さや表面加工等を変えることで、より多くのユーザの好みに対応することができると共に、外装部品としてデジタルカメラ17を携帯する際の傷つきや外力による衝撃等を緩和し、且つ装飾用アクセサリとしても利用できる。
同様に衝撃吸収リング175は、光学レンズ類を使用しているために特に外部の衝撃等から守らなくてはならない撮影レンズ16を非撮影モード時にガードするガード部材として機能すると共に、上記着脱式グリップ174と合わせて、このデジタルカメラ170をアウトドアで使用する耐性の高いものであることをその外観で表す装飾用アクセサリとしても利用できる。
なお、上記第2乃至第10の各実施の形態においては、あえて各グリップ部がユーザの手動により操作するものであるか、電源のオン/オフに応じて動作する、内蔵するモータによる電動機構を有するものであるかを示さなかったが、第1の実施の形態で示した場合と同様にそのいずれにも適用可能であることは勿論であり、また手動により操作するものであった場合には、その操作によって当該デジタルカメラの電源のオン/オフと撮影モードの設定のオン/オフを適宜自動的に切換える仕様とすることも容易に可能となる。
その他、本発明は上記実施の形態に限らず、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能であるものとする。
さらに、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
10…デジタルカメラ、11…本体ケーシング、12…電源スイッチ、13…シャッタキー、14…モードスイッチ、15…光学ファインダ窓、16…撮影レンズ、17…セルフタイマインジケータ、18…ストロボ発光部、19…レンズバリア、21…ズームキー、22…メニューキー、23…リングキー、24…セットキー、25…ディスプレイキー、26…液晶モニタ、27…光学ファインダ、28…動作確認ランプ、29…グリップ部、29a,29b…アーム、29b1…連結リンク、30…検出スイッチ、30a…可動子、31…レンズ駆動部、32…撮像部、33…映像信号処理部、34…画像メモリ、35…撮影制御部、36…主制御部、37…照明駆動部、38…インタフェース、39…メモリカード、40…電源制御部、41…電池ユニット、42…インタフェース、43…外部入出力(I/O)端子、44…圧縮符号器・伸長符号器、45…表示制御部、46…入力制御部、47…その他の操作入力部、48…プロファイル情報メモリ、51…減速ギア、52…モータ、53…駆動部、54…検知機構部、61…バッテリスロット、62…メモリカードスロット、70…デジタルカメラ、71…本体ケーシング、71a…第1のグリップ部、72…撮影レンズ、73…シャッタキー、74…第2のグリップ部、80…デジタルカメラ、81…本体ケーシング、81a,81b…ガイドレール、82…撮影レンズ、83…シャッタキー、84…グリップ部、84a,84b…アーム、85…スライダ、90…デジタルカメラ、91…本体ケーシング、92…撮影レンズ、93…シャッタキー、94…グリップ部、100…デジタルカメラ、101…本体ケーシング、102…撮影レンズ、103…シャッタキー、104…グリップ部、104a…第1のグリップ面、104b…第2の第1のグリップ面、110…デジタルカメラ、111…本体ケーシング、111a,111b…ガイドレール、112…撮影レンズ、113…シャッタキー、114…グリップ部、120…デジタルカメラ、121…本体ケーシング、121a,121b…ガイドレール、122…撮影レンズ、123…シャッタキー、124…グリップ部、124a,124b…アーム、130…デジタルカメラ、131…本体ケーシング、131a…ガイド孔、131b…、線状凹部、132…撮影レンズ、133…シャッタキー、134…グリップ部、134a…線状突起、134b…底面、134c…右側面、134d…左側面、134e…係止部、140…デジタルカメラ、141…本体ケーシング、143…シャッタキー、144…グリップ部、144a…外枠部、144b…グリップ材、144c,144d…スライダ、150…デジタルカメラ、151…本体ケーシング、151a…凹部、154…グリップ部、155…空気ポンプ、155a…吸気口、156…排気弁、156a…排気口、160…デジタルカメラ、161…本体ケーシング、161a…グリップリッド、161b…照明部、161c…ナット、164A〜164D,164′…(着脱式)グリップ部、164a…ボルト、170…デジタルカメラ、171…本体ケーシング、174…着脱式グリップ、174a…アーチ部、174b…グリップ部、174c…辺部、174d…R部、175…衝撃吸収リング、175a…衝撃吸収部、176…ベースリング、H…ユーザの手、H2…人差し指、RA…回動軸。