JP4452389B2 - 熱水シャワー式洗浄消毒装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療現場等で使用する器具を熱水によって洗浄消毒するための熱水シャワー式洗浄消毒装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療現場において使用したメス、ハサミ等の器具は洗浄、消毒されて再び使用される。この時、一次洗浄として熱水による洗浄、消毒が行われ、その後消毒薬等を用いて更に厳重に消毒がされている。従来、使用されていた熱水による洗浄消毒装置は、給湯設備から送られる温水を更に洗浄消毒装置内の電気ヒータで加熱し、80℃程度の熱水として使用していた。熱水はシャワーノズルからメスやハサミに放射され、洗浄消毒に使われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
病院内においては、院内感染防止のためばかりでなく、常日頃から清潔を保たなくてはならず、使用したメス等の医療器具は雑菌の繁殖、血液等の汚染拡散を防ぐためにも速やかに洗浄消毒されるべきである。
【0004】
しかしながら、従来の洗浄消毒装置にあっては、給湯設備の温水をさらに電気ヒータで加熱するという段階を追っており、熱水に加熱するまでに時間がかかっていた。そのため洗浄消毒装置ばかりでなく給湯設備まで常時通電された状態を保たなくてはならず、電気代などのランニングコストがかかるという課題がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決すべく、電気代等のコストを低減し、設備の小型化が可能で、さらに自由に温度調節可能な熱水を、速やかに供給する熱水シャワー式洗浄消毒装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
すなわち、本発明は、被洗浄物としての医療器具を収容し、前記医療器具に熱水を放射して洗浄消毒するシャワーノズルが設けられた洗浄消毒槽と、貯えられた水を加熱装置によって加熱して所定温度の熱水を発生する熱水発生部と、前記熱水発生部の熱水が所定温度に到達したとき、前記熱水を前記シャワーノズルに供給するように駆動されるラインポンプが設けられた熱水供給手段と、前記熱水発生部に水を供給する給水手段とを備え、前記医療器具を予備洗浄、消毒、仕上げの三段界に分けて異なる温度で洗浄する熱水シャワー式洗浄消毒装置であって、前記加熱装置には、固体蓄熱材と液体蓄熱材が充填されて成る蓄熱部と、該蓄熱部に配設され、深夜電力を利用して、前記固体蓄熱材と液体蓄熱材を加熱するヒータと、前記蓄熱部内を通過するように配設され、給水装置から供給された水を加熱された固体蓄熱材と液体蓄熱材とによって加熱して過熱水蒸気とする伝熱管とを具備する蓄熱槽が、前記洗浄消毒槽、熱水発生部及び熱水供給手段と別体に設けられ、前記熱水発生部に貯められた貯留水が、前記蓄熱槽の伝熱管から吐出される過熱水蒸気が吹き込まれて直接的に加熱され、或いは前記伝熱管に連結された過熱水蒸気管の中途部が前記貯留水中に浸漬されて間接的に加熱されていることを特徴とする。
【0007】
かかる本発明において、洗浄消毒槽内に熱水発生部を設けることによって、熱水シャワー式洗浄消毒装置の小型化が可能となる。
また、熱水発生部を洗浄消毒槽と別体に設けることによって、より清潔な熱水を供給することが可能となる。
更に、熱水供給手段に、給水手段から供給される水と熱水発生手段の熱水とを混合してシャワーノズルに供給する混合部を設けることによって、熱水の温度調整を容易とすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る熱水シャワー式洗浄消毒装置の好適な実施の形態を添付図面と共に詳細に説明する。
最初に、後で述べる4つの実施の形態について共通に使われる洗浄消毒槽と、加熱装置の構成について説明する。
【0009】
(洗浄消毒槽)
図1を用いて熱水シャワー式洗浄消毒装置に用いられる洗浄消毒槽について説明する。20は被洗浄物が収容可能な中空の密閉空間が形成される洗浄消毒槽である。洗浄消毒槽20上面には、開閉可能に蝶着された扉26が取り付けられ、E方向に開かれる。洗浄消毒槽20の内部には上方に引き上げて、取りはずし可能に吊り下げられたカゴ24が設けられ、その中に使用後のメス、ハサミなどの被洗浄物25が載せられる。カゴ24の上方には、被洗浄物25に熱水の吐出面を向けて、シャワーノズル21が配置される。
【0010】
51はラインポンプであり、洗浄消毒槽20に貯溜した熱水は配管31を経由してシャワーノズル21から連続的に放射される。41は切換弁であり、洗浄中はラインポンプ51側に開いている。洗浄消毒に必要な温度に加熱された熱水は、シャワーノズル21から噴出し、被洗浄物25に均一にあてられる。被洗浄物25にあたった熱水は落下し、洗浄消毒槽20の下方に集まり、再度加熱されて循環利用される。この際、洗浄消毒槽内にゴミや不純物を取るようなフィルターを配設すると良い。
【0011】
一連の洗浄消毒作業は、予備洗浄、消毒、仕上げの三段階に分けて行われる。まず最初に予備洗浄として被洗浄物に付着した血液を40℃の熱水で洗い流す。次に92℃の熱水で雑菌に対する消毒が行われ、最後に60℃の熱水で仕上げが行われる。このように段階毎に熱水の設定温度を変えて行う場合、設定温度の同じ間では熱水は循環して使用される。終わった時点で一旦熱水の供給を止め、弁41を排水側に開いて洗浄消毒槽20内の水を排水し、新しく洗浄消毒槽20に水を供給する。
【0012】
なお、扉26は洗浄消毒槽20正面に設けても良い。この時は引き出し可能なラックに被洗浄物25を載せるようにすれば良い。この場合もシャワーノズル21はラックに向かって伸びる。これら被洗浄物25を支えるラックやカゴ24は、熱水に強く、清浄性に優れるステンレス等によって形成する。
【0013】
一方、シャワーノズル21を配設する位置は、被洗浄物25の下方でも、或いは上下、左右、前後の一方或いは双方からでも良く、被洗浄物25に均一に熱水がかかるように2つ以上のノズルを設けることも可能である。さらに形状については、ノズルから熱水が勢い良く噴射する反動で回転するもの、熱水の噴出する穴が多数設けられたパイプ状のものなど様々な形態に形成可能である。
【0014】
(加熱装置)
図2は加熱装置10を構成する蓄熱槽11の構造を示したものである。蓄熱槽11は固体蓄熱材と液体蓄熱材とを混合し、充填されて成る蓄熱部13内に蓄熱材を加熱する電気ヒータ12と、ポンプ16によって水が供給される伝熱管15とが配設されている。
更に蓄熱部13はその外周面が断熱材14により覆われており、蓄熱部13からの放熱を防止している。
【0015】
蓄熱材は、粒径の異なる2種類以上の固体蓄熱材と、液体蓄熱材とからなり、大粒径の固体蓄熱材17aの間隙に小粒径の固体蓄熱材17bが入り込むように蓄熱部13に充填されている。更にこれら固体蓄熱材の隙間には液体蓄熱材17eが充たされている。
図3(a)は、大小2種類の粒径の固体蓄熱材を使用した場合を示す。大粒径の固体蓄熱材17aの隙間に小粒径の固体蓄熱材17bが入り込み、更に固体蓄熱材の間隙には液体蓄熱材17eが充填されている。図3(b)は3種類の固体蓄熱材の場合で、大粒径の固体蓄熱材17aの間隙に中粒径の固体蓄熱材17cが、さらにそれらの隙間に小粒径の固体蓄熱材17bが入り込むように充填されている状態である。この場合も3種類の固体蓄熱材の隙間は、液体蓄熱材17eが充たされている。
【0016】
図3(a)、(b)に示されるように、固体蓄熱材の粒径が2種類以上の場合、大粒径の蓄熱材の隙間に小さい粒径の固体蓄熱材が入り込むようになり、粒径が1種類の固体蓄熱材と、液体蓄熱材との組合せに比較して、充填密度を高められる。これにより蓄熱量及び伝熱管15への熱伝導の向上が図られる。
【0017】
このような構造による蓄熱槽11の具体的な例として、図3(a)、(b)の例に使用される固体蓄熱材では、マグネシア、マグタイト、シリカ及びアルミナから選ばれた1種類または2種類以上の粒体が考えられる。更に、体蓄熱材としては、硝酸塩を用いることが可能である。硝酸塩は、室温では固体であるが142℃以上で溶融して液体となる。
【0018】
蓄熱材の組合せの一例を挙げると、大粒径の固体蓄熱材17aとしての粒径7〜10mmのマグネシアと、小粒径17bとして粒径1mm以下のマグネシアとを合わせて1800kgとし、液体蓄熱材17eとしての硝酸塩370kgとを充填して蓄熱部13を形成する。その組成は、大粒径マグネシア55%、小粒径マグネシア25%、及び硝酸塩20%である。
【0019】
このような構成の蓄熱部13に、27kWの電気ヒータ12と、伝熱面積が3.4m2となるように伝熱管15を挿入し、かつ蓄熱部13を断熱材14で取り囲み蓄熱槽11を形成した。この断熱材14としては、主成分が酸化ケイ素と酸化チタンから成る微細多孔構造の厚さ50mmの断熱材14を用いる。こうして形成された蓄熱槽11は、3000kgで幅830mm、横1200mm、高さ1900mmのサイズになる。
【0020】
かかる蓄熱槽11の電気ヒータ12に夜間10時間ほど通電した後、伝熱管15の出口圧力が0.5MPaとなるように、ポンプ16によって伝熱管15の入口に水を連続供給し、伝熱管15の出口から吐出される蒸気温度及び蓄熱材温度を調査した。その結果を図4に示す。
図4において、蓄熱材温度の曲線Aは伝熱管15の入口近傍の蓄熱材温度曲線、曲線Bは伝熱管15の中間近傍の蓄熱材温度曲線、及び曲線Cは伝熱管15の出口近傍の蓄熱材温度曲線を各々示す。
また、発生蒸気温度とは、伝熱管15の出口から吐出される蒸気温度である。更に伝熱管15の出口から吐出される蒸気温度と伝熱管15に供給される水量とから出熱量を計算し、出熱量の経時変化を図5に併せて示した。
【0021】
図4から明らかなように、蓄熱槽11の蓄熱材は、電気ヒータ12の加熱によって500℃もの高温に加熱されており、伝熱管15から吐出される水蒸気も500℃の過熱水蒸気である。
しかも、500℃の過熱水蒸気を連続して4時間ほど吐出することができる。吐出される過熱水蒸気の温度が500℃以下に低下しても、依然として過熱水蒸気を吐出することができ、過熱水蒸気を連続して8時間以上も吐出することができる。その結果、出熱量は出熱開始から7時間30分まで安定していた。
【0022】
このことは蓄熱材の温度も、出熱開始と共に伝熱管15の入口近傍が低下し、出熱開始から2時間30分経過後に伝熱管15の中央近傍が低下し始め、5時間経過後に伝熱管15の出口近傍が低下し始めることからも理解される。
つまり、蓄熱部13内に蓄熱された熱の取り出し箇所が、出熱に伴って伝熱管15の入口近傍の蓄熱材から出口近傍の蓄熱材へと順次移動しているため、伝熱管15から吐出される過熱蒸気の温度及び出熱量を安定化できる。
【0023】
一方、洗浄消毒槽20には、蓄熱槽11内の伝熱管15と配管で接続された過熱水蒸気管18に供給された過熱水蒸気を熱源として利用して得られた熱水が供給される。この過熱水蒸気管18は、金属から成るパイプであって、水との接触面積を増やすためにコイル状に或いは波型状に形成されている。
【0024】
(第一実施形態)
図1は、熱水シャワー式洗浄消毒装置についての第一の実施形態の構成を示す。洗浄消毒槽20は給水手段27である水道管と連結され、給水手段27により水が供給されて洗浄消毒槽20の下方に一定量の水が溜められる。本実施形態では、洗浄消毒槽20の下部に水が貯溜された部位が熱水発生部30となる。
給水タンク19は、洗浄消毒槽20と別体に形成されており、給水タンク19の水はポンプ16によって蓄熱槽11内の伝熱管15に供給される。伝熱管15の蒸気送出側に接続された過熱水蒸気管18の中途部は、洗浄消毒槽20の熱水発生部30内に貯められた貯留水中に浸漬されている。
この過熱水蒸気管18の中途部で、熱水発生部30の貯留水と熱交換されて凝縮された水は、過熱水蒸気管18の出側に接続された配管23を介して再び給水タンク19に供給される。
かかる洗浄消毒槽20の底部に設けられた排水口22に接続する配管は三方弁41により、ラインポンプ51及びシャワーノズル21が接続されている配管31と、排水パイプ28とに分岐される。
【0025】
給水タンク19に貯溜されている水は、給水タンク19からポンプ16によって汲み上げられ、蓄熱槽11内の伝熱管15を通過することで加熱され、過熱水蒸気となる。この過熱水蒸気は、洗浄消毒槽20の熱水発生部30内の貯留水中に浸漬されている過熱水蒸気管18の中途部を通過する際に、貯留水と熱交換されて凝縮し、配管23を介して給水タンク19に戻される。戻された水は蓄熱槽11により再度加熱され、熱水発生部30の熱交換に利用される。このように、給水タンク19に貯溜されている水は循環される。
こうして、加熱装置10の作用により、熱水発生部30の水が徐々に加熱されて熱水となる。
なお、給水タンク19に蓄えられる水には、伝熱管15や過熱水蒸気管18のスケールを防止するために、マグネシウムやカルシウム等のイオンをイオン交換樹脂等で除去した処理水を用いると良い。
【0026】
熱水発生部30に貯留された水は、過熱水蒸気管18内の過熱水蒸気と熱交換され熱水となって、ラインポンプ51により汲み上げられて配管31を経てシャワーノズル21から被洗浄物25へ向けて噴射される。
ところで、洗浄消毒に使用される熱水は必要な温度に加熱された熱水を使用する。このため、熱水発生部30に温度センサを設け、熱水の温度が一定温度になった所でラインポンプ51を作動させて、洗浄消毒を開始する。
熱水は、被洗浄物25に均一に当たり、洗浄と消毒が行われる。被洗浄物25を洗浄した熱水は、熱水発生部30に集まり、過熱水蒸気管18の中途部によって再度加熱されるとともに、ラインポンプ51によって汲み上げられて洗浄消毒に再利用される。
洗浄消毒が終わると、三方弁41を使って排水パイプ28から排水される。
【0027】
(第二実施形態)
次に、熱水シャワー式洗浄消毒装置の第二の実施形態について図5を用いて説明する。図5は、熱水発生部30を洗浄消毒槽20と別体に設けた例である。
給水手段27である水道管によって洗浄消毒槽20と熱水発生部30との各々に水が供給される。この水道管の途中に三方弁42が設けられており、水を洗浄消毒槽20と熱水発生部30との各々に個別に供給できる。
熱水発生部30からは、洗浄消毒槽20内のシャワーノズル21に接続する配管31が配設されており、ラインポンプ51が設けられている。
熱水発生部30には、給水手段27から供給された水が貯溜されており、熱水発生部30内の貯留水中には、加熱装置10から延設された過熱水蒸気管18の中途部が浸漬されている。
洗浄消毒槽20底部の排水口22からの配管には三方弁41が取り付けられ、熱水発生部30の方向へ伸びる配管34と排水パイプ28とに分岐される。更に、配管34は、三方弁43によって、配管31へとつながる配管33と、熱水発生装置30内に伸びる配管とに分岐される。
【0028】
本実施形態の熱水シャワー式洗浄消毒装置は、第一実施形態と同様に給水タンク19内の水はポンプ16によって汲み上げられ、蓄熱槽11を通過して過熱水蒸気となって、過熱水蒸気管18に供給される。この過熱水蒸気は、過熱水蒸気管18の中途部で熱水発生部30内の貯留水と熱交換されて凝集し、給水タンク19に戻る。このように、給水タンク19内の水は循環される。
一方、加熱装置10から供給された過熱水蒸気によって加熱された熱水発生部30の熱水は、ラインポンプ51で汲み上げられ、配管31を通ってシャワーノズル21から洗浄消毒槽20内に噴射される。
【0029】
本実施形態の熱水シャワー式洗浄消毒装置の使用形態としては、熱水発生部30と洗浄消毒槽20との間で熱水を循環させて洗浄消毒する使い方と、熱水発生部30の熱水と給水手段27から供給される水とを混合して、熱水温度を調節して洗浄消毒する使い方がある。
【0030】
熱水発生部30と洗浄消毒槽20との間で単に熱水を循環させる場合は、三方弁41、43、配管34を経由して洗浄消毒槽20と熱水発生部30とを連絡し、配管33への水の流れを閉止する。この状態で、熱水発生部30の熱水は、洗浄消毒槽20内でシャワーノズル21から放射された後、熱水発生部30に戻って循環利用される。
【0031】
熱水発生部30の熱水と給水手段27から供給される水を混合して使用する場合は、三方弁42を開いて洗浄消毒槽20に給水手段27からの水を導入し、かつ三方弁43を切り換えて配管33、34を経由して洗浄消毒槽20と配管31とを連絡して、洗浄消毒槽20と熱水発生部30との連絡を遮断する。
洗浄消毒槽20内でシャワーノズル21から放射された熱水は給水手段27から供給された水と共に洗浄消毒槽20の下部から、図のG点に戻り、熱水発生部30からの熱水と混合されて、シャワーノズル21に送られる。こうして熱水と冷水とを混合させることにより、シャワーノズル21から放射される熱水の温度を調節することが出来る。
三方弁42の開き量を調節することで、供給する冷水の量が調節でき、三方弁41を調節することによって、部分的に水を排出することもできる。
このように必要に応じて循環させた洗浄消毒槽20内及び熱水発生部30内の熱水は、洗浄終了後に三方弁41と三方弁43を排水パイプ28方向に開き導くことで、排水される。
【0032】
(第三実施形態)
第三実施形態について図6を用いて説明する。本実施形態は、加熱装置10で加熱された過熱水蒸気を直接洗浄消毒槽20の貯留水中に吹き込むことにしたものである。
伝熱管15の送出側は洗浄消毒槽20に直接接続されている。給水装置のポンプ16により蓄熱槽11の伝熱管15に送られた水は、加熱されて過熱水蒸気となる。
この過熱水蒸気は、洗浄消毒槽20内に送出され、水道などの給水手段27から洗浄消毒槽20に送入されて貯溜されている貯留水中に直接吹き込まれ、貯留水を加熱して熱水とする。
この熱水は、三方弁41をラインポンプ51側とし、ラインポンプ51を作動させることにより、配管31を経由してシャワーノズル21から被洗浄物に放射し、被洗浄物を洗浄消毒する。
洗浄後の水は、洗浄消毒槽20の底部側に落ち、再度、過熱水蒸気によって加熱されてラインポンプ51で汲み上げられ循環する。
ここで、過熱水蒸気によって洗浄消毒槽の水が十分高温に加熱された場合には、適宜過熱水蒸気の供給を停止するようにしてもよい。
また、給水手段27からの水の供給量と過熱水蒸気の供給量とを調節することによって、洗浄消毒槽20の底部に貯留された貯留水を適度な熱水温度として洗浄消毒することができる。
洗浄消毒の後、或いは適宜に、洗浄消毒槽20内の熱水は、三方弁41を切り換えることにより排水パイプ28から排出される。
【0033】
(参考例)
本発明に係る熱水シャワー式洗浄消毒装置の参考例について図7を参照しながら説明する。この例では、過熱水蒸気を水を加熱するための熱源として利用した後、直接熱水として使用することもできる。
洗浄消毒槽20とは別体に熱水発生部30を設けている。熱水発生部30には、給水手段27である水道管から洗浄消毒槽20に配管され、配管の中途に設けた弁42によって熱水発生部30内へも水が供給されるように配管されている。熱水発生部30内からは洗浄消毒槽20内のシャワーノズル21に接続する配管31が配設され、配管31にはラインポンプ51を設けられている。給水装置と蓄熱槽11の伝熱管15とを接続して、給水ポンプ16によって伝熱管15に水を供給可能とし、伝熱管15の蒸気送出側は熱水発生部30内に配設された過熱水蒸気管18に接続する。さらに過熱水蒸気管18の出側には、熱水発生部30の外部に出たところで、弁45によって配管31側に伸びる配管32と、排水パイプ29とに分岐する。さらに配管32は配管31の中途に配設された弁44を介して配管31に接続されている。洗浄消毒槽20底部の排水口22に接続された配管には弁41が取り付けられ、熱水発生部30方向へ伸びる配管35と排水パイプ28とに分岐される。配管35はさらに弁43によって、熱水発生部30内に伸びる配管と、配管32にD点においてつながる配管36とに分岐する。
【0034】
このような構成の第四実施形態では、熱水発生部30と洗浄消毒槽20との間で熱水を循環させて洗浄消毒する使い方と同様の使用方法がある。また、過熱水蒸気を水を加熱するための熱源として利用した後、直接熱水として使用する使用方法もある。
【0035】
熱水発生部30と洗浄消毒槽20との間で熱水を循環させる場合は、弁41、弁43を熱水発生部方向に開いて、配管36への水の流出を閉止する。これによりシャワーノズル21から放射された熱水は、排水口22から弁41、配管35、弁43を経由して洗浄消毒槽20内から熱水発生部30に戻り、循環利用される。この場合は、給水装置を給水タンクとして、第二実施形態と同様に加熱装置10内の水を循環させて利用することも可能である。
【0036】
次に、過熱水蒸気を水を加熱するための熱源として利用した後、直接熱水として使用する使用方法の場合は、弁42を給水手段27からの水を洗浄消毒槽20内へと流入するように開き、弁45を配管32方向へ過熱水蒸気管18中の熱水が流れるように開く。また弁41、弁43、弁44の開閉は、洗浄消毒槽20の下方に貯溜された水が、排水口22から弁41、配管35、弁43、配管36、D点、配管32、弁44を経由して配管31を通ってシャワーノズル21から放射されるように開く。給水装置からポンプ16により汲み上げられた水は蓄熱槽11を通過することで加熱され過熱水蒸気となり、過熱水蒸気管18中で凝縮した熱水はD点において給水手段27から洗浄消毒槽20を経由してきた水と混合し水を加熱して所定温度の熱水とする。所定温度の熱水は配管31を通り、シャワーノズル21から放射される。洗浄消毒後の水は洗浄消毒槽20の底部に落下し、排水口22から再びD点に送られて、過熱水蒸気管18中の熱水により加熱されて循環する。なお過熱水蒸気の供給と給水手段27の水の供給を調節することで適度な温度の熱水を供給することが可能である。
【0037】
以上どちらの使用形態も洗浄消毒槽20内と熱水発生部30内の水及び熱水は、弁41、弁45を排水パイプ28、29側へそれぞれ開くことで排水される。
【0038】
このような構成によれば、必要な熱水の量、温度等に対して、蓄熱槽での蓄熱の状況等に合わせて熱水の作り方を選択出来るので効率的である。
【0039】
以上、本発明につき好適な実施例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。蓄熱材の内容、成分比、電気ヒータの構成、伝熱管での圧力等は様々に設計変更可能であることは言うまでも無い。さらに、医療用に使用される場合について述べてきたが限定されるものではなく、工業用の精密部品の洗浄用としても使用され得る。その際は洗浄消毒槽のサイズ、形状、設定温度等の設計変更が成される。
【0040】
【発明の効果】
本発明による熱水シャワー式洗浄消毒装置を用いれば、固体蓄熱材と液体蓄熱材が充填された蓄熱槽を利用して水を加熱するため、効率的に水を加熱することができ、安価な深夜電力による熱を蓄えて熱水を作ることができる。このため日中の稼働時間帯には大きな電力を使用することがないので、装置のランニングコストの削減につながる。
また、過熱水蒸気を熱源に利用するばかりでなく、直接熱水に使用出来るので、短い時間で熱水を供給することが出来る。更に小型化も可能である。
このため、本発明に係る熱水シャワー式洗浄消毒装置によれば、予備洗浄、消毒、仕上げといった医療器具の洗浄消毒工程に合わせて熱水を供給して好適な洗浄消毒を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す熱水シャワー式洗浄消毒装置の構成を示す配管系統図である。
【図2】 蓄熱槽の構造を示す断面図である。
【図3】 蓄熱槽の蓄熱部における蓄熱材の充填の様子を示す説明図である。
【図4】 蓄熱槽の出力特性の経時変化を示すグラフである。
【図5】 本発明に係る熱水シャワー式洗浄消毒装置の第二の実施形態を示す配管系統図である。
【図6】 本発明に係る熱水シャワー式洗浄消毒装置の第三の実施形態を示す配管系統図である。
【図7】 本発明に係る熱水シャワー式洗浄消毒装置の参考例を示す配管系統図である。
【符号の説明】
10 加熱装置
11 蓄熱槽
12 電気ヒータ
13 蓄熱部
14 断熱材
15 伝熱管
16 ポンプ
17 蓄熱材
18 過熱水蒸気管
19 給水タンク
20 洗浄消毒槽
21 シャワーノズル
22 排水口
24 カゴ
25 被洗浄物
26 扉
27 給水手段
Claims (4)
- 被洗浄物としての医療器具を収容し、前記医療器具に熱水を放射して洗浄消毒するシャワーノズルが設けられた洗浄消毒槽と、貯えられた水を加熱装置によって加熱して所定温度の熱水を発生する熱水発生部と、前記熱水発生部の熱水が所定温度に到達したとき、前記熱水を前記シャワーノズルに供給するように駆動されるラインポンプが設けられた熱水供給手段と、前記熱水発生部に水を供給する給水手段とを備え、前記医療器具を予備洗浄、消毒、仕上げの三段界に分けて異なる温度で洗浄する熱水シャワー式洗浄消毒装置であって、
前記加熱装置には、固体蓄熱材と液体蓄熱材が充填されて成る蓄熱部と、該蓄熱部に配設され、深夜電力を利用して、前記固体蓄熱材と液体蓄熱材を加熱するヒータと、前記蓄熱部内を通過するように配設され、給水装置から供給された水を加熱された固体蓄熱材と液体蓄熱材とによって加熱して過熱水蒸気とする伝熱管とを具備する蓄熱槽が、前記洗浄消毒槽、熱水発生部及び熱水供給手段と別体に設けられ、
前記熱水発生部に貯められた貯留水が、前記蓄熱槽の伝熱管から吐出される過熱水蒸気が吹き込まれて直接的に加熱され、或いは前記伝熱管に連結された過熱水蒸気管の中途部が前記貯留水中に浸漬されて間接的に加熱されていることを特徴とする熱水シャワー式洗浄消毒装置。 - 洗浄消毒槽内に熱水発生部が設けられている請求項1記載の熱水シャワー式洗浄消毒装置。
- 熱水発生部が、洗浄消毒槽と別体に設けられている請求項1記載の熱水シャワー式洗浄消毒装置。
- 熱水供給手段には、給水手段から供給される水と熱水発生手段の熱水とを混合してシャワーノズルに供給する混合部が設けられている請求項3記載の熱水シャワー式洗浄消毒装置。
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