JP4452320B1 - 水力駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水路における水量が少ない場合であっても効率良く駆動力を得ることができる水力駆動装置を提供する。
【解決手段】水路2の水流を動力源として駆動力を得る水力駆動装置1であって、水流に直行する水平方向に延びる一対の回転軸10,11の夫々に設けられた調車4,5間に無端の帯状体6を掛けわたし、この帯状体6に複数の羽根板7を設ける。帯状体6には、各羽根板7を揺動自在に設け、水流に直行する垂直姿勢で各羽根板7を規制する規制手段20を設ける。各羽根板7の先端にローラ23を設ける。一部の羽根板7が水路2に進入して水流を受けることにより帯状体6が回動し、調車4を介して回転軸10から駆動力を出力させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、水流を動力源として駆動力を得る水力駆動装置に関する。
従来、この種の水力駆動装置として、一対の回転軸の夫々に同軸に設けられた調車と、両調車間に掛けわたされた無端の帯状体と、該帯状体の全周に所定間隔を存して配設された複数の羽根板とを備えるものが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
このものでは、水路の水流を一部の羽根板で受けることにより帯状体を回動させ、各調車を介して回転軸から出力される回転力を発電機に伝達する。これにより、水流から得られる駆動力を用いて発電を行っている。
実開昭59−181274号公報
上記従来の水力駆動装置においては、一部の羽根板が水路に進入したとき、羽根板が水没するほどの十分な水量があれば、その水流を羽根板の一側面全面で受けることができるので、帯状体が円滑に回動して回転軸から発電機等に付与する駆動力が得られる。
一方、水路における水量が少ない場合には、水流が浅い流れとなるため、その水流を羽根板の一側面全面で受けることができず、帯状体を回動させるほどの水力が得られない場合がある。この場合には、羽根板の先端と水路の底部との距離を小さくして、羽根板に対する水流の当接面積をできるだけ広く確保することが考えられる。
しかし、羽根板の先端と水路の底部との距離を小さくしたとき、両調車間に掛けわたされた帯状体の弛みの影響により、羽根板の先端が水路の底部に接触するおそれがある。羽根板の先端が水路の底部に接触すると、水路に沿って羽根板が円滑に移動できなくなるため、帯状体の回動が阻害され、水流から十分な駆動力を得ることができない。
上記の点に鑑み、本発明は、水路における水量が少ない場合であっても効率良く駆動力を得ることができる水力駆動装置を提供することを目的とする。
本発明は、水路の水流を動力源として駆動力を得る水力駆動装置であって、水路の上方に設けられて水流に直交する水平方向に延びる一対の回転軸と、各回転軸に設けられた調車と、両調車間に掛けわたされた無端の帯状体と、該帯状体の全周に所定間隔を存して配設された複数の羽根板とを備え、一部の羽根板が水路に進入して水流を一側面で受けることにより帯状体が回動し、各調車を介して回転軸から駆動力を出力させるものにおいて、前記帯状体は、各羽根板をヒンジを介して揺動自在に支持すると共に各羽根板を水流に直交する垂直姿勢で規制する規制手段を備え、各羽根板は、その先端に前記水路の底部に接した際に回転するローラを備えることを特徴とする。
このように、帯状体の外周に各羽根板が揺動自在に支持されており、各羽根板の先端に前記ローラが設けられていることにより、羽根板の先端を前記ローラを介して水路の底部に接触させることができる。これによれば、両調車間の帯状体に弛みが生じても、前記ローラにより羽根板が水路に沿って円滑に移動する。
従って、水路における水量が少なく、水流が浅い流れとなっていても、水路の底部にローラを介して接する羽根板により水流を確実に受けることができ、帯状体を円滑に回動させて調車を介して回転軸から効率良く駆動力を得ることができる。
また、本発明においては、前記水路の底部に、前記水路に沿って移動する前記羽根板を前記ローラを介して案内するレールが設けられていることが好ましい。
これによれば、水路に進入した羽根板がその移動方向に沿ってレールに案内され、帯状体の回動時に生じる蛇行等の不用意な動き防止することができる。従って、羽根板により水流を確実に受けることができ、帯状体を一層円滑に回動させることができる。
また、本発明において、前記各羽根板は、水流の一部を通過自在とする切欠きを備えることが好ましい。
水路に進入した各羽根板のうち、水路の最上流側に位置する羽根板によってのみ水流が受けられ、その羽根板よりも下流側の羽根板には殆ど水流が当接しなくなる場合がある。そこで、各羽根板に前記切欠きを設けてこの切欠きから水流の一部を下流側に向かって通過させることで、水路の最上流側に位置する羽根板だけでなく下流側の羽根板にも水流を当接させて、複数の羽根板で効率良く水流を受けることができる。
更にこのとき、隣り合う羽根板同士において、互いに異なる位置に前記切欠きを形成することにより、上流側の羽根板の切欠きを通過した水流を下流側の羽根板の面で確実に受けることができ、一層効率良く駆動力を得ることができる。
本発明の実施形態の水力駆動装置の概略構成を示す説明的側面図。 本実施形態の水力駆動装置の要部を示す説明図。 水路内の羽根板の一部を示す説明図。 羽根板の形状を示す説明的斜視図。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の水力駆動装置1は、図1に示すように、水路2の水流を動力源として発電機3を駆動するものである。水力駆動装置1は、一対の調車4,5と、両調車4,5間に掛けわたされた帯状体6とを備えている。
帯状体6には、複数の羽根板7が所定間隔を存して設けられている。帯状体6の回動軌道は、各調車4,5に沿った図中左右一対の円弧軌道部と、両調車4,5間での上下一対の直線軌道部とからなり、回動している帯状態6では、水路2に対向する下方の直線軌道部が往路8となり、上方の直線軌道部が復路9となる。
帯状体6の往路に位置した各羽根板7は、水路2に進入して水路2の水流をその一側面に受け、羽根板7の移動に伴って帯状体6が回動する。
各調車4,5は、水路2の上方位置で水流に直交する水平方向に延びる一対の回転軸10,11に設けられている。帯状体6が回動すると両調車4,5が回転し、これによって、両回転軸10,11も回転する。
一方の回転軸10には、駆動プーリ12が設けられ、発電機3の入力軸13に設けられた従動プーリ14にベルト15を介して駆動力が伝達されるようになっている。
図2に示すように、帯状体6は、複数の連結板16が連結ピン17を介して屈曲自在に無端に連結された多節ベルトであり、調車4,5は、帯状体6の各連結ピン17に係合する複数の凹部18が外周に形成されたスプロケットである。
帯状体6の各連結板16には、1つ置きに羽根板7が連結されている。羽根板7は、その基端縁がヒンジ19を介して連結板16に連結されていることにより揺動自在とされている。これにより、各羽根板7は、帯状体6の往路8では自重で垂下状態(水流に直交する垂直姿勢)となり、帯状体6の復路9では自重で傾倒状態となる。
また、羽根板7が連結された連結板16の間の連結板16には、規制部材20(規制手段)が固設されている。規制部材20は、帯状体6の往路8において羽根板7の下流に向いた側面(水流を受ける側面の反対側)に当接する第1当接部21と、帯状体6の復路9において羽根板7の上流に向いた側面(水流を受ける側面)に当接する第2当接部22とを備えている。
第1当接部21は、水路2に進入して垂下状態となった羽根板7の揺動を下流側から規制することにより、水流に抗して羽根板7の垂下状態を維持する。第2当接部22は、帯状体6の復路で羽根板7を傾斜姿勢に維持し、これによって、復路から往路に移行する羽根板7の自重による揺動を促して、水路2に進入する羽根板7を迅速に垂下姿勢に揺動させる。
また、図2及び図3に示すように、各羽根板7の先端にはローラ23が設けられている。ローラ23は、水路2の底部に当接させてもよいが、本実施形態においては、図3に示すように、水路2の底部にレール24を設けて、ローラ23をレール24に沿って摺動させるように構成されている。レール24は水路2の長手方向に沿って延びる板材にローラ23に対応する溝を刻設することにより形成されている。
前記ローラ23を設けることにより、水路2の底部に羽根板7が摺接しても、羽根板7の移動が阻害されることなく水流を受ける羽根板7を円滑に移動させることができる。これにより、水路2の水量が少なくても、帯状体6の弛みの悪影響を回避して羽根板7と水路2の底部との距離を極めて小とすることができ、水流を確実に羽根板7で受けることができる。しかも、水路2の底部にレール24を設けたことにより、帯状体6の弛みによる蛇行も防止できるので、羽根板7が幅方向に振れることもなく、水流を効率良く羽根板7で受けることができる。
更に、本実施形態においては、図4に示すように、各羽根板7に切欠き25が形成されている。切欠き25は、水路2に進入した羽根板7に当たる水流の一部を通過させることができ、その羽根板7の下流側に位置する羽根板7にも水流を確実に当てることができる。このとき、隣り合う羽根板7同士では切欠き25の位置や形状を異なるものとすることにより、上流側の羽根板7の切欠き25を通過した水流を、その羽根板7に隣り合う下流側の羽根板7の面が確実に受ける。こうすることで、比較的少ない水流であっても、確実に羽根板7を移動させることができ、回転軸10から発電機3に伝達される駆動力を確実に得ることができる。
なお、本実施形態においては、水力駆動装置1から得られる駆動力を発電に用いた例を示したが、それに限るものではなく、水力駆動装置1から得られる駆動力により他の機器を駆動してもよい。
また、本実施形態においては、各羽根板7に切欠き25が形成されている例を示したが、水路2の幅が広く、羽根板7の両側から十分な量の水流が下流に向かって通過する場合には、各羽根板7に切欠き25を設けなくてもよい。
1…水力駆動装置、2…水路、4,5…調車、6…帯状体、7…羽根板、10,11…回転軸、19…ヒンジ、20…規制部材(規制手段)、23…ローラ、24…レール、25…切欠き。

Claims (3)

  1. 水路の水流を動力源として駆動力を得る水力駆動装置であって、
    水路の上方に設けられて水流に直交する水平方向に延びる一対の回転軸と、各回転軸に設けられた調車と、両調車間に掛けわたされた無端の帯状体と、該帯状体の全周に所定間隔を存して配設された複数の羽根板とを備え、一部の羽根板が水路に進入して水流を一側面で受けることにより帯状体が回動し、各調車を介して回転軸から駆動力を出力させるものにおいて、
    前記帯状体は、各羽根板をヒンジを介して揺動自在に支持すると共に各羽根板を水流に直交する垂直姿勢で規制する規制手段を備え、
    各羽根板は、その先端に前記水路の底部に接した際に回転するローラを備えることを特徴とする水力駆動装置。
  2. 前記各羽根板は、水流の一部を通過自在とする切欠きを備えることを特徴とする請求項1記載の水力駆動装置。
  3. 前記各羽根板が備える前記切欠きは、隣り合う羽根板同士においては互いに異なる位置に形成されていることを特徴とする請求項2記載の水力駆動装置。
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