JP4452115B2 - 鋼構造物のラメラテア防止溶接方法 - Google Patents

鋼構造物のラメラテア防止溶接方法 Download PDF

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Description

本発明は、橋梁や船舶などの鋼構造物のラメラテアを防止することのできる溶接方法に関する。
橋梁や船舶などの鋼構造物は多くの鋼部材を溶接接合して構築されており、溶接される鋼構造部材には、他の鋼部材からの拘束力が作用する。
この拘束力は、ほとんどの場合引張応力である。図13に示すように、第1部材1と第2部材2が溶接ビード4により拘束される場合、溶接により構造部材の板厚方向(矢印の方向)に引張応力が通常作用する。
現在の鋼材では、含まれる硫黄や燐などの不純物が少なく、また、不純物によって形成されたMnSなどの介在物の寸法も小さいために、この板厚方向の引張応力が有害な作用を引き起こすことは少ない。しかし、特に初期の溶接構造物が建設された1960年代、1970年代の鋼材は不純物が多いために板厚方向に伸びや強度が乏しく、大きな引っ張り応力の作用化では水素からの作用もあってラメラティアと呼ばれる割れを生じることがある。特に、硫黄の含有量が量%で0.01%以上、または板厚方向引張試験で絞り値15%以下の鋼材の場合、大きな確率でラメラティアを発生すると考えられている。これは、1960年代、1970年代に製造された鋼材のみならず、例えば発展途上国でその後生産された同じような特性を持つ鋼材についても同じような危険性があると考えられている。
上記のようなラメラテアの発生が懸念される鋼材で構成された構造物の溶接による補修は、新設の場合と比較しても周囲の鋼材による拘束力が大きいために、一般に溶接中の溶接金属の体積収縮による大きな引張応力(拘束力)が溶接箇所に作用するため、鋼材の材質とも相俟って、ラメラテアが発生しやすい。
鋼構造物のラメラテアに対しては、新設構造物では板厚方向に溶接による拘束力が生じるような場合には、耐ラメラテア鋼を使用すること、また非特許文献1に示されるように、既設構造物では補修の必要のある箇所に当て板を行って補強補修する等の方法によりラメラテアの問題を回避してきた。
近年、低温変態溶材、すなわち、オーステナイトからマルテンサイトに変態を開始する温度(Ms点)が低い材料を溶接材料に用いて溶接部を形成することにより、溶接止端部の疲労特性を改善する技術が注目されており、例えば、特許文献1には、疲労が問題となる溶接止端部においてそれを形成する溶接ビードを、350℃以下である溶接材料を用いて形成する溶接継手が提案されている。
この低温変態溶材を用いる方法は、溶接部に残留する応力の状態を圧縮応力とすることによって疲労寿命を改善するものである。
特開2000-288728号公報 森河ら、箱断面柱を有する構成橋脚に発生した疲労損傷の調査と応急対策 土木学会論文集I、703巻、第I−59号 177−183頁、2002年4月 三木 千壽、穴見 健吾、樋口 嘉剛、土木学会論文集I 710巻 I−60号 311−319頁 2002年7月
しかしながら、このような耐ラメラテア鋼を使用することが出来ない補修の場合、溶接による補修を行うには割れ(ラメラテア)を生じさせないために溶接によって板厚方向の引張りを受ける部分の板部材を全て取り除き、その部分を溶接材料で埋めるといった方法を採らざるを得ず、極めて長時間の溶接作業が必要となる。また、溶接をTIGで行うこともなされているが、継手の全てをTIGで行うことは、その効率の低さから、これも極めて長時間の溶接作業を必要とする。
また、当て板による補強補修では、数百本のボルトを用いる必要があるために膨大な時間とコストを要するものとなり、また、鋼製橋脚のように、例えば40mm以上といった板厚の大きな部材を使用している場合は、ボルト接合によって部材の全強度を確保することは困難な場合がある。
このように、従来の補修方法は、効率的かつ経済的に満足できるものではなかった。
なお、特許文献1には、低温変態溶材を用いた溶接継手や、補修溶接方法が開示されているが、疲労強度の向上が主目的でであり、ラメラテアの防止の観点は全く考慮されていなかった。
本発明は、上記の問題点に鑑み、効率的かつ経済的に、鋼構造物のラメラテアを防止できる溶接方法提供することを課題とする。
本発明は、図12(a)に示すように、第1部材1と第2部材2の間の溶接部に低温変態溶材を用いて溶接ビード3を形成し、これによって両部材間に発生する引張応力を低減または圧縮応力に転換させ、これによって、ラメラテアの発生を防止するものである。図12(b)に示すように、通常の溶材を用いた場合には、両部材間に引張応力が発生し、ラメラテアが生じ易くなる。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1)構造物のラメラテアが問題となる鋼板部材を第1部材とし、該第1部材面に略直交する第2部材を溶接するに際し、該第1部材と第2部材の間の溶接部に、オーステナイトからマルテンサイトに変態を開始する温度Msが300〜500℃である溶接材料を用いて溶接ビードを形成することを特徴とする、鋼構造物のラメラテア防止溶接方法。
(2)前記溶接方法において、溶接中は溶接箇所の温度を100℃以上に保つと共に、溶接終了後も30分以上、100℃以上の後熱処理を施すことを特徴とする(1)記載の鋼構造物のラメラテア防止溶接方法。
(3)前記溶接方法において、少なくとも溶接の初期をTIG溶接で行うことを特徴とする(1)又は(2)に記載の鋼構造物のラメラテア防止溶接方法。
(4)前記第1部材と第2部材の間の溶接部に、K開先を形成し、次いでこのK開先の先端部に前記溶接材料を用いてバタリングを行うことを特徴とする(1)記載の鋼構造物のラメラテア防止溶接方法。
(5)前記溶接材料は、オーステナイトからマルテンサイトに変態を開始する温度において、降伏強度が390MPa以上、1180MPa以下(40kg/mm2以上、120kg/mm2以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の鋼構造物のラメラテア防止溶接方法。
(6)前記溶接材料は、C、Ni、CrおよびMoを含有し、それぞれの成分の成分組成(質量%)をC、Ni、CrおよびMoとして、下記式で定義されるパラメーターPaの範囲が、0.4以上1.2以下であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の鋼構造物のラメラテア防止溶接方法。
Pa=C+Ni/12+Cr/24+Mo/19
(7)前記溶接材料は、質量%で、
C:0.01〜0.2%、
Si:0.1〜0.5%、
Mn:0.01〜1.5%、
P:0.03%以下、
S:0.02%以下、
Ni:5〜12%を含有し、
残部が鉄および不可避不純物からなることを特徴とする(1)〜(6)記載の鋼構造物のラメラテア防止溶接方法。
(8)前記溶接材料は、さらに質量%で、
Ti:0.01〜0.4%、
Nb:0.01〜0.4%、
V:0.1〜1.0%の1種または2種以上を含有することを特徴とする(7)記載の鋼構造物のラメラテア防止溶接方法。
(9)前記溶接材料は、さらに質量%で、
Cu:0.05〜0.4%、
Cr:0.1〜3.0%、
Mo:0.1〜3.0%、
Co:0.1〜2.0%の1種または2種以上を含有することを特徴とする(7)または(8)記載の鋼構造物のラメラテア防止溶接方法。
本発明の溶接方法により、構造物のラメラテアが問題となる鋼板部材を第1部材とし、該第1部材面に略直交する第2部材を溶接するに際し、該第1部材と第2部材の間の溶接部に、Ms変態温度が300〜500℃である溶接ビードが形成されるので、当該箇所の残留応力が低減され、或いは更に、水素の残留およびその割れへの影響が抑制され、鋼構造物のラメラテアの発生を防止することができる。
また、本発明は、鋼構造物のラメラテアが問題となる第1部材と第2部材の間の溶接部の板厚部分を全て溶接ビードで埋める方法、或いは全てをTIG溶接で行うのに比べて溶接時間が格段に短くでき、また、当て板により補修するのに比べてもコストを大幅に低下させることができる。また、確実に部材の全強度を確保することができるために、設計的な自由度も増す。
ラメラテアは、(1)引張応力の存在、(2)鋼材中の介在物(例えばMnSなど)の含有および偏析による板厚方向の強度の低下などが主因であるが、本発明は、構造物のラメラテアが問題となる鋼板部材を第1部材とし、該第1部材面に略直交する第2部材を溶接するに際し、該第1部材と第2部材の間の溶接部を、低温変態溶材を用いて溶接することで、その際に部材に荷される引張応力を低減することを主眼とする。
ラメラテアは、i)溶接における溶接金属の体積収縮により生じる引張応力に主に起因する場合と、ii)溶接時に吸収され溶着金属或いは母材中に拡散していた水素に主に起因して生じるものがある。本発明者らは、溶接における引張応力の低減を双方の観点から検討した。
まず、発明者らは、i)の観点から、溶接の過程においてどのように応力が変化してゆくかという状況を解明し、適切な材料を選定することを検討した。
まず、低温変態溶材(以下、LTT材とも記載する)の挙動特性について検討した。一般にMs点(マルテンサイト変態開始温度)はニッケル、クロムなどの添加元素が多くなれば下がり、残留応力の低減に有効であるとされている。
低温変態溶材として、表1に示すような組成を有するMs点が350℃、250℃、200℃、450℃と異なる4種類(以下、溶材A,B,C,D)の体積変化を検討した。
Figure 0004452115
これらの溶材のうち、A,B,Cの溶接金属のオールデポからフォーマスター試験の試験体を取出し、その基本特性を調査したものを図1に示す。
Ms点から膨張が生じ、その膨張開始温度がA溶材では約350℃、B溶材では約250℃、C溶材では約200℃であることがわかる。
溶接部に作用する引張応力は、溶材の体積収縮によって生じるものであるため、溶材のマルテンサイト変態による体積膨張によって継手全体としての体積収縮を緩和することにより、引張応力を緩和することができ、ラメラテアの発生の可能性を大幅に低減することができる。
しかしながら、溶接材の体積膨張により溶接材の体積収縮を緩和するには、膨張が生じるタイミングと継手全体での収縮が生じるタイミングとを調和させることが重要である。発明者らは、ラメラテア防止のための溶接に適切な材料を選定するために、上記の低温変態溶材の挙動特性データに基づいて、さらに、溶接の過程において部材間の応力がどのように変化してゆくかという状況を解明するためにFEM解析を行った。この解析においては、図3に示すようなK開先の溶接部を持つ図4のようなモデルを想定した。
モデル化にはソリッド要素を用いた。そのモデル化された中の溶材のビード部について、合計が実際の溶接における総入熱量となる発熱を生じさせ、その後、全体が50℃以下になるまで非定常熱伝導解析を行った。次に、その熱伝導解析で得られた熱分布を熱荷重として弾塑性解析を行った。
熱伝導解析に関するパラメーターは以下のとおりである。
初期温度:20℃で均一とし、入熱量lは、溶接時の入熱量に相当する3,344J/sec・mm3とした。また、熱伝導率λ:25.1W/m℃、比熱Cp:800J/kg、密度ρ:7.85×10-6/m3、表面の熱伝達係数h:0.0005cal/cm2℃sec(雰囲気温度20℃で抜熱)とした。
弾塑性応力解析のパラメーターとしては、まず鋼材及び溶材のヤング率と強度の温度依存性については非特許文献2に従った。また、低温変態溶材については、Ms点(マルテンサイト変態開始温度)が350℃、250℃、450℃の3種類(以下、溶材A,B,D)について得られた上記試験結果(図1参照:但し、Dを除く)を参考にモデル化したものである。
なお、モデルで想定する鋼材は、SM490と設定した。材料特性は、完全弾塑性とし、硬化則に等方硬化則を用いた。
また、比較のため、通常の溶材(溶材N)を用いた場合も上記と同様に解析した。
その結果として、図5に、溶接部の最高温度と溶接ビードと第1部材との境界断面に発生する最大応力との関係を示した。
図5から判るように、通常の溶材では体積収縮による拘束力は800℃〜600℃で一旦、急激に増加し、その後100℃前後までは緩やかに増加する。そして、100℃以下になると再び急激に増加する。
ここでA、B、D溶材の全ての場合で、Ms点以降の温度低下において応力の増加が抑制され、100℃以下においても通常の溶材の場合に比べて低い応力が維持されていることがわかる。
図6は、図5と同様、溶接ビードと第1部材との境界断面のルート部に発生する応力と溶接部の最高温度との関係を示す図であり、図7は、図3に示した第1部材側に生じる応力分布状況を、ルート部を起点とした距離に対して示したものであって、図6における溶接部の最高温度が206℃の時点におけるものである。
この図7から判るように、Ms点が350℃、450℃であるA,D溶材では、境界部近傍では約100℃以下となるまでは常に圧縮応力となっているが、Ms点が250℃の溶材Bでは、ルート部近傍で引張応力となる部分がある。
これは、Ms点が300℃未満である場合は、変態開始が遅すぎるために、溶材の体積収縮が大きく進行した後に溶材の体積膨張がおこり、体積収縮を相殺して引張応力を緩和することができず、引張応力として現出するためである。
図7から判るように、この引張応力の領域は特に最も割れの発生しやすいルート部に形成されており、好ましくない。
また、図示していないが、低温変態溶材のMs点が600℃と高い場合は、鋼材の高温強度が低く、体積膨張に伴う歪が圧縮力として発現せず、塑性歪となって逃げ、引張応力の解消には寄与しない。
以上のようなことから、本発明においては、低温変態溶材のMs点を300℃〜500℃とするものである。
すなわち、Ms点が500℃を超えると、膨張による引張応力の緩和効果がなく、一方、Ms点が300℃未満では、変態開始が遅いため引張応力の増加のタイミングの方が先行してしまうためである。
次に、発明者らは、上記ii)の観点から引張応力の低減を検討した。すなわち、溶接時に吸収され溶着金属或いは母材中に拡散していた水素による影響を抑制するものである。
このため、本発明では、溶接中は溶接部の温度を100℃に保持すると共に、溶接終了後も、100℃以上の温度で30分以上の後熱処理を施すものである。
これは、100℃未満の温度では水素の拡散速度が極めて小さくなり、放出され難くなり、溶接部或いは母材中に残留し、水素の集中を引起すからである。
すなわち、溶接部の温度を100℃以上とし、溶接中及び溶接後30分以上にわたって維持することにより水素を拡散、放出させ、鋼中の残留水素の量を低減させるものである。
通常の溶接においては、溶接部は複数パスによる複数のビードにより形成され、溶接部の温度は溶接中のパス間温度により管理されている。通常は、溶接時の過剰な入熱による鋼材の溶接熱影響部における結晶粒粗大化を避け、溶接継手の強度、靭性を確保するためにパス間の上限温度を管理するものである。
本発明においては、ラメラテア防止の目的を達成するために、パス間の温度を通常の溶接継手の強度、靭性を確保するための上限値を設けると同時に、下限値を100℃以上として管理すればよい。
このようにして、溶接中の溶接部の温度を100℃以上に維持するとともに、溶接終了後も30分以上、100℃以上に維持する熱処理を行う。その処理時間は30分未満では水素を十分に放出させることが困難であるためである。処理時間の上限は特に定めないが、長時間処理してもその効果は飽和するので、30分以上を確保すれば十分である。
また、この熱処理を行えば、先に示した解析において、100℃以下で溶接部に発生していた引張応力の増加を避けることができる点でも好ましい。
多パス溶接における積層途中のビード形状は、応力集中の面から見て不利であるため溶接が終了するまでは引張応力は小さい方が好ましいからである。
ところで、この低温変態溶材は、溶接の初層ビードの形成時に高温割れを生じやすい。表1に示したように、低温変態溶材は、Ni或いは更にCr等を含有し、高温割れを起こしやすい組成となっているが、特に初層では、第2層以降に比べて開先ギャップがあるため、割れを引き起こしやすい。
発明者らはこの点を改善するために、低温変態溶材を用いて各種の溶接方法により形成した初層のビードの形状と割れ発生との関係を検討した。図8(a)、(b)は、初層のビード形状を模式的に示したものである。その結果、図8(b)に示すように、初層のビード形状が凸形状である場合は、図8(a)に示すように凹形状である場合に比べて割れが発生し易いことを知見した。
これは、図8(b)に示すような初層のビードが凸形状であると、冷却方向が両側開先側の2方向となるために、デンドライトが両側から発達して突き合い、割れが生じ易くなる。一方、初層のビード形状が図8(a)に示すような凹形状の場合は、冷却方向が下方からとなるためデンドライトは下から上へと発達し突合うことがないため割れにくくなるものと考えられる。
このようなビード形状はTIG溶接によって容易に得ることができる。
従って本発明では、少なくとも初層ビードをTIG溶接により形成するものである。初層に限ることなく、溶接部をTIG溶接により形成しても良いことは言うまでもない。
また、鋼構造部材の部材間の溶接では、図9に示されるようにK開先、レ型開先などの開先形状が用いられることが多い。通常、溶接部材間のギャップが大きくなると初層のビードが形成し難くなるので、バタリングを行ってこのギャップを小さくし、次いで初層ビードを形成する手段が通常講じられる。
初層ビードの場合、母材が溶け込む量が多いため、溶材の希釈率が大きくなることが多い。
上述のように、Ms点を適切に選定した低温変態溶材を使用する本発明においては、溶材が希釈されてMs変態温度が当初設定したものから変動すると所定のラメラテア発生防止効果が発揮されなくなる。例えば、低温変態溶材が母材により希釈されるとMs点は上昇し、所定の効果が安定して得られない虞れがある。従ってこれを防止するためには、バタリングにおいても低温変態溶材を用いることが好ましい。
これによって、Ms点の変動を懸念することなく、溶接作業性を向上させることができる。
次に、溶接材料の降伏強度範囲を限定した理由を述べる。
下限の390MPa(40kg/mm2 は、降伏強度がこれ未満であると溶接金属の方が被溶接材料よりも強度が低くなってしまうために、膨張によるひずみを十分に被溶接材料に与えることができない。なお好ましくは、降伏強度の下限は490MPa(50kg/mm2 以上であることが望ましい。上限の1180MPa(120kg/mm2 は、これ以上高い降伏強度を得るためには、多くの特殊合金元素を添加しなければならず、やはり工業的価値が低くなるため上限を1180MPa(120kg/mm2 とした。
次に、下記式に示されるパラメーターPを導入し、その値の範囲を限定した理由について述べる。なお、以下の説明において各元素の%は質量%を示すものとする。
Pa=C+Ni/12+Cr/24+Mo/19 (i)
パラメーターPaは、C、Ni、CrおよびMoの成分値で計算される。これら成分は、溶接金属に添加することにより強度を向上させ、かつMs温度を低下させる働きを持つ。特に、Ms温度を低減させる元素という意味では、これらC、Ni、CrおよびMoは、最も有効利用すべき元素である。強度を向上させるという観点からは、Ti、NbおよびVなどのような炭化物を形成する元素の有効利用も考えられるが、Ti、NbおよびVなどでMs温度が充分低くなるほど添加すると、継手特性上大きな問題が生じ好ましくない。一方、C、Ni、CrおよびMoのMs温度を低減し残留応力を下げる働きは、必ずしも同一ではないため、それぞれの働きに応じた係数を定め、4つの元素全体としてその効果を表す指標を作成することは、工業的価値が高いと判断し、式(i)で示されるようなPaを作成したものである。但し、Paの値にもその適正範囲がある。例えば、Paが小さすぎるとMs温度を低減することが難しく、たとえ他の元素を添加することにより可能になったとしても、溶接継手特性の確保の点から好ましくない。逆に、Paが大きいことは、Ms温度がより低くなることを意味するが、大きすぎるPaは、それだけ合金元素の添加を増加させなければならず不経済である。以上のことにより、Paの範囲を0.4以上、1.20以下とした。
次に溶接材料の成分を限定した理由を述べる。
既に述べてきたMs温度や降伏強度を得るための成分系は、必ずしも1つではない。そこで、その成分範囲限定理由について説明する。
Cは、それを鉄に添加することによりMs温度を下げる働きをする。しかし、その一方で、過度の添加は、溶接金属の靭性劣化および溶接金属割れの問題を引き起こすため、その上限を0.2%とした。しかし、Cが無添加の場合は、マルテンサイトが得られにくく、また他の高価な元素のみで残留応力低減を図らなければならず経済的とはいえない。Cを0.01%以上添加するように限定したのは、安価な元素であるCを利用し、その経済メリットが出る最低限の値であるためである。なお、Cの上限は、溶接金属割れの観点から、好ましくは0.15%に設定することが望ましい。
Siは、脱酸元素として知られる。Siは、溶接金属の酸素レベルを下げる効果がある。特に溶接施工中においては、溶接中に空気が混入する危険性があるため、Si量を適切な値にコントロールすることはきわめて重要である。まず、Siの下限についてであるが、溶接金属に添加するSi量として0.1%に満たない場合、脱酸効果が薄れ溶接金属中の酸素レベルが高くなりすぎ、機械的特性、特に靭性の劣化を引き起こす危険性がある。そのため、溶接金属については、その下限を0.1%とした。一方、過度のSi添加も靭性劣化を発生させるので、その上限を0.5%とした。
Mnは、強度を上げる元素として知られる。そのため、本発明における残留応力低減メカニズムである変態膨張時の降伏強度確保という観点から有効利用すべき元素である。Mnの下限、0.01%は強度確保という効果が得られる最低限の値として設定した。一方、過度の添加は、母材および溶接金属の靭性劣化を引き起こすので、その上限を1.5%とした。
PおよびSは、本発明では不純物である。しかし、これら元素は、溶接金属に多く存在すると、靭性が劣化するため、その上限をそれぞれ0.03%、0.02%とした。
Niは、単体でオーステナイトすなわち面心構造を持つ金属であり、溶接金属に添加することによりオーステナイトの状態をより安定な状態にする元素である。鉄そのものは、高温域でオーステナイト構造になり、低温域でフェライトすなわち体心構造になる。Niは、それを添加することにより、鉄の高温域における面心構造をより安定な構造にするため、無添加の場合に比べ、より低温度域においても面心構造となる。このことは、体心構造に変態する温度が低くなることを意味する。Niの下限の5%は、残留応力低減効果が現れる最低限の添加量という観点で設定した。Niの上限の12%は、残留応力低減の観点からはこれ以上添加してもあまり効果が変わらない上、これ以上添加するとNiが高価であるという経済的デメリットが生じてくるためである。
Cuは、溶接ワイヤにメッキすることにより通電性をよくする効果があるため、溶接作業性を改善するために有効な元素である。また、Cuは焼入性元素でもあるため、溶接金属に添加することによりマルテンサイト変態を促進させるという効果も期待できる。Cuの下限0.05%は作業性改善やマルテンサイト変態促進のために必要な最低限の値として設定した。しかし、過度の添加は、作業性改善の効果がないだけでなく、ワイヤ製造コストを上げるため産業上も好ましくはない。したがって、Cuの上限は0.4%と設定した。
Nbは、溶接金属中においてCと結合し、炭化物を形成する。Nb炭化物は、少量で溶接金属の強度を上げる働きがあり、従って、有効利用することの経済メリットは大きい。
また、本発明における第2の技術思想である、Ms温度における降伏強度を高める意味からもメリットは大きい。しかし、一方で過度の炭化物形成は、靭性劣化を生ずるため自ずと上限が設定される。Nbの下限は、炭化物を形成せしめ、強度増加効果が期待できる最低の値として0.01%と設定した。上限は、靭性劣化による溶接部の信頼性が損なわれない値として0.4%とした。
VもNbと同様な働きをする元素である。しかし、Nbと異なり、同じ析出効果を期待するためには、Nbより添加量を多くする必要がある。V添加の下限0.3%は、添加することにより析出硬化が期待できる最低値として設定した。Vの上限は、これより多く添加すると析出硬化が顕著になりすぎ、靭性劣化を引き起こすために1.0%とした。
Tiも、Nb、V同様、炭化物を形成し析出硬化を生じさせる。しかし、Vの析出硬化がNbのそれと違っていたように、Tiの析出硬化もまたNb、Vと異なる。そのため、Tiの添加量の範囲もNb、Vと異なった範囲が設定される。Ti添加量の下限0.01%は、その効果が期待できる最低量として、上限の0.4%は靭性劣化を考慮して設定した。
Crは、Nb、V、Tiと同様析出硬化元素である。また、CrはMs温度を低減する効果も合わせ持つので有効活用すべき元素である。しかし、本発明におけるNi系溶接金属は、主としてNi添加によりMs温度低減を達成しているため、Cr添加量はNiより少なくすべきである。過度のCr添加は必ずしも残留応力低減効果を向上させず、Crが高価であるため産業上好ましくはない。Cr添加量の下限の0.1%は、これを添加し、残留応力低減効果が得られる最低限の値として設定した。Cr添加量の上限の3.0%は、Ni系溶接金属については、Ms温度がNi添加によりすでに低減されていること、他の析出元素により強度も確保されていることから、これ以上添加しても残留応力低減効果があまり変わらなくなり、靭性劣化が顕著になることにより設定した。
MoもCr同様の効果を持つ元素である。しかし、Moは、Cr以上に析出硬化が期待できる元素である。そのため、添加範囲はCrより狭く設定した。下限の0.1%は、Mo添加の効果が期待できる最低限の値として設定した。上限は、これ以上添加すると硬化しすぎて靭性劣化が顕著になってくるため、3.0%と設定した。
Coは、Ti等と異なり、強い析出硬化を生じせしめる元素ではない。しかし、Coは、それを添加することにより強度増加をもたらし、かつ強度増加を期待しながら靭性を確保するという観点からは、Niより好ましい元素であることから有効利用すべき元素である。しかし、Niは、残留応力低減効果を期待できる程度の低Ms温度を確保するために溶接金属に添加しているため、Co添加量の下限0.1%は、Co添加の効果が期待できる最低限の値として設定した。一方、過度の添加は、強度増加が過大となり靭性劣化をもたらすため、その上限を2.0%とした。
以上、溶接金属の成分についてその範囲限定理由について述べてきたが、これらの範囲に溶接金属成分を制御する方法として、溶接ワイヤの成分を制御する方法や、溶接ワイヤおよびフラックスの成分を制御する方法、あるいは溶接心線および被覆フラックスの成分を制御する方法などがあるが、本発明においては、これら方法によらず、溶接金属の成分が前述の範囲内に設定されればラメラティア防止溶接が実現できる。さらに、本発明における成分範囲となる溶接金属を形成するような溶接ワイヤ、溶接ワイヤとフラックスの組み合わせ、または溶接心線と被覆フラックスの組み合わせ等は、当該技術者ならば容易に成し得るものである。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
Z窓枠拘束試験を用いて、本発明の耐ラメラティア溶接方法の効果を確認した。試験板には実際の橋脚のダイアフラムから切り出してきた22mm厚の鋼板を用いた。切り出してきた橋脚はS38年竣工の橋脚であり、その鋼材の成分を分析した結果、S量は0.022%と著しく高い値を持っていることが確認された。この鋼材のZ方向引張試験の結果、絞り値は3本の平均で6.0%、最低では4.0%と著しく低い値を示す。つまり、ラメラティア感受性が著しく高いと推定された。
試験体9の構成を図10(a)、(b)に示す。拘束板7(1000mm×400mm×50mm)は、600MPa級鋼を用い、スリット長は最も拘束力が厳しくなる最短の50mmとした。取付溶接と試験溶接は試験板8(150mm×200mm×28mm)に合わせて500MPa級の溶接材料とした。取り付け溶接の条件を以下に示す。
溶接方法:炭酸ガス半自動溶接
溶接ワイヤー:SF−1 1.2mmφ、炭酸ガス:25L/min
目標入熱:2kJ/cm(280A 30V 25cm/min)
予熱温度:50℃、パス間温度:100℃
収縮量予測:2mmで実施
溶接条件および溶接結果の一覧表を表2に示す。用いた溶材成分を表3に示す。
その他の詳細な溶接条件を以下に示す。通常、溶接材料としては、新設構造物であれば水素導入の少ないソリッドワイヤーを用いるのが本来は有利であるが、既設構造物への適用を考慮して全姿勢用のフラックスコアードワイヤーを用いた。
・TIG溶接
アルゴンガス半自動TIG溶接
溶接ワイヤー:A溶材(フラックスコアードワイヤー) 1.2mmφ
Arガス:25L/min
目標入熱:2.4kJ/cm(200A 12V 6.0cm/min)
溶着量:5g/sec
予熱温度:100℃、パス間温度:150℃
・アーク溶接:
炭酸ガス半自動溶接
溶接ワイヤー:SF−1、1.2mmφ、炭酸ガス:25L/min
目標入熱:2kJ/cm(280A 30V 25cm/min)
予熱温度:100℃、パス間温度:150℃
Figure 0004452115
Figure 0004452115
試験結果は図11に示すような試験片の切り出し法によって検証した。すなわち、試験体9から一次試験片10を切出し、次いで一次試験片を拘束板7の幅方向に5等分して二次試験片11とし、10断面を切りだし各断面をカラーチェックした。ラメラティアが発見された断面数の全断面数に対する割合をラメラティア発生比率とする。
ケース1では、ギャップが小さく、溶接の容易な場合に350℃のMs点の溶材を用いてアーク溶接し、温度管理なし、バタリングなしで、発生比率は0%である。良好にラメラティアを防止できた。ケース2では、ギャップが大きく、溶接の困難な場合に350℃のMs点の溶材を用いてTIG溶接し、温度管理、バタリング、を実施した結果、発生比率は0%である。溶接が難しい場合についても良好にラメラティアを防止できた。ケース3では、ギャップが大きく、溶接の困難な場合に350℃のMs点で成分の異なるF溶材を用いてTIG溶接し、温度管理、バタリング、を実施した結果、発生比率は0%である。溶接が難しい場合についても良好にラメラティアを防止できた。ケース4では、ギャップが大きく、溶接の困難な場合に350℃のMs点で成分の異なるG溶材を用いてTIG溶接し、温度管理、バタリング、を実施した結果、発生比率は0%である。溶接が難しい場合についても良好にラメラティアを防止できた。ケース5では、ギャップが大きく、溶接の困難な場合に350℃のMs点のA溶材を用いてアーク溶接し、温度管理なし、バタリングなしで、発生比率は20%である。条件が厳しすぎて、ラメラティアを完全には防止できなかったが、発生比率を極めて低くすることができた。ケース6は普通溶材を使って、ギャップの小さく溶接の容易な場合にアーク溶接で溶接し、温度管理なし、バタリングなし、だが溶接材料が条件を満たさないために発生比率は100%である。ケース7では、200℃と低すぎるMs点の溶材を用いてアーク溶接し、温度管理なし、バタリングなし、であるが溶接材料が条件を満たさないために発生比率は50%である。ケース8では、550℃と高すぎるMs点の溶材を用いてアーク溶接し、温度管理なし、バタリングなし、であるが溶接材料が条件を満たさないために発生比率は60%である。
低温変態溶材による溶接部の体積膨張と温度変化の関係を示す図である。 低温変態溶材による溶接部の体積膨張と温度変化の関係を調査するための溶接部モデルを示す模式図である。 溶接ビードと第1部材との境界断面に発生する最大応力と溶接部の最高温度との関係を調査する溶接モデルを示す模式図である。 FEM解析のモデルを示す模式図である。 溶接ビードと第1部材との境界断面に発生する応力と溶接部の最高温度との関係を示す図である。 溶接ビードと第1部材との境界断面に発生する応力と溶接部の最高温度との関係を示す図である。 溶接ビードと第1部材との境界からの距離とその部位に発生する応力との関係を、溶接部の温度が206℃の場合において示す図である。 初層ビードの形状を示す模式図であり、(a)は凸状形状のビード、(b)は凹形状のビードを示す。 バタリングの状況を示す図である。 試験体の構成を示す図であり、(a)は断面図、(b)は斜視図である。 試験片の切出しおよび断面の割れの確認方法を示す図である。 溶接部における応力の発生状況を示す模式図であり、(a)は、低温変態溶材の場合、(b)は普通溶材の場合を示す。 鋼構造物におけるラメラテア発生のメカニズムを示す模式図である。
符号の説明
1…第1部材
2…第2部材
3…低温変態溶材ビード
4…通常溶材ビード
5…初層ビード
6…バタリングのビード
7…拘束板
8…試験板
9…試験体
10…一次試験片
11…二次試験片

Claims (9)

  1. 構造物のラメラテアが問題となる鋼板部材を第1部材とし、該第1部材面に略直交する第2部材を溶接するに際し、該第1部材と第2部材の間の溶接部に、オーステナイトからマルテンサイトに変態を開始する温度Msが300〜500℃である溶接材料を用いて溶接ビードを形成することを特徴とする鋼構造物のラメラテア防止溶接方法。
  2. 前記溶接方法において、溶接中は溶接箇所の温度を100℃以上に保つと共に、溶接終了後も30分以上、100℃以上の後熱処理を施すことを特徴とする請求項1記載の鋼構造物のラメラテア防止溶接方法。
  3. 前記溶接方法において、少なくとも溶接の初期をTIG溶接で行うことを特徴とする請求項1又は2記載の鋼構造物のラメラテア防止溶接方法。
  4. 記第1部材と第2部材の間の溶接部に、K開先を形成し、次いでこのK開先の先端部に前記溶接材料を用いてバタリングを行うことを特徴とする請求項1記載の鋼構造物のラメラテア防止溶接方法。
  5. 前記溶接材料は、オーステナイトからマルテンサイトに変態を開始する温度において、降伏強度が390MPa以上、1180MPa以下(40kg/mm2以上、120kg/mm2以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の鋼構造物のラメラテア防止溶接方法。
  6. 前記溶接材料は、C、Ni、CrおよびMoを含有し、それぞれの成分の成分組成(質量%)をC、Ni、CrおよびMoとして、下記式で定義されるパラメーターPaの範囲が、0.4以上1.2以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の鋼構造物のラメラテア防止溶接方法。
    Pa=C+Ni/12+Cr/24+Mo/19
  7. 前記溶接材料が、質量%で、
    C:0.01〜0.2%、
    Si:0.1〜0.5%、
    Mn:0.01〜1.5%、
    P:0.03%以下、
    S:0.02%以下、
    Ni:5〜12%を含有し、
    残部が鉄および不可避不純物からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の鋼構造物のラメラテア防止溶接方法。
  8. 前記溶接材料が、さらに質量%で、
    Ti:0.01〜0.4%、
    Nb:0.01〜0.4%、
    V:0.1〜1.0%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項7記載の鋼構造物のラメラテア防止溶接方法。
  9. 前記溶接材料が、さらに質量%で、
    Cu:0.05〜0.4%、
    Cr:0.1〜3.0%、
    Mo:0.1〜3.0%、
    Co:0.1〜2.0%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項7または8記載の鋼構造物のラメラテア防止溶接方法。
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