JP4452097B2 - 酸化セリウム成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無機酸化物成形体の製造方法及び該製造方法で得られた無機酸化物成形体、並びに該成形体からなる硫黄化合物除去用吸着剤に関する。
近年、環境問題から新エネルギー技術が脚光を浴びており、この新エネルギー技術の一つとして燃料電池が注目されている。この燃料電池は、水素と酸素を電気化学的に反応させることにより、化学エネルギーを電気エネルギーに変換するものであって、エネルギーの利用効率が高いという特徴を有しており、民生用、産業用あるいは自動車用などとして、実用化研究が積極的になされている。
この燃料電池には、使用する電解質の種類に応じて、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、固体高分子型などのタイプが知られている。一方、水素源としては、メタノール、メタンを主体とする液化天然ガス、この天然ガスを主成分とする都市ガス、天然ガスを原料とする合成液体燃料、さらにはLPG、ジメチルエーテル、ナフサ、灯油、軽油などの石油系炭化水素の使用について研究されている。
これらのガス状又は液状炭化水素を用いて水素を製造する場合、一般に、該炭化水素を、改質触媒の存在下に部分酸化改質、オートサーマル改質又は水蒸気改質などで処理する方法が用いられている。
LPG、都市ガス、灯油などの炭化水素燃料を改質して燃料用水素を製造する場合、改質触媒の被毒を抑制するためには、燃料中の硫黄分を0.1ppm以下に低減させることが要求される。また、プロピレンやブテンなどは、石油化学製品の原料として使用する場合、やはり触媒の被毒を防ぐためには、硫黄分を0.1ppm以下に低減させることが要求される。
前記LPG中には、硫黄化合物として、一般にメチルメルカプタンや硫化カルボニル(COS)などに加えて、着臭剤として添加されたジメチルサルファイド(DMS)、t−ブチルメルカプタン(TBM)、メチルエチルサルファイドなどが含まれている。また、最近ジメチルエーテルを燃料として利用する計画が進められている。このジメチルエーテル自体は、硫黄化合物を含有していないが、漏洩対策から意図的に上記着臭剤の添加が検討されている。
LPGや都市ガスなどの炭化水素燃料中の硫黄化合物を吸着除去する各種吸着剤が知られている。しかしながら、これらの吸着剤は、150〜300℃程度では高い脱硫性能を示すものがあるが、常温での脱硫性能については、必ずしも十分に満足し得るものではないのが実状であった。
例えば、疎水性ゼオライトにAg、Cu、Zn、Fe、Co、Niなどをイオン交換により担持させた脱硫剤(例えば特許文献1参照)や、Y型ゼオライト、β型ゼオライト又はX型ゼオライトにAg又はCuを担持した脱硫剤(例えば、特許文献2参照)が開示されている。しかしながら、これらの脱硫剤は、メルカプタン類やサルファイド類を室温において効率的に吸着除去し得るものの、硫化カルボニルをほとんど吸着しない。
また、銅−亜鉛系脱硫剤が開示されている(例えば、特許文献3参照)が、この脱硫剤においては、150℃以上の温度では各種硫黄化合物を吸着除去できるが、100℃以下の低い温度では、硫黄化合物に対する吸着性能が低い。さらに、アルミナなどの多孔質担体に銅を担持した脱硫剤が開示されている(例えば、特許文献4参照)。この脱硫剤は100℃以下の温度でも使用できるとしているが、その吸着性能については十分に満足し得るものではない。
特開2001−286753号公報 特開2001−305123号公報 特開平2−302496号公報 特開2001−123188号公報
本発明者らは、このような状況下で、炭化水素燃料又は酸素含有炭化水素燃料中の各種の硫黄化合物を、室温においても低濃度まで効率よく除去し得る硫黄化合物除去用吸着剤として、酸化セリウムを含むものを見出した(特願2003−150293号明細書)。しかし、酸化セリウムを通常の押出し成形等でシリカやアルミナをバインダーとして用いて成形すると、成形ができなかったり、成形できても脱硫能が悪化するという問題があった。
本発明は、このような状況下でなされたもので、酸化セリウム等の周期律表第3族もしくは第4族金属の無機酸化物を、押出し成形する際においても、成形が可能で、かつ脱硫性能を高く維持できる硫黄化合物除去用吸着剤成形体の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、成形時にセルロースを添加することにより本発明の目的を効率的に達成できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)酸化セリウムに、セリウム、ジルコニウム及びチタンからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物をバインダーとし、セルロースを成形助剤として添加して成形することを特徴とする酸化セリウム成形体の製造方法、
(2)成形助剤として、さらに比表面積50m2/g以下の粘土鉱物及び/又はアルミナを添加して成形することを特徴とする上記(1)記載の酸化セリウム成形体の製造方法、
(3)セルロースの添加量が、得られる成形体の乾燥後の量に基づき3質量%以下である上記(1)又は(2)に記載の酸化セリウム成形体の製造方法、
(4)セルロースが、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースのいずれかである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の酸化セリウム成形体の製造方法、
(5)粘土鉱物が、カオリンである上記(2)〜(4)のいずれかに記載の酸化セリウム成形体の製造方法、
(6)バインダーが、硝酸セリウム、酢酸セリウム、水酸化セリウム、塩化セリウム、酸化セリウムゾル、硫酸セリウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ジルコニアゾル、水酸化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、塩化チタン、チタニアゾル又は硫酸チタンである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の酸化セリウム成形体の製造方法、
(7)バインダーの添加量が、得られる成形体の乾燥後の量に基づき20質量%以下である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の酸化セリウム成形体の製造方法、
(8)酸化セリウムとしての含有量が、得られる成形体の乾燥後の量に基づき85質量%以上である上記(1)〜(7)のいずれかに記載の酸化セリウム成形体の製造方法、
(9)成形方法が、押出し成形である上記(1)〜(8)のいずれかに記載の酸化セリウム成形体の製造方法。
(10)上記(1)〜(9)のいずれかに記載の方法で成形したのち、300℃以上の温度で焼成し、添加したセルロースを除去することを特徴とする酸化セリウム成形体の製造方法、
(11)酸化セリウムに、セルロースを成形助剤として添加して成形したのち、250℃以下の温度で乾燥させ、添加したセルロースの少なくとも一部を含有させることを特徴とする酸化セリウム成形体の製造方法。
(12)上記(1)〜(11)のいずれかに記載の製造方法で得られた酸化セリウム成形体からなる硫黄化合物除去用吸着剤
13)硫黄化合物が、硫化カルボニルである上記(12)記載の硫黄化合物除去用吸着剤、
14)硫黄化合物が、炭化水素原料又はジメチルエーテル中の硫黄化合物である上記(12)又は(13)に記載の硫黄化合物除去用吸着剤、及び
15)炭化水素原料が、LPG、都市ガス、天然ガス、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブタン、ブテン、ナフサ、灯油及び軽油から選ばれる少なくとも一種である上記(14)記載の硫黄化合物除去用吸着剤、
を提供するものである。
本発明によれば、周期律表第3族もしくは第4族金属の無機酸化物を、押出し成形する際においても、成形が可能で、かつ脱硫性能を高く維持できる硫黄化合物除去用吸着剤成形体の製造方法を提供することができる。
本発明を以下に説明する。
(1)周期律表第3族もしくは第4族金属の無機酸化物を成形するに際し、セリウム、ジルコニウム及びチタンからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物をバインダーとし、セルロースを成形助剤として添加して成形することを特徴とする無機酸化物成形体の製造方法。
(2)成形助剤として、さらに、比表面積50m2/g以下の粉体を添加して成形することを特徴とする無機酸化物成形体の製造方法。
周期律表第3族もしくは第4族金属として、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Ti,Zrなどの酸化物を挙げることができるが、硫黄化合物の吸着剤としては、Ceが好ましい。また、セリウムを含む複合酸化物も使用することができる。この場合、ジルコニウム及び/又はチタンとの複合酸化物が好ましい。
また、酸化セリウムの場合、酸化セリウムとしての含有量は、脱硫性能の点から、得られる成形体の乾燥後の量に基づき85質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましい。
酸化セリウムを使用する場合、比表面積は100m2/g以上のものが好ましく、酸化セリウムを300〜600℃で焼成したものが好ましい。
ところで、触媒用途に用いる各種金属酸化物の押出し成形において、バインダーとしては通常アルミナバインダーやシリカバインダーが使用される。アルミナバインダーとしては、アルミニウムの水酸化物であるコロイダルアルミナ、擬ベーマイトゲルなどが使用される。シリカバインダーとしては、コロイダルシリカ、水ガラスと言われる珪酸ナトリウムが好適に使用される。これらのバインダーは200〜300℃で焼成すると、水酸基の脱水反応によって化学結合が生じ粒子間が結合する。特に、アルミナバインダーを20〜30%程度使用すると、強度的にも優れる押出し成形体を容易に得ることができる。しかし、酸化物表面が化学的に変質するため、本来の酸化物の特性が変化する可能性がある。特に酸化セリウムにおいては脱硫剤としての優れた性能が低下することがわかった。
本発明においては、バインダーとしては、セリウム、ジルコニウム及びチタンから選ばれる少なくとも一種の化合物を使用することができる。このセリウム、ジルコニウム及びチタンは、周期律表第3族又は第4族の元素であり、これらの化合物を周期律表第3族又は第4族元素の酸化物のバインダーとして使用した場合には焼成により、それぞれ酸化物となり、元素同士の性質も似ているため、第3族又は第4族元素の酸化物の本来の特性をあまり変化させずに押出し成形体を得ることができる。この場合、セリウム化合物として、硝酸セリウム、酢酸セリウム、水酸化セリウム、塩化セリウム、酸化セリウムゾル、硫酸セリウム等を挙げることができる。ジルコニウム化合物として、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ジルコニアゾル、水酸化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム等を挙げることができる。チタン化合物として、塩化チタン、チタニアゾル、硫酸チタン等を挙げることができる。
以上のように、バインダーを添加することにより、脱硫性能を悪化させることなく、酸化セリウム等の金属酸化物の成形性を改善するとともに成形体の強度を高めることができる。
上記バインダーの添加量は、脱硫活性の点から、得られる成形体の乾燥後の量に基づき20質量%以下が好ましい。
しかし、上記のセリウムなどのバインダーのみでは押出し成形が容易になされない。シリカやアルミナは保水性が高く、粘性のある軟らかい混合物を形成するが、セリウム化合物等のバインダーでは保水性が高い混合物は得られず、押出し成形が容易になされない。そこで、保水性を改善する成形助剤を添加すると、容易に押出し成形が可能となる。押出し成形用の混合物に軟化および可塑性を与える成形助剤として、グリセリン、ポリビニルアルコール、セルロース、粘土などが知られている。そこで、周期律表第3族、第4族元素の酸化物に適用すると、セルロースが最も効果的であることがわかった。また、添加したセルロースは、周期律表第3族、第4族の酸化物表面を覆い、混合物の潤滑性を与え(粒子間の摩擦を減少)、押出し成形を極めて容易にする。その場合、添加するセルロースとして、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、アミノエチルセルロース、オキシエチルセルロースなどを挙げることができるが、一般に安価な点でメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが使用される。セルロースの添加量は、性能低下を防ぐ点から、得られる成形体の乾燥後の量に基づき3質量%以下が好ましい。
乾燥した押出し成形体はセルロースを含有しているので、強度にも優れるが、触媒又は吸着剤として使用する場合には通常、焼成を行い、セルロースが除去されると、成形体の強度が低下する。しかし、セルロースとともに不活性な粉体を添加しておくと、焼成後も成形体の強度を保持できる。このような粉体としては、周期律表第3族、第4族の酸化物の特性に影響を及ぼさないもので成形体の強度を保持できることが必要である。
そこで、本発明においては、他の成形助剤として、比表面積が50m2/g以下の粉体を使用することができる。50m2/gを超えると、脱硫性能が低下するおそれがある。該粉体として、カオリン、アロフェン、タルク、雲母などの粘土鉱物やアルミナを好適に使用できる。これらは一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。粘土鉱物のなかでは、カオリンが成形体の強度の保持の点でより好適である。粉体の添加量は、脱硫性能及び成形体の強度の保持の点から、得られる成形体の乾燥後の量に基づき30質量%以下が好ましい。
成形方法については、押出し成形、打錠成形、転動造粒、スプレードライなどの通常の方法の成形方法を挙げることができるが、簡易さと脱硫活性の点で、押出し成形が好ましい。
本発明においては、上記のように成形したのち、成形体を、300℃以上の温度焼成し、添加したセルロースを除去して使用してもよい。また、周期律表第3族もしくは第4族金属の無機酸化物を成形するに際して、セルロースを成形助剤として添加して成形したのち、250℃以下の温度で乾燥させ、添加したセルロースの少なくとも一部を含有させる250℃以下の温度で乾燥させ、添加したセルロースの少なくとも一部を残存させておくと、成形体の強度を向上させることができる。なお、この場合、前記のバインダーや粉体を添加してもよいことは当然である。
本発明の方法で得られた成形体は、触媒、触媒担体、吸着剤等に用いることができる。特に、酸化セリウムを含有するものは、水性シフト反応、排ガス浄化触媒、CO酸化触媒、炭化水素酸化触媒の触媒又は触媒担体として、また硫黄化合物の吸着剤として使用することができる。
また、本発明の方法で得られた成形体に周期律表第1〜15の元素を、最終の成形体基準で、1〜10質量%、好ましくは1〜5質量%担持させることにより、酸化セリウムの脱硫性能を向上させることができる。上記の元素として、Cs,Ba,Yb,Ti,Zr,Hf,Nb,Mo,W,Mn,Re,Fe,Ru,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Zn,Ga,In,Sn,Biを好適に挙げることができる。また、上記の元素の担持方法として、ポアフィリング法、浸漬法、蒸発乾固法などが採用でき、担持後、50〜200℃で乾燥させ、さらに250〜500℃で焼成すればよい。なお、100〜400℃の比較的低温度で焼成すると、脱硫性能がさらに改良される。
前記のようにして得られた硫黄化合物除去用吸着剤成形体(以下、脱硫剤成形体ともいう。)は、天然ガス、都市ガス、LPG、エタン、プロパン、プロピレン、ブタン、ブチレン、ブタジエン、ジメチルエーテル等のガス状炭化水素化合物燃料やナフサ、灯油、軽油の液体燃料に適用される。
上記の除去される硫黄化合物として、硫化カルボニル、二硫化炭素、硫化水素、メルカプタン類、スルフィド類、チオフェン類をあげることができるが、本発明の成形体は常温での脱硫が困難な硫化カルボニルを除去する効果が大きい。
本発明の脱硫剤成形体が適用されるガス状燃料中の硫黄化合物の濃度としては、0.001〜10,000容量ppmが好ましく、特に0.1〜100容量ppmが好ましい。また、脱硫条件としては、通常温度は−50〜350℃の範囲で選ばれ、GHSVは100〜1,000,000h-1の範囲で選ばれる。脱硫性能の点で、好ましい温度は−50〜120℃、より好ましくは−20〜100℃の範囲である。また、好ましいGHSVは100〜100,000h-1、より好ましくは100〜50,000h-1の範囲である。
また、本発明の脱硫剤成形体が適用される液体燃料中の硫黄化合物の濃度としては、80質量ppm以下が好ましく、水素化脱硫などにより20質量ppm以下にしたものがより好ましい。脱硫条件としては、通常温度は20〜300℃、圧力は常圧〜10MPa、LHSVは0.1〜1,000h-1の範囲で選ばれる。
次に、燃料電池用水素の製造については、前述の本発明の脱硫剤成形体を用いて、燃料中の硫黄化合物を脱硫処理したのち、この脱硫処理燃料を改質することにより水素を製造する。
この際、改質方法として、部分酸化改質、オートサーマル改質、水蒸気改質などを用いることができる。この改質方法においては、脱硫燃料中の硫黄化合物の濃度は、各改質触媒の寿命の点から、ガス状燃料の場合、0.1容量ppm以下が好ましく、特に0.05容量ppm以下が好ましい。また、液体燃料の場合、0.1質量ppm以下が好ましく、特に0.05質量ppm以下が好ましい。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
〔調製例1〕酸化セリウム(CeO2)の調製
硝酸セリウム・6水和物(特級、和光純薬社製)470gを 50℃に加温したイオン交換水1Lに溶解させた(調製液A)。別に用意した3モル/L濃度の水酸化ナトリウム溶液を調合した(調製液B)。混合液をpH13に維持しながらA、B両液を滴下混合した。混合液を50℃に保持しながら1時間攪拌した。その後、イオン交換水20Lを用いて沈殿ケーキを洗浄・ろ過を行い、120℃送風乾燥機にて生成物を12時間乾燥させ、400℃で3時間焼成した。その後、打錠成形により成形し、粉砕することにより、平均粒径0.8mmの酸化セリウムの成形体を得た。
〔実施例1〕
調製例1で調製した酸化セリウム85g、硝酸セリウム溶液(CeO2、25質量%)40gおよびカオリン(ASP−170、エンゲルハルド社製)5g、メチルセルロース(SM4000、信越化学社製)3gに適度の水を加えて捏和したのち、押出し成形した。120℃で乾燥した後、400℃で焼成した。CeO2(95質量%)、カオリン(5質量%)の1mm径、長さ2mmの脱硫剤成形体を得た。この成形体について、下記の要領で脱硫性能テストを行った。その結果を第1表に示す。
<脱硫性能テスト>
脱硫剤成形体(製品)20cm3を内径20mmの脱硫管に充填した。常圧で脱硫剤温度を20℃とし、COSを40容量ppm含むプロパンガスをGHSV=30,000-1で流通させた。脱硫管出口ガスの硫黄化合物濃度をSCD(化学発光検出器)ガスクロにより測定し、15時間後のCOSの脱硫率を求めた。
〔実施例2〕
実施例1において、カオリン5gの代わりに比表面積10m2/gのアルミナ5gを加えたこと以外、実施例1と同様に成形しCeO2(95質量%)、アルミナ(5質量%)の1mm径、長さ2mmの脱硫剤成形体を得た。この成形体について、実施例1と同様に脱硫性能テストを行った。その結果を第1表に示す。
〔実施例3〕
実施例1において、硝酸セリウム溶液(CeO2、25質量%)40gを20gにしたこと、カオリン5gの代わりに比表面積10m2/gのアルミナ10gを加えたこと以外、実施例1と同様に成形しCeO2(90質量%)、アルミナ(10質量%)の1mm径、長さ2mmの脱硫剤成形体を得た。この成形体について、実施例1と同様に脱硫性能テストを行った。その結果を第1表に示す。
〔実施例4〕
実施例1において、硝酸セリウム溶液(CeO2、25質量%)40gの代わりに酢酸セリウム溶液(CeO2、15質量%)67g使用したこと、カオリン5gの代わりに比表面積10m2/gのアルミナ5gを使用したこと以外、実施例1と同様に成形しCeO2(95質量%)、アルミナ(5質量%)の1mm径、長さ2mmの脱硫剤成形体を得た。この成形体について、実施例1と同様に脱硫性能テストを行った。その結果を第1表に示す。
〔実施例5〕
実施例1において、硝酸セリウム溶液(CeO2、25質量%)溶液40gの代わりにジルコニアゾル液(ZrO2、20質量%)75gを用いたこと以外、実施例1と同様に成形しCeO2(85質量%)、ZrO2(15質量%)の1mm径、長さ2mmの脱硫剤成形体を得た。この成形体について、実施例1と同様に脱硫性能テストを行った。その結果を第1表に示す。
〔実施例6〕
調製例1で調製した酸化セリウム98g、メチルセルロース(SM4000、信越化学社製)2gに適度の水を加えて捏和したのち、押出し成形し、150℃で乾燥し、CeO2(98質量%)、メチルセルロース(2質量%)の1mm径、長さ2mmの脱硫剤成形体を得た。この成形体について、実施例1と同様に脱硫性能テストを行った。その結果を第1表に示す。
〔比較例1〕
調製例1で調製した酸化セリウム80g、Al23含量71質量%のアルミナ(キャタロイドAP1、触媒化成社製、400℃焼成後の比表面積300m2/g)28gに適度の水を加えて捏和したのち、押出し成形し、120℃で乾燥および400℃で焼成して、CeO2(80質量%)、アルミナ(20質量%)の1mm径、長さ2mmの脱硫剤成形体を得た。この成形体について、実施例1と同様に脱硫性能テストを行った。その結果を第1表に示す。
〔比較例2〕
調製例1で調製した酸化セリウム90g、Al23含量71質量%のアルミナ(キャタロイドAP1、触媒化成社製、400℃焼成後の比表面積300m2/g)14g、メチルセルロース(SM4000、信越化学社製)3gに適度の水を加えて捏和したのち、押出し成形し、120℃で乾燥および400℃で焼成した、CeO2(90質量%)、アルミナ(10質量%)の1mm径、長さ2mmの脱硫剤成形体を得た。この成形体について、実施例1と同様に脱硫性能テストを行った。その結果を第1表に示す。
〔比較例3〕
実施例1において、カオリン(ASP−170、エンゲルハルド社製)5g、メチルセルロース(SM4000、信越化学社製)3gを加えないで実施例1と同様に押出し成形を試みたが成形できなかった。
〔比較例4〕
実施例1において、硝酸セリウム25質量%溶液40g、メチルセルロース(SM4000、信越化学社製)3gを加えないで実施例1と同様に押出し成形を試みたが成形できなかった。
〔比較例5〕
調製例1で調製した酸化セリウム80g、シリカゾル(SiO2、20質量%)100gを用いて、押出し成形を試みたが成形できなかった。
Figure 0004452097

Claims (15)

  1. 酸化セリウムに、セリウム、ジルコニウム及びチタンからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物をバインダーとし、セルロースを成形助剤として添加して成形することを特徴とする酸化セリウム成形体の製造方法。
  2. 成形助剤として、さらに比表面積50m2/g以下の粘土鉱物及び/又はアルミナを添加して成形することを特徴とする請求項1記載の酸化セリウム成形体の製造方法。
  3. セルロースの添加量が、得られる成形体の乾燥後の量に基づき3質量%以下である請求項1又は2に記載の酸化セリウム成形体の製造方法。
  4. セルロースが、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースのいずれかである請求項1〜3のいずれかに記載の酸化セリウム成形体の製造方法。
  5. 粘土鉱物が、カオリンである請求項2〜4のいずれかに記載の酸化セリウム成形体の製造方法。
  6. バインダーが、硝酸セリウム、酢酸セリウム、水酸化セリウム、塩化セリウム、酸化セリウムゾル、硫酸セリウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ジルコニアゾル、水酸化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、塩化チタン、チタニアゾル又は硫酸チタンである請求項1〜5のいずれかに記載の酸化セリウム成形体の製造方法。
  7. バインダーの添加量が、得られる成形体の乾燥後の量に基づき20質量%以下である請求項1〜6のいずれかに記載の酸化セリウム成形体の製造方法。
  8. 酸化セリウムとしての含有量が、得られる成形体の乾燥後の量に基づき85質量%以上である請求項1〜7のいずれかに記載の酸化セリウム成形体の製造方法。
  9. 成形方法が、押出し成形である請求項1〜8のいずれかに記載の酸化セリウム成形体の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の方法で成形したのち、300℃以上の温度で焼成し、添加したセルロースを除去することを特徴とする酸化セリウム成形体の製造方法。
  11. 酸化セリウムに、セルロースを成形助剤として添加して成形したのち、250℃以下の温度で乾燥させ、添加したセルロースの少なくとも一部を含有させることを特徴とする酸化セリウム成形体の製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法で得られた酸化セリウム成形体からなる硫黄化合物除去用吸着剤
  13. 硫黄化合物が、硫化カルボニルである請求項12記載の硫黄化合物除去用吸着剤
  14. 硫黄化合物が、炭化水素原料又はジメチルエーテル中の硫黄化合物である請求項12又は13に記載の硫黄化合物除去用吸着剤
  15. 炭化水素原料が、LPG、都市ガス、天然ガス、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブタン、ブテン、ナフサ、灯油及び軽油から選ばれる少なくとも一種である請求項14記載の硫黄化合物除去用吸着剤
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