JP4451128B2 - マイクロリアクター - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロリアクター、すなわち微小な反応空間が形成された反応装置に関する。
特表2001−524019号公報 「マイクロリアクターズ」, WILEY-VCH, p30, 2000 「エレメントアセンブルによる汎用型マイクロリアクターの開発」,C316、第67回化学工学会年会発表予稿集
シリコン、ガラス、金属、プラスチック等の基材に、切削加工、エッチング、成型等の各種手法により凹部を形成し、これを流体経路や分離用ゲルチャンネルとするマイクロケミカルデバイスが知られている(例えば、非特許文献1)。また、特許文献1には、少なくとも一枚の平面の流体経路及び流体の入口と出口を備えるマイクロリアクターにおいて、該流体経路が互いに対向配置された金属製側壁と、これら側壁間に延在する別の金属製又はプラスチック製側壁とに区画され、前記平面が互いに及び/又は開放した流体経路を密閉する閉塞手段と、蝋付け又は接着によって結合されたマイクロリアクターが提案されている。しかしながら、従来のマイクロリアクターは、その空間容積と内部表面積の比を大きく取るために、流路高さHと流路幅Wの比W/Hが小さく、また装置への流通量や滞留時間を大きく取るために、一面あたりに複数の流路を設けたり、流路長を長く湾曲させたりしたものが多い。そのため、積層される薄板の形状は、複雑であって、加工にも高度な技術や長い工程を必要とし、コスト的にも不利である。
非特許文献2には、薄い円筒形のマイクロ空間を多数積層されたマイクロリアクターが記載されているが、マイクロ空間への反応流体の入り口及び出口の形状が細孔であり、反応流体の流れが一定とならず、滞留時間が長いものや短いものが混在するという問題があった。
本発明の目的は、微小な反応空間(マイクロ空間)を簡便に形成することができ、反応流体の滞留時間や流れを可及的に一定にすることができるマイクロリアクターを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を行い、平板でガスケットを挟み込む構造において、流路幅と流路高さに特定の比率をもたせることによって、マイクロ空間を簡便に形成することを可能にした本発明を完成した。
すなわち、本発明は、反応流体の入出口を備えた複数の金属製の平板が積層され、平板間には高さ(H)100〜1000μmのマイクロ空間が形成されるように金属製のガスケットが配置され、2枚の平板間に形成される少なくとも一つのマイクロ空間は、高さ(H)、流路幅(W)に対応する幅(W)、長さ(L)の薄い直方体形状であり、流路幅(W)が10〜200mmであり、流路幅(W)/高さ(H)の比が100〜2000であり、この一つのマイクロ空間を構成する一方の平板に反応流体のスリット状の入口を備え、反応流体下流側にある他方の平板に反応流体のスリット状の出口を備え、スリット状の入口は長さ方向の端側に設けられ、出口はその下流側にスリット状の入口と平行に設けられ、スリット状の入口又は出口の長辺幅(A)が幅(W)の80%以上であり、2組以上の平板とガスケットを交互に積層することで、流路幅(W)/高さ(H)の比が100〜2000である3〜50個のマイクロ空間を直列に配列してなることを特徴とする組み立て、分解が容易なマイクロリアクターである。
また、本発明は、少なくとも一つのマイクロ空間が、高さ(H)、流路幅(W)に対応する幅(W)、長さ(L)の薄い直方体形状であり、この一つのマイクロ空間を構成する一方の平板に反応流体のスリット状の入口を備え、反応流体下流側にある他方の平板に反応流体のスリット状の出口を備え、スリット状の入口又は出口の長辺幅(Y)/短辺幅(X)の比が4〜100であり、長辺幅(Y)が幅(W)の80%以上である前記のマイクロリアクターである。
更に、本発明は、少なくとも一つのマイクロ空間内に、取り外し自在の平板状で、高さ(H)の1/10〜9/10の厚み(T)を有する触媒エレメントが装着されていることを特徴とする前記のマイクロリアクターである。
更に、本発明は、2組以上の平板とガスケットを交互に積層する際、厚みの異なるガスケットを使用することで、流路幅(W)/高さ(H)の比が異なるマイクロ空間を直列に配列してなる前記のマイクロリアクターである。
また、本発明は、マイクロ空間に触媒エレメント、分離手段又は両者を装入することで、反応、分離又は両者を行う前記のマイクロリアクターである。
更に、本発明は、複数のマイクロ空間に異なる触媒エレメント、分離手段又は両者を装入することで、反応、分離又は両者を行う前記のマイクロリアクターである。
また、本発明は、マイクロ空間に装入された触媒エレメントの厚み(T)と空間の高さ(H)との差で表される反応空間幅(R)が50〜500μmである前記のマイクロリアクターである。
更に、本発明は、触媒エレメントの厚み(T)が20〜300μmである前記のマイクロリアクターである。
また、本発明は、触媒エレメントが金属触媒担持炭素膜である前記のマイクロリアクターである。
更に、本発明は、前記の触媒エレメントを装入したマイクロ空間からなる反応部に、触媒エレメントとしてメタノール転化触媒を配置して改質反応部とし、分離手段に水素分離膜を配置して分離部とすることを特徴とする水素の合成方法である。
ここで、反応温度を180〜380℃とすること、又は、改質反応部を構成する一つのマイクロ空間の流路幅が20mm以上であり、このマイクロ空間における滞留時間を2秒以内とすることは好ましいことである。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のマイクロリアクターの基本構造の一例を示す断面図であり、図2は、マイクロリアクターの中間段に配置されてマイクロ空間を構成する平板の平面図であり、図3は、本発明のマイクロリアクターに触媒エレメント及び分離膜を配置したときの断面図である。
図1において、マイクロリアクターは、底部の平板1、中間部に配置される複数の平板2及び上部の平板3と、各平板間に配置される複数のガスケット4により複数のマイクロ空間20を形成している。そして、反応流体の入口5を底部平板1の孔7に接続して、出口6を上部平板3の孔9に接続して備えている。また、中間部に配置される複数の平板2には、入口及び出口兼用のスリット8が設けられ、入口5から装入された反応流体が、複数のマイクロ空間20を順次通過して、最後に出口6から排出されるようになっている。ここで、各平板は、これらを一体化してマイクロリアクターとするため、ガスケット4が配置される位置より外側の四隅に、ボルト10を通すための孔が設けられ、ボルト10とナット11により締め付けられて一体化され、且つ、マイクロ空間20の気密が保持される。
図1において、マイクロ空間20は複数あるが、1以上であればよく、好ましくは3〜50の範囲である。必要な数のマイクロ空間を形成するために少なくとも必要なガスケット4の数は同数であり、平板の合計数はそれより1つ多い数である。
図1に示すように、マイクロ空間20の高さHはガスケット4の厚みで制御可能であり、幅は平板の大きさとガスケット4を配置する位置で制御可能である。中間部に配置される任意の平板22は、上流側に隣接して配置される平板21と1つのマイクロ空間24を構成すると同時に、下流側に隣接して配置される平板23とで1つのマイクロ空間25を構成している。したがって、任意の平板22に設けられるスリット8は、上流側マイクロ空間24からの出口であると同時に、マイクロ空間25の入口でもある。
図2において、中間部に配置される任意の平板22の周囲には、四角形のリング状のガスケット4が配置され、それに囲まれた内部がマイクロ空間を形成する。また、ガスケットに囲まれた内側の平板22の一端には、スリット8が設けられ、そこから上流側のマイクロ空間24からの反応流体が流れ込み、平板22と23間で構成されるマイクロ空間25を他端側に流れて、点線で表される平板23に設けられるスリット8'から下流側のマイクロ空間26に流出する。ここで、流路幅Wは図2において、幅Wをいい、流路長は、長さXをいう。また、図2において、平板22の四隅に設けられている点線はボルト10及びナット11の位置を示す。
なお、図面においては平板及びガスケットが四角形のものを例示しているが、これらが多少変形していても差し支えない。しかし、四角形ないしほぼ四角形のものが好ましい。
本発明でいうマイクロ空間は、高さHが10〜1500μmであり、流路幅Wは、W/H=20〜10000の関係を満足する値であり、200μm〜15mの範囲であるが、好ましくは高さHが0.1〜1.0mmであり、流路幅Wが10〜200mmの範囲で、W/H=100〜2000の範囲である。また、流路長Xは流路幅Wの0.5〜2.0倍の範囲が好ましく、同様に10〜200mmの範囲にあることがよい。
マイクロ空間を通過する反応流体は、空間内の流路において均一な速度での層流を形成することが好ましい。ガスケットの厚さ、すなわち高さHが1500μmを超えると高さ方向への分布が生じやすく、W/Hが20未満であっても同様の傾向がある。
平板としては、四角形ないしほぼ四角形のものが好ましく使用される。ガスケットも平板と相似形であって、やや小さめのものが好ましく使用される。マイクロ空間は、平板の大きさ及びガスケットの大きさによって定まる。ガスケットの厚みにより、空間の高さHが定まり、ガスケットの横幅Wにより流路幅Wが定まり、ガスケットの長さ方向の幅Lにより流路長Xがほぼ定まる。そして、平板の大きさにより、ガスケットの最大大きさが定まるが、ガスケットの最小大きさは任意に定まる。
マイクロ空間への反応流体の入口及び出口となるスリット8は、ガスケットで囲まれた空間内の平板に設けられるが、長さ方向の端側に設けられ、入口のスリット8とその下流側の平板に設けられる出口スリット8は、平行又はほぼ平行に設けられる。ここで、長さ方向とは、反応流体の流れる方向をいい、横幅方向とは、流路幅方向をいい、流路幅Wはガスケットの横幅と一致し、流路長Xは、入口のスリットとその下流側の平板に設けられる出口スリットまで幅をいう。スリットは長方形又はほぼ長方形であることがよいが、長辺Aと短辺Bは、A/Bの比が4〜100、好ましくは10〜50であることがよい。また、長辺Aは流路幅Wと近い値であることが望ましく、反応流体の流れを一定にするためには80%以上であることがよい。同様に流路長Xは、マイクロ空間を有効利用するために、ガスケットの長さ方向の幅Lの80%以上であることがよい。
本発明のマイクロリアクターは、マイクロ空間を少なくとも1つ有するが、上記のように3〜50の範囲が好ましい。また、本発明でいうマイクロ空間を外れる空間を必要により有することもできる。更に、複数のマイクロ空間が、それぞれ異なる高さH及び流路幅Wを有していてもよく、それによって、各マイクロ空間における滞留時間を調整することができる。
複数の平板の形状は、目的に応じ任意の形状としてよいが、ガスケットを安定して固定するのに十分な大きさであることがよい。平板の形状をガスケットの外周よりも格段に大きくすることで、反応容積に対する伝熱面積を広げ、反応に必要な加熱や生成熱の除熱をするためのフィン型熱交換器の機能をもたせることも可能である。ガスケットも任意の形状でよいが、流路内における均一な速度での層流を維持するには、その内周が矩形であることがよい。平板に設けられるスリットも、ガスケット内周の相対する辺に沿う位置に配置されるのがより好ましい。
平板及びガスケットの材質は、使用する条件により任意に選定できる。使用する材質としては、ステンレス等の金属や、ガラス、石英、セラミックスや、フッ素樹脂、PEEK等のプラスチックが挙げられるが、平滑性、加工性、低価格などの観点から金属が好ましい。ガスケットは気密性を与えるものであれば、金属等の材質であってもよいが、ゴム等は高温反応用には適さない。なお、マイクロ空間を構成する部分の平板表面にはスリットやボルト孔の他に、必要により触媒を固定したりするための凹凸等を設けてもよいが、溝等は設けないことが簡便である。
図1に示すように、2組以上の平板2とガスケット4を交互に積層し、複数のマイクロ空間20を直列に配置することで、長い滞留時間を必要とする場合など、反応容積を自在に且つ簡便に増やすことが可能である。平板面積を増大して反応容積を増やすには、平板とガスケット間の密閉性を維持する点で限界がある。本発明は、二つのマイクロ空間の隔壁を1枚の平板で兼用できることから、装置をコンパクトにできる図1の構造が適している。また、部材加工の容易さや経済性においても有利である。
また、使用目的に応じてガスケット4の厚みを変えることで、マイクロ20の高さHを任意に調節できる。反応の種類、条件、反応物流量の変化に対し、適合する反応空間を容易に形成できる。特に、積層型の装置においては、複数の反応空間の中の特定の段に対し、厚みの異なるガスケットを用いることで、異なる反応容積、滞留時間、線速度を設定することが可能となり、反応の促進、遅延、終結などを行うのに有利となる。
更に、図3に示すように、マイクロ空間20に触媒エレメント27を装着又は充填し、固体触媒反応用マイクロリアクターとすることができる。この触媒エレメント27は、マイクロ空間内に収まるような薄板状、繊維状、粒状など、任意の形状を選択することができるが、必要によりバインダー等により一体化して、マイクロ空間に1又は少数の触媒エレメントを装入することがよい。触媒エレメントは劣化して、交換が必要となる場合が多いので、板状やハニコム状等に一体化された形状とし、その交換を容易とさせることがよい。触媒エレメントと平板とが作る高さ方向の空間幅(反応空間幅R)を出来る限り均一化し、反応空間内に安定した層流を達成するには薄板状が好ましい。触媒エレメントの触媒種は、使用目的に応じて、さまざまな種類のものが選択することができ、各段ごとに異なる触媒種を装填することも可能である。触媒エレメントの厚みTは20〜300μmの範囲、好ましくは50〜250μmの範囲とすることがよい。また、マイクロ空間の高さHに対する触媒エレメントの厚みTの比は0.1〜0.9の範囲、好ましくは0.2〜0.8の範囲がよい。
この触媒エレメントと共に又は触媒エレメントとは別に分離手段をマイクロ空間内に設けることができる。触媒エレメントと共に分離手段を設ければ、反応と反応生成物の分離、精製を行うことができる。分離手段としては、吸着(クロマト分離等を含む)、イオン交換、ろ過(分離膜等による処理を含む)などの手段がある。このような目的に使用される材料としては、活性炭やシリカゲル、ゼオライト、イオン交換樹脂、気体分離膜、各種フィルター等が挙げられる。同一反応器内に反応用触媒と分離手段をそれぞれ複数配置して、複数の反応(例えば、分解反応と酸化反応、2種類の水素化反応等)及び分離精製を行うことも可能である。
本発明のマイクロリアクターの組み立て方法も、図1に示すようにボルト10とナット11で固定する方法の他に、クランプで両端を挟み込む方法、ある大きさの筐体に必要数のユニットを組み込む方法などさまざまな形態を採ることができる。いずれの場合も、容易に装置を組み立て分解することが可能で、多目的に使用する場合には、各段の組み替えや入れ替え、使用中、使用後の位置調整や分解清掃などがきわめて簡単な操作で行える。更に、一体型の触媒エレメントを用いる場合には、触媒の装着や不要触媒の除去、触媒の交換などにきわめて有効な操作性を発揮する。
本発明のマイクロリアクターの使用例としては、活性炭膜を用いた特定有機成分の吸着除去や揮発性有機化合物(VOC成分)の分解反応、メタノール改質による水素製造などが挙げられる。なかでも、燃料電池用の水素製造装置は、もっとも好ましい使用例である。メタノールをはじめとする炭化水素を原料とした改質反応で水素を製造する装置は、近年、燃料電池の旺盛な研究開発に後押しされ、さまざまなものが開発、提案されている。したがって、本発明でいう反応流体は化学反応を生じるものに限られず、吸着成分やろ過成分等を含有するものを含むと理解される。
本発明のマイクロリアクターは、自動車搭載用や小型電子機器用を意図したオンサイト型小型反応装置として特に優れている。銅系触媒を用いるメタノールの水蒸気改質反応やニッケル系触媒を用いる分解反応では、改質ガス中にH2、CO2の他に副生成物として数%のCOが含まれるため、燃料電池スタックのアノードに使用されている白金系触媒の被毒原因となり、電池出力が大幅に低下してしまう。そのため、CO濃度をできるだけ少なくするように、反応に適した温度に冷却した後にCOの選択酸化を行う酸化部を有するものも多いが、本装置は、同一反応器内に炭素膜や無機膜の水素分離膜を装填するなどした分離・精製部を併設することが可能で、CO濃度のきわめて低い水素を一つの装置で製造・回収することができる。
図3によりメタノール改質反応用リアクターとして応用例を説明する。反応流体であるメタノールガスと水蒸気とからなる原料ガスは入口5を通って、底部平板1の孔7から第1のマイクロ空間20に導入される。この空間にはメタノール改質触媒を担持した触媒エレメント27が装填されており、原料ガス成分は、触媒エレメントに接触しながら反応し、その上の平板2に設けられた流路末端の孔8を通って第2のマイクロ空間(反応空間)へと移動し、触媒エレメントと接触して反応する。この移動を順次行い、所望の反応を終了させる。反応が終了するマイクロ空間の下流側には、水素分離膜28を設置したマイクロ空間(分離空間)を1以上設け、ここに反応生成ガスを流して、分離、精製を行う。
メタノール改質反応の触媒エレメントとしては、銅、亜鉛、鉄やニッケル、パラジウム等の金属を担持した炭素膜やシリカ膜が使用できるが、好ましくは炭素膜である。この炭素膜は、金属含有有機薄膜の焼成などにより比較的簡便に調製することが可能であり、有機薄膜のキャスト条件や焼成条件などを制御することにより、所望の厚さの膜を調製するのに適している。有利には、ポリイミド又はポリイミド前駆体溶液に金属触媒又は金属化合物触媒を分散させ、これを膜状に成形し、乾燥、炭化させることにより得られた触媒である。
メタノール改質の反応温度は、180〜380℃、好ましくは230〜280℃である。反応温度が180℃より低いと十分な転化率が得られず、380℃より高いと分解反応が進行し、水素の回収量が減少する。反応温度を維持するためにリアクター全体をオーブンなどで加熱してもよいし、各段の平板をヒーターで直接加熱してもよい。また、改質反応部の滞留時間は20秒以内が好ましい。反応温度が180℃でも滞留時間が20秒を超えると、生成物の分解割合が高くなり、水素選択性が急激に低下する。
触媒エレメント27の上部には空隙を設けることが好ましく、この空隙の高さは、50〜500μm、好ましくは100〜200μmである。これが500μmより大きいと、原料ガスと触媒エレメントとの接触が十分できないので、メタノールの転化率が下がる。一方、50μmより小さいと、反応生成物の触媒表面への再吸着や分解反応が進行し、水素選択率が大きく低下する。
また、触媒エレメントを配置する1つのマイクロ空間の流路幅は50mm以上が好ましく、全触媒エレメントと接触する滞留時間は20秒以下が好ましい。
最後に、反応部から分離・回収部へと進入し、水素分離膜28又は更に吸着剤層を通過させて、水素を分離し、COを吸着させ、高純度の水素が回収される。水素分離膜及び吸着剤には公知のものが使用可能である。
本発明のマイクロリアクターは、平板とガスケットを交互に積層するだけで、任意のマイクロ空間を簡便に形成することができ、製作コストの大幅な低減を実現した。使用目的に応じ、ガスケットの厚みを変えることで、反応空間の高さを任意に調節でき、反応の種類、条件、反応流体流量の変化に対し、適合する反応空間を容易に形成できる。また、積層型の装置においては、複数の反応空間の中の特定の段に対し、厚みの異なるガスケットを用いることで、異なる反応容積、滞留時間、線速度を設定することが可能となり、反応の促進、遅延、終結などを行うのに有利となる。そして、本発明のマイクロリアクターは、自動車搭載用や小型電子機器用を意図したオンサイト型小型反応装置として特に優れている。また、本装置は、同一反応器内に炭素膜や無機膜の水素分離膜を装填するなどした分離・精製部を併設することが可能で、CO濃度のきわめて低い水素を一つの装置で製造・回収することができる。
図1〜3に示す形状で、次の構成を有するメタノール改質器を製作した。
金属製平板として、SUS304製、50mm×50mm、厚さ500μmの平板を使用し、この平板のガスケット内辺に沿った位置に1mm×32mmのスリットを切ったものを用いた。ガスケットとして、SUS304製、外辺が34mm×34mmで、幅2mmの四角なリング状で、厚さ200μm、500μm、1000μmの3種を用いた。
触媒エレメントとして、ニッケル及び銅を担持した32mm×32mm、厚さ150μmの炭素膜(金属担持量約20wt%、平均0.05g/枚)を用い、水素分離膜として、ミクロ多孔質炭素膜を用いた。
メタノール改質器は、メタノール改質部を9段、21段の2ケース、分離精製部を2段とした。温度調節器を備えたオーブン内に改質器全体を設置し、180℃から380℃で改質反応を行った。ガス流量は、1段あたりの平均滞留時間が0.84秒になるよう調節した。
結果を表1に示す。なお、水素収量は使用したメタノールに対するmol/molである。
Figure 0004451128
ガスケットとして、SUS304製、34mm×34mm、幅2mmのもので、厚さ500μmと1500μmの2種を用い、触媒エレメントとして、ニッケルを担持した32mm×32mm、厚さ150μmの炭素膜(金属担持量約20wt%、平均0.05g/枚あたり)を用いた以外は、前記実施例と同様な構成とした。
改質器は、メタノール改質部を9段、25段の2ケース、分離精製部を2段とした。反応は温度調節器を備えたオーブン内に反応器全体を設置し、150℃から450℃で行った。ガス流量は、1段あたりの平均滞留時間が0.84秒になるよう調節した。
結果を表2に示す。なお、水素収量は使用したメタノールに対するmol/molである。
Figure 0004451128
マイクロリアクターの基本構造の一例を示す断面図 マイクロリアクターの中間段に配置される平板の平面図 マイクロリアクターの触媒エレメント及び分離膜を配置したときの断面図
符号の説明
1 底部の平板
2 平板
3 上部の平板
4 ガスケット
5 反応流体の入口
6 出口
7、8、9 孔
10 ボルト
11 ナット
20 マイクロ空間

Claims (12)

  1. 反応流体の入出口を備えた複数の金属製の平板が積層され、平板間には高さ(H)100〜1000μmのマイクロ空間が形成されるように金属製のガスケットが配置され、2枚の平板間に形成される少なくとも一つのマイクロ空間は、高さ(H)、流路幅(W)に対応する幅(W)、長さ(L)の薄い直方体形状であり、流路幅(W)が10〜200mmであり、流路幅(W)/高さ(H)の比が100〜2000であり、この一つのマイクロ空間を構成する一方の平板に反応流体のスリット状の入口を備え、反応流体下流側にある他方の平板に反応流体のスリット状の出口を備え、スリット状の入口は長さ方向の端側に設けられ、出口はその下流側にスリット状の入口と平行に設けられ、スリット状の入口又は出口の長辺幅(A)が幅(W)の80%以上であり、2組以上の平板とガスケットを交互に積層することで、流路幅(W)/高さ(H)の比が100〜2000である3〜50個のマイクロ空間を直列に配列してなることを特徴とする組み立て、分解が容易なマイクロリアクター。
  2. 少なくとも一つのマイクロ空間が、高さ(H)、流路幅(W)に対応する幅(W)、長さ(L)の薄い直方体形状であり、この一つのマイクロ空間を構成する一方の平板に反応流体のスリット状の入口を備え、反応流体下流側にある他方の平板に反応流体のスリット状の出口を備え、スリット状の入口又は出口の長辺(A)/短辺(B)の比が4〜100であり、長辺幅(A)が幅(W)の80%以上である請求項1記載のマイクロリアクター。
  3. 少なくとも一つのマイクロ空間内に、取り外し自在の平板状で、高さ(H)の1/10〜9/10の厚み(T)を有する触媒エレメントが装着されていることを特徴とする請求項1又は2記載のマイクロリアクター。
  4. 2組以上の平板とガスケットを交互に積層する際、厚みの異なるガスケットを使用することで、流路幅(W)/高さ(H)が異なるマイクロ空間を直列に配列してなる請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロリアクター。
  5. マイクロ空間に触媒エレメント、分離手段又は両者を装入することで、反応、分離又は両者を行う請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロリアクター。
  6. 複数のマイクロ空間に異なる触媒エレメント、分離手段又は両者を装入することで、反応、分離又は両者を行う請求項5に記載のマイクロリアクター。
  7. マイクロ空間に装入された触媒エレメントの厚み(T)と空間の高さ(H)との差で表される反応空間幅(R)が50〜500μmである請求項5又は6に記載のマイクロリアクター。
  8. 触媒エレメントの厚み(T)が20〜300μmである請求項5〜7のいずれかに記載のマイクロリアクター。
  9. 触媒エレメントが金属触媒担持炭素膜である請求項5〜8のいずれかに記載マイクロリアクター。
  10. 請求項5〜9のいずれかに記載のマイクロリアクターの触媒エレメントを装入した反応部に、触媒エレメントとしてメタノール転化触媒を使用して改質反応部とし、分離手段に水素分離膜を使用して分離部とすることを特徴とする水素の合成方法。
  11. 反応温度を180〜380℃とする請求項10に記載の水素の合成方法。
  12. 改質反応部を構成する一つのマイクロ空間の流路幅が50mm以上であり、滞留時間を20秒以内とする請求項10又は11に記載の水素の合成方法。
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