JP4192061B2 - アンモニア合成反応器及びアンモニア合成システム - Google Patents

アンモニア合成反応器及びアンモニア合成システム Download PDF

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Description

本発明は、水素含有気体と窒素からアンモニアを合成するアンモニア合成反応器及びアンモニア合成システムに関する。
従来より、アンモニアは、ハーバー法により工業レベルで広く製造(合成)されている。ハーバー法は、水素と窒素からアンモニアを合成するものであり、Fe34を主体とし、Al23、K2Oを助触媒とする鉄系の3元系触媒を、所定の反応容器に投入した後、水素及び窒素を封入し、400〜500℃の高温下、約200気圧(約20MPa)の高圧下で、アンモニアを製造する方法であり、一般にバッチ式で行われている。
さらに近年、鉄系の3元系触媒に代えて、ルテニウム(Ru)系の触媒を使用し、前記したよりも温度、圧力を下げてアンモニアを製造する技術が提案されている。(特許文献1、非特許文献1参照)
特開2000−247632号公報(段落0004〜0005、第1図) NKKグループアラカルト、"オンサイト設置式小型アンモニア製造装置"、エヌケーケー総合設計(株)、[online]、[平成15年7月2日検索]、インターネット<URL:http://www.jfe-holdings.co.jp/archives/nkk#360/No.47/group.html>
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、ルテニウム(Ru)系の触媒が担持した、水素を透過させる水素透過膜の強度が低いため、アンモニアの製造中の圧力変化によって、水素透過膜が変形し、水素透過膜が膨らんだり、破けたりしてしまい、アンモニアを連続的に製造できないという問題があった。
特に、アンモニア合成量を多くするためには、アンモニア合成触媒の担持量を増やすと共に、水素透過膜を薄くすることで水素の透過速度を上げる必要がある。また、アンモニア合成効率を向上させるためには、圧力制御が必要となり、アンモニア合成中に圧力変動が生じることを意味する。したがって、水素透過膜が強度不足であることは、非常に大きな問題であった。
また、非特許文献1に記載された技術はバッチ式であるため、連続的にアンモニアを製造できないという問題があった。さらに、水素及び窒素の双方をRu系の触媒で活性の高めてアンモニアを合成するため、温度を350℃程度に高めねばならず、且つ、アンモニアの合成反応は、次の式(1)に示すように、3mol水素と1molの窒素の合わせて4molの原料が2molのアンモニアとなる減容反応あるため、アンモニア製造量を増加させるには圧力を約10気圧(約1MPa)と高めねばならないという問題があった。すなわち、温度、圧力の製造条件が十分に緩和されてないという問題があった。また、未反応の水素(以下、未反応水素という)を回収するために、生成したアンモニアと未反応水素とを分離すべく液化等を行う必要があった。
Figure 0004192061
そこで、本発明は、前記問題を解決すべく、温和な条件でアンモニアを連続的に合成可能にするアンモニア合成反応器及びアンモニア合成システムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として請求項1に係る発明は、水素含有気体と窒素とからアンモニアを合成するアンモニア合成反応器であって、水素が流通する水素流路と窒素が流通する窒素流路とを隔て、且つ、水素が透過可能な水素流路側の水素透過層と、当該水素透過層を透過した水素と窒素との作用を促進させる窒素流路側の触媒と、を有する隔膜と、前記隔膜の耐圧性を補強する耐圧性補強部と、を備えたことを特徴とするアンモニア合成反応器である。
ここで、「水素流路側の水素透過層」とは、水素透過層が最も水素流路側であることに限らない。すなわち、例えば、後記する第4実施形態で説明するように、水素透過層のさらに水素流路側に多孔質支持体が形成されていても、水素供給路に供給された水素が、多孔質支持体の連続空孔に侵入し、水素が水素透過層に到達可能である場合を含む。
このことは、「窒素流路側の触媒」についても同様であり、触媒が最も窒素流路側であることに限らない。
まず、触媒を利用して、水素と窒素とからアンモニア合成する場合の合成素反応式を、次の式(2)から式(6)に示す。式(2)から式(6)において、「site」は、触媒上の吸着活性点を示す。また、「(a)」は、その元素が触媒上に吸着(adsorption)していることを示し、例えば「H(a)」はHが触媒上(気体と固体(触媒)との界面)に存在していることを表す。
2+2sites→2H(a) …(2)
2+2sites→2N(a) …(3)
N(a)+H(a)→NH(a)+site …(4)
NH(a)+H(a)→NH2(a)+site …(5)
NH2(a)+H(a)→NH3+2sites …(6)
このようなアンモニア合成反応器によれば、水素流路に供給された水素含有気体中の水素分子(H2)は、水素透過層に吸着して吸着水素分子(H2(a))となる。吸着水素分子(H2(a))は、解離して吸着水素原子(2H(a))となる(式(2)参照)。吸着水素原子(H(a))は、次の式(7)に示すように、活性の高いプロチウムと呼ばれる原子状水素(H)となる。そして、この原子状水素(H)が、水素透過層内部に固溶、拡散して、水素透過層中を窒素流路側の触媒に向かって移動する。
H(a)→H …(7)
一方、窒素流路に供給された窒素分子(N2)は、触媒に吸着して吸着窒素分子(N2(a))となる。吸着窒素分子(N2(a))は、解離して活性の高い吸着窒素原子(2N(a))となる(式(3)参照)。
窒素流路側の触媒に到達した原子状水素(H)は、式(8)に示すように、吸着水素原子(H(a))となる。そして、この吸着水素原子(H(a))と吸着窒素原子(N(a))とが、式(4)から式(6)に示すように、逐次結合(作用)してアンモニアが合成される。
H→H(a) …(8)
ここで、一般に、触媒を使用した化学反応では、触媒上での反応が律速反応となる。すなわち、請求項1に係るアンモニア合成反応器によれば、水素分子(H2)は水素透過層で原子状水素(H)に、窒素分子(N2)は触媒で吸着窒素原子(N(a))に、それぞれ別々に活性の高い状態となる。つまり、従来のアンモニア合成では、式(2)から式(6)の反応は、同一種の触媒上で行われていたが、請求項1に係るアンモニア合成反応器によれば、式(2)の反応は、水素流路側の水素透過層上で行われることとなる。したがって、式(2)の反応に必要なエネルギーの分だけ触媒にかかる負荷を下げることができて、温和な条件で、アンモニアを合成することができる。
また、水素分子(H2)が、水素透過層上で吸着・解離することとなり、触媒上では吸着・解離しない。すなわち、触媒上の吸着活性点の利用効率が向上して触媒の負荷が低下するため、高効率でアンモニアを合成することができる。つまり、従来の触媒上では、水素分子(H2)と窒素分子(N2)の両方が吸着・解離しているが、請求項1に係るアンモニア合成反応器によれば、触媒上では窒素分子(N2)のみを吸着・解離するのみでよい。因みに、水素分子(H2)の解離エネルギーは456kJ/mol、窒素分子(N2)の解離エネルギーは942kJ/molである。これら水素、窒素の安定分子の解離がこのアンモニア合成反応の条件緩和をはかる上で重要である。
また、水素透過層は層状であり、水素を選択的に透過するため、水素流路側から窒素流路側に、水素以外の物質が供給されることはない。すなわち、水素流路側から窒素流路側に、例えば、水、二酸化炭素等、触媒活性を低下させる不純物が混入することはない。
すなわち、水素流路に水素を供給するには、水素を発生させなければならず、一般に、水素を発生させる手段として、燃料改質や水の電気分解が知られている。
燃料改質の場合は、水素の他に水蒸気や二酸化炭素が発生し、これらが水素に混入してしまう。また、水の電気分解の場合も水蒸気が発生し、水素に混入してしまう。これら水蒸気や二酸化炭素の除去には、大掛かり且つエネルギーを要する除去装置を必要とするが、請求項1に係るアンモニア合成反応器によれば、窒素流路に供給される窒素のみの純度、すなわち、窒素流路に供給される窒素中の触媒被毒物質を管理するだけでよい。
また、請求項1に係るアンモニア合成反応器は、耐圧性補強部を備えたことにより、アンモニアの合成中に、水素流路及び窒素流路の圧力が変化させても、隔膜が膨らんだり、破けたりせずに、アンモニアを連続的に合成することができる。
さらに、従来のアンモニア合成反応は、前記した式(1)に示すように、減容反応であるため、加圧下での反応が有利であったが、請求項1に係るアンモニア合成反応器によるアンモニアの合成反応は、式(4)から式(6)に示すように、水素が気体分子としてではなく、吸着水素原子(H(a))として触媒上に供給される機構であり、式(4)から式(6)をまとめると、次の式(9)の様に示される。式(9)によれば、窒素流路側で起こる反応は、増容反応であると考えられる。したがって、低圧であっても、十分な反応効率でアンモニアを合成することができる。すなわち、通常の触媒によるアンモニア合成反応と異なり、減圧条件において反応が有利になる。
N(a)+3H(a)→NH3 …(9)
したがって、請求項1に係るアンモニア合成反応器に、水素を含有する水素含有気体、窒素を、アンモニア合成反応器に連続的に供給することにより、温和な条件でアンモニアを連続的に合成することができる。
請求項2に係る発明は、前記隔膜は、シート状であって、当該隔膜を少なくとも2個有すると共に、当該少なくとも2個の隔膜は所定間隔を隔て、且つ、隣り合う隔膜は、水素透過層同士、または、触媒同士が対向して配置されたことを特徴とする請求項1に記載のアンモニア合成反応器である。
このようなアンモニア合成反応器によれば、少なくとも2個の隔膜のうち、隣り合う隔膜が水素透過層同士を対向するように配置された場合には、その隔膜間を水素流路とし、隣り合う隔膜の外側を窒素流路とする。したがって、隔膜間の水素流路を共有することが可能となり、2個の隔膜が同一の向きで配置された場合と比して、アンモニア合成反応器を薄くすることができる。
一方、少なくとも2個の隔膜のうち、隣り合う隔膜の触媒同士が対向するように配置された場合には、その隔膜間を窒素流路とし、隣り合う隔膜の外側を水素流路とする。したがって、隔膜間の窒素流路を共有可能となり、アンモニア合成反応器を薄くすることができる。
請求項3に係る発明は、前記隔膜を4以上の偶数個有すると共に、最外側の隔膜の水素透過層が外側を向くように配置されたことを特徴とする請求項2に記載のアンモニア合成反応器である。
このようなアンモニア合成反応器によれば、触媒が対向して配置された隔膜間が窒素流路となり、窒素流路を2以上有する。そして、この2以上の窒素流路は隔膜を介して水素流路に挟まれることになる。また、各窒素流路について、窒素流路の体積とその両側の触媒面積との比率は同一となる。ここで、アンモニアの合成量は、触媒面積に依存する。さらに、アンモニアが生成すると、平衡はアンモニアが合成されない方、すなわち、式(9)において左に移動する。
したがって、このようなアンモニア合成反応器によれば、各窒素流路でのアンモニアの反応効率は同一となり、各窒素流路を一括して容易に制御可能となる。よって、各窒素流路を一括して制御する1つの制御装置を設けることが可能となり、システムの複雑さを防止できると共に、コストを抑えることができる。
すなわち、アンモニア合成反応器が、水素流路の数が窒素流路の数より1つ多く水素流路と窒素流路を併せて奇数有し且つ窒素流路を水素流路で挟むようにした場合、または、水素流路と窒素流路を併せた数が偶数の場合は、窒素流路体積と触媒面積の比率が異なる窒素流路が存在する。そして、他の窒素流路と異なる反応効率である一部の窒素流路のために、個別に制御装置を設けて制御することは、システムの複雑さやコストの上昇を招き好ましくなく、触媒性能を最大限且つ有効に使用できないことを意味する。
しかしながら、請求項3に係るアンモニア反応器によれば、触媒性能を最大限且つ有効に使用することができる。
請求項4に係る発明は、前記隔膜は、中空部を有する中空糸状の中空糸隔膜であって、
当該中空糸隔膜が複数束ねられた中空糸隔膜束を備えたことを特徴とする請求項1に記載のアンモニア合成反応器である。
このようなアンモニア合成反応器によれば、隔膜が中空糸状であることにより、アンモニア合成反応器の単位体積当りの膜面積が増大するため、高効率で水素と窒素を結合(作用)させてアンモニアを合成することができる。
また、このような中空糸を利用した膜反応器の場合、触媒を中空糸隔膜の内側に担持することは困難となる。さらに、中空糸隔膜が、水素透過膜(Pd膜など)のみであると強度不足が生じる。ところが、単に中空糸隔膜の膜厚を大きくすると、水素透過速度が低下して反応効率が低下する。したがって、中空糸隔膜は、アルミナ(酸化アルミニウム、Al23)等の中空糸形状の強化層(耐圧性補強部)の外側に、水素透過膜層を設け、さらにその外側に触媒(触媒層)を有する構造とするが好ましい。
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のアンモニア合成反応器と、当該アンモニア合成反応器から排出された未反応の水素を、前記アンモニア合成反応器に水素を供給する水素供給部に戻す配管と、を備えたことを特徴とするアンモニア合成システムである。
このようなアンモニア合成システムによれば、未反応の水素を循環させることにより、再び利用して原料を無駄にすることなく高効率でアンモニアを合成することができる。
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のアンモニア合成反応器と、当該アンモニア合成反応器から排出された、アンモニア及び未反応の窒素の流量を調整する流量調整手段と、を備えたことを特徴とするアンモニア合成システムである。
このようなアンモニア合成システムによれば、流量調節手段により、アンモニア合成反応器の窒素流路内の窒素、アンモニアの滞留圧を調整することができる。
したがって、窒素及びアンモニアの滞留圧を所定圧に調整することで、活性水素が過剰に透過して触媒表面に付着し触媒活性を失わず(触媒の表面に水素が付着して触媒活性が失われることは「水素被毒」といわれる)に、また、生成したアンモニアを触媒から脱離させることで、触媒性能を十分に発揮させて、連続的且つ効率的にアンモニアを合成することができる。
本発明によれば、温和な条件でアンモニアを連続的に合成可能にするアンモニア合成反応器及びアンモニア合成システムを提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態に係るアンモニア合成セル(アンモニア合成反応器)について、図1から図4を参照して説明する。
参照する図面において、図1(a)は、第1実施形態に係るアンモニア合成セルの全体斜視図である。図1(b)は、積層状況を拡大して示す図である。図2は、第1実施形態に係るアンモニア合成セルの分解斜視図である。図3は、図1に示すアンモニア合成セルのX−X断面図である。図4は、第1実施形態に係るアンモニア合成セルによるアンモニアの合成状況を模式的に示す図である。
なお、説明の都合上、図1に示すように、長さ方向、幅方向及び厚さ方向、並びに上流及び下流を設定する。また、第1実施形態に係るアンモニア合成セル1は、例えば、後記する第5実施形態に係るアンモニア合成システム100(図11参照)に組み込まれて使用されるものである。
図1、図2に示すように、第1実施形態に係るアンモニア合成セル1は、肉厚で板状の上流路部材11と、同じく肉厚で板状の下流路部材12と、ガスケット9、9と、シート状の隔膜5と、メッシュ7(耐圧性補強部)から構成されている。そして、アンモニア合成セル1は、隔膜5の下面にメッシュ7を重ね、その上下からガスケット9、9を介して、上流路部材11と下流路部材12で挟持することにより組み立てられている。また、このような挟持状態は、例えばボルト及びナット(図示しない)で保持されている。
上流路部材11の下面側には凹部11aが形成されており(図3参照)、この凹部11aが水素(H2)の流通する水素流路となる。さらに上流路部材11には、凹部11aに連通し、水素が導入される導入口11bと、未反応の水素が排出される排出口11cが設けられている。このような上流路部材11は、耐腐食性、耐圧性を考慮して、例えばステンレス(SUS316)等から形成される。
上流路部材11と同様に、下流路部材12の上面側には凹部12aが形成されており、この凹部12aが窒素(N2)の流通する窒素流路となる。さらに下流路部材12には、凹部12aに連通し、窒素が導入される導入口12bと、未反応の窒素及び生成したアンモニア(NH3)が排出される排出口12cが設けられている。
したがって、アンモニア合成セル1は、組み立てられた状態で、隔膜5で隔てられた、水素流路(凹部11a)と窒素流路(凹部12a)を有している。
隔膜5は、第1実施形態では、窒素流通側の表面に触媒層5bを有する水素透過膜5aであり、この水素透過膜5aが水素透過層としての役割を果たす。
水素透過膜5aは、前記した式(2)に示すように、水素分子(H2)を表面に吸着させた後(H(a))、さらに前記した式(7)に示すように、プロチウムと呼ばれる活性の高い原子状水素(H)に分解し拡散する機能を有する(後記式(10)、図4参照)。
また、水素透過膜5aは、水素を含む混合ガスが水素流路に供給されても、水素のみを選択的に分解する機能を有する。したがって、水素流路側から窒素流路側に、水素透過膜5aを通過して、水素以外の物質が供給されることはない。
2→2H(a)→2H …(10)
このような水素透過膜5aとしては、パラジウム(Pd)と銀(Ag)の合金からなるパラジウム−銀膜(Pd−Ag膜)、パラジウム(Pd)と銅(Cu)の合金からなるパラジウム−銅膜(Pd−Cu膜)等の合金膜を使用することができる。
この他、水素透過膜5aとしては、パラジウム(Pd)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)からなる群から選択された金属からなる金属膜や、ニオブ(Nb)またはタンタル(Ta)からなる金属膜にパラジウム(Pd)をコーティングした金属膜や、アルミナ(Al23)、シリカ(SiO2)、チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)等のベース金属酸化物多孔体膜にパラジウム(Pd)を担持した金属酸化物多孔体膜を使用することができる。
また、パラジウム−銀膜(Pd−Ag膜)等の水素透過膜5aは、水素の透過量を高めるため薄い方が好ましい。
触媒層5bは、水素透過膜5aの下面側(窒素流路側)に薄層状(薄膜)で形成されている。触媒層5bは、多孔質支持体とこの多孔質支持体に担持した触媒とから形成される。この触媒は、前記した式(3)に示すように、窒素分子(N2)から吸着窒素分子(N2(a))から吸着窒素原子(2N(a))に分解すると共に(後記式(11)参照)、前記した式(4)から式(6)及び式(8)に示すように、吸着窒素原子(N(a))と水素透過膜5aを透過した原子状水素(H)が触媒に吸着した吸着水素原子(H(a))とを所定比で結合(作用)させて、アンモニア(NH3)の生成(合成)を促進させる(図4参照)。
2→N2(a)→2N(a) …(11)
このような触媒層5bの触媒を構成する活性物質としては、例えば、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、ウラン(U)、セリウム(Ce)、レニウム(Re)等、周期律表の3A〜7A族と8族の一部の元素が高い活性を示し、使用可能である。そして、これらの合金や混合物等が触媒として使用可能である。
また、触媒層5bの多孔質支持体としては、マグネシア(MgO)、アルミナ(Al23)、セリア(CeO2)、シリカ(SiO2)、活性炭、またはこれらの化合物等が使用可能である。
さらに、触媒層5bの作製方法について説明すると、例えば、活性物質としてルテニウム(Ru)、多孔質担体としてマグネシア(MgO)を選択した場合は、触媒となるルテニウム化合物とマグネシア(MgO)を所定配合で混合してスラリを調製し、このスラリを前記した水素透過膜5aの片面に所定量塗布し、所定温度で焼成(乾燥)することにより、作製することができる。
さらにまた、触媒層5bの多孔質支持体は、マグネシア(MgO)、アルミナ(Al23)等を複数混合して形成してもよい。また、カリウム(K)、セシウム(Cs)等の化合物を添加して、触媒活性を高めてもよい。
メッシュ7(耐圧性補強部)は、水素流路側と窒素流路側の圧力バランスが変化しても、隔膜5の膨れ、破れ等を防止する役割を果たす。また、水素の透過量を増加させるべく、水素流路側の圧力を窒素流路側より高く設定するため、隔膜5の窒素流路側のみに、すなわち隔膜5の下側のみにメッシュ7を設けている。よって、窒素流路側の圧力が相対的に低くなっても、隔膜5はメッシュ7に支持されるため、隔膜5が膨れたり、破れたりすることはない。ただし、メッシュ7を、隔膜5の水路流路側に、さらに設けてもよい。
また、メッシュ7は、気体分子よりも十分に大きい網目状であるため、気体である窒素は、抵抗を受けずにメッシュ7を容易に通過して触媒層5bに到達可能である。また、触媒層5bの触媒で生成したアンモニアも気体であるため、メッシュを容易に通過可能である。
さらに、メッシュ7は、第1実施形態では、耐腐食性と耐熱性を考慮してステンレス製(SUS316)としている。
ガスケット9は、上流路部材11、下流路部材12と、隔膜5との密着性を高め、水素、窒素及び生成したアンモニアが、アンモニア合成セル1の外部に漏れないようにする役割を果たす。第1実施形態では、耐圧性、耐腐食性、耐熱性を考慮して、ガスケット9はカーボン製としている。ただし、ガスケット9はカーボン製に限らず、その他銅(Cu)製であってもよいし、温度によってはテトラフルオロエチレン製等であってもよい。
このように第1実施形態に係るアンモニア合成セル1は、簡易な構成であるため容易に作製可能である。また、アンモニア合成セル1の大きさは、アンモニアの合成量、設置場所、用途等に応じて、自由に変更してよい。
例えば、隔膜5の有効面積を増加させるために、アンモニア合成セル1を長さ方向、幅方向に大きくしてもよい。また、このようにアンモニア合成セル1を大きくした場合は、水素、窒素が、隔膜5に好適に接触するように、導入口11b、12bを適宜増加してもよい。さらに、凹部11a(水素流路)、凹部12a(窒素流路)内で、水素、窒素が好適に水素透過膜5a、触媒層5bにそれぞれ接触するように、例えば、凹部11a、12内にリブ等の突起を形成したり、導入口11b、12bの向きを変更し、水素、窒素が層流ではなく、乱流で流通するようにしてもよい。
続いて、第1実施形態に係るアンモニア合成セル1の動作と共に、アンモニア合成方法について説明する。
図1、図3に示すように、導入口11bから水素(水素含有気体)を、導入口12bから窒素を、それぞれ連続的に供給する。
そうすると、図4に示すように、水素流路側では、水素分子(H2)が、水素透過膜5aに吸着し解離することで、吸着水素(H(a))となり、さらに水素透過膜5a内に原子状水素(H)の形で取り込まれる。原子状水素(H)は、濃度勾配を駆動力として、水素透過膜5a中を触媒層5b側に移動する(式(2)、式(10)参照)。
一方、窒素流路側では、分子状の窒素分子(N2)が、触媒層5bの触媒に吸着し(N2(a))、さらに吸着窒素原子(2N(a))に分解される(式(3)、式(11)参照)。
このように、水素は水素透過膜5aで、窒素は触媒層5bの触媒で、それぞれ独立して活性状態となるため、従来のアンモニア合成方法における製造条件に対し、温和な条件(例えば、常圧(約0.1MPa)、300℃以下)でアンモニアを合成可能となる。
そして、水素透過膜5a中を移動してきた原子状水素(H)が、触媒層5bの触媒に到達すると吸着水素原子(H(a))となる(式(8)参照)。この吸着水素原子(H(a))3個と、1個の吸着窒素原子(N(a))とが逐次結合してアンモニア(NH3)が生成する(式(4)〜式(6)参照)。生成したアンモニアは、触媒から脱離した後、連続的に供給される窒素により、窒素流路の下流側に移動する。
また、式(4)から式(6)に示すように、アンモニアの脱離により発生した触媒の触媒活性点(site)には、後から供給された窒素分子(N2)が逐次吸着し、吸着窒素原子(N(a))に分解される。
このように連続的に窒素が供給されることで、触媒層5bの触媒には窒素が付着する確率が高くなり、触媒に水素が付着して触媒活性が低下する水素被毒が発生しにくくなっている。
生成したアンモニアは、窒素流路の下流側に移動した後、排出口12cから、アンモニア合成セル1の外部に、未反応の窒素とアンモニアの混合ガスとして排出される。
そして、排出口12cから排出された混合ガスについて、後記する第5実施形態で説明する方法、またはその他の空気分離方法等により、未反応の窒素と生成したアンモニアを分離することにより、アンモニアを回収する。
このようにして、第1実施形態に係るアンモニア合成セル1によれば、連続的に水素、窒素を供給することで、温和な条件でアンモニアを連続的に合成(製造)することができる。
また、アンモニア合成セル1に、水素と窒素を、順フローでつまり同一の向きで供給することにより、アンモニア合成セル1内において、水素、窒素及び生成したアンモニアは、上流側で高くなる濃度勾配となるため、効率的にアンモニアを合成することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るアンモニア合成セル(アンモニア合成反応器)について、図5から図7を適宜参照して説明する。
参照する図面において、図5(a)は、第2実施形態に係るアンモニア合成セルの全体斜視図である。図5(b)は、積層状況を拡大して示す図である。図6は、第2実施形態に係るアンモニア合成セルの分解斜視図である。図7は、図5に示すアンモニア合成セルのY−Y断面図である。
図5、図7に示すように、第2実施形態に係るアンモニア合成セル20は、水素流路と窒素流路を1個ずつ有する第1実施形態に係るアンモニア合成セル1に対し、上下段の水素流路と、中段の窒素流路を合わせて3段で有しており、中段の窒素流路を共有したことを特徴とする。そして、2つの水素流路、1つの窒素流路を隔てるために、2枚の隔膜5、5を備えている。
図5、図6に示すように、アンモニア合成セル20は、中段に窒素流路を設けるために、上流路部材11と下流路部材12のスペーサとなる中流路部材13を有している。そして、アンモニア合成セル20は、中流路部材13を中央として、その上側に向かってガスケット9、メッシュ7、隔膜5、ガスケット9、上流路部材11の順番で、一方、下側には、ガスケット9、メッシュ7、隔膜5、ガスケット9、下流路部材12の順番で積層した構造であり、最外側の上流路部材11と下流路部材12とで挟持したことにより組み立てられている。
中流路部材13は、中空部13aを有する枠体であり、中空部13aは窒素が流通する窒素流路となる(図7参照)。また、中流路部材13には、中空部13aに連通する導入口13b、排出口13cが設けられている。
なお、上流路部材11、下流路部材12、隔膜5、メッシュ7、ガスケット9は、第1実施形態と同様である。ただし、第2実施形態では、下流路部材12の凹部12aは水素流路となる。また、窒素流路(中空部13a)を介して隣り合う隔膜5、5は、その触媒層5a、5a同士が対向する向きで配置されている。さらに、メッシュ7、7は、隔膜5、5のさらに窒素流路側に配置されている。
このように第2実施形態に係るアンモニア合成セル20は、第1実施形態に係るアンモニア合成セル1に、さらに、中流路部材13、隔膜5、メッシュ7、及び2つのガスケット9を追加するのみで容易に構成することができる。
また、このように水素流路と窒素流路を合わせて3段とし、触媒層5b、5bが窒素流路側となるように配置して窒素流路を共有することにより、第1実施形態に係るアンモニア合成セル1を同一の向きで積層した場合に比して、アンモニア合成セル20を薄くすることができる。
続いて、第2実施形態に係るアンモニア合成セル20の動作と共に、アンモニア合成方法について説明する。
図5に示すように、上下段の導入口11b、12bに水素を供給し、中段の導入口13bに窒素を供給する。
そうすると、アンモニア合成セル20の上段では、図7に示すように、第1実施形態と同様、水素分子(H2)が水素透過膜5aに吸着して吸着水素分子(H2(a))となり、さらに解離して吸着水素原子(H(a))となり、さらに原子状水素(H)まで分解されて水素透過膜5aに取り込まれる。この原子状水素(H)は、水素透過膜5a中を中段側に移動する。
下段でも上段と同様に、水素分子(H2)が、水素透過膜5aに吸着し解離して吸着水素原子(H(a))になり、さらに原子状水素(H)まで分解されて水素透過膜5aに取り込まれる。この原子状水素(H)は、水素透過膜5a中を中段側に移動する。
一方、中段では、供給された分子状の窒素(N2)が、窒素流路の上下の触媒層5b、5bにそれぞれ吸着して吸着窒素分子(N2(a))となり、さらに解離して吸着窒素原子(N(a))となる。
そして、第1実施形態と同様に、吸着窒素原子(N(a))は、原子状水素(H)が触媒層5bの触媒に到達してなる吸着水素原子(H(a))と所定比で結合し、アンモニア(NH3)が生成(合成)される。ここで、第2実施形態では、2枚の隔膜5、5を使用しているので、2つの触媒層5b、5bから、アンモニアが生成することになる。
したがって、窒素流路の圧力を適宜調整して、第1実施形態に対し2倍の窒素を供給することで、約2倍の速度でアンモニアを合成することができる。
このように、第2実施形態に係るアンモニア合成セル20によれば、窒素流路を共有したため、第1実施形態に係るアンモニア合成セルに比して約1.5倍の厚さであるにも関わらず、約2倍のアンモニアを合成することができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係るアンモニア合成セルについて、図8を参照して説明する。図8は、第3実施形態に係るアンモニア合成セルの側断面図である。
図8に示すように、第3実施形態に係るアンモニア合成セル21(アンモニア合成反応器)は、3つの水素流路と2つの窒素流路を合わせて5段で有し、水素流路と窒素流路が交互に配置されたことを特徴とする。
アンモニア合成セル21は、第2実施形態に係るアンモニア合成セル20(図5参照)に、さらに、スペーサとなる2個の中流路部材14、15と、2枚の隔膜5、5と、2枚のメッシュ7、7と、4枚のガスケット9、9、9、9を追加するのみで容易に構成することができる。
また、アンモニア合成セル21における水素流路及び窒素流路の配置は、上方から下方に向かって、水素流路(凹部11a)、窒素流路(中空部13a)、水素流路(中空部14a)、窒素流路(中空部15a)、水素流路(凹部12a)の順番で配置されている。
そして、合計4枚の隔膜5、5、5、5は、各隔膜5の触媒層5bが窒素流路側となる向きで配置されている。すなわち、第3実施形態では、触媒層5b、5b同士が対向する2枚の隔膜5を1組とすると、2組有していることとなる。
また、アンモニア合成セル21の上から3段目では、水素透過膜5a、5aが水素流路(中空部14a)を介し対向して配置されており、その間の水素流路(中空部14a)を共有している。
すなわち、アンモニア合成セル21は、シート状の隔膜5を4枚有しており、最上下(最外側)の隔膜5は、その水素透過膜5aが上側または下側(外側)を向くように配置されている。
したがって、2段目の窒素流路(中空部13a)は上下の隔膜5、5を介して1段目と3段目の水素流路(凹部11a、中空部14a)に挟まれており、4段目の窒素流路(中空部15a)は上下の隔膜5、5を介して3段目と5段目の水素流路(中空部14a、凹部12a)に挟まれている。したがって、2段目の窒素流路(中空部13a)と4段目の窒素流路(中空部15a)について、各窒素流路の体積とその両側の触媒面積との比率が同一となる。すなわち、2段目、4段目の窒素流路の反応効率は同一となる。よって、2段面、4段目の窒素流路の下流側に、例えばマニホールド(集合管)を設けて、2段目、4段目の窒素流路(中空部13a、中空部15a)を一括して圧力等を制御することが可能となる。
さらに、このような多段型のアンモニア合成セル21の上流側、下流側に、マニホールド(集合管)をそれぞれ設けることにより、上流側では水素、窒素をそれぞれ効率的に供給し、下流側ではアンモニアを効率的に回収可能となる。
続いて、第3実施形態に係るアンモニア合成セル21の動作について説明する。
図8に示すように、導入口11b、14b、12bに水素を、導入口13b、15bに窒素を供給すると、2つの窒素流路側でアンモニアが生成した後、生成したアンモニアは未反応の窒素と、排出口13c、15cから排出される。
一方、未反応の水素は、排出口11c、14c、12cから排出される。
このように第3実施形態に係るアンモニア合成セル21は、アンモニアの必要量に応じて多段で容易に構成し、所望量のアンモニアを合成することができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係るアンモニア合成モジュール(アンモニア合成反応器)について、図9、図10を参照して説明する。
参照する図面において、図9は、第4実施形態に係るアンモニア合成モジュールを模式的に示す側断面図である。図10は、第4実施形態に係るアンモニア合成モジュールの中空糸隔膜束の中空糸1本の断面構造を示す図である。
図9に示すように、アンモニア合成モジュール30は、第1から第3実施形態に係る板状の隔膜5に代えて、中空部36a1を有する中空糸状の中空糸隔膜36(図10参照)が複数束ねられた中空糸隔膜束35を備えたことを特徴とする。なお、中空部36a1が、水素の流通する水素流路となる。
アンモニア合成モジュール30は、中空糸隔膜束35と、これを収容したケース31と、中空糸膜束をケースに封止する封止部39、39を主要部として構成されている。
ケース31(流路部材)は、略円筒状のケース本体32と、ケース本体32の両端側に蓋をするキャップ33、34とから構成されている。
ケース本体32には、窒素が導入される導入口32aと、未反応の窒素と生成したアンモニアが排出される排出口32bが形成されている。そして、ケース本体32にケース本体中空部32cがあって中空糸隔膜束35の外側が、窒素が流通する窒素流路となる。
したがって、第4実施形態では、水素流路と窒素流路が、複数の中空糸隔膜36で隔てられていることになる。
一方、キャップ33には、水素が導入される導入口33aが形成されており、キャップ34には未反応の水素が排出される排出口34aが形成されている。
中空糸隔膜束35は、その両端部が接着剤等が硬化してなる封止部39、39で、ケース本体32に固定されている。
次に、中空糸隔膜束35の中空糸隔膜36について、さらに説明する。
図10に示すように、中空糸隔膜36は、内側から外側に向かって、中空部36a1を有する中空糸多孔質支持体36aと、その外周面に薄層状(薄膜状)で形成された水素透過層36bと、さらにその外側に薄層状で形成された触媒層36cを有している。
中空糸多孔質支持体36aは、その内部に連続した空孔(以下、これを「連続空孔」という)を有する多孔質が、中空部36a1(水素流路)を有する中空糸状に成形された支持体である。したがって、中空部36a1に供給された水素は、中空糸多孔質支持体36a内部の連続空孔に容易に侵入し、水素透過層36bに容易に到達可能となっている。
このような中空糸多孔質支持体36aは、例えばアルミナ(Al23)等から形成される。さらに具体的に説明すると、アルミナ(Al23)とバインダーを混合したスラリーを成形、焼成することで中空糸多孔質支持体となる。さらに、この中空糸多孔質支持体について、前記スラリーのコーティングと焼成を、繰り返し行うことで、中空部36aの径を制御した中空糸多孔質支持体36aを得ることができる。また、このようにアルミナ(Al23)から形成された中空糸多孔質支持体36aは、多孔質アルミナ中空体等と呼ばれることもある。
さらに、アルミナ(Al23)等から形成された中空糸多孔質支持体36aは、寸法安定性が高く、高い耐圧性を有し、耐圧性補強部としての役割を果たす。
水素透過層36bは、第1実施形態に係る水素透過膜5aと同様の材料から形成されている。そして、水素透過層36bは、第1実施形態と同様に、選択的に水素分子(H2)を、原子状水素(H)に分解する機能を有する。
このような水素透過層36bは、中空糸多孔質支持体36aの外周面を、例えば、パラジウム(Pd)と銀(Ag)の化合物でコーティングすることで形成することができる。
触媒層36cは、第1実施形態に係る触媒層5bと同様の材料から形成されている。そして、触媒層36cの触媒は、第1実施形態と同様に、窒素分子(N2)を原子状の吸着窒素原子(N(a))に分解するとともに、アンモニアの合成を促進させる機能を有する。
このような触媒層36bは、前記した水素透過層の外周面に、所定材料のスラリを塗布、焼成することで、水素透過層36bの外側に薄層状で形成することができる。
このように第4実施形態では、水素流路と窒素流路を隔てる隔膜を、中空糸状の中空糸隔膜36としたことにより、膜面積が増加する。したがって、水素と窒素からアンモニアを高効率で合成することができる。
さらに、このような中空糸隔膜36の束である中空糸隔膜束35を備えたアンモニア合成モジュール30によれば、第1から第3実施形態に係るアンモニア合成セル1、20、21に比して、飛躍的な高効率で、アンモニアを合成可能となる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態に係るアンモニア合成システムについて、図11を参照して説明する。図11は、第5実施形態に係るアンモニア合成システムの全体構成図である。
図11に示すように、アンモニア合成システム100は、中流位置の第1実施形態に係るアンモニア合成セル1と、この上流側で、アンモニア合成セル1に水素を供給する水素供給部50と、窒素を供給する窒素供給部60と、下流側で、アンモニア合成セル1から排出された未反応の水素が流通する水素排出部70と、未反応の窒素と生成したアンモニアが流通する窒素・アンモニア排出部80を主要部として構成されている。
なお、第5実施形態に係るアンモニア合成システム100は、第1実施形態に係るアンモニア合成セル1を備えて構成したが、アンモニア合成セル1に代えて、第2実施形態から第4実施形態で説明したアンモニア合成セル20、21、アンモニア合成モジュール30、またはこれらを適宜変形したアンモニア合成セル、アンモニア合成モジュール、アンモニア合成反応器を備えて構成してもよいことは、言うまでもない。
第5実施形態では、アンモニア合成セル1には、水素流路(凹部11a、図1参照)に熱電対等の温度センサ92と、窒素流路(凹部12a、図1参照)に温度センサ93が設けられている。そして、温度センサ92、93はモニタ等の表示手段(図示しない)に接続しており、流通する水素、窒素の温度が監視可能となっている。
さらに、アンモニア合成セル1の近傍には、電熱ヒータ91、91(加熱手段)が設けられている。そして、この電熱ヒータ91、91により、アンモニア合成セル1の触媒層5b(図1等参照)に含まれる触媒を加熱して、触媒活性を高めることが可能となっている。
水素供給部50は、水素供給源(図示しない)を備えており、この水素供給源(図示しない)は、配管51を介して、アンモニア合成セル1の水素流路側の導入口11b(図1参照)に連通している。配管51の途中位置には、水素供給源(図示しない)から下流に向かって、水素濃度計53、流量計52、圧力計54が設けられている。
また、水素供給部50に、ドライヤー、オイルフィルタ、レギュレータ等を設け、水素の状態を好適に調整することが好ましい。
水素供給源(図示しない)としては、本発明では特に限定されず、例えば水素が貯蔵された水素タンクを使用してもよいし、その他には、燃料電池(FC:Fuel Cell)の燃料極側から排出される未反応の水素(オフガスと呼ばれる)を使用してもよい。特に、固体酸化物型燃料電池(SOFC)ではオフガス温度が高いため、電熱ヒータ91、91の負荷を軽減でき、エネルギーを節約できるので好ましい。また、水の電気分解により製造された水素等も利用できる。
窒素供給部60は、窒素供給源(図示しない)を備えており、配管61を介して、アンモニア合成セル1の窒素流路側の導入口12b(図1参照)に連通している。配管61の途中位置には、窒素供給源(図示しない)から下流に向かって、流量計62、圧力計63が設けられている。
窒素供給源(図示しない)としては、本発明では特に限定されないが、窒素が貯蔵された窒素タンクの他、例えば空気から窒素を分離させる膜分離装置や、圧力スイング吸着装置(PSA)等であってもよい。なお、後記するように、生成したアンモニアは未反応の窒素とアンモニア合成セル1内で混合されてしまうので、窒素とアンモニアを分離するためには、供給する窒素の純度は高い方が好ましい。また、触媒層5b(図4参照)に、窒素の接触する確率が、アンモニアの生成速度を左右するため、窒素の体積効率を高くする意味でも、窒素の純度は高い方が好ましい。
さらに、配管51と配管61は、流量計52の下流側、流量計62の上流側で、配管65、バルブ68を介して連通している。配管65の中間位置には、流量計69が設けられている。したがって、流量計69を監視しつつ、バルブ68を適宜開放し窒素を水素流路側に侵入させることにより、アンモニア合成セル1の上流側で、水素流路側の水素分圧を制御可能となっている。すなわち、触媒の活性状態に応じて水素分圧を制御することで、アンモニア合成セル1における窒素流路側への水素透過量を適宜変化させることができ、触媒の水素被毒を抑止して、最適な運転状態を保持可能となっている。ここで、第1実施形態で説明したように、アンモニア合成セル1の隔膜5は、選択的に水素を透過させる水素透過膜5aを有しているため、水素流路に窒素が混入しても問題はない。
水素排出部70は、アンモニア合成セル1の水路流路側の排出口11c(図1参照)から下流に向かって、配管71と、流量調整バルブ72(流量調整手段)と、配管73を備えて構成されている。
流量調整バルブ72としては、例えば公知であるニードルバルブを使用可能である。そして、流量調整バルブ72の開閉度を適宜調整することにより、アンモニア合成セル1の水素流路を流通する水素の圧力、さらに詳しく水素の滞留圧を調整し、隔膜5の水素透過膜5aを透過させる水素の量を調整可能となっている。また、流量調整バルブ72は、滞留圧の制御以外にも、後記する配管75を通して一定量の未反応の水素を循環させることにより、水素の消費を少なくするためにも使用される。
また、水素排出部70の配管71は、その途中位置でバルブ74、水素を再利用するための水素再利用配管75を介して、水素供給部50の水素濃度計53の上流側で配管51に連通している。したがって、バルブ76の開閉度を適宜調整することで、アンモニア合成セル1から排出される未反応の水素を、水素供給部50に戻して、水素を再利用可能となっている。
窒素・アンモニア排出部80は、アンモニア合成セル1の窒素流路側の排出口12c(図1参照)から下流に向かって、配管81と、流量調整バルブ82と、配管83を備えて構成されている。
そして、流量調整バルブ82の開閉度を適宜調整することにより、アンモニア合成セル1の窒素流路を流通する窒素及び生成したアンモニアの滞留圧を調整可能となっている。また、流量調整バルブ82は、滞留圧の制御以外にも、得られる未反応の窒素とアンモニアの混合ガス量を調整するためにも使用される。
続いて、第5実施形態に係るアンモニア合成システム100の動作について説明する。
まず、図示しない電源から電熱ヒータ91、91に通電して、アンモニア合成セル1の隔膜5の触媒層5bの触媒を加熱して、触媒活性を高める。なお、水素及び窒素の供給後も、温度センサ92、93で水素、窒素の温度を監視しながら、電熱ヒータ91、91による加熱を継続する。
そして、水素供給源(図示しない)から、水素をアンモニア合成セル1の水素流路に供給する。一方、窒素供給源(図示しない)から、窒素を窒素流路に供給する。
そうすると、アンモニア合成セル1では、第1実施形態で説明したようにアンモニアが合成される。合成されたアンモニアは、未反応の窒素と共に、アンモニア合成セル1の排出口12cから、未反応の窒素を含むアンモニアの形で排出される。窒素・アンモニア排出部80に排出される。一方、未反応の水素は、排出口11cから水素排出部70に排出される。
ここで、水素流路側の流量計52、水素濃度計53及び圧力計54と、窒素流路側の流量計62及び圧力計63を監視しながら、水素透過膜5aを通過する水素量を増加させるため、水素流路側の水素分圧を窒素流路側の水素分圧(基本的にはゼロとなるように制御するが、厳密には微量に水素が存在すると考えられる)より高く設定しつつ、窒素及びアンモニアの滞留圧が所定値となるように、流量調整バルブ72、流量調整バルブ83を制御する。なお、前記したようにアンモニア合成セル1は、隔膜5の窒素流路側に、メッシュ7(耐圧性補強部)を備えているため、隔膜5はメッシュ7で支持されることとなり、隔膜5が破損することなく、継続してアンモニアを合成可能である。
さらに、このような水素流路側、窒素流路側の圧力の制御は、流量計69を監視しながら、バルブ68を開放して、窒素流路側から水素流路側に窒素を供給することにより、水素流路側の水素分圧を変化させてもよい。
また、アンモニア合成セル1によるアンモニアの合成中、窒素流路内の窒素をフロー状態とすることにより、生成したアンモニアは、速やかに排出口12cから排出される。したがって、生成したアンモニアが、触媒層5bの触媒近傍に滞留しアンモニア濃度が上昇し、前記した式(1)における平衡が右に移動して、アンモニアの生成を著しく阻害することない。よって、生成したアンモニアを効率良くアンモニア合成セル1の外部に排出することで、触媒活性が失われず、アンモニアを連続的に合成することができる。
さらに、必要に応じて、バルブ74を開放して、未反応の水素を上流側の水素供給部50に戻して再利用する。よって、原料である水素を効率的に利用して無駄を省くことができる。
窒素・アンモニア排出部80に排出された窒素とアンモニアは、そのまま使用してもよいし、適宜な方法で未反応の窒素とアンモニアを分離してもよい。
このようにして、第5実施形態に係るアンモニア合成システム100によれば、連続的にアンモニアを合成することができる。
また、前記したようにアンモニア合成セル1は、簡易な構造であるため、アンモニア合成システム100をコンパクトに構成し、例えば、車両に搭載することも容易である。
アンモニア合成システム100を車両に搭載した場合は、例えば、ガソリン等の燃料(炭化水素)を改質した水素と、空気の膜分離による窒素とから、アンモニア合成システム100でアンモニアを合成し、さらに窒素から分離した場合には、合成・分離したアンモニアをディーゼルエンジン、リーンバーンエンジン等から排出される排ガスを浄化する、尿素還元型NOX触媒(UREA−SCR:UREA−Slective Catalytic Reducation)のコンバータに供給してもよい。APU目的として、車両に搭載された酸化物型燃料電池(SOFC)の燃料極側から排出される未反応の水素を含む排出ガス(オフガスとも言われる)を使用してアンモニアを合成し、同様にNOX削減に使用してもよい。
その他、アンモニアの連続供給が必要とされる装置に付帯して、または、水素を含むオフガスが排出される装置等に適用してもよい。
以上、本発明の好適な各実施形態について一例を説明したが、本発明は前記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各実施形態で説明した各構成要素を適宜組み合わせてもよいし、その他に例えば以下のような適宜な変更が可能である。
前記した第1実施形態では、耐圧性補強部として、ステンレス製のメッシュを使用したが、本発明はこれに限定されず、その他に例えば、複数の貫通孔が形成された合成樹脂製のプレート等を使用してもよい。
前記した第1実施形態では、触媒は触媒層として、水素透過膜5aの窒素流路側に層状で形成されたとしたが、その他に例えば、層状ではなく、触媒自体が水素透過膜5aの窒素流路側に部分的に担持した構成であってもよい。
前記した第1実施形態では、隔膜5は、水素透過膜5aと、その片面に形成された触媒層5bとから構成されたとしたが、その他に例えば、隔膜5は、水素透過膜5aと、触媒能を有する触媒膜とが、重ねられて(積層して)構成されてもよい。
前記した第2実施形態では、上下段に水素流路、中段に窒素流路として合わせて3段としたが、上下段を窒素流路、中段を水素流路として合わせて3段としてもよい。なお、このように変更した場合は、隔膜5、5の触媒層5b、5bが窒素流路側になるよう上下逆向きとし、さらにメッシュ7、7が窒素流路側となるように変更する。
また、第3実施形態に係るアンモニア合成セル21についても同様である。
前記した第2実施形態では水素流路と窒素流路とで合わせて3段、第3実施形態では5段としたが、さらに、7段、9段、11段…に増加させてもよい。なお、このように増加させた場合は、隔膜5も6枚、8枚、10枚…(4以上の偶数)と対応して増加させる。
前記した各実施形態の他に、例えば、複数のアンモニア合成セル1を、幅方向に列状で、且つ、並列状態で配置してアンモニア合成セルを構成してもよい。
このように複数のアンモニア合成セル1を並列配置した場合は、第3実施形態で説明したように、集合管(マニホールド)を上流側、下流側に設けると共に、アンモニア合成セルの数に対応して適宜なバルブを設け、必要アンモニア量に応じて、稼動させるアンモニア合成セル1を選択可能としてもよい。また、このようにアンモニア合成セルを並列配置した場合は、部分的にアンモニア合成セル1を修繕・修理、隔膜交換することも容易となる。
前記した各実施形態の他に、例えば、第1実施形態に係るアンモニア合成セル1を直列で配置してもよい。このように直列で配置した場合は、窒素とアンモニアの混合ガスの排出側のみに、適宜な窒素・アンモニア分離手段を設けることにより、下流側のアンモニア合成セル1に、生成したアンモニアを供給せず、未反応の窒素のみを供給するとよい。
(a)は第1実施形態に係るアンモニア合成セルの全体斜視図であり、(b)はその積層状況を拡大して示す図である。 第1実施形態に係るアンモニア合成セルの分解斜視図である。 図1に示す第1実施形態に係るアンモニア合成セルのX−X側断面図である。 第1実施形態に係るアンモニア合成セルにおいて、アンモニアの合成状況を模式的に示す図である。 (a)は第2実施形態に係るアンモニア合成セルの全体斜視図であり、(b)はその積層状況を拡大して示す図である。 第2実施形態に係るアンモニア合成セルの分解斜視図である。 図5に示す第2実施形態に係るアンモニア合成セルのY−Y断面図である。 第3実施形態に係るアンモニア合成セルの側断面図である。 第4実施形態に係るアンモニア合成モジュールを模式的に示す断面図である。 図9に示すアンモニア合成モジュールの中空糸隔膜束の中空糸隔膜の1本の断面を示す図である。 第5実施形態に係るアンモニア合成システムの全体構成図である。
符号の説明
1、20、21 アンモニア合成セル(アンモニア合成反応器)
5 隔膜
5a 水素透過膜(水素透過層)
5b、36c 触媒層
7 メッシュ(耐圧性補強部)
11 上流路部材
11a 凹部(水素流路)
12 下流路部材
12a 凹部(窒素流路または水素流路)
30 アンモニア合成モジュール(アンモニア合成反応器)
32c ケース本体中空部(窒素流路)
36 中空糸隔膜
36a 中空糸多孔質支持体(耐圧性補強部)
36a1 中空部(水素流路)
36b 水素透過層
72、82 流量調整バルブ(流量調整手段)
75 水素再利用配管
100 アンモニア合成システム

Claims (6)

  1. 水素含有気体と窒素とからアンモニアを合成するアンモニア合成反応器であって、
    水素が流通する水素流路と窒素が流通する窒素流路とを隔て、且つ、
    水素が透過可能な水素流路側の水素透過層と、当該水素透過層を透過した水素と窒素との作用を促進させる窒素流路側の触媒と、を有する隔膜と、
    前記隔膜の耐圧性を補強する耐圧性補強部と、
    を備えたことを特徴とするアンモニア合成反応器。
  2. 前記隔膜は、シート状であって、
    当該隔膜を少なくとも2個有すると共に、当該少なくとも2個の隔膜は所定間隔を隔て、且つ、
    隣り合う隔膜は、水素透過層同士、または、触媒同士が対向して配置されたことを特徴とする請求項1に記載のアンモニア合成反応器。
  3. 前記隔膜を4以上の偶数個有すると共に、
    最外側の隔膜の水素透過層が外側を向くように配置されたことを特徴とする請求項2に記載のアンモニア合成反応器。
  4. 前記隔膜は、中空部を有する中空糸状の中空糸隔膜であって、
    当該中空糸隔膜が複数束ねられた中空糸隔膜束を備えたことを特徴とする請求項1に記載のアンモニア合成反応器。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のアンモニア合成反応器と、
    当該アンモニア合成反応器から排出された未反応の水素を、前記アンモニア合成反応器に水素を供給する水素供給部に戻す配管と、
    を備えたことを特徴とするアンモニア合成システム。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のアンモニア合成反応器と、
    当該アンモニア合成反応器から排出された、アンモニア及び未反応の窒素の流量を調整する流量調整手段と、
    を備えたことを特徴とするアンモニア合成システム。
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