JP2017043552A - 水素キャリアの製造方法および水素キャリアの製造システム - Google Patents

水素キャリアの製造方法および水素キャリアの製造システム Download PDF

Info

Publication number
JP2017043552A
JP2017043552A JP2015166253A JP2015166253A JP2017043552A JP 2017043552 A JP2017043552 A JP 2017043552A JP 2015166253 A JP2015166253 A JP 2015166253A JP 2015166253 A JP2015166253 A JP 2015166253A JP 2017043552 A JP2017043552 A JP 2017043552A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen
supply
carrier
addition reaction
permeation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015166253A
Other languages
English (en)
Inventor
直実 土屋
Naomi Tsuchiya
直実 土屋
恒雄 大村
Tsuneo Omura
恒雄 大村
山田 和矢
Kazuya Yamada
和矢 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2015166253A priority Critical patent/JP2017043552A/ja
Publication of JP2017043552A publication Critical patent/JP2017043552A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/36Hydrogen production from non-carbon containing sources, e.g. by water electrolysis

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

【課題】エネルギー損失が小さく、シンプルかつコンパクトである、水素透過膜を用いた水素キャリアの製造方法および水素キャリアの製造システムを提供する。
【解決手段】実施形態の水素キャリアの製造方法は、水素を選択的に透過する水素透過膜に対して水素供給側に水素を含む供給側ガスを供給する工程と、前記水素透過膜に対して前記水素供給側とは反対側の水素透過側に水素を含まない透過側供給物を供給し、前記水素透過側の水素分圧を前記水素供給側の水素分圧よりも小さくする工程と、付加反応原料を供給し、前記水素透過膜を透過した水素によって前記付加反応原料を水素付加反応させて水素キャリアを生成する工程とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、水素キャリアの製造方法および水素キャリアの製造システムに関する。
水素は、石油精製産業や化学産業などのあらゆる産業分野において広く用いられている。特に近年、将来のエネルギー媒体として、水素が注目されてきている。水素は、化石燃料からだけでなく、再生可能エネルギーからも製造可能である。そのため、燃料電池の分野を中心に、水素の研究開発が進められている。そして、水素エネルギーを利用することにより、エネルギーセキュリティに貢献できること、燃料電池の利用により、省エネやCO削減に大きく寄与できることなどが利点として挙げられる。
水素の製造方法としては、水蒸気改質による方法、高温水蒸気電解やアルカリ水電解などの電解による方法、石炭ガス化による方法などが挙げられる。しかし、これらの方法で製造される水素には、未反応成分や副生成物などの不純物が含まれていることから、製造した水素を高純度に精製する必要がある。また、精製した水素を貯蔵・輸送するために、水素を圧縮する、極低温まで冷却するなどの処理を行うことが検討されている。
しかし、水素を圧縮するためには、外部エネルギーが多量に必要となる。また、水素を極低温まで冷却する場合、冷却した水素の相変化を抑制するために、水素を冷却し続ける必要がある。特に遠方まで水素を輸送する場合、水素を冷却するために必要なエネルギーは輸送距離に応じて増加する。そのため、精製した水素を用いて有機ハイドライドのような常温で液体の水素キャリアを合成する、精製した水素と窒素とを反応させてアンモニアを合成するなどの方法を水素の貯蔵・輸送に用いることが検討されている。
水素を精製する方法としては、製造した水素を冷却し、気液分離と組み合わせる方法、熱スイング型吸着(TSA)や圧力スイング型吸着(PSA)による精製方法が挙げられる。しかし、気液分離と組み合わせる方法では、精製した水素に他のガス成分が含まれる場合には、精製した水素の純度を高くするためにさらなる精製が必要となる。TSAでは、吸着材に吸着させた水素を脱離するために、供給する水素を含むガス温度よりも高温にするため、熱エネルギーが必要となる。PSAでは、高温のガスを導入する場合には吸着材の吸着容量が低下するため、一度冷却する必要があり、エネルギー損失が大きくなる。
また、水素を精製する方法として、水素を選択的に透過する水素透過膜を用いた方法がある。この方法は、水素透過膜の水素供給側および水素透過側の水素分圧差を推進力として、水素を精製する方法である。この方法は、水素透過膜を用いることにより、PSAやTSAよりも分離装置を小型化することが可能である。
特開2014−172012号公報 特許第2651610号 特許第4917787号
しかしながら、水素透過膜を用いた方法において、水素透過膜の単位面積当たりの水素透過量を増加させるには、水素供給側を加圧するまたは水素透過側を減圧する必要があり、昇圧器や減圧器を必要とする。
また、製造された水素は高温である場合もあり、高温の水素を水素透過膜に適した温度まで降温する必要がある。この場合、例えば精製した水素を用いて水素キャリアを製造する場合、水素を水素キャリア製造反応に適した温度に調整する必要がある。そのため、システム全体のエネルギーを考慮すると、水素を精製するプロセス、水素キャリアを製造するプロセスに合わせて温度および圧力を調整することは、エネルギー損失が大きい。
本発明が解決しようとする課題は、エネルギー損失が小さく、シンプルかつコンパクトである、水素透過膜を用いた水素キャリアの製造方法および水素キャリアの製造システムを提供することである。
実施形態の水素キャリアの製造方法は、水素を選択的に透過する水素透過膜に対して水素供給側に水素を含む供給側ガスを供給する工程と、前記水素透過膜に対して前記水素供給側とは反対側の水素透過側に水素を含まない透過側供給物を供給し、前記水素透過側の水素分圧を前記水素供給側の水素分圧よりも小さくする工程と、付加反応原料を供給し、前記水素透過膜を透過した水素によって前記付加反応原料を水素付加反応させて水素キャリアを生成する工程とを有する。
第1の実施の形態の水素キャリアの製造方法および水素キャリアの製造システムを示す工程図である。 第1の実施の形態の水素キャリアの製造システムが備える水素製造装置の一例を模式的に示す断面図である。 第2の実施の形態の水素キャリアの製造方法および水素キャリアの製造システムを示す工程図である。 第3の実施の形態の水素キャリアの製造方法および水素キャリアの製造システムを示す工程図である。 実施例の水素キャリアの製造方法を示す工程図である。
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態の水素キャリアの製造方法について説明する。図1は、第1の実施の形態の水素キャリアの製造方法および水素キャリアの製造システムを示す工程図である。第1の実施の形態の水素キャリアの製造方法は、供給側ガスを供給する工程(以下、供給側ガス供給工程という)と、透過側供給物を供給する工程(以下、透過側供給物供給工程という)と、水素キャリアを生成する工程(水素キャリア生成工程という)とを有する。
供給側ガス供給工程では、水素精製装置12に設けられた水素透過膜2に対して水素供給側2aに、気体状の水素を含む供給側ガス1を供給する。供給側ガス1は、特には限定されず、例えば水蒸気改質、石炭ガス化、高温水蒸気電解などで生成されるガスが挙げられる。水素透過膜2の水素供給側2aに供給される供給側ガス1の温度は、150℃以上の高温であることが好ましい。水蒸気改質、石炭ガス化、高温水蒸気電解などで生成されるガスの温度は150℃以上の高温であり、このような高温のガスを水素透過膜2の水素供給側2aに供給すると、水素キャリアの製造システムにおける熱損失が減少し、効率よく水素キャリア9を製造することができる。供給側ガス1としては、予め150℃以上である高温の供給側ガス1を水素精製装置12に供給してもよいし、水素精製装置12の水素供給側2aで供給側ガス1を150℃以上の高温に加熱してもよい。供給側ガス1に含まれる水素の割合は、1〜99%程度である。
透過側供給物供給工程では、水素透過膜2に対して水素供給側2aとは反対側の水素透過側2bに透過側供給物4を供給し、水素透過膜2の水素透過側2bの水素分圧を水素透過膜2の水素供給側2aの水素分圧よりも小さくする。水素透過膜2は、水素供給側2aと水素透過側2bとの水素分圧差を推進力として、水素を選択的に透過する。そして、透過側供給物4を水素透過膜2に対して水素供給側2aとは反対側の水素透過側2bに供給することによって、水素透過側2bの水素分圧を水素供給側2aの水素分圧よりも低くすることができる。そのため、水素透過膜2を透過させる推進力が減少せずに、連続的に安定して水素を水素供給側2aから水素透過側2bに透過することができる。この推進力が低下すると、水素の透過速度や透過流量が減少する。ここで、従来のように透過側供給物4を水素透過膜2の水素透過側2bに供給しない場合には、システムを連続的に運転することによって、水素透過側2bの水素濃度が高くなり、水素供給側2aと水素透過側2bとの水素分圧差が小さくなる。そのため、水素の透過量は低下する。
透過側供給物4は、水素を含まず、好ましくは、供給側ガス1を構成する水素以外の成分も含まない。また、透過側供給物4は、水素透過膜2の水素透過側2bに供給するときに気体状であれば、常温常圧時の形態については限定されない。透過側供給物4としては、水素付加反応装置14で行われる付加反応原料8の水素付加反応に寄与せず、かつ水素付加反応を阻害しない不活性ガス、例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンからなる群より選ばれる少なくとも1種の18族元素のガス、いわゆる「希ガス」が挙げられる。
水素精製装置12に設けられた水素透過膜2は、水素を選択的に透過する機能を有する膜である。水素透過膜2は、例えば、多孔質アルミナ膜、多孔質シリカ膜、多孔質ジルコニア膜、ゼオライト膜、多孔質ガラス膜、多孔質炭素膜などの多孔質セラミック膜、Pd、Pd−Cu、Pd−Agなどのパラジウム膜やパラジウム合金膜、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Niなどの金属膜やこれら金属を含む合金膜などが挙げられる。
水素精製装置12内の温度は、水素透過膜2の種類に応じて決まり、100〜700℃、好ましくは250〜650℃である。300℃以上の場合、水素透過膜2は金属膜や合金膜であることが好ましい。
水素透過膜2は、水素を選択的に透過する。そのため、供給側ガス1に含まれる水素は、水素透過膜2を透過して、水素供給側2aから水素透過側2bに流れる。また、供給側ガス1に含まれる水素以外の成分は、非透過ガス5として分離される。
水素精製装置12の水素透過側2bに流入した水素は、水素精製装置12の水素透過側2bに供給される透過側供給物4と混ざり合う。そして、水素精製装置12の水素透過側2bで水素は透過側供給物4によって希釈され、水素と透過側供給物4とからなる水素混合ガス6が生成される。水素混合ガス6に含まれる水素の濃度は、水素透過側2bへの透過側供給物4の供給量に応じて、適宜調整することができる。
水素キャリア生成工程では、付加反応原料8を供給し、水素透過膜2を透過した水素によって付加反応原料8を水素付加反応させて水素付加物である水素キャリア9を生成する。具体的には、水素精製装置12から流出した水素混合ガス6は、水素付加反応装置14に流入する。一方で、水素付加反応装置14には、付加反応原料8が供給される。水素付加反応装置14内には、水素付加反応に用いられる既知の触媒が充填されている。そして、水素付加反応装置14では、水素混合ガス6と付加反応原料8とが混合され、付加反応原料8が水素混合ガス6に含まれる水素によって水素付加反応されることによって、水素キャリア9が製造される。また、製造した水素キャリア9に既知の処理を施すことによって、水素キャリア9から水素が発生する。
水素付加反応装置14に流入する水素混合ガス6の温度が水素付加反応に必要な温度よりも低い場合には、水素混合ガス6を付加反応原料8の水素付加反応に適した温度に加熱する。この場合、予め加熱した水素混合ガス6を水素付加反応装置14に供給してもよいし、水素付加反応装置14内で水素混合ガス6を加熱してもよい。水素混合ガス6の温度が水素付加反応に必要な温度よりも高い場合には、このような加熱は不要である。また、化学量論の観点から、水素付加反応の化学反応式において、水素付加反応で製造される水素キャリア9のモル比よりも付加反応原料8や水素のモル比を多くすることで、水素キャリア9は製造されやすくなる。
付加反応原料8としては、アンモニアの原料である窒素、水素と反応して有機ハイドライドを形成する有機化合物、例えばベンゼン、トルエン、ナフタレンなどが挙げられる。付加反応原料8として窒素を供給した場合、製造される水素キャリア9はアンモニアである。また、付加反応原料8としてベンゼンを供給した場合、製造される水素キャリア9はシクロヘキサン(有機ハイドライド)である。また、付加反応原料8としてトルエンを供給した場合、製造される水素キャリア9はメチルシクロヘキサン(有機ハイドライド)である。また、付加反応原料8としてナフタレンを供給した場合、製造される水素キャリア9はデカリン(有機ハイドライド)である。
窒素からアンモニアを製造する場合、水素付加反応装置14内での窒素の温度は400〜600℃であることが好ましい。ベンゼンからシクロヘキサンを製造する場合、水素付加反応装置14内でのベンゼンの温度は100〜250℃であることが好ましい。ナフタレンからデカリンを製造する場合、水素付加反応装置14内でのナフタレンの温度は230〜300℃であることが好ましい。トルエンからメチルシクロヘキサンを製造する場合、水素付加反応装置14内でのトルエンの温度は250〜300℃であることが好ましい。例えば、水素混合ガス6と混ざり合った後のトルエンの温度が250℃よりも低い場合には、予め250℃以上に加熱したトルエンを水素付加反応装置14に供給してもよいし、水素付加反応装置14内でトルエンを250〜300℃に加熱してもよい。水素混合ガス6と混ざり合った後のトルエンの温度が250℃よりも高い場合には、このような加熱は不要である。
次に、第1の実施の形態の水素キャリアの製造システムについて説明する。第1の実施の形態の水素キャリアの製造システムは、図1に示すように、水素製造装置11と、水素精製装置12と、透過側供給物供給装置13と、水素付加反応装置14とを備える。
水素製造装置11は、水素精製装置12に設けられた水素透過膜2の水素供給側2aに、150℃以上の高温である気体状の水素を含む供給側ガス1を供給する。
水素精製装置12は、水素製造装置11から水素透過膜2に対して水素供給側2aに導入された水素を含む供給側ガス1から、選択的に水素を透過する。さらに、水素精製装置12は、水素透過膜2に対して水素供給側2aとは反対側の水素透過側2bに透過側供給物4を導入し、水素透過膜2の水素透過側2bの水素分圧を水素供給側2aの水素分圧よりも小さくする。そして、水素透過膜2を透過した水素は、水素透過膜2の水素透過側2bに流入する。
透過側供給物供給装置13は、水素精製装置12に設けられた水素透過膜2の水素透過側2bに透過側供給物4を供給する。水素精製装置12の水素透過側2bに供給された透過側供給物4は、水素精製装置12の水素透過側2bに流入した水素と混ざり合う。そして、水素精製装置12の水素透過側2bでは、水素と透過側供給物4とからなる水素混合ガス6が生成される。
水素付加反応装置14は、水素混合ガス6に含まれる水素透過膜2を透過した水素と、付加反応原料供給装置15から供給された付加反応原料8とを導入する。そして、水素付加反応装置14は、水素混合ガス6に含まれる水素によって付加反応原料8を水素付加反応させて、水素キャリア9を生成する。
また、第1の実施の形態の水素キャリアの製造システムは、付加反応原料供給装置15を備えてもよい。付加反応原料供給装置15は、水素付加反応装置14に付加反応原料8を供給する。
図2は、第1の実施の形態の水素キャリアの製造システムが備える水素製造装置の一例を模式的に示す断面図である。なお、図2には、水素製造装置の一例として、高温水蒸気電解装置を示している。
図2に示すように、高温水蒸気電解装置50は、カソード51と、アノード52と、カソード51およびアノード52の間に設けられる固体電解質53と、カソード51およびアノード52に接続している電源54とを備える。さらに、高温水蒸気電解装置50は、水蒸気を導入する水蒸気ライン55と、生成した水素を流出させる水素ライン56と、生成した酸素を流出させる酸素ライン57とを備える。
電源54からカソード51およびアノード52に直流電圧を印加すると、水蒸気ライン55から導入された水蒸気(水)がカソード51で電気分解されて、水素と酸化物イオンが生成される。生成した酸化物イオンは、固体電解質53の内部を通ってアノード52側に移動し、酸素が生成される。生成した酸素は、酸素ライン57から流出する。また、カソード側で生成した水素は、水素ライン56から流出して、供給側ガス1として水素精製装置12に供給される。このとき、水素精製装置12に供給される水素の温度は、600〜800℃程度である。
高温水蒸気電解装置50は、導入された水蒸気を600〜800℃程度の高温で電解することにより、電解電圧を低くすることができる。そのため、高温水蒸気電解装置50は、水素生成に必要なエネルギーを低減することができる。
さらに、高温水蒸気電解装置50は、後の水素付加反応装置14で行われるトルエンなどの水素付加反応で必要な温度よりも非常に高い温度を有する供給側ガス1を水素精製装置12に供給する。そのため、水素付加反応装置14に供給される前に予め水素混合ガス6を加熱しなくてもよいことから、高温水蒸気電解装置50は、水素キャリアの製造システムにおける熱損失を減少することができる。
なお、ここでは、水素製造装置の一例として高温水蒸気電解装置を示したが、水素製造装置は、特には限定されず、例えば、水蒸気改質装置などでもよい。
上記したように、第1の実施の形態の水素キャリアの製造方法および水素キャリアの製造システムによれば、透過側供給物供給工程において透過側供給物4を水素透過膜2に対して水素供給側2aとは反対側の水素透過側2bに供給することによって、水素供給側2aと水素透過側2bとの水素分圧差の低下を回避することができる。そのため、水素精製装置12に大きな差圧をかけることができない構成、例えば高温水蒸気電解装置の後段に接続することができる。さらには、連続的に安定して水素を透過することができることから、長期間安定して水素キャリアを製造することができる。さらに、水素付加反応装置14へ供給する水素混合ガス6中の水素濃度を調整することができることから、安定して水素キャリア9を製造することができる。
(第2の実施の形態)
図3は、第2の実施の形態の水素キャリアの製造方法および水素キャリアの製造システムを示す工程図である。なお、以下に示す実施の形態において、第1の実施の形態の水素キャリアの製造方法および水素キャリアの製造システムの構成と同一の構成部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
まず、第2の実施の形態の水素キャリアの製造方法について説明する。第2の実施の形態の水素キャリアの製造方法において、透過側供給物供給工程および水素キャリア生成工程の構成が異なる以外は、第1の実施の形態の水素キャリアの製造方法の構成と基本的に同じである。そのため、ここでは、その異なる構成について主に説明する。
第2の実施の形態の水素キャリアの製造方法における透過側供給物供給工程では、水素透過膜2に対して水素供給側2aとは反対側の水素透過側2bに付加反応原料8を供給し、水素透過膜2の水素透過側2bの水素分圧を水素透過膜2の水素供給側2aの水素分圧よりも小さくする。水素透過膜2の温度特性の観点から、水素透過膜2の水素透過側2bに、予め加熱した付加反応原料8を供給することが好ましい。このときの付加反応原料8の温度は、供給側ガス1の温度に近いことが好ましい。付加反応原料8は、水素および供給側ガス1を構成する成分を含まない。また、付加反応原料8を水素透過膜2に対して水素供給側2aとは反対側の水素透過側2bに供給することによって、水素透過側2bの水素分圧を水素供給側2aの水素分圧よりも低くすることができるため、水素透過膜2を透過させる推進力が減少せずに、連続的に安定して水素を透過することができる。
水素精製装置12aの水素透過側2bに流入した水素は、水素精製装置12aの水素透過側2bに供給される付加反応原料8と混ざり合う。そして、水素精製装置12aの水素透過側2bで水素は付加反応原料8によって希釈され、水素と付加反応原料8とからなる水素混合ガス6aが生成される。水素混合ガス6aに含まれる水素の濃度は、水素透過側2bへの付加反応原料8の供給量に応じて、適宜調整することができる。
水素精製装置12aから流出した水素混合ガス6aは、水素付加反応装置14aに流入する。そして、水素キャリア生成工程では、水素付加反応装置14a内で、付加反応原料8が水素混合ガス6aに含まれる水素によって水素付加反応されることによって、水素キャリア9が製造される。
水素付加反応装置14aに流入する水素混合ガス6aの温度が水素付加反応に必要な温度よりも低い場合には、水素混合ガス6aを付加反応原料8の水素付加反応に適した温度に加熱する。この場合、予め加熱した水素混合ガス6aを水素付加反応装置14aに供給してもよいし、水素付加反応装置14a内で水素混合ガス6aを加熱してもよい。水素混合ガス6aの温度が水素付加反応に必要な温度よりも高い場合には、このような加熱は不要である。また、水素付加反応の化学反応式において、水素付加反応で製造される水素キャリア9のモル比よりも付加反応原料8や水素のモル比を多くすることで、水素キャリア9は製造されやすくなる。
次に、第2の実施の形態の水素キャリアの製造システムについて説明する。第2の実施の形態の水素キャリアの製造システムにおいて、水素精製装置、透過側供給物供給装置および水素付加反応装置の構成が異なる以外は、第1の実施の形態の水素キャリアの製造システムの構成と基本的に同じである。そのため、ここでは、その異なる構成について主に説明する。
第2の実施の形態の水素キャリアの製造システムは、図3に示すように、水素製造装置11と、水素精製装置12aと、透過側供給物供給装置13aと、水素付加反応装置14aとを備える。
水素精製装置12aは、水素製造装置11から水素透過膜2に対して水素供給側2aに導入された水素を含む供給側ガス1から、選択的に水素を透過する。さらに、水素精製装置12aは、水素透過膜2に対して水素供給側2aとは反対側の水素透過側2bに付加反応原料8を導入し、水素透過膜2の水素透過側2bの水素分圧を水素供給側2aの水素分圧よりも小さくする。そして、水素透過膜2を透過した水素は、水素透過膜2の水素透過側2bに流入する。
透過側供給物供給装置13aは、水素精製装置12aに設けられた水素透過膜2の水素透過側2bに付加反応原料8を供給する。水素精製装置12aの水素透過側2bに供給された付加反応原料8は、水素精製装置12aの水素透過側2bに流入した水素と混ざり合う。そして、水素精製装置12aの水素透過側2bでは、水素と付加反応原料8とからなる水素混合ガス6aが生成される。
水素付加反応装置14aは、水素混合ガス6aに含まれる水素透過膜2を透過した水素と、水素混合ガス6aに含まれる透過側供給物供給装置13aから供給された付加反応原料8とを導入する。そして、水素付加反応装置14aは、水素混合ガス6aに含まれる水素によって付加反応原料8を水素付加反応させて、水素キャリア9を生成する。
上記したように、第2の実施の形態の水素キャリアの製造方法および水素キャリアの製造システムによれば、透過側供給物供給工程において付加反応原料8を水素透過膜2に対して水素供給側2aとは反対側の水素透過側2bに供給することによって、水素供給側2aと水素透過側2bとの水素分圧差の低下を回避することができ、連続的に安定して水素を透過することができる。そのため、長期間安定して水素キャリアを製造することができる。
また、水素付加反応装置14aに流入する水素混合ガス6aには水素および付加反応原料8が含まれていることから、水素混合ガス6aとは別の経路で水素付加反応装置14aに付加反応原料8を供給しなくてもよい。そのため、第1の実施の形態の水素キャリアの製造方法および水素キャリアの製造システムに比べて、シンプルかつコンパクトである。なお、水素付加反応装置14aには、水素混合ガス6aとは別の経路で付加反応原料8を適宜供給してもよい。
(第3の実施の形態)
図4は、第3の実施の形態の水素キャリアの製造方法および水素キャリアの製造システムを示す工程図である。なお、以下に示す実施の形態において、第1の実施の形態の水素キャリアの製造方法および水素キャリアの製造システムの構成と同一の構成部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
まず、第3の実施の形態の水素キャリアの製造方法について説明する。第3の実施の形態の水素キャリアの製造方法において、透過側供給物供給工程および水素キャリア生成工程の構成が異なり、未反応物をリサイクルする工程(以下、リサイクル工程という)をさらに有する以外は、第1の実施の形態の水素キャリアの製造方法の構成と基本的に同じである。そのため、ここでは、その異なる構成について主に説明する。
第3の実施の形態の水素キャリアの製造方法における透過側供給物供給工程では、水素透過膜2に対して水素供給側2aとは反対側の水素透過側2bに透過側供給物4を供給し、水素透過膜2の水素透過側2bの水素分圧を水素透過膜2の水素供給側2aの水素分圧よりも小さくする。そのため、水素透過膜2を透過させる推進力が減少せずに、連続的に安定して水素を透過することができる。
水素精製装置12bの水素透過側2bに流入した水素は、水素精製装置12bの水素透過側2bに供給される透過側供給物4と混ざり合う。そして、水素精製装置12bの水素透過側2bで水素は透過側供給物4によって希釈され、水素と透過側供給物4とからなる水素混合ガス6bが生成される。水素混合ガス6bに含まれる水素の濃度は、水素透過側2bへの透過側供給物4の供給量に応じて、適宜調整することができる。
水素精製装置12bから流出した水素混合ガス6bは、水素付加反応装置14bに流入する。一方で、水素付加反応装置14bには、付加反応原料8が供給される。そして、水素キャリア生成工程では、水素付加反応装置14b内で、水素混合ガス6bと付加反応原料8とが混合され、付加反応原料8が水素混合ガス6bに含まれる水素によって水素付加反応されることによって、水素キャリア9が製造される。
ここで、水素付加反応装置14bで行われる水素付加反応の条件、例えば水素混合ガス6bおよび付加反応原料8の比率によっては、水素キャリア9とともに未反応物7が存在することがある。この場合、水素付加反応後には、水素キャリア9と未反応物7とからなる混合ガス3が生成される。未反応物7は、透過側供給物4である。水素付加反応装置14bから流出した混合ガス3は、水素キャリア分離装置16に流入する。
水素キャリア生成工程の後に行われるリサイクル工程では、水素キャリア分離装置16内で混合ガス3に含まれる水素キャリア9と未反応物7とを分離し、未反応物7を透過側供給物4として水素キャリア分離装置16から水素透過膜2の水素透過側2bにリサイクルする。水素キャリア分離装置16の形態は、特には限定されず、例えば気液分離法や膜分離法などを採用したものが挙げられる。
次に、第3の実施の形態の水素キャリアの製造システムについて説明する。第3の実施の形態の水素キャリアの製造システムにおいて、水素精製装置および水素付加反応装置の構成が異なり、水素キャリア分離装置およびリサイクルラインをさらに有する以外は、第1の実施の形態の水素キャリアの製造システムの構成と基本的に同じである。そのため、ここでは、その異なる構成について主に説明する。
第3の実施の形態の水素キャリアの製造システムは、図4に示すように、水素製造装置11と、水素精製装置12bと、透過側供給物供給装置13と、水素付加反応装置14bと、水素キャリア分離装置16と、リサイクルライン17とを備える。
水素精製装置12bは、水素製造装置11から水素透過膜に対して水素供給側2aに導入された水素を含む供給側ガス1から、選択的に水素を透過する。さらに、水素精製装置12bは、水素透過膜2に対して水素供給側2aとは反対側の水素透過側2bに透過側供給物4を導入し、水素透過膜2の水素透過側2bの水素分圧を水素供給側2aの水素分圧よりも小さくする。そして、水素透過膜2を透過した水素は、水素透過膜2の水素透過側2bに流入する。
透過側供給物供給装置13は、水素精製装置12bに設けられた水素透過膜2の水素透過側2bに透過側供給物4を供給する。水素精製装置12bの水素透過側2bに供給された透過側供給物4は、水素精製装置12bの水素透過側2bに流入した水素と混ざり合う。そして、水素精製装置12bの水素透過側2bでは、水素と透過側供給物4とからなる水素混合ガス6bが生成される。
水素付加反応装置14bは、水素混合ガス6bに含まれる水素透過膜2を透過した水素と、付加反応原料供給装置15から供給された付加反応原料8とを導入する。そして、水素付加反応装置14bは、水素混合ガス6bに含まれる水素によって付加反応原料8を水素付加反応させて、水素キャリア9を生成する。
水素キャリア分離装置16は、水素キャリア9と未反応物7とからなる混合ガス3を導入する。そして、水素キャリア分離装置16は、水素付加反応装置14bで生成した水素キャリア9と未反応物7とを分離する。
リサイクルライン17は、水素キャリア分離装置16で分離された未反応物7を透過側供給物4として、水素キャリア分離装置16から水素透過膜2の水素透過側2bにリサイクルする。
上記したように、第3の実施の形態の水素キャリアの製造方法および水素キャリアの製造システムによれば、リサイクル工程ならびに水素キャリア分離装置16およびリサイクルライン17を有することによって、水素キャリア分離装置16から水素精製装置12bに透過側供給物4をリサイクルすることができる。そのため、透過側供給物4の使用量を抑えることができる。
以下、実施例を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されない。
(実施例1)
図5は、実施例の水素キャリアの製造方法を示す工程図である。
まず、水素キャリアを製造する前に、リーク確認を行った。具体的には以下の通りである。Pd−Cu系の水素透過膜2(有効膜面積:7cm)を備える水素精製装置12cの水素供給側2aおよび水素透過側2bにアルゴンを封入し、不図示の加熱機構でアルゴンを250℃に加熱した。この際、アルゴンは供給側ガス1のライン、および透過側供給物4のラインよりそれぞれ水素精製装置12cに供給した。その後、水素供給側2aのアルゴン供給圧力を100kPaG、水素透過側2bを大気圧とし、アルゴンの透過流量を測定したが、アルゴンは水素透過膜2を透過しなかった。
次に、水素キャリアを製造した。具体的には以下の通りである。リーク確認後、水素透過膜2の水素供給側2aへのアルゴンの供給を停止し、水素供給側2aを大気開放して、水素供給側2aの圧力を大気圧にした。さらに、水素透過膜2の水素透過側2bには、透過側供給物4のラインより、トルエンを0.1mL/minで供給した。このとき、水素透過膜2の水素透過側2bに導入する前にトルエンが気化するように、不図示の加熱機構でトルエンを250℃以上に加熱した。
水素透過膜2の水素透過側2bをトルエンで十分にパージし、アルゴンを曝気した後、水素透過膜2の水素供給側2aに水素濃度3%の供給側ガス1を100kPaGで供給した。そして、水素およびトルエンを含む水素混合ガス6cを不図示の冷却装置で十分に冷却することで、水素とトルエンを分離した。また、水素透過膜2を透過した水素の流量は積算流量計19を用いて測定した。その結果、供給ガス1の供給開始25分後には2.1NL、供給開始50分後には4NLの水素ガスを得た。また、供給側ガス1の供給開始3時間後にも供給ガス1中の水素が0.1NL/minで水素透過膜2を透過し、安定して水素を得ることができた。
次に、水素透過膜2の水素透過側2bをトルエンで十分にパージし、アルゴンを曝気した後、水素透過膜2の水素供給側2aに水素濃度3%の供給側ガス1を100kPaGで供給した。そして、水素およびトルエンを含む水素混合ガス6cを水素付加反応装置14cに導入して、水素付加反応装置14cでトルエンを水素付加反応させた。また、水素付加反応装置14cは水素キャリア分離装置16cと接続されており、水素キャリア分離装置16cに設けられた不図示の冷却装置で混合ガス3cを十分に冷却することで、水素キャリアであるメチルシクロヘキサンと未反応のトルエンとを含む液体と、未反応の水素とに分離した。メチルシクロヘキサンと未反応のトルエンとを含む液体は回収ライン18で回収した。また、未反応の水素流量は積算流量計19を用いて測定した。その結果、供給側ガス1の供給開始25分後には0.5NL、供給開始50分後には1.7NLの水素ガスを得た。また、回収した液体を分析した結果、メチルシクロヘキサン濃度が99%であり、安定してメチルシクロヘキサンを製造することができた。
(比較例1)
実施例と同様にしてリーク確認を行った。リーク確認後、水素透過膜の水素供給側へのアルゴンの供給を停止し、水素供給側を大気開放して、水素供給側の圧力を大気圧にした。その後、水素透過膜の水素供給側に、温度400℃の純水素を100kPaGで供給した。また、水素透過膜の水素透過側は、アルゴンを充填させて、アルゴン雰囲気、大気圧とした。そして、水素精製装置から流出した水素混合ガスの流量を積算流量計で測定した。その結果、水素の供給開始25分後には20NL、供給開始50分後には35NLの水素が流れた。さらに、純水素が水素透過膜を透過した後のガスを分析した結果、濃度99.9mol%の水素ガスを得た。しかし、水素の供給開始3時間後には、水素流量が低下し、最終的には0.6L/minで安定した。
(比較例2)
実施例と同様にしてリーク確認を行った。リーク確認後、水素透過膜の水素供給側へのアルゴンの供給を停止し、水素供給側を大気開放して、水素供給側の圧力を大気圧にした。その後、水素透過膜の水素供給側に、水素濃度3%の供給側ガスを100kPaGで供給した。また、水素透過膜の水素透過側は、アルゴンを充填させて、アルゴン雰囲気、大気圧とした。そして、水素精製装置から流出した水素混合ガスの流量を積算流量計で測定した。その結果、供給側ガスの供給開始25分後には2NL、供給開始50分後には3.3NLの水素が流れた。さらに、供給側ガスが水素透過膜を透過した後のガスを分析した結果、濃度99.9mol%の水素ガスを得た。しかし、供給側ガスの供給開始3時間後には、供給側ガス中の水素は水素透過膜を透過しなくなった。
実施例および比較例より、実施例の水素キャリアの製造方法を用いることにより、エネルギー損失が小さく、シンプルかつコンパクトで、連続的に水素キャリアを製造することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…供給側ガス、2…水素透過膜、2a…水素供給側、2b…水素透過側、3,3c…混合ガス、4…透過側供給物、5…非透過ガス、6,6a,6b,6c…水素混合ガス、7…未反応物、8…付加反応原料、9…水素キャリア、11…水素製造装置、12,12a,12b,12c…水素精製装置、13,13a…透過側供給物供給装置、14,14a,14b…水素付加反応装置、15…付加反応原料供給装置、16,16c…水素キャリア分離装置、17…リサイクルライン、18…回収ライン、19…積算流量計、50…高温水蒸気電解装置、51…カソード、52…アノード、53…固体電解質、54…電源、55…水蒸気ライン、56…水素ライン、57…酸素ライン。

Claims (13)

  1. 水素を選択的に透過する水素透過膜に対して水素供給側に水素を含む供給側ガスを供給する工程と、
    前記水素透過膜に対して前記水素供給側とは反対側の水素透過側に水素を含まない透過側供給物を供給し、前記水素透過側の水素分圧を前記水素供給側の水素分圧よりも小さくする工程と、
    付加反応原料を供給し、前記水素透過膜を透過した水素によって前記付加反応原料を水素付加反応させて水素キャリアを生成する工程と
    を有することを特徴とする水素キャリアの製造方法。
  2. 水素を選択的に透過する水素透過膜に対して水素供給側に水素を含む供給側ガスを供給する工程と、
    前記水素透過膜に対して前記水素供給側とは反対側の水素透過側に付加反応原料を供給し、前記水素透過側の水素分圧を前記水素供給側の水素分圧よりも小さくする工程と、
    前記水素透過膜を透過した水素によって前記付加反応原料を水素付加反応させて水素キャリアを生成する工程と
    を有することを特徴とする水素キャリアの製造方法。
  3. 前記水素キャリアを生成する工程の後に、前記水素キャリアと未反応物とを分離し、前記未反応物を前記透過側供給物として前記水素透過膜の水素透過側にリサイクルする工程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の水素キャリアの製造方法。
  4. 前記透過側供給物は、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンからなる群より選ばれる少なくとも1種の18族元素のガスであることを特徴とする請求項1または3に記載の水素キャリアの製造方法。
  5. 前記付加反応原料は、窒素であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の水素キャリアの製造方法。
  6. 前記付加反応原料は、水素と反応して有機ハイドライドを形成する有機化合物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の水素キャリアの製造方法。
  7. 前記有機化合物は、ベンゼン、トルエン、ナフタレンからなる群より選ばれる少なくとも1種の芳香族炭化水素であることを特徴とする請求項6に記載の水素キャリアの製造方法。
  8. 前記水素供給側に供給される前記供給側ガスの温度は150℃以上であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の水素キャリアの製造方法。
  9. 水素製造装置と、
    水素を選択的に透過する水素透過膜を備え、前記水素製造装置から前記水素透過膜に対して水素供給側に導入した水素を含む供給側ガスから選択的に前記水素を透過し、前記水素透過膜に対して前記水素供給側とは反対側の水素透過側に水素を含まない透過側供給物を導入し、前記水素透過側の水素分圧を前記水素供給側の水素分圧よりも小さくする水素精製装置と、
    前記水素精製装置に設けられた前記水素透過膜の水素透過側に前記透過側供給物を供給する透過側供給物供給装置と、
    前記水素透過膜を透過した水素および付加反応原料を導入し、前記水素によって前記付加反応原料を水素付加反応させて水素キャリアを生成する水素付加反応装置と
    を備えることを特徴とする水素キャリアの製造システム。
  10. 前記透過側供給物は、前記付加反応原料であることを特徴とする請求項9に記載の水素キャリアの製造システム。
  11. 前記水素付加反応装置で生成した前記水素キャリアと未反応物とを分離する水素キャリア分離装置と、
    前記水素キャリア分離装置で分離した前記未反応物を前記透過側供給物として前記水素透過膜の水素透過側にリサイクルするリサイクルラインと
    をさらに備えることを特徴とする請求項9または10に記載の水素キャリアの製造システム。
  12. 前記水素製造装置は、高温水蒸気電解装置であることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載の水素キャリアの製造システム。
  13. 前記水素供給側に導入した前記供給側ガスの温度は150℃以上であることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の水素キャリアの製造システム。
JP2015166253A 2015-08-25 2015-08-25 水素キャリアの製造方法および水素キャリアの製造システム Pending JP2017043552A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015166253A JP2017043552A (ja) 2015-08-25 2015-08-25 水素キャリアの製造方法および水素キャリアの製造システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015166253A JP2017043552A (ja) 2015-08-25 2015-08-25 水素キャリアの製造方法および水素キャリアの製造システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017043552A true JP2017043552A (ja) 2017-03-02

Family

ID=58209764

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015166253A Pending JP2017043552A (ja) 2015-08-25 2015-08-25 水素キャリアの製造方法および水素キャリアの製造システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017043552A (ja)

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03217227A (ja) * 1990-01-24 1991-09-25 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 脱水素反応用メンブレンリアクタ
JPH05317708A (ja) * 1992-05-27 1993-12-03 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 脱水素反応用メンブレンリアクタ
JP2004224632A (ja) * 2003-01-22 2004-08-12 Masaru Ichikawa 低級炭化水素直接改質複合装置
JP2005089226A (ja) * 2003-09-16 2005-04-07 Honda Motor Co Ltd アンモニア合成反応器及びアンモニア合成システム
WO2006120841A1 (ja) * 2005-05-02 2006-11-16 Hrein Energy, Inc. 有機ハイドライド合成装置、有機ハイドライド合成システムおよび水素生成装置
JP2007084378A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Nippon Oil Corp 水素の製造方法およびそれに使用する装置
JP2007099748A (ja) * 2005-02-18 2007-04-19 Mitsubishi Chemicals Corp 芳香族化合物の製造方法及び水素化芳香族化合物の製造方法
JP2009280426A (ja) * 2008-05-21 2009-12-03 Nissan Motor Co Ltd 水素生成装置
JP2009291742A (ja) * 2008-06-06 2009-12-17 Hitachi Ltd 水素透過部材及びこれを用いた水素生成反応器
JP2011251865A (ja) * 2010-06-01 2011-12-15 Ihi Corp アンモニア合成器
JP2012214904A (ja) * 2012-06-25 2012-11-08 Toshiba Corp 水蒸気電解装置及び水蒸気電解方法
JP2013014820A (ja) * 2011-07-06 2013-01-24 Toshiba Corp 燃料ガス改質用電解セル、及び電解セルを利用した改質ガスの生成方法

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03217227A (ja) * 1990-01-24 1991-09-25 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 脱水素反応用メンブレンリアクタ
JPH05317708A (ja) * 1992-05-27 1993-12-03 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 脱水素反応用メンブレンリアクタ
JP2004224632A (ja) * 2003-01-22 2004-08-12 Masaru Ichikawa 低級炭化水素直接改質複合装置
JP2005089226A (ja) * 2003-09-16 2005-04-07 Honda Motor Co Ltd アンモニア合成反応器及びアンモニア合成システム
JP2007099748A (ja) * 2005-02-18 2007-04-19 Mitsubishi Chemicals Corp 芳香族化合物の製造方法及び水素化芳香族化合物の製造方法
WO2006120841A1 (ja) * 2005-05-02 2006-11-16 Hrein Energy, Inc. 有機ハイドライド合成装置、有機ハイドライド合成システムおよび水素生成装置
JP2007084378A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Nippon Oil Corp 水素の製造方法およびそれに使用する装置
JP2009280426A (ja) * 2008-05-21 2009-12-03 Nissan Motor Co Ltd 水素生成装置
JP2009291742A (ja) * 2008-06-06 2009-12-17 Hitachi Ltd 水素透過部材及びこれを用いた水素生成反応器
JP2011251865A (ja) * 2010-06-01 2011-12-15 Ihi Corp アンモニア合成器
JP2013014820A (ja) * 2011-07-06 2013-01-24 Toshiba Corp 燃料ガス改質用電解セル、及び電解セルを利用した改質ガスの生成方法
JP2012214904A (ja) * 2012-06-25 2012-11-08 Toshiba Corp 水蒸気電解装置及び水蒸気電解方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4801359B2 (ja) 水素製造方法
JP6192669B2 (ja) 高純度の一酸化炭素を製造するための装置
JP4684069B2 (ja) 高純度水素の製造方法
US7947117B2 (en) Hydrogen purification process that uses a combination of membrane separation units
JP2010528974A (ja) カーボンナノマテリアル生成用の一酸化炭素生成のための統合プロセス
JP2005503980A (ja) 酸素移動膜を利用する合成ガス製造
JPH10297902A (ja) 固体電解質膜を用いる水素の製造方法
JP2010006653A (ja) 水素製造方法
JP2020524212A (ja) 一酸化炭素含有ガス生成物の製造方法及びシステム
CN117396264A (zh) 膜反应器未利用气体的再利用方法
JPH1119459A (ja) 不活性ガスを精製するための個体電解質イオン導体ハイブリッドシステム
CN113453785A (zh) 用于从天然气混合物中低氢气含量分离的方法
JP6011538B2 (ja) 水素分離装置及びその運転方法
JP5102932B2 (ja) 高純度水素製造方法
Wang et al. Mixed oxygen ionic and electronic conducting membrane reactors for pure chemicals production
JP2017043552A (ja) 水素キャリアの製造方法および水素キャリアの製造システム
WO2011050439A1 (en) Membrane-assisted conversion of hydrogen sulphide
JP4006107B2 (ja) 高純度coの製造方法及び製造装置
WO2013061040A2 (en) Gas-to-liquid technology
JPH04321502A (ja) 燃料電池用水素製造方法及び装置並びに供給方法
CN115650159B (zh) 一种膜耦合氨分解制氢装置及工艺
EP4344765A1 (en) Method and apparatus for providing a helium product
JP5584477B2 (ja) 2段式水素分離型改質器
JP2018016534A (ja) 過酸化水素の製造方法、過酸化水素の製造装置、水素透過性金属膜及び水素透過性金属膜の製造方法
JP2016141589A (ja) 過酸化水素の製造方法および製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20171201

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20171201

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180305

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190409

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20191015