JP4451087B2 - モータ駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンまたは走行用モータの少なくとも一方の動力により走行可能なハイブリット車両のモータ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば蓄電装置とインバータ回路とを備え、インバータ回路を介して、蓄電装置とモータとの間で電力を授受可能なモータ駆動装置では、インバータ回路とモータとの間にコンタクタを配設し、モータの発電に起因してモータ駆動装置側へ過電流が流れるような場合に、コンタクタを切断することにより、モータ駆動装置側の損傷を防止するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、モータを急速に停止させたい場合に、例えばインバータ回路を構成するスイッチング素子の内、蓄電装置の負極側に接続されたスイッチング素子を全て導通させて、モータの巻き線に流れる電流による電気的制動状態を発生させるものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平06−315201号公報(段落番号「0032」)
【特許文献2】
特開平01−190286号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、EV(Electric Vehicles )やHEV(Hybrid Electric Vehicles)、あるいは燃料電池車等、モータを利用して走行する車両では、モータに連結されたエンジンや駆動輪等の外力によってモータが高回転で回転した場合、特に車両が走行するための電力を蓄電する蓄電装置を保護することが重要である。
しかし、特許文献1に記載のモータ駆動装置では、モータ駆動装置側の保護のためにコンタクタを切断するものの、コンタクタを切断する際には、コンタクタに電流が流れているため、コンタクタには大きな負担がかかる。そのため、電流を流したままコンタクタを切断するには、アークが持続しないような構造、及び逆方向遮断特性を有する高価なコンタクタを使用する必要があり、モータ駆動装置全体のコストが上昇してしまうという問題があった。
【0005】
また、特許文献2に記載のモータ駆動装置では、インバータ回路を構成するスイッチング素子の内、蓄電装置の負極側に接続されたスイッチング素子を全て導通させることで、モータに電気的制動状態を発生させると共に、モータの発電に起因してモータ駆動装置側へ印加される電圧を抑えることができる。しかし、モータの巻き線及び導通したスイッチング素子に連続して大電流が流れることになるので、熱の発生等を考慮した場合、スイッチング素子の定格を上げたり、モータを大型化せざるを得なく、スイッチング素子やモータのコストが上昇してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、コストを上昇させることなく蓄電装置を保護することができるモータ駆動装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明に係るモータ駆動装置は、蓄電装置(例えば実施の形態の高電圧バッテリ4)と、インバータ回路(例えば実施の形態のインバータ回路2)と、前記蓄電装置とモータ(例えば実施の形態の走行用モータ1)との間の電力供給を断続するために前記蓄電装置と前記インバータ回路との間に設けられた開閉手段(例えば実施の形態のコンタクタ5)とを備え、前記インバータ回路を介して、前記蓄電装置と前記モータとの間で電力を授受可能なモータ駆動装置において、前記モータの回転数が所定の回転数以上の場合、前記開閉手段に流れる電流が零である時に前記開閉手段を切断する制御部(例えば実施の形態の制御部3)を備え、該制御部は、前記モータの回転数が所定の回転数以上の場合、前記インバータ回路を構成するスイッチング素子の内、前記蓄電装置の正極側に接続されたスイッチング素子、あるいは前記蓄電装置の負極側に接続されたスイッチング素子のいずれか一方を全て導通させてから、前記開閉手段に流れる電流が零である時を判断し、前記開閉手段を切断した後、導通させた前記スイッチング素子の全てを遮断することを特徴とする。
【0008】
以上の構成を備えたモータ駆動装置は、モータの回転数が所定の回転数以上の場合、制御部が、蓄電装置とインバータ回路との間に設けられた開閉手段に流れる電流が零の時に該開閉手段を切断することにより、開閉手段にかかる負担を軽減することができる。また、開閉手段を切断することにより、蓄電装置をモータの発電作用による過電圧から保護することができる。
【0010】
さらに、制御部が、インバータ回路を構成するスイッチング素子の内、蓄電装置の正極側に接続されたスイッチング素子、あるいは蓄電装置の負極側に接続されたスイッチング素子のいずれか一方を全て導通させることにより、モータで発電された電力による電流が開閉手段へ流れることを防止することができる。
【0012】
さらに、制御部が、開閉手段を切断した後、電流が開閉手段へ流れることを防止するために導通させたスイッチング素子を遮断することで、スイッチング素子を導通させておく時間を最小限に抑え、スイッチング素子及びモータにかかる負担を軽減することができる。
【0013】
請求項2の発明に係るモータ駆動装置は、請求項1に記載のモータ駆動装置において、前記開閉手段に流れる電流を測定する電流測定手段(例えば実施の形態の電流センサ6)を備え、前記制御部が、前記電流測定手段による測定結果に基づいて、前記開閉手段に流れる電流が零である時を判断することを特徴とする。
【0014】
以上の構成を備えたモータ駆動装置は、電流測定手段により直接開閉手段に流れる電流を測定することで、開閉手段に流れる電流が零である時を正確に判断することができる。
【0015】
請求項3の発明に係るモータ駆動装置は、請求項1に記載のモータ駆動装置において、前記モータがN相入力端子を備える場合、前記N相入力端子のいずれか(N−1)箇所の相間電圧をそれぞれ独立に測定する(N−1)個の電圧測定手段(例えば実施の形態の電圧センサ8、9)を備え、前記制御部が、前記(N−1)個の電圧測定手段により測定された前記N相入力端子のいずれか(N−1)箇所の相間電圧に基づいて、前記開閉手段に流れる電流が零である時を判断することを特徴とする。
【0016】
以上の構成を備えたモータ駆動装置は、(N−1)個の電圧測定手段により測定されたモータのN相入力端子のいずれか(N−1)箇所の相間電圧が全て零か否かで、開閉手段に流れる電流が零である時を正確に判断することができる。
【0017】
請求項4の発明に係るモータ駆動装置は、請求項1に記載のモータ駆動装置において、前記制御部が、前記インバータ回路を構成するスイッチング素子を導通させてからの経過時間に基づいて、前記開閉手段に流れる電流が零である時を判断することを特徴とする。
【0018】
以上の構成を備えたモータ駆動装置は、制御部に予め設定された、インバータ回路のスイッチング素子を導通させてから開閉手段に流れる電流が零になるまでの規定時間と、実際にインバータ回路を構成するスイッチング素子を導通させてからの経過時間とを比較して、開閉手段に流れる電流が零である時を判断することで、電流測定手段や電圧測定手段等を設けることなく、開閉手段に流れる電流が零である時を判断することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
(全体構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態のモータ駆動装置の構成を示すブロック図である。図1において、走行用モータ1は、例えば車両に搭載され、車両を走行駆動するエンジン(図示せず)を補助するか、または車両を走行駆動するように、その回転子が車両のエンジンに連結された三相電動機であって、本実施の形態のモータ駆動装置によって駆動されることにより、走行用モータ1単独によるモータ駆動走行や、エンジンによる走行駆動時に走行用モータ1で駆動力を補助するアシスト走行を可能にしている。
【0020】
また、インバータ回路2は、制御部3からのPWM(Pulse Width Modulation)制御により、高電圧バッテリ4に蓄電された電力を用いて走行用モータ1を駆動し、一方、走行用モータ1の起電力により高電圧バッテリ4を充電する。具体的には、走行用モータ1の駆動時には、高電圧バッテリ4により入力側に印加された直流電力を三相交流電力に変換し、出力側に接続された走行用モータ1を駆動する。また、回生時には、走行用モータ1の起電力を直流電力に変換して入力側に発生させ、該直流電力により高電圧バッテリ4を充電する回生動作を行う。
【0021】
なお、インバータ回路2と高電圧バッテリ4の正極側端子とは、回路を自動的に開閉できるような機構を備え、制御部3からの制御信号により端子間を断続可能な継電器、接触器、開閉器等の開閉手段であるコンタクタ5と、コンタクタ5を流れる電流を計測するために高電圧バッテリ4とコンタクタ5との間に配設された電流センサ6とを介して接続されている。
また、走行用モータ1には、走行用モータ1の回転数を測定する、例えばレゾルバ等を備えた回転数センサ7が設けられ、電流センサ6の出力信号である電流値Isと回転数センサ7の出力信号である回転数Nmは制御部3へ入力されている。
【0022】
一方、インバータ回路2について更に詳細に説明すると、インバータ回路2は、直流電力が印加される入力端子の両端に、スイッチング素子Q1、Q2をU相、スイッチング素子Q3、Q4をV相、スイッチング素子Q5、Q6をW相として三相ブリッジ接続したインバータ回路であって、それぞれのスイッチング素子Q1〜Q6には、自己の導通方向とは逆向きの電流を流せる転流ダイオードD1〜D6が1対1で接続される。また、各スイッチング素子Q1〜Q6の制御端子(例えばスイッチング素子がIGBTやFETであれば、そのゲート端子)は、制御部3に接続されている。
【0023】
また、インバータ回路2のスイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2との接点(U相出力端子)、スイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4との接点(V相出力端子)、スイッチング素子Q5とスイッチング素子Q6との接点(W相出力端子)のそれぞれには、走行用モータ1のU相入力端子、V相入力端子、W相入力端子がそれぞれ接続されている。
更に、インバータ回路2の入力端子には、印加された直流電力を平滑化するコンデンサC1が接続されている。
【0024】
(バッテリ保護動作)
次に、図面を参照して第1の実施の形態のモータ駆動装置におけるバッテリ保護動作について説明する。図2は、第1の実施の形態のモータ駆動装置におけるバッテリ保護動作を示すフローチャートである。
図2において、まず制御部3は、走行用モータ1の回転数Nmが所定回転数以上であるか否かを判定する(ステップS1)。
ステップS1において、走行用モータ1の回転数Nmが所定回転数より低い場合(ステップS1のNO)、制御部3は、何もせずバッテリ保護動作を終了する。
【0025】
一方、ステップS1において、走行用モータ1の回転数Nmが所定回転数以上である場合(ステップS1のYES)、制御部3は、電流がコンタクタ5へ流れることを防止するために、インバータ回路2を構成するスイッチング素子Q1〜Q6の内、高電圧バッテリ4の正極側に接続されたスイッチング素子Q1、Q3、Q5、あるいは高電圧バッテリ4の負極側に接続されたスイッチング素子Q2、Q4、Q6のいずれか一方を全てONする(導通させる)(ステップS2)。
【0026】
次に、制御部3は、コンタクタ5を流れる電流値Idcが零になったか否かを判定する(ステップS4)。
具体的には、第1の実施の形態では、電流センサ6により計測された電流値Isにより、直接コンタクタ5を流れる電流値Idcが零になったか否かを判断する。
ステップS4において、コンタクタ5を流れる電流値Idcが零ではない場合(ステップS4のNO)、制御部3は、ステップS4へ戻り、上述の処理を繰り返すことにより、コンタクタ5を流れる電流値Idcが零になるのを待つ。
【0027】
一方、ステップS4において、コンタクタ5を流れる電流値Idcが零であった場合(ステップS4のYES)、制御部3は、コンタクタ5をOFF(切断)する(ステップS5)。
そして、制御部3は、コンタクタ5をOFFしたら、ステップS2においてONしたスイッチング素子を全てOFF(遮断)し(ステップS6)、バッテリ保護動作を終了する。
【0028】
以上説明したように、第1の実施の形態のモータ駆動装置によれば、走行用モータ1の回転数Nmが所定回転数以上である場合に、制御部3が、インバータ回路2を構成するスイッチング素子Q1〜Q6の内、高電圧バッテリ4の正極側に接続されたスイッチング素子Q1、Q3、Q5、あるいは高電圧バッテリ4の負極側に接続されたスイッチング素子Q2、Q4、Q6のいずれか一方を全てONする(導通させる)ことにより、走行用モータ1で発電された電力による電流がコンタクタ5へ流れることを防止する。
【0029】
そして、スイッチング素子をONした後、電流センサ6で計測された電流値Isにより、コンタクタ5を流れる電流値Idcが零になったか否か(Idc=0か否か)を判定し、電流値Idcが零であった場合、コンタクタ5をOFF(切断)する。また、コンタクタ5をOFFしたら、電流がコンタクタ5へ流れることを防止するためにONにした(導通させた)スイッチング素子を全てOFF(遮断)する。
【0030】
従って、インバータ回路2を構成するスイッチング素子の制御により、走行用モータ1で発電された電力による電流がコンタクタ5へ流れることを防止し、更にコンタクタ5を流れる電流値Idcが零の時にコンタクタ5をOFF(切断)するので、コンタクタ5にかかる負担を軽減することができる。また、コンタクタ5をOFFしてから、ONして(導通させて)いたスイッチング素子をOFF(遮断)することで、スイッチング素子を導通させておく時間を最小限に抑え、スイッチング素子及び走行用モータ1にかかる負担を軽減することができる。これにより、コンタクタ5、インバータ回路2、走行用モータ1に使用する部品の定格を下げ、モータ駆動装置及び走行用モータ1の小型化あるいは低コスト化を図ることができるという効果が得られる。
【0031】
(第2の実施の形態)
(全体構成)
図3は、本発明の第2の実施の形態のモータ駆動装置の構成を示すブロック図である。図3において、図1に示す第1の実施の形態のモータ駆動装置と同一の符号を付与した構成要素は、第1の実施の形態のモータ駆動装置の構成要素と同じ動作を行う構成要素であるので、ここでは説明を省略する。
第1の実施の形態のモータ駆動装置と第2の実施の形態のモータ駆動装置との違いについて述べると、第2の実施の形態のモータ駆動装置は、第1の実施の形態のモータ駆動装置に備えられていた電流センサ6の代わりに、2個の電圧センサを備えることを特徴とする。
【0032】
具体的には、第1の実施の形態のモータ駆動装置が、高電圧バッテリ4の正極側端子とコンタクタ5との間に配設された電流センサ6を備えていたのに対し、第2の実施の形態のモータ駆動装置は、電流センサ6の代わりに、インバータ回路2のU相出力端子とV相出力端子との間、すなわち走行用モータ1のU相入力端子とV相入力端子との間に接続された電圧センサ8を備えると共に、インバータ回路2のV相出力端子とW相出力端子との間、すなわち走行用モータ1のV相入力端子とW相入力端子との間に接続された電圧センサ9を備えている。なお、電圧センサ8の出力信号である電圧値Vs1と電圧センサ9の出力信号である電圧値Vs2は、それぞれ制御部3へ入力されている。
【0033】
(バッテリ保護動作)
次に、図面を参照して第2の実施の形態のモータ駆動装置におけるバッテリ保護動作について説明する。第2の実施の形態のモータ駆動装置におけるバッテリ保護動作は、第1の実施の形態のモータ駆動装置におけるバッテリ保護動作と基本的な手順は変わらず、図2に示すフローチャートに沿って制御される。
但し、ステップS4において、コンタクタ5を流れる電流値Idcが零になったか否かを、第1の実施の形態のモータ駆動装置では電流センサ6により計測された電流値Isにより直接判断していたが、第2の実施の形態のモータ駆動装置では、電圧センサ8により計測された電圧値Vs1と電圧センサ9により計測された電圧値Vs2とが共に零の時、コンタクタ5を流れる電流値Idcが零になったと判断する。
【0034】
以上説明したように、第2の実施の形態のモータ駆動装置によれば、第1の実施の形態のモータ駆動装置と同様に、走行用モータ1の回転数Nmが所定回転数以上である場合に、制御部3が、インバータ回路2を構成するスイッチング素子を制御することにより、走行用モータ1で発電された電力による電流がコンタクタ5へ流れることを防止する。そして、電圧センサ8で計測された電圧値Vs1と電圧センサ9で計測された電圧値Vs2とが共に零になったか否かにより、コンタクタ5を流れる電流値Idcが零になったか否か(Idc=0か否か)を判定し、電流値Idcが零であった場合、コンタクタ5をOFF(切断)する。また、コンタクタ5をOFFしたら、電流がコンタクタ5へ流れることを防止するためにONにした(導通させた)スイッチング素子を全てOFF(遮断)する。
【0035】
従って、第1の実施の形態のモータ駆動装置と同様に、コンタクタ5にかかる負担を軽減すると共に、スイッチング素子及び走行用モータ1にかかる負担を軽減することで、コンタクタ5、インバータ回路2、走行用モータ1に使用する部品の定格を下げ、モータ駆動装置及び走行用モータ1の小型化あるいは低コスト化を図ることができるという効果が得られる。
【0036】
なお、上述の第2の実施の形態では、一例として電圧センサ8及び電圧センサ9を、走行用モータ1のU相−V相間とV相−W相間にそれぞれ配置し、走行用モータ1のU相−V相間の電圧とV相−W相間の電圧の両方が共に零になったか否かにより、コンタクタ5を流れる電流値Idcが零になったか否かを判定した。しかし、コンタクタ5を流れる電流値Idcを判定するために走行用モータ1(インバータ回路2)へ接続する電圧センサは、これ以外に走行用モータ1のU相−V相間とU相−W相間、あるいは走行用モータ1のU相−W相間とV相−W相間のいずれか2箇所に配置しても良く、制御部3は、走行用モータ1の三相入力端子のいずれか2箇所の相間電圧が両方共零になったか否かにより、コンタクタ5を流れる電流値Idcが零になったか否かを判定する。
【0037】
また、走行用モータ1がN相の電動機の場合、走行用モータ1のN相入力端子のいずれか(N−1)箇所の相間電圧をそれぞれ独立に測定する(N−1)個の電圧センサを備え、制御部3は、(N−1)個の電圧センサにより測定されたN相入力端子のいずれか(N−1)箇所の相間電圧が全て零になったか否かにより、コンタクタ5を流れる電流値Idcが零になったか否かを判定すれば良い。
【0038】
(第3の実施の形態)
(全体構成)
図4は、本発明の第3の実施の形態のモータ駆動装置の構成を示すブロック図である。図4において、図1と図3に示す第1、第2の実施の形態のモータ駆動装置と同一の符号を付与した構成要素は、第1、第2の実施の形態のモータ駆動装置の構成要素と同じ動作を行う構成要素であるので、ここでは説明を省略する。
第1、第2の実施の形態のモータ駆動装置と第3の実施の形態のモータ駆動装置との違いについて述べると、第3の実施の形態のモータ駆動装置は、第1の実施の形態のモータ駆動装置に備えられていた電流センサ6、及び第2の実施の形態のモータ駆動装置に備えられていた電圧センサ8、9のいずれも備えていないことを特徴とする。また、第3の実施の形態のモータ駆動装置は、制御部3に、実験的に求められたインバータ回路のスイッチング素子をONして(導通させて)からコンタクタ5に流れる電流値Idcが零になるまでの経過時間が、規定時間Tとして予め設定されていることを特徴とする。
【0039】
(バッテリ保護動作)
次に、図面を参照して第3の実施の形態のモータ駆動装置におけるバッテリ保護動作について説明する。図5は、第3の実施の形態のモータ駆動装置におけるバッテリ保護動作を示すフローチャートである。
図5において、まず制御部3は、走行用モータ1の回転数Nmが所定回転数以上であるか否かを判定する(ステップS11)。
ステップS11において、走行用モータ1の回転数Nmが所定回転数より低い場合(ステップS11のNO)、制御部3は、何もせずバッテリ保護動作を終了する。
【0040】
一方、ステップS11において、走行用モータ1の回転数Nmが所定回転数以上である場合(ステップS11のYES)、制御部3は、インバータ回路2を構成するスイッチング素子Q1〜Q6の内、高電圧バッテリ4の正極側に接続されたスイッチング素子Q1、Q3、Q5、あるいは高電圧バッテリ4の負極側に接続されたスイッチング素子Q2、Q4、Q6のいずれか一方を全てONする(導通させる)(ステップS12)。
【0041】
次に、制御部3は、タイマを用いて規定時間Tが経過するのを待つ(ステップS13)。
そして、規定時間Tが経過したら、制御部3は、コンタクタ5をOFF(切断)する(ステップS14)。
そして、制御部3は、コンタクタ5をOFFしたら、ステップS2においてONしたスイッチング素子を全てOFFし(ステップS15)、バッテリ保護動作を終了する。
【0042】
以上説明したように、第3の実施の形態のモータ駆動装置によれば、第1、第2の実施の形態のモータ駆動装置と同様に、走行用モータ1の回転数Nmが所定回転数以上である場合に、制御部3が、インバータ回路2を構成するスイッチング素子を制御することにより、走行用モータ1で発電された電力による電流がコンタクタ5へ流れることを防止する。そして、規定時間Tの経過後、時間の経過によりコンタクタ5に流れる電流値Idcが零になったと判断して、コンタクタ5をOFF(切断)する。また、コンタクタ5をOFFしたら、電流がコンタクタ5へ流れることを防止するためにONにした(導通させた)スイッチング素子を全てOFF(遮断)する。
【0043】
従って、第1、第2の実施の形態のモータ駆動装置と同様に、コンタクタ5にかかる負担を軽減すると共に、スイッチング素子及び走行用モータ1にかかる負担を軽減することで、コンタクタ5、インバータ回路2、走行用モータ1に使用する部品の定格を下げ、モータ駆動装置及び走行用モータ1の小型化あるいは低コスト化を図ることができるという効果が得られる。また、第1、第2の実施の形態のモータ駆動装置とは異なり、電流センサ6、電圧センサ8、9等を必要とせず、更なる小型化、低コスト化を図ることができるという効果が得られる。
【0044】
なお、上述の第1から第3の実施の形態において、走行用モータ1を駆動するための電力を蓄電する装置は、高電圧バッテリ4に限らず、直流電力を蓄電可能な、キャパシタ等を含む蓄電装置(エネルギーストレージデバイス)であれば何を用いても良い。
また、上述の第1から第3の実施の形態で説明したバッテリ保護動作において、ステップS1またはステップS11で走行用モータ1の回転数を比較する所定回転数は、走行用モータ1の発電能力や、コンタクタ5及びインバータ回路2に使用する部品の定格により決定するものとする。
【0045】
【発明の効果】
以上の如く、本発明のモータ駆動装置によれば、モータの回転数が所定の回転数以上の場合、制御部が、蓄電装置とインバータ回路との間に設けられた開閉手段に流れる電流が零の時に該開閉手段を切断することにより、開閉手段にかかる負担を軽減することができる。また、特に、インバータ回路を構成するスイッチング素子の内、蓄電装置の正極側に接続されたスイッチング素子、あるいは蓄電装置の負極側に接続されたスイッチング素子のいずれか一方を全て導通させることにより、モータで発電された電力による電流が開閉手段へ流れることを防止し、容易に開閉手段に流れる電流を零にすることができる。
【0046】
更に、開閉手段を切断した後、電流が開閉手段へ流れることを防止するために導通させたスイッチング素子を遮断することで、スイッチング素子を導通させておく時間を最小限に抑え、スイッチング素子及びモータにかかる負担を軽減することができる。
従って、開閉手段、インバータ回路、モータに使用する部品の定格を下げ、モータ駆動装置及びモータの小型化あるいは低コスト化を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態のモータ駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 同実施の形態のモータ駆動装置の制御部によるバッテリ保護動作を示すフローチャートである。
【図3】 本発明の第2の実施の形態のモータ駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図4】 本発明の第3の実施の形態のモータ駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図5】 同実施の形態のモータ駆動装置の制御部によるバッテリ保護動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 走行用モータ(モータ)
2 インバータ回路
3 制御部
4 高電圧バッテリ(蓄電装置)
5 コンタクタ(開閉手段)
6 電流センサ(電流測定手段)
8、9 電圧センサ(電圧測定手段)
Q1〜Q6 スイッチング素子
Claims (4)
- 蓄電装置と、
インバータ回路と、
前記蓄電装置とモータとの間の電力供給を断続するために前記蓄電装置と前記インバータ回路との間に設けられた開閉手段とを備え、
前記インバータ回路を介して、前記蓄電装置と前記モータとの間で電力を授受可能なモータ駆動装置において、
前記モータの回転数が所定の回転数以上の場合、前記開閉手段に流れる電流が零である時に前記開閉手段を切断する制御部を備え、
該制御部は、前記モータの回転数が所定の回転数以上の場合、前記インバータ回路を構成するスイッチング素子の内、前記蓄電装置の正極側に接続されたスイッチング素子、あるいは前記蓄電装置の負極側に接続されたスイッチング素子のいずれか一方を全て導通させてから、前記開閉手段に流れる電流が零である時を判断し、前記開閉手段を切断した後、導通させた前記スイッチング素子の全てを遮断することを特徴とするモータ駆動装置。 - 前記開閉手段に流れる電流を測定する電流測定手段を備え、
前記制御部が、前記電流測定手段による測定結果に基づいて、前記開閉手段に流れる電流が零である時を判断することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。 - 前記モータがN相入力端子を備える場合、前記N相入力端子のいずれか(N−1)箇所の相間電圧をそれぞれ独立に測定する(N−1)個の電圧測定手段を備え、
前記制御部が、前記(N−1)個の電圧測定手段により測定された前記N相入力端子のいずれか(N−1)箇所の相間電圧に基づいて、前記開閉手段に流れる電流が零である時を判断することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。 - 前記制御部が、前記インバータ回路を構成するスイッチング素子を導通させてからの経過時間に基づいて、前記開閉手段に流れる電流が零である時を判断することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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