JP4450964B2 - シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物および成形体 - Google Patents

シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物および成形体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物および該組成物から得られる成形体に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアセタールなどの熱可塑性樹脂は、優れた加工性、耐薬品性、電気的性質、機械的性質などを有しているため、射出成形品、中空成形品、フィルム、シートなどに加工され各種用途に用いられている。しかしながら用途によっては、透明性、柔軟性、接着性、耐摩耗性などが充分とはいえない場合がある。
【0003】
一方、シンジオタクティックポリプロピレンは、バナジウム化合物とエーテルおよび有機アルミニウムからなる触媒の存在下に低温重合により得られることが知られている。しかしながらこの方法で得られるポリマーは、そのシンジオタクティシティが低く、本来のシンジオタクティックな性質を表しているとは言い難かった。
【0004】
これに対して、J.A.Ewenらにより非対称な配位子を有する遷移金属触媒とアルミノキサンからなる触媒の存在下にシンジオタクティックペンタッド分率が0.7を超えるようなシンジオタクティシティの高いポリプロピレンが得られることが初めて発見された(J.Am.Chem.Soc.,1988,110,6255−6256)。
【0005】
上記J.A.Ewenらの方法により得られたポリマーは、シンジオタクティシティが高く、アイソタクティックポリプロピレンよりもエラスティックな性質を有していたが、これを軟質な成形材料として、例えば、軟質塩化ビニルや加硫ゴム等が使用されている分野に利用しようとする場合、その柔軟性やゴム弾性、機械的強度は充分なものではなかった。
【0006】
一方、ジエン系ゴムの代表例としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴムなどが挙げられる。これらのジエン系ゴムのうち、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)は、加工性、強度などの特性に優れていることから、タイヤ、自動車部品、一般工業用部品などの用途に広く用いられている。しかしながら、これらのジエン系ゴムは、耐候性、耐オゾン性に劣っているため、その製品寿命が短いという問題がある。
【0007】
また、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体に代表されるエチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体ゴムは、強度特性、耐熱性、耐候性などに優れているため、自動車部品、工業用ゴム部品、電気絶縁材、土木建材用品などの用途に広く用いられている。しかしながら、耐熱性、耐摩耗性等に劣っているため、用途が限定されるという問題がある。
【0008】
上記問題を解決するために、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムにアイソタクティックポリプロピレン等を配合したり、またこの組成物を架橋したりする手法が報告されているが、この方法により得られる樹脂組成物からなる成形物は、耐熱性、柔軟性はある程度良好であるものの、耐摩耗性は未だ改善の余地があり、また成形性、特に流動性が低下したりする問題がある。
【0009】
本発明者は、このような状況に鑑みて鋭意研究した結果、特定の実質的にシンジオタクティック構造であるプロピレン系共重合体と、シンジオテクティックポリプロピレンとからなる組成物が、耐熱性、耐摩耗性、透明性および柔軟性に優れる成形体を製造しうることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0010】
【発明の目的】
本発明は、耐熱性、耐磨耗性、透明性および柔軟性に優れた、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物およびそれからなる成形体を提供することを目的としている。
【0011】
【発明の概要】
本発明のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物は、
(A)(A1)プロピレンから導かれる構成単位と、
(A2)エチレンおよび炭素数4〜20のα−オレフィンよりなる群から選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンから導かれる構成単位と、
(A3)共役ポリエンおよび/または非共役ポリエンから導かれる構成単位とからなり、
前記プロピレンから導かれる構成単位(A1)と、前記α−オレフィンから導かれる構成単位(A2)との合計を100モル%としたときに、
(A1):99〜50モル%、
(A2):1〜50モル%、
(A3):0.01〜30モル%
の割合で含んでなり、実質的にシンジオタクティック構造であることを特徴とする、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体;1〜99重量部と、
(B)実質的にシンジオタクティック構造であり、融点(Tm)が110℃以上で ある、シンジオタクティックポリプロピレン;99〜1重量部と
からなることを特徴としている。
【0012】
このような本発明のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物においては、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)が、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.01〜10dl/gの範囲であり、GPCによる分子量分布(Mw/Mn)が4.0以下であり、ガラス転移温度(Tg)が30℃以下であることも好ましい。
【0013】
また、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)が、
(i)下記一般式(I)または(II)で表される遷移金属化合物と、
(ii)(b-1)上記遷移金属化合物(i)中の遷移金属Mと反応してイオン性の 錯体を形成する化合物、
(b-2)有機アルミニウム化合物、
(b-3)アルミノキサン
から選ばれる少なくとも1種の化合物と
からなるメタロセン系触媒の存在下に得られたものであることも好ましい。
【0014】
【化2】
Figure 0004450964
【0015】
(式(I)、(II)中、Mは、Ti、Zr、Hf、Rn、Nd、SmまたはRuを示し、Cp1 およびCp2 は、Mとπ結合しているシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基またはそれらの誘導体基であり、X1 およびX2 は、アニオン性配位子または中性ルイス塩基配位子であり、Yは、窒素原子、酸素原子、リン原子または硫黄原子を含有する配位子であり、ZはC、O、B、S、Ge、SiもしくはSn原子またはこれらの原子を含有する基である。)
本発明の成形体は、上記本発明のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物からなることを特徴としている。
【0016】
【発明の具体的説明】
以下、本発明について具体的に説明する。
シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物
本発明のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物は、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)と、シンジオタクティックポリプロピレン(B)とからなる。
【0017】
<シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)>
本発明のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物を構成する、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)は、
(A1)プロピレンから導かれる構成単位と、
(A2)エチレンおよび炭素数4〜20のα−オレフィンよりなる群から選ばれる、少なくとも1種のα−オレフィンから導かれる構成単位と、
(A3)共役ポリエンおよび/または非共役ポリエンから導かれる構成単位とからなる。
【0018】
本発明で用いるシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)は、実質的にシンジオタクティック構造である。シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)がシンジオタクティック構造であるとは、シンジオタクティシティーパラメータが0.6以上であることを意味する。
本発明で用いるシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)のシンジオタクティシティーパラメータ(以下、「SP値」ともいう)は、通常0.6以上、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上であるのが望ましく、SP値がこのような範囲にあると、結晶化速度が速く、加工性に優れるため好ましい。
【0019】
ここで、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)のシンジオタクティシティーパラメータ(SP値)について説明する。
SP値は、該共重合体の13C−NMRスペクトルおよび下記式(1)により、頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖部の第2単位目の側鎖メチル基の強度(シグナル面積)比として求められる。なお、第1領域は21〜21.9ppmを、第2領域は20.3〜21ppmを、第3領域は19.5〜20.3ppmのシフト領域をそれぞれ表す。
【0020】
【数1】
Figure 0004450964
【0021】
【表1】
Figure 0004450964
【0022】
第1領域のPPP(mm)、第2領域のPPP(mr)、第3領域のPPP(rr)は、それぞれ下記構造の頭−尾結合したプロピレン3単位連鎖を示す。
【0023】
【化3】
Figure 0004450964
【0024】
なおメチル炭素領域内(19〜23ppm)では、上記のような頭−尾結合プロピレン3連鎖中のプロピレン単位の側鎖メチル基以外にも、下記のような他の連鎖中のプロピレン単位の側鎖メチル基ピークが観測される。SP値を求める際には、このようなプロピレン単位3連鎖に基づかないメチル基のピーク面積を下記のように補正する。なお、Pはプロピレンから導かれる繰返し単位を示し、Eはエチレンから導かれる繰返し単位を示す。
【0025】
(i) 第2領域内(20.3〜21.0ppm)では、プロピレン同士が頭−尾結合したPPE3連鎖中の第2単位(プロピレン単位)目の側鎖メチル基に由来するピークが観測される。
このメチル基ピークの面積は、PPE連鎖中の第2単位(プロピレン単位)のメチン基(30.6ppm付近で共鳴)のピーク面積から求めることができる。
【0026】
(ii) 第3領域内(19.5〜20.3ppm)では、EPE3連鎖中の第2単位(プロピレン単位)目の側鎖メチル基に由来するピークが観測される。
このメチル基ピーク面積は、EPE連鎖中の第2単位(プロピレン単位)のメチン基(32.9ppm付近で共鳴)のピーク面積から求めることができる。
(iii) 第2領域および第3領域内では、エチレン・エチレンランダム共重合体中に少量含まれる、下記部分構造▲1▼、▲2▼および▲3▼で示されるような位置不規則単位中のメチル基C〜E’に由来するピークが観察される。
【0027】
第2領域では、メチル基Cピーク、メチル基Dピークおよびメチル基D’ピークが観測され、第3領域では、メチル基Eピークおよびメチル基E’ピークが観測される。
なお位置不規則単位▲1▼〜▲3▼中のメチル基中、メチル基Aピークおよびメチル基Bピークは、それぞれ17.3ppm、17.0ppmで観測され、第1〜3領域内では観測されない。
【0028】
【化4】
Figure 0004450964
【0029】
メチル基Cのピーク面積は、隣接するメチン基(31.3ppm付近で共鳴)のピーク面積より求めることができる。
メチル基Dのピーク面積は、部分構造▲2▼のαβメチレン炭素に基づくピーク(34.3ppm付近および34.5ppm付近)のピーク面積の和の1/2より求めることができる。
【0030】
メチル基D’のピーク面積は、部分構造▲3▼のメチル基E’に隣接するメチン基に基づくピーク(33.3ppm付近)の面積より求めることができる。
メチル基Eのピーク面積は、隣接するメチン炭素(33.7ppm付近)のピーク面積より求めることができる。
メチル基E’のピーク面積は、隣接するメチン炭素(33.3ppm付近)のピーク面積より求めることができる。
【0031】
したがってこれらのピーク面積を第2領域および第3領域の全ピーク面積より差し引くことにより、頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖中の第2プロピレン単位の側鎖メチル基のピーク面積を求めることができる。
なおスペクトル中の各炭素ピークは、文献(Polymer,30,1350(1989))を参考にして帰属することができる。
【0032】
なお、このシンジオタクティック構造は、以下のようにして測定される。
すなわち、試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入する。そして日本電子製GX−500型NMR測定装置を用い、120℃で13C−NMR測定を行う。積算回数は、10,000回以上とする。
【0033】
本発明で用いるシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)を構成する、α−オレフィンから導かれる構成単位(A2)は、エチレンおよび炭素数4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位である。ここで、炭素数4〜20のα−オレフィンとしては、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、たとえば、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの直鎖状または分岐状のα−オレフィン;シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテンなどの環状オレフィンなどを挙げることができる。エチレンおよび炭素数4〜20のα−オレフィンは、1種単独で用いてもよく、2種以上組合わせて用いてもよい。
【0034】
本発明で用いるシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)において、α−オレフィンから導かれる構成単位(A2)としては、これらの中でも、エチレン、1−ブテン、4−メチルペンテン−1、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、環状オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンから導かれる構成単位であるのが好ましい。
【0035】
また、本発明で用いるシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)は、共役ポリエンおよび/または非共役ポリエンから導かれる構成単位(A3)を有する。
ここで、共役ポリエンとしては、具体的には、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−オクタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−フェニル−2,4−ペンタジエン、イソプレン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−プロピル−1,3−ブタジエン、2−ブチル−1,3−ブタジエン、2−ペンチル−1,3−ブタジエン、2−ヘキシル−1,3−ブタジエン、2−ヘプチル−1,3−ブタジエン、2−オクチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン、1,3,5−ヘキサトリエン等の共役トリエンなとが挙げられる。これらのうちでは、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、ヘキサジエン、オクタジエンが好ましく、ブタジエン、イソプレンが共重合性に優れる点で特に好ましい。共役ポリエン単量体は、単独であるいは2種以上組合わせて用いることができる。
【0036】
またここで、非共役ポリエンとしては、具体的には、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−エチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘプタジエン、5−エチル−1,4−ヘプタジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、5−エチル−1,5−ヘプタジエン、4−メチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,4−オクタジエン、4−エチル−1,4−オクタジエン、5−エチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,5−オクタジエン、5−エチル−1,5−オクタジエン、6−エチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−エチル−1,6−オクタジエン、4−メチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,4−ノナジエン、4−エチル−1,4−ノナジエン、5−エチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,5−ノナジエン、5−エチル−1,5−ノナジエン、6−エチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジエン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,7−ノナジエン、8−メチル−1,7−ノナジエン、7−エチル−1,7−ノナジエン、5−メチル−1,4−デカジエン、5−エチル−1,4−デカジエン、5−メチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,5−デカジエン、5−エチル−1,5−デカジエン、6−エチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,6−デカジエン、6−エチル−1,6−デカジエン、7−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,7−デカジエン、7−エチル−1,7−デカジエン、8−エチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−デカジエン、8−エチル−1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−ウンデカジエンなどの非共役ジエン;
6,10− ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン、
4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン(DMDT)、
5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、
6,9−ジメチル−1,5,8−デカトリエン、
6,8,9−トリメチル−1,5,8−デカトリエン、
6−エチル−10−メチル−1,5,9−ウンデカトリエン、
4−エチリデン−1,6−オクタジエン、
7−メチル−4−エチリデン−1,6−オクタジエン、
4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン(EMND)、
7−メチル−4−エチリデン−1,6−ノナジエン、
7−エチル−4−エチリデン−1,6−ノナジエン、
6,7−ジメチル−4−エチリデン−1,6−オクタジエン、
6,7−ジメチル−4−エチリデン−1,6−ノナジエン、
4−エチリデン−1,6−デカジエン、
7−メチル−4−エチリデン−1,6−デカジエン、
7−メチル−6−プロピル−4−エチリデン−1,6−オクタジエン、
4−エチリデン−1,7−ノナジエン、
8−メチル−4−エチリデン−1,7−ノナジエン、
4−エチリデン−1,7−ウンデカジエン等の非共役トリエン
などが挙げられる。これらのうちでは、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン(DMDT)、4− エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン(EMND)が好ましい。これらの非共役ポリエンは、単独であるいは2種以上組合わせて用いることができる。
【0037】
このような共役ポリエンおよび/または非共役ポリエンから導かれる構成単位(A3)は、
ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、ヘキサジエン、オクタジエンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の共役ポリエン
および/または
5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、非共役トリエンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の非共役ポリエンから導かれる構成単位であるのが好ましい。
【0038】
(A3)が非共役ポリエン導かれる構成単位である場合には、架橋した場合の耐摩耗性などの点で好ましい。
上記のようなポリエンを用いシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)のヨウ素価は、通常1〜50、好ましくは4〜40、より好ましくは6〜30の範囲内にあることが望ましい。
【0039】
本発明で用いるシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)は、上述のプロピレンから導かれる構成単位(A1)と、α−オレフィンから導かれる構成単位(A2)と、共役ポリエンおよび/または非共役ポリエンから導かれる構成単位(A3)とが、前記(A1)と(A2)との合計を100モル%としたときに、
(A1):99〜50モル%、
(A2):1〜50モル%、
(A3):0.01〜30モル%
の割合で含んでなる。
【0040】
このうち、プロピレンから導かれる構成単位(A1)は、プロピレンから導かれる構成単位(A1)とα−オレフィンから導かれる構成単位(A2)との合計100モル%中、通常99〜50モル%、好ましくは99〜60モル%、より好ましくは99〜70モル%であるのが望ましい。
また、共役ポリエンおよび/または非共役ポリエンから導かれる構成単位(A3)は、上記(A1)と(A2)との合計100モル%に対して、通常0.01〜30モル%の量、好ましくは0.1〜30モル%、より好ましくは0.1〜20モル%の割合であるのが望ましい。
【0041】
このようなシンジオタクティックポリプロピレン系重合体(A)は、その135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が、通常0.01〜10dl/g、好ましくは0.05〜10dl/gの範囲にあることが望ましい。
また、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)は、そのGPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn、ポリスチレン換算、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)が通常4.0以下、好ましくは1.5〜3.5であるのが望ましい。
【0042】
さらに、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)は、単一のガラス転移温度を有し、かつ示差走査熱量計(DSC)によって測定したガラス転移温度(Tg)が、通常30℃以下、好ましくは20℃以下の範囲にあることが望ましい。該シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体のガラス転移温度(Tg)が前記範囲内にあると、制振性、耐寒性および低温特性に優れるため好ましい。またさらに、本発明で用いるシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)は、示差走査熱量計(DSC)によって測定した融点(Tm)が、通常110℃未満、好ましくは融点を有さないことが望ましい。
【0043】
このようなシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)を用いると、耐熱性、耐磨耗性、透明性および柔軟性のバランスに優れ、これらの各性状に優れた成形体を製造することができる。
<シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)の製造>
このような本発明で用いるシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)は、その製造方法を特に限定するものではないが、以下のメタロセン系触媒の存在下で好適に製造することができる.
(i)下記一般式(I)または(II)で表される遷移金属化合物と、
(ii)(b-1)上記遷移金属化合物(i)中の遷移金属Mと反応してイオン性の 錯体を形成する化合物、
(b-2)有機アルミニウム化合物、
(b-3)アルミノキサン
から選ばれる少なくとも1種の化合物と
からなるメタロセン系触媒;
【0044】
【化5】
Figure 0004450964
【0045】
(式(I)、(II)中、Mは、Ti、Zr、Hf、Rn、Nd、SmまたはRuを示し、Cp1 およびCp2 は、Mとπ結合しているシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基またはそれらの誘導体基であり、X1 およびX2 は、アニオン性配位子または中性ルイス塩基配位子であり、Yは、窒素原子、酸素原子、リン原子または硫黄原子を含有する配位子であり、ZはC、O、B、S、Ge、SiもしくはSn原子またはこれらの原子を含有する基である。)
このようなメタロセン系触媒を構成する遷移金属化合物(i)のうち、まずは一般式(I)で表される遷移金属化合物について説明する。
【0046】
【化6】
Figure 0004450964
【0047】
上記一般式(I)において、Mは、Ti、Zr、Hf、Rn、Nd、SmまたはRuを示し、好ましくはTi、ZrまたはHfである。
Cp1およびCp2は、Mとπ結合しているシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基またはそれらの誘導体基である。さらに詳説すると、Cp1およびCp2は遷移金属に配位する配位子であり、シクロペンタジエニル基、インデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などのシクロペンタジエニル骨格を有する配位子であり、このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は、アルキル基、シクロアルキル基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子などの置換基を有していてもよい。
【0048】
1およびX2は、アニオン性配位子または中性ルイス塩基配位子であり、具体的には、炭素原子数が1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルホン酸含有基(−SO3a、但し、Raはアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基またはアルキル基で置換されたアリール基である。)、ハロゲン原子、水素原子などが挙げられる。
【0049】
Zは、C、O、B、S、Ge、SiもしくはSn、またはこれらの原子を含有する基、例えば炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−CO−、−SO−、−SO2−、−BR5−(ただしR5は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基)などである。
【0050】
このような一般式(I)で表される遷移金属化合物として具体的には、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
イソプロピル(シクロペンタジエニル-1-フルオレニル)ハフニウムジクロリド、
イソプロピル(シクロペンタジエニル-1-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-エチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-sec-ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-t-ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-ペンチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-ヘキシルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-シクロヘキシルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-メチルシクロヘキシルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-フェニルエチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-フェニルジクロルメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-クロロメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-トリメチルシリレンメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-トリメチルシロキシメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジエチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(i-プロピル)シリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(n-ブチル)シリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(シクロヘキシル)シリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-t-ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-t-ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-エチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-トリル)シリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-クロロフェニル)シリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレンビス{1-(2-メチル-4-i-プロピル-7-エチルインデニル)}ジルコニウムジブロミド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピル-1-インデニル)}ジルコニウムジメチル、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピル-1-インデニル)}ジルコニウムメチルクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピル-1-インデニル)}ジルコニウム-ビス{1-(トリフルオロメタンスルホナト)}、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピル-1-インデニル)}ジルコニウム-ビス{1-(p-フェニルスルフィナト)}、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-フェニル-4-i-プロピル-7-メチル-1-インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、
(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-エチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビスインデニルハフニウムジクロライド、
ビスインデニルジルコニウムジクロライド、
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-sec-ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-t-ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-ペンチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-ヘキシルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-シクロヘキシルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-メチルシクロヘキシルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-フェニルエチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-フェニルジクロルメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-クロロメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-トリメチルシリレンメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-トリメチルシロキシメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-エチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
ビス{1-(2-メチル-4-i-プロピル-7-エチルインデニル)}ジルコニウムジブロミド、
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピル-1-インデニル)}ジルコニウムジメチル、
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピル-1-インデニル)}ジルコニウムメチルクロリド、
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピル-1-インデニル)}ジルコニウム-ビス{1-(トリフルオロメタンスルホナト)}、
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピル-1-インデニル)}ジルコニウム-ビス{1-(p-フェニルスルフィナト)}、
ビス{1-(2-フェニル-4-i-プロピル-7-メチル-1-インデニル)}ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0051】
また上記のような化合物においてジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属等に置き換えた遷移金属化合物を例示することもできる。
また、このようなメタロセン系触媒を構成する遷移金属化合物(i)としては、下記一般式(II)で示される遷移金属化合物を用いることもできる。
【0052】
【化7】
Figure 0004450964
【0053】
上記式(II)中、Mは、周期表第4族またはランタニド系列の遷移金属であり、具体的には、Ti、Zr、Hf、Rn、Nd、SmまたはRuであって、好ましくはTi、Zr、Hfである。
Cp1は、Mとπ結合しているシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基またはそれらの誘導体基である。さらに詳説すると、Cp1は、遷移金属に配位する配位子であり、シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基あるいはそれらの誘導体基などのシクロペンタジエニル骨格を有する配位子であり、このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は、アルキル基、シクロアルキル基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子などの置換基を有していてもよい。
【0054】
1およびX2は、アニオン性配位子または中性ルイス塩基配位子であり、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子もしくはハロゲン原子であるか、または20個以下の炭素原子を含有する炭化水素基、20個以下のケイ素原子含有するシリル基もしくは20個以下のゲルマニウム原子を含有するゲルミル基である。
Yは、窒素原子、酸素原子、リン原子または硫黄原子を含有する配位子である。
【0055】
Zは、炭素、酸素、硫黄、硼素または周期表第14族の元素(例えばケイ素、ゲルマニウムまたはスズ)であり、好ましくは炭素、酸素、ケイ素のいずれかであり、Zはアルキル基、アルコキシ基などの置換基を有していてもよく、これらの置換基は互いに結合して環を形成していてもよい。また、ZとYとで縮合環を形成してもよい。
【0056】
このような一般式(II)で表される遷移金属化合物として具体的には、
(t-ブチルアミド)ジメチル(フルオレニル)シランチタンジメチル、
(t-ブチルアミド)ジメチル(フルオレニル)シランチタンジクロリド、
(t-ブチルアミド)ジメチル(フルオレニル)シランジルコニウムジメチル、
(t-ブチルアミド)ジメチル(フルオレニル)シランジルコニウムジクロリド、
ジメチル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シリレン)チタンジクロリド、
{(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)-1,2-エタンジイル}チタンジクロリド、
{ジメチル(フェニルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シリレン}チタンジクロリド、
{ジメチル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シリレン}チタンジメチル、
{ジメチル(4-メチルフェニルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シリレン}チタンジクロリド、
{ジメチル(t-ブチルアミド)(η5-シクロペンタジエニル)シリレン}チタンジクロリド、
{テトラメチル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)ジシリレン}チタンジクロリド、
(t-ブチルアミド)ジメチル(フルオレニル)シランチタンジメチルなどが挙げられる。
【0057】
上記のような遷移金属化合物(i)は、単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。
また、上記のような遷移金属化合物(i)は、粒子状担体に担持させて用いることもできる.。粒子状担体としては、SiO2、Al23、B23、MgO、ZrO2、CaO、TiO2、ZnO、SnO2、BaO、ThOなどの無機担体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ-1-ブテン、ポリ-4-メチル-1-ペンテン、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体などの有機担体を用いることができる。これらの粒子状担体は、単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。
【0058】
次に、メタロセン系触媒を形成する成分(ii)、すなわち、上記、遷移金属化合物(i)中の遷移金属Mと反応してイオン性の錯体を形成する化合物(以下、イオン化イオン性化合物ともいう)(b-1)、有機アルミニウム化合物(b-2)およびアルミノキサン(b-3)についてそれぞれ説明する。
b-1 )イオン化イオン性化合物
イオン化イオン性化合物(b-1)は、遷移金属化合物(i)中の遷移金属Mと反応してイオン性の錯体を形成する化合物であり、このようなイオン化イオン性化合物としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物を例示することができる。
【0059】
ルイス酸としては、BR3(式中、Rはフッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素原子である。)で示される化合物が挙げられ、たとえばトリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロン、MgCl2、Al23、SiO2-Al23などが挙げられる。
【0060】
イオン性化合物としては、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩などを挙げることができる。具体的に、トリアルキル置換アンモニウム塩としては、たとえばトリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。ジアルキルアンモニウム塩としては、たとえばジ(1-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。さらにイオン性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリn-ブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオ ロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることもできる。
【0061】
ボラン化合物としては、デカボラン(14)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
カルボラン化合物としては、4-カルバノナボラン(14)、1,3-ジカルバノナボラン(13)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)、ドデカボラン、1-カルバウンデカボラン、ビスn-ブチルアンモニウム(1-カルベドデカ)ボレート、トリn-ブチルアンモニウム(7,8-ジカルバウンデカ)ボレート、トリn-ブチルアンモニウム(トリデカハイドライド-7-カルバウンデカ)ボレートなどの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0062】
上記のようなイオン化イオン性化合物(b-1)は、単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。
イオン化イオン性化合物(b-1)は、上述した粒子状担体に担持させて用いることもできる。
b-2 )有機アルミニウム化合物
有機アルミニウム化合物(b-2)としては、分子内に少なくとも1個のAl−炭素結合を有する化合物が利用できる。このような化合物としては、たとえば下記一般式 (III)で表される有機アルミニウム化合物が挙げられる。
【0063】
nAlX3-n …(III)
(式(III)中、Rは炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜3である。)
上記一般式(III)において、Rは炭素原子数1〜12の炭化水素基例えばアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であるが、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
【0064】
このような、一般式(III)で表される有機アルミニウム化合物(b-2)としては、具体的には以下のような化合物が挙げられる。
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ(2-エチルヘキシル)アルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;
イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド;
メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;
メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライド;
ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなど。
【0065】
また有機アルミニウム化合物(b-2)としては、下記一般式(IV)で示される化合物を用いることもできる。
nAlL3-n …(IV)
(式(IV)中、Rは炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、Lは−OR1基、−OSiR2 3基、−OAlR3 2基、−NR4 2基、−SiR5 3基または−N(R6)AlR7 2基であり、nは1または2であり、R1、R2、R3およびR7はメチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などであり、R4は水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであり、R5およびR6はメチル基、エチル基などである。)このような一般式(IV)で示される有機アルミニウム化合物(b-2)のなかでは、
nAl(OAlR1 23-n
で表される化合物、例えばEt2AlOAlEt2、(iso-Bu)2 AlOAl(iso-Bu)2 などが好ましい。
【0066】
上記一般式(III)および(IV)で表される有機アルミニウム化合物の中では、一般式R3Alで表される化合物が好ましく、特にRがイソアルキル基である化合物が好ましい。
b-3 )アルミノキサン
アルミノキサン(b-3)は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
【0067】
従来公知のアルミノキサンは、具体的には、下記一般式(V)または(VI)で表される。
【0068】
【化8】
Figure 0004450964
【0069】
式(V)および(VI)中、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭化水素基であり、好ましくはメチル基、エチル基、特に好ましくはメチル基である。また、mは2以上の整数であり、好ましくは5以上、より好ましくは5〜40、特に好ましくは10〜40の整数である。
ここで、アルミノキサンは式(OAl(R1))で表されるアルキルオキシアルミニウム単位および式(OAl(R2))で表されるアルキルオキシアルミニウム単位(ここで、R1およびR2はRと同様の炭化水素基であり、R1およびR2は相異なる基を示す。)からなる混合アルキルオキシアルミニウム単位から形成されていてもよい。
【0070】
従来公知のアルミノキサンは、たとえば下記のような方法によって製造することができる。
(1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有する塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷あるいは水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0071】
なお該アルミノキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノキサンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解あるいはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物としては、上述した有機アルミニウム化合物(b-2)と同様の化合物が挙げられ、このような有機アルミニウム化合物は、単独であるいは組合せて用いることができる。
【0072】
アルミノキサンの調製に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ガソリン、灯油、軽油などの石油留分あるいは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物(例えば、塩素化物、臭素化物など)などの炭化水素溶媒が挙げられる。その他、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素が好ましい。
【0073】
なお、アルミノキサン(b-3)は、少量のアルミニウム以外の金属の有機化合物成分を含有していてもよい。
このようなアルミノキサン(b-3)は、上述した粒子状担体に担持させて用いることもできる。
本発明で用いるシンジオタクティックプロピレン系共重合体(A)の製造には、上述の(i)成分および(ii)成分からなるメタロセン系触媒を好ましく用いることができ、このようなメタロセン系触媒の存在下に、プロピレンと、エチレンまたは炭素数4〜20のα−オレフィンと、共役ポリエンおよび/または非共役ポリエンとを、通常液相で共重合させることにより好ましく製造することができる。この際、一般に炭化水素溶媒が用いられるが、プロピレンを溶媒として用いてもよい。共重合はバッチ法または連続法のいずれの方法でも行うことができる。
【0074】
プロピレンと、エチレンまたは炭素数4〜20のα−オレフィンと、共役ポリエンおよび/または非共役ポリエンとの共重合を、上記のようなメタロセン系触媒を用い、バッチ法で実施する場合には、重合系内の遷移金属化合物(i)は、重合容積1リットル当り、通常0.00005〜1ミリモル、好ましくは0.0001〜0.5ミリモルとなるような量で用いられる。
【0075】
ここで、上記(ii)成分として、イオン化イオン性化合物(b-1)を用いる場合には、イオン化イオン性化合物(b-1)と、遷移金属化合物(i)とのモル比((b-1)/(i))が、0.5〜20、好ましくは1〜10となるような量で用いられるのが望ましい.
また上記(ii)成分として、有機アルミニウム化合物(b-2)を用いる場合には、重合容積1リットル当り、通常約0〜5ミリモル、好ましくは約0〜2ミリモルとなるような量で用いられるのが望ましい。
【0076】
また、上記(ii)成分として、アルミノキサン(b-3)を用いる場合には、有機アルミノキサン(b-3)中のアルミニウム原子(Al)と、遷移金属化合物(i)中の遷移金属原子(M)とのモル比(Al/M)が、1〜10000、好ましくは10〜5000となるような量で用いられるのが望ましい。
共重合反応は、通常、温度が−20〜150℃、好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは0〜100℃の範囲で、圧力が0を超えて80kg/cm2以下、好ましくは0を超えて50kg/cm2以下の範囲の条件下に行なわれる。
【0077】
また反応時間(重合が連続法で実施される場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度などの条件によっても異なるが、通常5分間〜3時間、好ましくは10分間〜1.5時間である。
モノマーであるプロピレンと、エチレンまたは炭素数4〜20のα−オレフィンと、共役ポリエンおよび/または非共役ポリエンとは、上述した特定組成のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)が得られるような量でそれぞれ重合系に供給される。なお共重合に際しては、水素などの分子量調節剤を用いることもできる。
【0078】
上記のようにして重合を行うと、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)は、通常これを含む重合液として得られる。この重合液は常法により処理され、本発明のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体が得られる。
また、本発明で用いるシンジオタクティックプロピレン系共重合体(A)の製造には、上記触媒系に代えて、特開平2−41303号公報、特開平2−41305号公報、特開平2−274703号公報、特開平2−274704号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平4−69394号公報、特開平5−17589号公報または特開平8−120127号公報に記載の触媒系を用いることもできる。
【0079】
具体的には、上記「発明の技術的背景」の項で述べたJ.A.Ewenらの文献「J.Am.Chem.Soc.,1988,110,6255-6256」に記載の触媒系を用いることもでき、また該文献に記載された化合物と異なる構造のものであっても、プロピレンの単独重合体を製造したときに、得られる重合体のシンジオタクティックtriad分率(A.ZambelliらMacromolecules vol 6 687(1973).同vol 8 925(1975)に記載)が前述したような値、例えば、0.5以上程度の比較的タクティシティーが高い重合体を与える触媒系であれば利用でき、例えば、互いに非対称な配位子を有する架橋型遷移金属化合物と有機アルミニウム等の助触媒とからなる触媒系が挙げられる。
【0080】
このような触媒系を構成する互いに非対称な配位子を有する架橋型遷移金属化合物としては、例えば、上記文献に記載されたジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピル(シクロペンタジエニル-1-フルオレニル)ハフニウムジクロリド、あるいはイソプロピル(シクロペンタジエニル-1-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(t-ブチルアミド)ジメチル(フルオレニル)シランチタンジメチル、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド等が挙げられる。
【0081】
また場合によっては、メタロセン系触媒以外の従来より公知の触媒系を用いることもでき、たとえば、チタン触媒成分と有機アルミニウム化合物とからなるチタン系触媒、可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなるバナジウム系触媒などを挙げることもできる。
本発明で用いるシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)を、上記のようなメタロセン系触媒の存在下に製造する場合には、プロピレンと、エチレンまたは炭素数4〜20のα−オレフィンと、共役ポリエンおよび/または非共役ポリエンとを、最終的に上述した特性を有するように重合させる。重合は懸濁重合、溶液重合などの液相重合法あるいは気相重合法のいずれにおいても実施できる。
【0082】
このような重合を液相重合法により行う場合には、重合媒体として、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン 、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などの不活性炭化水素溶媒を用いることができ、またプロピレンを溶媒として用いることもできる。
【0083】
また、このような重合を、懸濁重合法をにより行う場合には、通常−50〜100℃、好ましくは0〜90℃の温度で行われることが望ましく、溶液重合法を実施する際には、通常0〜250℃、好ましくは20〜200℃の温度で行われることが望ましい。
また、気相重合法を実施する際には、重合は通常0〜120℃、好ましくは20〜100℃の温度で行われることが望ましい.重合は、通常、常圧〜100kg/cm2、好ましくは常圧〜50kg/cm2の圧力下で行われる。
【0084】
重合は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
このようにして得られる本発明のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体の分子量は、重合系に水素を存在させるか、あるいは重合温度、重合圧力を変化させることによって調節することができる。
【0085】
<シンジオタクティックポリプロピレン(B)>
本発明で用いるシンジオタクティックポリプロピレン(B)は、実質的にシンジオタクティック構造であり、融点(Tm)が110℃以上、好ましくは115〜160℃である。
シンジオタクティックポリプロピレン(B)が実質的にシンジオタクティック構造であるとは、プロピレンのトリアドシンジオタクティシティー(triad連鎖でみたシンジオタクティシティー)が0.6以上であることを意味する。
【0086】
本発明で用いるシンジオタクティックポリプロピレン(B)のトリアドシンジオタクティシティーは、通常0.6以上、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上であるのが望ましい。シンジオタクティシティーがこのような範囲にあると結晶化速度が速く、加工性に優れるため好ましい。
ここで、シンジオタクティックポリプロピレン(B)のトリアドシンジオタクティシティーについて説明する。
【0087】
シンジオタクティックポリプロピレン(B)のトリアドシンジオタクティシティー(以下「rr分率」ということがある。)は、シンジオタクティックポリプロピレン(B)の13C−NMRスペクトルおよび下記式(2)により、頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖部の第2単位目の側鎖メチル基の強度(面積)比として求められる。
【0088】
rr分率(%)=PPP(rr)/{PPP(mm)+PPP(mr)+PPP(rr)} …(2)
(式中、PPP(mm)、PPP(mr)、PPP(rr)は、それぞれ13C−NMRスペクトルの下記シフト領域で観察される頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖部の第2単位目の側鎖メチル基の面積である。)
【0089】
【表2】
Figure 0004450964
【0090】
このようなPPP(mm)、PPP(mr)、PPP(rr)は、それぞれ下記構造の頭−尾結合したプロピレン3単位連鎖を示す。
【0091】
【化9】
Figure 0004450964
【0092】
なおメチル炭素領域内(19〜23ppm)では、上記のような頭−尾結合プロピレン3連鎖中のプロピレン単位の側鎖メチル基以外にも、下記のような他の連鎖中のプロピレン単位の側鎖メチル基ピークが観測される。rr分率を求める際には、このようなプロピレン単位3連鎖に基づかないメチル基のピーク面積を下記のように補正する。なお、Pはプロピレンから導かれる繰返し単位を示し、Eはエチレンから導かれる繰返し単位を示す。
【0093】
第2領域内(20.3〜21.0ppm)では、プロピレン同士が頭−尾結合したPPE3連鎖中の第2単位(プロピレン単位)目の側鎖メチル基に由来するピークが観測される。
このメチル基ピークの面積は、PPE連鎖中の第2単位(プロピレン単位)のメチン基(30.6ppm付近で共鳴)のピーク面積から求めることができる。
【0094】
第3領域内(19.5〜20.3ppm)では、EPE3連鎖中の第2単位(プロピレン単位)目の側鎖メチル基に由来するピークが観測される。
このメチル基ピーク面積は、EPE連鎖中の第2単位(プロピレン単位)のメチン基(32.9ppm付近で共鳴)のピーク面積から求めることができる。
このような第2領域および第3領域内では、エチレン・エチレンランダム共重合体中に少量含まれる、下記部分構造▲1▼、▲2▼および▲3▼で示されるような位置不規則単位中のメチル基C〜E’に由来するピークが観察される。
【0095】
第2領域では、メチル基Cピーク、メチル基Dピークおよびメチル基D’ピークが観測され、第3領域では、メチル基Eピークおよびメチル基E’ピークが観測される。
なお位置不規則単位▲1▼〜▲3▼中のメチル基中、メチル基Aピークおよびメチル基Bピークは、それぞれ17.3ppm、17.0ppmで観測され、第1〜3領域内では観測されない。
【0096】
【化10】
Figure 0004450964
【0097】
メチル基Cのピーク面積は、隣接するメチン基(31.3ppm付近で共鳴)のピーク面積より求めることができる。
メチル基Dのピーク面積は、部分構造▲2▼のαβメチレン炭素に基づくピーク(34.3ppm付近および34.5ppm付近)のピーク面積の和の1/2より求めることができる。
【0098】
メチル基D’のピーク面積は、部分構造▲3▼のメチル基E’に隣接するメチン基に基づくピーク(33.3ppm付近)の面積より求めることができる。
メチル基Eのピーク面積は、隣接するメチン炭素(33.7ppm付近)のピーク面積より求めることができる。
メチル基E’のピーク面積は、隣接するメチン炭素(33.3ppm付近)のピーク面積より求めることができる。
【0099】
したがってこれらのピーク面積を第2領域および第3領域の全ピーク面積より差し引くことにより、頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖中の第2プロピレン単位の側鎖メチル基のピーク面積を求めることができる。
なおスペクトル中の各炭素ピークは、文献(Polymer,30,1350(1989))を参考にして帰属することができる。
【0100】
なお、このシンジオタクティック構造は、以下のようにして測定される。
すなわち、試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入する。そして日本電子製GX−500型NMR測定装置を用い、120℃で13C−NMR測定を行う。積算回数は、10,000回以上とする。
【0101】
本発明で用いるシンジオタクティックポリプロピレン(B)は、プロピレンの単独重合体または、プロピレンとエチレンまたは炭素原子数4〜20のα−オレフィンとから得られるプロピレン系ランダム共重合体であって、プロピレンから導かれる繰返し単位を90〜100モル%、好ましくは92〜100モル%、さらに好ましくは95〜100モル%の割合で含有している。
【0102】
具体的には、本発明で用いるシンジオタクティックポリプロピレン(B)は、プロピレンから導かれる繰返し単位(a)と、必要に応じてエチレンから導かれる繰返し単位(b)および/または炭素原子数4〜20のα−オレフィンから導かれる繰返し単位(c)とからなる(共)重合体であって、前記繰返し単位(a)を90〜100モル%、好ましくは92〜100モル%、さらに好ましくは95〜100モル%の割合で含有し、前記繰返し単位(b)を0〜10モル%、好ましくは0〜8モル%、さらに好ましくは0.2〜8モル%の割合で含有し、前記繰返し単位(c)を0〜9.5モル%、好ましくは0〜8.5モル%、さらに好ましくは0〜7モル%の割合で含有している。
【0103】
ここで炭素原子数4〜20のα−オレフィンとしては、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコサンなどが挙げられ、このうち1-ブテンが好ましい。
また、本発明で用いるシンジオタクティックポリプロピレン(B)は、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が、通常0.1〜10dl/g、好ましくは0.5〜8dl/g、さらに好ましくは0.6〜6dl/gの範囲にあることが望ましい。極限粘度がこのような範囲にあると、シンジオタクティックポリプロピレン(B)は、良好な流動性を示し、他の成分と配合し易く、また得られた組成物から機械的強度に優れた成形品が得られる傾向がある。
【0104】
さらに、シンジオタクティックポリプロピレン(B)は、ガラス転移温度(Tg)が、通常−15〜10℃、好ましくは−10〜0℃であるのが望ましく、GPCによる分子量分布(Mw/Mn)が通常1.5〜5、好ましくは2〜4の範囲にあるのが望ましく、また、230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが、通常0.001〜1000g/10分、好ましくは0.01〜500g/10分であることが望ましい。
【0105】
このようなシンジオタクティックポリプロピレン(B)を用いると、耐熱性、耐磨耗性、透明性および柔軟性のバランスに優れたシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物を得ることができる。
<シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物>
本発明のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物は、
(A)上述したシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体;1〜99重量部、好ましくは5〜90重量部と、
(B)上述したシンジオタクティックポリプロピレン;99〜1重量部、好ましくは95〜10重量部とからなる。
【0106】
本発明のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物は、公知の任意の方法を採用して製造することができ、たとえば、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)と、シンジオタクティックポリプロピレン(B)および所望により添加される他成分を、種々公知の方法、たとえばヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラブレンダー等で混合する方法、あるいは混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練した後、造粒あるいは粉砕する方法を採用して製造することができる。
【0107】
このような本発明のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物は、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)と、ンジオタクティックポリプロピレン(B)とを配合するため、耐熱性、耐磨耗性、透明性および柔軟性のバランスに優れ、これらの各性状に優れた成形体を提供できる。
本発明のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、結晶核剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤等の添加剤、充填材などが必要に応じて配合されていてもよい。また、本発明の趣旨を逸脱しない限り他の合成樹脂を少量ブレンドすることができる。
【0108】
結晶核剤
本発明のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物に配合することのできる結晶核剤としては、従来知られている種々の核剤が特に制限されることなく用いられる。結晶核剤として下記に挙げる芳香族リン酸エステル塩、ベンジリデンソルビトール、芳香族カルボン酸、ロジン系核剤などが例示される。
【0109】
芳香族リン酸エステル塩としては、下記式(a)で表される化合物を挙げることができる。
【0110】
【化11】
Figure 0004450964
【0111】
(式(a)中、R1は酸素原子、硫黄原子または炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示し、R2およびR3は水素原子または炭素原子数は1〜10の炭化水素基を示し、R2およびR3は同種であっても異種であってもよく、R2同士、R3同士またはR2とR3とが結合して環状となっていてもよく、Mは1〜3価の金属原子を示し、nは1〜3の整数である。)
前記式(a)で表される化合物として具体的には、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス-(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4-i-プロピル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム-ビス[2,2'-チオビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート] 、カルシウム-ビス[2,2'-チオビス(4-エチル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート] 、カルシウム-ビス[2,2'-チオビス-(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート] 、マグネシウム-ビス[2,2'-チオビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート] 、マグネシウム-ビス[2,2'-チオビス-(4-t-オクチルフェニル)フォスフェート] 、ナトリウム-2,2'-ブチリデン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-ブチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-t-オクチルメチレン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-t-オクチルメチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム- ビス-(2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート) 、マグネシウム-ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート] 、バリウム-ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート] 、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム(4,4'-ジメチル-5,6'-ジ-t-ブチル-2,2'-ビフェニル)フォスフェート、カルシウム-ビス[(4,4'-ジメチル-6,6'-ジ-t-ブチル-2,2'-ビフェニル)フォスフェート] 、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4-m-ブチル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-エチルフェニル)フォスフェート、カリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フオスフェート] 、マグネシウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート] 、バリウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート] 、アルミニウム-トリス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェル)フォスフェート] およびアルミニウム-トリス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート] およびこれらの2個以上の混合物を例示することができる。特にナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェートが好ましい。
【0112】
芳香族リン酸エステル塩としては、下記式(b)で表される化合物を挙げることができる。
【0113】
【化12】
Figure 0004450964
【0114】
(式(b)中、R は水素原子または炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示し、Mは1〜3価の金属原子を示し、nは1〜3の整数である。)
前記式(b)で表される化合物として具体的には、ナトリウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-エチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-i-プロピルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-t-オクチルフェニル)フォスフェート、カリウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、マグネシウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、アルミニウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェートおよびこれらの2種以上の混合物を例示することができる。特にナトリウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェートが好ましい。
【0115】
ベンジリデンソルビトールとしては、下記式(c)で表される化合物を挙げることができる。
【0116】
【化13】
Figure 0004450964
【0117】
(式(c)中、Rは互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示し、mおよびnはそれぞれ0〜5の整数である。)
前記式(c)で表される化合物として具体的には、1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトール、1,3-ベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3-ベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-n-プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-i-プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-n-ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-s-ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-t-ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(2',4'-ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3-ベンジリデン-2-4-p-クロルベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-p-クロルベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-p-クロルベンジリデンソルビトールおよび1,3,2,4-ジ(p-クロルベンジリデン)ソルビトールおよびこれらの2個以上の混合物を例示でき、特に1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-クロルベンジリデン)ソルビトールおよびそれらの2種以上の混合物が好ましい。
【0118】
上記のようなベンジリデンソルビトールの中では、下記式(d)で表される化合物を好ましい例として挙げることができる。
【0119】
【化14】
Figure 0004450964
【0120】
(式(d)中、Rは互いに同一でも異なっていてもよく、メチル基またはエチル基を示す。)
芳香族カルボン酸としては、下記式(e)で表されるアルミニウムヒドロキシジパラt-ブチルベンゾエートなどを挙げることができる。
【0121】
【化15】
Figure 0004450964
【0122】
ロジン系の結晶核剤としては、たとえばロジン酸の金属塩があり、ロジン酸の金属塩とは、ロジン酸と金属化合物との反応生成物をいう。ロジン酸としては、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなどの天然ロジン;不均化ロジン、水素化ロジン、脱水素化ロジン、重合ロジン、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸変性ロジンなどの各種変性ロジン;前記天然ロジンの精製物、変性ロジンの精製物などを例示できる。なお、前記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸変性ロジンの調製に用いられる不飽和カルボン酸としては、たとえばマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、アクリル酸、メタクリル酸などを挙げることができる。これらの中では、天然ロジン、変性ロジン、天然ロジンの精製物および変性ロジンの精製物からなる群より選ばれる少なくとも一種のロジン酸であることが好ましい。ここで、ロジン酸は、ピマル酸、サンダラコピマル酸、パラストリン酸、イソピマル酸、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、ジヒドロピマル酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸などから選ばれる樹脂酸を複数含んでいる。
【0123】
前記ロジン酸と反応して金属塩を形成する金属化合物としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどの金属元素を有し、かつ前記ロジン酸と造塩する化合物が挙げられる。具体的には、前記金属の塩化物、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酸化物、水酸化物などが挙げられる。
その他の結晶核剤としては、ポリマー核剤、芳香族カルボン酸や脂肪族カルボン酸や脂肪族アミド及びこれらのの金属塩、無機化合物などを例示できる。
【0124】
ポリマー核剤としては、含フッ素ポリマー、高密度ポリエチレン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリビニルシクロペンタンなどのポリビニルシクロアルカン、ポリ3-メチル-1-ペンテン、ポリ3-メチル-1-ブテン、ポリアルケニルシランなどが挙げられる。
芳香族カルボン酸や脂肪族カルボン酸のの金属塩としては、安息香酸アルミニウム塩、p-t-ブチル安息香酸アルミニウム塩、アジピン酸ナトリウム、チオフェネカルボン酸ナトリウム、ピローレカルボン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0125】
無機化合物としては、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カルシウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデンなどが挙げられる。
【0126】
本発明のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物が、これらの結晶核剤を含有する場合には、結晶核剤の配合量は、通常、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物の総量100重量部に対して、0.01〜5重量部、好ましくは0.01〜2重量部であるのが望ましい。
充填材
本発明のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物に配合することのできる充填材としては、以下のようなものを挙げることができる。
【0127】
無機充填材として、具体的には
微粉末タルク、カオリナイト、焼成クレー、パイロフィライト、セリサイト;ウォラスナイトなどの天然ケイ酸またはケイ酸塩;沈降性炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水酸化物;酸化亜鉛、亜鉛華、酸化マグネシウムなどの酸化物;含水ケイ酸カルシウム、含水ケイ酸アルミニウム、含水ケイ酸、無水ケイ酸などの合成ケイ酸またはケイ酸塩などの粉末状充填材;
マイカなどのフレーク状充填材;
塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、チタン酸カルシウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、セピオライト、PMF(Processed Mineral Fiber)、ゾノトライト、チタン酸カリ、エレスタダイトなどの繊維状充填材;
ガラスバルン、フライアッシュバルンなどのバルン状充填材などを用いることができる。
【0128】
本発明では、これらのうちでもタルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物が好ましく用いられ、特に平均粒径0.01〜50μmの水酸化物が好ましく用いられる。
なお平均粒径は、液相沈降方法によって測定することができる。
また本発明で用いられる無機充填材特にタルクは、無処理であっても予め表面処理されていてもよい。この表面処理に例としては、具体的には、シランカップリング剤、高級脂肪酸、脂肪酸金属塩、不飽和有機酸、有機チタネート、樹脂酸、ポリエチレングリコールなどの処理剤を用いる化学的または物理的処理が挙げられる。このような表面処理が施されたタルクを用いると、ウェルド強度、塗装性、成形加工性にも優れた自動車用内外装材およびガソリンタンクを得ることができる。また水酸化物を無機充填材として用いると、難燃性の付与、低表面光沢化が可能となり、壁紙や建材等に好適に用いられる。
【0129】
上記のような無機充填材は、2種以上併用してもよい。
本発明で用いられる無機充填材の配合量は特に限定されないが、無機充填材がタルクである場合は、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物100重量部に対して5〜50重量部、好ましくは10〜40重量部の割合で配合することが好ましい。また無機充填材が水酸化物である場合は、シンジオタクティックプロピレン系共重合体組成物100重量部に対して100〜800重量部、好ましくは200〜600重量部の割合で配合することが好ましい。
【0130】
さらに本発明では、このような無機充填材とともに、ハイスチレン類、リグニン、再ゴムなどの有機充填材を用いることもできる。
また、本発明のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物に、必要に応じて加硫促進剤、加硫助剤、架橋剤、架橋助剤を添加し、加硫されていても良く、これにさらにビニルモノマーを添加し、これがグラフトされていても良い。
【0131】
加硫方法としては、加硫剤を使用する方法、および電子線を照射する方法のいずれを採用してもよい。
加硫方法として加硫剤を使用する方法を採用する場合は、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物の他に、必要に応じて加硫促進剤、加硫助剤、充填剤、軟化剤などを混合し混練することにより調製することができる。
【0132】
また、加硫方法として電子線を照射する方法を採用する場合は、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物の他に、必要に応じて充填剤、軟化剤などを混合し混練することにより調製することができる。
シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物を調製する際に用いられる軟化剤としては、従来ゴムに配合されている軟化剤が広く用いられる。
【0133】
具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;
コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;
ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;
トール油;サブ;
蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;
リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸および脂肪酸塩;
石油樹脂、アタクティックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質を挙げることができる。なかでも石油系軟化剤が好ましく用いられ、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。
【0134】
これらの軟化剤の配合量は、加硫物の用途により適宜選択できるが、通常、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物の合計量100重量部に対して、150重量部以下、好ましくは100重量部以下である。
加硫剤としては、イオウ系化合物、有機過酸化物、キノイドおよびフェノール樹脂などを挙げることができる。
【0135】
イオウ系化合物としては、具体的には、イオウ、塩化イオウ、二塩化イオウ、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレンなどが挙げられる。なかでもイオウが好ましく用いられる。
イオウ系化合物は、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物の合計量100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部の量で用いられる。
【0136】
加硫剤としてイオウ系化合物を使用するときは、加硫促進剤を併用することが好ましい。加硫促進剤として具体的には、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBZ)、N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-(2,4-ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2-(2,6-ジエチル-4- モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系化合物;
ジフェニルグアニジン(DPG)、トリフェニルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレート等のグアニジン化合物;
アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミンまたはアルデヒド−アンモニア系化合物;
2-メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;
チオカルバニリド、ジエチルチオウレア、ジブチルチオウレア、トリメチルチオウレア、ジオルソトリルチオウレア等のチオウレア系化合物;
テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物;
ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ-n-ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系化合物;
ジブトキシサントゲン酸亜鉛等のザンテート系化合物;
亜鉛華等の化合物などを挙げることができる。
【0137】
これらの加硫促進剤は、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物の合計量100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部の量で用いられる。
有機過酸化物としては、従来ゴムの過酸化物加硫に使用されるものが広く用いられる。具体的には、ジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルヒドロパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)へキサン、2,5-ジメチル-2,5-モノ(t-ブチルパーオキシ)-ヘキサン、α,α'-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。なかでも、ジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンが好ましく用いられる。これらの有機過酸化物は、1種単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。
【0138】
有機過酸化物は、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物の合計量100gに対して、0.0003〜0.05モル、好ましくは0.001〜0.03モルの範囲で使用される。
加硫剤として有機過酸化物を使用するときは、加硫助剤を併用することが好ましい。加硫助剤としては、具体的には、硫黄;p-キノンジオキシム等のキノンジオキシム系化合物;ポリエチレングリコールジメタクリレート等のメタクリレート系化合物;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート等のアリル系化合物、その他マレイミド系化合物;ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
【0139】
このような加硫助剤は、使用する有機過酸化物1モルに対して、0.5〜2モル、好ましくは約等モルの量で用いられる。
本発明では、未加硫のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物に、さらにゴム補強剤、老化防止剤、加工助剤などを配合することができ、その種類および配合量は、加硫物の用途、意図する加硫物の性能等に応じて適宜選択できる。
【0140】
加硫物を製造する方法としては、特に限定されないが、具体的にはたとえば以下のような方法が採用される。
加硫方法として、加硫剤を用いる方法を採用する場合は、バンバリーミキサーなどのミキサーを用いてシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物の他に、必要に応じて充填剤、軟化剤などを80〜170℃の温度で3〜10分間混練した後、オープンロールなどのロールを用い、加硫剤、必要に応じて加硫促進剤または加硫助剤を追加混合し、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した後、分出し、リボン状またはシート状の未加硫のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物を調製する。
【0141】
このようにして調製された未加硫のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物を、押出成形機、カレンダーロール、またはプレスにより意図する形状に成形し、成形と同時に150〜270℃の温度で1〜30分間加熱するか、または成形物を加硫槽内に導入し、150〜270℃の温度で1〜30分間加熱することにより加硫物を得る。加硫は金型内で行なってもよく、また金型を用いないで行なってもよい。金型を用いない場合は成形、加硫の工程は通常連続的に実施される。加硫槽における加熱方法としては熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波電磁波)、スチームなどの加熱槽を用いることができる。
【0142】
加硫方法として、電子線を照射する方法を採用する場合は、バンバリーミキサーなどのミキサーを用い、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物の他に、必要に応じて充填剤、軟化剤などを80〜170℃の温度で3〜10分間混練した後、オープンロールなどのロール類を用い、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した後、分出し、リボン状またはシート状の未加硫の配合ゴムを調製する。
【0143】
このようにして調製されたシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物は、押出成形機、カレンダーロールまたはプレスにより意図する形状に成形し、電子線を照射することにより加硫物が得られる。電子線の照射は、0.1〜10MeV(メガエレクトロンボルト)、好ましくは0.3〜2MeVのエネルギーを有する電子線を、吸収線量が0.5〜35Mrad(メガラッド)、好ましくは0.5〜10Mradになるように行なうことが望ましい。
【0144】
本発明のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物は、上記のような方法で、加硫および/または架橋させることにより、流動性、成形性を保持し、表面硬度やゴム弾性を改良させることが可能であり、耐摩耗性、耐熱性、弾性回復などの特性をさらに向上させることができる。流動性はたとえば、MFRを測定することにより調べることができる。
【0145】
本発明において、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物は、主鎖および/または側鎖に2重結合を有することにより、加硫、架橋およびグラフト変性などの各種変性を容易に行うことができる。また、過酸化物変性により、2重結合をエポキシ化し、共重合体中に反応性に富むエポキシ基を導入することができる。これにより熱硬化型樹脂としての利用、または反応性樹脂として利用も可能となる。さらには、ディールスアルダー反応、マイケル付加反応等にも2重結合は利用可能である。その他、主鎖の2重結合を選択的に水素添加し飽和にすることで、耐熱性、耐オゾン性もさらに向上する。
【0146】
本発明において、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物は、その一部または全部が不飽和カルボン酸、その誘導体、または芳香族ビニル化合物でグラフト変性されていてもよい。
一般に側鎖2重結合の存在しない樹脂をグラフト変成する場合には、多量のラジカル開始剤を用いる必要があり、また分解反応も併発するため分子量が低下するという問題があるが、本発明のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物は、側鎖に末端2重結合を有しているため、ラジカル開始剤の使用量を低減することができると同時に、発生するラジカルが2重結合と反応して分解反応を抑制するため分子量の低下も抑えられる。
【0147】
変性に用いられるモノマー(以下、「ビニルモノマー」ともいう。)としては、不飽和カルボン酸、その誘導体、または芳香族ビニル化合物が挙げられる。
不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などが挙げられる。
また不飽和カルボン酸の誘導体としては、酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩などが挙げられ、具体的には、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸ジエチルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン酸-N-モノエチルアミド、マレイン酸-N,N-ジエチルアミド、マレイン酸-N-モノブチルアミド、マレイン酸-N,N-ジブチルアミド、フマル酸モノアミド、フマル酸ジアミド、フマル酸-N-モノエチルアミド、フマル酸-N,N-ジエチルアミド、フマル酸-N-モノブチルアミド、フマル酸-N,N-ジブチルアミド、マレイミド、N-ブチルマレイミド、N-フェニルマレイミド、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウムなどが挙げられる。これらのグラフトモノマーの中では無水マレイン酸を使用することが好ましい。
【0148】
芳香族ビニル化合物としては、具体的には、
スチレン;
o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、o,p-ジメチルスチレン、o-エチルスチレン、m-エチルスチレン、p-エチルスチレン等のモノもしくはポリアルキルスチレン;
メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、o-クロロスチレン、p-クロロスチレン、ジビニルベンゼン等の官能基含有スチレン誘導体;
3-フェニルプロピレン、4-フェニルブテン、α-メチルスチレンなどが挙げられる。これらのなかでは、スチレンまたは4-メトキシスチレンが好ましい。
【0149】
ビニルモノマーをシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物にグラフト共重合して変性共重合体を製造するには、公知の種々の方法を採用することができる。
たとえば、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物と、グラフトモノマーとを溶媒の存在下または不存在下で、ラジカル開始剤を添加してまたは添加せずに高温で加熱することによってグラフト共重合を行なう方法が挙げられる。
【0150】
所望のグラフト率で、一部または全部がグラフト変性されたシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物を製造するには、工業的製造上からは、高いグラフト率のグラフト変性共重合体またはグラフト変性共重合体組成物を製造し、これと未変性の共重合体または共重合体組成物とを混合することによりグラフト率を調整する方法が挙げられる。この方法により、一部が変性されたシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物が得られる。このような方法は、共重合体または共重合体組成物中のグラフトモノマー濃度を適当に調整できるため好ましい。
【0151】
また、グラフト変性物を得るには、最初からシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物に所定量のグラフトモノマーを配合してグラフトしてもよい。この方法により、全部が変性されたグラフト変性シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物が得られる。
本発明のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物へのグラフトモノマーによる変性量は、上記のようなグラフト変性体、またはグラフト変性体および未変性体の混合物全体におけるグラフト率が0.01〜30重量%、好ましくは0.05〜10重量%の範囲にあることが望ましい。
【0152】
本発明のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物は、適宜成形して従来公知のポリオレフィン用途に広く用いることができる。
<成形体>
本発明の成形体は、上述のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物を、従来公知の成形法により成形することにより製造することができる。成形法としては、押出成形、射出成形、インフレーション成形、ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、プレス成形、真空成形、カレンダー成形、発泡成形などの公知の熱成形方法をいずれも採用することができる。
【0153】
本発明の成形体は、その形状および用途を限定するものではなく、たとえば下記の用途に好適に使用することができる。
フィルム;多層延伸フィルム、多層未延伸フィルム、ラミネートフィルム、シュリンクフィルム、ストレッチフィルム、ラップフィルム、プロテクトフィルム、レトルトフィルム、多孔性フィルム、バリアーフィルム、金属蒸着フィルム、農業用フィルム、蓄冷袋、化粧フィルム、テーブルクロス、ブックカバーなど
シートおよびシート成形品:壁紙、発泡シート、電線被覆、プリスター包装、トレー、文具、玩具、食品容器、化粧品容器、日用品(掃除機バンパー、カッティングマット、風呂蓋など)、医療器具(医療用チューブ、輸液セットなど)、洗剤容器、床材、クッションフロワー、化粧シート、靴底など
ブロー品:ボトル、容器、パイプなど
押し出し品:チューブ、電線被覆、ケーブル被覆、パイプ、ガスケットなど
ファイバー:繊維、フラットヤーンなど
不織布および不織布製品:不織布、フィルターなど
射出品:自動車内装表皮材、自動車外装材、日用雑貨品、家電製品、キャップ、コンテナ、パレットなど
改質材:粘接着剤、潤滑油添加剤、ホットメルト接着剤、トナー離型剤、顔料分散剤、アスファルト改質材など
その他:シーラント、真空成形体、パウダースラッシュ体など。
【0154】
以下に本発明の成形体を数例挙げて説明する。
本発明に係る成形体がたとえば押出成形体である場合、その形状および製品種類は特に限定されないが、たとえばシート、フィルム(未延伸)、タイヤサイドウォール、タイヤトレッド、ベルト、ワイパーブレード、各種パッキン(O-リングなど)、ダイヤフラム、グラスチャンネル、ベルト、パイプ、ホース、電線被覆、フィラメントなどが挙げられる。
【0155】
シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物を押出成形する際には、従来公知の押出装置および成形条件を採用することができ、たとえば単軸スクリュー押出機、混練押出機、ラム押出機、ギヤ押出機などを用いて、溶融したシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物を、Tダイなど所望の形状のダイスから押出すことにより、未延伸のシートまたはフィルム、パイプ、チューブなどに成形することができる。
【0156】
延伸フィルムは、上記のような押出シートまたは押出フィルム(未延伸)を、たとえばテンター法(縦横延伸、横縦延伸)、同時二軸延伸法、一軸延伸法などの公知の延伸方法により延伸して得ることができる。
シートまたは未延伸フィルムを延伸する際の延伸倍率は、二軸延伸の場合には通常20〜70倍程度、また一軸延伸の場合には通常2〜10倍程度である。延伸によって、厚み5〜200μm程度の延伸フィルムを得ることが望ましい。
【0157】
また、フィルム状成形体として、インフレーションフィルムを製造することもできる。本発明に係るシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物をインフレーション成形するとドローダウンが生じにくい。
フィラメントは、たとえば溶融したシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物を、紡糸口金を通して押出すことにより製造することができる。このようにして得られたフィラメントを、さらに延伸してもよい。この延伸は、フィラメントの少なくとも一軸方向が分子配向する程度に行なえばよく、通常5〜10倍程度の倍率で行なうことが望ましい。
【0158】
射出成形体は、従来公知の射出成形装置を用いて公知の条件を採用して、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物を種々の形状に射出成形して製造することができる。このような射出成形体は、自動車内装用トリム材、自動車用外装材、家電製品のハウジング、容器など幅広く用いることができる。
ブロー成形体は、従来公知のブロー成形装置を用いて公知の条件を採用して、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物をブロー成形することにより製造することができる。
【0159】
たとえば押出ブロー成形では、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物を樹脂温度100℃〜300℃の溶融状態でダイより押出してチューブ状パリソンを形成し、次いでパリソンを所望形状の金型中に保持した後空気を吹き込み、樹脂温度130℃〜300℃で金型に着装することにより中空成形体を製造することができる。延伸(ブロー)倍率は、横方向に1.5〜5倍程度であることが望ましい。
【0160】
また、射出ブロー成形では、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物を樹脂温度100℃〜300℃でパリソン金型に射出してパリソンを成形し、次いでパリソンを所望形状の金型中に保持した後空気を吹き込み、樹脂温度120℃〜300℃で金型に着装することにより中空成形体を製造することができる。
中空成形体を射出ブロー成形により製造する場合の延伸(ブロー)倍率は、縦方向に1.1〜1.8倍、横方向に1.3〜2.5倍であるであることが望ましい。
【0161】
プレス成形体としてはモールドスタンピング成形体が挙げられ、たとえば基材と表皮材とを同時にプレス成形して両者を複合一体化成形(モールドスタンピング成形)する際の基材を本発明に係るシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物で形成することができる。
このようなモールドスタンピング成形体としては、具体的には、ドアートリム、リアーパッケージトリム、シートバックガーニッシュ、インストルメントパネルなどの自動車用内装材が挙げられる。
【0162】
本発明に係るシンジオタクティックプロピレン系共重合体から得られる成形体は、耐熱性、耐摩耗性、透明性および柔軟性のバランスに優れている。
【0163】
【発明の効果】
本発明によれば、耐熱性、耐摩耗性、透明性および柔軟性のバランスに優れた成形体を製造しうる、シンジオタクティックプロピレン系共重合体組成物およびシンジオタクティックプロピレン系共重合体組成物を用いた成形体を提供することができる。
【0164】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、本明細書において、物性の測定および評価は以下の条件で行った。
1.引っ張り弾性率(ヤングモジュラス);
JIS K6301に準拠して、JIS 3号ダンベルを用い、スパン間:30mm、引っ張り速度:30mm/minで23℃にて測定した。
2.JIS A硬度;
JIS K 6301に従って、JIS A硬度(HS)を測定した。
3.軟化温度(針侵入温度)(℃);
JIS K7196に準拠し、厚さ2mmの試験片を用いて、昇温速度5℃/minで1.8mmφの平面圧子に2kg/cm2の圧力をかけ、TMA曲線より、針進入温度(℃)を求めた。
4.ヘイズ(%);
厚さ1mmの試験片を用いて、日本電色工業(株)製のデジタル濁度計「NDH−20D」にて測定した。
5.耐摩耗性試験
東洋精機製、学振摩耗試験機を用いて、厚さ2mmの試験片を用いて、45R、SUS製の摩耗圧子470gの先端を綿帆布#10に覆い、これを23℃、往復回数100回、往復速度33回/min、ストローク100mmで試料を摩耗させ、その前後のグロス変化率ΔGlossを下記式により求めた。
【0165】
【数2】
Figure 0004450964
【0166】
6.融点(Tm)およびガラス転移温度(Tg)
DSCの吸熱曲線を求め、最大ピーク位置の温度をTmとする。
測定は、試料をアルミパンに詰め、100℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持したのち、10℃/分で−150℃まで降温し、ついで10℃/分で昇温する際の吸熱曲線より求めた。
7.極限粘度[η]
135℃、デカリン中で測定した。
8.分子量分布(Mw/Mn)
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、オルトジクロロベンゼン溶媒で、140℃で測定した。
9.SP値およびトリアドシンジオタクティシティー
試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させ、この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入した。そして日本電子製GX−500型NMR測定装置を用い、120℃で13C−NMR測定を行った。積算回数は、10,000回以上とした。この結果得られたメチル基ピーク面積より、上述した方法によりSP値およびトリアドシンジオタクティシティーを求めた。
【0167】
【実施例1】
<シンジオタクティックプロピレン・エチレン・DMDT共重合体の合成>
減圧乾燥および窒素置換してある1.5リットルのオートクレーブに、常温でヘプタンを606.8ml加え、続いてトリイソブチルアルミニウム(以下、TIBAと略す。)の1.0ミリモル/mlトルエン溶液をアルミニウム原子に換算してその量が1.0ミリモルとなるように1.0ml加え、撹拌下にプロピレンを50.7リットル(25℃、1気圧)、4,8-ジメチル-1,4,8-デカトリエン(DMDT)を10.9ミリリットル挿入し、昇温を開始し50℃に到達させた。その後、系内をエチレンで7.5kg/cm2Gとなるように加圧し、公知の方法で合成した公知の方法で合成したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリドのヘプタン溶液(0.001mM/ml)を3ml、(トリフェニルカルベニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート)のトルエン溶液(0.004mM/ml)を15ml加え、プロピレンとエチレンとDMDTの共重合を開始させた。この時の触媒濃度は、全系に対してジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリドが0.004ミリモル/リットル、トリフェニルカルベニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートが0.08ミリモル/リットルであった。
【0168】
重合中、エチレンを連続的に供給することにより、内圧を7.2kg/cm2Gに保持した。重合を開始して10分後に、メチルアルコールを添加して重合反応を停止した。脱圧後、ポリマー溶液を取り出し、このポリマー溶液に対して、「水1リットルに対して濃塩酸5mlを添加した水溶液」を1:1の割合で用いてこのポリマー溶液を洗浄し、触媒残渣を水相に移行させた。この触媒混合溶液を静置したのち、水相を分離除去しさらに蒸留水で2回洗浄し、重合液相を油水分離した。次いで、油水分離された重合液相を3倍量のアセトンと強撹拌下に接触させ、重合体を析出させたのち、アセトンで十分に洗浄し固体部(共重合体)を濾過により採取した。窒素流通下、130℃、350mmHgで12時間乾燥した。
【0169】
以上のようにして得られたプロピレン・エチレン・DMDT共重合体は、収量が70gであり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1.7dl/gであり、ガラス転移温度(Tg)が−27℃であり、プロピレンとエチレンとの合計100モル%に対してのエチレン含量が20モル%、DMDT含量が0.98モル%であり、ヨウ素価は6.1g/100gであり、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.1であり、SP値は0.91であった。また、融点(Tm)は観測されなかった。
【0170】
<シンジオタクティックポリプロピレンの合成>
特開平2−274763号公報に記載の方法に従い、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロライドおよびメチルアルミノキサンからなる触媒を用いて、水素の存在下でプロピレンの塊状重合法によってシンジオタクティックポリプロピレンを得た。得られたシンジオタクティックポリプロピレンは、メルトフローインデックスが4.4g/10min、GPCによる分子量分布(Mw/Mn)は2.3、13C−NMRによって測定されたトリアドシンジオタクティシティー(rr分率)が0.823、示差走査熱量分析で測定したTmが127℃、Tgが57℃であった。
【0171】
<組成物の調製>
上述の合成により得られたシンジオタクティックプロピレン・エチレン・DMDT共重合体60重量部と、シンジオタクティックポリプロピレン40重量部とを混合し、溶融混練によりシンジオタクティクプロピレン系共重合体組成物のペレットを得た。
【0172】
<プレスシートの製造>
得られたシンジオタクティクプロピレン系共重合体組成物のペレットを用い、熱板温度190℃、余熱6分、加圧(100kg/cm2)2分で成形したのち、熱板温度20℃のプレス成形機に移して加圧(100kg/cm2)冷却することにより1mm厚のプレスシートを作製した。シート物性を表3に示す。
【0173】
【実施例2】
実施例1で合成したシンジオタクティックプロピレン・エチレン・DMDT共重合体60重量部と、実施例1で合成したシンジオタクティックポリプロピレン40重量部とを混合し、これに架橋剤(PH25B、日本油脂製)を0.2重量部添加し、溶融混練により熱可塑性樹脂組成物の架橋物であるペレットを得た。
【0174】
次いで得られたペレットを用いて、実施例1と同様にして1mm厚のプレスシートを作製した。シート物性を表3に示す。
【0175】
【比較例1】
アイソタクティックポリプロピレン(グランドポリマー(株)製、グレードF337D)60重量部と、三井化学(株)製エチレン・プロピレン・ENB共重合体(ENB:5-エチリデン-2-ノルボルネン、グレード:13092P)40重量部とを混合し、溶融混練によりアイソタクティックプロピレン系共重合体組成物のペレットを得た。
【0176】
次いで得られたペレットを用いて、実施例1と同様にして1mm厚のプレスシートを作製した。シート物性を表3に示す。
【0177】
【表3】
Figure 0004450964

Claims (3)

  1. (A)(A1)プロピレンから導かれる構成単位と、
    (A2)エチレンおよび炭素数4〜20のα−オレフィンよりなる群から選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンから導かれる構成単位と、
    (A3)共役ポリエンおよび/または非共役ポリエンから導かれる構成単位とからなり、
    前記プロピレンから導かれる構成単位(A1)と、前記α−オレフィンから導かれる構成単位(A2)との合計を100モル%としたときに、
    (A1):99〜50モル%、
    (A2):1〜50モル%、
    (A3):0.01〜30モル%
    の割合で含んでなり、実質的にシンジオタクティック構造であることを特徴とする、シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体;1〜99重量部と、
    (B)実質的にシンジオタクティック構造であり、融点(Tm)が110℃以上である、シンジオタクティックポリプロピレン;99〜1重量部と
    からなることを特徴とするシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物。
  2. シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体(A)が、
    135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.01〜10dl/gの範囲であり、GPCによる分子量分布(Mw/Mn)が4.0以下であり、ガラス転移温度(Tg)が30℃以下である、請求項1に記載のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物。
  3. 請求項1または2に記載のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物からなることを特徴とする成形体。
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