JP4449614B2 - 波長変換光学系及びレーザ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、主として固体パルスレーザから放出されるレーザ光をその高調波に変換する、波長変換光学系、及びこの波長変換光学系を有するレーザ装置に関するものである。
レーザ光は近年において種々の用途に用いられており、例えば、金属の切断や加工を行ったり、半導体製造装置におけるフォトリソグラフィー装置の光源として用いられたり、各種測定装置に用いられたり、外科、眼科、歯科等の手術および治療装置に用いられたりしている。
ところが、ArFエキシマレーザ発振装置は、チャンバー内にアルゴンガス、フッ素ガス、ネオンガス等を封入して構成されるものであり、これらガスを密封する必要がある。さらに、各ガスの充填、回収を行う必要もあり、装置が大型化且つ複雑化しやすいという問題がある。又、ArFエキシマレーザ発振装置は所定のレーザ光発生性能を保持するために、定期的に内部ガスの交換を行ったり、オーバホールを行ったりする必要があるという問題もある。
よって、レーザ光源としてはこのような気体レーザでなく、固体レーザを用いることが好ましい。ところが、固体レーザから放出されるレーザ光の波長は、通常、上記波長に比べて長波長であり、例えば角膜治療装置に使用するには向いていない。そこで、このような固体レーザから放出される長波長の光を、非線形光学結晶を用いることにより短波長の紫外光(例えば8倍波)に変換して用いる方法が開発され、例えば特開2001−353176号公報(特許文献1)に記載されている。このような目的に用いられる非線形光学素子としては、BBO結晶、CLBO結晶等が知られている。
このような、レーザ装置の概要を、図4〜図6により説明する。図4は、レーザ装置であり、固体レーザから放出されるレーザ光を波長変換して出力する装置の全体構成図を示す図である。すなわち、このレーザ装置は、基本波発生部1、波長変換部2から構成されている。
図5は基本波発生部1の概略構成を示す図である。
基本波を発生するレーザ光源は、Er3+添加光ファイバ増幅器を用いており、主に基準光源部3、EDF部4、励起用光源部5から構成される。基準光源部3の基準光源となるDFBからは波長1547nmのパルス光が出力され、EDF部4により増幅される。EDF部4はEDF1、EDF2、EDF3の3段階のEDFから構成され、それぞれに励起用光源5a、5b、5cから励起光が供給される。EDF3からの出力光が後に説明する波長変換部に入力される。
図6は波長変換部2の概略構成を示す図である。波長変換部2は基本波発生部1から出力される波長1547nmのレーザ光の波長変換を行う。波長変換部2には、複数の波長変換手段、すなわち、2倍波発生部6、3倍波発生部7、4倍波発生部8、7倍波発生部9、8倍波発生部10の各高調波発生部が設けられ、それぞれの高調波発生部間に、高調波を次の高調波発生部へ伝播させるための光学素子が配置されている。
この実施の形態では、各高調波発生部とも非線形光学結晶を用いている。具体的には、2倍波発生部6、3倍波発生部7、4倍波発生部8にはLiB(LBO)結晶を、7倍波発生部9にはβ−BaB(BBO)結晶を、8倍波発生部10にはCsLiB10(CLBO)結晶を用いている。これら、2倍波発生部6、3倍波発生部7、4倍波発生部8、7倍波発生部9、8倍波発生部10は、それぞれ波長773nm、516nm、387nm、221nm、193nmの光を発生する。
すなわち、入射した波長1547nmのレーザ光は、レンズL1により集光されて2倍波発生部6に入射する。2倍波発生部6からは、この基本波と共に、2倍の周波数の光(2倍波)が出力される。これらの光は、レンズL2により集光されて3倍波発生部7に入って合成され、基本波、2倍波と共に、基本波の3倍の周波数(3倍波)が出力される。このうち、3倍波は、ダイクロイックミラーM1により反射され、レンズL3、L4を介して反射ミラーM2で反射された後、ダイクロイックミラーM3を通過して、後に述べる基本波の4倍の周波数を持つ光(4倍波)と合成される。レンズL3、L4は、3倍波を7倍波発生部9に集光するようになっている。
ダイクロイックミラーM1を通過した基本波と2倍波のうち、2倍波は、ダイクロイックミラーM4で反射され、レンズL5により集光されて4倍波発生部8に入射する。そして、4倍波発生部8からは、2倍波と共に4倍波が出力される。そして、2つのシリンドリカルレンズ11a、11bを組み合わせて1つのレンズ作用を持たせた光学素子により、7倍波発生部9に集光される。即ち、4倍波は、ダイクロイックミラーM3で反射され、前述の3倍波と合成されて7倍波発生部9に入力される。よって、7倍波発生部9からは3倍波、4倍波と共に、基本波の7倍の周波数を持つ光(7倍波)が出力される。
これらの光は、2つのシリンドリカルレンズ12a、12bを組み合わせて1つのレンズ作用を持たせた光学素子を介して、ダイクロイックミラーM5に入力され、7倍波のみが反射されて8倍波発生部10に入力される。2つのシリンドリカルレンズ12a、12bを組み合わせた光学素子は、この7倍波を8倍波発生部10に集光させるようになっている。
ダイクロイックミラーM4を透過した基本波は、反射ミラーM6、M7、M8と、レンズL6、L7からなる光学系と、ダイクロイックミラーM5を通過し、レンズL6、L7の働きにより、8倍波発生部10に集光される。よって、8倍波発生部10には基本波と7倍波が入力されることになり、基本波と7倍波の他に、基本波の8倍の周波数を持つ光(8倍波)が出力される。
このように、図6に示される波長変換部2では、基本波、2倍波、3倍波の集光には通常のレンズを使用し、4倍波、7倍波の集光には2つのシリンドリカルレンズを組み合わせた光学素子を使用している。シリンドリカルレンズを用いるのは、4倍波発生部8、7倍波発生部9から出力される4倍波、7倍波は、それぞれウォークオフのために楕円形になっているので、これらを円形にして、次の波長変換素子において変換効率を上げるためである。なお、図6において、13a、13b、14a、14bは、シリンドリカルレンズの保持手段である。
特開2001−353176号公報
波長変換結晶の内、BBO結晶、CLBO結晶は、特に高周波(短波長)の波長変換に使用され、深紫外領域の光を受けることが多い。そのため、長時間使用すると波長変換結晶そのものがダメージを受けて変換効率が低下するという問題点がある。
例えば、図6に示す光学系において、193nmの深紫外光で100mWの強さのものを発生する場合には、7倍波発生部9に用いられるBBO結晶の寿命が最も短く、約20〜30時間程度である。次に8倍波発生部10に用いられるCLBO結晶の寿命が短く約100時間程度である。
従来、このような問題に対する対策として、使用時間が所定時間に達した場合、あるいは発生するパワーが低下した場合に、光の入射位置を変えることにより、これらの結晶内での光の通過路を変化させ、ダメージを受けていない部分を新たな光路とすることにより、変換効率低下の回復を図り、BBO結晶やCLBO結晶を長時間使用することが行われてきた。
しかしながら、このようにしても、比較的短い使用時間ごとにBBO結晶やCLBO結晶を交換しなければならないという問題点があった。また、この他に、深紫外光が照射されるダイクロイックミラーも同様に損傷を受け、その寿命が、193nmの深紫外光で100mWの強さのものを発生する場合には、200〜300時間程度であるという問題点もあった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、時間によって劣化が避けられない波長変換素子やダイクロイックミラーを長時間に亘って使用可能な波長変換光学系、及びこの波長変換光学系を使用したレーザ装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための第1の手段は、波長変換素子を用いて、入力される基本波からその高調波を発生させる波長変換光学系であって、波長変換素子としてBBO結晶、CLBO結晶のうち少なくとも一つを用いている波長変換光学系において、出力される光のパワーをモニタリングする出力光モニタ装置と、当該出力光モニタ装置の出力を受け、出力される光のパワーが一定となるように前記入力される基本波のパワーを操作する出力光調整装置と、当該基本波のパワーをモニタする基本波モニタ装置と、前記基本波モニタ装置で検出された前記基本波のパワーが所定値に達したとき、前記BBO結晶、CLBO結晶のうち少なくとも一つの、受光角度又は受光位置の少なくとも一方を、所定量だけ調整又はシフトする調整・シフト制御装置を有することを特徴とする波長変換光学系(請求項1)である。
本手段においては、従来から行われている波長変換結晶のシフトによる調整に加えて、結晶の角度調整を行う制御及び、入力される基本波のパワーを操作し、出力光のパワーを一定にする制御を加えている。よって、波長変換結晶のシフトを行わなければならなくなるまでの時間を従来よりも長くすることができて、その分、装置全体のオーバホールまでの時間を長くすることができる。
前記課題を解決するための第2の手段は、波長変換素子を用いて、入力される基本波からその高調波を発生させる波長変換光学系であって、波長変換素子としてBBO結晶、CLBO結晶のうち少なくとも一つを用いている波長変換光学系において、出力される光のパワーをモニタリングする出力光モニタ装置と、当該出力光モニタ装置の出力を受け、出力される光のパワーが一定となるように前記入力される基本波のパワーを操作する出力光調整装置と、前記基本波のパワーをモニタする基本波モニタ装置と、第1の所定使用時間ごとに前記BBO結晶、CLBO結晶のうち少なくとも一つ(「調整可能結晶という」)の受光角度を所定量調整し、受光角度の所定量の調整を行っても前記基本波出力が所定値からほとんど下げられない状態となったとき、前記調整可能結晶の受光角度を当初の値にもどすと共に、前記調整可能結晶の受光位置を所定量シフトさせる動作を繰り返し行う調整・シフト制御装置を有することを特徴とする波長変換光学系(請求項2)である。
前記課題を解決するための第3の手段は、波長変換素子を用いて、入力される基本波からその高調波を発生させる波長変換光学系であって、波長変換素子としてBBO結晶、CLBO結晶のうち少なくとも一つを用いている波長変換光学系において、出力される光のパワーをモニタリングする出力光モニタ装置と、当該出力光モニタ装置の出力を受け、出力される光のパワーが一定となるように前記入力される基本波のパワーを操作する出力光調整装置と、前記基本波のパワーをモニタする基本波モニタ装置と、第2の所定使用時間ごとに前記BBO結晶、CLBO結晶のうち少なくとも一つ(「調整可能結晶という」)の受光位置を所定量シフトさせ、シフト回数が所定値に達したとき、前記調整可能結晶の受光位置を当初の値にもどすと共に、前記調整可能結晶の受光角度を所定量調整させる動作を繰り返し行う調整・シフト制御装置を有することを特徴とする波長変換光学系(請求項3)である。
これら、第2の手段、第3の手段は、制御の順番が異なるだけであって、本質的には前記第1の手段と等価なものであり、装置全体のオーバホールまでの時間を長くすることができる。
前記課題を解決するための第4の手段は、前記第1の手段から第3の手段のうちいずれかの波長変換光学系であって、ダイクロイックミラーを使用しているものにおいて、前記ダイクロイックミラーの少なくとも一つの受光位置をシフトするダイクロイックミラーシフト制御装置を有することを特徴とするもの(請求項4)である。
本手段においては、ダイクロイックミラーの耐用時間を長くすることができ、装置全体のオーバホールまでの時間を長くすることができる。
前記課題を解決するための第5の手段は、前記第1の手段から第4の手段のうちいずれかの波長変換光学系であって、角度調整、受光位置調整を行った波長変換素子から放出される光を、さらに後段の波長変換素子に、レンズ系を通して集光して入力させ、前記後段の波長変換素子に同時に入力される光との和又は差の周波数を有する光を得る機能を有するものにおいて、前記後段の波長変換素子からの出力光のパワーが最大となるように、角度調整を行った波長変換素子から放出される光、又は前記後段の波長変換素子に同時に入力される光の光軸を調整する光軸調節装置を有することを特徴とするもの(請求項5)である。
波長変換素子の角度調整や、受光位置の調整を行うと、その波長変換素子から出力される光の光軸がずれ、後にその光を使用して波長変換を行う波長変換素子の受光部において、他の光との光軸が合わなくなることがある。このようなことが起こると、後段の波長変換素子での変換効率が低下する。本手段においては、光軸調整装置により、複数の光の光軸を合わせるようにしているので、変換効率の低下を抑えることができる。
前記課題を解決するための第6の手段は、レーザ光源と、当該レーザ光源からの光、又はそれを光増幅器によって増幅した光を、前記入力される基本波とし、前記第1の手段から第5の手段のうちいずれかの波長変換光学系において形成された高調波を出力とするレーザ装置であって、前記出力光調整装置が、前記レーザ光源から放出される光のパワー、又は前記光増幅器の増幅率を操作するものであることを特徴とするレーザ装置(請求項6)である。
本手段においては、オーバホールまでの時間の長いレーザ装置とすることができる。
なお、本欄及び請求項に記載の「基本波のパワーをモニタする基本波モニタ装置」には、直接、基本波のパワーをモニタする装置の他に、基本波のパワーと相関関係がある励起用光源の出力をモニタして、間接的に基本波のパワーをモニタする装置も含む。また、「前記基本波モニタ装置で検出された前記基本波パワー」には、励起用光源の出力をモニタして基本波のパワーに変換して得られる基本波のパワーも含む。
本発明によれば、時間によって劣化が避けられない波長変換素子やダイクロイックミラーを長時間に亘って使用可能な波長変換光学系、及びこの波長変換光学系を使用したレーザ装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態の例を図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の1例である波長変換光学系の概要を示す図である。図1に示す波長変換光学系の基本的な構成は、図6に示した従来の波長変換光学系と同じであるので、同じ部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
図1に示す波長変換光学系においては、出力される8倍波は、ハーフミラー15によりその一部が反射され、光量モニタリング装置16に導かれる。光量モニタリング装置16は、出力される8倍波のパワーをモニタリングし、その出力を制御装置17に伝送する。
制御装置17は、出力される8倍波のパワーが一定となるように、励起用光源部5に指令を出し、励起用光源の強さを操作する。なお、励起用光源部5を操作するのではなく、基準光源部3を操作するようにしてもよいことは言うまでもない。
それと同時に、制御装置は、BBOシフト操作部18、CLBOシフト操作部19、ダイクロイックミラー操作部20に指令を出し、それぞれ、7倍波発生部9のBBO結晶の光軸の角度と入射光が入射する位置のシフト、8倍波発生部10のCLBO結晶の光軸の角度と入射光が入射する位置のシフト、及びダイクロイックミラーM5に入射光が入射する位置のシフトを行う機能を有している。
制御装置17が行う第1の制御の例を図2を参照しながら説明する。図2は、横軸に使用時間、縦軸に基本波と8倍波の出力をとった図である。この図は、BBOシフト操作部18と、励起用光源部5を操作して、8倍波の出力を一定に保っている状態を示す図である。なお、基本波の出力は、励起用光源の強さにほぼ比例するので、励起用光源の強さと読み替えてもよい。
図1に示す制御装置17の働きにより、8倍波出力は一定に保たれている。初期状態から使用時間がA1までの間は、7倍波発生部9のBBO結晶の劣化により、そのままでは8倍波の出力が徐々に低下するので、基本波の出力を大きくするように励起用光源部5を操作して、8倍波の出力を一定に保っている。使用時間A1で、励起光の出力がある所定の値に達する。
制御装置17は、この状態を検知し、BBOシフト操作部18に指令を出してBBO結晶の光軸を所定量傾ける。これにより、損傷により生じていた位相不整合が補償され、BBO結晶の変換効率が上がるので、基本波出力を低下させても8倍波の出力を一定に保てるようになる。しかし、損傷により生じていた位相不整合は完全には補償されず、変換効率がやや低下するので、基本波の出力は初期の状態には戻らず少し高めになる。
その後、再び使用時間が経過すると共に基本波の出力が上昇し、使用時間A2で、基本波の出力が所定値に達する。そこで、再び、制御装置17は、この状態を検知し、BBOシフト操作部18に指令を出してBBO結晶の光軸を所定量傾ける。基本波出力の「所定値」は、例えば、初期値の2割から5割増しの値で、ビーム品質が保持でき、波長変換後の出力に安定性が保持できる範囲内で決める。
この操作を所定回数(図では2回)繰り返した後では、それ以上光軸を傾けても、あまり効果が得られなくなる。
そこで、制御装置は、使用時問B1が経過してBBO結晶の光軸を傾けても効果が得られない状態(即ち、BBO結晶の光軸を傾けても変換効率が向上せず、基本波出力を所定値からほとんど低下できなくなった状態)になったとき、BBOシフト操作部18に指令を送り、BBO結晶の光軸の傾きを元に戻すと共に、BBO結晶をシフトさせて、入射光の受光位置を変更する。これにより、8倍波出力を一定に保つための基本波出力は初期状態に戻る。以後、再び、基本波出力が所定値に達するA3、A4の時点でBBO結晶の光軸の傾きを変化させ、B2の時点でBBO結晶の光軸の傾きを元に戻すと共に、BBO結晶をシフトさせて、入射光の受光位置を変更する。このような動作を繰り返し、所定回の光軸のシフトと、別の所定回の受光位置のシフトを終えたところで、BBO結晶を交換する。このように、従来行われていた入射光の受光位置のシフトに加えて、BBO結晶の角度の調整及び入射光の出力を変化させることにより、BBO結晶の使用時間を大幅に伸ばすことができる。
図3は、制御装置17が行う第2の制御の例を示す図である。この制御の例においても、図1示す制御回路17の働きにより、8倍波出力は一定に保たれている。この例においては、使用時間が20時間経過する毎に、制御装置17がBBOシフト操作部18に指令を出して、BBO結晶の光軸を所定量だけ傾けている。これにより、使用開始から60時間が経過するまでは、基本波の出力は図のように変化する。60時間経過したとき、基本波の出力が所定値に達するので、この段階で制御装置17は、BBOシフト操作部18に指令を出して、BBO結晶の光軸の傾きを元に戻すと共に、BBO結晶をシフトさせて、入射光の受光位置を変更する。これにより、8倍波出力を一定に保つための基本波出力は初期状態に戻る。
以後、再び、基本波のパワーが所定値に達するまで、20時間を経過する毎にBBO結晶の光軸の傾きを変化させ、基本波出力が所定値に達した時点でBBO結晶の光軸の傾きを元に戻すと共に、BBO結晶をシフトさせて、入射光の受光位置を変更する。
なお、図3においては、ちょうど60時間、120時間経過したときに基本波出力が所定値に達するように図示しているが、例えば50時間経過したときに基本波出力が所定値に達したような場合には、その時点でBBO結晶の光軸の傾きを元に戻すと共に、BBO結晶をシフトさせて、入射光の受光位置を変更する。
図3に示す例においては、20時間毎にBBO結晶の光軸の傾きを変化させていたが、所定時間毎にBBO結晶をシフトさせるようにし、シフト回数が所定値に達したような場合には、その時点でBBO結晶の受光位置を初期状態に戻すと共に、BBO結晶の光軸を所定量傾けるようにし、これを繰り返しても同様の効果が得られる。
図2、図3は、7倍波発生部9のBBO結晶を操作する例を示したが、8倍波発生部10のCLBO結晶を操作する場合も同様に行うことができる。又、7倍波発生部9のBBO結晶と8倍波発生部10のCLBO結晶の双方を操作する場合には、例えば、初めにBBO結晶の操作のみを行い、BBO結晶の操作では、8倍波の出力を一定に保つことができなくなった時点で、BBO結晶の操作を止め、CLBO結晶の操作を開始するようにすればよい。
7倍波発生部9のBBO結晶と8倍波発生部10のCLBO結晶の双方を操作する方法としては、この他に、例えばBBO結晶を所定回数操作する毎の、又はBBO結晶の使用時間が予め定められた時間(複数)を経過した後でのBBO結晶の操作時に、CLBO結晶の操作をBBO結晶の操作に続いて行う等、種々のバリエーションが考えられる。
なお、7倍波発生部9のBBO結晶の光軸や入射光の入射位置のシフトを行った場合、7倍波発生部9からの出力光の光軸が僅かにずれ、8倍波発生部10のCLBO結晶に入射する7倍波と基本波の位置が合わなくなる。そのために、基本波を集光させるレンズL7には、図1に示すような集光位置調整装置21が設けられている。
制御装置17は、BBO結晶のシフト動作が完了後、集光位置調整装置21に信号を送って、基本波が8倍波発生部10のCLBO結晶に入射する位置を操作し、8倍波の出力が最大となる位置を見つけて、レンズL7をその位置に保持する。なお、集光レンズの調整は7倍波の方で行ってもよいが、図1に示す例では7倍波の集光はシリンドリカルレンズ12a、12bを用いて行っているので、基本波の方で調整した方が調整機構が簡単になる。
図1に示す光学系では、ダイクロイックミラーM5も深紫外光に曝されるので、ダイクロイックミラーM5を構成する薄膜が損傷を受けて劣化する。これを補償するために、ダイクロイックミラー操作部20が設けられており、ダイクロイックミラーM5をそれが属する面内でシフトさせたり、回転させたりすることにより、未使用の領域に7倍波と基本波が入力するようにし、長寿命化を図っている。
例えば、7倍波発生部9のBBO結晶、8倍波発生部10のCLBO結晶の調整を行っても、8倍波の出力を一定位置に保つことができなくなったときに、制御装置17がダイクロイックミラー操作部20に指令を出し、ダイクロイックミラーM5の位置を調整するようにしてもよい。又、BBO結晶、又はCLBO結晶を所定回数調整する毎に、あるいは装置の使用時間が所定時間(複数)に達した後でのBBO結晶、又はCLBO結晶の調整の直後にダイクロイックミラーM5の位置を調整を行うようにしてもよく、いろいろなバリエーションが考えられる。
本発明の実施の形態であるレーザ装置の基本的な構成は、図4、図5に示すものと基本的には変わりが無く、波長変換部2が、図1に示すような構成になっていること、及び、図5に示す基本波発生部の励起用光源部5が、制御装置17の制御を受けているところのみが異なるだけであるので、その詳しい説明を省略する。
本発明の実施の形態の1例である波長変換光学系の概要を示す図である。 制御装置が行う第1の制御の例を示す図である。 制御装置が行う第2の制御の例を示す図である。 固体レーザから放出されるレーザ光を波長変換して出力するレーザ装置の全体構成図である。 基本波発生部の概略構成を示す図である。 波長変換部の概略構成を示す図である。
符号の説明
1…基本波発生部、2…波長変換部、3…基準光源部、4…EDF部、5…励起用光源部、5a…励起用光源、5b…励起用光源、5c…励起用光源、6…2倍波発生部、7…3倍波発生部、8…4倍波発生部、9…7倍波発生部、10…8倍波発生部、11a…シリンドリカルレンズ、11b…シリンドリカルレンズ、12a…シリンドリカルレンズ、12b…シリンドリカルレンズ、13a…保持手段、13b…保持手段、14a…保持手段、14b…保持手段、15…ハーフミラー、16…光量モニタリング装置、17…制御装置、18…BBOシフト操作部、19…CLBOシフト操作部、20…ダイクロイックミラー操作部、21…集光位置調整装置、L1…レンズ、L2…レンズ、L3…レンズ、L4…レンズ、L6…レンズ、L7…レンズ、M1…ダイクロイックミラー、M2…反射ミラー、M3…ダイクロイックミラー、M4…ダイクロイックミラー、M5…ダイクロイックミラー、M6…反射ミラー、M7…反射ミラー、M8…反射ミラー

Claims (6)

  1. 波長変換素子を用いて、入力される基本波からその高調波を発生させる波長変換光学系であって、波長変換素子としてBBO結晶、CLBO結晶のうち少なくとも一つを用いている波長変換光学系において、出力される光のパワーをモニタリングする出力光モニタ装置と、当該出力光モニタ装置の出力を受け、出力される光のパワーが一定となるように前記入力される基本波のパワーを操作する出力光調整装置と、当該基本波のパワーをモニタする基本波モニタ装置と、前記基本波モニタ装置で検出された前記基本波のパワーが所定値に達したとき、前記BBO結晶、CLBO結晶のうち少なくとも一つの、受光角度又は受光位置の少なくとも一方を、所定量だけ調整又はシフトする調整・シフト制御装置を有することを特徴とする波長変換光学系。
  2. 波長変換素子を用いて、入力される基本波からその高調波を発生させる波長変換光学系であって、波長変換素子としてBBO結晶、CLBO結晶のうち少なくとも一つを用いている波長変換光学系において、出力される光のパワーをモニタリングする出力光モニタ装置と、当該出力光モニタ装置の出力を受け、出力される光のパワーが一定となるように前記入力される基本波のパワーを操作する出力光調整装置と、前記基本波のパワーをモニタする基本波モニタ装置と、第1の所定使用時間ごとに前記BBO結晶、CLBO結晶のうち少なくとも一つ(「調整可能結晶という」)の受光角度を所定量調整し、受光角度の所定量の調整を行っても前記基本波出力が所定値からほとんど下げられない状態となったとき、前記調整可能結晶の受光角度を当初の値にもどすと共に、前記調整可能結晶の受光位置を所定量シフトさせる動作を繰り返し行う調整・シフト制御装置を有することを特徴とする波長変換光学系。
  3. 波長変換素子を用いて、入力される基本波からその高調波を発生させる波長変換光学系であって、波長変換素子としてBBO結晶、CLBO結晶のうち少なくとも一つを用いている波長変換光学系において、出力される光のパワーをモニタリングする出力光モニタ装置と、当該出力光モニタ装置の出力を受け、出力される光のパワーが一定となるように前記入力される基本波のパワーを操作する出力光調整装置と、前記基本波のパワーをモニタする基本波モニタ装置と、第2の所定使用時間ごとに前記BBO結晶、CLBO結晶のうち少なくとも一つ(「調整可能結晶という」)の受光位置を所定量シフトさせ、シフト回数が所定値に達したとき、前記調整可能結晶の受光位置を当初の値にもどすと共に、前記調整可能結晶の受光角度を所定量調整させる動作を繰り返し行う調整・シフト制御装置を有することを特徴とする波長変換光学系。
  4. 請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の波長変換光学系であって、ダイクロイックミラーを使用しているものにおいて、前記ダイクロイックミラーの少なくとも一つの受光位置をシフトするダイクロイックミラーシフト制御装置を有することを特徴とする波長変換光学系。
  5. 請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の波長変換光学系であって、角度調整、受光位置調整を行った波長変換素子から放出される光を、さらに後段の波長変換素子に、レンズ系を通して集光して入力させ、前記後段の波長変換素子に同時に入力される光との和又は差の周波数を有する光を得る機能を有するものにおいて、前記後段の波長変換素子からの出力光のパワーが最大となるように、角度調整を行った波長変換素子から放出される光、又は前記後段の波長変換素子に同時に入力される光の光軸を調整する光軸調節装置を有することを特徴とする波長変換光学系。
  6. レーザ光源と、当該レーザ光源からの光、又はそれを光増幅器によって増幅した光を、前記入力される基本波とし、請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の波長変換光学系において形成された高調波を出力とするレーザ装置であって、前記出力光調整装置が、前記レーザ光源から放出される光のパワー、又は前記光増幅器の増幅率を操作するものであることを特徴とするレーザ装置。
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