JP4447031B2 - 金属vベルト - Google Patents

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Description

本発明は、無端ベルト状の金属リングと、該金属リングにその長手方向に沿って支持された多数の金属エレメントとから成り、ドライブプーリおよびドリブンプーリ間で動力を伝達するようにして前記ドライブプーリおよび前記ドリブンプーリに巻き掛けられる金属Vベルトであって、前記金属エレメントが、ベルトの進行方向前側および後側にそれぞれ臨む前部主面および後部主面と、前部主面および後部主面を接続するイヤー部下面およびサドル面を両側面として前記金属リングを受け入れる左右一対のスロットと、前記前部主面および前記後部主面の一方に突設される突部と、その突部に対応して前記前部主面および前記後部主面の他方に凹設される凹部とを有し、各金属エレメントの前記凹部には、前記金属リングの長手方向で相互に隣接する他の金属エレメントの前記突部を嵌合させるようにしたものに関する。
キャリヤー(金属ベルト)を受け入れるための凹所が、支持面および頂部の面を有して横断方向部材(金属エレメント)に設けられ、傾斜状態にある前記横断方向部材が前記支持面に接触する点を第1接触点とし、傾斜状態にある前記横断方向部材が前記頂部の面に接触する点を第2接触点とし、横断方向部材の真っ直ぐな位置において駆動用ベルト(金属Vベルト)の軸方向に沿う第1および第2接触点間の距離をA、横断方向部材の真っ直ぐな位置において駆動ベルトの半径方向に沿うキャリヤーおよび第2接触点間の距離をBとしたときに、0.2°<tan -1 (B/A)<0.8°と定めることにより、キャリヤーに支持された多数の横断方向部材が傾くことを防止してドライブプーリおよびドリブンプーリへの食い込みを良好なものとするようにした駆動用ベルトが特許文献1で知られている。
また金属リングおよび金属エレメントの当接によらずに金属エレメントのローリングを抑制すべく、或る1つの金属エレメントの上流側の金属エレメントに対する最大ローリング角を突部および凹部の嵌合によって規制するようにした金属Vベルトが特許文献2で知られている。
さらに金属エレメントのスロットの側面と金属リングとの間のクリアランスを、金属エレメントの突部および凹部間のベルト厚さ方向クリアランスよりも大きく設定することで、金属リングを挟み込み曲げるような圧縮応力が生じることを防止し、金属リングの耐久性を高めるようにした金属Vベルトが特許文献3で知られている。
特許第3755833号公報 特許第3605570号公報 特開2000ー193041号公報
特許文献1で開示された駆動用ベルトでは、横断方向部材がキャリヤーおよびプーリに対してそれ自体を位置決めするのに充分な遊びを有し、他方ではプーリでの良好なクサビ作用を確保すべく横断方向部材の傾きが防止されるのであるが、相互に嵌合する突部および凹部間に傾くための遊びが必要となるものであり、その遊びは、横断方向部材を横方向に移動させることになり、プーリへの進入時に横断方向部材およびプーリが接触し易くなり、横断方向部材の強度を高める必要があった。しかもキャリヤーの外周面と、横断方向部材の頂部の面(イヤー部下面)との当接によって横断方向部材のローリングを規制するようにしているので、前記頂部の面に強く当たるキャリヤーの外周の特定位置が疲労によって損傷を受け、金属ベルト全体の耐久性を低下させる問題がある。
特許文献2で開示されたものは、上記特許文献1による開示技術の課題を解決するものであり、金属リングおよび金属エレメントの当接によらずに金属エレメントのローリングを抑制することで金属リングの耐久性を高めることが可能となるものの、金属エレメントの上流側の金属エレメントに対する最大ローリング角を突部および凹部の嵌合によって規制するようにしているので、この嵌合部分の強度向上が必要となる。
さらに特許文献3で開示されたものでは、金属リングを挟み込み曲げるような圧縮応力が生じることを防止して金属リングの耐久性を高めるようにしているが、金属ベルト全体の耐久性を高めるために、金属リングの強度に加えて金属エレメントの強度向上を図り、強度信頼性をさらに高めることが望まれる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、金属エレメントの突部および凹部の強度を特別に高めることを不要として、全体の耐久性向上を図った金属Vベルトを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、無端ベルト状の金属リングと、該金属リングにその長手方向に沿って支持された多数の金属エレメントとから成り、ドライブプーリおよびドリブンプーリ間で動力を伝達するようにして前記ドライブプーリおよび前記ドリブンプーリに巻き掛けられる金属Vベルトであって、前記金属エレメントが、ベルトの進行方向前側および後側にそれぞれ臨む前部主面および後部主面と、前部主面および後部主面を接続するイヤー部下面およびサドル面を両側面として前記金属リングを受け入れる左右一対のスロットと、前記前部主面および前記後部主面の一方に突設される突部と、その突部に対応して前記前部主面および前記後部主面の他方に凹設される凹部とを有し、各金属エレメントの前記凹部には、前記金属リングの長手方向で相互に隣接する他の金属エレメントの前記突部を嵌合させるようにしたものにおいて、前記金属リングの最外周および前記イヤー部下面間のクリアランスが、前記金属リングの長手方向で相互に隣接する前記金属エレメントの前部主面および後部主面の頂上部が相互に接触するとともに前記金属リングの最外周が前記イヤー部下面に接触するドリブンプーリの出口で、前記金属リングの最外周を前記イヤー部下面に接触させながらも、前記金属リングの最内周の前記サドル面への接触を回避し且つ前記突部および前記凹部の相互接触を回避する値に設定されることを特徴とする。
本発明の上記構成によれば、ドリブンプーリの出口で金属エレメントの突部および凹部間に、金属エレメントが傾くための遊びを設定する必要がなく、金属エレメントは突部および凹部の嵌合部を中心に傾くだけで横方向の移動はない。したがってドライブプーリに進入する際に、ドライブプーリに先に進入した金属エレメントの突部もしくは凹部に、後続の金属エレメントの凹部もしくは突部が嵌め合いとなり、ドライブプーリとの強い接触を回避しつつスムーズにドライブプーリ内に進入することになり、金属エレメントの突部および凹部の強度を特別に高めることを不要として、金属Vベルト全体の耐久性向上を図ることができる。
ここで金属リングの最外周および前記イヤー部下面間のクリアランスを小さく設定し過ぎたときには、ドリブンプーリの出口において、金属リングの最内周が金属エレメントのサドル面に最初に接触した後に、金属リングの長手方向で相互に隣接する金属エレメントの前部主面および後部主面の頂上部が相互に接触するとともに金属リングの最外周がイヤー部下面に接触するので、該金属リングの最内周と金属エレメントのサドル面との接触部が金属リングおよび金属エレメントの相対滑りを妨げ、金属リングおよび金属エレメントの寿命低下をもたらす可能性がある。
また金属リングの最外周および前記イヤー部下面間のクリアランスを大きく設定し過ぎたときには、ドリブンプーリの出口において、金属エレメントの突部および凹部が最初に接触した後に、金属リングの長手方向で相互に隣接する金属エレメントの前部主面および後部主面の頂上部が相互に接触するとともに金属リングの最外周がイヤー部下面に接触するので、該金属エレメントの突部および凹部の接触部分が摩耗し易くなる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
図1〜図12は本発明の一実施例を示すもので、図1は車両の動力伝達系のスケルトン図、図2は金属Vベルトの部分斜視図、図3は図2の3矢視図、図4は図3の4−4線断面図、図5はドライブプーリおよびドリブンプーリに巻き掛けられた状態での金属Vベルトの側面図、図6は金属リングの最外周およびイヤー部下面間のクリアランスが小さい状態での図5のA矢示部拡大図、図7は金属リングの最外周およびイヤー部下面間のクリアランスが大きい状態での図5のA矢示部拡大図、図8は金属リングの最外周およびイヤー部下面間のクリアランスを適正値としたときの図5のA矢示部拡大図、図9はサドル面の後端および金属リングの接触反力を測定するためのテストピースを示す正面図、図10はサドル面後端および金属リングの接触反力の測定結果を示す図、図11は金属リングの最外周およびイヤー部下面間のクリアランスを変化させたときのドリブンプーリ出口での金属エレメント相互の間隙ならびに金属リングおよび金属エレメント間の間隙の変化を示す図、図12は金属リングの最外周およびイヤー部下面間のクリアランスを変化させたときの耐久強度を比較した図である。
なお本実施例で用いる金属エレメントの前後方向および左右方向の定義は図2に示されている。
先ず図1において、エンジンEのクランクシャフト11にダンパー12を介して接続されたインプットシャフト13は発進用クラッチ14を介して金属ベルト式無段変速機Tのドライブシャフト15に接続される。ドライブシャフト15にはドライブプーリ16が設けられ、ドライブシャフト15と平行に配置されたドリブンシャフト20にはドリブンプーリ21が設けられ、ドライブプーリ16およびドリブンプーリ21には、本発明に従う金属Vベルト25が巻き掛けられる。
前記ドライブプーリ16は、ドライブシャフト15に固着された固定側プーリ半体17と、この固定側プーリ半体17に対して接離可能な可動側プーリ半体18とを備えており、可動側プーリ半体18は油室19に作用する油圧で固定側プーリ半体17に向けて付勢される。またドリブンプーリ21は、ドリブンシャフト20に固着された固定側プーリ半体22と、この固定側プーリ半体22に対して接離可能な可動側プーリ半体23とを備えており、可動側プーリ半体23は油室24に作用する油圧で固定側プーリ半体22に向けて付勢される。
ドリブンシャフト20には前進用ドライブギヤ26および後進用ドライブギヤ27が相対回転自在に支持されており、これら前進用ドライブギヤ26および後進用ドライブギヤ27はセレクタ28により選択的にドリブンシャフト20に結合可能である。ドリブンシャフト20と平行に配置されたアウトプットシャフト29には、前記前進用ドライブギヤ26に噛合する前進用ドリブンギヤ30と、前記後進用ドライブギヤ27に後進用アイドルギヤ31を介して噛合する後進用ドリブンギヤ32とが固着される。
アウトプットシャフト29の回転は最終ドライブギヤ33および最終ドリブンギヤ34を介して差動装置35に入力され、その差動装置35から左右のアクスル36,36を介して駆動輪W,Wに伝達される。
而してエンジンEの駆動力はクランクシャフト11、ダンパー12、インプットシャフト13、発進用クラッチ14、ドライブシャフト15、ドライブプーリ16、金属Vベルト25およびドリブンプーリ21を介してドリブンシャフト20に伝達される。前進走行レンジが選択されているとき、ドリブンシャフト20の駆動力は前進用ドライブギヤ26および前進用ドリブンギヤ30を介してアウトプットシャフト29に伝達され、車両を前進走行させる。また後進走行レンジが選択されているとき、ドリブンシャフト20の駆動力は後進用ドライブギヤ27、後進用アイドルギヤ31および後進用ドリブンギヤ32を介してアウトプットシャフト29に伝達され、車両を後進走行させる。
このとき、金属ベルト式無段変速機Tのドライブプーリ16の油室19およびドリブンプーリ21の油室24に作用する油圧を制御することにより、その変速比が無段階に調整される。すなわちドライブプーリ16の油室19に作用する油圧に対してドリブンプーリ21の油室24に作用する油圧を相対的に増加させれば、ドリブンプーリ21の溝幅が減少して有効半径が増加し、これに伴ってドライブプーリ16の溝幅が増加して有効半径が減少するため、金属ベルト式無段変速機Tの変速比はLOWに向かって無段階に変化する。逆にドリブンプーリ21の油室24に作用する油圧に対してドライブプーリ16の油室19に作用する油圧を相対的に増加させれば、ドライブプーリ16の溝幅が減少して有効半径が増加し、これに伴ってドリブンプーリ21の溝幅が増加して有効半径が減少するため、金属ベルト式無段変速機Tの変速比はODに向かって無段階に変化する。
図2〜図4において、前記金属Vベルト25は、左右の一対のベルト状の金属リング41,41に多数の金属エレメント42…が支持されて成り、それぞれの金属リング41は、複数枚のベルト状のリング板43…を積層して構成される。
また金属エレメント42は、金属板材の打ち抜き成形によって形成されるものであり、略台形状のエレメント主部44と、金属リング41,41を受け入れる左右一対のスロット45,45間に位置するネック部46と、ネック部46を介して前記エレメント主部44の上部に接続される略三角形のイヤー部47とを備える。エレメント主部44の左右方向両端部には、ドライブプーリ16およびドリブンプーリ21のV溝48,48(図1参照)に当接可能な一対のプーリ当接面49,49が形成される。またVベルトの進行方向、即ち金属エレメント42の進行方向前側および後側には、該進行方向に直交するとともに相互に平行な前部主面50fおよび後部主面50rが形成され、進行方向前方の金属エレメント42の後部主面50rに進行方向後方の金属エレメント42の前部主面50fが当接可能である。また進行方向前側の前部主面50fの下部には左右方向に延びるロッキングエッジ51を介して傾斜面52が形成される。
前後に隣接する金属エレメント42,42を結合すべく、イヤー部47の前面(前部主面50f)および後面(後部主面50r)の一方、この実施例ではイヤー部47の前面(前部主面50f)に円形断面の突部53fが突設され、イヤー部47の前面および後面の他方、この実施例ではイヤー部47の後面(後部主面50r)に、前記突部53fを嵌合せしめる円形断面の凹部53rが凹設される。
ところで前記スロット45の両側面は、前部主面50fおよび後部主面50rを接続するサドル面54およびイヤー部下面55と呼ばれ、金属リング41,41は、サドル面54,54およびイヤー部下面55,55で挟まれるようにしてスロット45,45に受け入れられ、金属リング41,41の内周面はサドル面54,54に当接可能であり、金属リング41,41の外周面はイヤー部下面55,55に当接可能である。しかも前記イヤー部下面54は、ネック部46から離反するにつれてサドル面54から離反するように傾斜して形成され、サドル面55は、イヤー部下面54側に向けて膨らむようにわずかに彎曲して形成される。
図5において、ドライブプーリ16およびドリブンプーリ21に巻き掛けられた金属Vベルト25は、矢印で示すドライブプーリ16の回転に応じて、ドライブプーリ16からドリブンプーリ21に向けて移動する弦部すなわち駆動力の伝達を行う張り側の弦部では隣接する金属エレメント42…が相互に押し力を作用させるようにして相互に当接するのに対して、ドリブンプーリ21からドライブプーリ16に向けて移動する弦部すなわち駆動力の伝達を行わない緩み側の弦部では隣接する金属エレメント42…が相互に押し力を作用させることがないため、張り側の弦部に比べて金属エレメント42…の姿勢が安定しない。
すなわちドライブプーリ16からドリブンプーリ21にかけて、隙間なく詰まった状態で動力伝達を行ってきた金属エレメント42…は、ドリブンプーリ21の出口においてドリブンプーリ21内での姿勢を保ちつつ緩み側の弦部に脱出して行き、緩み側の弦部では金属エレメント42…相互間に間隙が生じる。この際、緩み側の弦部にあっても金属リング41はドリブンプーリ21およびドライブプーリ15間の張力によって直線状に張った状態となっており、このような金属エレメント42…および金属リング41の挙動の違いによるドリブンプーリ21の出口での金属エレメント42の姿勢は、数値解析の結果、図6〜図8で示すように、金属エレメント42のイヤー部下面55…を金属リング41の最外周に近接させるように前傾状態となることが分かった。
ここでドリブンプーリ21の出口での金属エレメント42の姿勢を確認するために、図9で示すようなテストピースを42′を用いて、金属エレメント42におけるサドル面54…の後端および金属リング41の接触反力を測定した。このテストピース42′は、前記金属エレメント42におけるサドル面54…の後端の一部の面をセンシング部57…として残し、サドル面54の残余の面を金属リング41に接触しなくなる深さまで削り込んだ形状を有するものであり、前記センシング部57…の接触反力を測定する感度を高めるために、センシング部57の下部はエレメント主部44に対応する部分の一部を感知レバー54′として加工し、感知レバー54′…にセンサが取付けられる。
このようなテストピース42′によれば、テストピース42′が前後の金属エレメント42…に挟まれて金属リング41に対して鉛直姿勢にあるときにはセンシング部57…からの出力は弱く、テストピース42′が前傾姿勢となったときにはセンシング部57…から強い信号が出力されるはずである。
このような測定による結果は、図10で示されるものであり、テストピース42′がドリブンプーリ21への巻付き部から緩み側の弦部に移行するとき、すなわちドリブンプーリ21の出口でセンサ57…から強い波形の信号が出力されており、これは、ドリブンプーリ21の出口において、金属エレメント42は、前傾姿勢でドリブンプーリ21から緩み側の弦部に脱出することを示すものである。すなわち上述の数値解析によるドリブンプーリ21の出口での金属エレメント42の前傾姿勢を裏付けるものである。
而して金属エレメント42が前傾姿勢でドリブンプーリ21から脱出することにより、図6〜図8で示すように、ドリブンプーリ21の出口では、金属リング41の長手方向で相互に隣接する金属エレメント42,42の前部主面50fおよび後部主面50rの頂上部が接触点P1で相互に接触するとともに金属リング41の最外周が接触点P2でイヤー部下面55に接触することになる。
ここでスロット45…内での金属リング41および金属エレメント42間のクリアランスd、すなわち図3で示すように、金属リング41の最内周をサドル面54…に当接させた状態での金属リング41の最外周およびイヤー部下面55…間のクリアランスdを変化させたときの、ドリブンプーリ21の出口での金属エレメント42の姿勢を検討してみると、前記クリアランスdが小さいときには、図6で示すように、ドリブンプーリ21の出口において、金属リング41の最内周が金属エレメント42のサドル面54…に最初に接触する。
すなわち前記クリアランスdを小さく設定したときには、ドリブンプーリ21の出口において、金属リング41の最内周が接触点P3で金属エレメント42のサドル面54…に最初に接触し、次いで金属リング41の長手方向で相互に隣接する金属エレメント42,42の前部主面50fおよび後部主面50rの頂上部が接触点P1で相互に接触するとともに金属リング41の最外周がイヤー部下面55に接触点P2で接触することになる。このように金属リング41の最内周が金属エレメント42のサドル面54…に最初に接触すると、金属リング41および金属エレメント42…の相対滑りを妨げ、金属リング41および金属エレメント42…の寿命低下をもたらす可能性がある。
また前記クリアランスdを大きく設定すると、図7で示すように、ドリブンプーリ21の出口において、相互に隣接した金属エレメント42,42のうち前方の金属エレメント42の凹部53rに後方の金属エレメント42の突部53fが接触点P4で最初に接触し、次いで金属リング41の長手方向で相互に隣接する金属エレメント42,42の前部主面50fおよび後部主面50rの頂上部が接触点P1で相互に接触するとともに金属リング41の最外周がイヤー部下面55に接触点P2で接触することになる。このように金属エレメント42,42の突部53fおよび凹部53rが最初に接触すると、突部53fおよび凹部53rの接触部分が摩耗し易くなる。
そこで前記クリアランスdを中間値に設定すると、図8で示すように、ドリブンプーリ21の出口において、金属エレメント42のサドル面54…に金属リング41が接触することがなく、かつ金属リング41の長手方向相互に隣接した金属エレメント42,42のうち前方の金属エレメント42の凹部53rに後方の金属エレメント42の突部53fが接触することがないようにして、相互に隣接する金属エレメント42,42の前部主面50fおよび後部主面50rの頂上部が接触点P1で相互に接触するとともに金属リング41の最外周がイヤー部下面55に接触点P2で接触することになる。
すなわち図11で示すように、前記クリアランスdを小さくしていくと、ドリブンプーリ21の出口で金属エレメント42のサドル面54…および金属リング41の最内周間の隙間が小さくなり、前記クリアランスdを大きくしていくと、ドリブンプーリ21の出口で金属エレメント42,42の突部53fおよび凹部53r間の隙間が小さくなるものであり、金属エレメント42のサドル面54…および金属リング41の最内周間の隙間が「0」すなわちサドル面54…に金属リング41の最内周が最初に接触するときの前記クリアランスdをdminとし、突部53fおよび凹部53r間の隙間を「0」すなわち突部53fおよび凹部53rが最初に接触するときの前記クリアランスdをdmaxとしたときに、本発明に従えば、dmin<d<dmaxとなるようにクリアランスdが設定される。
このようにクリアランスdを設定することにより、ドリブンプーリ21の出口では、金属リング41の長手方向で相互に隣接する金属エレメント42,42の前部主面50fおよび後部主面50rの頂上部が接触点P1で相互に接触するとともに金属リング41の最外周がイヤー部下面55に接触点P2で接触するだけで、金属エレメント42のサドル面54…および金属リング41の最内周間に隙間を確保することができるとともに、金属エレメント42,42の突部53fおよび凹部53r間に隙間を確保することができる。
次にこの実施例の作用について説明すると、金属リング41の最外周およびイヤー部下面55…間のクリアランスdは、ドリブンプーリ21の出口で、金属リング41の最外周をイヤー部下面55に接触させながらも、金属リング41の最内周のサドル面54…への接触を回避し且つ突部53fおよび凹部53rの相互接触を回避する値に設定される。
このようなクリアランスdの設定によれば、ドリブンプーリ21の出口で金属エレメント42,42の突部53fおよび凹部53r間に、金属エレメント42が傾くための遊びを設定する必要がなく、金属エレメント42は突部53fおよび凹部53rの嵌合部を中心に傾くだけで横方向の移動はない。したがってドライブプーリ16に進入する際に、ドライブプーリ16に先に進入した金属エレメント42の凹部53rに、後続の金属エレメント42の突部53fが嵌め合いとなり、ドライブプーリ16との強い接触を回避しつつ金属エレメント42がスムーズにドライブプーリ16内に進入することになり、金属エレメント42の突部53fおよび凹部53rの強度を特別に高めることを不要として、金属Vベルト25全体の耐久性向上を図ることができる。
ここで、前記クリアランスdを大小に変化させたときの、金属Vベルト25の耐久性を比較すると、図12で示すように、金属リング41の長手方向で相互に隣接する金属エレメント42の前部主面50fおよび後部主面50rの頂上部が相互に接触するとともに金属リング41の最外周がイヤー部下面55に接触するドリブンプーリ21の出口で金属エレメント42のサドル面54…および金属リング41の最内周間の隙間が「0」すなわちサドル面54…に金属リング41の最内周が最初に接触する際のクリアランスdmin以下にクリアランスdを設定したときの耐久強度、ならびに前記ドリブンプーリ21の出口で突部53fおよび凹部53r間の隙間を「0」すなわち突部53fおよび凹部53rが最初に接触するときのクリアランスdmax以上にクリアランスdを設定したときの耐久強度に比べて、前記クリアランスdを前記ドリブンプーリ21の出口で、金属リング41の最内周のサドル面54…への接触を回避し且つ突部53fおよび凹部53rの相互接触を回避する値すなわち前記dminよりも大きくかつ前記dmaxよりも小さい値に設定したときの耐久強度を大きくすることができる。
なお図12において、△は破損した状態を示すのに対し、クリアランスdをdminよりも大きくかつdmaxよりも小さい値に設定したときの○は未だ破損に至っておらず、寿命がまだある状態を示している。
ところで図12で示した結果を得るための試験においては、クリアランスdが小さい側も大きい側も、突部53fおよび金属リング41の破損が生じたり、金属エレメント42の摩耗が大きくなる現象は、サドル面54およびイヤー部下面55間の最短距離が、それの平均値±3σ(標準偏差)以上の金属エレメント42で発生しているので、dmin,dmaxをそれぞれ定義することができる。
ここでdminは、dmin={(サドル面54およびイヤー部下面55間の最短距離)−3σ−(金属リング41の層厚)}で定義され、dmaxは、dmax={(サドル面54およびイヤー部下面55間の最短距離)+3σ−(金属リング41の層厚)}で定義される。
このことは正規確率の棄却枠が0.00135であり、試験の用いた金属エレメント41の個数が420枚であったときに、1つの金属エレメント41がそれに当たることになる。実際に、上記d≦dminである金属エレメント42では、突部53fおよび金属リング41の破損が生じ、dmax≦dである金属エレメント42では、金属エレメント42の摩耗が大きくなったので、dmin<d<dmaxと設定されたものでは、突部53fおよび金属リング41の破損が生じることはなく、また金属エレメント42の摩耗が大きくなることもない良好な結果となることを裏付ける。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
たとえば上記実施例では前部主面50fに突部53fが突設され、後部主面50rに凹部53rが凹設されているが、その位置関係を逆にしても良い。
車両の動力伝達系のスケルトン図である。 金属Vベルトの部分斜視図である。 図2の3矢視図である。 図3の4−4線断面図である。 ドライブプーリおよびドリブンプーリに巻き掛けられた状態での金属Vベルトの側面図である。 金属リングの最外周およびイヤー部下面間のクリアランスが小さい状態での図5のA矢示部拡大図である。 金属リングの最外周およびイヤー部下面間のクリアランスが大きい状態での図5のA矢示部拡大図である。 金属リングの最外周およびイヤー部下面間のクリアランスを適正値としたときの図5のA矢示部拡大図である。 サドル面の後端および金属リングの接触反力を測定するためのテストピースを示す正面図である。 サドル面後端および金属リングの接触反力の測定結果を示す図である。 金属リングの最外周およびイヤー部下面間のクリアランスを変化させたときのドリブンプーリ出口での金属エレメント相互の間隙ならびに金属リングおよび金属エレメント間の間隙の変化を示す図である。 金属リングの最外周およびイヤー部下面間のクリアランスを変化させたときの耐久強度を比較した図である。
16・・・ドライブプーリ
21・・・ドリブンプーリ
25・・・金属Vベルト
41・・・金属リング
42・・・金属エレメント
45・・・スロット
50f・・・前部主面
50r・・・後部主面
53f・・・突部
53r・・・凹部
54・・・サドル面
55・・・イヤー部下面

Claims (1)

  1. 無端ベルト状の金属リング(41)と、該金属リング(41)にその長手方向に沿って支持された多数の金属エレメント(42)とから成り、ドライブプーリ(16)およびドリブンプーリ(21)間で動力を伝達するようにして前記ドライブプーリ(16)および前記ドリブンプーリ(21)に巻き掛けられる金属Vベルトであって、
    前記金属エレメント(42)が、ベルトの進行方向前側および後側にそれぞれ臨む前部主面(50f)および後部主面(50r)と、前部主面(50f)および後部主面(50r)を接続するイヤー部下面(55)およびサドル面(54)を両側面として前記金属リング(41)を受け入れる左右一対のスロット(45)と、前記前部主面(50f)および前記後部主面(50r)の一方に突設される突部(53f)と、その突部(53f)に対応して前記前部主面(50f)および前記後部主面(50r)の他方に凹設される凹部(53r)とを有し、各金属エレメント(42)の前記凹部(53r)には、前記金属リング(41)の長手方向で相互に隣接する他の金属エレメント(42)の前記突部(53f)を嵌合させるようにしたものにおいて、
    前記金属リング(41)の最外周および前記イヤー部下面(55)間のクリアランスが、前記金属リング(41)の長手方向で相互に隣接する前記金属エレメント(42)の前部主面(50f)および後部主面(50r)の頂上部が相互に接触するとともに前記金属リング(41)の最外周が前記イヤー部下面(55)に接触するドリブンプーリ(21)の出口で、前記金属リング(41)の最外周を前記イヤー部下面(55)に接触させながらも、前記金属リング(41)の最内周の前記サドル面(54)への接触を回避し且つ前記突部(53f)および前記凹部(53r)の相互接触を回避する値に設定されることを特徴とする金属Vベルト。
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