JP4445475B2 - 発振器、pll発振器、無線装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば電圧制御発振器などの発振器に関し、特に複数の通信方式に対応可能な無線通信装置に適した発振器、PLL発振器、無線装置に関する。
無線装置、特に携帯可能な無線装置においては、消費電力の低減が大きな課題のひとつである。近年普及してきたデジタル方式の無線装置では、そのアナログ部分の消費電力を低減させることが、無線装置全体の消費電力の低減に大きく寄与することになる。
ところで、デジタル方式の無線装置として、伝搬環境に応じて、送信電力のみならず変調方式をも切り替える方式を採用した無線装置が知られている。例えば、無線LAN規格の一つであるIEEE802.11aでは、雑音や妨害信号が少ない環境においては、16QAMや64QAMなど周波数利用効率が高く高速伝送が可能な変調方式を用い、雑音や干渉が多い環境においては、QPSKなど伝送速度は遅くなるものの信号点間隔が広く雑音や干渉の影響を受けにくい変調方式を用いることが規定されている。
このような無線装置における直交変復調器の局部発振器や、ADC(A/D変換器)のクロック信号源としては、一般にPLL(Phase Locked Loop)が用いられている。変調方式が切り替わる可変変調方式の無線装置においては、用いる変調方式によって許容できる雑音レベルが変わるため、PLLに要求される精度もそれに応じて変化する。
ここで、PLLの精度とは位相雑音レベルのことであり、主に、局部発振器では周波数軸上の位相雑音スペクトラム、ADCのクロック信号源では時間軸上のジッタとして表現されることが多い。例えば、周波数利用効率の高い変調方式を用いる場合は、直交変復調器とADCにも高い精度が求められるため、それに併せてPLLの位相雑音レベルを下げる必要がある。一方、雑音に強い変調方式を用いる場合は、ある程度のレベルまで位相雑音を許容することができ、PLLの消費電力を削減することが可能となる。
位相雑音レベルを制御することのできるPLLは、例えば特許文献1および2に開示されている。特許文献1は、複数の通信方式に対応可能なPLLに関する技術であり、具体的には、時定数の異なる複数のループフィルタの中から、VCO(電圧制御発振器)の発振周波数帯に応じて最適なものを選択するものである。これにより、許容雑音レベルおよび周波数帯が異なる複数の通信方式に対して、PLLの位相雑音レベルを最適化することができる。
また、特許文献2は、フラクショナルシンセサイザにおける小数分周制御部のクロック信号周波数を変調方式に応じて変化させ、消費電力を最適化するものである。このシンセサイザは、基準信号を分周したクロック信号を用いて小数分数制御を行っており、基準信号の分周比を変えて制御クロックの周波数を変化させている。これにより、PLLのループゲインが変化するので、位相雑音レベルを制御することができる。
しかしながら、特許文献1に記載された方法は、複数の通信方式に対して位相雑音レベルを最適化するものであり、消費電力を最適化することができない。またループフィルタは、キャパシタなどの受動素子で構成されるため、複数のフィルタを備えた場合にコストが嵩む点で問題となる。
また、特許文献2に記載の方法は、変調方式に応じた消費電力の最適化を可能にするが、PLLの消費電力の多くはVCOなどのアナログ部が消費しているため、消費電力の大幅な削減効果は望めない。
特開2004−364055号公報 特開平11−88164号公報
このように、従来の発振器、PLL発振器、無線装置では、変調方式や伝搬環境などに応じた消費電力の最適化を行うことができないという問題がある。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、変調方式の切り替えや伝搬環境に応じて位相雑音レベルと消費電力を最適化することのできる発振器、PLL発振器、無線装置を提供することを目的としている。
上記した目的を達成するために、第1の本発明の発振器は、第1のインバータを複数段直列接続してなる第1のループ発振部と、第2のインバータを複数段直列接続してなり発振信号を出力する第2のループ発振部と、第1のインバータの出力パスおよび該第1のインバータに対応する段の第2のインバータの出力パスそれぞれの間を段毎に開閉可能に接続する複数のスイッチ部とを具備している。なお、第1の発明の発振器において、並列接続から除外された発振部の動作を停止させる動作停止部をさらに具備してもよい。
また、第2の本発明のPLL発振器は、第1のインバータを複数段直列接続してなる第1のループ発振部と、第2のインバータを複数段直列接続してなり発振信号を出力する第2のループ発振部と、第1のインバータの出力パスおよび該第1のインバータに対応する段の第2のインバータの出力パスそれぞれの間を段毎に開閉可能に接続する複数のスイッチ部とを備えた電圧制御発振器と、基準信号発振器と、電圧制御発振器の出力および基準信号発振器の出力それぞれの位相を比較する位相比較器と、位相比較器による位相比較結果に基づいて電圧制御発振器を制御する制御電圧を発生するループフィルタとを具備している。
さらに、第3の本発明の無線装置は、受信信号をA/D変換するA/D変換器と、第1のインバータを複数段直列接続してなる第1のループ発振部と、第2のインバータを複数段直列接続してなり発振信号を出力する第2のループ発振部と、第1のインバータの出力パスおよび該第1のインバータに対応する段の第2のインバータの出力パスそれぞれの間を段毎に開閉可能に接続する複数のスイッチ部とを備え、A/D変換部にクロック信号を供給する発振器と、A/D変換された受信信号を復調するとともに、受信信号の変調方式に応じて発振器のスイッチ部を制御する信号を出力する信号処理部とを具備している。
本発明によれば、求められる精度に応じて発振器の消費電力を最適化することができる。
本発明は、要求される精度(雑音レベル)に応じた発振器(VCO)の消費電力の最適化制御を実現する。VCOは、大きく分けてLC型とリング型の二つのタイプがあり、用途に応じて両者が使い分けられている。LC型は、発振周波数帯が高く位相雑音特性が優れている反面、受動素子によって回路規模が増大する。一方リング型は、LC型に比べて位相雑音特性が劣るものの、低コスト化、小面積化が可能である。本発明では、リング型VCOを用いて消費電力の最適化制御を実現している。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る発振器1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、この実施形態に係る発振器1は、m個(mは奇数)のインバータを直列接続したインバータチェーンからなるリング発振部100を、n個(nは整数)並列接続した構成を有している。各インバータチェーンを構成するインバータの出力端子は、m列のスイッチを介して隣接するインバータチェーンの対応するインバータの出力端子とそれぞれ並列接続されている。ここで、リング発振部を構成するインバータの数mは、数十から100程度、リング発振部の数nは、数十から数百程度とすることができるが、説明を簡略化するため、以下の説明ではリング発振部の数が3、リング発振部のインバータの数が3(m=n=3)であるものとして説明する。
すなわち、この実施形態の発振器1は、インバータ101ないし103を直列接続してなるリング発振部100、同じくインバータ111ないし113を直列接続してなるリング発振部110、同じくインバータ121ないし123を直列接続してなるリング発振部120を備えている。
リング発振部100において、インバータ101の出力(出力パス)にインバータ102の入力(入力パス)が接続され、インバータ102の出力にインバータ103の入力が接続され、インバータ103の出力にインバータ101の入力が接続されて一つのループを形成しており、全体としてリングオシレータを構成している。そして、インバータ103の出力には、さらに出力端子10が接続されており、リング発振部100の発振信号が出力される。
インバータ101ないし103は、いわゆるNOT回路からなる論理素子であり、入力を反転して出力する機能を有する。すなわち、入力がHiレベル(電源電圧レベル)であればLoレベル(グラウンドレベル)を出力し、入力がLoレベルであればHiレベルを出力する。インバータ101ないし103は、多数のインバータを含む集積回路として実現される。
リング発振部110およびリング発振部120は、リング発振部100と共通の構成を有しており、それぞれ直列接続されたインバータ111ないし113、インバータ121ないし123からなるインバータチェーンを構成している。ただし、リング発振部110およびリング発振部120は、独立した出力端子を有していない。リング発振部100ないし120は、それぞれが単体で、ほぼ共通した性能のリングオシレータとして機能する。
リング発振部100は、スイッチ211ないし213を介してリング発振部110と並列接続されており、リング発振部110は、スイッチ221ないし223を介して、リング発振部120と並列接続されている。具体的には、リング発振部100を構成するインバータ101ないし103の各出力(各出力パス)にスイッチ211ないし213の一端がそれぞれ接続されている。また、リング発振部110を構成するインバータ111ないし113の各出力(インバータ101ないし103にそれぞれ対応する段のインバータ111ないし113の出力パス)にスイッチ211ないし213の他端がそれぞれ接続されている。同様に、リング発振部110を構成するインバータ111ないし113の各出力にスイッチ221ないし223の一端がそれぞれ接続されている。また、リング発振部120を構成するインバータ121ないし123の各出力にスイッチ221ないし223の他端がそれぞれ接続されている。
スイッチ211ないし213は、それぞれ連動して開閉するスイッチ手段である。同様に、スイッチ221ないし223は、それぞれ連動して開閉する。すなわち、この実施形態におけるスイッチ211ないし213および221ないし223は、隣接するリング発振部のそれぞれ対応する段の各インバータ間の接続を同時にオン/オフして、リング発振部100ないし120の並列接続をオン/オフする機能を有する。
スイッチ211ないし213およびスイッチ221ないし223は、それぞれ切替制御部200と接続されている。切替制御部200は、その精度指示端子Nに入力され、発振器1に求められる精度を示す指示信号に基づき、スイッチ211ないし213、およびスイッチ221ないし223の開閉を制御する。スイッチ211ないし213、スイッチ221ないし223の開閉により、リング発振部100ないし120の並列接続数が増減し、出力端子10に出力される発振器1全体の発振信号の精度が制御される。すなわち、切替制御部200は、スイッチ211ないし213およびスイッチ221ないし223とあわせて、リング発振部の並列接続制御機能を有している。
ここで、図2を参照して、発振器1の発振信号の精度の制御について詳細に説明する。図2は、リング発振部100の原理的構成を示す等価回路図である。
図2に示すように、リング発振部100を構成するインバータ101ないし103は、一対のFETを組み合わせたNOT回路からなる。すなわち、インバータ101は、ソースに電源が接続されたpチャネルのFET11(PMOSトランジスタ)と、ソースがグラウンドに接続されたnチャネルのFET12(NMOSトランジスタ)とを有している。FET11および12のゲートは互いに接続されてインバータ101の入力をなし、同じくドレインは互いに接続されてインバータ101の出力をなしている。インバータ102およびインバータ103もインバータ101と共通の構成を有しており、それぞれ一対のFET21およびFET22、ならびにFET31およびFET32からなるNOT回路を構成している。
互いに接続されたFET11およびFET12のドレイン、すなわちインバータ101の出力は、互いに接続されたFET21およびFET22のゲート、すなわちインバータ102の入力と接続されている。同様に、FET21およびFET22のドレインとFET31およびFET32のゲートも接続されている。互いに接続されたFET31およびFET32のドレイン、すなわちインバータ103の出力は、インバータ101の入力と接続され、リングオシレータを構成している。
ここで、リング発振部100の位相雑音は、主にトランジスタのチャネル抵抗により生ずる熱雑音に起因して発生する。チャネル抵抗による熱雑音は、次の数式で表される。
Figure 0004445475
ここで、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、Rはチャネル抵抗である。数式1から、リングオシレータの位相雑音レベルとチャネル抵抗は、比例関係にあることがわかる。
図1に示す発振器1では、スイッチ211ないし213やスイッチ221ないし223をオン/オフすることで、リング発振部100ないし120の並列接続数を制御している。例えば、切替制御部200がスイッチ211ないし213のみをオンとした場合、インバータ101ないし103の出力端子とインバータ111ないし113の出力端子とがそれぞれ接続され、リング発振部100の発振信号とリング発振部110の発振信号とは互いに同期する。
このとき、発振器1を構成するリング発振部の並列接続数は1から2となり、インバータを構成するトランジスタのチャネル抵抗も半分になる。したがって、数式1より、発振器1全体の位相雑音レベルが3dB下がることになる。また、切替制御部200がスイッチ211ないし213に加えてスイッチ221ないし223をオンとして並列接続数を3とした場合、インバータを構成するトランジスタのチャネル抵抗は1/3になって位相雑音レベルは4.7dB下がる。同様に、リング発振部の並列接続数を10とすれば、チャネル抵抗が1/10になって位相雑音レベルは10dB下がことになる。
このように、この実施形態の発振器1によれば、リング発振部100ないし120を並列接続し、リング発振部間をオン/オフするスイッチ211ないし213および221ないし223を備え、切替制御部200により並列接続数を制御可能としたので、必要に応じてスイッチ群を順次にオンとすることで、発振器1全体の位相雑音レベルを制御することができる。なお、リングオシレータの発振周波数はトランジスタのチャネル幅には依存しないので、リング発振部100ないし120を並列接続させるスイッチのオン/オフによって発振器1の発振周波数が変わることはない。
続いて、図3を参照して、本発明の第2の実施形態に係る発振器について詳細に説明する。図3は、本発明の第2の実施形態に係る発振器2の構成を示すブロック図である。この実施形態の発振器は、第1の実施形態に係る発振器の構成に加えて、リング発振部の発振動作をオン/オフする手段をさらに備えたものである。
図3に示すように、この実施形態に係る発振器2は、第1の実施形態に係る発振器と同様、m個(mは奇数)のインバータを直列接続したインバータチェーンからなるリング発振部300を、n個(nは整数)並列接続した構成を有している。各インバータチェーンを構成するインバータの出力端子は、m列のスイッチを介して隣接するインバータチェーンの対応するインバータの出力端子とそれぞれ並列接続されている。第1の実施形態同様、リング発振部を構成するインバータの数mは、数十から100程度、リング発振部の数nは、数十から数百程度とすることができるが、説明を簡略化するため、以下の説明ではリング発振部の数が3、リング発振部のインバータの数が3(m=n=3)であるものとして説明する。
すなわち、発振器2は、インバータ301ないし303を直列接続してなるリング発振部300、同じくインバータ311ないし313を直列接続してなるリング発振部310、同じくインバータ321ないし323を直列接続してなるリング発振部320を備えている。ここで、リング発振部300ないし320、インバータ301ないし303、311ないし313、321ないし323は、それぞれ第1の実施形態におけるリング発振部100ないし120、インバータ101ないし103、111ないし113、121ないし123と対応し、その構成はいずれも共通するから、重複する説明は省略する。
リング発振部300は、スイッチ411ないし413を介してリング発振部310と並列接続されており、リング発振部310は、スイッチ421ないし423を介してリング発振部320と並列接続されている。具体的には、リング発振部300を構成するインバータ301ないし303の各出力にスイッチ411ないし413の一端がそれぞれ接続されている。また、リング発振部310を構成するインバータ311ないし313の各出力にスイッチ411ないし413の他端がそれぞれ接続されている。同様に、リング発振部310を構成するインバータ311ないし313の各出力にスイッチ421ないし423の一端がそれぞれ接続されている。また、リング発振部320を構成するインバータ321ないし323の各出力にスイッチ421ないし423の他端がそれぞれ接続されている。
スイッチ411ないし413は、それぞれ連動して開閉するスイッチ手段である。同様に、スイッチ421ないし423は、それぞれ連動して開閉する。すなわち、第1の実施形態と同様、第2の実施形態においても、スイッチ411ないし413および421ないし423は、隣接するリング発振部の各インバータ出力間の接続を同時にオンオフし、リング発振部300ないし320の並列接続をオン/オフする機能を有する。
さらに、この実施形態の発振器2では、リング発振部300ないし320を構成するインバータ301ないし303,311ないし313および321ないし323は、各インバータの入力端子および出力端子に加えて、リング発振部300ないし320それぞれの発振周波数を制御する制御端子Pinを有している。すなわち、リング発振部300の発振周波数を制御するインバータ301ないし303それぞれの制御端子Pinは、互いに接続されて発振器2の周波数制御端子Pと接続されている。リング発振部310の発振周波数を制御するインバータ311ないし313それぞれの制御端子Pinは、互いに接続され、スイッチ410を介して周波数制御端子Pと接続されている。同様に、リング発振部320の発振周波数を制御するインバータ321ないし323それぞれの制御端子Pinは、互いに接続され、スイッチ420を介して周波数制御端子Pと接続されている。
各インバータに設けられた制御端子Pinには、周波数制御端子Pから供給される制御電圧が印加される。インバータの制御端子Pinに印加される制御電圧がゼロの場合(グラウンドレベルの場合)、当該インバータが構成するリング発振部は、その発振動作を停止する。すなわち、リング発振部300ないし320は、電圧制御発振器(VCO)として機能する。
スイッチ410は、スイッチ411ないし413と連動して切り替えを行うスイッチ手段であり、共通端子(COM端子)、常時閉路端子(NC端子)および常時開路端子(NO端子)を有している。同様に、スイッチ420は、スイッチ421ないし423と連動して切り替えを行うスイッチ手段であり、スイッチ410と共通する構成を有している。以下のスイッチ410および420の説明において、共通端子とNO端子とが接続される状態をオンとよび、共通端子とNC端子とが接続される状態をオフと呼ぶ。
スイッチ410および420の共通端子は、インバータ311ないし313および321ないし323の制御端子Pinと接続されている。また、各々のNC端子は、グラウンドと接続され、同じくNO端子は、周波数制御端子Pと接続されている。周波数制御端子Pには、周波数制御のための制御電圧が印加されており、スイッチ410および420のオンオフにより各インバータの動作周波数が制御される。
すなわち、スイッチ410がオンの状態では、周波数制御端子Pに印加された制御電圧が、リング発振部310を構成するインバータ311ないし313の制御端子Pinに加えられる。その結果、インバータ311ないし313が動作状態となり、リング発振部310が発振状態となる。同様に、スイッチ420がオンの状態では、周波数制御端子Pに印加された制御電圧が、リング発振部320を構成するインバータ321ないし323の制御端子Pinに加えられる。そして、インバータ321ないし323が動作状態となり、リング発振部320が発振状態となる。一方、スイッチ410および420がオフの状態では、それぞれリング発振部310および320の発振動作が停止する。
スイッチ410ないし413およびスイッチ420ないし423は、それぞれ切替制御部400と接続されている。切替制御部400は、精度指示端子Nに入力され、発振器2に求められる精度を示す指示信号に基づき、スイッチ410ないし413、スイッチ421ないし423のオンオフを制御する。スイッチ411ないし413、スイッチ421ないし423のオンオフにより、リング発振部300ないし320の並列接続数が増減し、出力端子20に出力される発振器2全体の発振信号の精度が制御される。さらに、スイッチ410およびスイッチ420のオンオフ(インバータの制御端子Pinが周波数制御端子Pと接続されるか、グラウンドと接続されるか)により、リング発振部310およびリング発振部320の周波数および動作状態(動作または停止)が制御される。すなわち、切替制御部400は、並列接続から除外されたリング発振部の動作を停止させる動作停止手段としての機能をも有している。
よって、リング発振部の並列接続数の増減により発振器2全体の発振信号の精度が制御される。さらに、主たるリング発振部としてリング発振部300についてインバータの制御端子Pinを常に周波数制御端子Pと接続して動作状態とするとともに、並列接続状態にないリング発振部の動作を随時停止することで、発振器2の発振信号を安定化させつつ発振器2全体の消費電力をきめ細かく最適化することが可能になる。
ここで、図4を参照して、発振器2の消費電力の制御について詳細に説明する。図4は、リング発振部300の原理的構成を示す等価回路図である。なお、発振器2の精度の制御については、第1の実施形態の発振器1と同様であるから重複する説明を省略する。
図4に示すように、リング発振部300を構成するインバータ301ないし303は、一組のFETを組み合わせたNOT回路からなる。すなわち、インバータ301は、ソースに電源が接続されたpチャネルのFET41(PMOSトランジスタ)と、ソースがグラウンドに接続されたnチャネルのFET43(NMOSトランジスタ)と、ソースがFET43のドレインと接続され、ドレインがFET41のドレインと接続されたnチャネルのFET42とを有している。
FET41および42のゲートは互いに接続されてインバータ301の入力をなし、同じくドレインは互いに接続されてインバータ301の出力をなしている。また、FET43のゲートは、インバータ301の制御端子Pinをなし、周波数制御端子Pと接続されている。
インバータ301を構成するFETのうち、FET41および42は一対となってNOT回路を構成する。また、FET43は、制御端子Pinに加えられたゲート電圧により制御される可変抵抗として機能し、FET42のソースおよびグラウンド間の抵抗値を制御する作用をする。
インバータ302およびインバータ303もインバータ301と共通の構成を有しており、それぞれ一組のFET51ないし53、およびFET61ないし63からなるNOT回路から構成される。
互いに接続されたFET41およびFET42のドレイン、すなわちインバータ301の出力は、互いに接続されたFET51およびFET52のゲート、すなわちインバータ302の入力と接続されている。同様に、FET51およびFET52のドレインとFET61およびFET62のゲートも接続されている。互いに接続されたFET61およびFET62のドレイン、すなわちインバータ303の出力は、インバータ301の入力と接続されている。
FET43のゲート、すなわちインバータ301の制御端子Pinは、FET53のゲートおよびFET63のゲートと接続されている。すなわち、制御端子Pinへの制御電圧の電圧値により、インバータ301ないし303の動作状態が同時かつ同じ状態に制御される。
図4に示すリング発振部300について、制御端子Pinに所定の制御電圧が印加された場合、FET43,53および63は、いずれもソース−ドレイン間が所定の抵抗値となってオン状態となる。そうすると、リング発振部300は、当該制御電圧に対応する周波数で発振動作を行う。制御電圧が変化すると、その変化に応じてリング発振部300の発振周波数も変化する。
一方、制御端子Pinの制御電圧がゼロとなった場合、すなわち、FET43,53および63のゲートが接地状態となった場合は、FET43,53および63は、いずれもオフ状態となる。そうすると、FET42,52および62のソースは、いずれもグラウンドから分離された状態となり、リング発振部300は、発振動作を停止する。
ここで、切替制御部400が、スイッチ410ないし413をオン、スイッチ420ないし423をオンと制御した場合を考えると、各インバータの制御端子Pinが、スイッチ410および420の共通端子・NO端子を介して周波数制御端子Pと接続状態になる。この場合、リング発振部310および320は所定の周波数での発振状態となる。また、スイッチ411ないし413および421ないし423がオンになることでリング発振部300ないし320は並列接続状態となる。そして、リング発振部の並列接続数は3となるから、リング発振部300単体の場合と比較してチャネル抵抗が1/3となって、位相雑音レベルが4.7dB改善される。
一方、切替制御部400が、スイッチ410ないし413をオフ、スイッチ420ないし423をオフと制御した場合を考えると、スイッチ410および420がオフになることでリング発振部310および320は発振停止状態となり、スイッチ411ないし413および421ないし423がオフになることでリング発振部310および320は並列接続から切り離された状態となる。そうすると、位相雑音レベルがリング発振部300単体の場合と同じになる。そして、リング発振部310および320の動作が停止されることにより、発振器2全体の消費電力は、リング発振部300ないし320の全てが動作状態の場合と比較して1/3となる。
このように、この実施形態の発振器2では、切替制御部400が、リング発振部の動作状態を制御するスイッチおよびリング発振部の並列接続状態を制御するスイッチを併せて制御するので、発振信号の精度とVCO全体の消費電力を最適化することができる。例えば、発振信号の精度が要求される場合は並列接続数を上げて精度を優先し、発振信号の精度が要求されない場合は並列接続数を許容レベルまで下げて消費電力を最適化することが可能になる。
なお、この実施形態では、インバータを構成するnチャネルFET42,52,62のソース側にnチャネルFET43,53,63を接続してリング発振部の発振動作を制御しているが、これには限定されない。すなわち、インバータを構成するpチャネルFET41,51,61のソース側にpチャネルFETをそれぞれ接続してもよい。また、インバータを構成するpチャネルFETおよびnチャネルFETそれぞれのソース側にpチャネルFETおよびnチャネルFETを接続する構成としてもよい。
続いて、図5を参照して、本発明の第3の実施形態に係るPLL発振器について詳細に説明する。図5は、本発明の第3の実施形態に係るPLL発振器3の構成を示すブロック図である。この実施形態のPLL発振器3は、本発明の第2の実施形態に係る発振器2を用いてPLL発振器を構成したものである。そこで、第2の実施形態と共通する構成要素については共通の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
図5に示すように、この実施形態のPLL発振器3は、基準信号発振器(TCXO)41、位相比較器42、スイッチSWおよびSW、チャージポンプICP、ループフィルタLF、本発明の実施形態2に係る発振器2、および可変分周器43を備えている。
TCXO1は、このPLL発振器3の基準となる周波数の信号を発振する基準信号発振手段である。可変分周器43は、発振器2の発振信号を外部信号に基づき所定の分周比で分周して出力する分周手段である。
位相比較器42は、TCXO41の発振出力と、可変分周器43により分周された発振器2の発振出力とを比較する比較器である。位相比較器42は、入力された二つの発振出力の位相を比較し、比較結果に基づいて後段のスイッチSWおよびSWを制御するパルス信号を出力する機能を有する。図5に示す例では、位相比較器42は、TCXO41の発振出力と可変分周器43により分周された発振器2の発振出力との位相差情報(進みと遅れ・絶対量)に基づいて、スイッチSWおよびSWをオン/オフするパルス信号を生成する。
スイッチSWおよびSWは、チャージポンプICPを構成する二つの電流源ICおよびICをオンオフする電流制御スイッチである。スイッチSWおよびSWは、位相比較器42からのパルス信号に基づいてチャージポンプICPの制御を行う。
チャージポンプICPは、電源とグラウンドとの間に直列接続された二つの電流源IC1およびIC2を備えており、位相比較器42から送られるパルス信号に基づいて制御電流を生成する電流生成手段である。電流源IC1は、一端が電源と接続され、他端が電流源IC2およびループフィルタLFが接続されており、ループフィルタLFに向けて電流を供給する機能を有する。また、電流源IC2は、一端が電流源IC1の他端およびループフィルタLFと接続され、他端がグラウンドと接続されており、ループフィルタLFから電流を吸い出す機能(引き出す機能)を有する。
例えば、位相比較器42による位相比較の結果、発振器2の位相が進んでいる場合、位相比較器42は、スイッチSWをオンとするような制御を行う。また、発振器2の位相が遅れている場合、位相比較器42は、スイッチSWをオンとするような制御を行う。すなわち、スイッチSWがオンとなるとIC1が動作し、スイッチSWがオンとなるとIC2が動作して、チャージポンプICP全体としては制御電流を流し出しまたは流し入れる動作をする。この結果、チャージポンプICPは、位相比較器42の位相比較結果に基づいて、発振器2に向けて正または負の制御電流を供給する(制御電流を供給しまたは引き出す)作用をすることになる。
ループフィルタLFは、直列接続された抵抗RおよびキャパシタCを備えており、発振器2の制御電流信号を平滑化して発振器2の制御電圧信号を生成するローパスフィルタ(LPF)である。抵抗Rの一端はチャージポンプICPの出力と接続され、他端はキャパシタCの一端と接続されている。キャパシタCの他端は、グラウンドと接続されている。チャージポンプICPから供給された正負の制御電流は、ループフィルタLFにより制御電圧に変換される。キャパシタCは、ループフィルタLFと並列接続されたキャパシタであり、ループフィルタLFにより変換された制御電圧を保持して発振器2に制御電圧として供給する作用をする。
発振器2は、本発明の第2の実施形態に係る発振器であり、図3に示す発振器2の出力端子20は、PLL発振器3の出力端子30として機能する。PLL発振器3の発振信号は、可変分周器43に入力される。ここで、リング発振部300の制御端子Pinは、常にループフィルタLFの出力と接続され、リング発振部310および320の制御端子Pinは、スイッチ410および420を介してループフィルタLFの出力と接続されている。
次に、この実施形態のPLL発振器3の動作を説明する。
切替制御部400の精度指示端子NにPLL発振器3の精度を最優先とする指示信号が入力されると、切替制御部400は、スイッチ410ないし413および420ないし423の全てがオンとなるように制御する。この場合、リング発振部300ないし320は全て発振動作状態となり、全てが並列接続状態となる。リング発振部300ないし320それぞれの発振信号は同期して発振信号が出力端子30に出力される。
出力端子30に出力される発振信号は、可変分周器43に入力され、所定の分周比で分周される。この分周比は、比較対象となるTCXOの周波数に基づいて決定される。可変分周器43は、分周された発振信号を位相比較器42に入力する。
位相比較器42は、TCXO41の発振信号と、可変分周器43で分周された発振信号とを比較し、比較結果に基づいてパルス信号を生成してスイッチSWおよびSWを制御する。スイッチSWおよびSWは、パルス信号に基づいてオンオフし、チャージポンプICPを構成する電流源IC1およびIC2それぞれをオンオフする。ここで、電流源IC1がオンされた場合、制御電流が電流源IC1からループフィルタに流れ込み、電流源IC2がオンされた場合、制御電流がループフィルタLFから電流源IC2に流れ込む。これにより正負の制御電流がループフィルタLFに供給される。
制御電流が供給されると、ループフィルタLFは、制御電流を平滑化して制御電圧を生成し、キャパシタCに印加する。キャパシタCに制御電圧が印加されると、制御電圧に基づいてリング発振部300ないし320の周波数が制御される。以後、このようなフィードバックループ動作を繰り返してPLL発振器3の周波数がロックされる。
ここで、許容される精度を示す指示信号が切替制御部400の精度指示端子Nに入力されると、切替制御部400は、指示信号が示す精度に応じてスイッチ410ないし413および420ないし423を制御する。例えば、スイッチ410ないし413のみをオンとなるよう制御し、スイッチ420ないし423をオフとなるよう制御すると、リング発振部320は並列接続から切り離されるとともに、リング発振部320の発振動作が停止される。そのため、精度が最優先の場合と比較して消費電力が低減される。
同様に、さらに低い精度が許容される場合に、切替制御部400がスイッチ410ないし413および420ないし423全てをオフとなるような制御をすると、リング発振部410および420は並列接続から切り離されるとともに発振動作が停止される。そのため、消費電力がさらに低減される。
このように、この実施形態のPLL発振器では、リング発振部を並列接続した構成とし、切替制御部がスイッチを制御して当該並列接続を任意に切り離すとともに切り離されたリング発振部の発振動作を停止するので、要求される位相雑音レベルに応じて消費電力を最適化することができる。
なお、この実施形態のPLL発振器では、並列接続構成となるリング発振部のうち、常に所定数のリング発振部(図5に示す例ではリング発振部300の一つのみ)がPLL発振器3のループの中に組み込まれるので、切替制御部400がリング発振部の並列接続数を変化させた場合でも発振周波数が変化せず、ループの安定性を劣化させることなく位相雑音レベルと消費電力の制御が可能となる。
続いて、図5および図6を参照して、本発明の第4の実施形態に係る無線装置について詳細に説明する。図6は、本発明の第4の実施形態に係る無線装置4の構成を示すブロック図である。この実施形態の無線装置4は、本発明の第3の実施形態に係るPLL発振器3を用いて無線装置を構成したものである。そこで、第3の実施形態と共通する構成要素については共通の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
図6に示すように、この実施形態の無線装置4は、アンテナ51、フロントエンド部52、AGC部53、A/D変換部54、デジタル信号処理部55およびPLL部3(PLL発振器3)を有している。
アンテナ51は、電波を受けて受信信号を取り出す空中線である。フロントエンド部52は、アンテナ51により取り込まれた受信信号を増幅し、周波数変換してベースバンド信号に変換するRFユニットである。AGC部53は、受信信号の伝搬経路により変動したベースバンド信号の振幅を均一にそろえるための振幅調整手段である。A/D変換部54は、ベースバンド信号を所定の分解能でデジタル信号に変換するA/D変換手段である。
デジタル信号処理部55は、デジタル信号に変換された受信信号にデジタル信号処理を施して受信データを再生・出力する信号処理手段である。デジタル信号処理部55は、複数の変調方式に対応して信号処理を行うことができ、変調方式ごとに要求される分解能(精度)をPLL部3に指示する指示信号を出力する機能をも有している。
PLL部3は、A/D変換部54にサンプリングクロック信号を供給する発振手段であり、本発明の第3の実施形態に係るPLL発振器3からなる。PLL部3は、A/D変換部54の分解能に応じて、供給するサンプリングクロック信号の位相雑音レベルを制御し、消費電力を最適化することができる。ここで、デジタル信号処理部55から送られる分解能の指示信号は、切替制御部400の精度指示端子Nに入力され、サンプリングクロック信号は、出力端子30からA/D変換部54に供給される。
ここで、図7および図8を参照して、この実施形態に係る無線装置4における精度と消費電力との関係について詳細に説明する。図7は、BPSKおよび16QAMのSNRを説明する表、図8は、A/D変換部が発生する雑音電力の許容量を説明する表である。
この実施形態の無線装置4は、伝搬環境に応じて変調方式を切り替える方式を用いている。ここで、無線装置4が、雑音や干渉が多い環境ではBPSK方式、雑音や干渉が少ない環境では16QAM方式を用いるものと仮定し、A/D変換部54に要求される分解能について検討する。
一般に、10−3のBER(Bit Error Rate)を満たすために最低限必要なSNR(Signal to Noise Ratio:S/N)は、BPSKにおいて7dB程度、16QAMでは17dB程度である。例えば、受信信号電力、A/D変換部54における雑音電力、および干渉などA/D変換部54以外の回路ブロックが発生する雑音電力が、図7の表で示したような関係であるものとして考える。
16QAM変調時には、信号振幅をA/D変換部54のダイナミックレンジに合わせるため、AGC部53において受信信号を10dB減衰すると仮定する。このとき、干渉などによる雑音電力も10dB減衰するが、A/D変換部54が発生する雑音は変わらないので、16QAM変調時のSNRは、18dBから17.7dBに劣化する。
BPSKと16QAMの場合において、どこまでA/D変換器54の発生する雑音電力が許容されるかを図8の表に示す。これによれば、BPSKは−4dBm、16QAMは−14dBmの雑音電力を許容することができるから、BPSKは16QAMに比べて10dB程度多くA/D変換部54が発生する雑音を許容することができる。
一般にA/D変換器の分解能(ビット数)nはSNRを用いて次式で表される。
Figure 0004445475
よって、A/D変換部54によるSNRの劣化が10dB許容される場合、分解能を1.3ビット下げることができる。A/D変換部54で要求される分解能が下がれば、PLL部3に求められるクロック信号の精度も下げることが可能になる。
PLL部3の全機能ブロックの中でリング発振部が支配的な雑音源である場合、A/D変換部54の分解能が下がることで許容雑音レベルが10dB上がれば、リング発振部に要求される位相雑音レベルも10dB上げることができることになる。そこで、この実施形態の無線装置4では、変調方式がBPSKから16QAMに切り替わった場合、デジタル信号処理部55は、A/D変換部54のサンプリングクロック信号の許容雑音レベルを10dB下げる指示信号を、PLL部3に入力する。指示信号を受けたPLL部3は、10dB分の許容雑音レベルに相当する数のループ発振部を並列接続から切り離し、併せて切り離されたループ発振部の発振動作を停止させる。
そうすると、無線装置4の変調方式がBPSKから16QAMに切り替わったときには、PLL部3の消費電力を1/10程度に削減できる。具体的には、この実施形態の無線装置4のPLL部3が16QAMに必要なSNRを満足するために10mWの電力を消費している場合、BPSKに変調方式が切り替わることで9mWの消費電力削減が可能となる。
以上説明したとおり、この実施形態の無線装置では、本発明の第3の実施形態に係るPLL発振器をA/D変換器のサンプリングクロック信号発振器として用いたので、変調方式に応じて消費電力を最適化することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明は、電子機器製造業などに適用できる。
本発明の第1の実施形態に係るVCOの構成を示すブロック図である。 第1の実施形態のリング発振部の原理的構成を示す等価回路図である。 本発明の第2の実施形態に係るVCOの構成を示すブロック図である。 第2の実施形態のリング発振部の原理的構成を示す等価回路図である。 本発明の第3の実施形態に係るPLL発振器の構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施形態に係る無線装置の構成を示すブロック図である。 BPSKおよび16QAMのSNRを説明する表である。 A/D変換部が発生する雑音電力の許容量を説明する表である。
符号の説明
1,2…VCO、3…PLL発振器、4…無線装置、10ないし30…出力端子、41…TCXO、42…位相比較器、43…可変分周器、51…アンテナ、52…フロントエンド部、53…AGC部、54…A/D部、55…デジタル信号処理部、100,110,120,300,310,320…リング発振部、101ないし103,111ないし113,121ないし123,301ないし303,311ないし313,321ないし323…インバータ、211ないし213,221ないし223,410ないし413,420ないし423…スイッチ、200,400…切替制御部。


Claims (6)

  1. 第1のインバータを複数段直列接続してなる第1のループ発振部と、
    第2のインバータを複数段直列接続してなり発振信号を出力する第2のループ発振部と、
    前記第1のインバータの出力パスおよび該第1のインバータに対応する段の前記第2のインバータの出力パスそれぞれの間を段毎に開閉可能に接続する複数のスイッチ部と、
    を具備したことを特徴とする発振器。
  2. 前記スイッチ部により前記第1のインバータの出力パスおよび該第1のインバータに対応する段の前記第2のインバータの出力パスそれぞれの間が切断された場合に、前記第1のループ発振部の動作を停止させる動作停止部をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の発振器。
  3. 前記第1および第2のインバータは、前記第1および第2のループ発振部それぞれの発振周波数を制御する制御電圧を入力する制御端子をそれぞれ備え、
    前記動作停止部は、前記第1のインバータの制御端子への前記制御電圧の供給を止めることで前記第1のループ発振部の発振を停止させること
    を特徴とする請求項記載の発振器。
  4. 位相雑音レベルおよびジッタの少なくとも一方を含む発振信号の精度を示す指示信号に基づいて前記スイッチ部の開閉を制御する制御部をさらに具備したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発振器。
  5. 第1のインバータを複数段直列接続してなる第1のループ発振部と、第2のインバータを複数段直列接続してなり発振信号を出力する第2のループ発振部と、前記第1のインバータの出力パスおよび該第1のインバータに対応する段の前記第2のインバータの出力パスそれぞれの間を段毎に開閉可能に接続する複数のスイッチ部とを備えた電圧制御発振器と、
    基準信号発振器と、
    前記電圧制御発振器の出力および前記基準信号発振器の出力それぞれの位相を比較する位相比較器と、
    前記位相比較器による位相比較結果に基づいて前記電圧制御発振器を制御する制御電圧を発生するループフィルタと
    を具備したことを特徴とするPLL発振器。
  6. 受信信号をA/D変換するA/D変換器と、
    第1のインバータを複数段直列接続してなる第1のループ発振部と、第2のインバータを複数段直列接続してなり発振信号を出力する第2のループ発振部と、前記第1のインバータの出力パスおよび該第1のインバータに対応する段の前記第2のインバータの出力パスそれぞれの間を段毎に開閉可能に接続する複数のスイッチ部とを備え、前記A/D変換部にクロック信号を供給する発振器と、
    A/D変換された前記受信信号を復調するとともに、前記受信信号の変調方式に応じて前記発振器のスイッチ部を制御する信号を出力する信号処理部と
    を具備したことを特徴とする無線装置。
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