JP4444753B2 - 光反射持続性に優れた樹脂被覆アルミニウム材 - Google Patents

光反射持続性に優れた樹脂被覆アルミニウム材 Download PDF

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本発明は、光の反射材に関し、掲示板、広告灯、照明装置の家電用又は内外装建材用の反射材に関し、特に開放系にて浮遊する有機物系及び無機物系の塵埃が多い用途に適用される光反射部材に適するものである。
従来、光反射板としては、(1)白色のフィルムを接着剤等を用いてアルミニウム板に貼り付けたフィルム被覆アルミニウム板(例えば、特許文献1)、(2)白色の塗装を施した白色塗装アルミニウム板(例えば、特許文献2)、等が用いられている。
特開平10−177805号公報 特開2002−172735号公報
上記反射材料は、初期の反射特性は比較的良好なものの、実使用環境においては、屋内又は屋外の浮遊する有機物系及び無機物系の塵埃により塗膜表面が汚染され、反射率が低下してしまう。その結果、有効な光量が少なくなるばかりでなく、エネルギー的にも大きな損失であった。この問題に対して、(1)反射板に貼り付けて使用できる酸化チタンの光触媒能を活用した防汚脱臭効果を有する吸着分解性光反射シート(特許文献3)、(2)白色塗装金属板上に有機無機複合樹脂のバリヤー層を設け、その上に光触媒能を有す酸化チタンを含有する有機無機複合樹脂の光触媒層を設けた加工性、光反射性及び光反射持続性に優れた白色塗装金属板、等が提案されている。
特開平10−202058号公報 特開2002−11827号公報
また、反射材の反射面の反対面は化成皮膜のみまたは化成皮膜上に防食目的にクリヤー系の保護皮膜を設けたものであった。また、太陽光の可視光を反射させる装置の場合、太陽光に含まれる近赤外線を塗膜が吸収し部材の温度を上昇させてしまう問題が発生した。
この問題に対して、反射材の反射面の反対面に陽極酸化処理を施して放熱面とする放熱性の高い反射材が提案されている。(特許文献5)
特開平5−241148号公報
しかしながら、特許文献3については、前記反射材の反射面に酸化チタンの光触媒能を活用した防汚脱臭効果を有する吸着分解性光反射シートを貼り付けた場合、このシートは光触媒能を有す酸化チタンを含有するため、通常の有機バインダーより耐光性に優れる無機バインダーを用いる必要がある。この無機バインダーは無機系皮膜のため、皮膜が非常に硬く成形時に皮膜が割れ易く、加工性の低下が起こる。その結果、加工部の耐食性が劣るという品質問題、また大きな割れの場合、商品価値が無くなるため生産性が低下し、コスト上昇を招くなど反射材として適当でないという問題が発生している。さらに、フィルム貼付け工程が必要なため、トータルコストが高い。
また、特許文献4については、バリヤー層及び光触媒層が有機無機複合樹脂からなるため加工性は特許文献3のような無機バインダーより多少改善されるものの、実プレスでの曲げ加工や絞り加工を行なった場合にまだ十分な加工性ではなく、成形時に皮膜が割れ易く、加工性が劣る。さらに、光触媒層及びバリヤー層が特許文献3のような無機バインダーではなく有機無機複合樹脂が主成分のため有機樹脂成分の光触媒による劣化は光が存在する限り継続して起こり塗膜にダメージを与え続け、塗膜密着性の低下や塗膜の変質による光反射性の低下が起こるという問題が発生している。コスト面ではバリヤー層、光触媒層と高価な塗膜が2層も必要なためコストの高い材料であることは否めない。
したがって、低コストで加工性、反射持続性の良い反射板が強く求められている。
また、特許文献5の前記反射材の反射面の反対面に陽極酸化処理を施して放熱面とした場合、この陽極酸化皮膜は無機皮膜のため、皮膜が非常に硬く成形時に皮膜が割れ易く、加工性の低下が起こる。その結果、加工部の耐食性が劣るという品質問題、また大きな割れの場合、商品価値が無くなるため生産性が低下し、コスト上昇を招くなど反射材として適当でないという問題が発生している。さらに、陽極酸化処理工程が必要なためもともとコストが高く、低コストで加工性、放熱性の良い反射板が強く求められている。
このようなことから、本発明者らはアルミニウム板上に化成皮膜を設け、反射面側に特定の白色樹脂皮膜を施し、さらに最外層に特定の架橋密度の防汚性塗膜を設け、また放熱面側に放熱性樹脂皮膜を設けることにより、反射性、加工性を低下させずに反射持続性を向上し得ることを見出し、さらに研究を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち請求項1記載の発明は、両面に化成皮膜を有するアルミニウム板の少なくとも一方の面の化成皮膜上に、全反射率85%以上の光反射性白色樹脂皮膜を設け、さらに最外層に塗膜単体の架橋密度が1.5×10‐3mol/cc以上の防汚性クリヤー樹脂皮膜を施したことを特徴とする光反射持続性に優れた樹脂被覆アルミニウム材である。
また、請求項2記載の発明は、前記防汚性クリヤー樹脂皮膜が樹脂分100質量部に対して1〜20質量部の加水分解性シラン化合物を含むことを特徴とする請求項1記載の光反射持続性に優れた樹脂被覆アルミニウム材である。
さらに請求項3記載の発明は、前記防汚性クリヤー樹脂皮膜が樹脂分100質量部に対して0.1〜20質量部の抗菌剤及び/又は防かび剤を含むことを特徴とする請求項1及び2記載の光反射持続性に優れた樹脂被覆アルミニウム材である。
そして、請求項4に記載の発明は、前記光反射持続性白色樹脂皮膜の反対面の化成皮膜上にフッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂の中から選ばれた少なくとも1種又は2種以上からなる皮膜厚1〜50μmで赤外放射率50%以上の放熱性樹脂皮膜を施した放熱面を有することを特徴とする請求項1〜3記載の光反射持続性に優れた樹脂被覆アルミニウム材である。
本発明の樹脂被覆アルミニウム材は、良好な光反射持続性を有し、かつ加工性に優れ、また一部放熱性にも優れたもので、特に家電用、内外装建材用反射板として好適に使用される。
本発明において、基材のアルミニウム板は特に限定されるものでないが、照明装置や反射部材を形成・保持するに足る強度を有し、また絞り加工、曲げ加工時において充分な成形加工性を有することから1000系、3000系、5000系のアルミニウム板が好ましい。
前記アルミニウム材上に設ける化成皮膜は、塗布型と反応型があり、特に制限されないが、アルミニウムと樹脂皮膜の両方に密着性が良好な反応型化成皮膜が用いられる。反応型化成皮膜とは、具体的にはリン酸クロメート、クロム酸クロメート、リン酸ジルコニウム、リン酸チタニウムなどの処理液で形成される皮膜である。特にリン酸クロメート処理皮膜が、コスト、汎用性の点で好ましい。
前記化成皮膜上に設けた光反射性白色樹脂皮膜面の全反射率は85%以上とする。全反射率が85%未満では、照明装置の照度や液晶表示装置の表示輝度が低下し、反射板として適さない。なお、全反射率85%以上を達成する方法としては、特開2002−172735に記載されているようにポリエステル樹脂100重量部に対して酸化チタン顔料150〜250重量部を含有する膜厚60μm〜130μmの白色樹脂皮膜とする方法などで達成できる。
前記光反射性白色樹脂皮膜に使用する樹脂は、特に制限されないが、例えば耐候性の良いフッ素系樹脂やアクリル系樹脂、また加工性の良いポリエステル系樹脂やエポキシ系樹脂などの1種または2種以上が用いられる。また、単独層、多層構造のいずれでもかまわない。
前記光反射性白色樹脂皮膜上に設ける防汚性クリヤー樹脂皮膜は、塗膜単体の架橋密度が1.5×10‐3mol/CC以上である。架橋密度が1.5×10‐3mol/CC未満では、塗膜の架橋程度が粗であり、汚染物質が塗膜中に侵入し易い。また汚れが付着し清掃した場合、塗膜が柔らかいため塗膜に傷が付き易く、またさらに汚れが付き、その結果反射性能が低下する。また、塗膜の架橋密度が高くなると柔軟性は低下し、その結果加工性は低下する方向となるため、架橋密度は3.0×10‐3mol/CC未満であることが好ましい。なお、架橋密度はT:平衡貯蔵弾性率での絶対温度とE´:平衡貯蔵弾性率の測定値から次式のゴム弾性の式を用いて算出される。
n=E´/3RT
ここで、n:架橋密度(mol/cc) R:ガス定数(8.314×107、erg.deg/mol)
T:平衡貯蔵弾性率での絶対温度(°K) E´:平衡貯蔵弾性率(dyne/cm2)。
架橋点間の分子量が小さい、また架橋点の数が多い場合、平衡貯蔵弾性率は高くなり、架橋密度が高いと言える。
したがって、この塗膜単体の架橋密度は、使用する樹脂の分子量、官能基の種類・量、含有させる架橋剤の種類・量、触媒の量、焼付け条件等の組み合わせにより達成する。
つまり、使用する樹脂の分子量が大きいと架橋密度は低く、ベース樹脂や架橋剤の官能基の数が多い(架橋点が多くなる)又は焼付け温度が高い(架橋が進み架橋点が多くなる)と架橋密度は高くなる。
前記防汚性クリヤー樹脂皮膜に使用する樹脂は、熱硬化性樹脂であれば特に制限されないが、例えば耐候性の良い熱硬化型フッ素系樹脂やアクリル系樹脂、また加工性の良いポリエステル系樹脂やエポキシ系樹脂などの1種または2種以上が用いられる。また、前記樹脂の官能基と反応し塗料を硬化させる機能を有する架橋剤についても特に制限されないが、例えば耐候性の良いメラミン系樹脂、尿素系樹脂や加工性の良いブロック化イソシアネートなどの1種または2種以上が用いられる。
請求項2の発明において、前記防汚性クリヤー樹脂皮膜は、樹脂分100質量部に対して1〜20質量部の加水分解性シラン化合物を含有する。1質量部未満では、親水化処理剤としての働きが不足し表面の親水化が不充分である。また、20質量部を超えると、塗膜が硬くなり曲げ加工性が低下する。加水分解性シラン化合物の種類は特に制限されないが、例えばアルコキシシランなどが用いられる。加水分解性シラン化合物は親水化処理剤として働き、塗膜表面を親水化する。塗膜表面を親水化することにより、塗膜表面の静電気によるほこり付着汚染を低減できる。
請求項3の発明において、前記防汚性クリヤー樹脂皮膜は、樹脂分100質量部に対して0.1〜20質量部の抗菌剤及び/又は防かび剤を含有する。0.1質量部未満では、抗菌性、防かび性が不充分である。また、20質量部を超えると、表面の抗菌剤、防かび剤が過剰となり親水性が低下する。抗菌剤、防かび剤の種類は、特に制限されないが、例えば抗菌剤として無機系抗菌剤と呼ばれる銀系、銅系、亜鉛系のもの、防かび剤としてジフェニルエーテル系化合物、含窒素硫黄系化合物、有機窒素硫黄含有環式化合物、有機塩素系化合物、有機臭素系化合物、ベンゾイミダゾール誘導体などが用いられる。特に、耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などの細菌に対しては銀系抗菌剤が有効で、またカビや藻に対しては防かび剤が有効である。抗菌剤及び/又は防かび剤1種または2種以上が用いられるが、特に塗膜に発生しやすいカビ、藻は塗膜を変色させ反射性を大きく低下させるため、少なくとも防かび作用の高い防かび剤を含むことが好ましい。なお、抗菌剤と防かび剤は、特に請求項2の加水分解性シラン化合物を含有した塗膜、言いかえれば塗膜表面が親水性である塗膜中に存在した場合、塗膜表面の水分を媒体とし塗膜中の抗菌剤または防かび剤が塗膜表面に十分に供給され、さらに優れた抗菌性、防かび性を発現する。
一方前記光反射持続性白色樹脂皮膜を施した面の反対面には、請求項4のように化成皮膜上に赤外放射率50%以上の放熱性樹脂皮膜を施すのが好ましい。こうすることによって温度上昇を低減できる。
赤外放射率は特に60%以上が好ましい。反射板の反対面からの放射熱は、プランクの分布則に従い、波長8〜10μmにピークを有しており、赤外線領域の熱放射性を向上させることが放熱性の向上に有効である。赤外放射率が50%未満では放熱効果が不足する。この赤外放射率は、使用する樹脂の種類、含有させる顔料の種類・量、皮膜厚、皮膜の表面粗さ等の組み合わせにより達成する。
また、前記放熱性樹脂皮膜層の厚さは、1〜50μmが好ましい。1μm未満では、赤外線を放射する性質のある顔料及び樹脂成分の量が不足し、充分な放熱効果は望めない。また、50μmを超えると熱伝導性が低下し、結果として放熱性が劣る。
前記放熱性樹脂皮膜としては、特に制限されないがフッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂の中から選ばれた1種または2種以上を用いると各種性能が向上する。これらの内、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂を用いると高度の加工性が得られる。またフッ素系、ポリエステル系樹脂は赤外吸収能が高く、これらを用いることによって放熱性がより向上する。
前記放熱性樹脂皮膜は黒色系顔料を含有することによって、さらに放熱性が向上する。黒色系顔料の種類は特に制限されないが、例えば、カーボンブラック、グラファイト、また鉄マンガン系、銅クロム系などの金属酸化物が用いられる。これら顔料の1種または2種以上を用いる。特に、カーボンブラックがコスト、汎用性、安全性の点で好ましい。これらの顔料の含有量は総量で樹脂100質量部に対して1〜200質量部であるのが好ましい。
前記放熱性樹脂皮膜の表面粗さ(Ra)は、0.5〜5.0μmであることが好ましい。表面粗度が大きいと表面積が大きくなることにより熱の放射面積が大きくなり、放熱性が向上する。0.5μm未満では表面積の増加が充分でなく放熱性向上の効果が小さい。また、5.0μmを超えると、表面粗さの調整は一般に微粒子添加により行い、加工時の微粒子の脱落やそれを起点とした塗膜の割れ等加工性が低下する。なお、表面粗さ(Ra)の調整は、アクリル系ビーズ、ウレタン系ビーズ、ナイロンビーズなどの有機系微粒子又はシリカなどの無機系微粒子を適量添加することによって行うことができる。
また、本発明において成形性を向上させる目的で、光反射性樹脂皮膜、防汚性クリアー樹脂皮膜、放熱性樹脂皮膜のそれぞれの樹脂に潤滑付与剤を添加しても良い。添加量としては、樹脂成分100質量部に対して30質量部以下であることが好ましい。潤滑付与成分が30質量部を超えると加工時の塗膜カスの発生や塗膜割れ等の加工性低下が起こりやすくなる。この際に使用される潤滑付与剤の種類としては、ポリエチレンワックス等のオレフィン系ワックス、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素系樹脂、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ミツロウ、ラノリン、カルナバワックス等が挙げられる。
また、本発明に使用する光反射性樹脂皮膜、防汚性クリアー樹脂皮膜、放熱性樹脂皮膜形成用の塗料には、塗装性及びプレコート材としての一般性能を確保するために通常塗料で使用される、溶剤、レベリング剤、顔料分散剤、ワキ防止剤等を適宜使用しても良い。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明する。
アルミニウム板(材質:JIS A 5052、板厚:1.0mm)に対し、市販のアルミニウム用脱脂剤にて脱脂処理を行い、水洗後、市販のリン酸クロメート処理液にて下地処理を行い、その上にアクリル系樹脂100質量部に対して酸化チタンを120質量部含有する塗料をロールコーターで塗装し、PMT(最高到達板温度)200℃にて焼付することにより皮膜厚60μmの光反射性白色樹脂皮膜を設けた。さらに表1に示す条件でアクリル系クリヤー塗料をロールコーターで塗装し、PMT(最高到達板温度)230℃にて焼付することにより皮膜厚5μmの防汚性クリヤー樹脂皮膜を設けた。なお、こうして図1に模式的に断面図を示す樹脂被覆アルミニウム材を製造した。図中、1は防汚性クリヤー樹脂皮膜、2は光反射性白色樹脂皮膜、3は化成皮膜、4はアルミニウム合金板である。
Figure 0004444753
得られた光反射持続性に優れた樹脂被覆アルミニウム材について下記の試験方法にて性能試験を行なった。
(光反射持続性)
全反射率はスガ試験機社製多光源分光測色計MSC−IS−2DH(積分球使用、拡散光照明8°方向受光)を用い、波長550nmでの初期の全反射率(正反射成分を含む)をBaSO白板を100とした時の百分率で表した。さらに、黒マジックインクにて皮膜表面が黒く覆われるまで汚染した後24時間放置し、エタノールにて汚染物質を除去した後の全反射率を測定し、初期の全反射率に対する全反射率の保持率(百分率)を算出した。そして、○:98%以上、○△:95%以上98%未満、△:90%以上95%未満、×:90%未満のもの、の基準で評価した。なお、反射板として用いるため、全反射率の保持率が90%以上であることが適しており、90%以上を使用可能レベルとした。
(親水性)
親水性は協和界面科学社製協和接触角計CA−D型を用い、50℃温水2時間浸漬による湿潤処理を行なった塗膜の水接触角を測定した。そして、○:40°未満、○:40°以上50°未満、×:50°以上のもの、の基準で評価した。なお、防汚の観点から、水接触角が50°未満であることが適しており、50°未満を使用可能レベルとした。
(抗菌性)
抗菌力試験は試験菌として大腸菌(グラム陰性菌の代表)及び黄色ブドウ球菌(グラム陽性菌の代表)を用いたフィルム密着法にて接種直後と24時間後の菌数を測定し、滅菌率を算出した。そして、○:ともに95%以上、△:ともに90%以上でともにまたはいずれか95%未満、×:ともにまたはいずれか90%未満のもの、の基準で評価した。なお、抗菌性の観点から、滅菌率が90%以上であることが適しており、90%以上を使用可能レベルとした。
(防かび性)
かび抵抗性はJIS Z2911に準拠し試験菌5種培養14日後の試験片表面のかびの発育状態を観察した。そして、○:菌の発育なし、△:1/3以下、×:菌の発育1/3を超えるもの、の基準で評価した。なお、防かび性の観点から、菌の発育なし又は1/3以下であることが適しており、菌の発育1/3以下を使用可能レベルとした。
(曲げ加工性)
曲げ加工性は評価面を外側にして180度4T曲げを行い、樹脂皮膜層の割れを目視で観察し、○:塗膜の割れなし、△:小さな塗膜の割れあるが使用可能、×:大きな塗膜割れあり使用不可、の基準で評価した。
更に、割れ観察後、曲げ部にセロハンテープを密着させ、テープを急激に剥離した際の塗膜の剥れ具合を観察し、○:剥離なし、×:剥離ありの基準で評価した。
(放熱性)
放熱性は下記の方法で筐体を作製し、筐体内温度を測定し、○:28℃以下、△:29℃〜31℃、×:32℃以上、の基準で評価した。得られた光反射持続性に優れた樹脂被覆アルミニウム材により底面が150mm×150mm、高さ200mmの筐体を作製し、ここでは一例として液晶表示装置と同様の状態とするために筐体上面のみをアクリル板とした。作製した筐体を図2に示す。図中、5はガラス、6は液晶、7はアクリル拡散板、8は光源(陰極管)、9は反射板、10は光反射持続性白色樹脂皮膜、11はアルミニウム合金板、12は放熱性樹脂皮膜である。この筐体の内部に光源として60Wの電球を入れて通電し、発光・発熱させ、筐体内部の温度が定常状態となった時点における筐体内の雰囲気温度を測定した。
得られた性能試験結果を表1に示す。
表1に示される結果から明らかなように、発明例1〜14は光反射持続性、曲げ加工性のいずれも良好である。また、請求項2の加水分解性シラン化合物を含有する発明例5〜14はさらに親水性に優れ、特に抗菌剤又は防かび剤も含有する発明例9〜14は抗菌性又は防かび性も優れる。
一方、比較例15及び従来例16は、光反射持続性が劣り、反射板用樹脂被覆アルミニウム材としては不適当である。すなわち、比較例15は、防汚性クリヤー樹脂皮膜の架橋密度が小さいため光反射持続性が劣る。従来例16は、防汚性クリヤー樹脂皮膜自体がないため光反射持続性が劣る。
次に、片面の化成皮膜上に前述の方法にて前記発明例2の光反射持続性白色樹脂皮膜を設け光反射面とし、反対面の化成皮膜上にポリエステル系樹脂100質量部に対してカーボンブラックを5質量部含有する塗料を塗装焼付けすることにより皮膜厚10μm、赤外放射率86%の放熱性樹脂皮膜を設けた発明例17、同様に前記発明例3の光反射持続性白色樹脂皮膜を設け光反射面とし、カーボンブラックを含有しないポリエステル系樹脂塗料を塗装焼付けすることにより皮膜厚10μm、赤外放射率52%の放熱性樹脂皮膜を設けた発明例18を作成し放熱性を測定した。図3に模式的に断面図を示し、得られた結果を表2に示す。なお表2には記さないが当然発明例17、18の光反射持続性白色樹脂皮膜の特性はそれぞれ発明例2、発明例3と同等である。
Figure 0004444753
表2から光反射持続性白色樹脂皮膜の反対面に放熱性樹脂皮膜を設けたものは放熱性も良好なことがわかる。
本発明の光反射持続性に優れた樹脂被覆アルミニウム材を模式的に示す断面図である。 本発明の反射板を使用した液晶表示装置を模式的に示す断面図である。 光反射持続性白色樹脂皮膜の反対面に放熱性樹脂皮膜を施した本発明の樹脂被覆アルミニウム材を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 防汚性クリヤー樹脂皮膜
2 光反射性白色樹脂皮膜
3 化成皮膜
4 アルミニウム合金板
5 ガラス
6 液晶
7 アクリル拡散板
8 光源(陰極管)
9 反射板
10 光反射持続性白色樹脂皮膜
11 アルミニウム合金板
12 放熱性樹脂皮膜

Claims (4)

  1. 両面に化成皮膜を有するアルミニウム板の少なくとも一方の面の化成皮膜上に、全反射率85%以上の光反射性白色樹脂皮膜を設け、さらに最外層に塗膜単体の架橋密度が1.5×10‐3mol/cc以上の防汚性クリヤー樹脂皮膜を施したことを特徴とする光反射持続性に優れた樹脂被覆アルミニウム材。
  2. 前記防汚性クリヤー樹脂皮膜が樹脂分100質量部に対して1〜20質量部の加水分解性シラン化合物を含むことを特徴とする請求項1記載の光反射持続性に優れた樹脂被覆アルミニウム材。
  3. 前記防汚性クリヤー樹脂皮膜が樹脂分100質量部に対して0.1〜20質量部の抗菌剤及び/又は防かび剤を含むことを特徴とする請求項1及び2記載の光反射持続性に優れた樹脂被覆アルミニウム材。
  4. 前記光反射持続性白色樹脂皮膜の反対面の化成皮膜上にフッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂の中から選ばれた少なくとも1種又は2種以上からなる皮膜厚1〜50μmで赤外放射率50%以上の放熱性樹脂皮膜を施した放熱面を有することを特徴とする請求項1〜3記載の光反射持続性に優れた樹脂被覆アルミニウム材。
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