JP4444627B2 - ガス遮断装置 - Google Patents
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Description
そして近年、大地震等の災害に備えて各ラインの管路メンテナンスを実施している。このような管路メンテナンスを行う場合には、通常メンテナンス対象区域のガスを遮断して、管路の入替え,または更生修理等が行われる。
そしてガスを遮断する場合には、予め管路に設けられている遮断バルブを閉塞するか、または管路内にエアバッグ(風船)等の管路遮断用バッグを導入して管内で膨張させ、管内を流通するガスを遮断する工法が用いられている(例えば、特許文献1,2)。
つまり、従来のガス遮断装置においては、管路遮断用バッグおよびこれの内部に連通可能な構成を有するパイプの挿通支持部が設けられているとともに、管路遮断用バッグ同士の間に漏れ出した僅かなガスを大気放出する構成があるが、このような構成では、管路遮断用バッグが抜き取られてしまうと、その挿通支持部を介して管内が開放された状態となることで大量のガスが放出されることになる。
しかし、このような手順では、斜めに差し込まれた状態から起こされる際に管路遮断用バッグの外周面が管内面を摺擦することになり、例えば、金属粉などが残存していると外周面が傷つけられてしまうことがある。さらに、パイプを起こす際には、管路遮断バッグの向きが管内でのガスの流動方向と直角な状態となることがバッグと管内面との密着性を確保する上で重要となるが、起こし方が不十分であると密着性が損ねられたままとなったりあるいはパイプの姿勢が正確にガスの流動方向に対して直角となっているかどうかを確認する術がないのが現状である。また、交換時などに抜き取る場合においても、管内での管路遮断用バッグの向きを維持したまま抜き取ると、管路遮断用バッグが連通孔の周縁に突き当たりやすく、抜き取りにくくなる。
これにより、管路に対してバッグを斜めにして抜き差しするようなことがないので、斜めに抜き差しする場合と違って斜めにするためのスペースを必要としないですむ。このため、バッグを挿入する際に用いられる挿入部のサイズが、斜めにするためのスペースが不要となる分、小さくでき、バッグ挿入部の構成を小型化することが可能となる。
しかも、小径の連通孔からバッグを差し込む際にバッグが連通孔内周縁に干渉しないように斜めに挿入してから起こすというような複雑な作業が不要となり、バッグの最終的な姿勢を保持したままの自然な態位で管内へのバッグ挿入が可能となる。
また、バッグを抜き取る際にも、一旦、支持パイプを回転させることでバッグの向きを連通孔から抜き取りやすい向きに設定することができるので、斜めにすることなく、設置時での気体流通部材の姿勢と同じ状態で垂直に抜き取ることで連通孔との干渉などを起こすことなく抜き取ることが可能となり、バッグの破損によるガスの放出事故などを生じることなく作業性を向上させることができる。
同図においてガス遮断装置1は、管路Pの敷設方向に沿って一対の管路遮断用バッグB,B’を並置できる構成を備えており、このための構成として、管路遮断用バッグB,B’を管路Pの内部に挿入するためのバッグ挿入装置2と、バッグ挿入装置2の台座を兼ねて管路Pの外周面に搭載されるシャッター装置3とが備えられている。
管路遮断装置1は、バッグ挿入装置2を上部に一体化されたシャッター装置3により管路Pに設置される。このため、シャッター装置3には、図2に示すように、管路Pに捲装されるチェーンCを掛け止めできる係止部3P、3P’が設けられており、管路Pに形成されている連通孔P1とシャッター装置3との位置決めが行われた状態で管路Pの外周面に搭載された状態で設置できるようになっている。
蓋体2Bは、本体2Aの内部を塞ぐ部材であるが、管路遮断用バッグB,B’への膨張気体の供給路を備えて管路遮断用バッグB,B’が一体化されている支持パイプ4,4’を挿通支持するための支持孔(図示されず)が設けられている。
支持パイプ4,4’のうちで、管路Pの内部においてガスの流動方向(矢印Aで示す方向)上流側に位置する支持パイプ4には、膨張気体の供給路に加えて、管路P内を流れるガスの一部を放散するための流路が形成された構成とされており、管路P内に挿入されて膨張しようとする管路遮断バッグ4がガスの圧力によって押し動かされるのを防止して管内面との密着性を高める構成とされている。
図1(B)は、図1(A)における符号(B)で示す方向の矢視断面図であり、同図においてガイド部材2Cは、本体2Aに挿通支持されて回転可能な操作ロッド2C1と、操作ロッド2C1における本体2A内の軸端に一体化されているガイド板2C2とを備えている。
ガイド板2C2は平面視形状が凸形状をなし、互いの凸部が重なり合う位置関係を設定されている。これにより、ガイド板2C2同士が本体2Aの内面を横断する状態に倒されると凸部に隣り合う段部に支持パイプ4,4’を位置させることで蓋体2Bにより長手方向の一端を支持されている支持パイプ4,4’の長手方向他端側を位置決めして支持パイプ4,4’を正立状態に維持することができるようになっている。
図3は、シャッター装置3の動作原理を説明するための模式図であり、同図においてシャッター装置3は、管路Pの敷設方向に沿って摺動することにより管路P側の連通孔P1を横断することができる一対のシャッター板3A、3A’を備えており、シャッター板3A、3A’の対向面には支持パイプ4,4’の半周面に対応した形状の凹部からなる挟持部3A1,3A1’が形成されている。
このような構成のシャッター板3A、3A’は、図3(A)に示すように、連通孔P1に嵌め込まれているカバー(便宜上、図では連通孔を示す符号P1を用いて示してある)を開放する位置(全開位置)、図3(B)および(C)に示すように、支持パイプ4,4’のうちで、一つが抜き取られた際に残置されている側の支持パイプ4あるいは4’の外周囲を相対的に挟持することができる位置、そして図3(D)に示すように、支持パイプ4,4’が挿入されていない場合に連通孔P1を塞ぐことができる位置にそれぞれ変位することができるようになっている。
図3(A)に示した連通孔P1の全開位置でのシャッター板3A、3A’の位置決めは、シャッター装置3のガイドユニット(図4(B)において符号31で示す部材)に設けられているピン6,6’に衝合することにより行われる。なお、図3(A)において符号2C2は、図2(B)において説明したガイド板であり、支持パイプ4,4’の位置決め状態を参考的に示してある。また、図3(B)〜図3(D)において、図3(A)に示した全開時でのシャッター板3A、3A’の位置を二点鎖線により参考的に示してある。
図4において、シャッター装置3は、ベースユニット30(図4(B)参照)とガイドユニット31とを備えており、これらユニットのうちでベースユニット30は管路Pに搭載される部分であり、ガイドユニット31はベースユニット30に搭載されてシャッター板3A、3A’をガイドするための部分である。
ガイドユニット31のうちで下部側ユニット31Cは、開口部31Aの周辺において上部側ユニット31Bと対向する面がシャッター板3A、3A’の下面に当接するように平坦面とされているのに対して上部側ユニット31Bは、下部側ユニット31Cにおける開口31Aの周辺部および開口31Aが形成されている範囲が凹部31Dとされている。
凹部31Dの内部は、シャッター板3A、3A’同士の対向面側端部に設けてあるストッパ片3A2,3A2’が摺動できる深さを持たせてあり、ストッパ片3A2,3A2’のうちで、図6に示すように、連通孔P1を全閉する際に相手側のシャッター板3A’側に向けて移動するシャッター板3Aにおけるストッパ片3A2の上面に対向する位置には、ストッパ片3A2に形成されている傾斜面3A10に衝合することができる傾斜面31D1が形成されている。これにより、連通孔P1を全閉するために移動するシャッター板3Aの移動位置を規定することができるようになっている。
操作ハンドル3A12,3A12’は、その厚さが上部側ユニット31Bの上面と面一となることができる厚さとされている。
本実施例では、操作ハンドル3A12,3A12’と上部側ガイドユニット31Bとの上面が面一となるように操作ハンドル部3A12,3A12’の厚さを規定することを利用して、操作ハンドル部3A12,3A12’が上部側ガイドユニット31Bの側端縁に突き当たるようになっており、これにより、図5および図6に示すように、シャッター板3A、3A’が押し動かされた際の移動位置を規定できるようになっている。
これは、連通孔P1を全閉する際に用いられる側のシャッター板(本実施例では、図6に示すように符号3Aで示すシャッター板)が他方のシャッター板3A’よりも長くされているという関係であり、本実施例では、図4において左側に位置するシャッター板3Aが連通孔P1の全閉に用いられる関係とされていることにより右側に位置するシャッター板3A’よりも長くされている。
図4において右側に位置するシャッター板3A’の長さは、図5に示すように、少なくとも左側に位置する支持パイプ4の半周面に当接することができる長さが設定されている。
係止装置33,33’は、シャッター板3A、3A’を移動位置に保持するための係合構造を有する部材であり、特に、図5に示すように、左側に位置する支持パイプ4の半周面に当接した際のシャッター板3A’が、また、連通孔P1を全閉した状態(図6に示す状態)にあるときのシャッター板3Aがそれぞれ移動を規制されるようになっている。
係止部材33,33’の構成としては、詳細を説明しないが、操作ハンドル部3A12,3A12’側に設けてある折り返し片からなる係止片33A、33A’を掛け止めて反転させることができるトグル機構からなる受け金部材(図4中、符号33B,33B’で示す部材)を反転支点に対する反転位置を変化させて係止片33A、33A’を牽引状態に維持することができる構成などが用いられる。
なお、図4において、符号34は、連通孔P1にねじ込まれて固定される支持パイプ挿嵌用ガイドを示しており、連通孔P1内周縁に生じているバリなどから管路遮断用バッグを保護する部材として用いられる部材である。
また、符号35は、上部側ユニット31Bの上面に設けられてバッグ挿入装置2を連結するための締結部を示している。
この状態では、シャッター板3A、3A’がそれぞれベースユニット30側に設けてあるピン6に衝合することにより全開位置に位置決めされた状態を維持される。
シャッター板3Aは、ストッパ片3A2に形成されている傾斜面30A10が上部側ユニット31B側に位置する凹部31Dの傾斜面31D1に衝合すると、支持パイプ4,4’の挿通位置、つまり、支持パイプ挿嵌用ガイド34(図4参照)の全域を覆うことができる位置に位置決めされるようになっており、さらに、この位置は、操作ハンドル部3A12の端面とこれに対向する上部側ユニット31Bの端面とが突き当たることにより規定され、そして、この位置での保持は、係止装置33における係止片33Aに対する受け金部材33Bの反転状態を設定して牽引状態とすることにより行われる。
なお、シャッター板3A、3A’が支持パイプ4,4’の半周面に当接する際には、バッグ挿入装置2に設けてあるガイド部材2Cにより支持パイプ間の中心間距離を規定されているが、仮に、ガイド部材2Cの寸法誤差などにより支持パイプ4,4’が僅かでも位置ずれしていると、挟持しにくくなることもある。
そこで、シャッター板3A、3A’における挟持部3A1.3A1’の形状として、支持パイプ4,4’の外形に倣う半円形ではなく、調芯機能を発揮するように、維持パイプが入り込み始める縁の一部に三角形などの形状でテーパ面を設けておくとシャッター板3A。3A’が摺動して互いに接近するに従い、挟持部3A1,3A1’に入り込んだ支持パイプ4,4’が調芯されて挟持部3A1,3A1’と周面との密着性を確保する上で都合がよいといえる。
また、シャッター板3A、3A’は、人の手により摺動させる構成に限らず、流体あるいはモータなどの駆動源を用いた構成とすることも可能である。
さらに、シャッター板3A、3A’は、同一線上に位置する一対の板部材で構成することに限らず、図7に示すように、一方のシャッター板が1枚とされ、他方のシャッター板が一方のシャッター板を上下方向で挟み込んで、いわゆるサンドイッチ状態とした構成とすることも可能である。この構成では、例えば、上下に設けた側のシャッター板を支持パイプの挿通位置を全閉する場合に用いるシャッターとすると、ガスの放出量が多い状態を対象として上下に2段構えのシール部ができることになり、ガスの放出量が多い場合でもガスの放出を抑止することができる。
本構成は、ガスの不用意な放出を招く虞のある部材である管路遮断用バッグB,B’を装備されている支持パイプの構成に特徴がある。
図8は、直管状の支持パイプ(便宜上、符号40で示す)を管路内から抜き取る場合を示す図であり、この場合には、管路P内で管路Pの敷設方向の直角な姿勢でかつ連通孔P1の中心に対して外側に向いた管路遮断用バッグBが設置されている(図8(A)参照)。この状態において抜き取る際には、そのまま支持パイプ40を引き上げると管路遮断用バッグBが連通孔P1の周縁に突き当たり、抜き取りが困難となる(図8(B)参照)。そこで、図8(C)に示すように、連通孔P1との干渉を防ぐために、支持パイプ40を斜めにして管路遮断用バッグBが連通孔P1に当たらないようにして引き上げる作業が必要となる。挿入時には上述した場合と逆の手順が用いられる。
このため、良品の状態にある管路遮断用バッグBの挿入あるいは抜き取りに際しては、管路遮断用バッグBに裂傷を生じさせやすくなるばかりでなく、その作業において慎重性を求められることから作業時間の長大化や慣れ等が必要となる。
本構成では、抜き取る場合で説明すると、管路遮断用バッグBが管路P内において図8に示した場合と同様に、管路Pの敷設方向と直角な姿勢でかつ管路遮断用バッグBが連通孔P1の中心から外側に向けられて設置されている(図9(A)参照)。
管路遮断用バッグBを抜き取る際には、支持パイプ41を半回転させる(図9(B)参照)。これにより、それまで連通孔P1の外側に向いていた管路遮断用バッグBは、連通孔P1の範囲内に向くことになり、この状態のままで支持パイプ41を引き上げることで、連通孔P1に干渉することなく管路遮断用バッグBを抜き取ることができる(図9(C)参照)。
しかも抜き際の際には、連通孔P1との干渉を招くことなく管路遮断用バッグBを挿入および抜き取ることができ、その作業時には、支持パイプ41を斜めにすることなく設置状態と同じ状態で、単に半回転させるという簡単な作業ですむので、作業性を向上させることができる。さらに、連通孔P1との干渉による管路遮断用バッグBの裂傷を防止できると共に、斜めに挿入した場合のような管内での支持パイプ41の起こし操作が不要となるので、起こす際に管路遮断用バッグBが摺擦されて管内の異物により破損するということも未然に防止できる。
なお、半回転を行う際の管路遮断用バッグBの向きを作業者が容易に認識できるように、支持パイプ41の周面の一部に刻印などで印を付けておき、その印が管路Pの敷設方向に対して半回転した際に抜き取りあるいは挿入するようにすると、さらに作業の簡易性を得ることができる。
2 バッグ挿入装置
2A バッグ挿入装置の本体
3 シャッター装置
3A、3A’ シャッター板
3A1,3A1’ 挟持部
3A2,3A2’ ストッパ片
3A10 傾斜面
3A12,31A12’ 操作ハンドル部
4.4’ 支持パイプ
6,6’ ピン
30 ベースユニット
30A 開口
31 ガイドユニット
31A 開口
31B 上部側ユニット
31C 下部側ユニット
31D 凹部
31D1 傾斜面
34 パイプ挿嵌用ガイド
P 管路
P1 連通孔
Claims (5)
- ガスが流通する管路に形成された小径の連通孔に対して該ガスの流動方向に沿って一対の管路遮断用バッグを挿入する構成を備えたガス遮断装置において、
上記管路遮断用バッグおよび該管路遮断用バッグへの膨張気体の供給路を備えて該管路遮断用バッグが一体化されている一対の支持パイプを挿通させるバッグ挿入装置と、
上記バッグ挿入装置と上記管路における連通孔との間に配置されて該連通孔を外部と遮断可能なシャッター装置を備え、
上記シャッター装置は、上記一対の管路遮断用バッグの一つが抜き取られた際に、残置されている側の上記管路遮断用バッグと一体の上記支持パイプの外周囲を挟持して抜き取られた上記管路遮断用バッグの挿通位置を塞ぐことができる構成を備えていることを特徴とするガス遮断装置。 - 請求項1記載のガス遮断装置において、
上記シャッター部材は、上記管路の敷設方向に沿って摺動することで上記抜き取られた管路遮断用バッグの挿通位置を横断することが可能な一対のシャッター板を備え、該シャッター板における対向面に、上記残置されている側の管路遮断用バッグと一体の上記支持パイプの外周囲の半分の領域を挟持する形状の挟持面が設けられていることを特徴とするガス遮断装置。 - 請求項1または2記載のガス遮断装置において、
上記シャッター部材は、その対向面同士の対向状態により、上記残置されている側の管路遮断用バッグと一体の上記支持パイプ若しくは上記管路遮断用バッグの両方の上記支持パイプを挟持しない位置および全ての管路遮断用バッグが抜き取られた後にそれら管路遮断用バッグの挿通位置の全てを塞ぐことができる位置にそれぞれ摺動することができる構成を備えていることを特徴とするガス遮断装置。 - 請求項2または3記載のガス遮断装置において、
上記シャッター板は、同一線上で摺動する構成であることを特徴とするガス遮断装置。 - 請求項1乃至4のうちの一つに記載のガス遮断装置において、
上記支持パイプは、長手方向において上記管路遮断用バッグが取り付けられた位置以外が該バッグ取り付け位置の軸に対して偏心していることを特徴とするガス遮断装置。
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