JP4444576B2 - 2型糖尿病関連遺伝子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2型糖尿病に関連する遺伝子に関する。本発明は、さらに、2型糖尿病に関連する変異を検出するためのプライマー又はプローブ、2型糖尿病に関連する多型における変異を検出するためのキット、2型糖尿病の発症前診断キット、および2型糖尿病の予備的検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
2型糖尿病は世界で1億人以上の人が罹患している病気である。2型糖尿病は、末梢組織におけるインスリン抵抗性と膵臓ランゲルハンス島のβ細胞の機能障害が原因と考えられているが、正確な原因と機序はいまだ不明である。
糖尿病の発病と進行には、遺伝的要因が深く関わっていることが知られていて、これまで、若年発症家族性糖尿病(MODY;maturity-onset diabetes of the young)やミトコンドリア糖尿病のような特異的な病態を示す糖尿病の原因遺伝子がいくつか同定されている。しかし、これらの遺伝子変化により説明される特異的病態を示す糖尿病は、全体のごくわずかの症例でしかない。すなわち、糖尿病に罹りやすい体質であるかどうかに影響を与える遺伝子は、そのほとんどが同定されていないものと考えられている。特に日本人の糖尿病患者における既知の糖尿病関連遺伝子の関与は低いため、他に未知の関連遺伝子が存在すると考えられる。
【0003】
今日まで、2型糖尿病との関連が示唆されている遺伝子は、ほとんど同定されていない。これは、個々の遺伝子の効果が、複雑な遺伝的及び環境的背景により非常に小さくなるため、古典的なアプローチでは疾患の原因となる対立遺伝子を同定することは、非常に困難であることが原因と考えられている。
一塩基多型(SNP)と呼ばれる、配列決定されたゲノムにおいて高頻度に検出される遺伝的変異が、糖尿病を含む種々の病気の有用なマーカーとなっている。発明者らは、インベーダー法とマルチプレックスPCRとの組合せによるハイスループットSNP遺伝子解析法を用いて、SNPを用いたゲノムワイドな関連研究を着手して、糖尿病に関連する遺伝子座の特定を進めている。
【0004】
2型糖尿病患者の多くは、遺伝的な要因に、環境因子(肥満、運動不足、脂肪の多い食生活など)が加わって発症すると考えられている。したがって、糖尿病に関与する遺伝因子を事前に診断し、発症前に糖尿病に罹患する可能性が高いとわかった人に対しては食事や運動面において注意することによって、糖尿病の発症を未然に防ぐことが可能となる。そのため、遺伝的に糖尿病に罹患する可能性が高い人を事前に検出するため、また、糖尿病発症についてのメカニズムを遺伝学的に解明するために、2型糖尿病に関連する多型を検出することが求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の事情に鑑みて達成されたものであり、2型糖尿病に関連する遺伝子の変異に関する情報を提供することを目的とする。さらに、2型糖尿病に関連する遺伝子を用いた、2型糖尿病を発症する可能性の高い人を発症前に検出するための方法及びキットを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、2型糖尿病に関連する遺伝子を同定するために、ゲノム上の55000個以上の一塩基多型(SNP)遺伝子座について遺伝子型を決定した。その結果、そのイントロンにおける多型と2型糖尿病との有意な関連から、染色体6p12に存在する転写因子活性化タンパク質2β(TFAP−2β)をコードする遺伝子が有望な候補であるという証拠が挙がり、本発明をするに至った。なお、TFAP−2β遺伝子とは、TFAP−2βのコード領域のみならず、イントロン、5'フランキング、3'フランキングをも含む領域をいう。
【0007】
すなわち、本発明は、2型糖尿病に罹りやすい人を検出するための、配列番号1で表されるDNA配列を含むポリヌクレオチドを提供する。このポリヌクレオチドは、2型糖尿病患者、その予備軍、または遺伝的に2型糖尿病に罹りやすいと考えられる人が、TFAP−2β遺伝子の第一イントロン領域に正常の人と比べて高い頻度で有すると考えられる。
なお、本明細書では、一般に「オリゴヌクレオチド」と呼ばれるものを含む広い意味で「ポリヌクレオチド」という用語を用いることとする。
【0008】
また、本発明は、2型糖尿病に罹りやすい人を検出するための、配列番号2で表されるヒトのTFAP−2β遺伝子の第一イントロンの774番目のグアニン(G)がチミン(T)に置換されているポリヌクレオチドの7個以上の塩基配列または全部の配列を含むポリヌクレオチドであって、少なくとも774番目の塩基を含むポリヌクレオチドを提供する。配列番号2は、ヒトTFAP−2βの第一イントロンのポリヌクレオチド配列を示したものである。
ここで、塩基の位置は、DNAにおいて、第一イントロンの5'側から3'側に数える。たとえば、774番目の塩基とは、第一イントロンの5'側から数えて774塩基だけ下流に位置するDNAにおける塩基である。
なお、ヒトTFAP−2β遺伝子の第一イントロンの774番目のグアニン(G)がチミン(T)に置換されているポリヌクレオチドは、774番目の塩基以外の位置において、1個若しくは数個の塩基が欠失、挿入または置換されていてもよい。
また、本発明は、ヒトTFAP−2βの第一イントロンにおける774番目の塩基がチミン(T)であれば、必要に応じ、任意の長さの断片が可能である。
【0009】
また、本発明は、上述のポリヌクレオチドを検出するためのプローブに関する。さらに、本発明は、ヒトTFAP−2β遺伝子の第一イントロンの774番目の塩基がチミン(T)であるものを検出するための配列番号3のプローブ、ヒトTFAP−2β遺伝子の第一イントロンの774番目の塩基がグアニン(G)であるものを検出するための配列番号4のプローブを提供する。
これらのプローブを使用して、ヒトTFAP−2βの第一イントロン領域において774番目の塩基がグアニン(G)からチミン(T)への置換による変異を検出することが可能である。
【0010】
本発明は、さらに、配列番号3及び配列番号4のプローブを含む、ヒトのTFAP−2β遺伝子の第一イントロンの774番目の塩基におけるグアニン(G)からチミン(T)への置換を検出するためのキットを提供する。また、本発明は、そのようなプローブを含む2型糖尿病発症前診断キットをも提供する。これらのキットにより、2型糖尿病に罹患する可能性が高い人を検出することが可能となる。これらのキットは、配列番号5のプローブをさらに含んでもよい。配列番号5のプローブをさらに含んだキットは、DNAの増幅を伴わない迅速な多型検出法であるインベーダー解析に用いることができる。
本発明のプローブ及びプローブを含むキットは、上記のような配列番号1のポリヌクレオチドまたは配列番号2で表されるヒトのTFAP−2β遺伝子の第一イントロンの774番目のグアニン(G)がチミン(T)に置換されているポリヌクレオチドの7個以上の塩基配列または全部の配列を含むポリヌクレオチドであって、少なくとも774番目の塩基を含むポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドを検出できるものを含む。
【0011】
さらにまた、本発明は、上述のポリヌクレオチドを増幅するために用いられるプライマーを提供する。プライマーは、目的とするポリヌクレオチドが増幅される限り、任意の塩基の長さ及び配列を有するものを使用することができる。好適には、配列番号6と配列番号7のプライマーを使用することができる。
【0012】
さらに、本発明は、上記プライマーを含むヒトのTFAP−2β遺伝子の第一イントロンの774番目の塩基におけるグアニン(G)からチミン(T)への置換を検出するためのキットを提供する。また、本発明は、上記プライマーを含む2型糖尿病の発症前診断キットをも提供する。これらのキットにより、2型糖尿病に罹患する可能性が高い人を検出することが可能となる。
【0013】
さらに、本発明は、(GYGGVMKAG)n(ここで、Aはアデニン、Gはグアニン、Cはチミン、Yはチミン又はシトシン、Mはアデニン又はシトシン、Kはグアニン又はチミン、Vはアデニン又はグアニン又はシトシンを表す。nは8又は9である)で表されるタンデムリピート多型を含むポリヌクレオチドを提供する。また、このようなタンデムリピート多型を検出するためのプライマーを提供する。ここでプライマーは、目的とするタンデムリピートが検出される限り、任意の塩基の長さ及び配列を有することができ、特に限定されない。
【0014】
そして、本発明は、上記プライマーを含む、ヒトのTFAP−2β遺伝子の第一イントロンのタンデムリピート多型が(GYGGVMKAG)8〜9であるか(GYGGVMKAG)10であるかを判別するためのキットを提供する。さらに、本発明は、上記プローブまたはプライマーを含む2型糖尿病発症前診断キットをも提供する。これらのキットにより、2型糖尿病に遺伝的に罹りやすい人を検出することができる。
【0015】
さらに、本発明は、1個若しくは数個の塩基が欠失、挿入または置換された多型またはタンデムリピート多型であって、前記多型の存在が2型糖尿病に罹りやすい形質を有することを示すことを特徴とするヒトTFAP−2β遺伝子における多型を含むポリヌクレオチドを提供する。
上記多型は、たとえば、ヒトTFAP−2β遺伝子における5'フランキング領域の−512位の塩基のチミン(T)からアデニン(A)への置換、第一イントロンの774番目の塩基におけるグアニン(G)からチミン(T)への置換、第一イントロンのDNA配列におけるGYGGVMKAGの8又は9回のタンデムリピート、第一イントロンの2093番目の塩基のアデニン(A)からシトシン(C)への置換、第二イントロンの58番目の塩基におけるシトシン(C)からグアニン(G)への置換、第三イントロンの第514番目のチミン(T)からシトシン(C)への置換、第三イントロンの第2134番目のシトシン(C)からチミン(T)への置換を例示することができる。
ここで、5'フランキング領域の−512位の塩基とは、転写開始点より512塩基分5'上流に位置する塩基をいう。
【0016】
また、本発明は、ヒトTFAP−2β遺伝子における5'フランキング領域の−512位の塩基のチミン(T)からアデニン(A)への置換、第一イントロンの774番目の塩基におけるグアニン(G)からチミン(T)への置換、第一イントロンのDNA配列におけるGYGGVMKAGの8又は9回のタンデムリピート、第一イントロンの2093番目の塩基のアデニン(A)からシトシン(C)への置換、第二イントロンの58番目の塩基におけるシトシン(C)からグアニン(G)への置換、第三イントロンの第514番目のチミン(T)からシトシン(C)への置換、第三イントロンの第2134番目のシトシン(C)からチミン(T)への置換を検出するためのプローブに関する。
【0017】
上記の置換を検出するためのプローブを以下に例示する。
5'フランキング領域の−512位の塩基のチミン(T)からアデニン(A)への置換を有するポリヌクレオチドを検出するためのプローブとしては、配列番号44〜46からなる群から選択される一以上のプローブが挙げられる。
第一イントロンの774番目の塩基におけるグアニン(G)からチミン(T)への置換を有するポリヌクレオチドを検出するためのプローブとしては、配列番号3〜5からなる群から選択される一以上のプローブが挙げられる。
第一イントロンの2093番目の塩基のアデニン(A)からシトシン(C)への置換を有するポリヌクレオチドを検出するためのプローブとしては、配列番号47〜49からなる群から選択される一以上のプローブが挙げられる。
第二イントロンの58番目の塩基におけるシトシン(C)からグアニン(G)への置換を有するポリヌクレオチドを検出するためのプローブとしては、配列番号50〜52からなる群から選択される一以上のプローブが挙げられる。
第三イントロンの第514番目のチミン(T)からシトシン(C)への置換を有するポリヌクレオチドを検出するためのプローブとしては、配列番号53〜55からなる群から選択される一以上のプローブが挙げられる。
第三イントロンの第2134番目のシトシン(C)からチミン(T)への置換を有するポリヌクレオチドを検出するためのプローブとしては、配列番号56〜58からなる群から選択される一以上のプローブが挙げられる。
【0018】
また、本発明は、ヒトTFAP−2β遺伝子における5'フランキング領域の−512位の塩基のチミン(T)からアデニン(A)への置換、第一イントロンの774番目の塩基におけるグアニン(G)からチミン(T)への置換、第一イントロンのDNA配列におけるGYGGVMKAGの8又は9回のタンデムリピート、第一イントロンの2093番目の塩基のアデニン(A)からシトシン(C)への置換、第二イントロンの58番目の塩基におけるシトシン(C)からグアニン(G)への置換、第三イントロンの第514番目のチミン(T)からシトシン(C)への置換、第三イントロンの第2134番目のシトシン(C)からチミン(T)への置換を検出するためのプライマーに関する。
【0019】
上記の置換を検出するためのプライマーを以下に例示する。
5'フランキング領域の−512位の塩基のチミン(T)からアデニン(A)への置換を有するポリヌクレオチドを検出するためのプライマーとしては、配列番号59及び60からなる一対のプライマーが挙げられる。
第一イントロンの774番目の塩基におけるグアニン(G)からチミン(T)への置換を有するポリヌクレオチドを検出するためのプライマーとしては、配列番号6及び7からなる一対のプライマーが挙げられる。
第一イントロンのDNA配列におけるGYGGVMKAGの8又は9回のタンデムリピートを有するポリヌクレオチドを検出するためのプライマーとしては、配列番号8及び9からなるからなる一対のプライマーが挙げられる。
第一イントロンの2093番目の塩基のアデニン(A)からシトシン(C)への置換を有するポリヌクレオチドを検出するためのプライマーとしては、配列番号61及び62からなる一対のプライマーが挙げられる。
第二イントロンの58番目の塩基におけるシトシン(C)からグアニン(G)への置換を有するポリヌクレオチドを検出するためのプライマーとしては、配列番号63及び64からなる一対のプライマーが挙げられる。
第三イントロンの第514番目のチミン(T)からシトシン(C)への置換を有するポリヌクレオチドを検出するためのプライマーとしては、配列番号65及び66からなる一対のプライマーが挙げられる。
第三イントロンの第2134番目のシトシン(C)からチミン(T)への置換を有するポリヌクレオチドを検出するためのプライマーとしては、配列番号67及び68からなる一対のプライマーが挙げられる。
【0020】
また、本発明は、上記変異を含むポリヌクレオチドの相補鎖またはアンチセンス配列を含むポリヌクレオチドをも含む。
さらに、本発明は、上記変異を含むポリヌクレオチド、またはその相補鎖またはアンチセンス配列を含むポリヌクレオチドを検出することによる、2型糖尿病に罹患する可能性に関連した変異の検出方法を提供する。
本発明は、TFAP−2β遺伝子の発現量を測定するための試薬を含む2型糖尿病発症前診断キットを提供する。このキットを用いて、TFAP−2β遺伝子の発現量を測定して、正常人よりも発現量が多い人を2型糖尿病を発症しやすい人としてより精密な検査を行い、発病前の予防を図ることができる。
以下に説明するように、ヒトTFAP−2β遺伝子上の多型、特に、上に具体的に示した多型は、2型糖尿病と密接に関連している。本発明の検出方法により、糖尿病発症前に、これらの多型における変異の有無を検出し、変異があると判断された人に関しては、2型糖尿病に罹りやすい体質を遺伝的に有しているとして、発症前に食事や運動に気をつけるよう指導し、必要があれば、予防的な治療を行って2型糖尿病の発症を予防することが可能である。また、糖尿病患者の近縁者が、糖尿病に罹りやすい体質を受け継いでいるかに関しても判断することが可能である。さらに、糖尿病との関連が示唆されている他の遺伝子の変異の有無も併せて検出すれば、2型糖尿病に関してより高いリスクのグループをより高い精度で検出することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明は、2型糖尿病に関連する多型を有するポリヌクレオチドに関する。本明細書でいう多型とは、同一集団上において、ある遺伝子座にある対立遺伝子が二種類以上存在し、その頻度が1%以上ある状態をいい、一塩基多型(SNP)、制限酵素切断断片長多型(RFLP)、タンデムリピート多型、マイクロサテライト多型、挿入/欠失型多型などを含む。
具体的には、ヒトTFAP−2β遺伝子における5'フランキング領域の−512位の塩基のチミン(T)からアデニン(A)への置換、第一イントロンの774番目の塩基におけるグアニン(G)からチミン(T)への置換、第一イントロンのDNA配列におけるGYGGVMKAGの8又は9回のタンデムリピート、第一イントロンの2093番目の塩基のアデニン(A)からシトシン(C)への置換、第二イントロンの58番目の塩基におけるシトシン(C)からグアニン(G)への置換、第三イントロンの第514番目のチミン(T)からシトシン(C)への置換、第三イントロンの第2134番目のシトシン(C)からチミン(T)への置換のいずれかであるポリヌクレオチドに関する。なお、第一イントロンの774番目の塩基における多型、第一イントロンのタンデムリピート多型、および第三イントロンの第514番目の多型は、本発明者により初めて見出されたものである。2型糖尿病と関連があると考えられる第一イントロンのDNA配列におけるGYGGVMKAGの8又は9回のタンデムリピートの配列を配列番号73及び74に示す。また、正常人が有する第一イントロンのDNA配列におけるGYGGVMKAGの10回のタンデムリピートの配列を配列番号75に示す。
【0022】
本発明のポリヌクレオチドは、一本鎖DNA,及びその相補鎖からなる二本鎖DNA、アンチセンス鎖を含み、一部に修飾塩基を有するものをも含んでもよい。また、上記多型以外の位置において、1個若しくは数個の塩基が欠失、挿入または置換されているものをも含む。
【0023】
このようなポリヌクレオチドは、2型糖尿病に罹りやすい体質を付与する原因遺伝子の一つである。したがって、このようなポリヌクレオチドを有するか否かを調べるためのプローブ、プライマー及びキットは、2型糖尿病に罹る可能性の高いグループ及び2型糖尿病の近縁者への遺伝を調べる遺伝子診断に用いることが可能である。
【0024】
本発明のプローブは、ヒトTFAP−2β遺伝子の第一イントロン領域の配列の一部と実質的に相補的なプローブであればよく、特に限定されない。ここで、実質的に相補的とは、ヒトTFAP−2β遺伝子の第一イントロン領域の配列とハイブリッドできる程度に相補的であればよいことを意味する。さらに、これらのプローブは、5'側または3'側、またはその両方に、ヒトTFAP−2β遺伝子の第一イントロン領域の配列と相補的ではない配列を含んでも、第一イントロン領域の配列とハイブリッドできる限り、本発明のプローブに含まれるものとする。例えば、検出しやすいように、任意の配列を付加したものを用いることができる。また、検出しやすいように5'末端を標識したものを用いることもでき、そのような標識としては、たとえば、ビオチン、蛍光、または32Pなどが例示できる。
【0025】
本発明のプライマーは、ヒトTFAP−2β遺伝子の多型の上流及び下流の配列の一部と実質的に相補的なプライマー対であればよく、特に限定されない。ここで、実質的に相補的とは、ヒトTFAP−2β遺伝子の第一イントロン領域の配列とアニーリングできる程度に相補的であればよいことを意味する。たとえば、これらのプライマーは、5'側または3'側、またはその両方に、ヒトTFAP−2β遺伝子の第一イントロン領域の配列と相補的ではない配列を含んでも、第一イントロン領域の配列とハイブリッドできる限り、本発明のプライマーに含まれるものとする。また、非特異的な増幅を防ぐためや、適当な制限酵素認識部位を導入するために、ヒトTFAP−2β遺伝子と相補的でないミスマッチ配列を持つプライマーを使用することができる。
【0026】
好適なプライマーの例としては、配列番号6及び7のプライマーが挙げられる。配列番号6及び7の1組のプライマーを使用して、PCR等により2型糖尿病に関連する多型における変異を有するポリヌクレオチドを増幅することができる。
【0027】
2型糖尿病に関連する多型を有するポリヌクレオチドを検出する方法としては、特に限定されない。多型における変異の検出方法としては、たとえばサンガー法、パイロシーケンシングなどにより塩基配列を直接決定してもよいが、サザンブロッティング、PCR、アレル特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、インベーダーアッセイ、TaqManPCR、SniPer法、MALDI−TOF法、質量分析、RCA法、DNAチップ、ARMS、BAMPER、RFLP、PCR−RFLP、PCR−SSO、PCR−SSCP、アレル特異的PCRのように配列を決定することなく間接的に検出してもよい。
また、本発明で言う「検出」とは、目的とする配列を直接的に検出する場合のみならず、目的とする配列と相補的な配列を検出することによる間接的な検出をも含む広い意味で、「検出」という用語を用いることとする。例えば、第一イントロンの774番目の塩基におけるグアニン(G)からチミン(T)への置換の検出は、当該位置の塩基の相補的な塩基がシトシン(C)からアデニン(A)に置換されていることを検出することに基づくものであってもよい。
【0028】
本発明のキットは、ヒトTFAP−2β遺伝子における2型糖尿病に関連する多型における変異を有するポリヌクレオチドを、そのような変異を有さないポリヌクレオチドと区別して特異的にハイブリダイゼーションできるプローブ、またはそのような変異を有するポリヌクレオチドのみを、増幅できるプライマーを含む。キットに含まれる試薬としては、塩基の置換を検出できる方法により適宜変更可能である。たとえば、相補鎖を合成するタイプの変異の検出方法であれば、ddNTP、dNTP、DNA合成酵素、緩衝液などを含み、RFLPのように制限酵素の切断に基づき検出する場合には適当な制限酵素を含む。
【0029】
なお、本発明の2型糖尿病の発症前検出キットは、ヒトのTFAP−2β遺伝子における変異、たとえば第一イントロンにおける774番目の塩基のグアニン(G)からチミン(T)への置換を検出するためのものである。本発明の2型糖尿病の発症前検出キットにより、2型糖尿病に体質的に罹りやすい人の発見及び2型糖尿病の早期治療に有効である。
【0030】
本発明により変異の有無を検出されるDNAは、ヒトの毛髪、血液、体液、唾液、培養細胞、切除された組織などから得ることができ、特に限定されない。
遺伝子発現量の測定は、当業者に公知の方法により行なうことができる(例えば「新遺伝子工学ハンドブック」改定第3版、松村正實、山本雅編集、1999年9月10日、羊土社を参照)。例えば、ノザンブロット法、RNaseプロテクションアッセイ、定量的RT−PCR等を用いることができるがこれらに限定されない。また、TFAP−2β遺伝子の発現量を測定するための試薬として、TFAP−2β遺伝子とハイブリダイゼーションするプローブまたはプライマーなどが例示できる。
【0031】
【実施例】
以下に実施例をあげて、本発明をさらに詳細に説明するが、これらにより本発明を制限することを意図するものではない。
実施例1:糖尿病関連SNPの検出
滋賀医科大学、東京女子医科大学、順天堂大学、川崎医科大学または岩手医科大学の外来診療室に定期的に通院している2型糖尿病の日本人患者から、書面のインフォームド・コンセントを各患者から得たうえでDNAサンプルを調製した。DNAの抽出は、次のような標準的なフェノール−クロロホルム沈殿法により行った。
末梢血液約10mlを3000rpm、5分間遠心し血清を除去した後、赤血球溶解液を加え室温で20分放置した。その後、3000rpmで5分間遠心し沈殿(白血球成分)を残し、上清は除去した。沈殿をプロテイナーゼKにより37℃、4時間以上処理し、タンパク質を除去した後、等量のフェノールを加え、3000rpmで10分間遠心した。遠心後、上層(水層)を新しいチューブに移し、フェノールクロロホルム処理した。さらに遠心して、水層を新しいチューブに移しクロロホルム処理し、上層(水層)を新しいチューブに移してイソプロパノールでDNAを沈殿させた。遠心して沈殿したDNAを70%エタノール処理し、その後TE溶液に溶解した。
【0032】
まず、得られたDNAサンプルのうち、188人分を用いて、58267個の一塩基多型(SNP)について2型糖尿病患者の遺伝子型を解析し、対立遺伝子頻度又は遺伝子型頻度を糖尿病の患者でない者(対照)と比較した。遺伝子型特定実験のためのSNPはIMS−JST日本SNPデータベース(http://snp.ims.u-tokyo.ac.jp)から無作為に選択した。各SNPの遺伝子座位における遺伝子型は、インベーダーアッセイによって決定した。
インベーダーアッセイを行う前に、マルチプレックスPCR(Multiplex PCR)により標的部位を増幅した。マルチプレックスPCRは、16.6 mMの(NH4)2SO4, 67 mMのTris (pH 8.8)、6.7 mMのMgCl2、10 mMの2-メルカプトエタノール、6.7μMのEDTA、1.5 mMのdNTP、10×Taq mix (2.5U/μl Taqポリメラーゼ、31.25U/μlのTaq抗体)、0%又は10%のDMSO、0.25μMの各プライマーの反応液中で、変性95℃、アニーリング60℃、伸長72℃のサイクルを40回繰り返して行った。
得られたPCR産物を希釈して、384プレートに分注した後、風乾して、3μlのインベーダー反応液及びプローブミックスを加えた。63℃で20分間反応させた後、蛍光測定し、遺伝子型を判定した。
【0033】
解析した58267個のSNPのうち、1497個のSNP遺伝子座における対立遺伝子頻度及び/又は遺伝子頻度が、糖尿病患者と対照との間で有意な相違を示した(p<0.01)。この糖尿病患者と対照との間で有意な違いを示すSNPをさらに別の糖尿病患者758人を加えて合計946人の患者で2回目のインベーダーアッセイを行った。この結果、TFAP−2β遺伝子内に糖尿病患者と対照との間で有意な相違を示すSNPを同定し遺伝子型を特定した。
【0034】
TFAP−2β遺伝子を含むゲノム領域のDNA配列について、GenBankの情報に基づき(アクセッション番号NT_007592)、PCRプライマーをデザインし、ゲノムDNAの適当な断片を増幅した後、ダイレクトシークエンス法によりSNPの同定を行った。用いたプライマーは、配列番号10〜43に示されるとおりである。繰り返しエレメントは、Sekiらにより記載された方法に従って、REPEAT MASKERコンピュータプログラムを使用して、解析から除いた。上記により同定されたSNPは、インベーダーアッセイにより遺伝子型が特定された。VNTR座位は、PCR法により、標的部位を増幅した後、Applied Biosystems ABI PRISM3700自動化DNAシーケンサーとGeneScanソフトウェア(Geno Typer program)を用いて対立遺伝子の大きさの違いを判定することにより解析した。PCR条件は、10 mMのTris-HCl (pH 8.3)、50 mMのKCl、1.5 mMのMgCl2、250μMのdNTP、5UのTaqポリメラーゼの反応液中で、変性94℃、アニーリング60℃、伸長72℃のサイクルを30回繰り返して行い、プライマーは配列番号8及び配列番号9のものを用いた。
【0035】
関連性、ハプロタイプ頻度及びハーディ・ワインベルグ平衡を決定するための統計的手法およびLD係数(D')の計算は、公知の方法により行った。トランスフェクション実験の検定においては、3以上のグループの間での比較は、被験者間要因分析(one-way analysis of variance)により解析し、その後2つのグループ間の統計的な相違を見積もるためにシェフェの方法を行った。
【0036】
この結果、染色体6p12におけるTFAP−2β遺伝子の第二イントロンにおけるランドマークSNPの遺伝子型の分布が、2型糖尿病に密接に関連していることがわかった(カイ2乗値chi2=15.2、危険率p=0.00007)。NCBIデータベースによれば、6個のほかの遺伝子がTFAP−2β遺伝子の250kb上流または下流に位置すると予測された。これらの遺伝子内に存在する18個の他のSNP遺伝子座を188人の患者について解析したが、いずれも2型糖尿病との間に有意な関連性はなかった(p>0.01、データは示さず)。そのため、TFAP−2β遺伝子自体が2型糖尿病に関連が深い遺伝子であると考えられた。
【0037】
他の多型についてTFAP−2βをスクリーニングして、28個のSNP、8個の挿入/欠失多型、および4個のタンデムリピート多型を同定した。図1に、TFAP−2β遺伝子において同定された多型を示す。図1において、*の記号が付いたものは挿入/欠失による多型であり、†の記号が付いたものはタンデムリピート多型であり、‡の記号の付いたものはゲノムワイドなスクリーニングに使用されたランドマークSNPであり、記号の付いていないものは、その後のスクリーニングで見出されたSNPである。TFAP−2β遺伝子のコード領域にはSNPはないことがわかった。
【0038】
全体で964人の患者と922人の対照において、これらの遺伝子型を配列番号3〜5、44〜58のプローブ、配列番号6、7、59〜68のプライマーを用いて上述のようなインベーダーアッセイ又はPCRを用いて特定することにより、これらの変異のうちいくつかは、肥満(肥満度BMI≧25)と関連した2型糖尿病と有意に相関があることがわかった。この相関は、特に9塩基の単位配列が直列に繰り返して連なる配列の繰り返し回数の違いによる多型(variable number of tandem repeat:VNTR)と強い相関があり(カイ2乗値chi2=11.0、危険率p=0.0009、オッズ比=1.53、95%信頼区間1.19〜1.98)、さらに第一イントロンにおける2個のSNPについても強い相関があることがわかった(カイ2乗値chi2=11.2、p=0.0008、オッズ比=1.54、95%信頼区間1.20〜1.99、p=0.0005、オッズ比=1.56、95%信頼区間1.21−2.02)。これらの結果を表1にまとめる。
【0039】
【表1】
表中、major/major、major/minor、minor/minorは、それぞれ、多型について野生型ホモ接合、野生型と変異型のヘテロ接合、変異型のホモ接合を表す。カッコ内の数値は、頻度を表す。
【0040】
この表から、危険率pの最も小さい第一イントロンの+774(第一イントロンの774番目の塩基)のSNP及び第一イントロンのVNTR、第一イントロンの+2093のSNP(第一イントロンの2093番目の塩基)が非常に密接に2型糖尿病と関連している可能性が高いことがわかった。
【0041】
実施例2:ヒト組織におけるTFAP−2βの発現
マウスでは、mTFAP−2βの発現は、生後有意に減少するが、転写産物は生後2ヶ月のマウスでも、腎臓において検出される。TFAP−2βを欠損したマウスは、多発性嚢胞による腎不全により生後1日または2日以内に死亡する。ヒトでは、TFAP−2βの変異は、動脈管開存症と様々な程度の顔面形態形成異常と手の異常を特徴とするシャー症候群(char syndrome)を引き起こす。これらの特徴は、TFAP−2βが、各種組織の胚発生に重要な役割を果たしていることを意味する。しかし、現在まで、2型糖尿病におけるTFAP−2βの役割を示す証拠は全くない。
【0042】
2型糖尿病へのTFAP−2βの関与の可能性を調べるために、TFAP−2βの発現パターンを、複数のヒトの組織から得られたRNAを用いて逆転写(RT)PCRによって調べた。また、複数の組織に由来するヒトcDNAをClonthech Inc.(Palo Alto,カリフォルニア州、アメリカ)から入手した。第一鎖または二本鎖cDNAを、PCRによって増幅した。フォワードプライマーには、hAP2RT−F(5'−CCAAATCTGTGACTTCTCTAATGA−3')を用い、リバースプライマーには、hAP2RT−R(5'−GTAACGTGACATTTGCTGCTTTG−3')を用いた(それぞれ、配列番号69、70)。
RT−PCRは次の手順で行った。全RNAをoligodT primerと逆転写酵素で60分反応させることにより、cDNAを得た。得られたcDNAを標的部位に特異的なプライマーを用いて増幅した。その際のPCR条件は以下の通りである。10mMのTris-HCl (pH 8.3)、50 mMのKCl、1.5 mMのMgCl2、250μMのdNTP、5UのTaqポリメラーゼの反応液中で、変性94℃、アニーリング60℃、伸長72℃のサイクルを30回繰り返して行った。増幅産物をアガロースゲル電気泳動にて解析した。
【0043】
RT−PCRの結果を図2に示す。この結果は、以前にMoserらにより報告されたパターンとよく似たものであるが("Genes & Dev." 11, p. 1983-1948 (1997))、Moserらを含め従来の研究では発現を報告されていなかった脂肪組織において、高レベルのTFAP−2βの発現が確認された。
【0044】
実施例3:TFAP−2βの脂肪細胞における発現
マウス3T3−L1細胞を、ヒューマンサイエンス研究資源バンク(日本、大阪府)から入手して、集密になるまで培養し、脂肪細胞に分化誘導した。分化誘導から0、3、5、7または10日後に、RT−PCRによってTFAP−2βの発現を調べた。第一鎖のcDNAは、オリゴdTプライミングにより、Superscript IIリバーストランスクリプターゼ(Invitrogen)を用いて、マウス3T3−L1細胞から得た全RNA抽出物の逆転写により調製した。フォワードプライマーとして、mAP2RT−F(5'−GCGTCCTCAGAAGAGCCAAATC−3')を用い、リバースプライマーとしてmAP2RT−R(5'−GTGCGTGATGAGACTGAAGTGC−3')を用いた(それぞれ、配列番号71、72)。結果を図3に示す。脂肪組織でのマウスTFAP−2βの発現は、分化の程度に応じて増加することがわかった。
【0045】
実施例4:多型のエンハンサー効果
続いて、糖尿病に関連すると推定されるSNP及びVNTRについて、異なる分化段階における3T3−L1細胞に対する効果を調べた。
実施例1で2型糖尿病との密接な関連が示唆された第一イントロンの774番目の塩基のSNP及び第一イントロンのVNTR(GYGGCVMKAG)に対応する部分を含む断片を作製した。作製された断片は、正常人が有する第一イントロンの766から785番目の塩基に対応する配列を1コピー又は3コピー含む配列、糖尿病に関連すると考えられる774番目の塩基にチミン(T)を1コピーまたは3コピー含む配列、第一イントロンの766から785番目の塩基に対応する配列を1コピーと第一イントロンのVNTRの10回繰り返しを含む300bp配列、及び774番目のチミン(T)のSNPを1コピーと第一イントロンのVNTRの9回繰り返しを含む300bp配列である。
【0046】
調製したTFAP−2β遺伝子の各種DNA断片をSV40プロモーターの上流のPGL3−プロモーターベクター(Promega)にサブクローニングした。3T3−L1細胞の分化誘導後3又は5日経過後に、リポソームトランスフェクション(FuGene6,Roche)により、ウミシイタケのルシフェラーゼ対照ベクターであるpRL−TK(Promega)とともに各構築物を細胞に導入した。トランスフェクションの48時間後、ルシフェラーゼ活性を、Dual Luciferase Reporter Assay System(Promega)により測定した。
結果を図4に示す。図4では、ルシフェラーゼの活性値は、平均値±標準偏差で表される。*は、p<0.01対プロモーター単独であり、#はp<0.0001対他の構築物である。分化した脂肪細胞において、774番目のチミン(T)のSNPを1コピーと第一イントロンのVNTRの9回繰り返しを含む断片は、他の断片に比べてエンハンサー活性が高いことが示された。分化していない細胞では、正常人が有する断片と糖尿病関連対立遺伝子の間にエンハンサー活性の有意な差はなかった。
【0047】
実施例5:ゲルシフトアッセイ
実施例1で特定されたSNPに対応する断片は、E2F結合モチーフに類似していたので、ゲルシフトアッセイを行い、タンパク質のこの領域への結合を調べた。
分化誘導から0、3、5または7日後の3T3−L1細胞から得られた核抽出物は、Sadowskiらの方法に従って調製された。核抽出物は、1μgのポリ(dAdT)とともに室温で10分間、プレインキュベートされた。
【0048】
プローブには、ヒトTFAP−2β遺伝子の第一イントロンの766から785番目の20bpの塩基配列を含み、774番目の塩基がチミン(T)であるTプローブと、774番目の塩基がグアニン(G)であるGプローブの2種類を調製した。TプローブとGプローブは、二本鎖プローブであり、そのうち、片側の鎖の塩基配列をそれぞれ配列番号76、配列番号77に示した。TプローブまたはGプローブを核抽出物とともにさらに15分間インキュベートした後、サンプルを0.5×TBE中の4%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動した。オートラジオグラフィー後、タンパク質のDNAへの特異的結合を反映していると考えられる4つのバンドを観察した。結果を図5に示す。4つのバンドはα、β、γおよびδと示されている。興味深いことに、αバンドは、774番目のチミンを含むTプローブを、分化した3T3−L1細胞から得られた核酸抽出物とともにインキュベートしたときのみ観察された。αバンドとβバンドを分けるためにTプローブを用いてより長時間の泳動(4時間)を行ったものを図6に示す。図5及び図6の結果から、第一イントロンの774番目の塩基は、TFAP−2βの発現の制御に関与し、それによって分化した脂肪細胞におけるTFAP−2βにより誘導される他の遺伝子の発現に影響を与えている可能性があることを示している。
しかし、この20bpの断片の単一コピーまたは複数コピーは、3T3−L1細胞においてエンハンサー活性を示さなかった(図4)。これは、774番目の塩基を含む20bpの断片は、単独で機能しないが、VNTRと共同して他の遺伝子の発現を制御する可能性があることを示す。
【0049】
また、別の実験として、TFAP−2βの32Pで標識した断片を添加する前に、各種のコンペティターDNAをさらに加えた。3T3−L1細胞の分化誘導から7日後の核抽出物を、E2F結合コンセンサスモチーフに対応する100倍過剰の非標識Tプローブ又はGプローブとともにプレインキュベートし、その後32Pで標識されたTプローブまたはGプローブとともにインキュベートして泳動後、オートラジオグラフィーした。結果を図7に示す。
E2F結合コンセンサスモチーフに対応する100倍過剰の非標識オリゴヌクレオチドは、タンパク質−DNA複合体の形成と競合することができなかったため、E2F以外の一以上のタンパク質がこの配列に結合して、TFAP−2βの発現の制御を行うと考えられる。
【0050】
実施例6:2−デオキシ−D−[ 3 H]グルコースの取り込み
2型糖尿病におけるTFAP−2β遺伝子の役割を調べるため、分化した脂肪細胞のインスリン反応性について、TFAP−2β遺伝子の過剰発現の効果を調べた。分化した3T3細胞をアデノ−TFAP−2βまたはアデノ−LacZによりトランスフェクトし、50時間後に、各種濃度のインスリンを培地に加えて、2−デオキシ−D−[3H]グルコースの取り込みを測定した。
2−デオキシ−D−[3H]グルコースの取り込みは、J. Biol. Chem. 277, 38863-38869に記載されている方法に従って決定された。簡単に説明すれば、0.4%のBSAを含む培地中で飢餓条件のもと16時間培養した後、細胞を1時間0.4%のBSAと、インスリン無添加または各種濃度のインスリンを加えて1時間37℃で培養した。10μlの基質(2−デオキシ−D−[3H]グルコース:0.2μCi、最終濃度(0.1mmol/l))を加え、2−デオキシ−D−[3H]グルコースの取り込みを5分間室温にて測定した。タンパク質濃度はブラッドフォード法により決定した。取り込みは各実験につき4回測定した。
結果を図8に示す。TFAP−2βを過剰発現している細胞における20nMのインスリンに応答する2−デオキシグルコースの取り込みの増加が対照細胞と比べて大いに低下していた(基礎のTFAP−2βおよびLacZそれぞれの161±12%対193±18%、p=0.008)。
【0051】
【発明の効果】
以上の本発明者の実験により、TFAP−2β遺伝子の多型を調べることが2型糖尿病に罹患しやすい人を診断するのに有効であることが示された。したがって、本発明によれば、2型糖尿病患者の早期発見と、2型糖尿病にかかる可能性の高い人を従来の報告にない高い頻度で検出することができる。本発明の多型における変異を検出することによって、糖尿病診断前に2型糖尿病にかかる可能性の高いグループを検出することができ、糖尿病診断前に予防または早期の治療を行うことができる。さらに、他の糖尿病との関連が示唆されている遺伝子の変異の検出と組み合わせることにより、2型糖尿病に罹る可能性がより高い人をより高い精度で検出することができる。本発明の2型糖尿病診断キットまたは方法を用いて、たとえ糖尿病の発症が確認される前であっても、希望により本発明の変異を有しているかどうかを調べ、2型糖尿病にかかりやすい形質が遺伝しているかどうかを推定できる点で有益である。
【0052】
さらに、本発明により、TFAP−2βは分化した脂肪細胞、すなわち、インスリンの標的及びインスリン耐性の中心となる組織としてよく知られている細胞に発現していることが初めて示された。TFAP−2βは、インスリン抵抗性に重要な組織である脂肪細胞で分化依存的に特異的に発現する。in vitroにおける機能解析において、本発明で見出された2型糖尿病に関連する対立遺伝子を含むDNA断片は、未分化の脂肪前駆細胞と比べて分化した脂肪細胞において高いエンハンサー活性を示した。これらの結果によれば、TFAP−2β遺伝子自体、またはその上流又は下流にある遺伝子、あるいはTFAP−2βタンパク質が関与する転写経路が、分化した脂肪細胞において他の遺伝子の発現を制御することにより2型糖尿病の病因に関与するものと考えられる。さらには、TFAP−2β遺伝子を脂肪細胞において過剰発現させた場合、インスリン刺激に応答した糖類吸収が減少した。このことから、TFAP−2βの発現量の増加と2型糖尿病の発症には相関があり、TFAP−2βの発現量を測定することにより2型糖尿病の予備的な診断が行なえることが示唆された。また、TFAP−2βの発現を抑制することにより2型糖尿病の改善が図れることが予測される。
このように、TFAP−2βは、2型糖尿病の治療または予防のための有望なターゲットとなりうるものである。したがって既に2型糖尿病と診断されている患者においても本発明の多型における変異を解析することにより、その治療に役立てることが可能である。
【配列表】
【0053】
この出願に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【非特許文献1】
Zimmet, P., Alberti, K. G.M.M., Shaw, J., Global and societal implications of the diabetes epidemic. "Nature" 414, p. 782-786 (2001)
【非特許文献2】
Kahn, B.B., Type 2 diabetes: When insulin secretion fails to compensate for insulin resistance. "Cell" 92, p. 593-596 (1988)
【非特許文献3】
Saltiel, A. R., New perspectives into the molecular pathogenesis and treatment of type 2 diabetes. "Cell" 104, 517-529 (2001)
【非特許文献4】
Fajans, S.S., Bell, G.I., Polonsky K.S., Molecular mechanisms and clinical pathophysiology of maturity-onset diabetes of the young., "N. Engl. J. Med." 345, p. 971-980 (2001)
【非特許文献5】
Kadowaki, T. et al., A subtype of diabetes mellitus associated with a mutation of mitochondorial DNA. "N. Engl. J. Med." p. 330, 962-968 (1994)
【非特許文献6】
International Human Genome Sequencing Consortium. Initial sequencing and the analysis of human genome. "Nature" 409, p. 860-921 (2001)
【非特許文献7】
Ohnishi, Y. et al., A high-throughput SNP typing system for genome-wide association studies. "J. Hum. Genet." 46, p. 471-477 (2001)
【非特許文献8】
Moser, M. et al., Cloning and characterization of a second AP-2 transcription factor: Ap-2b. "Development" 121, p. 2779-2788 (1995)
【非特許文献9】
Moser, M. et al., Enhanced apoptotic cell death of renal epithelial cells in mice lacking transcription factor AP-2b. "Genes & Dev." 11, p. 1983-1948 (1997)
【非特許文献10】
Satoda, M. et al., Mutation in TFAP2B cause Char syndrome, a familial form of patent ductus arteriosus. "Nature Genet." 25, p. 42-46 (2000)
【非特許文献11】
Horikawa, Y. et al., Genetic variation in the gene encoding calpain-10 is associated with type 2 diabetes mellitus. "Nature Genet." 26, p. 163-175 (2000)
【非特許文献12】
Ong, K.K.L. et al., The insulin gene VNTR, type 2 diabetes and birth weight. "Nature Genet." 21, p. 262-263 (1999)
【非特許文献13】
Spiglman B.M., Flier J.S., Adipogenesis and Obesity: Rounding out the big picture. "Cell" 87, p. 377-389 (1996)
【非特許文献14】
Matsuzawa, Y., Funahashi, T., Nakamura, T., Molecular mechanism of metabolic syndrome X: contribution of adipocytokines, adipocyte-deriverd bioactive substances. "Ann. N. Y. Acad. Sci." 892, p. 146-154 (1999)
【非特許文献15】
Kroeger, K. M., Abraham L.J. Indentification of an AP-2 element in the -323 to -285 region of the TNF-alpha gene. "Biochem. Mol. Biol." Int. 40, p. 43-51 (1996)
【非特許文献16】
Isse, N. et al. Structural organization and chromosomal assignment of the human obese gene. "J. Biol. Chem." 270, p. 27728-27733 (1995)
【非特許文献17】
Takahashi, M. et al. Genomic structure and mutations in adipose-specific gene, adiponectin. "Int. J. Obes." 24, p. 861-868 (2000)
【非特許文献18】
Hirakawa, M. et al. JSNP:a database of common gene variations in the Japanese population. "Nucleic Acids Res." 30, p. 158-162 (2002)
【非特許文献19】
Seki, T., Tanaka, T., Nakamura, Y. Genomic structure and multiple *single-nucleotide polymorphisms (SNPs) of the thiopurine S-methyltransferase (TPMT) gene. "J. Hum. Genet." 45, p. 299-302 (2000)
【非特許文献20】
Saito, S. et al. Identification of 197 genetic variations in six humanmethyltransferase genes in the Japanese population "J. Hum. Genet." 46,p. 529-537 (2001)
【非特許文献21】
Kishida, K. et al. Genomic structure and insulin-mediated repression of the Aquaporin adipose (AQPap), adipose-specific glycerol channel. "J. Biol. Chem." 275, p. 20896-20902 (2000)
【非特許文献22】
Sadowski, H.B., Gilman M. Z., Cell-free activation of a DNA-binding protein by epidermal growth factor. "Nature" 362, p. 79-83 (1993)
【非特許文献23】
Yamada, R. et al. Association between a single-nucleotide polymorphismin the human interleukin-3 gene and rheumatoid arthritis in Japanese patients, and maximum-likelifood estimation of combinational effect that two genetic loci have on susceptibility to the disease. Am. "J. Hum. Genet." 68, p. 674-685 (2001)
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒトTFAP−2β遺伝子において同定された多型を示す。
【図2】ヒト組織におけるTFAP−2βの発現を調べるためのRT−PCRの結果を表す。
【図3】分化誘導後のTFAP−2βの脂肪細胞における発現を調べるためのRT−PCRの結果を表す。
【図4】TFAP−2βの第一イントロンにおける多型によるエンハンサー活性への影響を表す。
【図5】分化誘導後の3T3−L1細胞の核抽出物とTFAP−2βによるゲルシフトアッセイの結果を示す。
【図6】分化誘導後の3T3−L1細胞の核抽出物とTFAP−2βによるゲルシフトアッセイの結果を示す。
【図7】コンペティターをさらに加えた場合における、分化誘導後の3T3−L1細胞の核抽出物とTFAP−2βによるゲルシフトアッセイの結果を示す。
【図8】アデノ−TFAP−2βまたはアデノ−LacZによりトランスフェクトされた分化した3T3−L1脂肪細胞における、インスリンにより刺激された2−デオキシグルコース(2DOG)の取り込みを示すグラフである。データを6回の独立した実験から得られた平均±標準偏差により示した。黒丸はアデノ−TFAP−2βをトランスフェクトした細胞であり、黒四角はアデノ−LacZをトランスフェクトした細胞である。*はアデノ−LacZに対してp=0.008。
Claims (5)
- ヒトTFAP−2β遺伝子における
(1)5’フランキング領域の−512位の塩基のチミン(T)からアデニン(A)への置換、
(2)第一イントロンの774番目の塩基におけるグアニン(G)からチミン(T)への置換、
(3)第一イントロンのDNA配列におけるGYGGVMKAGの8回又は9回のタンデムリピート(ここで、Aはアデニン、Gはグアニン、Cはチミン、Yはチミン又はシトシン、Mはアデニン又はシトシン、Kはグアニン又はチミン、Vはアデニン又はグアニン又はシトシンを表す)、
(4)第一イントロンの2093番目の塩基のアデニン(A)からシトシン(C)への置換、
(5)第二イントロンの58番目の塩基におけるシトシン(C)からグアニン(G)への置換、
(6)第三イントロンの514番目のチミン(T)からシトシン(C)への置換、
(7)第三イントロンの2134番目のシトシン(C)からチミン(T)への置換、または
(8)上記(1)〜(7)のいずれか2以上の組み合わせ
の有無を検出し、変異を検出した場合に2型糖尿病を発症する可能性の高い人として検出することを含む方法。 - ヒトTFAP−2β遺伝子の第一イントロンのDNA配列における
(i)774番目の塩基におけるグアニン(G)からチミン(T)への置換、
(ii)GYGGVMKAG(ここで、Aはアデニン、Gはグアニン、Cはチミン、Yはチミン又はシトシン、Mはアデニン又はシトシン、Kはグアニン又はチミン、Vはアデニン又はグアニン又はシトシンを表す)の8又は9回のタンデムリピート、または
(iii)上記(i)及び(ii)の両方
の有無を検出し、変異を検出した場合に2型糖尿病を発症する可能性の高い人として検出することを含む方法。 - 変異の検出方法が、サンガー法、パイロシーケンシング、サザンブロッティング、PCR、アレル特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、インベーダーアッセイ、TaqManPCR、SniPer法、MALDI−TOF法、質量分析、RCA法、DNAチップ、ARMS、BAMPER、RFLP、PCR−RFLP、PCR−SSO、PCR−SSCP及びアレル特異的PCRからなる群から選択される請求項1又は2に記載の方法。
- 変異の検出方法が、インベーダーアッセイである請求項3に記載の方法。
- (1)被験者のサンプルにおけるTFAP−2β遺伝子の発現量を測定する工程と、
(2)上記(1)の工程で得られた発現量を、正常人のTFAP−2β遺伝子の発現量と比較する工程と
(3)正常人よりも発現量が多い人を2型糖尿病を発症しやすい人として検出する工程と
を含む、2型糖尿病を発症する可能性の高い人を検出するための方法。
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