JP4444502B2 - 核酸配列の同定 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面増強共鳴ラマン散乱(‘SERRS’)を用いた、試料中の特定の核酸配列を検出又は同定するための方法及び材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、特定の起源からの核酸の標的配列における、特異的配列、単一のポイント変異又は多形のいずれかを検出する技術に対する大きな需要がある。そのような方法から由来する情報は、遺伝的研究の多くの態様において用いることができる。
【0003】
そこで、その配列(例えば、ウィルスなどの侵入病原体)を含む特定の薬剤の診断と検出において、又は標的配列を含むより大きな配列を単離するために、特定の標的配列の同定を用いることができる。
【0004】
進化及び集団構造研究、法医学、及び遺伝病の分析及び診断において、核酸変異体の検出が用いられる。個人の間のDNA配列のバリエーションは、遺伝子、又は特定の特性、例えばヒトなどの対象の生物内の病気の特性に関連しておこるできごとを同定又は単離するために用いることができる。
【0005】
核酸変異体を検出(スキャン又はスコア)するために用いられているいくつかの現在の方法論は、Schafer & Hawkins (1998) Nature Biotechnology 16:33-39に概説されている。
【0006】
これらの方法は、一本鎖配置多形分析(SSCP)、ヘテロ二本鎖分析(HA)、変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)、二本鎖開裂(例えばRNase、化学品、又はエンドヌクレアーゼを用いて)、ミニシークエンシング、ヌクレアーゼアッセイ又は標準Sangerシークエンシングを含むスコアリング法を含む。
【0007】
これらの方法の多くは、プローブ又はプライマーの、標的配列への特異的結合と、その後の結合したことの検出(例えば安定性、移動性、又は標識の存在により)に基づくものである。検出法の感受性のために、試料の増幅(例えばPCRによって)は、ハイブリダイゼーションの前に通常必要とされる。このことは、増幅プロセスの間にエラーが起こるかもしれず、擬陽性又は陰性の結果をもたらすかもしれない可能性があるために、望ましくないことである。
【0008】
標識化核酸の同定のために特に感受性の高い方法が、Grahamら (1997) Anal Chem 69: 4703-4704によって開示されている。これは、表面増強共鳴ラマン散乱(SERRS)、これは表面増強ラマン散乱(SERS)の進化したもの、の使用に基づく。
【0009】
簡単に述べると、ラマンスペクトルは、分析物上の光入射が分析物中の電子の励起によって散乱されるために起こる。“ラマン”散乱は励起された電子が、その以前のレベル以外のエネルギーレベルに戻るときに起こる。このことは散乱光の波長における変化をもたらし、入射光より高い頻度及び低い頻度での一連のスペクトル線を起こす。散乱光は、投射ビームに直交して検出することができる。
【0010】
正常のラマン線は比較的弱く、したがって、他の利用可能な検出法に比べて、ラマン分光は化学分析に利用するには鈍すぎる。ラマン分光は、また、広い蛍光放射バンド(これも入射光に対して直交して検出される)がより弱いラマン放射を圧倒する蛍光がある蛍光材料には適用できない。
【0011】
しかしながら、SERSに基づく、ラマン分光の修正型が、より感受性が高く、より一般的に使用できることが証明された。そのスペクトルが記録されている分析物が、粗金属表面に密接に関連している。このことは、検出感度により大きな増加をもたらし、その効果が大きいほど、分析物が“活性化”表面により近くマークされる(最適な位置は表面の周囲の最初の分子層、すなわち表面の約2nm以内である)。
【0012】
この表面増強の理論は、まだ十分に理解されていないが、分析物のより高い原子価の電子が、金属表面上のピット中の電子のプール(“プラズモン”として知られている)に結合していると考えられる。入射光が分析物電子を励起するとき、その効果はプラズモンに移り、これは分析物の周囲の電子雲より大きく、これがアウトプットシグナルを増強するように作用する。感受性のさらなる増加は、分析物の共鳴頻度で操作することによって得ることができる(この場合、通常、染料が対象の標的に付着する)。染料の最大吸収に調整された、コヒーレント光源の使用は、感受性の103から105倍の増加を起こす。このことは“共鳴ラマン散乱”分光と称される。ある態様では、レーザー励起がプラズモン共鳴の最大にセットすることができる。あるケースでは、プラズモン共鳴と染料最大は一致するかもしれない。
【0013】
表面増強効果と共鳴効果が組み合わされてSERRSとなるとき、その結果得られる感受性と強さの増加は、付加的以上である。さらに、感受性は、SERS単独のケースのように、表面に対する分析物の配向の角に臨界的に依存していないようである。SERRSシグナルはより簡単に、汚染及びバックグラウンドから識別でき、局所の状態に変化されにくい(例えば、分析が溶液中で実施されるとき、イオン強度又はpH)。蛍光はまた消光され、より明確なラマンスペクトルを与え、蛍光染料を検出可能な分析物として用いることを可能にする。一般に、シグナル増強は、分析物のより大きな範囲が、通常のラマン分光を用いるよりも、有用に検出されるかもしれないことを意味する。さらに、増強はより弱い力の光源が分析物分子を励起するために必要であることを意味する。
【0014】
SERRSによって、可視波長範囲又は電磁スペクトルの光を吸収する化合物について、検出限界を一分子まで下げることができた(Emory & Nie (1997) “Near-Field Surface-Enhanced Raman Spectroscopy on Single Silver Nanoparticles ”, Anal. Chem. 69: 2631-2635参照)。したがってこの技術は蛍光よりも感受性が高く(例えば、C Rodgerら,J. Chem. Soc. Dalton Trans. (1996), 791-799頁参照)、さらに得られるSERRSスペクトルは、化合物同定と識別を可能にする分子情報を含む。
【0015】
WO97/05280(Strathclyde大学)は、核酸検出及び配列決定におけるSE(R)RSの使用の実用的な実施を開示している。そこに開示された方法は一般的に、複合体を形成して存在するなら標的種に結合する標識化標的種の使用に基づくものである。複合体はついでSER(R)S表面に結合し、適当な装置を用いて検出される。
【0016】
米国特許第5721102号(Vo Dinhら)は、相補配列にハイブリダイズする(及び標識する)ために用いられている、標識化SER遺伝子プローブを開示している。ハイブリダイズしない材料は、ハイブリダイズした材料から分離され、ハイブリダイズした材料は分析される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上記より、試料中の特定の核酸配列を検出又は同定するための新規形式、特に現在用いられているものよりも1つ以上の利点を有するものがその分野に寄与できるであろうことがが明確となろう。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、試料中の特定の核酸配列を検出又は同定するための、新規のSERS/SERRSベースの方法を発明した。検出の前に試料の増幅を必要としないだけでなく、好ましい形式ではその方法は、標的配列の高速高感度の検出を提供するために、非結合の標識化標的剤を標識化標的複合体から分離する必要性なしに、簡単なワンポットの混合方法を用いて、実施することができる。このことは、標的試料の存在に依存してSER(R)S表面の官能性を創出することにより達成される。こうして、標識化プローブに基づく現存のある技術とは異なり、非結合標識化標的は、検出の間に存在しても誤りの結果を生じないことになる。
【0019】
本発明は、SERS又はSERRS形式の両方に用いることができ、略号SER(R)Sは以下これを示すために用いられる。一般的に、その感受性が優れているため、SERRSが好ましいであろう。
【0020】
WO97/05280( Strathclyde大学)などに記載されているような周知の核酸検出形式において、検出の前に、制御された方法で注意深く凝集された金属コロイドを標識化標的複合体に添加する。本発明において、コロイドのSER(R)S表面の凝集は、上記の付随する利点によって、実際に標的配列の存在に依存している。
【0021】
こうして、本発明の第1の態様では、試料核酸中の標的核酸配列の存在または非存在を決定する方法であって、該方法は以下の工程:
(a)SER(R)S活性種(SAS)及び標的結合種(TBS)と結合した金属表面を含む検出剤に、試料をさらす工程、
(b)標識の何らかの表面増強を検出するために、SER(R)Sを用いて試料/薬剤混合物を観察する工程、
を含む方法を開示している。
【0022】
この方法はTBSの標的配列への結合が、それ自体SASの表面増強をおこすことを特徴とする。
【0023】
同様に、その方法は、その分野の方法と、検出剤中に存在する形態において、金属表面がそれ自体表面増強できるものではないことにおいて異なる。こうして、試料を薬剤にさらした後のシステム中に存在している非結合検出剤は、観察工程の前に除去される必要がない。こうして検出剤は一般的に標的材料より大過剰で存在していることになり、非結合薬剤は検出の間のシステムに存在することになるが、その方法の性質のために、結果には影響を与えないことになる。方法はしたがって真の“ワンポット”検出系である。
【0024】
観察の結果は、任意に対照データとの比較により、標的配列の存在又は非存在と相関している。
【0025】
その方法は、特に、周知の、又は少なくとも所定の、標的配列が核酸源で起こるかどうかについて与えられた速い情報に影響されやすい。
【0026】
検出剤は、最後にすべての必要な成分がシステムに存在していれば、多くの分離工程で、又は多くの分離成分として、試料にさらすことができる。
【0027】
その方法の好ましい態様において、検出剤が、各々異なるTBSを有する第1の薬剤と第2の薬剤を含み、各TBSは標的配列に結合することができるものであり、第1と第2のTBSの標的配列への結合が、各TBSに結合した金属表面を近接させ、それにより金属表面の一方または両方と結合したSASの表面増強をもたらす。
【0028】
一般的に、第1と第2のTBSは、それらの各々の金属表面を接触あるいはほぼ接触させるために互いに近接して結合することになる。
【0029】
金属クラスター(金コロイド)をスーパーラティスに組み立てるために、従来より、オリゴヌクレオチドが用いられている(Bethll及びSchiffrin (1996) Nature 382巻: 581頁、及び同じ話題のMirkinら及びAlivisatosら 607-609頁と609-611頁参照)。しかしながら、これらの刊行物は一般的にナノ粒子から巨視的材料の生産(いわゆる“ナノテクノロジー”)に関するものであって、核酸は組み立てプロセスを助けるために用いられた。アセンブリーは、比色分別により検出された。さらなる文献(Storhoffら、1998 “One pot colorimetric differentiation of polynucleotides with single base imperfections using gold nanoparticle probes” J Am Chem Soc 120: 1959-1964)も、配列された金のナノ粒子プローブを検出するために、比色分析を用いた。しかしながら、振動スペクトル法は組み立てられた構造で行われなかった。ラマンスペクトル法の分野で技術の適用の示唆はされなかった。
【0030】
【発明の実施の形態】
ここで、SER(R)Sベースの本発明を、いくつかの好ましい態様を参照して詳細に説明する。
【0031】
“試料核酸”はいかなる核酸であっても良く、DNA(いかなる起源でも良く、例えばゲノム、cDNA、合成など)、RNA(例えばmRNA、tRNA、rRNA、合成など)、またはこれらの誘導体を含む。一般的にそれは、少なくとも16ヌクレオチドの長さであり、より好ましくは少なくとも24、30、40、50、100又は200の長さである。試料は、与えられた起源に存在するすべてのまたは一部の核酸を表す。試料は、その中の核酸をより試験プロセスに利用できるようにするために、試験の前に、調製することができる。例えば試料核酸は、完全に又は部分的に精製されてもよく、及び/又は断片を生産又は分離しても良い。あるいはこれに代えて、または付加的に、試料中の核酸を直接用いて、複製を調製及び使用しても良い(たとえはPCRを用いて)。“試料核酸”という用語は、これらの可能性をすべて含める。
【0032】
一般的に、試料核酸は、配列検出の前に、一本鎖核酸として調製されることになろう。
【0033】
望まれる場合、試料はブロットされ、固相に、任意に整列して、係留(tethered)又は固定化されることができる(例えば、いわゆる核酸チップ−例えばMarshall & Hodgson (1998) Nature Biotechnology 16: 27-31参照)。
【0034】
“標的”配列それ自体は、調べることが望まれている試料内のいかなる長さのいかなる配列でも良い。こうして、それは、ゲノム中に見出されるいかなる配列、又はサブゲノムの核酸、染色体、染色体外ベクター、又は遺伝子、又はモチーフ、又は非コード配列、又は配列タグ部位、又は発現配列タグであってよい。配列はいかなる起源、例えばデータベースで公表された材料由来のもので良い。
【0035】
配列は、与えられるゲノム内のユニークなものでよく、あるいはその内部に多数存在するものでもよい(本発明の方法は、存在の頻度を決定するために用いることができる)。同様に、配列は特定の個人、又は集団、又は種、属、ファミリーなどにユニークなものでよく、又はこれらの分類の1つより多いものの中でも良い。標的配列の長さは、ゲノムの与えられたサイズ内に起こる確率のその統計的可能性に基づいて選択されるかもしれない。例えば、酵母中の16塩基までの配列は、そしてヒトではそれより少し多いもの(例えば17−24)は、これらの生物でユニークな配列を示すに十分であるかもしれないと示唆されている。
【0036】
核酸の‘変異体(バリアント)’の検出は特に意図されている。それらは、1つのヌクレオチド変異体(変異又は多形)又は種々の数のタンデム反復、又は他のサテライト又はミクロサテライト反復を含むことができる。こうして、これらのケースでの標的配列は、より長い配列内の単一の塩基、又は塩基の対の数で特徴付けられる。
【0037】
以下により詳しく示すように、適当な識別可能な薬剤を用いて、いくつかの標的配列を同時に精査する(probe)ことは望ましいことであるかもしれない。
【0038】
試料を薬剤に“さらすこと”は、2つを十分に接触させて、薬剤を試料の標的配列に結合させるいかなる形態もとることができる。一般的にこのことは、これらの化合物の溶液の混合となろう。
【0039】
同時に、又は連続して、添加される多くの別個の部分を含むことができることが強調されてはいるが、“検出剤”は多くの重要な特性を有している。
【0040】
金属表面
その薬剤は金属表面を含む。上述したように、この表面は、SER(R)S観察工程のために選択される条件下で、表面増強を最小化する形態で最初に存在しているが、TBSが標的配列に結合するとき、SER(R)S活性型となる。
【0041】
こうして、本発明の方法は、ラマン活性標識が結合する表面の特性が、達成されることができる表面増強の程度に大きな効果を有するという事実を利用する。例えば、非凝集の銀コロイドを用いると、表面増強は最小であり、SER(R)S検出形式で通常用いられる波長で認識できず識別できないシグナルとなる。これに対し、1回凝集されると、得られるSERRSシグナルは強く、明確で、特異的分析物に特徴的なものである。この効果は、一般的に、Munroら、(1995) Langmuir 11: 3712-3720で論じられている。要約すると、これらの著者は、モノ分散コロイド銀粒子(約27nmのサイズ)が、約400nmの最大の吸収波長を有することを示し、これは、二極表面プラズモンの励起と一致している。凝集されたコロイド(例えば、密接に結合した2つ以上の銀粒子からなるもの)は、高波長の吸収で明らかなシフトを示し、500nmを超える吸収が、モノ分散粒子によって示されるものより高い。凝集及び非凝集粒子についての可視吸収スペクトルを図1に示す。SER(R)Sを実施するためにより有用であるのは、この領域(例えば500から600nm)である。SER(R)S表面も、Rodgerら、(1996) J Chem Soc Dalton Trans,791-799頁で論じられている。
【0042】
表面は、被覆されていない金属によって提供されてもよく、あるいは完全又は部分的な被覆を有していてもよい。例えば、酸化金属層、クエン酸塩又は水酸化ホウ素などの有機被覆を含むことができる。
【0043】
一般的に、金属表面は、非凝集コロイド金属粒子により提供されるであろう。そのような非凝集コロイドを調製する工程は、現在当該分野で周知である。例えば、それは、安定な微結晶懸濁液を形成するための金属塩(硝酸銀)の、クエン酸塩などの還元剤による還元を含む(P C Lee & D Meisel, J. Phys. Chem. (1982), 86, 3391頁参照)。
【0044】
コロイド粒子は好ましくは事実上モノ分散物である。好ましくは、それらは約20−35nmの径であろうが、これは金属のタイプに依存するであろう。好ましくは、金属表面は、別個の銀コロイド粒子により提供され、好ましくは実質的に六角形で最大の径が約35nmである。
【0045】
金属コロイドを用いる実施態様において、TBSの標的配列への結合は、個々のコロイド金属粒子を近接させ、それによりそれらを凝集させ、あるいは少なくとも凝集の効果を擬態し、“凝集された”粒子に結合するSASの表面増強を起こすようにし、すなわち選択された波長のシグナルの増強を起こす。
【0046】
文脈で他の意味である必要があるときを除き、以下用いられる用語“凝集”又は“凝集する”はこの効果を表す。
【0047】
TBS
薬剤のTBSは、一般に、核酸又は修飾核酸、又は核酸アナログに基づくであろう。これは標的の全部又は一部に相補するものである。
【0048】
ある状況下で(例えばTBSが注文に応じて合成されていないとき)それは其の配列を知る必要がないかもしれない。例えば核酸は(既知の)起源から抜き出し、開裂することができ、そして開裂部分を本発明の検出剤の調製ために用いることができる。こうして、たとえ配列が確立されていなくても標的(元の起源)を予め決定する。
【0049】
“相補性”により、標的配列と特異的塩基対形成が可能であり、それによりAがT(及びU)と相補し、GがCと相補する。一般的に、相補性核酸は逆平行の向きである、すなわち一方は5’から3’の向きであり、他方は3’から5’の向きである。修飾核酸又は核酸アナログが用いられたところでは、塩基対形成は、対応する修飾あるいはアナログ塩基と、適当である相補する標的配列の間である。
【0050】
与えられた標的配列と標的結合種について、全長の配列の100%相補性が2つの間のハイブリダイゼーションを確実にするために必要とされれないかもしれないであると当業者に理解されるであろう(例えば、核酸ハイブリダイゼーションを達成するための適当な条件の議論について、Molecular Clonng: a Laboratory Manual: 第2版、Sambrookら1989, Cold Spring Harbor Laboratory Pressまたはその後の版参照)。こうして、単に実質的に相補する配列も、適当な条件下でハイブリダイズすることができ、それにより上記の凝集効果を起こし、そしてSASの表面増強を起こす。
【0051】
通常の核酸ハイブリダイゼーション条件は、負のリン酸バックボーンの相反を防止するために塩の存在を必要とすることが知られている。しかしながら、もし塩がコロイド懸濁液に添加されるなら、その後凝集が偽の結果を生むことが起こるかもしれない。このことは核酸の及び/又はコロイドの修飾、又は核酸アナログの使用により避けるべきことである。
【0052】
例えば、天然又は少なくとも両性イオン性のDNA型が、ハイブリダイゼーションを起こすために高濃度の塩を必要としないことが知られている。この1つの可能性な例は、プロパルギルアミノ修飾塩基であり、Cruickshank & Stockwell (1988) Tetrahedron Letters 29: 5221-5224,及び最近ではGrahamら、(1997) Anal Chem 69: 4703-4707に記載されている。この特定の修飾も、より高い特異性の塩基対形成を促進するものと考えられている(Wagnerら(1993) Science 260: 1510-1513参照)。
【0053】
他の実施例ではペプチド核酸(PNA)が、コロイドと結合するプローブとして用いられる。PNAsは、その中性バックボーンのためにハイブリダイゼーションに塩を必要とせず、より高い特異性で塩基対形成して結合し、ミスマッチを許容しないであろう。同様に、その後の形成された二重体は、DNA/DNA二重体よりさらに高い安定性を示す。これらの特性は、対応するDNAプローブよりも短いPNAの鎖をより高い効果のために用いることができることを意味する。配列同定のためのMALDI−TOFマススペクトルでのPNAの使用は、Egholm (1997) Nature Biotechnology 15: 1346頁によって簡単に概説されている。その方法で、増幅工程が支持されている。チップ技術でのPNAは、Narschall & Hodgson (1998) Nature Biotechnology 16:27-31頁によって論じられている。
【0054】
上述のごとく、一般的に、標的配列中で互いに隣接して、又は少なくとも近くに結合できる、2つの異なる(互いに非相補性)TBSが用いられるであろう(しかしながら標的配列が存在しないときは結合しないであろう)。
【0055】
凝集をおこすためには、好ましくは、第1及び第2のTBSが標的配列に結合するとき、それらは隣接し、又は10、20、又は30塩基より、1、2、3、4、5塩基分少なく離れる。
【0056】
薬剤あたりいくつかのTBSを有する、例えば薬剤あたり1,2,3,4,5,10、又は20を上回ることは望ましいかもしれない(例えば、金属コロイド粒子の周囲に間隔をおいて置かれる)。この種の薬剤は、標的配列の存在下で架橋されても良い。このことは金属表面のより多くの凝集を生じさせ、プラズモン共鳴波長において相当するシフトを伴うことができる。
【0057】
TBSの金属表面への結合
SSGと金属表面との相互作用は、典型的には、表面上への複合体の化学吸着によるか、あるいは表面上の被膜を有する複合体の化学結合によるであろう。
【0058】
このことは好ましくは、いわゆる“表面探査基(SSGs)”によって達成される。これらは非常に強固に金属表面に結合し、その詳細はWO97/05280(Strathclyde大学)に論じられている。
【0059】
SSGsは一般的に天然では錯体又はキレートを形成しているか、あるいは架橋リガンド又はポリマー形成基を含むであろう。
【0060】
当然、SSGの選択は表面の性質(例えば、その変化、及び酸化物又は他の層の存在又は非存在)、及びそれに結合しているいかなる表面の被膜又は他の種の性質(例えばクエン酸塩還元剤)に依存するであろうし、またTBSの性質にも依存するであろう。最も有用な表面に関し、官能基は好ましくはルイス塩基を含む。理想的には、それは使用のとき積極的に表面に引き寄せられる。上述のBethell & Schiffinにより論じられたように、金の表面では、リンとイオウを含む基が特に好ましいかもしれない。
【0061】
こうして、それが薬剤を活性化表面に結合させる可能性がある好適な基は、窒素、酸素、イオウ、及びリン供与などの錯体基;キレート基;架橋リガンドおよびポリマー形成リガンドを含む。
【0062】
いくつかSSGsの例を図2に示す。
【0063】
トリアゾール基(式A1)は、窒素孤立電子対が豊富で、ある種の金属コロイドに対して特別の親和性を有しているようである。したがって、この基の薬剤への導入は、表面への標識の近接を増加でき、それによりTBSが標的配列に結合するときに起こる表面増強効果を上昇できるために、特に好ましい。
【0064】
薬剤は好ましくは、ベンゾトリアゾール基(式A2)を含み、特に金属表面が銀−又は銅−ベースで、高い共役度を有し(特に脱プロトン化されたとき)、それにより標識共鳴に基づくSE(R)RSに特に検出されやすい。
【0065】
ベンゾトリアゾ−ル誘導体(例えば式A3に示されるもの)は、容易に得ることができ、存在する標識(例えばアゾ染料)と結合させて、適当な修飾標識を得ることができる。
【0066】
好ましい形態で、SSGは、SE(R)RS活性になるように修飾され、これは金属表面にTBSが共役するために用いられる。そのような基の例には、アゾベンゾトリアゾールが含まれ、これは典型的にはアゾ基質をベンゾトリアゾール誘導体と結合させることにより形成される。アゾベンゾトリアゾールの例には、9−(カルボキシエチル)−3−ヒドロキシ−6−オキソ−6H−ベンゾトリアゾール、及びベンゾトリアゾールに結合された、置換された安息香酸、ナフトエ酸アゾ誘導体が含まれる。
【0067】
本発明における薬剤としての使用のための構造の例は、式A4に示されたアゾベンゾトリアゾールである。その化合物は、標識の最大吸収の波長を高めるアゾ発色団を含む。
【0068】
それが現れるすべての構造例で、R9はTBS(例えばPNA)を表し、任意にリンカーを介している。リンカーは、結合が達成された後の、別個の金属表面の間の距離、及びそれにより表面が保たれている剛性に影響を与えるために用いることができる。一般的に5、10、又は15炭素未満の長さのリンカーが好ましいであろう。異なるR9基(例えば異なるリンカー)もまた薬剤に分子特異的SE(R)RSスペクトルを与えることができる。
【0069】
本発明標識の薬剤での使用に適した化合物は式A5とA6に包含される。
【0070】
すべての場合でTBS又はリンカーは1つ以上のR1からR6基を構成し、好ましくはR1からR5基から選択される。下記の好適なものはしたがって、TBS/リンカーではない、R1からR6からのそれらの基を意味する。
【0071】
こうして残りのR1からR6は、いかなる適当な基(水素を含む)も表すことができ、好ましくは下記の式から選択される。
【0072】
W、X、Y及びZは式の下に定義される。それらの化合物のより好ましいサブセットは、R1、R2、R3、R4及びR6が個別に水素、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、6員芳香族環、ハロゲン、−COOH、−SO3H、−PO4、−SH、−PO、−NR7、及びR8から選択されるものであり;R5はR1と同様又は−NH2又は官能化−COOH、例えば−(CH2n−COOH、ここでnは1から6の整数;及びR7とR8は個別に水素、C1−C6アルキル(直鎖又は分枝鎖)及び不飽和アルキル環から選択されるものである。
【0073】
そのような標識の最も好ましい形はR1とR2がともに水素、R3とR4が水素及びメトキシから個別に選択され、R5が−OH又は−アミノであり、R6が水素であるものである。
【0074】
実施例1から3で調製された薬剤(図6Bと6C参照)は、これらの式の中に含まれる例である。
【0075】
式A7は、これに代わるベンゾトリアゾールベースの薬剤を提供する。
【0076】
薬剤の表面探査部分上の官能基は、電荷極性基(例えばアミン、カルボキシル、リン酸塩、チオール、ヒドロキシル)含むことができ、表面又は表面皮膜に(例えばポリアミン被膜のフリーのアミン基に)誘引される。それらの例を式A8に示す。ここでR9は、上記と同意義でありR10は個別に図にリストされた基から選択され、式中のR10基のうちHであるものは3以下である。好ましくは式中のR10基は、Hであるもの以外は、すべて同じであり、式A9及びA10で例示される。
【0077】
さらにこれらに代わる表面探査基は、式A11、A12及びA13によって示される。
【0078】
薬剤のために他の適した表面探査基は、カリクセリン(calixerines)及びメルカプトベンゾトリアゾール(mercapto benzotriazoles)を含む。
【0079】
SER(R)S活性種
その薬剤はSASを含む。これは、TBSが非UV吸収性である場合に別個の標識により提供されることができる。適当な標識は、WO97/05280(Strathclyde大学)とSER(R)Sの文献に詳細に論じられている。標識は、TBSの一部として(任意にSSGの一部として)、あるいは全くそれとは別に、金属表面に結合されることができる。
【0080】
本発明の好ましい実施態様において、以下に詳しく論じるように、薬剤あたり1を超えるSAS分子があるであろう。実際に、その数は、好ましくは最大化されて、標的配列/TBS結合が起こった結果、凝集された金属表面が形成されるときに、それにより最大数のSAS分子が表面増強される。
【0081】
好ましくは、TBSを介してその標的配列に結合している薬剤の金属表面に結合されているSAS分子のうち、単一分子の標的配列が、10、20、30、40、50を上回る、好ましくは100、150、又は200を上回るSAS分子を表面増強することができる。
【0082】
適当なSE(R)RS活性種の例は、フルオレセイン染料、例えば5−(及び6−)カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオレセイン、5−カルボキシ−2’,4’,5’,7’−テトラクロロフルオレセイン、及び5−カルボキシフルオレセイン;ローダミン染料、例えば5−(及び6−)カルボキシローダミン、6−カルボキシテトラメチルローダミン及び6−カルボキシローダミンX;フタロシアニン、例えばメチル、ニトロシル、スルホニル、及びアミノフタロシアニン;アゾ染料、例えばC H Munroら、Analyst(1995),120,993頁に挙げられたもの;アゾメチン;シアニン及びキサンチン、例えばメチル、ニトロ、スルファノ及びアミノ誘導体;及びスクシニルフルオレセインを含む。これらの各々は、いかなる従来の方法で置換されていても良く、非常に多くの有用な標識を生じる。
【0083】
与えられたケースでの標識の選択は、標識の共鳴頻度、他の種の存在、標識利用度、選択又はレーザー励起装置などの要素に依存するであろう。特に、それは、表面増強することができない金属表面に結合しているSASと、表面増強することができる金属表面に結合しているSASの間を最大限に識別できるように選択することができる(すなわち、標識配列/TBS複合体の一部)。
【0084】
SASは、容易に誘導される(derivatised)ことが可能なアゾ基であることが好ましいかもしれない。しかしながら当業者は、他のSASも本発明において容易に用いることができることを理解するであろう。
【0085】
染料は、共有又は非共有の相互作用を用いて金属表面に結合することができる。特に好ましいものは上記SSGsの使用である。
【0086】
SER(R)S検出
これは、例えば、WO97/05280(Strathclyde大学)に開示されたような従来の方法によるものでよい。
【0087】
したがって、SE(R)RSでは、主な測定は、散乱光の強度及び放射の波長についてである。入射ビームの角度も、検出器の位置も重要ではない。平坦な表面で入射レーザービームは、多くの場合、60°の角度で表面に衝突するように置かれ、入射ビームに対して90°か180°で検出される。コロイド懸濁液で、検出は入射ビームに対していかなる角度でも良く、90°もまたしばしば用いられる。
【0088】
いくつかの装置が、SE(R)RSシグナルを集めるために適しており、波長選択鏡、散乱光検出のためのホログラフィー光成分、光ファイバー導波路を含む。SE(R)RSシグナルの強度は、電荷結合デバイス(CCD)、シリコンフォトダイオード、又は単一であるいはシグナルのカスケード増幅のために連結して配列された光電子増倍管を用いて測定することができる。光子計測電子装置を高感度検出のために用いることができる。検出器の選択は、特定のアッセイを実施するために必要な検出の感度に多くを依存するであろう。
【0089】
複数の異なる分析物のために、波長の範囲を交差した複合SE(R)RSスペクトルが得られるであろう。
【0090】
目視での分析も可能であろうが、SE(R)RSスペクトルを得る、及び/又は分析するための方法は、好ましくは、コンピューターなどのデータ処理機のいくつかの形の使用を含むであろう。
【0091】
なお、本発明の方法は、波長の範囲を交差した完全なSE(R)RSスペクトルを得ること、又はピークを選択し、そのピークの波長においてのみ走査することを含むことができる(すなわちラマン“画像化”)。
【0092】
好ましくは、励起ビームは、表面増強することができない金属表面に結合しているSASと、表面増強することができる金属表面に結合しているSASの間を最大限に識別するように、選択される(すなわち、標識配列/TBS複合体の一部)。
【0093】
例えば、もし金属表面のプラズモン共鳴(凝集の後)が600nmで、SASもこの領域で活性なら、励起ビームはこの領域で表面増強と共鳴効果を最大にするように選択されるであろう。複数の、異なるSAS基を用いるとき、シャープなシグナルを提供して検出の分子特異性を改善するために、励起頻度はSASの吸収最大がほぼ(closely)一致するように選択することができる。
【0094】
好ましい形式
ある好ましい形式を以下に述べる。当然に当業者はそれらが必須のものではなく、好ましいものであれば、本発明の利益を達成でき、この開示に基づく他の方法も同様に用いることができることを理解するであろう。
【0095】
SER(R)S染料、TBS、及び金属表面の配置
これらのいくつかを図3に示す。
【0096】
異なるTBSを含む2つの薬剤を用いることができる。各TBSは、リンカー及びSAS(例えばアゾ基)を導入するSSGを介して(例えばベンゾトリアゾールに基づく)、金属表面に付着されることができる(調製されたモノ分散の例として、非凝集コロイド)。薬剤の成分は、in situで共に調製され、又は前混合され、ついで試料に加えられる。所望の場合、ラマン画像又はスペクトル法をついで行う。
【0097】
あるいはこれに代えて、2つの薬剤の各々について、別々のTBSとSASで、各々がSSGを導入するものを所望の割合で前混合し、その混合物を金属コロイドに適用して、それを被覆することもできる。2つの薬剤をついで試料に添加し、表面増強の観察を行なう。
【0098】
好適な比TBS:SASは1:1より大きいかあるいは小さい。しかしながら、好ましくは、SASはTBSより多く存在し、例えば10、20、30、40、50倍過剰を超えて存在している。TBS−SSG:SAS−SSGの好適な比は、約1:100である。上述のごとく、一般的に、感度は、1回の結合により表面増強されたSASの分子の数の最大化により、改善されるであろう(すなわち標的配列の1分子に対して2つのTBS分子)。このことは、結合の結果一緒になった金属コロイド粒子上に存在するSASの分子の数を最大化することにより達成される。しかしながら、それに官能性を与えるために、少なくともいくつかのTBS−SSG、好ましくは均等に分布したもの、が各金属/SAS複合体に確実に存在するように注意すべきである(例えば、経済的な理由から)。
【0099】
多重化
ラマンシグナルは、一連の、強度の異なる別個のスペクトル線からなる。線の頻度と相対強度は、検出される標識に特異的であり、ラマンシグナルはしたがってSASの“フィンガープリント”である。
【0100】
もし分析器が1つの(例えば上述のような)標識の検出を定量するために用いられるなら、選択したスペクトル線頻度でのシグナル強度を検出することのみが必要であろう。
【0101】
しかしながら、特有の、識別可能な、SASを有する検出剤を用いて、1つを上回る標的配列を精査するために、1つを上回る薬剤を同時に用いることもできる。
【0102】
もし分析器が、各々がユニークはスペクトル線を有するいくつかの標識の検出を定量するために用いられるなら、いくつかの選択したスペクトル線頻度でのシグナル強度を検出することのみが必要であろう。あるいは、もしSE(R)RS分析器が、混合物の中から1つ又はそれより多い“結合された”薬剤を選択的に検出するために用いられるなら、同定の目的のための全“フィンガープリント”スペクトルを検出することが必要であろう。
【0103】
標識配列がいくつかの配列同一性を共有する場合(例えば1つのヌクレオチド多形を含む標的配列を識別する)、各場合で第2の薬剤が残りの標的配列の間で識別できるならば、共通の第1の薬剤を用いることができ、それ自体、特有のSASの使用により他の第2の薬剤から識別されることができる。
【0104】
あるいはこれに代えて、いくつかの全く特有な配列を検出するためには、それらが自己相補性でさえなければ、薬剤のいくつかの対を用いることができる。
【0105】
本発明のさらなる態様
導入部で論じたように、方法は、ゲノム学において多くの適用を有することができ、それにより、核酸配列を分析する工程を用いる現存する方法に類似して用いることができる(例えば、”Principles of Genome Analysis” S B Primroseによる、Blackwell Science刊, Oxford, UK, 1995参照)。
【0106】
いくつかの特定の適用は以下の通りである。一般的にいえば、これらのすべてが1つの標的配列、又は多重化アプローチを用いて行うことができる。後者の場合、種々の結果の組み合わせが決定を行うために用いることができる:
【0107】
(i)例えば配列が生物にユニークであるために、標的配列の存在が生物の存在に関連している、試料中の生物の存在の検出(例えば、ウィルス、プロウィルス、ビリオン、原核生物(例えば細菌)、真核生物(例えば原生動物))。
【0108】
精査された配列が実際に生物にユニークでない場合でも、その存在(他の診断情報、例えば免疫的、行動的など、に関連して)をその存在、非存在の決定の確実性を増加させるために用いることができる。検出は、全長配列決定によりさらなる確実性が必要であるところで確認することができる。
【0109】
この場合の試料は、生物を含むことが疑われるいかなるものでもよく、例えば異なる生物からの試料、食糧、環境の試料(例えば土壌、水など)である。生物は病原性でも良く、単に対象の何らかの他の性質に関するものでも良い。
【0110】
(ii)上記決定を実施することによる、病原性生物に関連する疾患の診断。試料はインビトロでもインビボでもよい。テストは、他の診断技術又は症状の評価などと関連して実施することができる。
【0111】
(iii)DNA変異体の存在を検出することによる、DNA変異に関する疾患の診断であって、上記方法の使用を含むものであり、標的配列が、変異が起こっている配列に相当するもの。テストは、他の診断技術又は症状の評価などと関連して実施することができる。
【0112】
(iv)標的配列がその特性に関連している配列に相当する、特定の表現形特性を有する生物を選択する方法。
【0113】
(v)標的配列がその遺伝子に関連する又はその内部の配列に相当する、特異的遺伝子をコードする核酸を単離する方法。
【0114】
(vi)標的配列が特定の個人、集団、種、属などに関連している、系統発生的分類の方法。
【0115】
(vii)標的配列がその個人に関連している個人を同定する方法。一般的にいうと、これは多くの別個の多形をスコアすることを必要としているかもしれない(法医学のタイピングとマッチングに用いられている配列について、TullyらのWO96/01687参照)。
【0116】
(viii)細胞又は組織の発現プロファイリングの方法。この場合試料核酸はmRNA、又はそれから由来するものである(例えばcDNA)。
【0117】
本発明のさらなる態様において、非凝集金属粒子をSER(R)S活性種(SAS)及び標的結合種(TBS)を配合する工程を含み、それにより上記SASとTBSは表面探査基を介して上記金属粒子に結合するものである、検出剤を生産する方法が開示されている。
【0118】
本発明のさらなる態様において、SER(R)S活性種(SAS)及び標的結合種(TBS)に結合している非凝集金属粒子を含む検出剤が開示されている。
【0119】
薬剤の種々の成分は上記のうちのいかなるものでも良い。特に、SASとTBSは好ましくは、SSGを介して金属粒子に結合しており、任意に単一分子の形態である。好ましくはTBSとSSGは別個の分子である。好ましくはTBSはPNA又はプロパルギルアミノ修飾DNAである。好ましくはSASはアゾ基及びSSGはベンゾトリアゾールである。
【0120】
1つの態様において、薬剤は、各々異なるTBSを有する第1の薬剤と第2の薬剤を含む。
【0121】
さらなる態様において、上記の2つ以上の検出剤を含み、各々が識別可能なSASを有する組成物が開示されている。
【0122】
本発明の薬剤又は組成物は一般的に溶液として提供されるであろう。
【0123】
さらなる態様において、本発明の方法を実施するための本発明の薬剤又は組成物に加えて、1つ以上の付加的な材料、例えば対照実験のための標的核酸、を含むキットが開示されている。
【0124】
さらなる態様において、上記の薬剤又は組成物に加えて、核酸試料、これは好ましくはDNA又はRNAの試料、最も好ましくは生物から取られた又は生物を構成する細胞から抽出されたもの、を含むシステムが開示されている。
【0125】
そのようなシステムは特に
(i) 反応容器、
(ii) 上述の薬剤、
(iii) 核酸、
を、好ましくは均一形式中に含む。
【0126】
さらなる態様において、 SERRS分析器に加えて、上記の薬剤、組成物又はシステム、及びそのような装置の使用の方法が開示されており、(例えば)SER(R)Sシグナルを検出するために均一システムを調製しモニターする(例えば500と600nmの間で)工程を含む。
【0127】
本発明を、以下の非制限的な図面と実施例を参照してさらに説明する。本発明の範囲に含まれる他の実施態様は、これに照らして当業者により行われるであろう。
【0128】
【実施例】
実施例1−標識化PNAプローブの合成の概観とその後の使用
基本的な合成は、ベンゾトリアゾール染料のカルボン酸又は活性エステル型の、PNAプローブアミノ末端への付加を含み、任意にPNAは、その合成のために使用される固体支持体上にある。プローブは、ゲノムDNAに見出される標的配列の一部を相補する8つ以上の塩基からなる。こうして塩基はまだ保護されているであろうが、第1級アミンは反応のためにフリーである。
【0129】
a)ベンゾトリアゾールカルボン酸又は活性エステルの合成
アミノアルキル化芳香族アミン、例えばN−(1−ナフチル)エチレンジアミンジヒドロクロリドを、ジアゾニウム結合を介して、アミノベンゾトリアゾールに結合させて、モノアゾ染料を生成させる。ついでフリーのアミンを無水コハク酸と反応させて、カルボン酸を提供する(図4参照)。
【0130】
より詳しくは、N1−[4−(5−アゾベンゾトリアゾイル)フェニル]−エタン−1,2−ジアミン(=化合物1)を提供するために、5−アミノベンゾトリアゾール(0.854g、1.1eq、6.37mmol)をHCl(5ml、50%v/v)中に溶解させ、0℃で亜硝酸ナトリウム(0.484g、1.2eq、5mlのH2O中)の滴下によりジアゾ化した。過剰の亜硝酸ナトリウムはデンプンヨード紙を用いて検出した。暗青色は、ジアゾニウム塩の形成を妨害した過剰亜硝酸を示した。別に、N−(1−ナフチル)エチレンジアミンジヒドロクロリド(1.500g、5.79mmol)を酢酸ナトリウムバッファー(1.0M、60ml、pH6.0)とアセトン(80ml)中に溶解した。ジアゾ化アミノベンゾトリアゾール(1,1eq)をこの溶液に0℃での滴下で1時間にわたって攪拌しながら添加し、その後水酸化ナトリウム(2M)の添加により溶液を中和した。生成した固体をろ過により単離し、飽和KCl(3×50ml)で洗浄し、メタノールとジエチルエーテルを用いた研和により精製し、オレンジ色の固体として表題の化合物を生産した。収率66%、Rf(EtOAc/CH3OH/NH3 5/1/1)0.14;dH(270MHz、CD3OD)3.00(2H,t,CH2) 3.48(2H,t,CH2) 6.69(1H、dd、arH) 7.51(1H、t、arH) 7.63(1H、t、arH)7.87(1H、d、arH)7.94(2H、m、arHs)8.13(1H、d、arH)8.34(1H、s、arH)9.02(1H、d、arH);dc(270MHz、CD3OD)41.40(CH2)47.01(CH2)104.26(CH)114.93(CH)115.13(CH)116.67(CH)117.47(CH)122.20(CH)124.26(C)124.73(CH)126.03(CH)127.91(CH)134.62(C)139.91(C)146.12(C)146.76(C)148.98(C)151.28(C);FAB ms m/z 332.1621 [C18187(M+1)<0.1ppm]。
【0131】
より詳しくは、N1−[4−(5−アゾベンゾトリアゾイル)フェニルアミノ−エチル]−スクシナミックアシッド(=化合物2)を提供するために、化合物(1)(1.000g、3.02mmol)をDMF(100ml)中に溶解させ、攪拌しておいた。アセトン(10ml)中に溶解された無水コハク酸(0.363g、1.2eq、3.63mmol)をついで滴下により1時間にわたって添加した。18時間後に溶剤をin vacuoで除去し、産物を酢酸エチル、メタノール及びアンモニア(5/1/1)で溶出するカラムクロマトグラフィー(Na2SO4に前吸収)により単離し、オレンジ色の固体を生産し、さらにジエチルエーテルから研和により精製し、純粋産物0.856gを得た(収率66%)。Rf(酢酸エチル/メタノール/アンモニア 5/1/1)0.11;dH(400MHz、DMSO−d6)2.40(2H,dd,CH2)2.44(2H,dd,CH2)3.42(4H、m、2× CH2) 6.66(1H、brs、NH)6.76(1H、d、arH)7.32(1H、m、arH)7.54(1H、t、arH)7.67(1H、t、arH)7.90(1H、d、arH)7.99(1H、dd、arH)8.25(1H、d、arH)8.29(1H、s、arH)8.98(1H、d、arH)。
【0132】
もし活性エステルが望まれるなら、図4スキーム2に示すように、スクシニル型をカルボン酸から、ヒドロキシスクシンイミドによる活性化によって生産することができる。
【0133】
いかなる長さ又は性質のリンカーも用いることができることを強調されるべきである。
【0134】
b)表面探査基の核酸への付加
ベンゾトリアゾール染料のカルボン酸型は、固体支持された核酸へ、そのような結合に通常用いられる標準方法により結合する。固体支持体からの脱保護と除去と、その後の精製で、所望の産物を得る。
【0135】
より詳しくは、化合物(2)のDNAへの結合のために、所望のDNA配列を、0.2mmolスケールでExpediteファースト脱保護モノマーを用いた標準固相蛍光アミダイト(phosphoramidite)化学により合成した。アミノリンカー(標準モノメトキシトリチルアミノヘキシル蛍光アミダイト)を、オリゴヌクレオチドの5’末端に添加し、カラムで脱保護して反応のためにフリーアミンを残した。カラムをついで合成器からはずし、化合物(2)のマニュアルカップリングを行った。化合物(2)(54.7mg、0.12mmol)をDMF(2ml)に溶解し、N,N−カルボニルジイミダゾール(30.4mg、1.56eq、0.187mmol)を添加した。混合物を40℃で5分間攪拌し、室温まで冷却し、標準法で2つのシリンジを介してオリゴヌクレオチド合成カラムを通した。溶液を2時間反応させて除去し、アンモニア(1ml)を添加して開裂と脱保護を容易にした。2時間後、アンモニアを除去し、残りをアニオンイオン交換HPLCにより精製した。
【0136】
精製したサンプルはついで脱塩化のためにsephadexG25カラムを通し、凍結乾燥した。水に溶解し、30.5mM溶液を得た。
【0137】
上記方法は、ベンゾトリアゾールカルボン酸を、26mer標識オリゴヌクレオチドの5’末端に付加して、55.4mM溶液を得るためにも用いられた。
【0138】
化合物(2)をPNAに付加するために、化合物(2)の溶液(0.18M)を合成器のポート6に付加し、このポートのための特別の結合工程を標準PNAサイクルに挿入した。工程は、新規塩基のために、結合時間を15分から30分に延長した。所望の8mer配列を2mmolスケールでの標準PNA化学により合成した。アミノリンカーをついでN末端に付加し、その後修飾サイクルにより修飾ベンゾトリアゾール染料を行った。トリフルオロ酢酸による脱保護化とその後の逆相HPLCによる精製とその後の凍結乾燥により所望の化合物を得た。凍結乾燥固体を水中に溶解することにより以下の溶液を得た。
727(N−C)6O ACATTTGA 12.08mM
728(N−C)6OACATGGTC 18.20mM
ここで6=N1−[4−(5−アゾベンゾトリアゾイル)フェニルアミノ−エチル]−スクシナミックアシッド(=化合物2)
O=アミノリンカー
【0139】
c)コロイドへの付着
標識化、例えばPNAプローブの水溶液を適当な量のコロイドと混合する。用いられたプローブの量は、存在するコロイド粒子を覆う単層のために必要な量よりも少しだけ少ない。
【0140】
実施例2−検出の実行
(a)標識化DNA
ベンゾトリアゾール染料標識化26merDNAオリゴヌクレオチドのSERRSスペクトルを得、図5に示す。
【0141】
SERRSシグナルは凝集剤(スペルミン)が添加されたときだけ見ることができ、これによりベンゾトリアゾール染料標識化DNAが、シグナルを生産せずにコロイドに付加できることと、ハイブリダイゼーションにリンクした凝集が検出できる変化をもたらしたことが確認された。
【0142】
(b)標識化PNA
上述のごとく、PNAの2つの非相補配列が、N−末端SERRS標識を介して、モノアゾベンゾトリアゾール化合物を用いて別の銀コロイド粒子に付着し、表面へのPNAの不可逆的付着を効率的に提供する。このことは親の鎖上の相補配列に連続的にハイブリダイズするシステムを提供する。
【0143】
係留された特異的核酸又は核酸アナログ配列を含む2つのコロイド混合物が混合され、照射されるときに、金属表面の非凝集性のために、SERRSシグナルは観察されない。
【0144】
試験配列の水溶液をPNA標識化コロイドの上記混合物に添加し、ハイブリダイゼーションとそれによる凝集のための適当な時間の後、照射により、従来のSER(R)S装置で検出される2つの標識に相当するシグナルを得られる。凝集は、正しい相補配列の存在下でのみ起こる。したがってもしシグナルが観察されるなら、精査により配列の存在が確認されるであろう(図3(a)参照)。
【0145】
方法の感度のために、標識DNAの増幅は必要とされない。また試料を採取してから、所望の標識核酸を単離し、ついでアッセイを行うまでの時間スケールが、現在用いられている多くの方法に比べて、大幅に短縮されるであろう。
【0146】
その1つの実験において、実施例2に詳細に説明した標識化PNA配列を、SERRS活性について調べた。
【0147】
最初に、コロイド粒子当たり600分子と見積もられる表面被覆率(surface coverage)を調べた。これらの実験では、標識化727と標識化728配列の両方が、このレベルで、いかなる外部凝集剤も使用せずに、非常に強く識別可能なスペクトルを与えたことが見出された(514.9nmで1秒間に3×10-11モル用いて得られたスペクトル、結果は示さず)。この発見は、コロイドを凝集できた最終的な精製PNAの溶解を助け、それによりシグナルを提供する、トリフルオロ酢酸の使用から生じるものと考えられた。
【0148】
この効果についてさらに調べるため、他の濃度レベルを試みた。試みたレベルはコロイド粒子当たりほぼ12PNAオリゴマーと等価であり、これは6×10-13モルの使用を意味した。スペクトルは5秒間蓄積させ、凝集剤の非存在下ではいかなるシグナルも生産しなかった。シグナルが生成されることを証明するために、20μlの5%塩化ナトリウム溶液(周知のコロイド凝集剤)を添加した。識別可能なシグナルが生産され、こうしてこのレベルでSERRSが凝集により得られることを示した。スペクトルを図6に示す。
【0149】
ハイブリダイゼーションにリンクする効果を示すために、2つの異なる標識化PNAオリゴマーを、最初に混合し、シグナルが生成するかどうかを決定した。図7(PNA)はこれが起こるときに、いくらかの弱いシグナルが5秒間にわたって見られることを示す。この混合物はついで4つの異なる相補オリゴヌクレオチドに供し、凝集がおこるかどうかをみた。
【0150】
用いたオリゴは:(過剰を提供するために各々について、1×10-6M溶液の20ml)
TCA AAT GTG ACC ATG T 727/728 相補
TCA AAT GTC CCG ACC ATG T 727/728 3C相補
GAC CAT GTT CAA ATG T 728/727 相補
GAC CAT GTC CCT CAA ATG T 728/727 3C相補
【0151】
30分後のスペクトルを下の図7に示す。
蓄積時間=5秒
【0152】
上記スペクトルは、シグナル強度が塩化ナトリウムが用いられるときに観察されたものの約半分にもかかわらず、オリゴヌクレオチドが添加されるときに凝集がおこることを示し、おそらく不十分な凝集又はハイブリダイゼーションを示唆しており、これは今度は実施例に用いられたトリフルオロ酢酸のレベルのためかもしれない。それにもかかわらず、この結果は、TBSの標的配列への結合が、システムに存在するSASの表面増強のレベルを増加させるために用いることができることを明らかに示す。
【0153】
実施例3−別のSASとTBSを用いること
SAS(例えば染料)とTBS(例えばPNA)は1つの分子に取り込まれることを必要としない。それらは別個に金属表面に結合することができる。
【0154】
例えば、ベンゾトリアゾールは、PNAのN−末端、又はDNAの5’−末端(後者は任意にアミノリンカーを介して、標準延長技術を模して、制御された多孔ガラスに付着させながら)に結合することができる。別のSAS染料基をベンゾトリアゾールと共役させることもできる(例えばアゾベンゾトリアゾール基を形成すること)。
【0155】
一般的にいえば、PNAに対して、染料の過剰が必要とされるであろう(図3(b)参照)。コロイド粒子をおよそ径が20nmの球と仮定すると、これは表面積が約1×10-152である。
【0156】
SSGとしてベンゾトリアゾールを用いて(染料とPNAの両方について)、この分子のサイズは、10×10-10m、10×10-10mの正方形とすることができる。これは1×10-182の分子当たり面積を与える。したがって単層被覆に必要な分子数は約1200である。
【0157】
架橋された凝集を形成することが必要なら、ついで(面心立方パッキングとみなして)各粒子が、理論的に、12個の他の粒子に囲まれることができる。このことは、コロイドに対するPNAのサイズのために、隣接する粒子のそばに付着するPNAだけが凝集の提供に有効であろうことを意味する。こうして、1つのPNAに対して、100染料分子の比が好ましいかもしれない。
【0158】
実施例4−多形と多重化
特異的標識を有する標的特異的配列(又はそれによる金属表面結合)によって、配列順列の範囲は1つの実験に調べることができる。したがって、特異的な配列のための変性DNAの長い鎖及び遺伝子全体さえも精査することを可能にする(図3(c)及び3(d)参照)。
【0159】
実施例5−多形の詳細なアッセイ
所望のアッセイ(5分)のために前調製された標識化コロイド懸濁液の選択
コロイド1回分は、5つの異なる標識化配列まで含むことができる。1つは変異から離れた鎖のためで、4つは変異がある可能性のあるもののためである。4つの可能性のある塩基同一性より少ない考えられる状況において、又は多形をスコアすることが望ましくないが、それが与えられた塩基ではないことを確かめるだけの状況において、ほとんど標識化されていない配列を用いることができる。
【0160】
アッセイの調製(2分)
所望の標識化コロイドの各々からアリコート(10μl)をエッペンドルフで混合する。この混合物の少量の部分(20μl)を対照として保存しておく。
【0161】
試料核酸の調製(30分)
アッセイされる核酸試料を元の試料(例えば血液試料)から従来の方法により(例えばMolecular Clonng: a Laboratory Manual: 第2版、Sambrookら1989, Cold Spring Harbor Laboratory Pressまたはその後の版参照)単離し、脱塩し、水に溶解する(20μl)。
【0162】
配列又はポイント変異の検出(5分)
試料核酸をコロイドと正しい鎖の混合物に添加して、ハイブリダイズさせる。ハイブリダイゼーションの後、懸濁液を、SERRSによる検出のためにキャピラリーチューブ(d=1mm、長さ=5mm)に移す。
【0163】
またはこれに代えて、アッセイの種々の成分を調製し、スペクトル法にも用いられる1つの容器内で実行し、より単純で均一のプロトコールを提供することもできるであろう。
【0164】
得られるシグナルの分析(5分)
個々の標識についてスコアされるもので得られるシグナルのコンピューター比較は、用いられるコロイドの正確な同定を可能にし、それにより試料中に存在する配列又はポイント変異の同定を可能にする。存在する材料の量とある配列又はポイント変異の頻度の定量も行うことができる。検出限界を以下のように見積もることもできる:刊行物は標識が8×10-13Mの濃度(あるいはむしろそれより低い)で検出されることを示す。容量4μlのシリンダーでの検出のためには、これは2000000分子と同等である。TBS当たり100以上の染料分子が存在している可能性があるため、これは2000分子(3×10-20モル)だけの標的レベルと同等である。感度は、粒子染料のためにより高いかもしれない。
【0165】
【参考文献】
Figure 0004444502

【図面の簡単な説明】
【図1】 これは、(a)硝酸、及び(b)ポリ(L−リジン)とアスコルビン酸と凝集したクエン酸塩コロイドについての可視吸収スペクトルを示す。点線は、凝集前の非凝集、モノ分散、クエン酸塩銀コロイドのスペクトルを表す。
【図2】 これは、本発明で用いることができる種々のSSGsを表す式A1−A13を示す。
【図3】 これは、本発明を実施するための種々の異なる形式を示す。
(a)(i)では、それ自体2つのタイプの銀コロイド粒子を含む薬剤が用いられる。各粒子は異なるPNAプローブ(TBS)を有し、これは各々X及びYで表される。これらは金属表面に異なる染料(SAS)を介して結合しており、A及びBで表され、これは金属表面とリンカーと表面探査基(示さず)を介して相互作用する。標的配列X’−Y’(XとYに相補する部分を含む)を有する適当なゲノム材料と合わされるとき、銀コロイド粒子は凝集し、この凝集は染料AとB(これらのうち一方は必要でないなら省略できる)の1つ又は両方を介してモニターされることができる。
(b)では、これに代わる薬剤を示す。この場合、染料(A)とRNAプローブ(X)は、各々がリンカーと表面探査基(示さず)により別々に金属表面に結合している。
(c)では、多形を識別し、スコアする方法を示す。この場合、可能性のある標的配列はX’−Y’とX’−Y2’である。これらは、適当なPNAプローブ(Y2と示される)とBとは識別される染料(Cと示される)を有する、付加的なコロイド粒子タイプを用いて識別されることができる。BとCのいずかが表面増強されるかを観察することにより、標的配列を解明することができる。このことは多形のいずれかを検出可能であるべきであるから、対照として共通配列コロイド粒子(X)を染料Aで標識することが望ましいかもしれない。
(d)では、特有の部位を精査する方法を示す。これは(c)に類似しているが、標識配列間に共通の配列はないので、したがって4つの異なるタイプのコロイド粒子を用いる。染料Dの検出は、標的配列V’−W’の存在を示す。
【図4】 これはベンゾトリアゾール染料[N1−[4−(5−アゾベンゾトリアゾイル)フェニル]−エタン−1,2−ジアミン−化合物(1)]のアミノ誘導体、及びこの[N1−[4−(5−アゾベンゾトリアゾイル)フェニルアミノ−エチル]−スクシナミックアシッド−化合物(2)]のカルボン酸誘導体を生産する経路を示す。カルボン酸誘導体はDNAに結合する(スキーム1)か、又はその後の結合のための活性エステル(スキーム2)を生産するために用いることもできる
【図5】 これは、ベンゾトリアゾール染料標識された26merDNAオリゴヌクレオチドのSERRSスペクトルを示す。
【図6】 これは、凝集剤の存在及び非存在下での、ベンゾトリアゾール染料標識されたPNAオリゴヌクレオチドのSERRSスペクトルを示す。
【図7】 これは、相補標識配列の存在及び非存在下での、ベンゾトリアゾール染料標識されたPNAオリゴヌクレオチドのSERRSスペクトルを示す。

Claims (21)

  1. 試料核酸中の標的核酸配列の存在または非存在を決定する方法であって、該方法は以下の工程:
    (a)表面増強共鳴ラマン散乱SER(R)S活性種(SAS)及び標的結合種(TBS)と結合した金属表面を含む検出剤に、試料をさらす工程であって、TBSは標的配列の全部または一部と相補する核酸または核酸アナログを含むものであり、本工程で検出剤は、各々異なるTBSを有する第1の薬剤と第2の薬剤を含み、各TBSは標的配列に結合することができるものであり、第1と第2のTBSの標的配列への結合により、各TBSに結合した金属表面を近接させ、それにより金属表面の一方または両方と結合したSASの表面増強をもたらす、工程、
    (b)標識の何らかの表面増強を検出するために、SER(R)Sを用いて試料/薬剤混合物を観察する工程、
    を含む方法。
  2. 工程(a)の検出剤中に存在するとき、金属表面自体では表面増強が可能でない、請求項1記載の方法。
  3. 検出剤が、2以上の別の成分として工程(a)中の試料にさらされるものである、請求項1又は2記載の方法。
  4. 検出剤がTBSと結合したモノ分散非凝集コロイド金属粒子を含み、TBSは標的配列の全部または一部と相補する核酸または核酸アナログを含むものである、請求項1ないし3のいずれか1項記載の方法。
  5. TBSがプロパルギルアミノ修飾核酸またはペプチド核酸を含むものである、請求項4記載の方法。
  6. 金属コロイド粒子あたり1、2、3、4、5、10、または20を超えるTBSが存在する、請求項4または5記載の方法。
  7. 金属表面に対するSAS及び/又はTBSの化学吸着を促進するために、表面探査基(SSG)が用いられるものである、請求項1ないし6のいずれか1項記載の方法。
  8. SSGがトリアゾール基、より好ましくはベンゾトリアゾール基を含むものである、請求項7記載の方法。
  9. SSGが、SASである染料により修飾されている請求項7又は8記載の方法。
  10. 修飾SSGがアゾベンゾトリアゾールである、請求項9記載の方法。
  11. 修飾SSGが、金属表面にTBSを結合させるために用いられる請求項9又は10記載の方法。
  12. 修飾SSGが連結基を介してTBSに接合している請求項11記載の方法。
  13. SASがTBSよりも2、5、10、20、30、40、50又は100倍過剰を上回って存在する、請求項1ないし10のいずれか1項記載の方法。
  14. 識別可能なSASを有する複合結合薬剤を用いて1つを上回る標的配列が決定されるものである、請求項1ないし13のいずれか1項記載の方法。
  15. 標的配列が配列同一性を共有し、かつ共通の第1の薬剤が、残りの標的配列を識別することができる特異的識別可能な第2の薬剤とともに用いられる、請求項14記載の方法。
  16. 生物の存在検出、選択、又は同定、又は系統的分類の方法であって、該方法は請求項1ないし15のいずれか1項記載の方法の使用を含み、標的核酸配列はその生物に関連している方法。
  17. 請求項1ないし1のいずれか1項記載の方法の使用を含み、標的核酸配列はその遺伝子に関連しているかその内部にある配列に相当するものである、特定の遺伝子をコードする核酸を単離する方法。
  18. 非凝集金属粒子を表面増強共鳴ラマン散乱SER(R)S活性種(SAS)及びTBSと配合する工程であって、各TBSが標的配列の全部または一部と相補する核酸または核酸アナログを含むものである、工程を含み、それにより上記SASとTBSが金属表面に対する化学吸着を促進するために用いられる表面探査基(SSG)を介して上記金属粒子に結合する、各々異なる標的結合種(TBS)を有する第1の薬剤と第2の薬剤を含む検出剤であって、各TBSが標的配列の全部又は一部に結合することができる、検出剤を生産する方法。
  19. 金属表面に対する化学吸着を促進するために用いられる表面探査基(SSG)を介してSER(R)S活性種(SAS)と標的結合種(TBS)に結合している非凝集金属粒子を含む検出剤であって、TBSが、標的配列の全部または一部と相補する核酸または核酸アナログを含むものであり、検出剤が、各々異なるTBSを有する第1の薬剤と第2の薬剤を含み、それにより上記SASとTBSが金属表面に対する化学吸着を促進するために用いられる表面探査基(SSG)を介して上記金属粒子に結合するものである、検出剤。
  20. 各々が識別可能なSASを有する、請求項19記載の2つ以上の検出剤を含む組成物。
  21. 請求項19又は2記載の検出剤又は組成物と、請求項1ないし1のいずれか1項記載の方法を実施するための1つの付加的な材料を含むキット。
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