JP4694485B2 - 核酸配列の同定 - Google Patents

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Description

本発明は、改変された分子ビーコンを用いてサンプル中の特定の核酸配列を検出または同定するための方法および材料に関する。
シーケンシングされたゲノム内で特定のDNA配列または個々のDNA塩基を検出する能力は、シーケンシングから提供されるデータを利用するための鍵である。このデータは、遺伝子発現のモニタリング、および伝染性疾患および遺伝性疾患を含む特定の疾病状態の評価または診断を含む複数の様式で用いることができる。
近年、特定のDNA配列を検出する複数の巧妙な方法が報告された。最も広く用いられているものはPCR増幅の間の蛍光検出に基づくものであり、クローズドチューブホモジニアスアッセイ(closed tube homogenous assay)である。これらは、分子ビーコン1、Taqman2、Scorpion3およびハイブリダイゼーションプローブ4を含む。これらの方法は、現在最も利用されているものとして広く許容されているが、もっぱら蛍光検出に依存するものであり、特有の長所と短所を有する。
長所としては、これらの方法が広く許容され、用いられている検出技術であり、標識の付加がよく確立されており、器具類およびデザイナープローブが市販されていることである。主な短所は、蛍光の検出限界のために、十分な数の標的を生成するのに多数のPCRサイクルを行う必要があり、ホモジニアスなマルチプレックス化は、内部標準を用いた場合にせいぜい4および3である。分子ビーコンなどの消光プローブを用いる場合の問題の1つは、フルオロフォアの消光が100%未満であるために常にバックグラウンド蛍光があるということである。これは、シグナル対ノイズ比、したがって感度を低減させる。
この問題を解決する試みにおいて、Dubertretらは、5'-FAM標識(ここで、フルオレセインはアミド標識を介して連結している)を有し、ホスフィン配位子を介して分子ビーコンの3'末端に結合している金のナノパーティクルを用いた5
この研究では、金のナノパーティクルの存在のために消光が改善された。また、用いられたプローブは、室温で一塩基ミスマッチを検出することもできた。
サンプル中の特定の核酸配列を検出または同定するための新しいフォーマット、特に現在用いられているものに対して1または2以上の利点を有するものが、当該技術分野に対する貢献をもたらすことは、上記から明白であろう。
米国特許第5 721 102号 WO 97/05280 WO 99/60157 Marshall & Hodgson (1998) Nature Biotechnology 16、27〜31 Cruickshank & Stockwell (1988) Tetrahedron Letters 29: 5221〜5224 Grahamら(1997) Anal Chem 69: 4703〜4707 Wagnerら(1993) Science 260: 1510〜1513 S. M. Elbashir、W. Lendeckel、T. Tuschl、"RNA interference is mediated by 21- and 22-nucleotide RNAs." Genes Dev.、15、p l88〜200 (2001) S. M. Elbashir、J. Harborth、W. Lendeckel、A. Yalcin、K. Weber、T. Tuschl、"Duplexes of 21-nucleotide RNAs mediate RNA interference in cultured mammalian cells. " Nature、411、p 494〜498 (2001) S. D. Brown、"Chemical Measurements and Data Reduction from a Systems Analysis Perspective"、TrAC、6 (10) 260〜266 (1987) S. D. Brown、"Chemometrics"、Encyclopedia of Statistical Sciences、Update、Wiley-Interscience: New York、NY、Update Vol. 3、77〜87 (1998) S. D. Brown、Encyclopedia of Analytical Chemistry、"Chemometrics."、R. A. Myers, Ed.、Wiley Interscience、pp 9669〜9671 (2000) K. L. MelloおよびS. D. Brown、"Novel 'Hybrid' Classification Method Employing Bayesian Networks"、J. Chemom.、13、579〜591 (1999) K. L. MelloおよびS. D. Brown、"Combining Recursive Partitioning and Uncertain Reasoning for Data Exploration and Characteristic Prediction"、Proceedings、AAAI Symposium on Predictive Toxicology、119〜122 (1999) K. L. MelloおよびS. D. Brown、"System for Discovering Implicit Relationships in Data and a Method of Using the Same"、米国特許第6466929号, 10/15/02発行 N. A. WoodyおよびS. D. Brown, "Partial Least Squares Modeling of Continuous Nodes in Bayesian Networks"、Analytica Chimica Acta、2003、490、355〜63 H. W. Tan、C. R. Mittermayr、およびS. D. Brown、"Robust Calibration with Respect to Background Variation"、Applied Spectrosc.、55、827〜33 (2001) R. N. Feudale、H.-W. Tan、S. D. Brown、"Piecewise Orthogonal Signal Correction"、Chemom. Intell. Lab. Syst.、63、129〜38 (2002) Strekal, N.、Maskevich, A.、Maskevich, S.、Jardillier, J. C.、Nabiev, I.、Biopolymers 2000、57、325〜328 Antunes, P. A.、Constantino, C. J. L.、Aroca, R. F.、Duff, J.、Langmuir 2001、17、2958〜2964 C H Munroら、Analyst (1995)、120、p993 S B Primrose、"Principles of Genome Analysis"、Pub. Blackwell Science、Oxford、UK、1995 Piatek, A. S.、Tyagi, S. 、Pol, A. C.、Telenti, A.、Miller, L. P. 、Kramer, F. R.、Alland、D. Nat. Biotechnol. 1998、16、359〜363 Park, S.、Wong, M.、Marras, S. A. E.、Cross, E. W.、Kiehn, T. E.、Chaturvedi, V.、Tyagi, S.、Perlin, D. S.、Journal of Clinical Microbiology、2000、38、2829〜2836 Bratu, D. P.、Cha, B. J.、Mhlanga, M. M.、Kramer, F. R.、Tyagi, S.、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、2003、100、13308〜13313 WO 96/01687 Analyst (2003) 128、6、692〜699
本発明者らは、柔軟で、一塩基の識別が可能であり、「ワンポット」マルチプレックス化のための十分な能力を有するアッセイにおいて用いることができる新しい種類の生体分子プローブを発明した。好ましい実施形態においては、アッセイは超高感度なプローブを提供するために、蛍光および表面増強ラマン散乱(SERS)の検出技術を組み合わせる。
当該技術分野において知られているように、ラマンスペクトルは、検体に入射する光が検体中の核運動および電子の励起によって散乱されるために生じる。スペクトルが記録されている検体は、適切な表面、たとえば金属粗面に緊密に会合している場合、これは検出感度の大幅な増大をもたらし、この効果は検体が「活性な」表面の近くに位置すればするほどより顕著となる(最適な位置は、表面周囲の最初の分子層、すなわち、表面から2nm以内である)。これは、SERSと呼ばれる。
感度のさらなる増加は、検体の共鳴周波数で操作することにより得ることができる(この場合、通常対象となる標的に色素が結合している)。色素の吸光度極大に調整されたコヒーレント光源の使用は、感度の103〜105倍の増加を引き起こす(レーザー励起はまた、表面プラズモン共鳴の極大に設定してもよく、これは色素の極大と同一であってもなくてもよい)。表面増強効果および共鳴効果はSERRSを与えるために組み合わせることができ、一連の励起周波数はなお組み合わされた増強効果をもたらすだろう。
このように、SERRSの技術は、2つの条件が満たされたときに、検体の振動のフィンガープリントをもたらす。これらの条件は、(i)適切な金属の上へ吸着、および(ii)可視性のクロモフォアの存在である6、7。金属の使用は、さらに、蛍光が効率的に消光されることを意味する7。これは、標準的なフルオロフォアを包含する広範な有色分子が、優れたSERRSシグナルを与えることを意味する。
SERRSが好まれるので、簡潔のため、本明細書中では一般にこの用語を用いる。しかし、SERSが望まれる場合、たとえば赤外領域の励起周波数を用いてバックグランド蛍光を最小化する場合には、本発明はSERSによっても行い得ることが理解されるだろう。
SERRSビーコンは、その2つの末端の各々に異なる色素を有する二重標識されたプローブである。従来のビーコンにおいては、DABCYLのような消光剤が色素と共に用いられている。本発明においては、色素の1つは、それが適切な金属表面上へオリゴヌクレオチドプローブを固定化できるように、特別に設計される。使用時に、SERRSビーコンは金属表面に「クローズド状態(closed state)」で固定化され、このことにより、有色種の表面への近さが原因で、両方の色素に対応したSERRSスペクトルが検出可能であるという効果を有する。
相補配列がハイブリダイズすると、SERRSビーコンが開き、色素の1つは表面から除去され、この結果、SERRSシグナルは、表面上の色素のみを示し、他の色素は示さないように変化する。異なる色素の幅広い組合せは、DNA配列の同時的マルチプレックス分析のための充実したコーディングポテンシャルを与える。
本発明の好ましい実施形態は、図1に示してある。このSERRSビーコンは、一方の末端にフルオロフォアを、他方の末端に特別に設計された表面探索(surface-seeking)色素を有する。「クローズド状態」で金属表面上に固定化されている場合、金属と色素の両方が蛍光の消光剤として作用するが、それでもなお、有色種の表面への近さのために、両方の標識に対応するSERRSスペクトルは依然として検出可能である。SERRSビーコンがオープンになったとき、フルオロフォアは表面から離れる。その結果、色素と金属の消光効果の低減がもたらされる。こうして蛍光が発せられ、SERRSシグナルは、表面上の色素のみを示し、フルオロフォアからのシグナルを示さないように変化する。
本発明の好ましい実施形態においては、フルオロフォアと色素の組合せを用いて「バイナリーコード」を構築することができる。同じフルオロフォアを異なる色素と共に用いることができ、また、異なるフルオロフォアを同じ色素または2種以上の異なる色素と共に用いることができる。
SERSはすでに複数の核酸検出フォーマットに適用されている(たとえば、米国特許第5 721 102号(Vo Dinhら)、WO 97/05280(ストラスクライド大学)、およびWO 99/60157(Zeneca)を参照)。しかし、分子ビーコン技術へのその応用、および上記で論じた利点は、これまで認識されていなかった。
したがって、本発明の最初の観点においては、サンプル核酸における標的ヌクレオチド配列の存在または不存在を決定するための方法であって、
(a) 検出剤を提供する工程であって、検出剤が:
(i)以下:
-標的配列に相補的な標的相補配列(TCS)、
-TCSに隣接する第一および第二オリゴヌクレオチドアーム、
を含むプローブであって、
前記第一および第二オリゴヌクレオチドアームはステム二本鎖を形成し、
かつ、前記第一アームには、表面増強ラマン分光法(SERS)によって検出可能な第一標識部分が組み込まれ、
かつ、前記第二アームは、SERSによって検出可能な第二標識部分で終止し、
ここで、前記第二アームは、増強表面への第二標識の会合を促進することが可能な表面探索基(surface seeking group; SSG)をさらに含む、プローブ、
(ii)前記第一および第二標識部分が、互いに、かつ増強表面に対して近接するように、前記プローブに前記SSGを介して会合した増強表面、
を含む工程と、
(b)サンプルを検出剤に曝露する工程と、
(c)サンプル中に存在する任意の標的配列へのTCSのハイブリダイゼーションを、前記剤のSERSスペクトルの変化によって検出する工程と、
を含む方法が開示される。
他の分子ビーコンと同様に、ステム二本鎖は、アッセイ状況下の検出温度より高い融解温度を有する。サンプル中に存在する任意の標的配列へのTCSのハイブリダイゼーションにより、二本鎖の第一および第二オリゴヌクレオチドアームの分離が引き起こされる。この場合、第二標識部分が増強表面にもはや近接しないようになる。増強表面への近接性の低減がもたらす表面増強の減少は、第二標識部分のSERSスペクトル、したがって、全体的なSERSスペクトルの変化をもたらす。
「終止する」とは、プローブが「クローズド」状態にある場合に、標識部分が金属表面へ接近することをアームが立体的に阻害しないように、標識部分が、アーム末端、またはその十分近くにあることを意味する。一般的に、標識はアームの実際の末端にあることが好ましいが、これは必須ではない。特に、第一標識部分が表面増強蛍光(SEF、以下でより詳細に述べる)を含む蛍光によって検出可能である場合、それは剤のアームの内部に存在することが好ましいかもしれない。
好ましい実施形態においては、第一標識部分は、蛍光とSERSの両方によって検出可能である。この場合、増強表面への近接性が低減することにより、また、前記第一標識部分の蛍光の増加を引き起こす。これは、増強表面による蛍光の消光が減少すること、および/または、第二標識部分の近接性が減少することにより生じるものである。
したがって、この実施形態において、サンプル中に存在する任意の標的配列へのTCSのハイブリダイゼーションの検出を行う工程(c)は、追加的にまたは代替的に、剤の蛍光の変化を検出することによって行うことができる。
剤へのサンプルの曝露は、サンプルの標的配列への剤の結合を可能にするための、両者を十分に接触させる任意の形態をとることができる。一般的に、これは、これらの構成要素の溶液を混合することである。
本発明のいくつかの実施形態および観点は、これからさらに詳細に論じられる。
(標的核酸およびサンプル核酸)
「サンプル核酸」は、DNA(任意の供給源からのもの、たとえばゲノムDNA、cDNA、合成DNAなど)、RNA(たとえば、mRNA、tRNA、rRNA、合成RNAなど)またはこれらの誘導体を含む、任意の核酸であることができる。一般的に、それは少なくとも10ヌクレオチド長、より好ましくは少なくとも20、30、40、50、100または200ヌクレオチド長である。サンプルは、所定の供給源に存在する核酸の全てまたはその一部のみであることができる。サンプルは、その中のサンプル核酸を試験過程においてより利用可能とするために、試験する前に調製してもよい。たとえば、サンプル核酸を完全にまたは部分的に精製してもよく、および/または、断片を産生し、分離してもよい。直接サンプル中の核酸を使用することに対する代替策として、またはこれに追加して、複製物を調製し使用してもよい(たとえばPCRを用いて)。用語「サンプル核酸」は、これら全ての可能性をカバーする。
一般的に、サンプル核酸は、配列検出の前に一本鎖核酸として調製される。
必要に応じて、サンプルは固相上にブロットされ、つながれ、あるいは固定化されてもよく、場合によってアレイの形態(たとえば、いわゆる核酸チップ、たとえば、Marshall & Hodgson (1998) Nature Biotechnology 16: 27〜31を参照)であってもよい。
「標的」配列自体は、調査することが所望されるサンプル中の任意の長さの任意の配列であってもよい。したがって、それはゲノムまたはサブゲノム核酸、染色体、染色体外ベクター、または遺伝子、またはモチーフ、または非コード配列、または配列タグ部位、または発現配列タグ中に見出される任意の配列であってもよい。配列は任意のソース、たとえば、データベース上に公開された資料に由来してもよい。
配列は所定のゲノム内で一つしか存在していなくともよく、またはゲノム内に複数存在してもよい(本発明の方法は、その存在頻度を測定するのに用いてもよい)。同様に、配列は特定の個体、または集団、または種、属、科などに対して一つしか存在していなくともよく、または、これらの分類の2つ以上に存在してもよい。標的配列の長さは、所定のゲノムサイズ内におけるその存在の可能性の統計学的尤度に基づいて選択してもよい。たとえば、酵母においては16塩基までの配列、ヒトにおいてはもう少々長い(たとえば、17〜24)配列が、これらの生物においてユニーク配列を示すのに十分であり得ることが示唆されている。
特に想定されるのは、核酸「変異体」の検出である。これらは一ヌクレオチド変異体(突然変異または多型)、または様々な数のタンデムリピート、または他のサテライトまたはマイクロサテライトリピートを含んでもよい。したがって、これらの場合における標的配列は、所定のより長い配列内の単一の塩基のみ、または、複数の塩基対によって特徴付けることができる。
以下でさらに詳細に述べられているとおり、適切な、特徴的な剤を同時に用いて、複数の標的配列を探索することが望ましいかもしれない。
(標的相補配列)
剤のTCSは、一般的に、標的配列の全部または一部に相補的である、核酸(DNAもしくはRNA)または修飾核酸、または核酸アナログに基づく。
一部の状況下(たとえば、TCSが注文に応じて合成されない場合)においては、その配列を知るのは必ずしも必要でないかもしれない。たとえば、核酸は(既知の)供給源から採取し、切断し、切断された部分を、本発明の検出剤を調製するのに用いることができる。したがって、たとえ配列が確立されていなくとも、標的(元の供給源)は予め決まっている。
「相補的」とは、標的配列と特異的な塩基対合が可能であることを意味し、ここでAはT(およびU)の相補対であり、GはCの相補対である。一般的に、相補核酸は、逆平行であり、すなわち、一方は5'から3'へと続くが、他方は3'から5'へと続く。修飾核酸、または核酸アナログが用いられる場合、塩基対合は、対応する修飾塩基または類似体塩基と、それに見合った相補的な標的配列との間で生じる。
通常、核酸ハイブリダイゼーション条件は、陰性のリン酸骨格の反発力を防ぐために、塩の存在を要することが知られている。しかしながら、塩を添加しないことが好ましい場合、これは、修飾核酸の使用、または核酸のアナログの使用により回避することができる。たとえば、中性であるか、または少なくとも両性イオン性であるDNAの形態は、ハイブリダイゼーションが生じるのに高い塩濃度を要しないことが知られている。これの1つの可能な例は、Cruickshank & Stockwell (1988) Tetrahedron Letters 29: 5221〜5224により、後にGraham et al (1997) Anal Chem 69: 4703〜4707において記載されたようなプロパルギルアミノ修飾塩基である。この特定の修飾はまた、塩基対合のより高い特異性を促すと考えられている(Wagner et al (1993) Science 260: 1510〜1513を参照)。別の実施形態においては、ペプチド核酸(PNA)が、コロイドを集めるプローブのために用いられる。
TCSは、標的配列に適した任意の長さ(上記参照)であってよいが、一般的に10ヌクレオチドからおよそ140ヌクレオチド、より好ましくは20から60ヌクレオチドの間である。
1つの実施形態において、TCSは、典型的に19〜23ヌクレオチドの間の長さの、いわゆる「siRNA」に基づく。本発明は、たとえば、サイレンシングする遺伝子へのsiRNAの結合を検出するのに用いることができる(たとえば、S. M. Elbashir、W. Lendeckel、T. Tuschl、"RNA interference is mediated by 21- and 22-nucleotide RNAs." Genes Dev.、15、p l88〜200 (2001)、S. M. Elbashir、J. Harborth、W. Lendeckel、A. Yalcin、K. Weber、T. Tuschl、"Duplexes of 21-nucleotide RNAs mediate RNA interference in cultured mammalian cells. " Nature、411、p 494〜498 (2001)を参照)。
(二本鎖)
ステム二本鎖は、好ましくは3〜25ヌクレオチドの間の長さ、より好ましくは6ヌクレオチドと12ヌクレオチドの間の長さである。一般的に、それは、単一のプローブをヘアピン状にする相補配列(第一および第二アーム)により形成され、すなわち、好ましくは、第一アームは、第一アームの末端に直接隣接する6〜12ヌクレオチドの間の配列であって、第二アームの末端に直接隣接する第二アーム配列のヌクレオチドに相補的な配列を含む。好ましくは、二本鎖の融解温度は、選択された検出温度(この検出温度は、一般的に室温である)より少なくとも5℃高い。
前記アーム配列のうちの1つは、標的核酸配列と少なくとも部分的に相補的であってもよい。
(SERSによる検出)
これは、たとえばWO 97/05280(ストラスクライド大学)に開示されているような慣用の方法によってもよい。
したがって、SERSにおいて、主要な測定結果は、散乱光の強度および放射の波長である。入射ビームの角度も検出器の位置も重要ではない。平らな表面では、入射レーザービームは、しばしば表面に60°の角度で当たるように設置され、検出は、入射ビームに対して90°または180°でなされる。コロイド懸濁液では、検出は入射ビームに対していかなる角度でもあってもよく、ここでも90°がしばしば用いられる。
アッセイの検出工程は、SERSスペクトルを測定することを含んでもよく、この測定は定量的であってもよい。上記で論じたとおり、本発明の全ての観点および実施形態において、SERSがSERRSであり、標識部分がSERRSに適していることが好ましい。
複数の装置がSERSシグナルを収集するのに適しており、これには波長選択ミラー、散乱光検出用のホログラフィック光学素子、および光ファイバー導波管が含まれる。格子、プリズムおよびフィルターは、たとえば、異なる散乱周波数を区別するのに用いることができる。SERSシグナルの強度は、電荷結合素子(CCD)、シリコンフォトダイオード、または、単独で、もしくはシグナルのカスケード増幅のために直列に配置された光増倍管を用いて測定することができる。光子計数技術を、高感度な検出のために用いることができる。検出器の選択は、特定のアッセイを行うために要求される検出感度に大きく依存する。
1つの実施形態においては、分光計ではなく、フィルターと光増倍管とを用いて総ラマン散乱を収集するのが好ましい場合がある。
マルチプレックス化(下記参照)を行った場合、一般的に、様々な波長にわたる複雑なSERSスペクトルが得られる。目視による分析は可能かもしれないが、SERSスペクトルを得るための、および/または分析するための方法は、コンピューターなどの何らかの形態のデータ処理装置の使用を好ましくは含む。複雑なスペクトルデータを統計学的に分析し、解明する方法は当業者によく知られており、それ自体本発明の一部を形成することはない。このような方法は、たとえば、ニューラルネットワーク、部分最小二乗法分析、密度関数アルゴリズムなどを利用してもよい(たとえば、S. D. Brown、"Chemical Measurements and Data Reduction from a Systems Analysis Perspective"、TrAC、6 (10) 260〜266 (1987)、S. D. Brown、"Chemometrics"、Encyclopedia of Statistical Sciences、Update、Wiley-Interscience: New York、NY、Update Vol. 3、77〜87 (1998)、S. D. Brown、Encyclopedia of Analytical Chemistry中の"Chemometrics."、R. A. Myers, Ed.、Wiley Interscience、9669〜9671頁 (2000)、K. L. MelloおよびS. D. Brown、"Novel 'Hybrid' Classification Method Employing Bayesian Networks"、J. Chemom.、13、579〜591 (1999)、K. L. MelloおよびS. D. Brown、"Combining Recursive Partitioning and Uncertain Reasoning for Data Exploration and Characteristic Prediction"、Proceedings、AAAI Symposium on Predictive Toxicology、119〜122 (1999)、K. L. MelloおよびS. D. Brown、"System for Discovering Implicit Relationships in Data and a Method of Using the Same"、米国特許第6466929号、10/15/02発行、N. A. WoodyおよびS. D. Brown、"Partial Least Squares Modeling of Continuous Nodes in Bayesian Networks"、Analytica Chimica Acta、2003、490、355〜63、H. W. Tan、C. R. Mittermayr、およびS. D. Brown、"Robust Calibration with Respect to Background Variation"、Applied Spectrosc.、55、827〜33 (2001)、R. N. Feudale、H.-W. Tan、S. D. Brown、"Piecewise Orthogonal Signal Correction"、Chemom. Intell. Lab. Syst.、63、129〜38 (2002)を参照)。
(蛍光による検出)
第一標識がフルオロフォアである場合、蛍光の検出は、最初の迅速スクリーニングとして用いることができる(たとえば、「ホット」なウェルを検出するためのマイクロタイタープレートにおいて)。最初のスクリーニングで陽性蛍光をもたらしているサンプルは、その後SERSによって調べることができる。
本発明の性質は、表面増強蛍光(SEF)の現象を、「オープン」形態にあるプローブを検出するのに用いることができるものである。SEFは、増強を証明するために、金属表面からのフルオロフォアの適切な間隔(たとえば、環境因子に依存して、約60オングストローム)を必要とする(たとえば、Strekal, N.、Maskevich, A.、Maskevich, S.、Jardillier, J. C.、Nabiev, I.、Biopolymers 2000、57、325〜328、Antunes, P. A.、Constantino, C. J. L.、Aroca, R. F.、Duff, J.、Langmuir 2001、17、2958〜2964を参照)。
したがって、フルオロフォアは、プローブ内の適切な箇所に(必ずしも第一アームの末端でなくともよい)、ハイブリダイゼーションによりオープンになるとフルオロフォアが表面から制御された距離だけ離れて存在するように誘導体化されてもよい。
(標識部分)
下記の実施例で述べるとおり、第一標識部分(蛍光とSERSの両方によって検出可能)が5'アーム配列に結合し、かつ、第二標識部分が3'アーム配列に結合することが好ましい。しかし、この逆(すなわち、3'末端にフルオロフォア)もまた利用することができる。
標識部分は、スペーサー、たとえばアルキルスペーサーを介して、前記アームに結合していてもよい。
2個以上の第一標識部分を、第一アームに組み込むことができる。上述のとおり、好ましくは、前記のまたは各第一標識部分は、第一アームの末端またはその近傍に組み込まれる。
適切なSERS活性を有する(より好ましくは、SERRS活性を有する)種の化合物は、
フルオレセイン色素、たとえば5-(および6-)カルボキシ-4',5'-ジクロロ-2',7'-ジメトキシフルオレセイン、5-カルボキシ-2',4',5',7'-テトラクロロフルオレセインおよび5-カルボキシフルオレセイン、
ローダミン色素、たとえば5-(および6-)カルボキシローダミン、6-カルボキシテトラメチルローダミンおよび6-カルボキシローダミンX、
フタロシアニン、たとえばメチル、ニトロシル、スルホニルおよびアミノフタロシアニン、
アゾ色素、たとえばC H Munroら、Analyst (1995)、120、p993に列挙されたもの、
アゾメチン、
シアニンとキサンチン、たとえばメチル、ニトロ、スルファノおよびアミノ誘導体、および、
サクシニルフルオレセイン
を含む。
下記の実施例で述べられているとおり、フルオレセインは本発明の好ましいSERS色素、たとえばアゾ-ベンゾトリアゾール誘導体に基づくもの(下記参照)により、特に効率的に消光される。
これらの例の各々は、任意の従来の方法で置換してもよく、多数の有用な標識を使用することができる。
任意の所定のケースにおける標識の選択は、たとえば、標識の共鳴周波数、存在している他の種、標識の有効性、レーザー励起装置の選択などの要因に依存する。第二標識部分が、極めて容易に誘導体化することができる(下記参照)アゾ基であることが好ましい場合がある。しかしながら、当業者は、他のSASもまた、本発明において容易に利用できることを認識するだろう。
色素は、金属表面と、共有結合的なまたは非共有結合的な相互作用により会合することができる。特に好ましいのは、上述のSSGの使用である。
(SSG)
「表面探索基」(SSG)は、金属表面に極めて緊密に結合するものであり、WO 97/05280(ストラスクライド大学)において述べられている。SSGは、一般的に、錯体生成性もしくはキレート性であり、または架橋配位子もしくはポリマー形成基を含む。SSGと金属表面との間の相互作用は、典型的には、表面上への錯体の化学吸着によるか、または錯体と表面上のコーティングとの化学結合による。
当然のことながら、SSGの選択は、表面の性質(たとえば、その電荷、および酸化物または他の層の有無など)、およびこれに関連する任意の表面コーティングまたは他の種(たとえばクエン酸還元剤)の性質、また、プローブの性質に依存する。大部分の有用な表面に関して、官能基は好ましくはルイス塩基を含む。理想的には、それは使用持に表面に積極的に求引される。金表面に関しては、柔軟な窒素配位子と共に、リンおよび硫黄を含有する基が、特に好ましいだろう。
したがって、剤が活性表面に結合し得る好適な基は、錯体形成基、たとえば、窒素、酸素、硫黄およびリン供与体、キレート基、架橋配位子およびポリマー形成配位子を含む。
(SSG-トリアゾールおよびベンゾトリアゾール)
トリアゾール基(式A1)は、窒素の孤立電子対が豊富であり、ある種の金属コロイドに対して特別な親和性を有するようである。したがって、剤へのこの基の組み込みは、特に好ましい。なぜならば、トリアゾール基を組み込むことによって、標識が表面へ近接することを増大させることができ、それにより、プローブが標的配列に結合した場合に表面増強効果が生じさせることができるからである。
好ましくは、特に金属表面が銀または銅をベースとする場合に、剤はベンゾトリアゾール(BT)基(式A2)を組み込む。BT基は高度な共役を有し(特に脱プロトン化される場合)、したがって、特に標識の共鳴に依存するSERRS検出に特に適している。
ベンゾトリアゾール誘導体(たとえば式A3で示されるものなど)は容易に得ることができ、既存の標識(たとえばアゾ色素など)と結合させて、適切に単一の標識部分/SSGを与えることができる。
好ましい形態において、SSGはSERRS活性を有するように修飾され、これをプローブを金属表面に結合するのに用いる。かかる基の例は、アゾ-ベンゾトリアゾール誘導体(式A4)、および、典型的にはアゾ置換基をベンゾトリアゾール誘導体と組み合わせることにより形成されるその置換誘導体を含む。適切なアゾ-ベンゾトリアゾールの例は、4-、5-、6-、および7-アゾ-1H-ベンゾトリアゾールおよびその置換誘導体を含む。化合物は、標識の吸光度極大の波長を増大させるアゾクロモフォアを含む。
1つの実施形態においては、化合物は以下の式:
(式中、
RAZは、独立してアゾ置換基であり、
nは、独立して0、1、2または3であり、
各RBは、独立してベンゾ置換基である)
で表される化合物から選択される。
1つの実施形態においては、化合物は以下の式:
(式中、
RAZは、独立してアゾ置換基であり、
RB4、RB5、RB6、およびRB7の各々は、独立して-Hまたはベンゾ置換基である)
で表される化合物から選択される。
1つの実施形態においては、化合物は式A5-3および式A5-4の化合物から選択される。
1つの実施形態においては、化合物は式A5-3(「6-位」アゾ)の化合物から選択される。
好ましい実施形態においては、化合物は式A5-4(「7-位」アゾ)の化合物から選択される。
(プローブおよびリンカー)
全ての場合において、化合物は、プローブに結合している(たとえばプローブのヌクレオチドアームに、直接的にまたはリンカー(たとえばアルキルリンカー)を介して結合している)。たとえば、下記の「合成」の表題の下を参照のこと。
一般的に、長さが炭素5個、10個または15個未満のリンカーが好ましい。異なるリンカー(たとえば、リンカーの異なる長さ)もまた、下記のように、剤に分子特異的なSERRSスペクトルを提供することができる。
たとえば、ベンゾ置換基(RB、たとえば、RB4、RB5、RB6、RB7)のうちの1つ、またはアゾ置換基(RAZ)(たとえば、フェニル置換基(RP、たとえば、RP2、RP3、RP4、RP5、RP6)のうちの1つ、もしくはナフチル置換基(たとえばRN1、RN2、RN3、RN4、RN5、RN6、RN7、RN8)のうちの1つ)は、プローブまたはプローブに結合したリンカーであるか、またはこれを含む。
1つの実施形態においては、ベンゾ置換基(RB、たとえば、RB4、RB5、RB6、RB7)のうちの1つは、プローブまたはプローブに結合したリンカーであるか、またはこれを含む。
残りの置換基、すなわちプローブまたはプローブに結合したリンカーであるか、またはこれを含む置換基以外のものの代替物は以下に示す。
(ベンゾ置換基(RB))
ベンゾ置換基(RB、RB4、RB5、RB6、RB7)の各々は、独立して-Hであるか、または、フェニル/ナフチルアゾ置換基における置換基について以下に定義するRPおよびRNである。
1つの実施形態において、n個のRB基のうちの1つ、またはRB4、RB5、RB6、RB7のうちの1つは、アミノ基 (-NH2)またはマレイミド基である;そして、残りの基は-Hである。
1つの実施形態において、n個のRB基のうちの1つ、またはRB4、RB5、RB6、RB7のうちの1つは、アミノ基(-NH2)またはマレイミド基であり、残りの基は-Hである。
好ましい実施形態において、RB6はアミノ基(-NH2)またはマレイミド基であり、これは、たとえば標準的なディールスアルダー反応またはまたは他のアミド結合化学により、リンカーまたは核酸に誘導体化することができる。
(アゾ置換基(RAZ))
アゾ置換基、RAZは、独立してC6〜20カルボアリールまたはC5〜20ヘテロアリールであり、場合によっては置換されている。
1つの実施形態において、RAZは、独立して単環のC6カルボアリールまたはC5〜7ヘテロアリールであり、場合によっては置換されている。
1つの実施形態において、RAZは、独立して二環のC9〜10カルボアリールまたはC8〜14ヘテロアリールであり、場合によっては置換されている。
1つの実施形態において、RAZは、独立して二環のC10カルボアリールまたはC9〜10ヘテロアリールである。
1つの実施形態において、RAZは、式
[式中、
RP2、RP3、RP4、RP5、およびRP6の各々は、独立して-Hまたはフェニル置換基であり、
場合によって、RP2、RP3、RP4、RP5およびRP6から選択される2つの隣接した基(たとえばRP2およびRP3、RP3およびRP4、RP4およびRP5、RP5およびRP6)は、これらが結合している炭素原子と一緒に、O、S、およびNから選択される1種または複数のヘテロ原子を含む、5個または6個の環原子を有する縮合環(フェニル環に縮合した)を形成する]
で表される基である。
たとえば、1つの実施形態において、RAZは、式
(式中、
RH2、RH3、およびRH4の各々は、独立して-Hであるか、または、フェニル/ナフチルアゾ置換基における置換基について以下に定義するRPおよびRNであり;W、Y、Y、およびZの各々は、独立して-CH=、-CR=、-N=、-O-、または-S-である)
で表される基である。
1つの実施形態において、RAZは、独立してフェニル、ナフト-1-イルまたはナフト-2-イルであり、場合によっては置換されている。
1つの実施形態において、RAZは、以下の式のうちの1つ
(式中、
RP2、RP3、RP4、RP5、およびRP6の各々は、独立して-Hまたはフェニル置換基であり、
RN1、RN2、RN3、RN4、RN5、RN6、RN7、およびRN8の各々は、独立して-Hまたはナフチル置換基である)
で表される基である。
(フェニル/ナフチルアゾ置換基における置換基(RPおよびRN))
1つの実施形態において、RP2、RP3、RP4、RP5、およびRP6の各々、および、RN1、RN2、RN3、RN4、RN5、RN6、RN7、およびRN8の各々は、独立して-Hまたは以下から選択される基である。
C1〜7アルキル(たとえば、-Me、-Et、-nPr、-iPr、-tBu)、
C2〜7アルケニル(たとえば、ビニル、アリル)、
C2〜7アルキニル(たとえば、プロパルギル)、
C3〜10シクロアルキル(たとえば、シクロヘキシル)、
C3〜10シクロアルケニル(たとえば、シクロヘキセニル)、
C6〜20カルボアリール(たとえば、フェニル、ナフチル)、
C5〜20ヘテロアリール(たとえば、ピリジル)、
ハロゲン(たとえば、-F、-Cl、-Br、-I)、
カルボキシ(-COOH)、
ホルミル(-CHO)、
アシル(-C(=O)R)(たとえば、-C(=O)Me、-C(=O)Ph)、
アミノ-アシル(-C(=O)NH2、-C(=O)NHR、-C(=O)NR2)(たとえば、-C(=O)NHMe)、
アミノ-C1〜7アルキル(たとえば、-(CH2)nNH2、-(CH2)nNHR、-(CH2)nNR2、n=1〜6)、
アミノ-メチル(-CH2NH2、-CH2NHR、-CH2NR2)(たとえば、-CH2NHMe)、
カルボキシ-C1〜7アルキル(たとえば、-(CH2)nCOOH、n=1〜6))、
カルボキシ-メチル(-CH2COOH)、
ヒドロキシ-C1〜7アルキル(たとえば、-(CH2)nOH、n=1〜6)、
ヒドロキシ-メチル(-CH2OH)、
オキシ-C1〜7アルキル(たとえば、-(CH2)nOR、n=1〜6)、
オキシ-メチル(-CH2OR)(たとえば、-CH2OMe)、
ハロ-メチル(-CH2X、-CHX2、-CX3)(たとえば、-CH2F、-CF3)、
アミノ(-NH2、-NHR、-NR2)(たとえば、-NMe2)、
シクロアミノ(たとえば、モルホリノ、ピペリジノ、ピペラジノ)、
アジド(-N3)、
ニトロソ(-NO)、
ニトロ(-NO2)、
エチニル(-C≡CH、-C≡CR)(たとえば、-C≡CH、-C≡CMe)、
イミノ-メチル(-CH=NH、-CH=NR)(たとえば、-CH=NMe)、
ケトン-オキシム(-C=N(OH)R)、
シクロアルキル(-CHR(-(CH2)n-)、n=2〜7)(たとえば、1-メチル-シクロヘクス-1-イル)、
尿素(-NHCONHR)(たとえば、-NHCONH2、-NHCONHMe)、
チオ尿素(-NHCSNHR)(たとえば、-NHCSNH2、-NHCSNHMe)、
アシル-アミノ(-NHCOR)(たとえば、-NHCOMe)、
アミノ(-NH2、-NHR、-NR2)(たとえば、-NH2、-NHM3、-NMe2)、
ヒドロキシ(-OH)、
エーテル(-OR)(たとえば、-OMe、-OPh)、
ホスフェート(-OP(=O)(OR)2)(たとえば、-OP(=O)(OH)2)、
シリル(-SiR3)(たとえば、-SiMe3、-SiPh3)、
スルフヒドリル(-SH)、
チオエーテル(-SR)(たとえば、-SMe)、
ジスルフィド(-SSR)(たとえば、-SSMe)、
スルホン酸(-S03H)、
セレニド(-SeR)(たとえば、-SeMe)、
スタニル(-SnR3)(たとえば、-SnMe3、-SnPh3)、
プルンビル(-PbR3)(たとえば、-PbMe3、-PbPh3)、
(ここで、Xは-F、-Cl、-Br、または-Iであり、
各Rは、独立してH、C1〜7アルキル、C2〜7アルケニル、C2〜7アルキニル、C3〜10シクロアルキル、C3〜10シクロアルケニル、C6〜20カルボアリールまたはC5〜20ヘテロアリールである)
1つの実施形態において、RP2、RP3、RP4、RP5、およびRP6の各々、および、RN1、RN2、RN3、RN4、RN5、RN6、RN7、およびRN8の各々は、独立して-H、または水素、ヒドロキシ、C1〜4アルコキシ、アミノ、C1〜4アルキル-アミノ、ニトロ、シアノ、C1〜7アルキル、C3〜10シクロアルキル、C6カルボアリール、C6ヘテロアリール、ハロゲン、カルボキシ、スルフォネート、ホスフェート、およびスルフヒドリルから選択される基である。
1つの実施形態において、RP2、RP3、RP4、RP5、およびRP6の各々、および、RN1、RN2、RN3、RN4、RN5、RN6、RN7、およびRN8の各々は、独立して-H、または水素、ヒドロキシ、C1〜4アルコキシ、アミノ、C1〜4アルキル-アミノ、ニトロ、およびシアノから選択される基である。
1つの実施形態において、RP2、RP3、RP4、RP5、およびRP6の各々、および、RN1、RN2、RN3、RN4、RN5、RN6、RN7、およびRN8の各々は、独立して-H、-OH、-OMe、-NH2、-NO2、および-CNから選択される。
1つの実施形態において、RP2、RP3、RP4、RP5、およびRP6の各々、および、RN1、RN2、RN3、RN4、RN5、RN6、RN7、およびRN8の各々は、独立して-H、-OH、-OMe、および-NH2から選択される。
(フェニル-アゾ-1H-ベンゾトリアゾール)
1つの実施形態において、RAZは、式(A8-1)で表される基である。
1つの実施形態においては、RP2、RP3、RP4、RP5およびRP6のうちのちょうど4個が-Hである。
1つの実施形態においては、RP2、RP3、RP4、RP5およびRP6のうちのちょうど3個が-Hである。
1つの実施形態においては、RP2、RP3、RP4、RP5およびRP6のうちのちょうど2個が-Hである。
1つの実施形態においては、RP2、RP3、RP4、RP5およびRP6のうちのちょうど1個が-Hである。
1つの実施形態においては、RP2、RP3、RP4、RP5およびRP6のうちのちょうど4個が-Hであり、残りの1個が-OMeである。
1つの実施形態においては、RP2、RP3、RP4、RP5およびRP6のうちのちょうど2個が-Hであり、残りの2個の各々が-OMeである。
1つの実施形態において、RAZは、
から選択される。
1つの好ましい実施形態において、RAZは、RP3およびRP5はいずれも-OMeであり、RP2、RP4、およびRP6は-Hである、以下の基である。
(ナフチル-アゾ-1H-ベンゾトリアゾール)
1つの実施形態において、RAZは、式(A8-2)または式(A8-3)で表される基である。
1つの実施形態において、RAZは、式(A8-2)で表される基である。
1つの実施形態においては、RN2、RN3、RN4、RN5、RN6、RN7、およびRN8のうちのちょうど6個が-Hである。
1つの実施形態においては、RN2、RN3、RN4、RN5、RN6、RN7、およびRN8のうちのちょうど5個が-Hである。
1つの実施形態においては、RN1、RN3、RN4、RN5、RN6、RN7、およびRN8のうちのちょうど6個が-Hである。
1つの実施形態においては、RN1、RN3、RN4、RN5、RN6、RN7、およびRN8のうちのちょうど5個が-Hである。
1つの実施形態においては、RN1、RN3、RN4、RN5、RN6、RN7、およびRN8のうちのちょうど6個が-Hであり、残りの1個が、-OMe、-CN、または-NO2である。
1つの実施形態においては、RN1、RN3、RN4、RN5、RN6、RN7、およびRN8のうちのちょうど6個が-Hであり、残りの1個が-OMeである。
1つの実施形態において、RAZは、
から選択される。
(いくつかの好ましい化合物)
好ましい化合物(プローブと結合前)は、以下のとおりである。
この化合物および類似の化合物において、メトキシ基はニトロまたはニトリル基より好ましく(電子供与基に対して電子求引基である)、ジメトキシはモノメトキシより好ましい。二置換環系については、3',5'-置換が、2',4'-置換より好ましい。この色素は、プローブへの結合を促進するために、アミン基を有する(下記参照)。
(合成)
フルオロフォアおよび/または色素をプローブに誘導体化する適切な化学は当業者によく知られており、それ自体は本発明の一部を形成しない。
本発明の色素およびSSGはまた、他の標準的な化学、たとえば、ブタジエンホスホルアミダイト基へのマレイミド誘導体の付加により、第二アームに結合させることもできる。たとえば、SERRSビーコンの合成は、スキーム1(図5)に例示されている。そこでは、3'-フルオレセイン固体支持体を、標準的なホスホルアミダイト化学によってプローブのオリゴヌクレオチド配列を合成するのに用いる。5'-末端において、ブタジエンホスホルアミダイトが、第2の色素標識の選択的な合成後付加のための部分を提供するのに用いられる。ベンゾトリアゾールアゾ色素のマレイミドが、ディールスアルダー付加環化によりオリゴヌクレオチドに付加される。これは、異なるアゾマレイミドの使用により様々な標識ペアを生成することを可能にし、このことによって異なるSERRSシグナルが生じ、したがって、マルチプレックス化能力を増大させる。
(代替的なSSG)
トリアゾールベースおよびベンゾトリアゾールに基づくSSGの代替物は、式A12(ここでR9は、下記のR10について定義されている置換基であってもよく、または、プローブまたはプローブに結合したリンカーであるか、またはこれを含む)に示される。
剤の表面探索部分上の官能基は、表面または表面被覆に結合した荷電した極性基(たとえば、アミン、カルボキシル、リン酸、チオール、ヒドロキシル)を含んでもよい(たとえば、ポリアミンコーティングにおけるフリーのアミン基)。
これらの例は式A13[ここで、R9は上記に定義したとおりであり、各R10は、独立して-Hおよび-(CH2)n-Q(ここでQは、-COOH、-PPh2、-SH、-NH2、または-OHであり、nは0、1、2、3、または4である)から選択され、かつ、式中のR10基のうちの3つ以下が-Hである]に示される。好ましくは、式中の、Hであるもの以外のR10基は、式A14およびA15に例示されるとおり、全て同じである。
さらなる代替的な表面探索基(SSG)が、式A16、A17およびA18(式中、XはNまたはCであり、R1lは-Ph-N=N-RAZまたは-CH2-Ph-N=N-RAZである)に示されている。
本剤のための別の適切な表面探索基は、カリクセレン(calixerene)およびメルカプトベンゾトリアゾールを含む。
(増強表面)
「増強表面」は、SERSを行うのに適した任意の表面である。クエン酸還元銀ナノ粒子8、9およびPVA/銀フィルム10を含む、様々な金属表面が、表面増強を得るために当該技術分野で用いられている。銀/PVAフィルムは、強靱であり、取扱が容易であり、制御不能な拡散を防ぐPVA面の親水性によりSERSビーコンの正確なスポッティングを可能にする。
好ましくは、表面はコロイド状金属粒子または固体表面により提供され、すなわち、プローブは、溶液状プローブまたは表面アレイの両方の状態において用いることができる。
(剤を製造する方法)
本発明のさらなる観点においては、本明細書中に記載された方法に用いる検出剤を製造する方法であって、
(i)プローブを提供する工程であって、プローブが:
-検出すべき標的配列に相補的な標的相補配列(TCS)、
-TCSに隣接する第一および第二オリゴヌクレオチドアーム、
を含み、
前記第一および第二オリゴヌクレオチドアームはステム二本鎖を形成し、
かつ、前記第一アームには、表面増強ラマン分光法(SERS)によって検出可能な第一標識部分が組み込まれ、
かつ、前記第二アームは、SERSによって検出可能な第二標識部分で終止し、
ここで、前記第二アームは、増強表面への第二標識の会合を促進することが可能な表面探索基(SSG)をさらに含む、
工程、
(ii)前記第一および第二標識部分が、互いに、かつ増強表面に対して近接するように、前記プローブのSSGを介して、前記プローブを増強表面と会合させる工程、
とを含む方法が開示される。
好ましくは、前記第一アームには、蛍光および表面増強ラマン分光法(SERS)によって検出可能な第一標識部分が組み込まれている。
本発明のさらなる観点においては、本明細書中に記載された検出剤に用いるプローブを製造する方法であって、
(i)核酸を合成する工程であって、核酸が:
-検出すべき標的配列に相補的な標的相補配列(TCS)、
-TCSに隣接する第一および第二オリゴヌクレオチドアーム、
を含み、
前記第一および第二オリゴヌクレオチドアームがステム二本鎖を形成することが可能であり、
ここで、前記核酸が3'から5'方向へ合成され、
かつ、核酸の3'末端が、表面増強ラマン分光法(SERS)によって検出可能な第一標識部分を介して固体支持体につながれている、
工程、
(ii)前記核酸の合成に続き、核酸の5'末端に、SERSによって検出可能であり、増強表面上への第二標識の会合を促進することが可能な表面探索基(SSG)を含む第二標識部分を結合させる工程と、
を含む方法が開示される。
好ましくは、第一標識部分は、蛍光および表面増強ラマン分光法(SERS)によって検出可能である。
第一および第二標識部分は、本明細書中で述べられたいずれのものであってもよく、たとえば、第一標識部分はFAMであってもよく、第二標識部分はアゾベンゾトリアゾールであってもよい(たとえば、スキーム1を参照)。
5'末端への結合は、標準的な誘導体化化学、たとえば、核酸合成において一般的に用いられているホスホルアミダイト化学、および/または、たとえば、ブタジエン/マレイミド付加に基づく、ディールスアルダー付加環化(参考文献18〜20を参照)を用いてもよい。
代替的な実施形態においては、核酸の3'末端は、第二標識部分を介して固体支持体につながれており、第一標識部分(SERSおよび場合によって蛍光によっても検出可能)は、5'末端に付加される。この場合、第一標識部分(たとえば、ベンゾトリアゾール色素)を3'末端に結合させるために、ジエン固体支持体を用いるのが好ましい。
(マルチプレックス化)
1つの好ましい実施形態においては、2種以上の標的配列が、識別可能な検出特性を有する複数の検出剤を用いて測定される。
ビーコンのハイブリダイゼーションが2つの異なるシグナル(第一標識部分の影響のない第二標識部分のSERRS、および第一標識部分の蛍光)を生じさせるという事実は、これが、異なる標識の組合せを用いることにより、または以下に論じるような異なる標識化学の使用により、マルチプレックス化に特に有効であることを意味する。
したがって、本発明の1つの実施形態においては、サンプル核酸中の2種以上の標的核酸配列の存在または不存在を決定するための、本明細書中に記載された方法が提供され、前記方法は、
上記の複数の検出剤であって、各剤が前記標的配列のうちの1つに相補的な標的相補配列(TCS)を含む検出剤を提供する工程を含み、
かつ、サンプル中に存在するその対応する標的配列への、各TCSのハイブリダイゼーションの検出は、各剤のSERSスペクトル(場合によって蛍光)における変化によって検出され、
この変化は、各剤に対して特徴的である。
したがって、一般的に、本方法の剤は、特異的なTCSを有するだけではなく、識別可能な(SERSスペクトルおよび/または蛍光によって)第一標識部分、または第二標識部分、または第一および第二標識部分の両方をも有する。本明細書中で論じられているとおり、異なるフルオロフォアを同じ色素と共に用いることが可能であるとの同様に、同じフルオロフォアを異なる色素と共に用いることができるため、本発明はマルチプレックス化に特に効果的である。
特に、マルチプレックス化能力は、本明細書中で論じられている好ましい実施形態の化学に基づいて増大させることができる。したがって(ほんの一例として)、スキーム1は、3'FAMが1つのベンゾトリアゾールアゾ色素と共に用いられたことを示している。5'-標識の性質は、いったんジエン修飾ビーコン配列が合成されると、様々な異なるマレイミド色素消光剤が、構造的に類似した色素からの異なるSERRSシグナルにより、SERRSビーコンのマルチプレックス化能力を増大させるのに用いることができることを意味する。さらなる程度のマルチプレックス化は、様々な色素マレイミドと種々の環付加物を生成するのに用いられているジエンを変えることによって得ることができる22。異なる色素と同じジエンとからか、または異なるジエンと同じマレイミドとから作られる環付加物は、明確に異なるSERRSシグナルを与え、したがって1つの蛍光色素だけを用いることにより、高度なマルチプレックス化を可能にする。言うまでもなく、蛍光色素の同一性を変えることは、これがまた異なるSERRSコードを与えるため、このマルチプレックス化の程度をさらに増大させることができる。
本発明のさらなる観点においては、本明細書中に記載されたとおりの検出剤であって、
(i)以下:
-検出すべき標的配列に相補的な標的相補配列(TCS)、
-TCSに隣接する第一および第二オリゴヌクレオチドアーム、
を含むプローブであって、
前記第一および第二オリゴヌクレオチドアームはステム二本鎖を形成し、
かつ、前記第一アームには、表面増強ラマン分光法(SERS)によって検出可能な第一標識部分が組み込まれ、
かつ、前記第二アームは、SERSによって検出可能な第二標識部分で終止し、
ここで、前記第二アームは、増強表面への第二標識の会合を促進することが可能な表面探索基(SSG)をさらに含む、
プローブ、
(ii)前記第一および第二標識部分が、互いに、かつ増強表面に対して近接するように、前記プローブに前記SSGを介して会合した増強表面、
を含むものが開示される。
さらなる観点においては、上記のとおりの2種以上の検出剤であって、各々が特徴的なTCSおよび特徴的な第一および/または第二標識部分を有するものを含む組成物が開示される。
本発明の剤または組成物は、一般的に溶液として提供される。
(本発明のさらなる観点)
序論において論じたとおり、本方法はゲノミクスにおいて多数の用途を有し得、そのために、これらは核酸配列が分析される工程を利用する既存の方法と同様に用いることができる(たとえば、S B Primroseによる"Principles of Genome Analysis"、Pub. Blackwell Science、Oxford、UK、1995を参照)。
分子ビーコンは、現在まで主にPCRを伴う多数の用途(Piatek, A. S.、Tyagi, S.、Pol, A. C.、Telenti, A.、Miller, L. P.、Kramer, F. R.、Alland, D.、Nat. Biotechnol.、1998、16、359-363、Park, S.、Wong, M.、Marras, S. A. E.、Cross, E. W.、Kiehn, T. E.、Chaturvedi, V.、Tyagi, S.、Perlin, D. S.、Journal of Clinical Microbiology 2000、38、2829-2836)に用いられてきたが、最近では、mRNA用の細胞内プローブとしても用いられた(Bratu, D. P.、Cha, B. J.、Mhlanga, M. M.、Kramer, F. R.、Tyagi,、S. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 2003、100、13308-13313)。
いくつかの具体的な用途は以下のとおりである。一般的に言って、これらの全ては、単一の標的配列またはマルチプレックス化アプローチを用いて行うことができる。後者の場合、いろいろな結果の組合せを、以下の(i)から(viii)の決定をなすのに用いることができる。
(i)サンプル中のある生物(たとえば、ウイルス、プロウィルス、ビリオン、原核生物(細菌など)、真核生物(原生動物など))の存在の検出であって、たとえば、配列がその生物に対して特徴的であるために、標的配列の存在が前記生物の存在と関連している検出。
調査される配列が実際には生物に対して特徴的でないかもしれないケースにおいてさえ、その存在は(他の診断的な情報、たとえば、免疫学的情報、行動に関する情報などと共に)、その存在または不存在の決定の確実性を高めるのに用いることができる。なお一層の確実性が要求される場合には、検出は完全なシークエンシングによって確認することができる。
サンプルは、この場合、生物を含むことが疑われる任意のもの、たとえば、異なる生物から採取したサンプル、食料品、環境サンプル(たとえば、土、水など)であってもよい。生物は病原性であってもよく、または対象となるある別の性質と単に関連していてもよい。
(ii)上記の決定を行うことによる、病原体と関連する疾患の診断。サンプルは、in vitroまたはin vivoであってもよい。試験は、他の診断技法、または症状などの評価と共に行ってもよい。
(iii)上記の方法の使用を含む、DNA変異体の存在を検出することによる、DNA変化と関連している疾患の診断であって、標的配列が、変化が生じる配列に対応している診断。試験は、他の診断技法、または症状などの評価と共に行ってもよい。
(iv)特定の表現型特性を有する生物を選択する方法であって、標的配列がその特性と関連する配列に対応している方法。
(v)特定の遺伝子をコードしている核酸を単離する方法であって、標的配列がその遺伝子に関連しているか、またはその遺伝子内にある配列に対応している方法。
(vi)標的配列が、特定の個体、集団、種、属などに関連している、系統発生学的分類方法。
(vii)個体を特定する方法であって、標的配列がその個体と関連している方法。一般的に言って、これはいくつかの別々の多型を記録することを伴ってもよい(たとえば、法医学的タイピングおよびマッチングに用いられる配列に関するTullyらのWO 96/01687を参照)。
(viii)細胞または組織の発現プロファイリング方法。この場合、サンプル核酸はmRNAであるか、またはそれに由来する(たとえば、cDNA)。
さらなる観点においては、本発明の剤または組成物に加えて、本発明の方法を実践するための1つまたは2つ以上の追加の材料、たとえば、対照実験のための標的核酸を含むキットが開示される。
さらなる観点においては、上記の剤または組成物に加えて、核酸サンプルを含むシステムが開示され、核酸サンプルは、好ましくはDNAまたはRNAのサンプルであり、最も好ましくは、生物から採取されたまたは生物を構成する細胞から抽出されたものである。
かかるシステムは、
(i)反応容器、
(ii)上記の剤
(iii)核酸、
を、好ましくはホモジニアスな形式で、特に含むことができる。
さらなる観点においては、SERRS分析器に加えて、上記の剤、組成物またはシステムを含む装置、および、(たとえば)SERSシグナルを検出するためにホモジニアスなシステムを調製およびモニターする(たとえば、500から600nmの間で)工程を含む、かかる装置を使用する方法が開示される。
本発明は、これから以下の非限定的な図面および実施例を参照してさらに説明される。本発明の範囲内となる他の実施形態は、これらに照らして当業者により想起されるだろう。
(実施例1:SERRSビーコンの設計および合成)
SERRSビーコンは各末端に標識を必要とし、これはプローブのデザインに影響を及ぼす。5'標識のための複数の市販のフルオロフォアがあるが、我々は、5'-末端においてより容易である、我々の特別に設計された表面錯体形成色素を付加することとした。これまで、我々はいくつかの方法18、20を介して5'-末端においてこれを達成する方法を開発してきており、今回はディールスアルダー付加環化19を支持した。しかしなから、これは、3'-フルオロフォアが必要なこと意味している。
分子ビーコン配列を合成するために3'-FAM固体支持体を用い、特別な5'-ブタジエンモノマーを、5'-末端に、固相合成の間の最後の付加として付加した(スキーム1を参照)。ブタジエン残基は、標識などの分子をオリゴヌクレオチドの末端に、便利かつ高収率に結合するのに用いるディールスアルダー付加環化を可能にする。
我々はこの方法でオリゴヌクレオチドに付加できる広範な種類の色素を有しており、消光実験でFAMと共に用いた場合に、DABCYLより高い消光係数を有することを我々が見出した、ここに報告する色素(pABT)を選択した。(97%対88%、下記実施例4を参照)。この色素のさらなる重要な特徴は、ベンゾトリアゾール基の存在である。先に、我々は、ベンゾトリアゾールアゾ色素が、表面増強を提供するのに用いる銀表面へのその錯体形成能力のために、SERRSのための優れた検体であることを示した。16、17
図6は、銀ナノ粒子とスペルミンとを用いた、ベンゾトリアゾール色素を有するおよび有しないSERRSビーコンからのSERRSの比較を示す。5'末端のブタジエンのみを有するクローズドビーコンからのスペクトルは、FAMに対応する非常に弱いSERRSシグナル、および強い蛍光バックグラウンドを示す。これは、FAMとベンゾトリアゾールアゾ色素の両方により標識されたビーコンから得られるSERRSと対照的である。この場合には、強いSERRSシグナルが観察され、蛍光バックグラウンドは消失した。したがって、このことは、SERRSビーコンについては、クローズドビーコンの消光がFAM-DABCYLビーコンのそれよりよいことを意味するが、しかし、SERRSビーコンは、蛍光をさらに消光する、銀表面への錯体形成能力がある。この消光能力は、ホスフィン配位子を介して金ナノ粒子に結合した分子ビーコンについて測定され、それはほぼ100%である。5このことは、ビーコンがクローズド上体であり、銀表面に結合している場合、蛍光バックグラウンドがほとんどゼロであることを意味する。
ディールスアルダーの使用により、基本的なビーコンの合成が可能になるだけでなく、表面の固定化のために用いられる色素を変える選択肢も増すことができる。
他の実施形態においては、ジエン固体支持体などの固体支持体を、ベンゾトリアゾール色素を3'-末端に結合させるのに用いることができ、これにより、より広く入手可能なフルオロフォアを5'-標識のために用いることが可能になる。
(実施例2:銀ナノ粒子状のSERRSビーコンの分析)
上述のとおり、SERRSビーコンにおいては、ビーコンがクローズド状態にある場合に強いSERRSシグナルが生成され、これはFAMおよびpABT色素の両方の存在を示す。これは、pABT色素がSERRSビーコンをナノ粒子上に固定化し、FAMを表面に近づけさせ、SERRSを発生させるために起こる。表面探索色素が存在しない場合、FAMが銀の上へよく吸着しないため、FAMで標識されたオリゴヌクレオチドは弱いSERRSを与える。SERRSビーコンにおいては、FAMがpABT色素よりおよそ2桁強いシグナルを与えるため、実際はFAMシグナルが優勢である。
これらの条件(2×10-7M)の下で、我々は、Cary Ecllipse蛍光計、Stratagene MX4000蛍光プレートリーダーおよびRenishawラマン分光計を用いて、何らの蛍光も検出することができなかった。
オーバーハングした塩基を有する相補配列をSERRSビーコンに加え、SERRSを記録した。スペクトルは、SERRSスペクトルにおける顕著な変化を明確に示し、そこでは、FAMシグナルの消失により、pABTシグナルの観察が可能となった。そのうえ、蛍光はこのとき最高550cm-1で観察することができ、これは514.5nmでの励起を用いた場合にFAMについて予想された514.6nmと一致する。
配列特異性を調査するために2種の対照配列を用いた。1つは全くハイブリダイズすることが期待されないナンセンス配列であり、他方はSERRSビーコンをオープンな状態にするのに用いた相補配列だが、一塩基ミスマッチを有するものであった。
明らかに図2で示されるスペクトルは、対照オリゴヌクレオチドでは、クローズドSERRSビーコンから変化がないことを明確に示しており、これは、分子認識をしていないことを示す。一塩基ミスマッチを有する相補配列は、より興味深いスペクトルを示す。蛍光は全く示されず、これは、SERRSビーコンが、色素および銀の消光効果からFAMを取り除くまでにはオープンな状態にならなかったことを示すものである。しかしながら、複数のSERRSピークの相対強度に変化があり、これは、表面上のビーコンのコンフォメーションが変化したことを示すものである。我々は、これを、ハイブリダイズしているが、オープン状態をもたらすのに十分ではない、ビーコンループ配列の一部によるものであると考える。これらのスペクトルはすべて、室温にて、標準的な分子ビーコンバッファー中、スペルミンを加えた状態で得た。記載されている実施例においては、DNAハイブリダイゼーションが配列特異的な様式で起こったかどうかを推測するための、SERSスペクトルからの十分な情報が確かにあった。それでもなお、生じたスペクトルの変化は、ビーコンがまた、DNAと、タンパク質などの他の生体分子との相互作用を観察することに有用性を有し得ることを示唆するものである。そのような場合、DNAはタンパク質と相互作用し得るが、ビーコンをオープンにする程度までではない。したがって、SERSシグナルの変化は、相互作用を示すが、蛍光の変化は引き起こさない。
(実施例3:銀PVAフィルム上のSERRSビーコンの分析)
SERRSビーコンと共に利用することができる種々のフォーマットを調査するため、さらなる消光を与え、SERRSを生成する基材として、銀/PVA表面を用いた。用いた表面は、複数のSERRS実験で使われたものであった。たとえば、Vo-Dinhら10による使用は、SERRSバイオチップとしてのものであり、我々は、その後に、ベンゾトリアゾール色素で標識されたオリゴヌクレオチドからSERRSを得るためのその使用を示した。銀/PVAフィルムは強靱であり、取扱が容易で、スポットの制御不能な拡散を防ぐPVA表面の親水性により、SERRSビーコンの正確なスポッティングが可能である。この応用では、表面はSERRSビーコンを含むように修飾され、すなわち、SERRSビーコンを、バッファー溶液中で表面に添加し、20分間放置してから、水で複数回洗浄した。ナノ粒子で用いたのと同じ実験を銀フィルム上で繰り返し、スペクトルを得た(図3を参照)。ナノ粒子と同様に、ビーコンの正確な相補物は、SERRSスペクトルに非常に明白な変化を与えた。この実施例において、および、固体表面上では、蛍光の変化は、ナノ粒子で観察されたより効果的でないハイブリダイゼーション指標であることが示され、これは恐らく、プローブが表面から離れて自由に動くことができるバッファー溶液が少なかったためである。しかしながら、SERRSが予想通りに変化したという事実は、表面上のオープンビーコンの異なる性質を示すものである。一塩基ミスマッチ配列およびナンセンス対照は、スペクトルに何の変化も示さず、これは、ビーコンの特異性を証明するものである。
(実施例4:蛍光消光剤としての種々の色素の分析)
フルオロフォアが組み込まれたSERRSビーコンにおいては、表面探索SERRS標識は、両者が増強表面上に存在するときに、フルオロフォアから蛍光を消光する効果を好ましくは有する。SERRS標識を調査し、最適化するために、レンジ(range)を調製し、その消光特性を、2つのフルオロフォア-FAMおよびCy5に対するTAMRAおよびDABSYLと比較した。
2種の異なるフルオロフォア色素溶液(1×10-7Mおよび5×10-8M)および6種の異なる消光剤色素濃度(1×10-7Mから1×10-8M)の溶液を、15%のDMF、15%のアセトニトリル、70%の水中に調製した。フルオロフォア-消光剤混合物は、5×10-8Mに等しい最終フルオロフォア濃度および所望の消光剤濃度をもたらすように、1.5mlの1×10-7Mフルオロフォアを用いて調製した。低濃度フルオロフォア溶液の蛍光発光スペクトルおよびフルオロフォア-消光剤混合物の蛍光発光スペクトルは、3回計測した。各測定について曲線下面積の積分をとり、平均化した。次に、このデータを以下の等式に用いて、消光剤の量子収率を得た。
この各消光剤濃度に関する情報は、次に、各色素についての消光係数(Ks)を決定するのに用いた。これは、下記の等式を用いて、グラフの傾斜がKsの値と等しくなるように、各消光剤色素についてのグラフをプロットすることにより達成した。
Ksの値は、この研究において消光能力の比較のために用いた主要なツールであった。
5×10-8Mの消光剤濃度についての量子収率データはまた、消光剤に関する量子収率パーセンテージを計算するのにも用いた。これは、色素の消光効率に関してより容易に理解される値をもたらすために行った。これは、代表値を与えるために、フルオロフォアのものと同じ濃度で計算した。以下の等式を用いた。
構造の違いが消光能力に影響するかどうかを決定するために、複数の異なる色素を検討した。メトキシ、ニトロおよびニトリル置換を有する一置換および二基置換の色素を調査し、また、マレイミド基のアミンによる置換、およびアゾ結合の位置の置換も調査した。
色素の溶液は、水中で、DMFおよびアセトニトリルを添加して作製した。
色素の構造を、以下に示す。「MI」はマレイミド誘導体を表す。
以下の表は、FAMに対する消光色素の計算されたKsおよび効率パーセンテージを示す。
結果から、一置換のメトキシ基については、マレイミド置換が最高の消光をもたらし、環付加物はより低い消光をもたらし、アミン基が最も効率が低いと結論付けることができる。ナフチル置換色素であるBTANおよびBTAN MIについてはこの逆で、アミン置換色素がマレイミドより効率的である。これは、色素分子の大きさに起因するのかもしれない。
ジメトキシ置換色素については、アミンの消光効率は、マレイミド置換よりも高く、これもまた、色素分子の大きさに起因するのかもしれない。
ジメトキシ置換色素については、3',5'位での置換が、2',4'位での置換より効果的であることが分かる。モノメトキシ置換色素については、パラ位での方が、メタ位で置換された場合よりも、消光がはるかにより効率的であることが分かる。
二置換が一置換よりも消光を効率的にすることは、全ての色素について明らかである。これは、メトキシおよびニトロ基置換の両方について観察することができる。
最高の消光効率がジメトキシ置換色素を用いて得られることが観察されたが、同じ異性化により置換されたジメトキシおよびジニトロ色素との間にはわずかな違いしか観察されなかった。同様のことが、同一の位置で置換された一置換色素の違いについて見出された。
メトキシ官能化色素は、ニトロより良い消光剤であるが、Ks値にはわずかな違いしかない。
以下の表は、Cy5に対する消光剤色素の計算されたKsおよび効率パーセンテージを示す。
マレイミド置換が環付加物より効率的であり、アミン置換色素よりも効果的であることを示す傾向が再度観察され、BTANおよびBTAN MIもまた、再度反対の挙動を示した。
この研究によって、メトキシ官能化色素およびニトロ官能化色素の双方に関しては、二基置換された色素が、一置換されたその同等物よりも効率的な消光剤であり、最も大きな消光能力が、研究した色素の中では、ジメトキシ置換色素によって達成されることが確認された。しかしながら、ジニトロ置換色素の効率は、ジメトキシ同等物のものより極めて小さい。
フルオロフォアとしてCy5を用いることにより、ナフチル基の存在が色素の消光効率を低減させることが判明した。「6位」(すなわち、ベンゾトリアゾールのNH基に対してメタ位、式A5-3を参照)にアゾ結合を有する色素は、「7位」(すなわち、ベンゾトリアゾールのNH基に対してオルト位、式A5-4を参照)にアゾ結合を有する色素よりも効率的でないことが再度示された。
同様の全体的な結論は、Cy5との消光剤について、フルオレセインとの消光剤についてと同様に導くことができ、マレイミド基を有するジメトキシ置換色素が最も効率的な消光剤をなし、「6位」にアゾ結合を有する消光剤を用いることにより、効率が大幅に低下する。能力が上位の色素については、マレイミドのアミン基による置換は、効率を若干増大させることができる。
別の一連の実験を図4に示す。これは、5'-FAM標識オリゴヌクレオチドおよび3'-色素標識相補配列を用いて、このクラスの2種の色素によるFAMの消光を示したものである。2種のアゾ色素が用いられ、各々優れた消光を示し、これは、銀コロイドの添加によってさらに改善された。下のスペクトルは、492の励起を用いた蛍光発光である。
図4は、オリゴヌクレオチドに結合した場合における、色素DMABTMIとPABTMIのFAMを消光する能力を比較したものである。FAMは、1つの配列の5'末端にあり、色素は相補配列の3'末端にある。図で示すように、この場合はPABTがわずかに優れていたものの、いずれの色素も効果的な消光剤である。銀ナノ粒子を添加した場合に、消光がなお一層向上し、スペルミンの添加それをなお一層向上させることが見出された。
したがって、要約すると、結果は以下を示すものであった。
・二置換の芳香環は、一置換の芳香環よりも良好であった。
・予想外に、電子供与基は、電子求引基よりも良好であった。
・ベンゾトリアゾール環系中のアゾ結合の位置は、消光に大いに影響する。たとえば、これは(FAMに関して)、「6位」の本来の色素についての≒60%から、>95%(「7位」について)まで増大し得る。
また、フルオロフォアと消光剤による吸収との重複が必ずしも消光効率の良好な指標でないことも観察された。
到達した別の結論は、消光におけるモル吸光率の影響に関するものであった。一般的に、モル吸光率が高ければ高いほど消光が良好であることが観察された。直接的な相関関係がなかったものの、他の要因と一緒に考慮する場合、これは明らかに重要な検討事項である。
(方法)
(標的配列)
正確な相補物-5'TTT TTT AAT AAA CTT TCA GAC CAG ATT TTT T
ミスマッチ-5'TTT TTT AAT AAA CTT TTA GAC CAG ATT TTT T
対照-5'CGC TTA CAG GAT
ビーコン-5'BT色素-CGC ACC TCT GGT CTG AAA GTT TAT TGG TGC G-FAM
(SERRSビーコンの合成)
SERRSビーコンは、所望の配列を、FAM CPG固体支持体(Transgenomic、グラスゴー、英国)上に、ホスホルアミダイト化学によるExpedite 8909 DNA合成装置を用いて合成し、ブタジエンモノマーを最後の5'残基として付加することにより作製した。濃縮アンモニア中での50℃で16時間の切断および脱保護により、5'-ジエン3'-FAM修飾配列を得、これを逆相HPLCにより精製した。ベンゾトリアゾールアゾ色素のマレイミド(3当量、30%のMeCNを含むリン酸ナトリウムバッファー、pH 5.5)を、ジエンオリゴヌクレオチドに添加し、16時間40℃で暗中に放置した。SERRSビーコンは、C18 Supelcoカラムにて、バッファーA=0.1MのトリエチルアンモニウムアセテートpH6.5、バッファーB=75%のアセトニトリルを含む0.1Mのトリエチルアンモニウムアセテートを用いて、Bを20から70%にグラジエントをかけて、25分間、流速1ml分-1の逆相HPLCによって精製した。
(ハイブリダイゼーション条件)
バッファー(1mMのMgCl2、20mMのトリスHCL、pH8.0)中のSERRSビーコン(150μl、2×10-6M)に、上記の所望の配列(5当量)を添加し、その後、分析の前に、40分間室温に放置した。
(ナノ粒子SERRS)
クエン酸還元銀ナノ粒子は、先に報告されたとおりに作製した。9分析のために、上記からのSERRSビーコン混合物(20μl)を、スペルミン四塩酸塩(10μl、1×10-5M)と共に銀ナノ粒子(200μl)に添加し、SERRSビーコンの終濃度1.2×10-7Mを得た。SERRSは、Renishaw Ramascope 200にて、514.5nmの励起で、10秒間の2回のスキャンにより蓄積した。
スペルミンはDNAのリン酸骨格の優れた中和剤として作用するが21、また、ナノ粒子を凝集させて最大の表面増強をもたらす。一般的に言って、SERRSビーコンは、過剰のスペルミンがナノ粒子の過度に凝集を引き起こすことがあり得るため、他のサンプル(参考文献11〜13)よりも必要とするスペルミンが少ないことが見出され、たとえば、およそ2〜1のスペルミン:SERRSビーコンの比率が、本明細書に記載の実施例において効果的であることが見出された。
(銀/PVA SERRS)
銀/PVAフィルムは、先に報告されたとおりに作製した。10上記からのSERRSビーコン混合物(10μl)をフィルムに添加し、20分間静置した。フィルムは水でよく洗浄し、その後、Renishaw Ramascopeにより、上記と同様だが、25%のレーザー出力で検討した。
(他の分析、分光法およびクロマトグラフィー)
1H NMRスペクトルは、Bruker DPX 400MHz分光計で記録した。質量分析は、大学のサービスとしてJEOL AX505分光計にて行った。UV-可視スペクトルは、水、DMF、アセトニトリル(70:15:15)の混合溶媒中、Varian Carey 300 Bio分光光度計にて記録した。蛍光発光スペクトルは、Varian Carey Eclipse蛍光分光光度計にて記録した。
薄層クロマトグラフィー(TLC)は、アルミニウムシート上、シリカゲル60 F254 0.2mm層にて、ジクロロメタン:メタノール9:1 v/vの溶媒系を用いて行った。5-アミノベンゾトリアゾールは、茶色の色彩をもたらすヨウ素蒸気により視覚化した。
(合成)
PABTは、Analyst (2003) 128、6、692-699に記載のとおりに調製した。
7-(3',5'-ジメトキシアゾフェニル)-6-アミノベンゾトリアゾール(3,5-DMABT)は、以下のように調製した。
3,5-ジメトキシアニリンを50% v/vのHCl(1〜15倍量)に溶解し、0℃での亜硝酸ソーダ(<1倍量のH2O中の1.2当量)の滴加によってジアゾ化した。過剰の亜硝酸ソーダがヨウ素デンプン紙を用いて検出された。濃い青色は過剰な亜硝酸を示し、ジアゾニウム塩の形成が推定された。5-アミノベンゾトリアゾール(1当量)を、酢酸ナトリウムバッファー(1.0M、pH 6、6〜60倍量)と極少量のメタノールに溶解した。ジアゾ化されたアミン(1.1当量)を滴加し、室温で1時間撹拌した。形成された沈殿物を濾過によって単離し、水で洗浄した。色素は、62%の収率で得られた。RF (B) 0.45, δH (アセトン-d6) 3.84 (6H, s, 2×CH3), 6.57 (1H, m, Ar-H), 6.80 (2H, br s, NH2), 7.03 (1H, d, J8.9, H-4), 7.41 (2H, s, Ar-H), 7.84 (1H, d, J9.0, H-5), 14.53 (1H, br s, NH), λmax (MeOH) 443 nm, CI MS m/z 298.11872 [Cl4Hl5N6O2 (M+H)+ <0.1 ppm]
[参考文献]
SERSビーコン、この場合はSERRSビーコンの概念を示した図である。ビーコンは、最初に3'-フルオレセイン標識と5'-ベンゾトリアゾールアゾ色素と共に製造される。アゾ色素は、銀表面に錯体形成するように設計され、SERRSを生じる。クローズド状態において、SERRSビーコンは蛍光を生じないが、銀ナノ粒子などの適切な銀表面に結合した場合、FAMとアゾ色素双方の存在に対応するSERRSシグナルを生じる。ハイブリダイゼーションの後、ビーコンがオープン状態になり、この時点では、ベンゾトリアゾールアゾ色素だけが銀に結合している。FAMはアゾおよび銀の消光作用から逃れ、自由に蛍光を発することができる。その上、SERRSシグナルは、2個の標識が存在するシグナルから、アゾ色素のみが存在するシグナルへと変化し、このことは、相補配列の完全一致を示す変化を示す。単一のミスマッチを有する相補配列が用いられると、ビーコンはオープン状態にならず、したがって、蛍光は生じず、SERRSシグナルは両方の標識が存在するシグナルを示す。 銀ナノ粒子を用いたSERRSビーコンのSERRSスペクトルを示した図である。データは、514.5nmでの励起、および、10秒の蓄積時間での2回のスキャンにより取得した。A-クローズドSERRSビーコン。B-正確な相補配列とビーコン。C-一塩基ミスマッチ配列とビーコン。D-対照のナンセンス配列とビーコン。スペクトルは見やすいように並置し、Bのスペクトルは明確化のために3倍に拡大した。 銀/PVAフィルムを用いたSERRSビーコンのSERRSスペクトルを示した図である。各スキャンは、514.5nmでの励起、および、3秒の蓄積時間での3回のスキャンにより取得した。A-クローズドSERRSビーコン。B-正確な相補配列とビーコン。C-一塩基ミスマッチ配列とビーコン。D-対照のナンセンス配列とビーコン。 実施例5に記載された2種の色素によるFAMの消光を示した図である。スペクトルは、492の励起を用いた蛍光発光である。スペクトルは、キーと同じ順序(上から下へ)である。 SERRSビーコンの合成を示すスキーム1を示した図である。3'-FAM固体支持体を、標準的なホスホルアミダイト化学を用いてプローブのオリゴヌクレオチド配列を合成するのに用いた。5'-末端で、ブタジエンホスホルアミダイトを、第2の色素標識の選択的な合成後付加のための部分を提供するのに用いた。ベンゾトリアゾールアゾ色素マレイミドは、ディールスアルダー付加環化を介してオリゴヌクレオチドに付加した。これにより、種々のアゾマレイミドを用いることで、様々な標識対を創出することが可能となり、これが種々のSERRSシグナルを与え、したがって、マルチプレックス化能力を増大させる。 銀ナノ粒子とスペルミンとを用いた3.7×10-8 moldm-3でのSERRSビーコンのSERRSスペクトルを示した図である。A:3'-FAM色素と5'-末端にブタジエンとを有するビーコン、およびB:3'-FAM色素と5'-末端にベンゾトリアゾールアゾ色素とを有するビーコン。スペクトルは、明確化のために縮尺を変えてある。(A×5、および、B/10-17000)。

Claims (42)

  1. サンプル核酸における標的ヌクレオチド配列の存在または不存在を決定するための方法であって、
    (a)検出剤を提供する工程であって、検出剤が:
    (i)標的ヌクレオチド配列に相補的な標的相補配列(TCS)、および、TCSに隣接する第一および第二オリゴヌクレオチドアームを含むプローブであって、
    前記第一および第二オリゴヌクレオチドアームはステム二本鎖を形成し、
    かつ、前記第一アームには、表面増強ラマン分光法(SERS)によって検出可能な第一標識部分が組み込まれ、
    かつ、前記第二アームは、SERSによって検出可能な第二標識部分で終止し、
    ここで、前記第二アームは、金属表面への第二標識の会合を促進することが可能な表面探索基(SSG)をさらに含む、プローブ、
    (ii)前記第一および第二標識部分が、互いに、かつ金属表面に対して近接するように、前記プローブに前記SSGを介して会合した金属表面、
    を含む工程と、
    (b)サンプルを検出剤に曝露する工程と、
    (c)サンプル中に存在する任意の標的ヌクレオチド配列へのTCSのハイブリダイゼーションを、前記剤のSERSスペクトルの変化によって検出する工程、
    を含む方法。
  2. 第一標識部分が、蛍光およびSERSの両方によって検出可能であり、かつ、工程(c)におけるハイブリダイゼーションの検出が、剤の蛍光の変化を検出することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 標識部分がアームの末端に結合している、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. サンプル核酸がDNAおよびRNAから選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. TCSの長さが、10から140ヌクレオチドである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. ステム二本鎖の長さが、3から25ヌクレオチドである、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 第一アームが、第二アームの末端に直接隣接する第二アーム配列のヌクレオチドに相補的な、第一アームの末端に直接隣接する6から12ヌクレオチドの間の配列を含み、かつ、ステム二本鎖が前記相補配列により形成される、請求項6に記載の方法。
  8. 工程(c)におけるハイブリダイゼーションの検出が、SERSスペクトルを広範な波長にわたって取得し、SERSスペクトルをデータ処理装置で分析して、標識部分の各寄与を検出することを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 2個以上の第一標識部分が第一アームに組み込まれている、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 第一標識部分がフルオレセイン色素を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 第一標識部分がFAMを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 第二標識部分がアゾ色素を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 第二標識部分がSSGを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 第二標識部分がアゾ-ベンゾトリアゾールを含む、請求項12または13に記載の方法。
  15. アゾ-ベンゾトリアゾールが、式A5:
    (式中、
    RAZは、独立してアゾ置換基であり、
    nは、独立して0、1、2または3であり、
    各RBは、独立してベンゾ置換基である)
    で表される化合物から選択される、請求項14に記載の方法。
  16. 化合物が、以下の式A5-1、A5-2、A5-3またはA5-4:
    (式中、
    RAZは、独立してアゾ置換基であり、
    RB4、RB5、RB6、およびRB7の各々は、独立して-Hまたはベンゾ置換基である)
    で表される化合物から選択される、請求項15に記載の方法。
  17. ベンゾ置換基RBのうちの1つが、プローブまたはプローブに結合したリンカーであるか、またはこれを含む、請求項16に記載の方法。
  18. リンカーがアルキルスペーサーである、請求項17に記載の方法。
  19. アゾ置換基RAZが、独立してC6〜20カルボアリールまたはC5〜20ヘテロアリールであり、かつ場合によっては置換されている、請求項15から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. RAZが、式A6:
    (式中、
    RP2、RP3、RP4、RP5、およびRP6の各々は、独立して-Hまたはフェニル置換基であり、
    場合によって、RP2、RP3、RP4、RP5、およびRP6から選択される2つの隣接した基は、これらが結合している炭素原子と一緒に、O、S、およびNから選択される1種または複数のヘテロ原子を場合によって含む、5個または6個の環原子を有する縮合環を形成する)
    で表される基である、請求項19に記載の方法。
  21. RAZが、式A7:
    (式中、
    RH2、RH3、およびRH4の各々は、独立して-Hであるか、または、フェニル/ナフチルアゾ置換基における置換基について以下に定義するRPおよびRNであり、W、Y、Y、およびZの各々は、独立して-CH=、-CR=、-N=、-O-、または-S-である)
    で表される基である、請求項20に記載の方法。
  22. RAZが、以下の式A8-1、A8-2、またはA8-3:
    (式中、
    RP2、RP3、RP4、RP5、およびRP6の各々は、独立して-Hまたはフェニル置換基であり、
    RN1、RN2、RN3、RN4、RN5、RN6、RN7、およびRN8の各々は、独立して-Hまたはナフチル置換基である)
    のうちの1つで表される基である、請求項21に記載の方法。
  23. RP2、RP3、RP4、RP5、およびRP6の各々、および、RN1、RN2、RN3、RN4、RN5、RN6、RN7、およびRN8の各々が、独立して-H、または水素、ヒドロキシ、C1〜4アルコキシ、アミノ、C1〜4アルキル-アミノ、ニトロ、およびシアノから選択される基である、請求項22に記載の方法。
  24. フェニル置換基RPのうちの1つ、またはナフチル置換基RNのうちの1つが、プローブまたはプローブに結合したリンカーであるか、またはこれを含む、請求項22に記載の方法。
  25. リンカーがアルキルスペーサーである、請求項24に記載の方法。
  26. 第二標識部分が、式A11:
    で表される化合物を含む、請求項23から25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 金属表面がクエン酸還元銀ナノ粒子またはPVA/銀フィルムから選択される、請求項1から26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 請求項1から27のいずれか一項に記載の方法に用いる検出剤を製造する方法であって、
    (i)プローブを提供する工程であって、プローブが、検出すべき標的ヌクレオチド配列に相補的な標的相補配列(TCS)、および、TCSに隣接する第一および第二オリゴヌクレオチドアームを含み、
    前記第一および第二オリゴヌクレオチドアームはステム二本鎖を形成し、
    かつ、前記第一アームには、表面増強ラマン分光法(SERS)によって検出可能な第一標識部分が組み込まれ、
    かつ、前記第二アームは、SERSによって検出可能な第二標識部分で終止し、
    ここで、前記第二アームは、金属表面への第二標識の会合を促進することが可能な表面探索基(SSG)をさらに含む、
    工程、
    (ii)前記第一および第二標識部分が、互いに、かつ金属表面に対して近接するように、前記プローブのSSGを介して、前記プローブを金属表面と会合させる工程、
    を含む方法。
  29. 請求項1から27のいずれか一項に記載の方法の検出剤に用いるプローブを製造する方法であって、
    (i)核酸を合成する工程であって、核酸が、検出すべき標的ヌクレオチド配列に相補的な標的相補配列(TCS)、および、TCSに隣接する第一および第二オリゴヌクレオチドアームを含み、
    前記第一および第二オリゴヌクレオチドアームがステム二本鎖を形成することが可能であり、
    ここで、前記核酸が3'から5'方向へ合成され、
    かつ、核酸の3'末端が、表面増強ラマン分光法(SERS)によって検出可能な第一標識部分を介して固体支持体につながれている、
    工程、
    (ii)前記核酸の合成に続き、核酸の5'末端に、SERSによって検出可能であり、金属表面上への第二標識の会合を促進することが可能な表面探索基(SSG)を含む第二標識部分を結合させる工程、
    を含む方法。
  30. n個のRB基のうちの1つが、アミノ基(-NH2)またはマレイミド基である、請求項15または請求項16に従属する請求項29に記載の方法。
  31. RB6が、アミノ基(-NH2)またはマレイミド基である、請求項30に記載の方法。
  32. 残りのRB基が-Hである、請求項30または請求項31に記載の方法。
  33. 5'末端への結合が、ホスホルアミダイト付加および/またはディールスアルダー付加環化を利用するものである、請求項29から32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 請求項1から27のいずれか一項に記載の方法の検出剤に用いるプローブを製造する方法であって、
    (i)核酸を合成する工程であって、核酸が、検出すべき標的ヌクレオチド配列に相補的な標的相補配列(TCS)、および、TCSに隣接する第一および第二オリゴヌクレオチドアームを含み、
    前記第一および第二オリゴヌクレオチドアームがステム二本鎖を形成することが可能であり、
    ここで、前記核酸が3'から5'方向へ合成され、
    かつ、核酸の3'末端が、表面増強ラマン分光法(SERS)によって検出可能な第二標識部分を介して固体支持体につながれており、かつ、金属表面上への第二標識の会合を促進することが可能な表面探索基(SSG)を含む、
    工程、
    (ii)前記核酸の合成に続き、核酸の5'末端に、SERSによって検出可能な第標識部分を結合する工程、
    を含む方法。
  35. 請求項1から27のいずれか一項に記載の方法に用いる検出剤であって、
    (i)標ヌクレオチド配列に相補的な標的相補配列(TCS)、および、TCSに隣接する第一および第二オリゴヌクレオチドアームを含むプローブであって、
    前記第一および第二オリゴヌクレオチドアームはステム二本鎖を形成し、
    かつ、前記第一アームには、蛍光及び表面増強ラマン分光法(SERS)によって検出可能な第一標識部分が組み込まれ、
    かつ、前記第二アームは、SERSによって検出可能な第二標識部分で終止し、
    ここで、前記第二アームは、金属表面への第二標識の会合を促進することが可能な表面探索基(SSG)をさらに含む、
    プローブ、
    (ii)前記第一および第二標識部分が、互いに、かつ金属表面に対して近接するように、前記プローブに前記SSGを介して会合した金属表面、
    を含む検出剤。
  36. 各々が特徴的なTCSおよび特徴的な第一および/または第二標識部分を有する、2種以上の請求項35に記載の検出剤を含む組成物。
  37. サンプル核酸中の2種以上の標的ヌクレオチド配列の存在または不存在を決定するための、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法であり、
    請求項35に記載の複数の検出剤であって、各剤が前記標的ヌクレオチド配列のうちの1つに相補的な標的相補配列(TCS)を含む検出剤を提供する工程を含み、
    かつ、各剤は識別可能な検出特性を有し、
    かつ、サンプル中に存在するその対応する標的ヌクレオチド配列への、各TCSのハイブリダイゼーションの検出が、各剤のSERSスペクトルにおける、各剤に対して特徴的である変化によって検出される方法。
  38. 標的ヌクレオチド配列が遺伝子マーカーを含む、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
  39. (i)前記方法が、サンプル中の場合によって病原性である生物の存在の検出のための方法であって、標的ヌクレオチド配列の存在が前記生物の存在と関連している方法、または、
    (ii)前記方法が、核酸サンプルを採取した個体における疾患の診断または予後診断のための方法であって、前記疾患がDNA変化と関連しており、かつ、標的ヌクレオチド配列が、変化が生じる配列に対応している方法、または、
    (iii)前記方法が、特定の表現型特性を有する生物を選択するための方法であって、前記特性が標的ヌクレオチド配列と関連している方法、または、
    (iv)前記方法が、特定の遺伝子をコードしている核酸を単離するための方法であって、標的ヌクレオチド配列がその遺伝子に関連しているか、またはその遺伝子内にある配列に対応している方法、または、
    (v)前記方法が、核酸サンプルを採取した生物の系統発生学的分類のための方法であって、標的ヌクレオチド配列が、集団、種または属に関連している方法、または、
    (vi)前記方法が、核酸サンプルを採取した個体の特定のための方法であって、標的ヌクレオチド配列がその個体と関連している方法、または、
    (vii)前記方法が、mRNAサンプルを採取した細胞または組織の発現プロファイリングのための方法であって、標的ヌクレオチド配列がその細胞または組織と関連している方法、
    である、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
  40. 標的ヌクレオチド配列が、遺伝子をサイレンシングすることが可能な低分子干渉RNAの配列を含む、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
  41. SERSがSERRSである、請求項1から27又は37から40のいずれか一項に記載の方法。
  42. SERSがSERRSである、請求項28から34のいずれか一項に記載の方法。
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