以下に図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図1には、本実施の形態に適用した印刷システム10の概略構成を示している。
この印刷システム10には、例えば、一般的構成のパーソナルコンピュータ(PC)に、所定の機能を備えたPCIボードを追加するなどして構成したプリントサーバ12に、画像処理装置36が設けられている。また、プリントサーバ12には、印刷出力装置としてプリンタ14が接続されている。
さらに、プリントサーバ12には、パーソナルコンピュータ、ワークステーション等がクライアント端末16とし接続されている。このクライアント端末16は、各種アプリケーションを用いて画像の作成、加工、編集等の画像処理を行うDTPに用いられる。プリントサーバ12は、こられのクライアント端末16からの描画命令に基づいて印刷処理を行う。
なお、印刷システム10としては、プリントサーバ12に複数台のプリンタ14が接続されたものであっても良く、また、プリントサーバ12に複数のクライアント端末16を、LAN、WAN等のネットワークを介して接続しても良い。
また、本実施の形態では、本発明を適用した画像処理装置36を、プリントサーバ12に設けて説明するが、本発明は、これに限らず、クライアント端末16から入力される画像データと描画命令に基づいて画像処理を行うものであれば、例えば、ネットワーク内に配置される各種のサーバに設けるものであっても良い。すなわち、本発明の画像処理装置は、画像データと描画命令に基づいて画像処理を行うものであれば任意の構成に適用することができる。
画像処理装置36が設けられるプリントサーバ12は、ROM、RAM、HD等の外部メモリが設けられ、ROMに記憶しているオペレーティングプログラムによって動作し、ROMないし外部メモリに記憶されたプログラムに基づいて、システム図形、イメージ、文字ないし表等に対しての処理を実行する一般的構成となっている。
このようなプリントサーバ12には、キーボード、マウス(何れも図示省略)等の入力デバイス、CRTディスプレイ等の表示デバイスを備えている。また、プリントサーバ12においても、表示デバイスの表示画像に対する印刷処理が可能となっている(WYSIWYG機能)。
すなわち、プリントサーバ12には、イーサネット(Ethernet(登録商標))等の双方向インターフェイス18及びプリントコントローラ20が設けられ、双方向インターフェイス18を介してプリントコントローラ20が、プリンタ14に接続している。
プリントサーバ12内の画像処理装置36には、画像処理部24が形成されている。この画像処理部24は、印刷ジョブとして入力される画像データ及び描画命令に基づいてラスタデータを生成する。このラスタデータが、プリントコントローラ20に制御されて、プリンタ14へ出力されることにより、印刷ジョブに基づいた印刷物が得られるようになっている。
一方、プリントサーバ12には、ネットワークインターフェイス22が設けられ、このネットワークインターフェイス22を介してクライアント端末16から画像ファイルと共に描画命令が入力される。プリントサーバ12は、この描画命令に基づいた印刷処理を行う一般的構成となっている。
クライアント端末16は、例えばPhotoshop、Illustrator(何れも米アドビシステムズ社の商品名)、QuarkXPress(米クォーク社の商品名)等の各種のDTPアプリケーションを用いて、画像の作成、加工、編集等の画像処理を行う。なお、以下では、一例として、これらのアプリケーションは、PostScript形式のページレイアウト等を作成するものとして説明する。
このクライアント端末16によって作成されたページレイアウトが、カラー電子製版システム(CEPS)で印刷版の露光に用いるフィルムの作成や、ダイレクト製版(CTP)での印刷版の露光に用いられる。このページレイアウトに基づいて作成された刷版によって印刷処理がなされる。
カラー電子製版システムや、ダイレクト製版システムでは、クライアント端末16によって作成されたページレイアウトに基づいた刷版の作成に先だって、カラープルーフ等と呼ばれる校正刷り(以下「プルーフ」とする)を作成する。
この校正刷りを行うときには、クライアント端末16から描画命令と共にページレイアウトを含む印刷ジョブが、プリントサーバ12へ出力される。これにより、プリントサーバ12は、印刷ジョブに基づいたプルーフを作成する。
クライアント端末16からプリントサーバ12に入力されるページレイアウトは、カラースペースがYMCK形式であっても良く、また、RBG形式であっても良く、さらに、これらが混在するものであっても良い。画像処理部24では、この印刷ジョブから、例えばC、M、Y、Kの各色のラスタデータを生成して、プリンタ14へ出力する。
ところで、画像処理装置36には、アプリケーション名抽出部26及び印刷機能設定部28が設けられている。アプリケーション名抽出部26は、クライアント端末16から送信された印刷ジョブを受信すると、この印刷ジョブから、ページレイアウトを作成したアプリケーション名を読み取る。
本実施の形態に適用したクライアント端末16は、一例としてPostScriptドライバを用いて印刷ジョブを出力する。アプリケーション名抽出部26は、このPostScriptのコメントに記録されているアプリケーション名を読み出すことにより、ページレイアウトを作成したアプリケーション名を判定する。
すなわち、図2(A)及び図2(B)に示すように、PostScriptのコードでは、コード%%の次にコメントが書き込まれている。ここから、アプリケーション名抽出部26は、コード%%を抽出すると、このコード%%に続く文字列を読み出す。例えば、PostScriptでは、図2(A)に示すように、「%%Creator:」にアプリケーション名が書き込まれていることから、アプリケーション名抽出部26では、「%%Creator:」に続く文字列からはアプリケーション名を読み出す。
また、図2(B)に示すように、「%%BeginProcSet :」に、アプリケーション名が書き込まれているときには、このコード%%に続く文字列を読み出す。
一方、プリントサーバ12には、HD等の外部メモリ30と、この外部メモリ30に格納するデータベースファイルを管理するファイル管理部32が設けられている。外部メモリ30には、アプリケーションごとの印刷機能の標準設定が、データベースファイルとして格納されている。
印刷機能設定部28では、アプリケーション名抽出部26で抽出したアプリケーション名から外部メモリ30に格納されている印刷機能に対する印刷機能の標準設定を読み出して、印刷機能の設定を行う。
画像処理部24では、印刷機能設定部28の設定に基づいて画像処理を行って、ラスタデータを作成し、作成したラスタデータをプリンタ14へ出力する。
ファイル管理部32は、クライアント端末16からの要求に応じて、データベースファイル内の印刷機能の更新や追加、印刷機能の設定変更が可能となっている。また、ファイル管理部32は、プリントサーバ12上でのデータベースファイル内の印刷機能の更新や追加、印刷機能の設定変更(標準設定の変更)が可能となっている。
画像処理装置36ないしプリントサーバ12に備えている印刷機能としては、「RGB画像警告」、「RGB黒のK置換」、「Kオーバープリント」、「ヘアライン警告(細線警告)」、「分版合成」、「RGB色補正」、「CMYK色補正」等の処理画像に対する各種の警告機能及び画像処理機能に加え、両面印刷やNup印刷等の特殊印刷機能、ステープルや、パンチング等の仕上げ機能等のアプリケーションやプリンタ14の性能等に基づいた従来公知の各種の処理機能が挙げられる。
なお、データベースファイルには、これらの印刷機能に対する設定が格納されるようになっているが、以下では、印刷機能として「RGB画像警告」及び「RGB黒のK置換」を例に説明する。
「RGB画像警告」は、ページレイアウト中にカラースペースがRGB形式の画像(以下「RGB画像」とする)があるか否か、すなわち、CMYK形式の画像とRGB形式の画像が混在しているときなどに、RGB形式の画像を抽出し、この画像がRGB形式であることが明確となるように、告知ないし警告を行う。
一般に、刷版を用いた印刷では、カラー画像を、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)及びK(黒)の各色成分に分解して、それぞれの色成分の画像を形成した刷版を作成して重ね刷りを行う。
一方、アプリケーションには、RGB形式のレイアウト等を作成するものがあるが、DTPに適用するアプリケーションは、CMYK形式のページレイアウトの作成が可能となっているが、このページレイアウト中に、RGB画像を貼り付けることができるものがある。
印刷用の刷版を作成するときにページレイアウトにRGB画像が含まれると、この画像がCMYKの各色に分解されずに、CMYKの各色成分の画像に現われてしまう。このために、RGB画像を含むページレイアウトから作成した刷版を用いて印刷すると、RGB画像が、カラー画像上で「黒」の画像となって現われる。
したがって、アプリケーションによっては、校正刷りを行うときに、RGB画像の有無を明確にしたいものがある。ここから、「RGB画像警告」は、ページレイアウトにRGB画像が含まれているか否かを判定し、RGB画像が含まれているときには警告を発する。
プリントサーバ12には、表示制御部34が設けられている。この表示制御部34は、ページレイアウトからRGB画像を抽出すると、警告用ダイアログをクライアント端末16の図示しないモニタに表示する。これにより、印刷ジョブを入力したクライアント端末16で、RGB画像警告を確認することができるようにしている。
「RGB黒のK置換」は、RGB画像で黒色の画像に対して、CMYK形式のK色に置換する。これにより、プリンタ14で印刷出力したときに、RGB形式の黒色が鮮明になるようにする。
「Kオーバープリント」は、黒100%の文字やグラフィックをオーバープリントで出力する機能であり、これにより、黒100%の文字やグラフィックが、印刷物上で鮮明に現われるように画像変換を行う。この機能は、RGB形式の画像データを作成するWord等のRGB形式の画像データを作成するアプリケーションに対しては、顕著な効果が得られるが、CMYK形式の画像データを作成するQuarkXPress等のアプリケーションでは、効果が現われない。
「分版合成」は、アプリケーションでC版、M版、Y版、K版の各色版ごとの白黒画像として分割出力される画像データを合成してカラー画像として出力する機能であり、WordはExcel等のRGB形式の画像データを出力するアプリケーションでは、このような分解機能はないので、「分版合成」機能を適用することが、余計なオーバーヘッドを付加することになるので、好ましくない。
「ヘアライン警告」は、所定以下の細線があるときには、その画像を明確にするなどして警告する。すなわち、刷版を用いた印刷物の解像度は、1200dpi〜2400dpiとなり、アプリケーションは、この解像度の画像の出力が可能となっている。
これに対して、プリンタ14などでは、解像度が600dpi程度と低いために、これより小さい画像を、この解像度に変換することにより印刷物上にかすれ等が生じないようにしている。しかし、刷版を用いた印刷物上でかすれや消失等が生じる可能性のある線画像を、プリンタ14の解像度に合わせて出力してしまうと、正確な校正が不可能となる。このようなときに、「ヘアライン警告」機能を用いることにより、細い線画像に対する適正な判断が可能となる。
「特色色補正」は、印刷で使用されるC、M、Y、K以外の特色インクの色をシミュレーションする機能であり、アプリケーションによって使用できないものがある。すなわち、CMYK形式の画像データを生成するQuarkXPress等では、この機能を用いることができるが、WordはExcel等では、この機能を使用することができないので、この機能を設定した時には、余計なオーバーヘッドを付加してしまうことになる。
また、「RGB色補正」、「CMYK色補正」は、刷版を用いてCMYKの各色の重ね印刷を行うときの色を正確にシミュレーションできるように、各色の補正を行う。
外部メモリ30に格納されているデータベースファイルは、アプリケーションごとの印刷機能と共に、印刷システム10上でのそれぞれの印刷機能の標準設定として記憶されている。表1には、印刷機能と印刷機能の標準設定の一例を示している。
画像処理装置36では、WordはExcel等のRGB形式の画像データを作成するアプリケーション、QuarkXPress等のCMYK形式の画像データを作成するアプリケーション、PhotoShop等の何れの形式(カラースペース)の画像データの作成が可能なアプリケーションに分け、さらに、それぞれのアプリケーションの主たる使用目的に応じた標準的で好ましい設定を、標準設定としている。
なお、ヘアライン警告での「消去」は、抽出した細線を消去するように該当する画像に対する変換処理を行う設定であり、「ジョブ設定」は、クライアント端末16から出力される描画命令上の設定を用いるものとしている。
また、表1は、アプリケーションと、アプリケーションに対する印刷機能の一部の標準設定の一例を示すものであり、本発明の印刷機能及び標準設定を限定するものではない。
これにより、例えば、印刷ジョブとしてPhotoShopで作成されたページレイアウトが入力され、入力された印刷ジョブの「RGB画像警告」がオン、「RGB黒のK置換」がオフしていたときには、外部メモリ30のデータベースファイルから、「RGB画像警告」及び「RGB黒のK置換」の何れもオフに変更される。
また、印刷ジョブとしてQuarkXPressで作成されたページレイアウトが入力され、入力された印刷ジョブの「RGB画像警告」がオフ、「RGB黒のK置換」がオンしていたときには、外部メモリ30のデータベースファイルから、「RGB画像警告」がオンに変更され、「RGB黒のK置換」がオフとして印刷ジョブの設定が適用される。
一方、画像処理部24では、クライアント端末16から入力された印刷ジョブからラスタデータを作成するときに、印刷機能の設定に基づいた処理を行う。このときに、「RGB画像警告」機能がオンに設定されていると、ページレイアウトにRGB画像が含まれているか否かを判定し、RGB画像が含まれているときには、クライアント端末16のモニタに、RGB画像警告のダイアログを表示する。
また、画像処理部24では、「RGB黒のK置換」が設定されているときに、RGB形式で黒色を抽出すると、この黒色をCMYK形式に分解するときにK色となるように変換する。
以下に、本実施の形態の作用として、プリントサーバ12での処理の概略を説明する。図3には、印刷ジョブに対するプリントサーバ12での処理の流れを示している。クライアント端末16から印刷ジョブが入力されることにより実行され、最初のステップ100では、印刷ジョブを読み込む。
印刷ジョブを読み込むと、次のステップ102では、印刷ジョブとして入力されたページレイアウトを作成したアプリケーション名を抽出する。このアプリケーション名の抽出は、例えばページレイアウトがPostScript形式であれば、図2(A)または図2(B)に示すように、コード%%に書き込まれているコメントから、アプリケーション名に該当する文字列を読み出して判定する。
次のステップ104では、抽出したアプリケーション名に基づいて、外部メモリ30のデータベースファイルから、印刷機能の標準設定を読み出す。また、ステップ106では、印刷ジョブの描画命令から印刷ジョブ上での印刷機能の設定を読出し、ステップ108では、印刷機能の設定を比較し、設定変更があるか否かを確認する(ステップ110)。
これにより、データファイルに格納している標準設定と、印刷ジョブの描画命令上の設定の間で変更があるときには、ステップ110で肯定判定して、ステップ112へ移行する。このステップ112では、印刷機能の設定を標準設定に変更することを、クライアント端末16のモニタ上に警告メッセージとして表示することにより告知する。
この後に、ステップ114で外部メモリ30のデータファイルに格納しているアプリケーションごとの印刷機能の標準設定に基づいて、印刷機能の設定を行う。このとき、「ジョブ設定」と指定されている印刷機能に対してのみ、印刷ジョブの設定を用いる。
なお、クライアント端末16のモニタに表示した警告メッセージに基づいて、印刷機能の設定変更が、クライアント端末16から入力されたときには、入力された設定に基づいて印刷機能を設定するようにしても良い。また、入力された印刷機能の設定を、標準設定として外部メモリ30のデータベースファイルに格納し、印刷機能の設定の変更/更新が可能となるものであっても良い。
外部メモリ30に格納しているデータベースファイルに基づいた印刷機能の設定を終了すると、ステップ116へ移行して、画像処理を行う。このときに、印刷機能の設定に基づいた処理を行ってラスタデータを作成して、ラスタデータをプリンタ14へ出力することにより印刷処理を行う(ステップ118)。
このように、印刷システム10上で標準としている印刷機能の設定を、データベースファイルとして、外部メモリ30に記憶しておくことにより、クライアント端末16で印刷ジョブの詳細な設定が不要となるので、印刷ジョブの依頼が極めて容易となる。また、印刷ジョブからアプリケーション名を抽出することにより、アプリケーションに応じた印刷機能の設定を行うようにしているため、クライアント端末16で、アプリケーションの指定や、アプリケーションに応じた印刷機能の設定を行う必要がないために、より一層、クライアント端末16上での印刷ジョブの依頼操作が容易となる。
また、印刷ジョブを依頼するときに印刷機能を誤って設定したり、設定を忘れたときにも、ページレイアウトを作成したアプリケーションに応じた印刷機能の設定を的確に行うことができるので、プルーフの作成ミスや、誤った設定に基づいた画像処理、印刷処理が実行されてしまうのを確実に防止することができる。
さらに、プリントサーバ12には、ファイル管理部32が設けられており、このファイル管理部32を介して、クライアント端末16から、アプリケーションごとの印刷機能の追加、更新や、設定の変更等のデータベースファイルに対するデータ処理が可能となっているので、プリントサーバ12上でのデータベースファイルの管理が容易となる。
なお、ここでは、PostScript形式で記述された印刷ジョブを例に、この印刷ジョブから、アプリケーション名を抽出するようにしたが、本発明におけるアプリケーション名の抽出は、これに限るもではない。
例えば、アプリケーションには、出力するコードの中にアプリケーション名に基づいた変数を格納するプログラムを含むものがあり、このようなアプリケーションでは、この変数を抽出することにより、アプリケーション名の特定が可能となるものがある。
ここから、アプリケーションが出力するコードから、アプリケーション名を特定する変数を抽出するようにしても良い。また、変数内のデータからアプリケーション名の特定が可能である時には、変数内のデータを読み出して、アプリケーション名の特定を行うものであっても良い。
さらに、アプリケーションによっては、描画コードの実行方法が異なるものがあり、また、使用頻度の高い描画命令を、短い名前に再定義することにより描画コード全体のサイズを小さくするなどのように、出力する描画コードに特徴を持つものがある。このようなアプリケーションに対しては、出力する描画コードの特徴を把握して、データベース化しておくことにより、描画コードからのアプリケーション名の特定が可能となる。
また、クライアント端末16に設ける印刷機能の設定を、カスタマイズして、アプリケーション名を特定可能な記述を付加するようにし、この記述からアプリケーション名を特定するようにしても良い。このような場合においても、クライアント端末16で印刷ジョブを出力するときに、アプリケーション名の入力や指定等のキー操作を行うことなく、プリントサーバ12でのアプリケーション名の特定が容易に行える。
このように、アプリケーション名の抽出は、任意の構成を適用することができる。
次に、印刷機能の一つとして、「RGB画像警告」に対する処理の概略を、図4に沿って説明する。なお、この「RGB画像警告」は、CMYK形式の画像データを基本となるカラースペースとし、基本となるカラースペース内に、このカラースペースと異なるカラースペースであるRGB形式のカラースペースの画像抽出を行う。
このフローチャートは、最初のステップ120で、データベースファイルから、アプリケーション名に基づいた「RGB画像警告」の標準設定を読み出す。次のステップ122では、読み出した標準設定から「RGB画像警告」をオンするか否かを確認し、肯定判定されることにより、「RGB画像警告」の設定をオンにする(ステップ124)。
なお、「RGB画像警告」がオフに設定されているときには、ステップ122で否定判定して処理を「RGB画像警告」の処理を終了する。また、印刷ジョブの描画命令上で標準設定と異なる設定となっているときには、前記した如く、警告処理を行うことにより、設定変更を告知することが好ましい。
「RGB画像警告」がオンに設定されると、ステップ126では、画像処理部24で処理されるページレイアウトからRGB画像の抽出を行う。このRGB画像の抽出は、例えばPostScriptの記述等から判断するなど、従来公知の任意の方法を適用することができる。
次のステップ128では、RGB画像の有無を確認する。これにより、ページレイアウトからRGB画像が抽出されると、ステップ128で肯定判定して、ステップ130へ移行する。このステップ130では、RGB画像を抽出したページレイアウトを含む印刷ジョブを依頼したクライアント端末16へ、警告メッセージを送信する。
これにより、クライアント端末16には、ページレイアウト内にRGB画像があることを警告するダイアログが表示される。このようなダイアログとしては、例えば、図5に示すように表示することができる。このダイアログは、例えば、「確認」ボタンをクリックするなどすることにより、消去することができる。なお、クライアント端末16のモニタ上に表示するダイアログとしては、的確なメッセージの伝達が可能となるものであれば、これに限らず、任意の構成を適用することができる。
一方、RGB画像警告では、抽出した画像が明確となるように画像処理を行うものであって良い。ここで、図6を参照しながら「RGB画像警告」での警告画像の変換処理の一例を説明する。なお、「RGB画像警告」での変換処理は、標準設定として外部メモリ30のデータベースファイルに格納されていても良いが、以下では、クライアント端末16から入力される指定に基づいて行うものとして説明する。
このフローチャートは、印刷ジョブの処理に沿って実行され、最初のステップ160でデータベースファイルから「RGB画像警告」の標準設定を読み出し、ステップ162で、この印刷機能を設定するかを確認する。このときに、「RGB画像警告」を設定するときには、ステップ162で肯定判定して、ステップ164へ移行し、「RGB画像警告」の設定をオンする。
この後、ステップ166では、RGB画像の抽出処理を行い、ステップ168では、RGB画像を抽出したか否かを確認する。
ここで、CMYK形式の印刷ジョブ内にRGB画像があると、ステップ168で肯定判定してステップ170へ移行する。このステップ170では、クライアント端末16のモニタ上に、RGB画像の警告用のダイアログを表示する。このダイアログとしては、例えば図7に示すように、RGB画像が含まれていることを告知すると共に、抽出したRGB画像に対する処理の指定を要求する。
このときのRGB画像に対する処理は、印刷ジョブに対する処理である印刷処理を中止するか否か、印刷処理を中止するときに、印刷ジョブを保存するか否かの指定を要求する。
また、印刷処理を継続するときには、RGB画像に対する処理の選択を要求する。このときのRGB画像に対する処理は、例えば、未変換、警告色置換等が指定可能となっている。また、警告色置換を指定するときには、その色が予め設定されている警告色(例えばマゼンタ)を適用するか、色指定を行うかの選択が可能となっている。これらに加えて、プレビュー表示を行うようにしても良い。
ここでダイアログの表示に沿って処理の指定が入力されると、図6のフローチャートでは、ステップ172で処理の指定を読み込む。
この後、ステップ174では、プレビュー表示が選択されているか否かを確認し、プレビュー表示が選択されているときには、このステップ174で肯定判定して、ステップ176へ移行し、クライアント端末16のモニタに、RGB画像のあるページレイアウトの印刷プレビューを表示するための画像を作成する。また、ステップ178では、作成した印刷プレビューをクライアント端末16のモニタ上に表示する。なお、印刷プレビューを表示したときには、処理の指定を要求するために、ステップ170へ移行する。
この印刷プレビューは、少なくともページレイアウト上のRGB画像が明確となるように表示する。このとき、RGB画像に対して、警告色変換ないし指定色変換等の指定がなされているときには、変換した画像を表示するようにしても良い。
この印刷プレビューを表示することにより、ページレイアウト上でのRGB画像の明確な認識が可能となると共に、RGB画像を変換して表示することにより、RGB画像の的確な認識を可能とするプルーフの作成が可能となる。
印刷プレビューの表示要求がないときや、印刷プレビューの表示が終了すると、ステップ174で否定判定されてステップ180へ移行する。このステップ180では、該当する印刷ジョブに対する印刷処理を中止するか否かを確認する。
ここで、印刷ジョブに対する処理の印刷処理を中止するように指定されていると、ステップ182へ移行して、印刷ジョブを保存するか否かを確認する。これにより、印刷ジョブの保存が指定されているときには、ステップ182で肯定判定してステップ184へ移行し、入力されている印刷ジョブを、プリントサーバ12内の図示しない外部メモリに保存して、この印刷ジョブに対する処理を一旦終了する。
このように印刷ジョブを保存することにより、この印刷ジョブのページレイアウトを部分的に修正して、再度、印刷ジョブを依頼するときに、非修正部分のデータや各種の設定に、外部メモリに保存している印刷ジョブを使用することができるので、例えば多数枚のページレイアウトの一部のみを修正したときなどには、データの伝送時間の短縮等を図ることができる。
これに対して、印刷ジョブの保存が指定されていないときには、ステップ182で否定判定して、ステップ186へ移行し、受信している印刷ジョブを削除して、この印刷ジョブに対する処理を終了する。
一方、印刷ジョブを継続するときには、ステップ180で否定判定してステップ188へ移行する。このステップ188では、所定の警告色に指定されているか、または、色指定がされているかを確認する。
ここで、プリントサーバ12で設定されている警告色に指定されているときには、ステップ188で否定判定して、ステップ190へ移行する。このステップ190では、RGB画像を警告色(マゼンタ)に変換する。
また、RGB画像を変換する色が指定されているときには、ステップ188で肯定判定してステップ192へ移行し、抽出しているRGB画像が、指定された色で印刷出力されるように画像変換を行う。
これにより、プリンタ14から出力される印刷物上では、RGB画像が明確となる。したがって、プルーフを作成するときにも、適正な校正が可能となるプルーフを印刷出力することができる。
なお、本実施の形態では、RGB画像を警告色の画像に変換するように説明したが、これに限らず、例えば、プリンタ14から出力する印刷物上に、RGB画像であることを明確にする警告メッセージを印刷出力するようにしても良い。また、RGB画像の周囲を所定幅及び所定色の輪郭線で囲うことにより、RGB画像を明確にするようにしても良く、さらに、別の印刷物上でRGBを明確にする警告ページを印刷するように設定しても良い。
なお、以上説明した本実施の形態は、本発明を限定するものではない。例えば、本実施の形態では、プルーフの作成を例に説明したが、本発明は、これに限らず、各種アプリケーションに設けられている印刷機能を用いた種々の印刷に適用することができる。