JP4442252B2 - 無細胞タンパク質合成装置 - Google Patents

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Description

本発明は無細胞タンパク質合成系において目的タンパク質を自動的に合成する装置に関する。
タンパク質の合成反応は、細胞内では遺伝情報をもつDNAからその情報がmRNA(メッセンジャーRNA)に転写され、リボソーム上でそのmRNAの情報が翻訳されてタンパク質が合成されるという工程で進行する。細胞内におけるタンパク質合成反応を生体外で行なう方法として無細胞タンパク質合成系が開発されている(特許文献1参照。)。
無細胞タンパク質合成系は、リボソーム等を含む抽出液に転写の鋳型となるDNA又はmRNA、基質となるアミノ酸、エネルギー源、各種イオン、緩衝液及びその他の有効因子を加えて反応容器内で行なわれる。具体的には、反応容器へサンプルDNAを分注し、それに転写試薬を分注してmRNAを生成させ、それにタンパク質合成試薬を分注し数時間インキュベーションしてタンパク質を合成させるか、反応容器へ別に用意したmRNAを分注し、それにタンパク質合成試薬を分注し数時間インキュベーションしてタンパク質を合成させる。従来の装置ではこれらの各工程は用手法で行なわれており、自動化はなされていない。
無細胞タンパク質合成は転写前のサンプルDNAや合成前のmRNAの量や質が悪いとタンパク質がうまく合成できない。そこでDNAサンプルの検定やRNAの検定が行なわれているが、従来は市販の分光光度計にて260nmと280nmの吸収量からDNAサンプルやRNAを検定したり、アガロース電気泳動のバンドを確認したりすることにより検定を行なっている。
合成後のタンパク質の定量測定又は定性測定は電気泳動などで行なわれている。
また、合成後のタンパク質の精製は高速液体クロマトグラフ(HPLC)を用いて行なわれている。
これらの検定、測定及び精製はいずれも用手法で行なわれている。
特公平7−110236号公報
アガロース電気泳動によるDNAサンプルの検定やRNAの検定は煩雑で時間を要するだけでなく、mRNAについては量だけでなく分解されていないかどうかの確認も必要であるが、アガロース電気泳動では結果がスメア状(鮮明なバンドにならない状態)になるため、確認が困難である。
他の方法によるDNAサンプルの検定やRNAの検定も煩雑で時間を要する。
また、合成後のタンパク質の定量測定や定性測定、精製も煩雑で時間を要する作業である。
本発明はこのような煩雑で時間を要する作業を含む無細胞タンパク質合成反応を自動化できる装置を提供することを目的とするものである。
本発明の無細胞タンパク質合成装置の第1の局面は、タンパク質合成を自動化するとともに、サンプルDNAとmRNAの一方又は両方の検定を自動化するものであり、サンプルDNA又はmRNAからなる鋳型を含む鋳型溶液を収容したサンプル設置部、前記鋳型を基にしてタンパク質を合成するための試薬を収容した試薬設置部、並びに前記鋳型溶液及び試薬により水性緩衝溶液中にリボソーム、mRNA及び基質を少なくとも含んでタンパク質を合成する無細胞タンパク質合成系の反応溶液が形成される反応容器を含む反応装置と、核酸の品質を検定する品質検定部と、前記反応容器への前記鋳型溶液及び試薬の分注、並びに前記品質検定部への前記鋳型溶液及び/又は前記反応容器の反応溶液の分注を行なう分注部と、前記反応容器における無細胞タンパク質合成反応の自動制御並びに前記品質検定部におけるサンプルDNA及び/又はmRNAの検定の自動制御を行なう制御部とを備えている。
「及び/又は」の表現は、「及び」である場合と「又は」である場合の両方があることを示している。
タンパク質はオリゴペプチド及びポリペプチドを含んだ意味で使用している。
本発明は、反応容器へサンプルDNAを含む鋳型溶液を分注し、それに転写試薬を分注してmRNAを生成させ、それにタンパク質合成試薬を分注し数時間インキュベーションしてタンパク質を合成させる態様と、別に用意したmRNAを含む鋳型溶液を反応容器へ分注し、それにタンパク質合成試薬を分注し数時間インキュベーションしてタンパク質を合成させる態様の両方を含んでいる。そのため、鋳型溶液はサンプルDNAを含む溶液である場合と、mRNAを含む溶液である場合の両方を含んでいる。したがって、前記試薬は転写試薬とタンパク質合成試薬の両方を含む意味で使用している。
転写試薬としては既知のものを使用することができ、例えば転写酵素を含んだ溶液を使用することができる。
タンパク質合成試薬は既知のものを使用することができ、例えば胚芽、大腸菌、家兎網状赤血球などの細胞抽出物を含んだ溶液を使用することができる。好ましくは、小麦、大麦、イネ、コーンもしくはほうれん草の胚芽又は大腸菌を含んだ溶液を挙げることができる。
基質にはアミノ酸のほか、エネルギー源としてのATP(アデノシン三リン酸)及びGTP(グアノシン三リン酸)を含む。
これらの鋳型溶液及び試薬から既知の方法により水性緩衝溶液中にリボソーム、mRNA及び基質を少なくとも含んでタンパク質を合成する無細胞タンパク質合成系を調整することができる。
本発明の無細胞タンパク質合成装置の第2の局面は、タンパク質合成を自動化するとともに、サンプルDNAとmRNAの一方又は両方の検定を自動化し、さらに合成後のタンパク質の定量測定又は定性測定も自動化するものであり、上記した一局面の無細胞タンパク質合成装置にタンパク質の定量測定又は定性測定を行なうタンパク質測定部をさらに備え、前記分注部は前記タンパク質測定部へのタンパク質合成後の反応溶液の分注も行なうように構成され、前記制御部は前記タンパク質測定部におけるタンパク質の定量測定又は定性測定の自動制御も行なうように構成されているものである。
タンパク質の定量は、例えば測定使用とするタンパク質を蛍光色素で標識し、電気泳動分離されたタンパク質の蛍光強度に基づいて行なうことができる。
タンパク質の定性は、例えば測定使用とするタンパク質に分子量が既知のタンパク質をキャリブレータとして添加することにより行なうことができる。
本発明の無細胞タンパク質合成装置の第3の局面は、タンパク質合成を自動化するとともに、サンプルDNAとmRNAの一方又は両方の検定を自動化し、合成後のタンパク質の定量測定又は定性測定も自動化し、さらに合成後のタンパク質の精製も自動化するものであり、上記した第2の局面の無細胞タンパク質合成装置にタンパク質の精製を行なうタンパク質精製部をさらに備え、前記分注部は前記タンパク質精製部へのタンパク質合成後の反応溶液の分注も行なうように構成され、前記制御部は前記タンパク質精製部におけるタンパク質の精製の自動制御も行なうように構成されているものである。
本発明の無細胞タンパク質合成装置の第4の局面は、タンパク質合成を自動化するとともに、サンプルDNAとmRNAの一方又は両方の検定を自動化し、さらに合成後のタンパク質の精製も自動化するものであり、上記した第1の局面の無細胞タンパク質合成装置にタンパク質の精製を行なうタンパク質精製部をさらに備え、前記分注部は前記タンパク質精製部へのタンパク質合成後の反応溶液の分注も行なうように構成され、前記制御部は前記タンパク質精製部におけるタンパク質の精製の自動制御も行なうように構成されているものである。
前記品質検定部の一例は、マイクロチップ電気泳動装置を備えているものである。
前記品質検定部の他の例は、キャピラリー電気泳動装置を備えているものである。
前記品質検定部のさらに他の例は、分光光度計を備えているものである。
前記タンパク質測定部の一例は、マイクロチップ電気泳動装置を備えているものである。
前記タンパク質精製部の一例は、カラムを用いた分離装置を備えているものである。
前記タンパク質精製部の他の例は、ゲルろ過装置を備えているものである。
前記タンパク質精製部のさらに他の例は、マイクロチップ電気泳動を備えているものである。
本発明の無細胞タンパク質合成装置はタンパク質合成を自動化することができるとともに、核酸の品質を検定する品質検定部を備えたので、無細胞タンパク質合成の転写工程の前にてDNAサンプルの検定と転写されたmRNAの検定の一方又は両方も自動化できるようになる。
タンパク質の定量測定又は定性測定を行なうタンパク質測定部を備えた局面では、合成後のタンパク質の定量測定又は定性測定も自動化できるようになる。
タンパク質の精製を行なうタンパク質精製部を備えた局面では、合成後のタンパク質の精製も自動化できるようになる。
このように、本発明ではタンパク質合成の自動化だけでなく、DNAサンプルの検定など、上に示した1つ又は2つ以上の煩雑な作業から開放され、用手法によるばらつきやミスがなくなり、処理時間も短縮される。
以下、図面を参照して実施例を説明する。
図1は、無細胞タンパク質合成系の反応装置、分注部、DNAの品質を検定する品質検定部、及びそれらの動作を制御する制御部を備えた本発明の第1の局面の無細胞タンパク質合成装置の一実施例を表わすものであり、タンパク質の合成だけでなく、転写工程前のDNAの検定も自動的に制御して行なうようにしたものである。
図1において、反応装置2はサンプルDNAを収容したサンプル設置部としてのマイクロタイタプレート(MTP)4、DNAからmRNAに転写する転写試薬を収容した転写試薬設置部の転写試薬容器6、タンパク質合成試薬を収容したタンパク質合成試薬設置部としての複数の合成試薬容器8及び無細胞タンパク質合成系を形成する反応容器10を備えている。
サンプル設置部としてのマイクロタイタプレート4では複数の凹部にそれぞれサンプルDNAを収容している。
反応容器10は、例えば使い捨て可能なマイクロタイタプレートであり、複数の凹部を備え、各凹部がそれぞれ個別の反応容器として作用する。
反応装置2の近傍にはDNAの品質を光学的に検定する品質検定部12が設けられている。品質検定部12は紫外線領域での吸収スペクトルを測定するミクロセル分光光度計14を備えており、分光光度計14には検定しようとするDNAを注入するための分注口16が設けられている。分光光度計14には正常なDNAと判定するための吸光度値の規定範囲が保持されており、試料のDNAの吸光度がその吸光度規定範囲内にあるかどうかで品質が評価される。
分析装置2と品質検定部12の近傍には分注部20が設けられており、分注部20は反応容器10へのサンプルDNA、転写試薬及びタンパク質合成試薬の分注、並びに品質検定部12へのサンプルDNAの分注を行なう。
分注部20のノズル22の先端には使い捨て可能なチップ24が着脱可能に装着される。分注部20はノズル22が三方バルブ26を介してシリンジポンプ28に接続されており、シリンジポンプ28によりサンプルDNAや試薬などの分注を行なう。三方バルブ26には洗浄液容器30内の洗浄液につながる流路も接続されている。32は洗浄部であり、ノズル22の先端を洗浄部32に挿入し、洗浄液30をシリンジポンプ28でノズル22の先端から吐出することによりノズルの内部を洗浄するとともに、ノズルの外側を洗浄部32の洗浄液で洗浄する。
この実施例の無細胞タンパク質合成装置の動作を自動的に操作できるようにするために、制御部34aが設けられている。制御部34aは反応容器10における無細胞タンパク質合成反応の自動制御と、品質検定部12におけるサンプルDNAの検定の自動制御、必要に応じてさらにmRNAの検定の自動制御までも行なう。
この実施例の動作を説明する。
制御部34aにより分注部20がサンプル設置部4からサンプルDNAを分取し、品質検定部12の分注口16に分注すると、品質検定部12ではサンプルDNAがミクロセルに送られて紫外線領域の吸光度が測定され、規定範囲にあるかどうかが判定される。そのサンプルDNAの吸光度が規定範囲になければエラーメッセージが出され、次の工程へ進むかどうかを聞いてくる。
制御部34aに次の工程へ進む指示を与えると、制御部34aは分注部20によりサンプルDNAを反応容器10に分注し、転写試薬を分注する。これにより反応容器10ではサンプルDNAから転写されたmRNAが生成する。
次に制御部34aは分注部20によりその反応容器10にタンパク質合成試薬を分注する。その後、数時間インキュベーションして、タンパク質を合成させる。
ここでは、品質検定部12はサンプルDNAの品質検定のみをおこなっているが、サンプルDNAから転写されたmRNAの品質検定も行なうようにしてもよい。RNAもDNAと同様の基準により品質を検定することができる。
また、サンプルDNAの品質検定を省略し、転写されたmRNAの品質検定を行なうようにしてもよい。
図2の実施例は、図1の実施例と同様に、無細胞タンパク質合成系の反応装置、分注部、DNAの品質を検定する品質検定部、及びそれらの動作を制御する制御部を備えて、タンパク質の合成だけでなく、転写工程前のDNAの検定も自動的に制御して行なうようにしたものであるが、品質検定部として分光光度計に替えてマイクロチップ電気泳動装置を備えたものである。
図2の実施例において、反応装置2及び分注部20は図1の実施例と同じである。
品質検定部40はマイクロチップ50の流路で試料の電気泳動を行なわせるマイクロチップ電気泳動装置を備えている。
品質検定部40のマイクロチップ電気泳動装置は、サンプルDNAの検定だけでなく、転写後のmRNAの検定も行なうことができることは図1の実施例と同様であるが、マイクロチップ電気泳動装置は合成後のタンパク質の定量測定装置又は定性測定装置としても利用することができる。したがって、図2の実施例は本発明の第1の局面を実現するように実施できるとともに、第2の局面を実現するように実施することもできるものである。
マイクロチップ50はその基板内に電気泳動流路を備えている。この例では、電気泳動流路として、両端間に電圧を印加することによって試料を電気泳動させて分離する分離流路55と、分離流路55に交差し試料を分離流路55まで導入するための試料導入流路54を備えている。流路55,54の両端は基板表面に開口してリザーバとなっている。
マイクロチップ50の電気泳動流路に充填される分離バッファ液は、分注部20のノズル22により電気泳動流路の一端のリザーバに分注される。電気泳動流路の一端のリザーバに分注された分離バッファ液を電気泳動流路内に充填するために、バッファ充填・排出部42が備えられている。バッファ充填・排出部42はマイクロチップ50のいずれかの電気泳動流路の一端のリザーバ上に空気吐出口44を気密を保って押し付け、他のリザーバに吸引ノズル46を挿入し、空気吐出口44から空気を吹き込んで分離バッファ液を電気泳動流路に押し込むとともに、他のリザーバから溢れた分離バッファ液をノズル46から吸引ポンプにより吸引して外部へ排出する。
マイクロチップ50の電気泳動流路55,54に試料導入用電圧と電気泳動用電圧を印加するために、電気泳動用高圧電源(図示略)が設けられている。
マイクロチップ50の分離流路55で電気泳動分離された試料成分を検出するために蛍光測定部(図示略)が設けられている。蛍光測定部は、分離流路55の一部に励起光を照射するLED(発光ダイオード)と、分離流路55を移動する試料成分がそのLEDからの励起光により励起されて発生した蛍光を受光する光ファイバと、その光ファイバからの蛍光から励起光成分を除去し、蛍光成分のみを透過させるフィルタを介して蛍光を受光する光電子増倍管とを備えている。なお、励起光の光源としては、LEDに限らずLD(レーザダイオード)を用いてもよい。
図3と図4はこの実施例におけるマイクロチップの一例を示したものである。本発明におけるマイクロチップは基板内に電気泳動流路が形成されたこのような電気泳動装置を指しており、必ずしもサイズの小さいものに限定される意味ではない。
図3に示されるように、このマイクロチップ50は一対の透明基板(石英ガラスその他のガラス基板や樹脂基板)51,52からなり、一方の基板52の表面に、(B)に示されるように、互いに交差する泳動用キャピラリー溝54,55を形成し、他方の基板51には、(A)に示されるように、その溝54,55の端に対応する位置にリザーバ53を貫通穴として設け、両基板51,52を(C)に示すように重ねて接合し、キャピラリー溝54,55を試料の電気泳動分離用の分離流路55と、その分離流路に試料を導入するための試料導入流路54とする。
マイクロチップ50は基本的には図3に示したものであるが、取扱いを容易にするために、図4に示されるように、電圧を印加するための電極端子を予めチップ上に形成したものを使用する。図4はそのマイクロチップ50の平面図を示したものである。リザーバ53は流路54,55に電圧を印加するためのポートでもある。ポート#1と#2は試料導入流路54の両端に位置するポートであり、ポート#3と#4は分離流路55の両端に位置するポートである。各ポートに電圧を印加するために、このマイクロチップ50の表面に形成された電極パターン61〜64がそれぞれのポートからマイクロチップ50の側端部に延びて形成されており、電気泳動用高圧電源に接続されるようになっている。
図5はバッファ充填・排出部42における空気供給口44とマイクロチップ50の接続状態を概略的に示したものである。空気供給口44の先端にはOリング45が設けられており、空気供給口44をマイクロチップ50の1つのリザーバ上に押し当てることにより、マイクロチップ50の電気泳動流路に対し、空気供給口45を気密を保って取り付けることができ、空気供給口44から空気を加圧して流路内に送り出すことができる。他のリザーバにはノズル46が挿入され、流路から溢れ出した不用な分離バッファ液を吸入して排出する。
この実施例の無細胞タンパク質合成装置の動作を自動的に操作できるようにするために、制御部34bが設けられている。制御部34bは反応容器10における無細胞タンパク質合成反応の自動制御と、品質検定部40におけるサンプルDNAの検定の自動制御、必要に応じてさらにmRNAの検定の自動制御までも行なう。
品質検定部40を合成後のタンパク質の定量分析又は定性分析の測定装置として利用する場合には、制御部34bは品質検定部40におけるタンパク質の定量分析又は定性分析の自動制御までも行なう。
このマイクロチップ電気泳動装置を用いた品質検定部40では、分注部20のノズル22により分離バッファ液41が電気泳動流路の一端のリザーバに分注され、分離バッファ充填・排出部42により電気泳動流路に充填される。
この実施例の動作を説明すると、制御部34bにより分注部20がサンプル設置部4からサンプルDNAを分取し、品質検定部40のマイクロチップ50の試料導入流路54の一端のリザーバに分注すると、サンプルDNAはサンプル導入流路54の両端間に印加される電圧によりサンプル導入流路54を移動して分離流路55との交差位置56まで導入される。その後電気泳動流路への電圧印加が切り替えられ、その交差位置56に導入されたサンプルDNAは分離流路55の両端間の電位差によって泳動して分離され、分離流路55の一部に設けられた蛍光測定部によって検出される。
品質検定部40はその電気泳動分離の結果に基づいて、DNAの分離サイズを測定し、規定範囲にあるかどうかを判定して検定する。規定範囲になければエラーメッセージを出し、次の工程へ進むかどうか聞いてくる。その後のタンパク質合成工程は図1の実施例と同じである。
この実施例においては、タンパク質合成工程後のタンパク質の定量測定又は定性測定を行なうこともできる。その場合は、タンパク質合成工程終了後、分注部20が反応容器10の反応溶液を品質検定部40のマイクロチップ50の試料導入流路54の一端のリザーバに分注する。サンプルDNAの検定の場合と同様にして、合成後のタンパク質が電気泳動分離され、合成されたタンパク質の分子量分布が測定される。
この実施例では、品質検定部40はマイクロチップ電気泳動装置を備えているが、マイクロチップ電気泳動装置に替えてキャピラリー電気泳動装置を用いることもできる。
図6は、無細胞タンパク質合成系の反応装置、分注部、合成後のタンパク質の精製を行なうタンパク質精製部、及びそれらの動作を制御する制御部を備えた本発明の第7の局面の無細胞タンパク質合成装置の一実施例を表わすものであり、タンパク質の合成だけでなく、合成後のタンパク質の精製も自動的に制御して行なうようにしたものである。
図6の実施例では、合成後のタンパク質をカラムを用いて分離精製する。反応装置2及び分注装置20は図1の実施例で示したものと同じである。
反応装置2の近傍にタンパク質精製部70が設けられている。分注部20のノズル22によって反応容器10からタンパク質合成反応終了後の反応溶液が吸引されてタンパク質精製部70のインジェクションポート72に注入される。インジェクションポート72はサンプリングバルブ74に接続されている。サンプリングバルブ74にはサンプリングのためのサンプルループ76が接続され、さらにサンプリングした試料を移動相で送るための移動相送液流路78と、試料を移動相でカラムへ送るための送液流路80が接続されている。
移動相送液流路78はバッファ液Aとバッファ液Bとを混合して送ることができるように、それらのバッファ液がグラジエントバルブ86を介してポンプ88からミキサー90を経て供給されるように流路が接続されている。バッファ液Aは複数種が用意され、選択バルブ83により選択できるようになっている。移動相送液流路78は、バルブ83と86の選択により所望のバッファ液を選択し、ミキサー90で混合して送ることができる。
サンプリングバルブ74の切替え操作によりサンプルループ76に採取された合成後のタンパク質が移動相のバッファ液とともに流路80からカラム92に送られる。カラム92は複数種類のものが用意され、それぞれの上流側と下流側のカラム選択バルブ94と96によって選択されたものにタンパク質溶液が供給される。カラム92で精製されたタンパク質はUV検出器98、電気伝導度検出器100及びpH測定器102を経てフラクションノズル104からフラクション容器(図示略)に集められ、分画が行なわれる。
この実施例の無細胞タンパク質合成装置の動作を自動的に操作できるようにするために、制御部34cが設けられている。制御部34cは反応容器10における無細胞タンパク質合成反応の自動制御と、タンパク質精製部70の精製操作の自動制御を行なう。
検出器98,100,102は特にこれらに限定されるものではなく、タンパク質を検出できるものであれば他のものであってもよい。
この実施例では、指定されたカラム92と、選択されたバッファ液A,Bのグラジエントにて精製が行なわれ、フラクションノズル104にて指定された容器に分画される。
タンパク質の精製はゲルろ過による精製やマイクロチップ電気泳動による精製に置き換えることもできる。
以上の実施例は反応装置と分注部に品質検定部を備えたもの、品質検定部と定量もしくは定性測定部を備えたもの、タンパク質精製部を設けたものをそれぞれ示しているが、これに限らない。品質検定部、定量もしくは定性測定部及びタンパク質精製部は、それらのうちのいずれか2種類を備えたものであってもよく、それらの3種類をすべて備えたものであってもよい。
本発明は、医療、化学、研究などの分野でタンパク質を合成するために利用することができる。
第1の実施例を示す概略構成図である。 第2の実施例を示す概略構成図である。 マイクロチップの一例を示す図であり、(A)と(B)はマイクロチップを構成する透明板状部材を示す平面図、(C)はマイクロチップの正面図である。 同実施例で使用するマイクロチップを示す平面図である。 同実施例におけるバッファ充填・排出部における空気供給口とマイクロチップの接続状態を概略的に示す断面図である。 第3の実施例を示す概略構成図である。
符号の説明
2 反応装置
4 サンプル設置部としてのマイクロタイタプレート(MTP)
6 転写試薬容器
8 合成試薬容器
10 反応容器
12,40 品質検定部
14 分光光度計
20 分注部
22 ノズル
26 三方バルブ
28 シリンジポンプ
34a,34b,34c 制御部
50 マイクロチップ
54 試料導入流路
55 分離流路
70 タンパク質精製部
92 カラム

Claims (11)

  1. サンプルDNA又はmRNAからなる鋳型を含む鋳型溶液を収容したサンプル設置部、前記鋳型を基にしてタンパク質を合成するための試薬を収容した試薬設置部、並びに前記鋳型溶液及び試薬により水性緩衝溶液中にリボソーム、mRNA及び基質を少なくとも含んでタンパク質を合成する無細胞タンパク質合成系の反応溶液が形成される反応容器を含む反応装置と、
    核酸の品質を検定する品質検定部と、
    前記反応容器への前記鋳型溶液及び試薬の分注、並びに前記品質検定部への前記鋳型溶液及び/又は前記反応容器の反応溶液の分注を行なう分注部と、
    前記反応容器における無細胞タンパク質合成反応の自動制御並びに前記品質検定部におけるサンプルDNA及び/又はmRNAの検定の自動制御を行なう制御部と、を備え
    前記制御部は、前記品質検定部における検定動作終了後、次の動作へ進むかどうかの問合せを発するとともに検定されたサンプルDNA又はmRNAが規定範囲内にない場合にはエラーメッセージを発し、次の動作へ進む指示の入力を待って無細胞タンパク質合成反応の動作へ進むように制御するものである無細胞タンパク質合成装置。
  2. 請求項1に記載の無細胞タンパク質合成装置において、
    タンパク質の定量測定又は定性測定を行なうタンパク質測定部をさらに備え、
    前記分注部は前記タンパク質測定部へのタンパク質合成後の反応溶液の分注も行なうように構成され、
    前記制御部は前記タンパク質測定部におけるタンパク質の定量測定又は定性測定の自動制御も行なうように構成されている無細胞タンパク質合成装置。
  3. 請求項2に記載の無細胞タンパク質合成装置において、
    タンパク質の精製を行なうタンパク質精製部をさらに備え、
    前記分注部は前記タンパク質精製部へのタンパク質合成後の反応溶液の分注も行なうように構成され、
    前記制御部は前記タンパク質精製部におけるタンパク質の精製の自動制御も行なうように構成されている無細胞タンパク質合成装置。
  4. 請求項1に記載の無細胞タンパク質合成装置において、
    タンパク質の精製を行なうタンパク質精製部をさらに備え、
    前記分注部は前記タンパク質精製部へのタンパク質合成後の反応溶液の分注も行なうように構成され、
    前記制御部は前記タンパク質精製部におけるタンパク質の精製の自動制御も行なうように構成されている無細胞タンパク質合成装置。
  5. 前記品質検定部はマイクロチップ電気泳動装置を備えている請求項1から4のいずれかに記載の無細胞タンパク質合成装置。
  6. 前記品質検定部はキャピラリー電気泳動装置を備えている請求項1から4のいずれかに記載の無細胞タンパク質合成装置。
  7. 前記品質検定部は分光光度計を備えている請求項1から4のいずれかに記載の無細胞タンパク質合成装置。
  8. 前記タンパク質測定部はマイクロチップ電気泳動装置を備えている請求項2又は3に記載の無細胞タンパク質合成装置。
  9. 前記タンパク質精製部はカラムを用いた分離装置を備えている請求項3又は4に記載の無細胞タンパク質合成装置。
  10. 前記タンパク質精製部はゲルろ過装置を備えている請求項3又は4に記載の無細胞タンパク質合成装置。
  11. 前記タンパク質精製部はマイクロチップ電気泳動を備えている請求項3又は4に記載の無細胞タンパク質合成装置。
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