JP4441776B2 - 空調設備費算出方法および装置 - Google Patents

空調設備費算出方法および装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調設備の費用を算出する方法に係り、特に空調設備を設ける際の概算費用を求めるのに好適な空調設備費算出方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビルディングなどに設ける空調設備は、一般にビルディングの建設工事と並行して工事が行なわれる。そして、空調設備を設置する費用は、ビルディングなどの建設費の一部に含められることが多く、ビルディングなどの建設の着工前に空調設備の費用を見積る必要がある。この空調設備の費用の見積りは、従来、図22(b)に示した方法によって行われる。
【0003】
すなわち、空調設備の費用見積りを行なう場合、まず、ビルディングなどの建物が運用された際に生ずる熱を考慮した、空調機の熱負荷を計算する(図2(a)S10)。従来の熱負荷計算の方法は、同図(b)に示したように、顧客や設計事務所などから建築図(設計図)10を受領する。そして、建築図10にスケールを当てて部屋の広さや容積などを計算し、さらに壁体構造から設計便覧によって熱通過率などを求める。また、その部屋の用途(例えば、事務所であるか、レストランであるかなど)に基づいて、照明や部屋の人数、室に設置される電気機器などを考慮して部屋の発熱量を設計便覧などを利用して手作業によって求める。さらに、パーソナルコンピュータ(パソコン)12によって市販の熱負荷計算ソフトウエア(熱負荷計算ソフト)14を立ち上げ、前記した部屋の大きさや熱通過率、発熱量などをコンピュータ12に入力して熱負荷計算を行ない、熱負荷計算書を作成する。
【0004】
次に、その建物に合った空調方式などを検討して空調システムの設計を行ない(S11)、この空調システムを実現するための機器表を作成する(S12)。また、温水配管や冷水配管、ダクト配管などの引き回し(配置)を示す系統図、ルート図を作成する(S13)。この空調システム設計、機器表、系統図、ルート図作成をする場合、従来は、パソコン12を用いて各種のCAD図16を作成するとともに、機器の性能を調べたり、確認するために機器カタログ18を取り寄せや、メーカに図面20を作成してもらったり、またメーカカタログを参照したり、各種の技術資料を参照したり、さらにファクシミリや電話によるメーカへの問い合わせなどを行なって設計計算書22にまとめる。
【0005】
その後、空調設備に必要な部材の種類、数量の積算、価格などに基づいた費用の積算を行ない、見積書を作成する(S14)。従来の積算と見積書の作成は、ルート図などの各種のCAD図から配管やダクト部材の拾い出しを行い、その種類と数とを集計表24としてまとめ、さらにメーカから見積書26を取り寄せたのち、市販の表計算ソフト28を用いてパソコン12によって行なっている。
【0006】
さらに、必要に応じて空調設備を運営するのに必要なランニングコストを求める(S15)。このランニングコストを算定する場合、従来は、便覧やカタログなどから機器の燃料消費量を調べ、各地域ごとのエネルギーコストをしたべたのち、相当運転時間法32や市販のランニングコストを算出するソフトウェア(ソフト)を利用してパソコン12によって求めていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来の空調設備の費用見積りは、熱負荷計算、空調システム設計、部材や費用の積算、ランニングコスト算定などを個別に行なっており、非常に煩雑でわずらわしい。しかも、従来の費用算出方法は、部分的に市販のソフトを利用してパソコンを用いた計算を行なっているが、多くの部分において作業者が図面の寸法を測って計算したり、設計便覧やカタログなどを調べて必要な数値を求めたり、メーカなどにファクシミリや電話による問い合わせを頻繁に行なう必要があり、非常に多くの手間と時間とがかかるばかりでなく、手書きの書類が多くて見にくい。また、パソコンソフトを利用する場合であっても、多数のソフトを用いなければならず、例えば部材の種類や数、寸法データなどを2度も3度も重複入力する必要があるなど、二度手間となることも多い。さらに、何度も同じような表などを作成するため、部材の記入漏れや数量の誤記などが発生し易く、照合に多くの時間を必要としたり、作業者の精神的負担も大きい。
【0008】
また、上記した従来の費用算出方法は、作業者が設計便覧などをめくって熱負荷計算の基礎となる数値などを求めているため、同じ条件であっても作業者によって異なった数値を用いる場合があり、見積りの精度が一定しない。しかも、期限的な制約を受けて充分に調べる余裕がない場合には、過去の似たような案件から数値を参照することもあり、一定した見積りを行なえない。
【0009】
本発明は、前記従来技術の欠点を解消するためになされたもので、空調設備費の見積りを容易、迅速に行なえるようにすることを目的としている。
【0010】
また、本発明は、空調設備の設計に必要な係数を変更することにより、設計変更を容易に行なえるようにすることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る空調設備の費用見積方法は、コンピュータによって空調設備の費用を算出する方法であって、入力手段を用いて建物の躯体図を描いて建物の各室の大きさを求めるとともに、前記建物の用途に応じた発熱量、建物の壁体構造に応じた熱通過率、建物の建設地に応じた気象データなどの建物属性情報に応じて予め記憶させた熱負荷算出用データを読み出し、この読み出した熱負荷算出用データと、予め記憶させた熱負荷算出用演算式とにより空調設備の熱負荷を求めたのち、前記入力手段を用いて前記躯体図に配管・ダクトの配設状態を描き入れるとともに、前記空調設備を構成する複数の機器とこれらの機器に対応させた付属部材とを結合して予め記憶させ、前記機器を設置する際の付帯工事の情報がリンクさせてある機器モジュール情報から、前記求めた熱負荷に基づいて選択した前記機器と前記付属部材とを前記躯体図に配置し、
前記配管・ダクトの配置状態と前記機器、付属部材とを描き入れた前記躯体図に基づいて、予め与えられた式を用いて前記配管・ダクトの口径を求めるとともに、配管・ダクト部材、機器、付属部材を抽出し、この抽出した配管・ダクト部材、機器、付属部材、付帯工事と、これらに対応させて予め記憶させてある価格情報とから前記空調設備の費用を算出するとともに、前記建物を建設する地域に対応させたエネルギー価格の情報を記憶させ、前記建物の用途に応じた建物の稼働率を記憶させ、予め与えられた式に基づいて、前記エネルギー価格、前記稼働率を用いて前記空調設備のランニングコストを算出可能としてなる、ことを特徴としている。
【0012】
そして、上記の空調設備費算出方法を実施するための本発明に係る空調設備費算出装置は、建物の用途に応じた発熱量、建物の壁体構造に応じた熱通過率、建物の建設地に応じた気象データなどの建物属性情報に応じて予め定めた熱負荷算出用データを記憶させた熱負荷データ記憶部、空調設備を構成する複数の機器のそれぞれに対応させた付属部材並びに付帯工事情報を前記機器と結合させた機器モジュール情報を記憶させた機器モジュール記憶部、前記機器および各種部材の価格を記憶させた価格情報記憶部、各種機器の定格運転の能力や、各種運転条件に対応した実能力などが記憶させてある機器性能記憶部を有する記憶手段と、入力された情報に基づいて前記建物の躯体図を作成可能な躯体図作成部と、この躯体図作成部により描いた躯体図と、入力された前記建物付属情報に基づいて前記熱負荷データ記憶部から読み出した熱負荷算出用データとを用い、予め与えられた演算式によって空調設備の熱負荷を求める熱負荷算出部と、前記躯体図作成部により描いた躯体図に、入力された情報に基づいて配管・ダクトの配設状態を描き入れる系統・ルート図作成部と、前記機器モジュール記憶部に記憶されている複数の機器モジュール情報から選択された前記機器と前記付属部材とを前記躯体図に配置可能な機器選定部と、前記系統・ルート図作成部と前記機器選定部とによって前記躯体図に描き入れた前記機器、付属部材、前記配管・ダクトの配設状態の情報から機器および各種部材を抽出する部材抽出部と、この部材抽出部が抽出した機器および前記各種部材と、前記価格情報記憶部に記憶させてある価格情報とを読み出して前記空調設備の費用を求める費用算出手段と、前記記憶手段には前記建物を建設する地域に対応させたエネルギー価格の情報を記憶させたエネルギー価格情報記憶部、前記建物の用途に応じた建物の稼働率を記憶させた稼働率記憶部を有し、前記費用算出手段は予め与えられた式に基づいて、前記エネルギー価格情報記憶部に記憶させたエネルギー価格、前記稼働率記憶部に記憶させた前記稼働率を用いて前記空調設備のランニングコストを算出するランニングコスト算出部と、を有することを特徴としている。
【0013】
系統・ルート図作成部は、配管・ダクトの配置状態が書き入れられたときに、予め与えられている計算式、空気の吹出し風度、単位容積当りの吹出し風量と、躯体図作成部によって描かれた躯体図とに基づいて、室内に設ける空気の吹出口の数を求め、これらの吹出口を均等配置する位置を求めるように構成することができる。
【0014】
また、記憶手段には不動産に関する税率や保険料率、エネルギー消費に伴う二酸化炭素の発生率などの生涯費用算出用係数を記憶したランニングコスト係数記憶部を設け、ランニングコスト算出部は、ランニングコスト係数記憶部に記憶させてある生涯費用算出用係数を読み出し、予め与えられた式に基づいて建物空調の生涯費用、生涯二酸化炭素排出量を求める。
【0015】
【作用】
上記のごとく構成した本発明は、予め熱負荷算出用データ、機器モジュール情報、価格情報などのデータを作成し、記憶手段に記憶させておく。熱負荷算出用データは、建物の属性情報、例えば建物の用途、建物の壁体構造、建物の建設地などに応じた熱負荷の計算に必要とするデータである。例えば、属性情報が建物の用途であって、用途が事務室である場合、事務室としての照明、設置する電気機器の種類と数、平均的な人の数などによる発熱量を熱負荷算出用データとして予め求める。さらに、属性情報が壁体構造である場合、例えば透明なガラスのときの熱通過率、鉄筋コンクリート壁の熱通過率などを熱負荷算出用データとして予め求めておく。また、属性情報が建設地である場合、その地域の各季節や各月における平均気温や日射量などを熱負荷算出用データとして予め求めておく。
【0016】
また、機器モジュール情報として記憶手段に記憶させる機器モジュールは、機器と機器廻りの配管、弁、温度計、圧力計などとを結合させて記憶手段に記憶させる。さらに、記憶手段には、前記機器や付属部材、さらには機器モジュールに含まれない配管部材、ダクト部材などの価格情報を予め記憶させる。
【0017】
そして、入力手段を構成しているマウスやデジタイザなどを用いて建物の躯体図を描き、建物の各部屋の大きさを求める。また、入力手段を構成しているキーボードなどによって建物の属性情報を入力し、記憶手段に記憶させてある熱負荷算出用データを読み出し、予め与えられている式によって熱負荷を計算する。さらに、建物の躯体図に配管やダクトの配置、すなわち系統やルートを入力手段によって描き込むとともに、空調設備を構成する機器を機器モジュール情報記憶手段から読み出して付属部材とともに建物の躯体図に配置する。そして、配管・ダクトおよび機器モジュールを配置した建物の躯体図に基づいて、建物の用途に応じて予め設定されている空調空気の吹出し風速、単位容積当りの吹出し風量などや計算式を用いて配管・ダクトの口径(断面寸法)を求め、さらに機器や付属部材、配管・ダクト部材を抽出し、これらと記憶手段に記憶させてある価格とによって個々の機器、付属部材、付帯工事、配管・ダクト部材の価格を求め、これらを積算して空調設備の費用を見積りする。
【0018】
したがって、作業者が建物の各部屋の発熱量や、建物を建設する地域の温度、日射量などを設計便覧などによって調べる必要がなく、また従来のように同じデータを複数回パソコンに入力するなどの二度手間を省くことができ、空調設備の費用を見積るために要する労力と時間とを大幅に少なくすることができる。しかも、本発明においては、空調設備を構成する機器に対応する付属部材を機器と結合してモジュール化して記憶させてあるため、機器を選択する際に、機器表やカタログ、メーカの見積りなどから付属部材の決定する労力、時間を大幅に削減することができ、、費用の見積りに要する時間を大幅に短縮することができる。また、空調設備の熱負荷計算から費用の見積りまでを一貫して行なうことができ、手書きによる図面などがなくせ、見やすい設計書や計算書を作成することができる。さらに、各種のデータを記憶手段から読み出して使用するため、人によって使用する数値が異なるようなことがなく、費用の算出精度が一定して信頼性が高まる。
【0019】
なお、機器モジュール情報に、機器の設置に必要な機器の搬入、基礎工事、必要個所への塗装工事や保温工事などの付帯工事をリンクさせておくことにより、各種部材や機器の抽出の際に、塗装工事や保温工事を漏れなく容易に抽出することができ、より一層費用の算出を容易、迅速に行なうことができる。そして、室内に設ける空気の吹出し口の数と、吹出口を均等配置する位置とを自動的に求めるようにしているため、面倒な室内天井部のダクトルートの割り出しや、空気の吹出口の数、均等配置する位置の計算などを行なう必要がなく、容易、迅速にルート設計を行なうことができ、空調設備の見積りを迅速に行なうことができる。
【0020】
また、ランニングコスト算出部を設けてランニングコストや生涯費用(Life Cycle Cost:LCC)、生涯二酸化炭素排出量(LCCO2 )を求められるようにしているため、空調設備の設置の際に、初期費用(イニシャルコスト)ばかりでなく、ランニングコストなどを勘案した総合的な判断をすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明に係る空調設備費算出方法および装置の好ましい実施の形態を、添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る空調設備費算出装置の概略ブロック図である。図1において、空調設備費算出装置40は、図示しないキーボードやマウスなどからなる設定用の入力部(入力手段)42と、データ追加用の入力部43とを有している。また、費用算出装置40は、記憶手段50、設計条件設定手段60、空調設備設定手段70、費用算出手段80を有していて、周辺機器部100を構成している表示装置102、プリンタ104、外部記憶装置106に接続してある。
【0022】
記憶手段50には、熱負荷データ記憶部50a、機器モジュール情報記憶部50b、制御モジュール情報記憶部50c、価格情報記憶部50d、エネルギーコスト情報記憶部50e、機器性能データ記憶部50fなどの各種のデータが予め記憶させてある。熱負荷データ記憶部50aには、建物の用途に応じた発熱量や稼働率、建物の壁体構造に応じた熱通過率、建物の建設地に対応させた各月(または各季節)ごとの気象条件(例えば、平均気温、平均日照時間)などの建物の属性情報に応じた、空調設備の熱負荷を求めるのに必要な熱負荷算出用データが予め求めて記憶させてある。
【0023】
機器モジュール情報記憶部50bには、空調設備を構成する複数種類の熱源機器や空調機器、これらの熱源機器や空調機器のそれぞれに対応させた配管、弁、温度計や圧力計などの付属部品(付属部材)、機器を設置するのに必要な基礎工事、機器の搬入、必要個所への塗装工事や保温工事などの付帯工事が機器と関連付けて記憶させてある。また、制御モジュール情報記憶部50cには、熱源機器や空調機器の制御方式と、制御方式に対応させた制御システムを示す系統・配線図、制御を実現するための機器などが関連付けて記憶させてある。
【0024】
そして、価格情報記憶部50dには、前記した各機器や付属部材、付帯工事、さらには配管部材、ダクト部材、制御機器などのそれぞれの価格情報が記憶させてある。また、エネルギーコスト情報記憶部50eには、各地における電気料金、ガス料金、油料金、水道料金が地域とその地域におけるエネルギー供給会社に対応させて記憶させてある。さらに、機器性能記憶部50fには、各種機器の定格運転の能力や、各種運転条件に対応した実能力などが記憶させてある。そして、記憶手段50には、キーボードやマウスなどの入力手段からなるデータ追加用入力部43が接続してあって、各記憶部50a、50b、50c、………の内容を書き替えたり、新たなデータの追加、データの削除などが行なえるようになっている。
【0025】
設計条件設定手段60は、キーボード、マウス、デジタイザなどからなる設定用入力部42、記憶手段50、空調設備設定手段70に接続してあって、空調・熱源・制御方式設定部60a、建物概要設定部60b、躯体図作成部60c、熱負荷算出部60dを有している。
【0026】
空調・熱源・制御方式設定部60aは、入力部42によって入力された空調設備を構成する熱源システム、空調システム、これらのシステムを制御するための自動制御システムなどを記憶する。また、建物概要設定部60bは、入力手段42によって入力された建物属性情報である建物の建設地や用途、壁体構造、延べ面積や階数などの建物の概要を示す情報を記憶する。そして、躯体図作成部60cは、入力部42によって与えられた情報に基づいて建物の概略平面図などの躯体図が描けるようになっている。また、躯体図作成部60cは、描いた平面図に基づいて各室の広さを求めるとともに、前記の平面図と建物概要設定部60bに設定された天井高さから各室の容積を算出して記憶する。
【0027】
熱負荷算出部60dは、空調設備の熱負荷を求める演算式が予め与えられていて、建物概要設定部60bに設定された建物概要(建物属性情報)に基づいて、記憶手段50の熱負荷データ記憶部50aに記憶されている熱負荷算出用データを読み出し、この熱負荷算出用データと躯体図作成部が求めた室の広さとから、空調設備の熱負荷を求めて熱負荷計算書を作成して出力する。なお、窓による日射負荷は、壁面に対する窓(ガラス)の面積比により算出するようにしてある。この熱負荷計算書は、各室ごとの熱負荷、建物全体の熱負荷などを所定の様式にして周辺機器部100の表示装置102、プリンタ104、外部記憶装置106などに出力する。
【0028】
空調設備設定手段70は、入力部42、記憶手段50、設計条件設定部60、費用算出手段80に接続してある。そして、空調設備設定手段70は、系統・ルート決定部72と機器選定部74とを有している。系統・ルート決定部72は、冷水配管や温水配管、ダクトの系統、これらの配管やダクトの配置状態(ルート)を定めるもので、系統登録部72aと系統・ルート図作成部72bと室内器具設定部72cとが設けてある。また、機器選定部74は、ボイラなどを設置する熱源機械室の内部を設計可能であって、空調設備を構成する機器を設定する機器選定計算部74a、熱源機械室図面作成部74b、機器・部材抽出部74cを有する。
【0029】
系統・ルート決定部72の系統登録部72aには、建物の各階における配管系統、空調系統、換気系統などが設定、登録される。系統・ルート図作成部72bにおいては、設計条件設定手段60の躯体図作成部60cによって描いた躯体図に、どのシャフト(垂直空間)を通して配管系統、ダクト系統を各階に導くか、各階における配管、ダクトの平面配置図(平面ルート図)を描き込むことができるようになっている。そして、室内器具設定部72cにおいては、系統・ルート図作成部72bによって描かれた系統・ルート図の吸入口、吹出口の種類、室内器具が設定される。
【0030】
機器選定部74の機器選定計算部74aにおいては、空調・熱源・制御方式設定部に設定された方式について、例えば空調設備を形成する熱源システムや空調システムの併用の設定、必要な能力を有する熱源機器、空調機器の選定、配管系統、ダクト系統のそれぞれのサイズや長さの設定等が行われるとともに、選定された機器が満足する能力を有するか否かが計算される。また、熱源機械室図面作成部74bは、設計条件設定手段60の躯体図作成部60cによって描かれた熱源機器機械室の平面図に、配管、ダクトのルート図を描くことができるとともに、選定した熱源機器を配置した図面を作成できる。この図面に配置された熱源機器は、この熱源機器にリンクされて機器モジュールを形成している機器廻りの配管、開閉弁、温度計、圧力計などの付属部材(付属部品)を情報として含んでいる。さらに、機器・部材抽出部74cにおいては、系統・ルート決定部72の系統・ルート図作成部72bによって描いた図面、室内器具設定部72cによって設定された室内器具、および機器選定部74の熱源機械室図面作成部74bにおいて配置された機器、付属部材などを抽出し、これらの数、寸法、長さなどを一覧表にした機器表を作成して出力する。
【0031】
費用算出手段80は、入力部42、記憶手段50、空調設備設定手段70に接続してあって、イニシャルコスト算出部80a、ランニングコスト算出部80bを有している。イニシャルコスト算出部80aは、機器選定部74の機器・部材抽出部74cが抽出した機器、部材に基づいて、記憶手段50の価格情報記憶部50dに格納してある機器、部材の価格を読み出し、これらから空調設備を設けるのに必要な初期費用(イニシャルコスト)を算出し、所定の様式の見積書を作成して周辺機器部100に出力する。また、ランニングコスト算出部80bは、空調設備を運転するのに必要な年間のエネルギー消費量を求め、記憶手段50のエネルギーコスト情報記憶部50eに記憶されているエネルギーの単価から、空調設備の年間の運転費用を求め、所定の様式のランニングコスト計算書を作成して周辺機器部100に出力する。
【0032】
生涯費用算出部80eは、建物が建てられてから取り壊されるまでに、空調設備を運転、保守などに要する費用、税金や保険料を考慮した生涯費用(LCC)と、建物が建てられてから取り壊されるまでの間に空調設備を運転することによって排出される二酸化炭素の量、すなわち生涯二酸化炭素排出量(LCCO2 )求め、所定の様式の計算書を作成して周辺機器部100に出力する。
【0033】
上記のごとく構成した実施形態の作用は、次の通りである。
空調設備費算出装置40の記憶手段50に設けた熱負荷データ記憶部50a、機器モジュール情報記憶部50b、制御モジュール情報記憶部50c、価格情報記憶部50d、エネルギーコスト情報記憶部50e、機器性能データ記憶部50fなどには、空調設備の設計に必要な各種のデータ、空調設備のイニシャルコストやランニングコスト、LCC、LCCO2 を求めるのに必要な各種のデータ(情報)がマスターデーターとして記憶させてある。
【0034】
熱負荷データ記憶部50aは、例えば建物の建設地に対応させた1年の各月ごとの平均気温や平均日照時間、日射量などの気象条件、建物の用途に応じた発熱量、建物の用途に応じた建物の稼働率、壁体構造に応じた熱通過率などが記憶させてある。そして、ユーザは、必要に応じてこれらのデータを、データ追加用の入力部43を介して変更し、また新たなデータを追加することができる。図2、図3は、熱負荷データ記憶部50aに記憶させてある熱負荷算出用データの一部であって、表示装置102の画面に表示された状態を示している。
【0035】
図2は、建物の空調されている室(空調室)の用途に応じた標準的な人の密度(人員密度)と人体発熱(顕熱および潜熱)との関係を示すデータの一部である。この図2は、例えば、室の用途が事務室である場合、その室の標準的な人員密度は0.2人/m2 であり、夏期に室内の温度が26℃に冷房されている場合、人体発熱が顕熱で69W/人、潜熱で53W/人であることを示している。また、図3は、室の用途と室の標準的な稼働率との関係を表したもので、実施形態の場合、1日について1時間ごとの室の稼働率を0〜10までの11段階で表している。例えば、室の用途が事務室である場合、0時から1時までの稼働率は「1」、7時から8時までの稼働率は「5」、18時から19時までの稼働率は「8」となっている。そして、実施形態の場合、時間と稼働率との関係が表として表示されるばかりでなく、「パターン名」の欄に記載された室の用途を(例えば事務室)をクリックすると、表の下方(画面の下部)に時間ごとの稼働率が棒グラフとして表示され、視覚的に容易に認識できるようにしてある。
【0036】
記憶手段50の機器モジュール情報記憶部50bには、空調設備を構成する熱源機器や冷却塔(クーリングタワー)、空調機などの主要な機器と、これらの機器に対応した付属部材、付帯工事が機器と結合させて記憶させてある。図4は、表示装置102に表示されたその一部を示したものである。この例示においては、セントラル熱源としてガス焚きの吸収式冷凍機が選択された場合において、その付属部材を「機器廻り材料名」として表示され、付属部材の必要数量が部材名に対応させて同時に表示される。また、セントラル熱源として吸収式冷凍機を選択すると、図示しないが機器である吸収式冷凍機を設置するための付帯工事が表示され、機器モジュール情報記憶部50bに記憶させてある機器を設置するための基礎工事、搬入作業、塗装工事、保温工事などが表示される。
【0037】
制御モジュール情報記憶部50cには、上記した熱源機器や冷却塔などを自動制御するためのシステムが記憶させてある。図5は、制御モジュール情報記憶部50cに記憶させてある内容の一部を表示装置102に表示させた状態を示したものである。この図5においては、熱源制御の方式のうち、冷・温水二次ポンプの制御であって、冷凍機の台数制御と冷・温水二次ポンプの圧力バイパス制御と二次ポンプのインバータ(INV)制御とを行なう場合が示してあって、この制御のための機器、配管、電気回路が表示される。
【0038】
記憶手段50の価格情報記憶部50dには、空調設備のイニシャルコストを算出するための各種機器、機器の付属部材を含む各種部材の購入価格およびそのマージン掛け率、付帯工事の費用およびそのマージン掛け率などが記憶させてある。また、エネルギーコスト情報記憶部50eには、空調設備を運転することによるランニングコストを算出するための電気料金、ガス料金、水道料金、重油価格などのエネルギーコスト情報が記憶させてある。すなわち、エネルギーコスト情報記憶部50eには、各地域ごとにエネルギー供給会社(例えば、電力会社、ガス会社など)と、それらの会社が供給するエネルギーの単価とを対応させて記憶させてある。
【0039】
さらに、機器性能データ記憶部50fには、機器の性能曲線が記憶させてある。図6は、表示装置102に表示された機器性能曲線の一例を示したもので、冷凍専用(冷専)パッケージエアコンの性能曲線を示したものである。この例においては、冷専パッケージエアコンの冷房実能力がカタログなどの機器特性図から点としてプロとされ、これらの点に基づいた冷房実能力が2次回帰曲線として求めてある。この実施形態においては、冷却水入口温度が29℃のとき、冷専パッケージエアコンの冷房実能力がほぼ「1」であって、定格通りの能力が得られ、冷却水入口温度が34℃であると、定格の94%の冷房能力しか得られないことを示している。これにより、冷却水入口温度が変化したときの、冷専パッケージエアコンの冷房実能力を求めることができるようになっている。
【0040】
図7、図8は、記憶手段50に設けた図示しない計算係数記憶部に記憶させてある係数データの一例を示したものである。図7は、熱負荷計算に用いる係数の一例であって、最大負熱荷計算に用いる係数と年間熱負荷計算に用いる係数とが示してある。これらの係数値は、入力部43によって所定の範囲で変更することができる。また、図8は、ランニングコスト、LCC、LCCO2 の算出に用いる係数の例を示したものである。これらの係数には、LCCO2 を算出するための、電気やガスなどを消費することにより排出される単位エネルギー当りの二酸化炭素の排出量などが含まれるとともに、LCCの算出に必要な固定資産税率や都市計画税率、保険料率などが含まれている。
【0041】
実施形態の空調設備算出装置40によって空調設備費を求めるために空調設備費算出装置40を起動させると、周辺機器部100の表示装置102の画面に図9に示したメニューウィンドウ150が表示される。そして、このメニューウィンドウ150に表示された各項目を上から順に処理していくことにより、空調設備の設計と見積書、ランニングコスト計算書、LCC(生涯費用)・LCCO2(生涯二酸化炭素排出量)計算書を得ることができるようになっている。すなわち、空調設備の費用を算出する場合、まず、図10のステップ121に示したように建物の概要を入力する。この建物概要の入力は、次のようにして行なう。
【0042】
メニューウィンドウ150に表示された「建物概要」の項目のボタン150aにマウスポインタ(図示せず)を合わせ、ボタン150aをクリックすると、図11に示した建物の概要を入力するための建物概要入力画面160が表示装置102に表示される。この建物概要入力画面160は、建物を建設する建設地(所在地)、建物の用途、延床面積、建物の構造、壁体構造、さらには空調設備の1日の運転開始時間と運転終了時間などを入力できるようになっている。また、建物概要入力画面160は、フロア設定部162を有していて、建物の各階の概略構造を入力できるようにしてある。すなわち、フロア設定部162には、各階ごとの階高、天井高さ、壁材、壁材に対する熱通過率K、窓面積率などを入力できるようにしてある。そして、建物概要入力画面160の所定の項目を埋めることにより、空調設備費算出装置40の設計条件設定手段60に設けた建物概要設定部60bに建物の概要が設定される。
【0043】
なお、従来の熱負荷計算においては、室に窓がある場合、設計図面にスケールを当てて窓の寸法を求めて実際の窓面積を計算し、計算した窓面積を入力していた。これに対して、この実施形態においては、壁面に対する窓の面積率を入力するようにし、実際の窓面積を求める作業をなくして省力化を図っている。
【0044】
次に、図10のステップ122に示したように、空調方式を設定する。この空調方式の設定は、図9に示したメニューウィンドウ150の「空調方式」のボタンをクリックし、図12、図13に示した空調方式設定画面164a、164bを読み出すことにより行なう。空調方式設定画面164aは、熱源システムを設定する画面となっていて、冷房熱源の種類とその設置位置、暖房熱源の種類とその設置位置などをメインシステムとサブシステムとに分けて設定できるようになっている。また、空調方式設定画面164aには、熱源システムを制御する制御システムを設定できる自動制御設定部を有しており、記憶手段50の制御モジュール情報記憶部50cに記憶してある制御モジュールを読み出して設定できるようにしてある。さらに、空調方式設定画面164aには、制御システムなどを監視する管理室に設置する中央監視システムのグレードを設定する中央監視グレード設定部が設けてある。実施形態の場合、中央監視システムのグレードは、「高グレード」、「標準グレード」または「簡易方式」の3通りを設定できるようになっている。そして、記憶手段50には、図示しない監視システム情報記憶部が設けてあって、監視システム情報記憶部に各グレードに対応して監視対象の機器、その数などが記憶させてある。
【0045】
このように、実施形態においては、制御方式を記憶手段50の制御モジュール情報記憶部50cに記憶させてある制御モジュールから選択して設定するようにしたことにより、制御方式を定めるのに要する工数を従来と比較して約99%削減することができる。
【0046】
空調方式設定画面164bは、空調システムを設定する画面であって、空調機の種類、その設置位置、外調機の種類、その設置位置、空調システムの制御方式などがメインシステム、サブシステムに分けて設定できるようにしてある。制御方式の設定は、熱源システムの場合と同様に、記憶手段50の制御モジュール情報記憶部50cに記憶させてある制御モジュールから選択して設定するようになっている。
【0047】
次に、図10のステップ123に示しように、建物の各階の平面図を作成する。すなわち、メニューウィンドウ150の各階平面図ボタンをクリックすると、設計条件設定手段60の躯体図作成部60cが起動され、図面作成画面が表示装置102に表示される。そこで、階数の設定、配管スペース(PS)、ダクトスペース(DS)の数、番号などの設定を行なうとともに(図14参照)、平面図を描く階を選択してマウスやデジタイザなどの入力手段を用いて建物の概略平面図を描く。また、平面図として描いた各室について、用途(例えば、事務室、会議室、パイプスペース、階段等)と、空調する室(空調室)、空調しない室(非空調)の区別などを平面図の上に書き入れる(図15参照)。また、躯体図作成部60cは、描かれた平面図と、建物概要設定部60cに設定された各階の天井高さとに基づいて、各室の広さと容積とを予め与えられた式に基づいて自動的に求める。そして、各階の平面図を作成したのち、メニューウィンドウ150の室内条件確認ボタン154をクリックし、平面図や用途などの設定が正しく行なわれているか否かを確認する(ステップ124)。躯体図作成部60cによって描かれた各階の平面図などの概略の躯体図は、プリンタ104によって印刷することができる。
【0048】
その後、メニューウインドウ150の熱負荷計算ボタンをクリックすると、設計条件設定手段60の熱負荷算出部60dが起動される。熱負荷演算部60dは、建物概要設定部60bに設定された建物属性情報に基づいて、記憶手段50の熱負荷データ記憶部50aに記憶されている各種のデータを読み出すとともに、躯体図作成部60cの求めた室の広さを読み出し、予め与えられている演算式を用いて各室の発熱量、熱通過量などを算出し、空調設備の最大熱負荷、年間熱負荷などを算出する(図10のステップ125)。そして、熱負荷計算の終了が表示されたならば、メニューウィンドウ150の熱負荷確認ボタンをクリックし、熱負荷算出部60dに熱負荷確認画面を表示させ、熱負荷計算の係数の設定などが正しく行なわれたかなどを確認する(図10のステップ126)。熱負荷計算の確認を終了すると、熱負荷算出部60dは、求めた演算結果を所定の様式の熱負荷計算書と熱負荷集計表とを作成する。これらの熱負荷計算書、熱負荷集計表は、周辺装置部100に送られてプリンタ104によって帳票として印刷される。
【0049】
このように、実施の形態においては、各種のデータを記憶手段50に記憶させ、建物概要設定部60bに設定した建物概要に基づいて熱負荷の計算をすることにより、従来の熱負荷計算と比較して、最大熱負荷計算において約95%、年間負荷計算において約96%の工数低減を図ることができる。
【0050】
次に、メニューウィンドウ150の系統登録ボタン150gをクリックする。これにより、空調設備費算出装置40の空調設備設定手段70が起動し、図示しない系統登録画面が表示装置102に表示され、この画面を介して冷水や温水、冷却水などの配管系統、空調用ダクト、換気用ダクトなどのダクト系統の登録を記号や番号を付けて行ない、確認する(図10のステップ127)。これにより、空調設備設定手段70の系統・ルート設定部72に設けた系統登録部72aに配管系統、ダクト系統が登録される。
【0051】
系統の登録が終了したならば、メニューウインドウ150の系統図ボタンをクリックする。これにより、系統・ルート設定部72の系統・ルート図作成部72bが起動し、設計条件設定手段60の躯体図作成部60cによって作成した躯体図を読み出し、図14に示したような系統図設定画面170を表示装置102に表示する。そこで、図10のステップ128に示したように、系統図設定画面170を用いて系統図を設定する。
【0052】
この図14に示した系統図設定画面170は、ダクト系統を作成する画面であって、実施形態の場合、画面の左右端に階数が表示され、上部にダクトスペースの番号が表示される。そして、系統図設定画面170の左右方向の中央部には、空調機の識別記号が表示され、実施形態の場合、この空調機の識別記号がダクトの系統を表している。また、系統図設定画面170には、系統ルート図ツール172が表示される。この系統ルート図ツール172は、配管系統の系統図設定画面とダクトの系統図設定画面とを切り替えることができる作成画面切替え部172aや、ダクトが角型(角)ダクトであるか、円形(丸)ダクトであるかを指定するダクト形状設定部172bなどを有するとともに、空調用の供給空気(SA)ダクトであるか、空調用の戻り空気(RA)ダクトであるかなどを設定できる用途設定部172cなどが設けてある。そして、ダクトの用途を指定すると、用途ごとに異なった色によって表示されるようになっている。また、系統ルート図ツール172の作図ツール部172dに設けたダクト付属品設定ボタン178をクリックすることにより、消音エルボ等のダクト付属品を選択して配置、設定できるようにしてある。なお、図14においては、空調用供給空気ダクト174a、174bが実線によって示され、空調用戻り空気ダクト176a、176bが一点鎖線、換気用供給空気(OA)ダクト179が破線によって示してある。また、12階の空調用ダクト174a、176aは、AC12−2の系統に属し、13階に設置した空調機からダクトスペースDS4を介して12階に導くようになっていることを示している。
【0053】
このようにして配管、ダクトの系統図の設定およびその確認が終了したならば(図10のステップ128)、メニューウィンドウ150の平面ルート図ボタン150iをクリックする。これにより、系統・ルート図作成部72bは、躯体図作成部60cによって作成した各階の平面図を読み出し、図15に示したように、平面ルート図作成画面180として表示装置102に表示する。この平面ルート図作成画面180には、その一部に図14に示した系統図設定画面170と同様の平面ルート図ツール182が表示される。そして、作業者は、平面ルート図ツール182を利用して平面図184に空調用の供給空気ダクト186(186a、186b)、戻り空気ダクト188(188a、188b)などを描き入れる(図10のステップ129)。
【0054】
また、系統・ルート図作成部72bは、室の名前(例えば、大会議室190)が選択されたのちに計算ボタンがクリックしてされ、所定の計算命令が与えられると、図16に示したように配管・ダクト数量確認画面200を表示し、室の用途に応じて予め設定してある空調空気の吹出し風速、単位容積当りの供給空気量と、躯体図作成部60cが求めた大会議室190の広さ、容積とを読み出し、大会議室190の全体に均等に空調空気が供給できるような、天井に設けるダクトの吹出口の数、均等配置の位置を自動的に演算し、大会議室190内における吹出口192(192a、192b、………)の位置を配管・ダクト数量確認画面200に表示する。このとき、系統・ルート図作成部72bは、大会議室190に必要空気量を供給するためのダクトの口径(断面寸法)を同時に自動的に算出する。さらに、配管・ダクト数量確認画面200には、吹出口192に取り付ける器具などの設定が可能であるとともに、系統・ルート図作成部72bが求めたダクトの種類や口径(サイズ)、数量(長さ)などが表示される。
【0055】
なお、室内空気の吸込口は、一般に吹出口に隣接して設けられるため、この実施形態においても、吹出口の位置を求めた際に、自動的に吸込口の位置も求められるようになっている。また、配管の口径(サイズ)も、ダクトの場合と同様に、予め与えられている式によって自動的に求められるようになっている。
【0056】
平面ルート図を作成したならば、メニューウィンドウ150のルート図チェックボタンをクリックする。これにより、系統・ルート図作成部72bは、記憶手段50に記憶させてある図17に示したルート図チェック画面210を読み出して表示装置102に表示する。そして、系統・ルート図作成部72bは、ルート図チェック画面210の設定値欄に所定の値を設定し、計算実行ボタン212がクリックされると、配管系統図、ダクト系統図、配管平面ルート図およびダクト平面ルート図に無駄な系統やダクトのルートなどが描かれていないか、各系統の配管、ダクトが正しく接続されているかなどをチェックする(ステップ130)。系統、ルート図が正しく描かれていない場合、表示装置102の画面に表示された計算チェックリストに従って、ステップ127〜ステップ130の処理を繰り返す。
【0057】
このようにして系統図、平面ルート図の修正、チェックが終了したならば、ステップ131に示したように、メニューウィンドウ150の器具設定ボタンをクリックして室内器具設定部72cを起動し、器具設定画面(図示せず)を表示装置102に表示させ、空調設備における室内器具の設定を行なう。そして、室内器具の選択、設定を終了したならば、配管系統図、ダクト系統図、配管平面ルート図、ダクト平面ルート図などをプリンタ104によって帳票として印刷する。
【0058】
その後、メニューウィンドウ150の機器選定計算ボタンをクリックし、機器選定部74の機器選定計算部74aを起動させる。機器選定計算部74aは、熱負荷算出部60dの求めた熱負荷や、設定された各種の条件に基づいて予め与えられている処理手順、演算式に従って演算し、設定した条件を満たす熱源システムや空調システムの機器を選定する(図10のステップ132)。機器の選定が終了したならば、メニューウィンドウ150の機器能力確認ボタンをクリックし、ステップ133に示したように、適正な能力を有する機器が選定されていることを確認する。
【0059】
次に、メニューウィンドウ150の熱源機械室詳細図ボタン150nをクリックし、熱源機械室図面作成部74bを起動させる。これにより、熱源機械室図面作成部74bは、躯体図作成部60cによって描かれた熱源機械室の平面図を熱源機械室作成画面(図示せず)として表示装置102に表示する。そこで、表示された機械室作成画面に配管、ダクトのルート図を描くとともに、記憶手段50の機器モジュール情報記憶部50bに記憶させてある機器モジュールを読み出して熱源機械室に配置する(図10のステップ134)。実施形態においては、熱源機械室の平面図に機器モジュールを配置した場合、熱源機器のみが表示され、これに付属する機器廻り配管、開閉弁、温度計、圧力計などの付属部材(付属品)は、図面上の煩雑さを避けるために画面に表示されず、熱源機器の情報に含ませてある。
【0060】
熱源機械室のルート図の作成、機器の配置が終了したならば、メニューウィンドウ150の熱源室図面チェックボタンをクリックし、図17に示したようなチェック画面を表示させ、ステップ135に示したように、熱源機械室の配管、ダクトのルート、機器の配置が正しく設定されているかチェックする。ルートの設定、機器の配置が正しくない場合には、ステップ134に戻り、画面に表示された計算チェックリストに従って図面の修正を行なう。そして、配管、ダクトのルート、機器の配置が正しく行われている場合には、メニューウィンドウ150の配管・ダクト数量確認ボタンをクリックする。これにより、機器・部材抽出部74cは、予め与えられているプログラムに従って、系統図や平面ルート図、熱源機械室などの図面を探索し、配管部材、ダクト部材、機器などの抽出し、それらの数を部材、機器の種類ごとに計数する。そして、機器を抽出した場合、その機器に対応した機器モジュールが抽出され、機器にリンクさせてある付属部材、付帯工事が同時に抽出される。また、機器・部材抽出部74cは、抽出した部材、機器の種類、数量などを機器表として一覧表にまとめ、周辺機器部100に出力する。この機器表には、機器にリンクさせてある付属部材、機器の設置に必要な搬入作業や基礎工事、必要個所への塗装工事や保温工事などの付帯工事も表示される。
【0061】
このように、機器モジュール情報記憶部50bに、複数の機器のそれぞれに対応した付属部材、付帯工事とを機器と結合させてモジュール化して記憶させ、それを読み出して機器を選択して配置、設定するようにしたことにより、機器の選定、配置を容易、迅速に行なえ、機器および機器廻りの付属部材、付帯工事のための積算業務を従来と比較して工数を約99%削減することができる。
【0062】
なお、熱源機械室図面作成部74bを系統・ルート図作成部72bと別に設けているのは、熱源機械室内における配管、ダクトの配置が複雑であるとともに、空調設備における屋内配管、屋内ダクトの40〜50%前後、屋外を入れると配管、ダクト全体の25〜35%が熱源機械室内に設けられることによる。ただし、系統・ルート図作成部72bにおいて熱源機械室のルート図などを作成するようにしてもよい。
【0063】
機器表を作成したならば、ステップ137のようにイニシャルコストを算出する。すなわち、メニューウィンドウ150のイニシャルコスト算出ボタン150qクリックすると、費用算出手段80のイニシャルコスト算出部80aが起動する。イニシャルコスト算出部80aは、機器表に記載された部材、機器、付属部材、付帯工事を読み出すとともに、記憶手段50の価格情報記憶部50dに記憶させてある各部材、機器などに対応した価格を読み出し、これにマージン掛け率を乗じてイニシャルコストを算出する。メニューウィンドウ150のイニシャルコスト確認ボタンをクリックすると、イニシャルコスト算出部80aは、イニシャルコストの確認画面を表示装置102に表示する。そして、作業者がイニシャルコストの確認をすると(図10のステップ138)、イニシャルコスト算出部80aは、算出結果を所定の様式に則った概算見積書にして出力する。この概算見積書は、周辺機器部100に出力され、プリンタ104によって印刷される。また、この実施形態においては、必要に応じてランニングコスト、LCC、LCCO2 を算出できるようになっている。
【0064】
すなわち、メニューウィンドウ150のランニングコスト計算ボタン150sをクリックすると、ランニングコスト算出部80bが起動し、ランニングコストを算出するためのエネルギーコストや係数などを設定する画面(図示せず)が表示装置102に表示される。そこで、この設定画面に所定の数値などを設定して計算実行命令を与えると、ランニングコスト算出部80bは、年間のエネルギー消費量を求めるとともに、空調設備のランニングコストを算出する(図10のステップ139)。なお、ランニングコストを求めるための各地の電気料金やガス料金(単価)は、建物を建設する地域の電力会社やガス会社の名前を設定画面の所定個所に入力すると、ランニングコスト算出部80bが記憶手段50のエネルギーコスト情報記憶部50eから設定されたエネルギー供給会社に対応させたエネルギー(単価)を読み出して設定するようになっている。ランニングコストを求めるための係数なども同様である。また、ランニングコスト算出部80bは、予め与えられたプログラム、式に従って図18に示したような年間の各月ごとの負荷を求めて出力する。そして、図示しないイニシャルコストの確認画面においてイニシャルコストの算出が正しく行われたことを確認し(図10のステップ140)、印刷命令を与えると、所定の様式の概略見積書がプリンタ104によって印刷される。
【0065】
また、ランニングコスト算出部80bにおいては、画面を選択切替えすることにより、LCC、LCCO2 を算出するための設定画面が表示されるようになっている。そして、この設定画面に前記と同様にして所定の数値を設定し、計算実行命令を与えるとLCC、LCCO2 が1年当りの平均として算出される。図19、図20は、ランニングコスト算出部80bが求めたライフサイクルコスト(LCC)の確認画面の一例である。図19はライフサイクルコスト確認画面のうち、年間のエネルギーコストと二酸化炭素排出量(LCCO2 )の確認画面であり、図20は同じく年間エネルギー消費量の確認画面である。これらはプリンタ104によって帳票として印刷可能となっている。
【0066】
このように、実施の形態においては、建物の概略躯体図を描いて配管、ダクトの系統、ルート図を作成するとともに、躯体図中に空調設備を構成する機器を配置することにより、空調設備の設計から概算見積りまでを一貫して処理することができ、概算見積りを行なう手間と時間とを大幅に低減することができ、従来の概算見積りの算出に比較して工数を約80%削減することができる。特に、実施形態においては、空調設備を構成する機器に対応させて、機器廻りの配管、弁、温度計、圧力計などの付属部材、機器を設置するために必要な機器の搬入、基礎工事、必要個所への塗装工事や保温工事などの付帯工事を機器にリンクさせてあるため、機器を選択した際に、機器を設置するのに必要な付属部材や付帯工事を自動的に漏れなく抽出することができ、機器の選定、配置を容易、迅速に行なうことができる。また、実施形態においては、系統・ルート図作成部72bにおいて、配管・ダクトの口径を自動的に求められるようにしているとともに、室内の空気の吹出口の数と、これらの吹出口の均等配置の位置とを自動的に求めるようにしているため、ルート設計の工数を大幅に削減することができ、迅速な空調設備の設計を行なうことができる。
【0067】
しかも、実施形態においては、従来のような手書きの図面などをなくすことができ、見やすいルート図などを作成することができるとともに、同じデータを複数回入力するような二度手間をなくすことができる。また、実施の形態においては、各種のデータを記憶手段50から読み出して設定するようにしてあるため、人によらない一定の精度の概算見積りを行なうことができ、見積りの信頼性を高めることができる。そして、実施形態においては、熱負荷の計算から概算見積りまでを一貫して行い、1つのデータにまとめられるので、管理が容易であって、独自のファイルであるために機密保持が可能である。
【0068】
さらに、従来は、各仕様の設定値を変更した場合に、再計算をするのに多くの労力と時間を必要としたが、実施形態においては、熱負荷計算から概算見積りまでをコンピュータによって一貫して行なっているため、各仕様の設定値や係数値を変更した再計算を容易、迅速に行なえ、顧客に対してVE(Value Engineering)の提案が可能である。しかも、例えば熱源システムや空調システムを変更する場合、従来は多くの計算を初めからやり直さなければならなかったが、実施形態においては、熱負荷の計算から見積りまでをコンピュータによって一貫して行なうようにしているため、必要部分を修正するだけでよく、図21に示したように複数の空調システムを併記して顧客に提示することができ、採用すべきシステムの検討を容易、また迅速に行なうことができる。
【0069】
なお、前記実施の形態においては、設計条件設定手段60の躯体図作成部60cにおいて建物の平面図などの概略躯体図を描く場合について説明したが、建物の建設図面を作成すためのCAD装置など、他の図面作成装置(またはソフト)によって作成した躯体図データを読み込み、この躯体図データの図面に配管やダクトの系統図、平面ルート図を画き込むようにしてもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、予め熱負荷算出用データ、機器モジュール情報、価格情報などのデータを作成して記憶手段に記憶させておき、入力手段によって所定の情報を入力して熱負荷計算から見積りまでを一貫して行なえるようにしたことにより、作業者が建物の各部屋の発熱量や、建物を建設する地域の温度、日射量などを設計便覧などによって調べる必要がなく、また従来のように同じデータを複数回パソコンに入力するなどの二度手間を省くことができ、空調設備の費用を見積るために要する労力と時間とを大幅に少なくすることができる。しかも、本発明においては、空調設備を構成する機器に対応する付属部材を機器と結合してモジュール化して記憶させてあるため、機器を選択する際に、機器表やカタログ、メーカの見積りなどから付属部材の決定する要する労力、時間を大幅に削減することができ、費用の見積りに要する時間を大幅に短縮することができる。また、空調設備の熱負荷計算から費用の見積りまでを一貫して行なうことができ、手書きによる図面などがなくせ、見やすい設計書や計算書を作成することができる。さらに、各種のデータを記憶手段から読み出して使用するため、人によって使用する数値が異なるようなことがなく、費用の算出精度が一定して信頼性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る空調設備費算出装置の概略ブロック図である。
【図2】表示装置に表示された実施の形態に係る記憶手段に記憶させてある室の用途と発熱量との関係を示す図である。
【図3】表示装置に表示された実施の形態に係る記憶手段に記憶させてある室の用途と稼働率との関係を示す図である。
【図4】表示装置に表示された実施の形態に係る記憶手段に記憶させてある機器モジュール情報の一例を示す図である。
【図5】表示装置に表示させた実施の形態に係る記憶手段に記憶させてある制御モジュール情報の一例を示す図である。
【図6】表示装置に表示させた実施に形態に係る記憶手段に記憶させてある機器性能曲線の一例を示す図である。
【図7】表示装置に表示させた実施の形態に係る記憶手段に記憶させてある熱負荷計算用係数の一例を示す図である。
【図8】表示装置に表示させた実施の形態に係る記憶手段に記憶させてあるランニングコスト計算用係数の一例を示す図である。
【図9】実施の形態に係る空調設備費算出装置を起動したときに表示されるメニューウィンドウの図である。
【図10】実施の形態に係る空調設備費算出方法を説明するフローチャートである。
【図11】表示装置に表示された実施に形態に係る空調設備費算出装置における建物概要を設定する画面の図である。
【図12】表示装置に表示された実施に形態に係る空調設備費算出装置における熱源システムを設定する画面の図である。
【図13】表示装置に表示された実施に形態に係る空調設備費算出装置における空調システムを設定する画面の図である。
【図14】表示装置に表示された実施に形態に係る空調設備費算出装置におけるダクト系統を設定する画面の図である。
【図15】表示装置に表示された実施に形態に係る空調設備費算出装置における平面ルート図を作成する画面の図である。
【図16】表示装置に表示された実施に形態に係る空調設備費算出装置における配管・ダクト数量を確認する画面の図である。
【図17】表示装置に表示された実施に形態に係る空調設備費算出装置におけるルート図をチェックする画面の図である。
【図18】表示装置に表示された実施に形態に係る空調設備費算出装置の費用算出手段に設けたランニングコスト算出部が求めた年間負荷の一例を示す図である。
【図19】表示装置に表示された実施に形態に係る空調設備費算出装置の費用算出手段に設けたランニングコスト算出部が求めたエネルギーコスト・CO2 排出量を確認する画面の図である。
【図20】表示装置に表示された実施に形態に係る空調設備費算出装置の費用算出手段に設けたランニングコスト算出部が求めた年間エネルギー消費量を確認する画面の図である。
【図21】実施の形態に係る空調設備費算出装置によって作成した複数の空調システムを併記した帳票の一例を示す図である。
【図22】従来の空調設備費算出方法を説明する図である。
【符号の説明】
40………空調設備費算出装置、50………記憶手段、
50a………熱負荷データ記憶部、50b………機器モジュール情報記憶部、
50c………制御モジュール情報記憶部、50d………価格情報記憶部、
50e………エネルギーコスト情報記憶部、50f………機器性能記憶部、
60………設計条件設定手段、60a………空調・熱源・制御方式設定部、
60b………建物概要設定部、60c………躯体図作成部、
60d………熱負荷算出部、70………空調設備設定手段、
72………系統・ルート決定部、72a………系統登録部、
72b………系統・ルート図作成部、72c………室内器具設定部、
74………機器選定部、74a………機器選定計算部、
74b………熱源機械室図面作成部、74c………機器・部材抽出部、
80………費用算出手段、80a………イニシャルコスト算出部、
80b………ランニングコスト算出部。

Claims (4)

  1. コンピュータによって空調設備の費用を算出する方法であって、
    入力手段を用いて建物の躯体図を描いて建物の各室の大きさを求めるとともに、
    前記建物の用途に応じた発熱量、建物の壁体構造に応じた熱通過率、建物の建設地に応じた気象データなどの建物属性情報に応じて予め記憶させた熱負荷算出用データを読み出し、
    この読み出した熱負荷算出用データと、予め記憶させた熱負荷算出用演算式とにより空調設備の熱負荷を求めたのち、
    前記入力手段を用いて前記躯体図に配管・ダクトの配設状態を描き入れるとともに、
    前記空調設備を構成する複数の機器とこれらの機器に対応させた付属部材とを結合して予め記憶させ、前記機器を設置する際の付帯工事の情報がリンクさせてある機器モジュール情報から、前記求めた熱負荷に基づいて選択した前記機器と前記付属部材とを前記躯体図に配置し、
    前記配管・ダクトの配置状態と前記機器、付属部材とを描き入れた前記躯体図に基づいて、予め与えられた式を用いて前記配管・ダクトの口径を求めるとともに、配管・ダクト部材、機器、付属部材を抽出し、
    この抽出した配管・ダクト部材、機器、付属部材、付帯工事と、これらに対応させて予め記憶させてある価格情報とから前記空調設備の費用を算出するとともに、
    前記建物を建設する地域に対応させたエネルギー価格の情報を記憶させ、前記建物の用途に応じた建物の稼働率を記憶させ、予め与えられた式に基づいて、前記エネルギー価格、前記稼働率を用いて前記空調設備のランニングコストを算出可能としてなる、
    ことを特徴とする空調設備費算出方法。
  2. 建物の用途に応じた発熱量、建物の壁体構造に応じた熱通過率、建物の建設地に応じた気象データなどの建物属性情報に応じて予め定めた熱負荷算出用データを記憶させた熱負荷データ記憶部、空調設備を構成する複数の機器のそれぞれに対応させた付属部材並びに付帯工事情報を前記機器と結合させた機器モジュール情報を記憶させた機器モジュール記憶部、前記機器および各種部材の価格を記憶させた価格情報記憶部、各種機器の定格運転の能力や、各種運転条件に対応した実能力が記憶させてある機器性能記憶部を有する記憶手段と、
    入力された情報に基づいて前記建物の躯体図を作成可能な躯体図作成部と、
    この躯体図作成部により描いた躯体図と、入力された前記建物付属情報に基づいて前記熱負荷データ記憶部から読み出した熱負荷算出用データとを用い、予め与えられた演算式によって空調設備の熱負荷を求める熱負荷算出部と、
    前記躯体図作成部により描いた躯体図に、入力された情報に基づいて配管・ダクトの配設状態を描き入れる系統・ルート図作成部と、
    前記機器モジュール記憶部に記憶されている複数の機器モジュール情報から選択された前記機器と前記付属部材とを前記躯体図に配置可能な機器選定部と、
    前記系統・ルート図作成部と前記機器選定部とによって前記躯体図に描き入れた前記機器、付属部材、前記配管・ダクトの配設状態の情報から機器および各種部材を抽出する部材抽出部と、
    この部材抽出部が抽出した機器および前記各種部材と、前記価格情報記憶部に記憶させてある価格情報とを読み出して前記空調設備の費用を求める費用算出手段と、
    前記記憶手段には前記建物を建設する地域に対応させたエネルギー価格の情報を記憶させたエネルギー価格情報記憶部、前記建物の用途に応じた建物の稼働率を記憶させた稼働率記憶部を有し、前記費用算出手段は予め与えられた式に基づいて、前記エネルギー価格情報記憶部に記憶させたエネルギー価格、前記稼働率記憶部に記憶させた前記稼働率を用いて前記空調設備のランニングコストを算出するランニングコスト算出部と、
    を有することを特徴とする空調設備費算出装置。
  3. 請求項2に記載の空調設備費算出装置において、前記系統・ルート図作成部は、前記配管・ダクトの配置状態が書き入れられたときに、予め与えられている計算式、空気の吹出し風度、単位容積当りの吹出し風量と、前記躯体図作成部によって描かれた前記躯体図とに基づいて、室内に設ける空気の吹出口の数を求め、これらの吹出口を均等配置する位置を求めることを特徴とする空調設備費算出装置。
  4. 請求項2に記載の空調設備費算出装置において、前記記憶手段には不動産に関する税率や保険料率、エネルギー消費に伴う二酸化炭素の発生率などの生涯費用算出用係数を記憶した係数記憶部を有し、前記ランニングコスト算出部は、前記係数記憶部に記憶させてある生涯費用算出用係数を読み出し、予め与えられた式に基づいて前記建物の生涯費用、生涯二酸化炭素排出量を求めることを特徴とする空調設備費算出装置。
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