JP2004110657A - 設備数量算出システム - Google Patents
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Abstract
【課題】建築設備工事の積算対象となるすべての設備機器、器具および部材の数量算出および集計を自動化して、積算業務の省力化、並びに積算精度の向上を図ることができる設備数量算出システムを提供する。
【解決手段】CADシステムで作成した設計図書のデータに基づいて建築設備工事の積算対象となる設備機器、器具および部材の数量を計数するCADデータ計数手段と、上記設計図書に記載された設備機器、器具および部材に付随して用いられるが上記設計図書には記載されない付属的な器具または部材の数量をそれぞれ計数するデフォルトデータ計数手段と、設計図書に記載された各設備機器の機器廻りの標準図のデータに基づいて各設備機器廻りの部材の数量を計数する標準図データ計数手段と、CADデータ計数手段、デフォルトデータ計数手段および標準図データ計数手段による計数結果を集計して、建築設備工事の積算対象となるすべての設備機器、器具および部材の数量を出力する数量出力手段とを備える。
【選択図】 図3
【解決手段】CADシステムで作成した設計図書のデータに基づいて建築設備工事の積算対象となる設備機器、器具および部材の数量を計数するCADデータ計数手段と、上記設計図書に記載された設備機器、器具および部材に付随して用いられるが上記設計図書には記載されない付属的な器具または部材の数量をそれぞれ計数するデフォルトデータ計数手段と、設計図書に記載された各設備機器の機器廻りの標準図のデータに基づいて各設備機器廻りの部材の数量を計数する標準図データ計数手段と、CADデータ計数手段、デフォルトデータ計数手段および標準図データ計数手段による計数結果を集計して、建築設備工事の積算対象となるすべての設備機器、器具および部材の数量を出力する数量出力手段とを備える。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築設備工事の積算を行う際に用いて好適な設備数量算出システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来では、建築設備工事の積算を行う場合、空調機やポンプなどの設備機器は機器表、吸込口や衛生器具は器具リストに基づいてそれぞれの数量を拾い、建物内に展開するダクトや配管などは平面図や断面図でその長さを測るようにしていた。
【0003】
一方、近年では、建築、回路図、航空機、車など多種多様な分野でCAD(Computer Aided Design)システムが利用されている。例えば、建築設備の設計を行う場合には、平面図や断面図などの設計図面の作成に上記CADシステムを用いて、設計図面作成の省力化を図るようにしている。また、縮尺の関係上、それら設計図面には設備機器廻りの詳細情報を書ききれないという理由や、各設備機器に接続する配管や付属品が殆ど変わらないという理由などにより、通常は、CADで作成した設計図面とは別に、設備機器廻りの詳細情報を記載した標準図を作成して、当該標準図で上記設計図面を補完するようにしている。この設備機器廻りの標準図には、各設備機器の姿図や、各設備機器に接続する配管やダクトに関する情報(管径など)、各設備機器に取り付ける弁類やメータ類などの付属品に関する情報(サイズや種類など)が設備機器毎に記載されるようになっている。
【0004】
従来では、上述したように、設計図面に反映させることができない設備機器廻りの詳細情報を標準図に記載するようにしていたので、建築設備工事の積算を行う場合において、CADシステムで作成した設計図面のデータから、各設備機器の数量情報や、配管等の長さ情報を抽出することはできても、各設備機器に接続する配管や付属品(設備機器廻りの部材)に関する数量情報を抽出することはできなかった。
【0005】
そのため、従来では、建築設備工事の積算を行う場合に、設備機器廻りの部材に関する数量を標準図から手作業で集計しなければならず、その作業に多大な手間と時間を要するという問題点があった。また、手作業で集計が行われていたために、集計間違い等が発生し易いという問題点もあった。
【0006】
なお、積算や発注管理などの業務に必要な建築数量の把握とデータの共有化を目的に開発されたシステムとして、例えば特許文献1に開示される建築データベースCADシステムが知られている。しかしながら、この建築データベースCADシステムにおいても、CADシステムで作成した建築モデルに基づいて各建築構成要素の数量算出を行うようにしていたので、標準図のみに記載される設備機器廻りの部材については当然のことながら数量算出を行うことができず、上記と同様の問題点を有していた。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−243267号公報(段落番号0016、0017)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、建築設備工事の積算対象となるすべての設備機器、器具および部材の数量算出および集計を自動化して、積算業務の省力化、並びに積算精度の向上を図ることができる設備数量算出システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明に係る設備数量算出システムは、CADシステムで作成した設計図書のデータから、建築設備工事の積算対象となる設備機器、器具および部材に関するデータを抽出し、このデータに基づいて上記設備機器、器具および部材の数量をそれぞれ計数するCADデータ計数手段と、上記設計図書には記載されない付属的な器具または部材であって、上記設計図書に記載された設備機器、器具および部材に付随して用いられる器具または部材に関するデータをデフォルトデータ計数用データベースより抽出して、この抽出したデータに基づいて上記付属的な器具または部材の数量をそれぞれ計数するデフォルトデータ計数手段と、上記設計図書に記載された各設備機器の機器廻りの標準図のデータから、各設備機器廻りの部材に関するデータを抽出し、このデータに基づいて各設備機器廻りの部材の数量を計数する標準図データ計数手段と、上記CADデータ計数手段、上記デフォルトデータ計数手段および上記標準図データ計数手段による計数結果を集計して、建築設備工事の積算対象となるすべての設備機器、器具および部材の数量を出力する数量出力手段とを備えることを特徴とするものである。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、CADシステムで作成した設計図書のデータから、建築設備工事の積算対象となる設備機器、器具および部材に関するデータを抽出し、このデータに基づいて上記設備機器、器具および部材の数量をそれぞれ計数する一方で、上記設計図書に記載された設備機器、器具および部材に付随して用いられるが上記設計図書には記載されない付属的な器具または部材に関するデータをデフォルトデータ計数用データベースより抽出して、この抽出したデータに基づいて上記付属的な器具または部材の数量をそれぞれ計数するとともに、上記設計図書に記載された各設備機器の機器廻りの標準図のデータから、各設備機器廻りの部材に関するデータを抽出して、このデータに基づいて各設備機器廻りの部材の数量を計数した後、各々の計数結果を集計して当該集計結果を出力するようにしたので、建築設備工事の積算対象となるすべての設備機器、器具および部材の数量算出および集計を自動化することができる。したがって、集計間違い等をなくして積算精度を向上させることができるとともに、積算業務の省力化を図ることができる。
【0011】
ここで、設計図書には、平面図、断面図、系統図等の設計図面が含まれる他、機器表や器具リスト(衛生器具表)等の仕様書も含まれる。
建築設備には、例えば、建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙、汚物処理等の設備、煙突、昇降機、避雷針などが含まれる。建築設備工事とは、上記建築設備に関する工事全般のことを云い、代表的なものとしては、空気調和設備、衛生設備に関する工事が挙げられる。この建築設備工事の積算対象となる設備機器としては、例えば、ボイラ、温水機、冷凍機、熱交換器、空調機、各種ポンプ、タンクなどが挙げられ、器具としては、例えば、便器、洗面器、散水機、消火器などが挙げられ、部材としては、例えば、ダクト、配管、配線、吹出口、吸込口などが挙げられる。これら設備機器、器具および部材の数量には、各々の数量が含まれる他、一部の部材に関しては、その部材のサイズ(長さ、面積など)も含まれる。
上記設計図書には記載されない付属的な器具または部材としては、例えば、設備機器までの立上り、下り管、バルブ、継手類等が挙げられる。
標準図とは、平面図や断面図等の設計図面を補完するために用いられる設備機器廻りの標準化された図面であって、この図面には、設備機器自体に関する情報(姿図など)と、当該設備機器廻りの部材に関する情報(種類、サイズ)とが記載される。設備機器廻りの部材としては、例えば、設備機器に接続される配管やダクト、設備機器に取り付けられる付属品(弁類やメータ類など)が挙げられる。
【0012】
請求項2に記載の本発明に係る設備数量算出システムは、CADシステムで作成した設計図書のデータから、建築設備工事の積算対象となる設備機器、器具および部材に関するデータを抽出し、このデータに基づいて上記設備機器、器具および部材の数量をそれぞれ計数するCADデータ計数手段と、上記設計図書に記載された各設備機器の機器廻りの標準図のデータから、各設備機器廻りの部材に関するデータを抽出し、このデータに基づいて各設備機器廻りの部材の数量を計数する標準図データ計数手段と、上記CADデータ計数手段による計数結果と上記標準図データ計数手段による計数結果とを集計して当該集計結果を出力する数量出力手段とを備えることを特徴とするものである。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、CADシステムで作成した設計図書のデータから、建築設備工事の積算対象となる設備機器、器具および部材に関するデータを抽出し、このデータに基づいて上記設備機器、器具および部材の数量をそれぞれ計数する一方で、上記設計図書に記載された各設備機器の機器廻りの標準図のデータから、各設備機器廻りの部材に関するデータを抽出して、このデータに基づいて各設備機器廻りの部材の数量を計数した後、各々の計数結果を集計して当該集計結果を出力するようにしたので、建築設備工事の積算対象となるすべての設備機器、器具および部材の数量算出および集計を自動化することができる。したがって、集計間違い等をなくして積算精度を向上させることができるとともに、積算業務の省力化を図ることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の設備数量算出システムにおいて、上記数量出力手段により出力された集計結果に基づいて、建築設備工事の費用を積算する積算手段をさらに備えることを特徴とするものである。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、数量出力手段により出力された集計結果に基づいて、建築設備工事の費用を積算するようにしたので、建築積算業務において、積算項目の拾い出しからその数量算出、見積書作成までをすべて自動化することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の設備数量算出システムにおいて、所定の入力データと予め蓄積された各設備機器の属性データとを用いて、上記設計図書に記載された各設備機器の機器廻りの標準図をそれぞれ作成する標準図作成手段をさらに備えることを特徴とするものである。
【0017】
ここで、設備機器の属性データには、標準図に記載される項目の一覧と、各項目に対応するデータとが含まれる。各項目に対応するデータには、姿図のデータ等のように予め設定済みのデータと、配管の管径等のように未設定のデータ(所定の入力データによって設定内容が確定するデータ)とが含まれる。
所定の入力データには、利用者の入力操作によって入力される入力データと、CADシステム等の関連システムより得られる入力データとが含まれる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、所定の入力データと予め蓄積された各設備機器の属性データとを用いて、設計図書に記載された各設備機器廻りの標準図をそれぞれ作成するようにしたので、標準図作成業務の効率化を図ることができる。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の設備数量算出システムにおいて、上記標準図作成手段は、標準図作成用の属性データを各設備機器毎に蓄積するデータベースと、上記CADシステムで作成した設計図書のデータから、標準図を作成すべき設備機器を抽出する際、この設備機器に対応する属性データを上記データベースから取得する属性データ取得手段と、この属性データ取得手段により取得した属性データに基づいて、利用者が入力すべき項目を抽出し、その項目に対する設定入力を利用者に対して促す設定入力手段とを備えることを特徴とするものである。
なお、利用者が入力すべき項目とは、属性データ内で未設定となっている項目、すなわち設備機器の性能や設置条件等に依存して変化する項目であり、この項目には、例えば、設備機器廻りの部材のサイズ、種類などが挙げられる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、CADシステムで作成した設計図書のデータから、標準図を作成すべき設備機器を抽出する際、この設備機器に対応する属性データをデータベースから取得するとともに、この取得した属性データに基づいて、利用者が入力すべき項目を抽出し、その項目に対する設定入力を利用者に対して促すようにしたので、標準図の作成時に設定が必要な項目が明らかとなって、標準図を作成するのが容易となる。
【0021】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の設備数量算出システムにおいて、上記標準図作成手段は、標準図作成に用いる属性データを各設備機器毎に蓄積するデータベースと、上記CADシステムで作成した設計図書のデータから、標準図を作成すべき設備機器を抽出し、この設備機器に対応する属性データを上記データベースから取得する属性データ取得手段と、この属性データ取得手段により取得した属性データに基づいて、標準図の作成時に入力が必要な項目を抽出し、その項目に対応する入力データを、上記CADシステムで作成した設計図書のデータから取得する入力データ取得手段とを備えることを特徴とするものである。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、CADシステムで作成した設計図書のデータから、標準図を作成すべき設備機器を抽出し、この設備機器に対応する属性データをデータベースから取得するとともに、この取得した属性データに基づいて、標準図の作成時に入力が必要な項目を抽出し、その項目に対応する入力データを、CADシステムで作成した設計図書のデータから取得するようにしたので、標準図の作成時における利用者の入力作業を大幅に軽減することができる。
【0023】
請求項7に記載の発明は、請求項4〜6の何れかに記載の設備数量算出システムにおいて、上記所定の入力データには、設備機器の性能データが含まれ、上記標準図作成手段は、設備機器の上記性能データに基づいて、当該設備機器の機器廻りの部材を決定し、この決定に従って、当該設備機器の機器廻りの標準図を作成可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0024】
請求項7に記載の発明によれば、設備機器の性能データに基づいて、当該設備機器に接続する配管のサイズおよび付属品の種類を決定し、この決定に従って、当該設備機器の機器廻りの標準図を作成可能としたので、標準図の作成時に入力が必要な項目を低減することができる。したがって、標準図をより一層容易に作成することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る設備数量算出システムの一実施形態を示す概略構成図である。
この設備数量算出システム10は、CPU11、RAM12、表示装置13、入力装置14、印刷装置15、記憶装置16等により構成され、各部はバス17により接続されている。なお、この設備数量算出システム10は、記憶装置16の記憶領域に格納されているCADプログラムをCPU11が実行することで、CADシステムとしても機能するように構成されている。
【0026】
CPU(Central Processing Unit )11は、記憶装置16の記憶領域に格納されている各種処理プログラム、入力装置14から入力される各種指示、あるいは指示に対応する各種データ等をRAM12に格納し、それら入力指示および各種データに応じてRAM12に格納した各種処理プログラムに従って各種処理を実行し、その処理結果をRAM12に一時的に記憶するとともに、表示装置13等に出力する。
【0027】
このCPU11は、上記CADシステムの制御手段を構成しており、入力装置14からの指示入力に基づいて、設計図面(例えば、平面図、断面図、系統図など)や機器表、器具リスト等の設計図書を作成する処理を実行する。
また、CPU11は、本発明に係る標準図作成手段(属性データ取得手段、設定入力手段、入力データ取得手段)を構成しており、記憶装置16内のデータベースに予め蓄積された各設備機器の属性データと所定の入力データ(入力装置14から入力された入力データ、CADシステムで作成したCADデータ)とを用いて、上記設計図書に記載された各設備機器の機器廻りの標準図をそれぞれ作成する処理を実行する。
【0028】
さらに、CPU11は、本発明に係るCADデータ計数手段、デフォルトデータ計数手段、標準図データ計数手段および数量出力手段を構成しており、▲1▼作成した上記設計図書のデータから、建築設備工事の積算対象となる設備機器(例えば、ボイラ、ポンプなど)、器具(例えば、便器、洗面器など)および部材(例えば、配管、吸込口など)に関するデータを抽出し、このデータに基づいて設備機器、器具および部材の数量をそれぞれ計数する処理、▲2▼上記設計図書に記載された設備機器、器具および部材に付随して用いられるが上記設計図書には記載されない付属的な器具または部材(例えば、設備機器までの立上り、下り管、バルブ、継手類など)に関するデータを記憶装置16内のデフォルトデータ計数用データベースより抽出して、この抽出したデータに基づいて上記付属的な器具または部材の数量をそれぞれ計数する処理、▲3▼作成した上記標準図のデータから、各設備機器廻りの部材に関するデータを抽出して、このデータに基づいて各設備機器廻りの部材の数量(例えば、配管の管径、各付属品の数量など)を計数する処理、▲4▼各々の計数結果を集計して出力する処理をそれぞれ実行する。また、CPU11は、本発明に係る積算手段を構成しており、上記集計結果に基づいて、建築設備工事に関する費用を積算する処理を実行する。
【0029】
RAM(Random Access Memory)12は、CPU11により実行される各種処理プログラムや、その処理に係るデータを一時的に記憶する記憶領域などを備えている。
表示装置13は、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、CPU11から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。入力装置14は、キーボードやポインティングデバイス等により構成され、入力指示信号をCPU11に対して出力する。印刷装置15は、プリンタやプロッタ等により構成され、CPU11から入力される印刷データに基づいて図面や文書等を所定の用紙に印刷して出力する。
【0030】
記憶装置16は、プログラムやデータ等が記憶される記憶媒体16aを有し、この記憶媒体16aは磁気的、光学的記録媒体、若しくは半導体メモリで構成されている。この記憶媒体16aは記憶装置16に固定的に設けたもの、若しくは着脱自在に装着するものであり、CPU11により実行される各種処理プログラム(CADプログラムや、後述の設備数量算出処理を実行するためのプログラムを含む。)や制御データ等を記憶する記憶領域、上記付属的な器具または部材に関するデータを蓄積したデフォルトデータ計数用データベースを格納する記憶領域、各設備機器の属性データを蓄積したデータベースを格納する記憶領域などを備えている。各設備機器の属性データには、標準図に記載される項目(例えば、設備機器の姿図、設備機器廻りの部材の種類またはサイズに関する項目)の一覧と、各項目に対応するデータとが含まれる。各項目に対応するデータには、姿図のデータ等のように予め設定済みのデータと、配管の管径等のように未設定のデータ(すなわち、標準図の作成時に設定入力されるデータ)とが含まれる。
【0031】
次に、上記構成からなる設備数量算出システム10によって実行される設備数量算出処理について説明する。
この設備数量算出処理は、CADデータ計数ステップ、標準図作成ステップ、標準図データ計数ステップ、数量出力ステップおよび積算ステップからなり、各々の処理ステップは、入力装置14からの指示入力に基づいてそれぞれ開始される。
【0032】
1.CADデータ計数ステップ
このCADデータ計数ステップは、CADシステムで設計図書(設計図面、機器表、器具リスト等)を作成した後に行われるステップである。このCADデータ計数ステップでは、CADシステムで作成した設計図書のデータから、建築設備工事の積算対象となる設備機器、器具および部材に関するデータを抽出し、このデータに基づいて設備機器、器具および部材の数量をそれぞれ計数する処理が行われる。
【0033】
具体的に、上記設備機器、器具および部材の数量を計数する方法としては、例えば、設計図面に表記された各設備機器、器具および部材に対応するオブジェクトやシンボルの属性と数量に基づいて各々の数量を計数する方法や、機器表や器具リストの数量欄のデータを参照して各々の数量を求める方法などが挙げられる。また、各部材のサイズ(長さ、面積など)を求める方法としては、設計図面における各部材のサイズや幾何学的形状、縮尺等に基づいて各部材の実際のサイズを導き出す方法や、各部材に対応するオブジェクトや線分に属性として設定されているサイズ情報から各部材の実際のサイズを導き出す方法などが挙げられる。このようにして導き出された計数結果は、記憶装置16内の所定記憶領域に格納される。
【0034】
また、このCADデータ計数ステップでは、上記設計図書に記載された設備機器、器具および部材に付随して用いられるが上記設計図書には記載されない付属的な器具または部材に関するデータをデフォルトデータ計数用データベースより抽出して、この抽出したデータに基づいて上記付属的な器具または部材の数量をそれぞれ計数し、当該計数結果を記憶装置16内の所定記憶領域に格納する処理も併せて行われる。
【0035】
2.標準図作成ステップ
この標準図作成ステップでは、所定の入力データと記憶装置16内のデータベースに予め蓄積された各設備機器の属性データとを用いて、設計図書に記載された各設備機器の機器廻りの標準図をそれぞれ作成する処理が行われる。
【0036】
具体的には、図2のフローチャートに示すように、先ず、入力装置14からの指示入力に基づいて、標準図を作成する設備機器の属性データをデータベースから取得し(ステップS1)、この取得した属性データに基づいて、表示装置13の表示画面に入力項目を表示する(ステップS2)処理が行われる。
この処理では、例えば、図3に示すような表示画面が表示され、この表示画面の右半部には、選択可能な設備機器の一覧が表示される一方、表示画面の左半部には、右半部の一覧で選択された設備機器の姿図と入力項目が表示される。すなわち、表示画面の右半部の一覧の中から所望の設備機器を選択して(カーソル位置を合わせて)、「読み込み」ボタンを押圧操作すると、選択した設備機器の属性データがデータベースから読み込まれて、この読み込まれた属性データに基づいて、選択した設備機器の姿図と入力項目が表示画面の左半部に表示されるようになっている。
【0037】
図3は、ガス焚鋼板製横型温水ボイラ(識別コード:BDM−101)を選択したときの表示例を示しており、その姿図の中には、入力項目の名称と番号(▲1▼温水管、▲2▼膨張管兼給水管、▲3▼ガス管、▲4▼排水管、▲5▼排水管)が対応する部位にそれぞれ表記されている。例えば、受水タンク(識別コード:BDP−101)を選択したときには、上記ガス焚鋼板製横型温水ボイラの代わりに、図4(a)に示すような受水タンクの姿図および入力項目が表示画面の左半部に表示され、開放式角型冷却塔(識別コード:BDM−301)を選択したときには、図4(b)に示すような開放式角型冷却塔のおよび入力項目が表示画面の左半部に表示される。各入力項目の入力は入力装置14より行われ、すべての項目の入力が完了したら、次のステップS3に移行する。
【0038】
ステップS3では、入力装置14から入力された入力データを記憶装置16内の所定記憶領域に保存する処理が行われる。この処理は、表示装置13の表示画面に表示された各入力項目の入力が完了した後に、利用者が表示画面の「保存」ボタンを押圧操作することにより行われる。
【0039】
その後、ステップS1〜S3の処理を繰り返し、すべての設備機器に対する設定入力が完了したら、各々のレイアウトを設定する処理(ステップS4)に移行する。この処理は、図3の表示画面において、利用者が「レイアウト画面」ボタンを押圧操作することにより開始される。すなわち、利用者が「レイアウト画面」ボタンを押圧操作すると、図5に示すように、表示装置13の表示画面がレイアウト設定の表示画面に切り替わる。この表示画面においてレイアウトの設定が行われ、設定が完了したら、次のステップS5に移行する。
【0040】
ステップS5では、ステップS4で設定されたレイアウトに従って、各設備機器に対応する標準図を印刷装置15から出力する処理が行われる。すなわち、利用者が図5の表示画面で印刷レイアウトを設定した後、メニューの印刷プレビューを選択すると、例えば、図6に示すような印刷イメージが表示装置13の表示画面に表示される。この状態で、利用者がメニューの印刷を選択すると、印刷イメージと同じレイアウト構成で各設備機器の標準図が印刷装置15より出力される。
【0041】
なお、上記標準図作成ステップにおいては、入力装置14からの指示入力に基づいて、標準図を作成する設備機器の属性データをデータベースから取得するようにしているが、例えば、CADシステムで作成した設計図書のデータから、標準図を作成すべき設備機器を抽出し、この設備機器に対応する属性データをデータベースから順次取得するようにしてもよい。そうすることで、標準図を作成すべき設備機器の見落としを防止することができる。
【0042】
また、上記標準図作成ステップでは、選択された設備機器に対応する属性データに基づいて、利用者が入力すべき項目を抽出し、その項目に対する設定入力を利用者に対して促すようにしているが、抽出した項目に対応する入力データがCADシステムで作成した設計図書のデータに存在する場合には、抽出した項目に対応する入力データを、CADシステムで作成した設計図書のデータから取得するようにしてもよい。また、CADシステムで作成した設計図書(機器表)のデータには、設備機器の性能データが含まれているので、この性能データに基づいて、当該設備機器に接続する配管のサイズや付属品の種類を決定し、この決定に従って上記入力データを生成することも可能である。この場合、標準図の作成時における利用者の入力作業を大幅に軽減することができる。
【0043】
3.標準図データ計数ステップ
この標準図データ計数ステップでは、上記標準図作成ステップで作成した標準図のデータから、各設備機器廻りの部材に関するデータを抽出して、このデータに基づいて各設備機器廻りの部材の数量を計数する処理が行われる。
具体的には、先ず、上記標準図作成ステップで記憶装置16内の所定記憶領域に保存された入力データと、この入力データに対応する属性データとを読み込んで、これらデータの中から各設備機器廻りの部材に関するデータを拾い出し、拾い出したデータを、図7に示すように、汎用のスプレッドシートまたはデータベースのデータ形式で出力する。続いて、それらデータを予め設定された項目と優先順位(図7の例では、▲1▼工事項目、▲2▼部材、▲3▼材質、▲4▼仕様、▲5▼寸法)で並べ替えて、上記項目がすべて一致するデータを一つにまとめて各々の数量を合算することにより、各部材を計数する。そして、この計数結果を、図8に示すように、表示装置13の表示画面に表示するとともに、記憶装置16内の所定記憶領域に格納する処理を実行する。
【0044】
4.数量出力ステップ
この数量出力ステップでは、上記CADデータ計数ステップにおける計数結果と上記標準図データ計数ステップにおける計数結果とを集計して出力する処理が行われる。
具体的には、CADデータ計数ステップにおける計数結果と標準図データ計数ステップにおける計数結果を記憶装置16から読み込んで両計数結果を集計し、当該集計結果を設備機器別、器具別、部材別に表示装置13の表示画面に一覧表示するとともに、記憶装置16内の所定記憶領域に格納する処理を実行する。
【0045】
5.積算ステップ
この積算ステップでは、上記数量出力ステップで出力された集計結果に基づいて、建築設備工事の費用を積算する処理が行われる。
具体的には、記憶装置16内の所定記憶領域に格納された集計結果を読み込んで、この読み込んだ各設備機器、器具、部材の数量に各々の単価を乗算し、それら演算結果を累計することによって、建築設備工事の費用を積算する処理が行われる。積算結果は、例えば、表示装置13の表示画面に表示された後、印刷装置15より出力される。
【0046】
以上のように、本実施形態の設備数量算出システムによれば、CADシステムで作成した設計図書のデータから、建築設備工事の積算対象となる設備機器、器具および部材に関するデータを抽出し、このデータに基づいて上記設備機器、器具および部材の数量をそれぞれ計数するとともに、上記設計図書に記載された設備機器、器具および部材に付随して用いられるが上記設計図書には記載されない付属的な器具または部材に関するデータをデフォルトデータ計数用データベースより抽出して、この抽出したデータに基づいて上記付属的な器具または部材の数量をそれぞれ計数し(CADデータ計数ステップ)、その後、標準図作成ステップで作成した標準図のデータから、各設備機器廻りの部材に関するデータを抽出して、このデータに基づいて各設備機器廻りの部材の数量を計数した後(標準図データ計数ステップ)、各々の計数結果を集計して出力するようにしたので(数量出力ステップ)、建築設備工事の積算対象となるすべての設備機器、器具および部材の数量算出および集計を自動化することができる。したがって、集計間違い等をなくして積算精度を向上させることができるとともに、積算業務の省力化を図ることができる。
【0047】
また、数量出力ステップで出力された集計結果に基づいて、建築設備工事の費用を積算するようにしたので、建築積算業務において、積算項目の拾い出しからその数量算出、見積書作成までをすべて自動化することもできる。
さらに、データベースに予め蓄積された各設備機器の属性データを用いて、設計図書に記載された各設備機器廻りの標準図をそれぞれ作成するようにしたので(標準図作成ステップ)、標準図作成業務の効率化を図ることもできる。
また、データベースから取得した属性データに基づいて、利用者が入力すべき項目を抽出し、その項目に対する設定入力を利用者に対して促すようにしたので、標準図の作成時に設定が必要な項目が明らかとなって、標準図を作成するのが容易となる。
【0048】
なお、本実施形態では、当該設備数量算出システム10を構成するコンピュータシステムによってCADシステムを構成し、このCADシステムで作成した設計図書のデータを両システム間で共有する構成としたが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、他のコンピュータシステムによってCADシステムを構成し、そのCADシステムで作成した設計図書のデータを、記憶媒体や通信回線等を介して当該設備数量算出システム10に出力する構成とすることも可能である。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1または2に記載の本発明に係る設備数量算出システムによれば、建築設備工事の積算対象となるすべての設備機器、器具および部材の数量算出および集計を自動化することができ、これによって、集計間違い等をなくして積算精度を向上させることができるとともに、積算業務の省力化を図ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、数量出力手段により出力された集計結果に基づいて、建築設備工事の費用を積算するようにしたので、建築積算業務において、積算項目の拾い出しからその数量算出、見積書作成まですべてを自動化することができる。
【0050】
請求項4に記載の発明によれば、予め蓄積された各設備機器の属性データを用いて、設計図書に記載された各設備機器廻りの標準図をそれぞれ作成するようにしたので、標準図作成業務の効率化を図ることもできる。
請求項5に記載の発明によれば、標準図の作成時に設定が必要な項目が明らかとなって、標準図を作成するのが容易となる。
請求項6に記載の発明によれば、標準図の作成時における利用者の入力作業を大幅に軽減することができる。
請求項7に記載の発明によれば、標準図の作成時に入力が必要な項目を低減することができ、標準図の作成がより一層容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る設備数量算出システムの一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の設備数量算出システムによって実行される標準図作成ステップを説明するためのフローチャートである。
【図3】図1の表示装置に表示される表示画面の一例を示す図で、標準図の設定入力を行うときの状態を示している。
【図4】設備機器の姿図と入力項目の表示例を示す図である。
【図5】図1の表示装置に表示される表示画面の一例を示す図で、印刷レイアウトを設定するときの状態を示している。
【図6】図1の表示装置に表示される表示画面の一例を示す図で、印刷イメージを表示しているときの状態を示している。
【図7】図1の表示装置に表示される表示画面の一例を示す図で、設備機器廻りの部材を一覧表示しているときの状態を示している。
【図8】図1の表示装置に表示される表示画面の一例を示す図で、建築設備工事の積算対象となる設備機器、器具および部材の集計結果を表示しているときの状態を示している。
【符号の説明】
10 設備数量算出システム
11 CPU(標準図作成手段、属性データ取得手段、設定入力手段、入力データ取得手段、CADデータ計数手段、デフォルトデータ計数手段、標準図データ計数手段、数量出力手段、積算手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築設備工事の積算を行う際に用いて好適な設備数量算出システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来では、建築設備工事の積算を行う場合、空調機やポンプなどの設備機器は機器表、吸込口や衛生器具は器具リストに基づいてそれぞれの数量を拾い、建物内に展開するダクトや配管などは平面図や断面図でその長さを測るようにしていた。
【0003】
一方、近年では、建築、回路図、航空機、車など多種多様な分野でCAD(Computer Aided Design)システムが利用されている。例えば、建築設備の設計を行う場合には、平面図や断面図などの設計図面の作成に上記CADシステムを用いて、設計図面作成の省力化を図るようにしている。また、縮尺の関係上、それら設計図面には設備機器廻りの詳細情報を書ききれないという理由や、各設備機器に接続する配管や付属品が殆ど変わらないという理由などにより、通常は、CADで作成した設計図面とは別に、設備機器廻りの詳細情報を記載した標準図を作成して、当該標準図で上記設計図面を補完するようにしている。この設備機器廻りの標準図には、各設備機器の姿図や、各設備機器に接続する配管やダクトに関する情報(管径など)、各設備機器に取り付ける弁類やメータ類などの付属品に関する情報(サイズや種類など)が設備機器毎に記載されるようになっている。
【0004】
従来では、上述したように、設計図面に反映させることができない設備機器廻りの詳細情報を標準図に記載するようにしていたので、建築設備工事の積算を行う場合において、CADシステムで作成した設計図面のデータから、各設備機器の数量情報や、配管等の長さ情報を抽出することはできても、各設備機器に接続する配管や付属品(設備機器廻りの部材)に関する数量情報を抽出することはできなかった。
【0005】
そのため、従来では、建築設備工事の積算を行う場合に、設備機器廻りの部材に関する数量を標準図から手作業で集計しなければならず、その作業に多大な手間と時間を要するという問題点があった。また、手作業で集計が行われていたために、集計間違い等が発生し易いという問題点もあった。
【0006】
なお、積算や発注管理などの業務に必要な建築数量の把握とデータの共有化を目的に開発されたシステムとして、例えば特許文献1に開示される建築データベースCADシステムが知られている。しかしながら、この建築データベースCADシステムにおいても、CADシステムで作成した建築モデルに基づいて各建築構成要素の数量算出を行うようにしていたので、標準図のみに記載される設備機器廻りの部材については当然のことながら数量算出を行うことができず、上記と同様の問題点を有していた。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−243267号公報(段落番号0016、0017)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、建築設備工事の積算対象となるすべての設備機器、器具および部材の数量算出および集計を自動化して、積算業務の省力化、並びに積算精度の向上を図ることができる設備数量算出システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明に係る設備数量算出システムは、CADシステムで作成した設計図書のデータから、建築設備工事の積算対象となる設備機器、器具および部材に関するデータを抽出し、このデータに基づいて上記設備機器、器具および部材の数量をそれぞれ計数するCADデータ計数手段と、上記設計図書には記載されない付属的な器具または部材であって、上記設計図書に記載された設備機器、器具および部材に付随して用いられる器具または部材に関するデータをデフォルトデータ計数用データベースより抽出して、この抽出したデータに基づいて上記付属的な器具または部材の数量をそれぞれ計数するデフォルトデータ計数手段と、上記設計図書に記載された各設備機器の機器廻りの標準図のデータから、各設備機器廻りの部材に関するデータを抽出し、このデータに基づいて各設備機器廻りの部材の数量を計数する標準図データ計数手段と、上記CADデータ計数手段、上記デフォルトデータ計数手段および上記標準図データ計数手段による計数結果を集計して、建築設備工事の積算対象となるすべての設備機器、器具および部材の数量を出力する数量出力手段とを備えることを特徴とするものである。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、CADシステムで作成した設計図書のデータから、建築設備工事の積算対象となる設備機器、器具および部材に関するデータを抽出し、このデータに基づいて上記設備機器、器具および部材の数量をそれぞれ計数する一方で、上記設計図書に記載された設備機器、器具および部材に付随して用いられるが上記設計図書には記載されない付属的な器具または部材に関するデータをデフォルトデータ計数用データベースより抽出して、この抽出したデータに基づいて上記付属的な器具または部材の数量をそれぞれ計数するとともに、上記設計図書に記載された各設備機器の機器廻りの標準図のデータから、各設備機器廻りの部材に関するデータを抽出して、このデータに基づいて各設備機器廻りの部材の数量を計数した後、各々の計数結果を集計して当該集計結果を出力するようにしたので、建築設備工事の積算対象となるすべての設備機器、器具および部材の数量算出および集計を自動化することができる。したがって、集計間違い等をなくして積算精度を向上させることができるとともに、積算業務の省力化を図ることができる。
【0011】
ここで、設計図書には、平面図、断面図、系統図等の設計図面が含まれる他、機器表や器具リスト(衛生器具表)等の仕様書も含まれる。
建築設備には、例えば、建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙、汚物処理等の設備、煙突、昇降機、避雷針などが含まれる。建築設備工事とは、上記建築設備に関する工事全般のことを云い、代表的なものとしては、空気調和設備、衛生設備に関する工事が挙げられる。この建築設備工事の積算対象となる設備機器としては、例えば、ボイラ、温水機、冷凍機、熱交換器、空調機、各種ポンプ、タンクなどが挙げられ、器具としては、例えば、便器、洗面器、散水機、消火器などが挙げられ、部材としては、例えば、ダクト、配管、配線、吹出口、吸込口などが挙げられる。これら設備機器、器具および部材の数量には、各々の数量が含まれる他、一部の部材に関しては、その部材のサイズ(長さ、面積など)も含まれる。
上記設計図書には記載されない付属的な器具または部材としては、例えば、設備機器までの立上り、下り管、バルブ、継手類等が挙げられる。
標準図とは、平面図や断面図等の設計図面を補完するために用いられる設備機器廻りの標準化された図面であって、この図面には、設備機器自体に関する情報(姿図など)と、当該設備機器廻りの部材に関する情報(種類、サイズ)とが記載される。設備機器廻りの部材としては、例えば、設備機器に接続される配管やダクト、設備機器に取り付けられる付属品(弁類やメータ類など)が挙げられる。
【0012】
請求項2に記載の本発明に係る設備数量算出システムは、CADシステムで作成した設計図書のデータから、建築設備工事の積算対象となる設備機器、器具および部材に関するデータを抽出し、このデータに基づいて上記設備機器、器具および部材の数量をそれぞれ計数するCADデータ計数手段と、上記設計図書に記載された各設備機器の機器廻りの標準図のデータから、各設備機器廻りの部材に関するデータを抽出し、このデータに基づいて各設備機器廻りの部材の数量を計数する標準図データ計数手段と、上記CADデータ計数手段による計数結果と上記標準図データ計数手段による計数結果とを集計して当該集計結果を出力する数量出力手段とを備えることを特徴とするものである。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、CADシステムで作成した設計図書のデータから、建築設備工事の積算対象となる設備機器、器具および部材に関するデータを抽出し、このデータに基づいて上記設備機器、器具および部材の数量をそれぞれ計数する一方で、上記設計図書に記載された各設備機器の機器廻りの標準図のデータから、各設備機器廻りの部材に関するデータを抽出して、このデータに基づいて各設備機器廻りの部材の数量を計数した後、各々の計数結果を集計して当該集計結果を出力するようにしたので、建築設備工事の積算対象となるすべての設備機器、器具および部材の数量算出および集計を自動化することができる。したがって、集計間違い等をなくして積算精度を向上させることができるとともに、積算業務の省力化を図ることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の設備数量算出システムにおいて、上記数量出力手段により出力された集計結果に基づいて、建築設備工事の費用を積算する積算手段をさらに備えることを特徴とするものである。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、数量出力手段により出力された集計結果に基づいて、建築設備工事の費用を積算するようにしたので、建築積算業務において、積算項目の拾い出しからその数量算出、見積書作成までをすべて自動化することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の設備数量算出システムにおいて、所定の入力データと予め蓄積された各設備機器の属性データとを用いて、上記設計図書に記載された各設備機器の機器廻りの標準図をそれぞれ作成する標準図作成手段をさらに備えることを特徴とするものである。
【0017】
ここで、設備機器の属性データには、標準図に記載される項目の一覧と、各項目に対応するデータとが含まれる。各項目に対応するデータには、姿図のデータ等のように予め設定済みのデータと、配管の管径等のように未設定のデータ(所定の入力データによって設定内容が確定するデータ)とが含まれる。
所定の入力データには、利用者の入力操作によって入力される入力データと、CADシステム等の関連システムより得られる入力データとが含まれる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、所定の入力データと予め蓄積された各設備機器の属性データとを用いて、設計図書に記載された各設備機器廻りの標準図をそれぞれ作成するようにしたので、標準図作成業務の効率化を図ることができる。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の設備数量算出システムにおいて、上記標準図作成手段は、標準図作成用の属性データを各設備機器毎に蓄積するデータベースと、上記CADシステムで作成した設計図書のデータから、標準図を作成すべき設備機器を抽出する際、この設備機器に対応する属性データを上記データベースから取得する属性データ取得手段と、この属性データ取得手段により取得した属性データに基づいて、利用者が入力すべき項目を抽出し、その項目に対する設定入力を利用者に対して促す設定入力手段とを備えることを特徴とするものである。
なお、利用者が入力すべき項目とは、属性データ内で未設定となっている項目、すなわち設備機器の性能や設置条件等に依存して変化する項目であり、この項目には、例えば、設備機器廻りの部材のサイズ、種類などが挙げられる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、CADシステムで作成した設計図書のデータから、標準図を作成すべき設備機器を抽出する際、この設備機器に対応する属性データをデータベースから取得するとともに、この取得した属性データに基づいて、利用者が入力すべき項目を抽出し、その項目に対する設定入力を利用者に対して促すようにしたので、標準図の作成時に設定が必要な項目が明らかとなって、標準図を作成するのが容易となる。
【0021】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の設備数量算出システムにおいて、上記標準図作成手段は、標準図作成に用いる属性データを各設備機器毎に蓄積するデータベースと、上記CADシステムで作成した設計図書のデータから、標準図を作成すべき設備機器を抽出し、この設備機器に対応する属性データを上記データベースから取得する属性データ取得手段と、この属性データ取得手段により取得した属性データに基づいて、標準図の作成時に入力が必要な項目を抽出し、その項目に対応する入力データを、上記CADシステムで作成した設計図書のデータから取得する入力データ取得手段とを備えることを特徴とするものである。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、CADシステムで作成した設計図書のデータから、標準図を作成すべき設備機器を抽出し、この設備機器に対応する属性データをデータベースから取得するとともに、この取得した属性データに基づいて、標準図の作成時に入力が必要な項目を抽出し、その項目に対応する入力データを、CADシステムで作成した設計図書のデータから取得するようにしたので、標準図の作成時における利用者の入力作業を大幅に軽減することができる。
【0023】
請求項7に記載の発明は、請求項4〜6の何れかに記載の設備数量算出システムにおいて、上記所定の入力データには、設備機器の性能データが含まれ、上記標準図作成手段は、設備機器の上記性能データに基づいて、当該設備機器の機器廻りの部材を決定し、この決定に従って、当該設備機器の機器廻りの標準図を作成可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0024】
請求項7に記載の発明によれば、設備機器の性能データに基づいて、当該設備機器に接続する配管のサイズおよび付属品の種類を決定し、この決定に従って、当該設備機器の機器廻りの標準図を作成可能としたので、標準図の作成時に入力が必要な項目を低減することができる。したがって、標準図をより一層容易に作成することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る設備数量算出システムの一実施形態を示す概略構成図である。
この設備数量算出システム10は、CPU11、RAM12、表示装置13、入力装置14、印刷装置15、記憶装置16等により構成され、各部はバス17により接続されている。なお、この設備数量算出システム10は、記憶装置16の記憶領域に格納されているCADプログラムをCPU11が実行することで、CADシステムとしても機能するように構成されている。
【0026】
CPU(Central Processing Unit )11は、記憶装置16の記憶領域に格納されている各種処理プログラム、入力装置14から入力される各種指示、あるいは指示に対応する各種データ等をRAM12に格納し、それら入力指示および各種データに応じてRAM12に格納した各種処理プログラムに従って各種処理を実行し、その処理結果をRAM12に一時的に記憶するとともに、表示装置13等に出力する。
【0027】
このCPU11は、上記CADシステムの制御手段を構成しており、入力装置14からの指示入力に基づいて、設計図面(例えば、平面図、断面図、系統図など)や機器表、器具リスト等の設計図書を作成する処理を実行する。
また、CPU11は、本発明に係る標準図作成手段(属性データ取得手段、設定入力手段、入力データ取得手段)を構成しており、記憶装置16内のデータベースに予め蓄積された各設備機器の属性データと所定の入力データ(入力装置14から入力された入力データ、CADシステムで作成したCADデータ)とを用いて、上記設計図書に記載された各設備機器の機器廻りの標準図をそれぞれ作成する処理を実行する。
【0028】
さらに、CPU11は、本発明に係るCADデータ計数手段、デフォルトデータ計数手段、標準図データ計数手段および数量出力手段を構成しており、▲1▼作成した上記設計図書のデータから、建築設備工事の積算対象となる設備機器(例えば、ボイラ、ポンプなど)、器具(例えば、便器、洗面器など)および部材(例えば、配管、吸込口など)に関するデータを抽出し、このデータに基づいて設備機器、器具および部材の数量をそれぞれ計数する処理、▲2▼上記設計図書に記載された設備機器、器具および部材に付随して用いられるが上記設計図書には記載されない付属的な器具または部材(例えば、設備機器までの立上り、下り管、バルブ、継手類など)に関するデータを記憶装置16内のデフォルトデータ計数用データベースより抽出して、この抽出したデータに基づいて上記付属的な器具または部材の数量をそれぞれ計数する処理、▲3▼作成した上記標準図のデータから、各設備機器廻りの部材に関するデータを抽出して、このデータに基づいて各設備機器廻りの部材の数量(例えば、配管の管径、各付属品の数量など)を計数する処理、▲4▼各々の計数結果を集計して出力する処理をそれぞれ実行する。また、CPU11は、本発明に係る積算手段を構成しており、上記集計結果に基づいて、建築設備工事に関する費用を積算する処理を実行する。
【0029】
RAM(Random Access Memory)12は、CPU11により実行される各種処理プログラムや、その処理に係るデータを一時的に記憶する記憶領域などを備えている。
表示装置13は、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、CPU11から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。入力装置14は、キーボードやポインティングデバイス等により構成され、入力指示信号をCPU11に対して出力する。印刷装置15は、プリンタやプロッタ等により構成され、CPU11から入力される印刷データに基づいて図面や文書等を所定の用紙に印刷して出力する。
【0030】
記憶装置16は、プログラムやデータ等が記憶される記憶媒体16aを有し、この記憶媒体16aは磁気的、光学的記録媒体、若しくは半導体メモリで構成されている。この記憶媒体16aは記憶装置16に固定的に設けたもの、若しくは着脱自在に装着するものであり、CPU11により実行される各種処理プログラム(CADプログラムや、後述の設備数量算出処理を実行するためのプログラムを含む。)や制御データ等を記憶する記憶領域、上記付属的な器具または部材に関するデータを蓄積したデフォルトデータ計数用データベースを格納する記憶領域、各設備機器の属性データを蓄積したデータベースを格納する記憶領域などを備えている。各設備機器の属性データには、標準図に記載される項目(例えば、設備機器の姿図、設備機器廻りの部材の種類またはサイズに関する項目)の一覧と、各項目に対応するデータとが含まれる。各項目に対応するデータには、姿図のデータ等のように予め設定済みのデータと、配管の管径等のように未設定のデータ(すなわち、標準図の作成時に設定入力されるデータ)とが含まれる。
【0031】
次に、上記構成からなる設備数量算出システム10によって実行される設備数量算出処理について説明する。
この設備数量算出処理は、CADデータ計数ステップ、標準図作成ステップ、標準図データ計数ステップ、数量出力ステップおよび積算ステップからなり、各々の処理ステップは、入力装置14からの指示入力に基づいてそれぞれ開始される。
【0032】
1.CADデータ計数ステップ
このCADデータ計数ステップは、CADシステムで設計図書(設計図面、機器表、器具リスト等)を作成した後に行われるステップである。このCADデータ計数ステップでは、CADシステムで作成した設計図書のデータから、建築設備工事の積算対象となる設備機器、器具および部材に関するデータを抽出し、このデータに基づいて設備機器、器具および部材の数量をそれぞれ計数する処理が行われる。
【0033】
具体的に、上記設備機器、器具および部材の数量を計数する方法としては、例えば、設計図面に表記された各設備機器、器具および部材に対応するオブジェクトやシンボルの属性と数量に基づいて各々の数量を計数する方法や、機器表や器具リストの数量欄のデータを参照して各々の数量を求める方法などが挙げられる。また、各部材のサイズ(長さ、面積など)を求める方法としては、設計図面における各部材のサイズや幾何学的形状、縮尺等に基づいて各部材の実際のサイズを導き出す方法や、各部材に対応するオブジェクトや線分に属性として設定されているサイズ情報から各部材の実際のサイズを導き出す方法などが挙げられる。このようにして導き出された計数結果は、記憶装置16内の所定記憶領域に格納される。
【0034】
また、このCADデータ計数ステップでは、上記設計図書に記載された設備機器、器具および部材に付随して用いられるが上記設計図書には記載されない付属的な器具または部材に関するデータをデフォルトデータ計数用データベースより抽出して、この抽出したデータに基づいて上記付属的な器具または部材の数量をそれぞれ計数し、当該計数結果を記憶装置16内の所定記憶領域に格納する処理も併せて行われる。
【0035】
2.標準図作成ステップ
この標準図作成ステップでは、所定の入力データと記憶装置16内のデータベースに予め蓄積された各設備機器の属性データとを用いて、設計図書に記載された各設備機器の機器廻りの標準図をそれぞれ作成する処理が行われる。
【0036】
具体的には、図2のフローチャートに示すように、先ず、入力装置14からの指示入力に基づいて、標準図を作成する設備機器の属性データをデータベースから取得し(ステップS1)、この取得した属性データに基づいて、表示装置13の表示画面に入力項目を表示する(ステップS2)処理が行われる。
この処理では、例えば、図3に示すような表示画面が表示され、この表示画面の右半部には、選択可能な設備機器の一覧が表示される一方、表示画面の左半部には、右半部の一覧で選択された設備機器の姿図と入力項目が表示される。すなわち、表示画面の右半部の一覧の中から所望の設備機器を選択して(カーソル位置を合わせて)、「読み込み」ボタンを押圧操作すると、選択した設備機器の属性データがデータベースから読み込まれて、この読み込まれた属性データに基づいて、選択した設備機器の姿図と入力項目が表示画面の左半部に表示されるようになっている。
【0037】
図3は、ガス焚鋼板製横型温水ボイラ(識別コード:BDM−101)を選択したときの表示例を示しており、その姿図の中には、入力項目の名称と番号(▲1▼温水管、▲2▼膨張管兼給水管、▲3▼ガス管、▲4▼排水管、▲5▼排水管)が対応する部位にそれぞれ表記されている。例えば、受水タンク(識別コード:BDP−101)を選択したときには、上記ガス焚鋼板製横型温水ボイラの代わりに、図4(a)に示すような受水タンクの姿図および入力項目が表示画面の左半部に表示され、開放式角型冷却塔(識別コード:BDM−301)を選択したときには、図4(b)に示すような開放式角型冷却塔のおよび入力項目が表示画面の左半部に表示される。各入力項目の入力は入力装置14より行われ、すべての項目の入力が完了したら、次のステップS3に移行する。
【0038】
ステップS3では、入力装置14から入力された入力データを記憶装置16内の所定記憶領域に保存する処理が行われる。この処理は、表示装置13の表示画面に表示された各入力項目の入力が完了した後に、利用者が表示画面の「保存」ボタンを押圧操作することにより行われる。
【0039】
その後、ステップS1〜S3の処理を繰り返し、すべての設備機器に対する設定入力が完了したら、各々のレイアウトを設定する処理(ステップS4)に移行する。この処理は、図3の表示画面において、利用者が「レイアウト画面」ボタンを押圧操作することにより開始される。すなわち、利用者が「レイアウト画面」ボタンを押圧操作すると、図5に示すように、表示装置13の表示画面がレイアウト設定の表示画面に切り替わる。この表示画面においてレイアウトの設定が行われ、設定が完了したら、次のステップS5に移行する。
【0040】
ステップS5では、ステップS4で設定されたレイアウトに従って、各設備機器に対応する標準図を印刷装置15から出力する処理が行われる。すなわち、利用者が図5の表示画面で印刷レイアウトを設定した後、メニューの印刷プレビューを選択すると、例えば、図6に示すような印刷イメージが表示装置13の表示画面に表示される。この状態で、利用者がメニューの印刷を選択すると、印刷イメージと同じレイアウト構成で各設備機器の標準図が印刷装置15より出力される。
【0041】
なお、上記標準図作成ステップにおいては、入力装置14からの指示入力に基づいて、標準図を作成する設備機器の属性データをデータベースから取得するようにしているが、例えば、CADシステムで作成した設計図書のデータから、標準図を作成すべき設備機器を抽出し、この設備機器に対応する属性データをデータベースから順次取得するようにしてもよい。そうすることで、標準図を作成すべき設備機器の見落としを防止することができる。
【0042】
また、上記標準図作成ステップでは、選択された設備機器に対応する属性データに基づいて、利用者が入力すべき項目を抽出し、その項目に対する設定入力を利用者に対して促すようにしているが、抽出した項目に対応する入力データがCADシステムで作成した設計図書のデータに存在する場合には、抽出した項目に対応する入力データを、CADシステムで作成した設計図書のデータから取得するようにしてもよい。また、CADシステムで作成した設計図書(機器表)のデータには、設備機器の性能データが含まれているので、この性能データに基づいて、当該設備機器に接続する配管のサイズや付属品の種類を決定し、この決定に従って上記入力データを生成することも可能である。この場合、標準図の作成時における利用者の入力作業を大幅に軽減することができる。
【0043】
3.標準図データ計数ステップ
この標準図データ計数ステップでは、上記標準図作成ステップで作成した標準図のデータから、各設備機器廻りの部材に関するデータを抽出して、このデータに基づいて各設備機器廻りの部材の数量を計数する処理が行われる。
具体的には、先ず、上記標準図作成ステップで記憶装置16内の所定記憶領域に保存された入力データと、この入力データに対応する属性データとを読み込んで、これらデータの中から各設備機器廻りの部材に関するデータを拾い出し、拾い出したデータを、図7に示すように、汎用のスプレッドシートまたはデータベースのデータ形式で出力する。続いて、それらデータを予め設定された項目と優先順位(図7の例では、▲1▼工事項目、▲2▼部材、▲3▼材質、▲4▼仕様、▲5▼寸法)で並べ替えて、上記項目がすべて一致するデータを一つにまとめて各々の数量を合算することにより、各部材を計数する。そして、この計数結果を、図8に示すように、表示装置13の表示画面に表示するとともに、記憶装置16内の所定記憶領域に格納する処理を実行する。
【0044】
4.数量出力ステップ
この数量出力ステップでは、上記CADデータ計数ステップにおける計数結果と上記標準図データ計数ステップにおける計数結果とを集計して出力する処理が行われる。
具体的には、CADデータ計数ステップにおける計数結果と標準図データ計数ステップにおける計数結果を記憶装置16から読み込んで両計数結果を集計し、当該集計結果を設備機器別、器具別、部材別に表示装置13の表示画面に一覧表示するとともに、記憶装置16内の所定記憶領域に格納する処理を実行する。
【0045】
5.積算ステップ
この積算ステップでは、上記数量出力ステップで出力された集計結果に基づいて、建築設備工事の費用を積算する処理が行われる。
具体的には、記憶装置16内の所定記憶領域に格納された集計結果を読み込んで、この読み込んだ各設備機器、器具、部材の数量に各々の単価を乗算し、それら演算結果を累計することによって、建築設備工事の費用を積算する処理が行われる。積算結果は、例えば、表示装置13の表示画面に表示された後、印刷装置15より出力される。
【0046】
以上のように、本実施形態の設備数量算出システムによれば、CADシステムで作成した設計図書のデータから、建築設備工事の積算対象となる設備機器、器具および部材に関するデータを抽出し、このデータに基づいて上記設備機器、器具および部材の数量をそれぞれ計数するとともに、上記設計図書に記載された設備機器、器具および部材に付随して用いられるが上記設計図書には記載されない付属的な器具または部材に関するデータをデフォルトデータ計数用データベースより抽出して、この抽出したデータに基づいて上記付属的な器具または部材の数量をそれぞれ計数し(CADデータ計数ステップ)、その後、標準図作成ステップで作成した標準図のデータから、各設備機器廻りの部材に関するデータを抽出して、このデータに基づいて各設備機器廻りの部材の数量を計数した後(標準図データ計数ステップ)、各々の計数結果を集計して出力するようにしたので(数量出力ステップ)、建築設備工事の積算対象となるすべての設備機器、器具および部材の数量算出および集計を自動化することができる。したがって、集計間違い等をなくして積算精度を向上させることができるとともに、積算業務の省力化を図ることができる。
【0047】
また、数量出力ステップで出力された集計結果に基づいて、建築設備工事の費用を積算するようにしたので、建築積算業務において、積算項目の拾い出しからその数量算出、見積書作成までをすべて自動化することもできる。
さらに、データベースに予め蓄積された各設備機器の属性データを用いて、設計図書に記載された各設備機器廻りの標準図をそれぞれ作成するようにしたので(標準図作成ステップ)、標準図作成業務の効率化を図ることもできる。
また、データベースから取得した属性データに基づいて、利用者が入力すべき項目を抽出し、その項目に対する設定入力を利用者に対して促すようにしたので、標準図の作成時に設定が必要な項目が明らかとなって、標準図を作成するのが容易となる。
【0048】
なお、本実施形態では、当該設備数量算出システム10を構成するコンピュータシステムによってCADシステムを構成し、このCADシステムで作成した設計図書のデータを両システム間で共有する構成としたが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、他のコンピュータシステムによってCADシステムを構成し、そのCADシステムで作成した設計図書のデータを、記憶媒体や通信回線等を介して当該設備数量算出システム10に出力する構成とすることも可能である。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1または2に記載の本発明に係る設備数量算出システムによれば、建築設備工事の積算対象となるすべての設備機器、器具および部材の数量算出および集計を自動化することができ、これによって、集計間違い等をなくして積算精度を向上させることができるとともに、積算業務の省力化を図ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、数量出力手段により出力された集計結果に基づいて、建築設備工事の費用を積算するようにしたので、建築積算業務において、積算項目の拾い出しからその数量算出、見積書作成まですべてを自動化することができる。
【0050】
請求項4に記載の発明によれば、予め蓄積された各設備機器の属性データを用いて、設計図書に記載された各設備機器廻りの標準図をそれぞれ作成するようにしたので、標準図作成業務の効率化を図ることもできる。
請求項5に記載の発明によれば、標準図の作成時に設定が必要な項目が明らかとなって、標準図を作成するのが容易となる。
請求項6に記載の発明によれば、標準図の作成時における利用者の入力作業を大幅に軽減することができる。
請求項7に記載の発明によれば、標準図の作成時に入力が必要な項目を低減することができ、標準図の作成がより一層容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る設備数量算出システムの一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の設備数量算出システムによって実行される標準図作成ステップを説明するためのフローチャートである。
【図3】図1の表示装置に表示される表示画面の一例を示す図で、標準図の設定入力を行うときの状態を示している。
【図4】設備機器の姿図と入力項目の表示例を示す図である。
【図5】図1の表示装置に表示される表示画面の一例を示す図で、印刷レイアウトを設定するときの状態を示している。
【図6】図1の表示装置に表示される表示画面の一例を示す図で、印刷イメージを表示しているときの状態を示している。
【図7】図1の表示装置に表示される表示画面の一例を示す図で、設備機器廻りの部材を一覧表示しているときの状態を示している。
【図8】図1の表示装置に表示される表示画面の一例を示す図で、建築設備工事の積算対象となる設備機器、器具および部材の集計結果を表示しているときの状態を示している。
【符号の説明】
10 設備数量算出システム
11 CPU(標準図作成手段、属性データ取得手段、設定入力手段、入力データ取得手段、CADデータ計数手段、デフォルトデータ計数手段、標準図データ計数手段、数量出力手段、積算手段)
Claims (7)
- CADシステムで作成した設計図書のデータから、建築設備工事の積算対象となる設備機器、器具および部材に関するデータを抽出し、このデータに基づいて上記設備機器、器具および部材の数量をそれぞれ計数するCADデータ計数手段と、
上記設計図書には記載されない付属的な器具または部材であって、上記設計図書に記載された設備機器、器具および部材に付随して用いられる器具または部材に関するデータをデフォルトデータ計数用データベースより抽出して、この抽出したデータに基づいて上記付属的な器具または部材の数量をそれぞれ計数するデフォルトデータ計数手段と、
上記設計図書に記載された各設備機器の機器廻りの標準図のデータから、各設備機器廻りの部材に関するデータを抽出し、このデータに基づいて各設備機器廻りの部材の数量を計数する標準図データ計数手段と、
上記CADデータ計数手段、上記デフォルトデータ計数手段および上記標準図データ計数手段による計数結果を集計して、建築設備工事の積算対象となるすべての設備機器、器具および部材の数量を出力する数量出力手段とを備えることを特徴とする設備数量算出システム。 - CADシステムで作成した設計図書のデータから、建築設備工事の積算対象となる設備機器、器具および部材に関するデータを抽出し、このデータに基づいて上記設備機器、器具および部材の数量をそれぞれ計数するCADデータ計数手段と、
上記設計図書に記載された各設備機器の機器廻りの標準図のデータから、各設備機器廻りの部材に関するデータを抽出し、このデータに基づいて各設備機器廻りの部材の数量を計数する標準図データ計数手段と、
上記CADデータ計数手段による計数結果と上記標準図データ計数手段による計数結果とを集計して当該集計結果を出力する数量出力手段とを備えることを特徴とする設備数量算出システム。 - 上記数量出力手段により出力された集計結果に基づいて、建築設備工事の費用を積算する積算手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の設備数量算出システム。
- 所定の入力データと予め蓄積された各設備機器の属性データとを用いて、上記設計図書に記載された各設備機器の機器廻りの標準図をそれぞれ作成する標準図作成手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の設備数量算出システム。
- 上記標準図作成手段は、
標準図作成用の属性データを各設備機器毎に蓄積するデータベースと、
上記CADシステムで作成した設計図書のデータから、標準図を作成すべき設備機器を抽出する際、この設備機器に対応する属性データを上記データベースから取得する属性データ取得手段と、
この属性データ取得手段により取得した属性データに基づいて、利用者が入力すべき項目を抽出し、その項目に対する設定入力を利用者に対して促す設定入力手段とを備えることを特徴とする請求項4に記載の設備数量算出システム。 - 上記標準図作成手段は、
標準図作成に用いる属性データを各設備機器毎に蓄積するデータベースと、
上記CADシステムで作成した設計図書のデータから、標準図を作成すべき設備機器を抽出し、この設備機器に対応する属性データを上記データベースから取得する属性データ取得手段と、
この属性データ取得手段により取得した属性データに基づいて、標準図の作成時に入力が必要な項目を抽出し、その項目に対応する入力データを、上記CADシステムで作成した設計図書のデータから取得する入力データ取得手段とを備えることを特徴とする請求項4に記載の設備数量算出システム。 - 上記所定の入力データには、設備機器の性能データが含まれ、
上記標準図作成手段は、設備機器の上記性能データに基づいて、当該設備機器の機器廻りの部材を決定し、この決定に従って、当該設備機器の機器廻りの標準図を作成可能に構成されていることを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載の設備数量算出システム。
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