JP2012037143A - エネルギー変換機器性能評価システム - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギー変換機器のエクセルギー損失評価を、エネルギー変換機器を構成する各構成要素をブロック化し、各構成要素のエクセルギー損失を算出し、それらを統合化して全体の評価を行う。
【解決手段】エクセルギーを用いてエネルギー変換機器の性能評価を行うエネルギー変換機器性能評価システム。入力パラメータに基づいてシミュレーション実行部が出力した各構成要素における熱学演算値を用いて各構成要素のエクセルギー損失を演算出力するエクセルギー演算部と、出力されたエクセルギー損失からエネルギー変換機器の性能評価を行う評価部とが備えられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、エクセルギーを用いてエネルギー変換機器の性能評価を行うエネルギー変換機器性能評価システムに関する。
地球温暖化防止の面から、高効率なエネルギーシステムの採用が国の補助により進められている。たとえば、給湯器に関しては、これまでのガス給湯器、石油給湯器、電気温水器に代わり、潜熱回収型ガス給湯器、ヒートポンプ式給湯器、家庭用コージェネレーションが既に市場に投入されている。これらの機器の性能は、我が国では投入エネルギー(インプット)に対する温水出力(アウトプット)の割合を表す熱効率によって評価される。熱効率は熱量保存則である熱力学第1法則によるものであり、温度、圧力、エンタルピー、エントロピーといった状態量から計算される。一方、エクセルギー(exergy)は投入エネルギーにカルノー効率を乗じた値であり、投入したエネルギーから回収できる最大仕事として定義される。エクセルギーを用いると熱効率では評価できないエネルギーの質を考慮することができる。たとえば、熱効率を用いるとガス給湯器は約95%、またヒートポンプ式給湯器は約300%、家庭用コージェネレーションは約70%(総合効率=熱効率40%+発電効率30%)となり、熱エネルギーより質の高い電気エネルギーを作り出すコージェネレーションが最も低い値を示す。一方、エクセルギーで評価すると、ガス給湯器は約6%、電気給湯器は約20%、コージェネレーションは約40%と試算される。つまり、熱より質の高い電気を発電するコージェネレーションが最もエネルギーを有効に利用するといえる。また、エクセルギーを用いることで、従来では得られない燃焼、混合、減圧、回転機で生じる損失を評価することができる。
なお、エクセルギー:E[J]は投入エネルギーにカルノー効率を乗じた値として定義されるので、
E=G・e=G((h−ho)−To・(s−so))
と表すことができる。
ここで、Gはモル質量[mol]、eは比エクセルギー[J/mol]、hは比エンタルピー[J/mol]、sは比エントロピー[J/mol・K]、Tは温度[K]である。添え字oは環境状態を示す。
空調機器、給湯設備、ガスタービン、ガスエンジン、吸収式冷温水器、燃料電池、コージェネレーション、コンバインドサイクルなどといったエネルギー設備(エネルギー変換機器)の評価診断をエネルギーの質と量を同時に表すことができるエクセルギーに基づいておこなうエネルギー設備評価システムが、特許文献1から知られている。このシステムでは、入力されたエネルギー設備の設備データに基づいて、そのエネルギー設備のエクセルギーが演算され、その演算値に基づいて評価診断が行われる。しかしながら、エネルギー設備全体としてのエクセルギーの評価診断が行われているので、エネルギー設備を構成する構成要素毎のエクセルギー損失を把握しながら、最終的なエネルギー設備全体の評価診断をするということが困難であった。
特開2002−7523号公報(段落番号〔0007−0026〕、図2)
上記実情に鑑み、本発明の目的は、エネルギー変換機器のエクセルギー損失評価を、エネルギー変換機器を構成する各構成要素をブロック化し、各構成要素のエクセルギー損失を算出し、それらを統合化して全体の評価を行うことにある。
上記目的を達成するために、エクセルギーを用いてエネルギー変換機器の性能評価を行う、本発明によるエネルギー変換機器性能評価システムは、評価対象となるエネルギー変換機器を構成する構成要素からなるシミュレーションモデルを構築するモデル構築部と、入力パラメータに基づいて前記シミュレーションモデルにおける各構成要素における熱学演算値を出力するシミュレーション実行部と、前記シミュレーション実行部から出力された前記熱学演算値を用いて各構成要素のエクセルギー損失を演算出力するエクセルギー演算部と、出力された前記エクセルギー損失から前記エネルギー変換機器の性能評価を行う評価部とを備えている。
この構成によると、エネルギー変換機器を構成する構成要素をモデル化してエネルギー変換機器のシミュレーションモデルを構築することで、シミュレーション結果として出力される熱学演算値を用いて各構成要素のエクセルギー損失が得られる。従って、このエクセルギー損失からエネルギー変換機器の性能評価を行う際に、その評価結果を用いながらこのような評価を繰り返すことで、エクセルギー損失を最小化する入力パラメータを求めることも可能となる。さらには、特定の構成要素の種別等も簡単に変えて、エネルギー変換機器の性能評価を行うことも簡単に実現できる。
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記エクセルギー演算部は、前記シミュレーションモデルに採用される種々の構成要素とリンクされるエクセルギー損失演算関数を備えており、前記エクセルギー損失演算関数は前記熱学演算値をもって呼び出されることによって前記エクセルギー損失を引き渡すように構成されている。このような構成を採用することにより、シミュレーション結果として各構成要素に対して与えられた熱学演算値を引数として当該構成要素のためのエクセルギー損失演算関数を呼び出すことでそのエクセルギー損失が得られる。これにより、熱プラントシミュレーションとエクセルギー損失演算がスムーズに行われる。
熱プラントシミュレーションとエクセルギー損失演算がシームレスに行われるので、入力パラメータを変えながらこの一連の処理を繰り返すことで、順次エクセルギー損失の変動を簡単に理解することができる。この目的のため、本発明による好適な実施形態1つででは、前記入力パラメータの値が変更されることで、前記シミュレーション実行部による熱学演算値の再出力と、再出力された前記熱学演算値に基づく前記エクセルギー演算部によるエクセルギー損失の再演算出力と、再演算出力されたエクセルギー損失から前記評価部による前記エネルギー変換機器の再性能評価が行われるように構成されている。
上記構成により、評価部による前記エネルギー変換機器の再性能評価を時系列的に行うことができる。このため、入力パラメータの再入力を連続的に変化させることで、好ましくは自動的に変化させることで、エネルギー変換機器の最適化、特に運転最適化が可能となる。このため、好適な実施形態の1つでは、前記入力パラメータの再入力にともなう前記再性能評価は、エネルギー変換機器の最適化、特に運転最適化が実現されるまで続けられるように構成されている。
また、このようなエネルギー変換機器性能評価システムを給湯器や家庭用コージェネレーションの一般ユーザに対する販売促進や省エネルギー運転の啓蒙ために利用してもらうためには、その評価結果を、専門家ではなく一般ユーザにとって分かりやすい形態で表現する必要がある。この目的のために、本発明の好適な実施形態では前記評価部は、前記エクセルギー損失を視覚化する情報視覚化機能を有している。評価結果の、特に好ましい情報視覚化はサンキーダイアグラムであり、これによりエクセルギー損失を直感的に理解することができる。
本発明によるエクセルギーを用いてエネルギー変換機器の性能評価を行うエネルギー変換機器性能評価の原理を示す模式図である。 本発明によるエネルギー変換機器性能評価システムの1つの実施形態を示す機能ブロック図である。 モデル化された構成要素とこの構成要素にリンクされたエクセルギー損失演算関数を示す模式図である。 エネルギー変換機器のシミュレーションを実行するための入力条件の設定と、シミュレーション結果としての熱学演算値を表示する画面を示すモニタ画面図である。 評価結果としてのエクセルギー損失を視覚化したサンキーダイアグラムを入力条件とともに表示する画面を示すモニタ画面図である。
まず、本発明によるエクセルギーを用いてエネルギー変換機器の性能評価を行うエネルギー変換機器性能評価の原理を図1の模式図を用いて説明する。
このエネルギー変換機器性能評価の全体的な処理の流れは、
(1)評価対象となるエネルギー変換機器の選択、
(2)選択されたエネルギー変換機器のシミュレーションモデル化(モデル構築:#01)、
(3)入力条件の設定(入力パラメータに数値代入:#02)
(4)シミュレーション実行による各構成要素における作動流体の熱力学的な演算による熱学演算値の算定(シミュレーション実行:#03)、
(5)算定された熱学演算値に基づくエクセルギー演算値の算定(エクセルギー演算:#04)、
(6)算定された各構成要素のエクセルギー演算値に基づくエクセルギー損失データの導出(エクセルギー損失演算:#05)、
(7)エクセルギー損失に基づくエネルギー変換機器性能評価の視覚化(評価:#06)、
となっている。
シミュレーションモデルの構築にあたっては、予め種々のエネルギー変換機器のシミュレーションモデルを予め作成し、自由に読み出せるようにデータベース化しておくと好都合である。なお、この発明で取り扱われるエネルギー変換機器としては、例えば、ガス給湯器、石油給湯器、電気温水器、潜熱回収型ガス給湯器、ヒートポンプ式給湯器、家庭用コージェネレーションといった一般家庭用熱学機器だけでなく、都市ガスから動力または電力を取り出すシステム、温熱や冷熱から動力または電力を取り出すシステム、LNG冷熱利用システム、海洋温度差発電システムといった大規模なエネルギー変換設備も含まれる。このようなエネルギー変換機器の動作をシミュレーションするプラントシミュレーションプログラムは公知であり、市販されているものを利用することができる。但し、公知のシミュレーションモデルでは、エクセルギーの演算機能は備えられていないので、シミュレーションの実行により算定された各構成要素周りの熱学演算値から各構成要素におけるエクセルギーを求め、そのエクセルギー損失を算定する、いわゆる呼び出し関数機能を作成して、シミュレーションプログラムとリンクしておくとよい。
構成要素毎に算定されたエクセルギー損失は、評価対象としてのエネルギー変換機器の形に統合化され、ユーザに分かりやすくするためにその評価結果を視覚化する。この評価では、投入されたエネルギーが工程の流れに沿って配置された各構成要素における熱力学的挙動によって失っていくエクセルギーが分析されているので、各イベント(熱力学的挙動)の方向とそのイベントの大きさを簡単に表現することができるサンキーダイアグラム(Sankey diagrams)を視覚化手段として用いるとよい。
上述のエクセルギーを用いたエネルギー変換機器性能評価の原理を導入した、本発明によるエネルギー変換機器性能評価システムの1つの実施形態を説明する。図2は、そのようなエネルギー変換機器性能評価システムを模式的に示す機能ブロック図である。
このエネルギー変換機器性能評価システムはコンピュータシステムによって構築されている。ユーザによって操作され、必要なデータをこのシステムに入力するための入力デバイスとしてキーボード11やマウス12が接続されており、評価結果をユーザに与えるための出力デバイスとしてモニタ14やプリンタ15が接続されている。このコンピュータシステムがエネルギー変換機器性能評価システムとして機能するために、種々のプログラムモジュールが搭載されているが、特に本発明に関係するものとして、シミュレーションモジュール20と、エクセルギー演算モジュール30と、評価モジュール40とが挙げられる。また、上記入力デバイスを用いたユーザ入力を簡単化するために、汎用OSを利用したユーザーインタフェース10が構築されているが、ここでは上記プログラムモジュールのインターフェース機能と連係するグラフィックユーザーインタフェースの形態となっている。さらに、図示されていないが、各出力デバイスは出力インターフェースを介して出力データを受け取るように構成されている。
シミュレーションモジュール20は、構成要素モデルデータベース21、モデル構築部22、シミュレーション実行部23、熱学演算値処理部24、入力パラメータ処理部25を含んでいる。モデル構築部22は、ユーザ入力に基づいて、シミュレーション対象となるエネルギー変換機器(プラント設備を含む)のシミュレーションモデルの構築を行う機能を有する。その際、評価対象となるエネルギー変換機器を構成する各構成要素のシミュレーションモデルは構成要素モデルデータベース21に登録されているので、ここから必要なモデルを読み出して、モデル化作業面に配置することで簡単にシミュレーションモデルを構築することができる。しかしながら、一般的なエネルギー変換機器のシミュレーションモデルは予め作成され、構成要素モデルデータベース21(別に構築した専用のモデルデータベースでもよい)に登録されているので、通常のシミュレーション時は、対象となるエネルギー変換機器のシミュレーションモデルを選択抽出するだけでよい。シミュレーション実行部23は、シミュレーションモデルに対して、所定の初期条件を規定する入力パラメータに基づいてシミュレーションを実行し、各構成要素における熱学演算値を算出する。熱学演算値処理部24は、算定された熱学演算値を次の処理プロセスを引き受けるエクセルギー演算モジュール30で処理可能な形式に変換するとともに、必要とされる熱学演算値の転送先を指定する。
シミュレーションの実行のために必要な入力条件は、ユーザーインタフェース10を介して入力された入力データに基づいて入力パラメータ処理部25が必要な変換を施してシミュレーション実行部23に与える。このような入力条件の入力を簡単にするグラフィックユーザーインタフェースの構築には、汎用の表計算ソフトなどの入力機能を利用すると好都合である。入力条件として利用される入力パラメータとしては、例えば、給湯器の場合は、沸き上げ温度、給水温度、外気温度、相対湿度、投入燃料流量など、さらには、回転機たとえばポンプ、タービン、圧縮機、ファンの効率、あるいは熱交換器の性能を表すKA(総括伝熱係数×伝熱面積)などを挙げることができる。
また、シミュレーションによって出力される熱学演算値としては、投入燃料量による発熱量、各構成要素における作動流体のエンタルピー、エントロピー、モルフロー、さらには、回収動力または出力動力などが挙げられる。
エクセルギー演算モジュール30は、エクセルギー損失演算関数テーブル31、エクセルギー演算部32を含んでいる。エクセルギー損失演算関数テーブル31は、シミュレーションモジュール20のモデル構築部22で用いられるエネルギー変換機器の各構成要素における熱学演算値から算定されるエクセルギー演算値及びこのエクセルギー演算値から算定されるエクセルギー損失を演算するエクセルギー損失演算関数が格納されている関数テーブルである。エクセルギー演算部32は、シミュレーションモジュール20の熱学演算値処理部24から受け取った、モデル化された各構成要素における熱学演算値を入力パラメータとして、当該構成要素にリンクしているエクセルギー損失演算関数を用いてエクセルギー演算値ないしはエクセルギー損失を出力する演算処理機能を有する。
モデル化された各構成要素にリンクされたエクセルギー損失演算関数の代表的な例が図3の(a)から(f)に示されている。(a)は熱交換器で、熱交換媒体及び比熱交換媒体の流入エクセルギー演算値と流出エクセルギー演算値の差分値からこの熱交換器のエクセルギー損失が求められている。エクセルギー演算値自体の求め方はよく知られているが、例えば作動流体のエンタルピー、エントロピー、外気温度、大気圧力などの値を用いて求めることができる。図3では、さらに(b)から(f)に、モデル化された構成要素としての、減圧器、混合器、圧縮機、膨張機、燃焼器にリンクされたエクセルギー損失演算関数が示されている。なお、膨張機のエクセルギー損失:ΔEは、
ΔE=Ein−(Eout+Qp_out)、
燃焼器のエクセルギー損失:ΔEは、
ΔE=Efuel−(Eout−Ein)、
で表されているが、Efuelは燃料の化学エクセルギー、Qは電気エネルギーを表す。なお、燃料の化学エクセルギーは、標準状態における燃料と酸素の混合気とその反応物のエクセルギー差によって、
Efuel=(E混合気)標準状態−(E反応物)標準状態
と定義される。
このようなエクセルギー演算モジュール30の機能は、例えば、汎用の表計算ソフトなどを利用して組み込むことが可能である。
評価モジュール40は、情報視覚化部42とエクセルギー損失処理部43とを含む評価部41を備えている。エクセルギー損失処理部43は、エクセルギー演算モジュール30で算定されたエクセルギー損失を性能評価に適した形式に置き換えたり、予め設定されている評価ルールを用いて評価値を演算したりする。情報視覚化部42は、エクセルギー損失処理部43で加工されたエクセルギー損失情報を用いてサンキーダイアグラムなどの各種のグラフ作成など、情報の視覚化を行い、モニタ表示データやプリントデータを生成し、モニタ14やプリンタ15に出力する。
上述したエネルギー変換機器性能評価システムは、種々のエネルギー利用分野におけるエネルギー変換機器の性能評価に利用することができる。しかも、これまでのエネルギー評価基準では表れてこなかった損失の定量化(視覚化)と電気と同じエネルギー基準で有効エネルギーの効率情報を提供できるようになり、ユーザによる機器メンテナンスや設備更新あるいは最新の省エネルギーシステムの導入検討の助けとなる。したがって、このエネルギー変換機器性能評価システムをスタンドアローンの形態で利用するよりは、アプリケーションサービスプロバイダーのサーバ上に構築して、インターネットを介して利用するような形態が望ましい。
本発明によるエネルギー変換機器性能評価システムインターネットを通じて利用する場合には、ユーザは、ウエブブラウザ等を用いて、指定のホームページにアクセスし、処理対象となるエネルギー変換機器を選択する。これにより、選択したエネルギー変換機器を行うための評価入出力画面が表示される。図4と図5にそのような評価入出力画面の一例が示されている。図4は、選択したエネルギー変換機器のシミュレーションを実行するための入力条件の設定と、シミュレーション結果としての熱学演算値を表示する画面を示している。図5は、評価結果としてのエクセルギー損失を視覚化したサンキーダイアグラムを入力条件とともに表示する画面を示している。
図4に示されたような、給湯器の性能評価開始の画面がウエブブラウザによって表示されると、ユーザは入力条件として、外気温度、給水温度、沸上温度などを入力し、計算開始ボタンをクリックする。これにより、シュミレーションモジュール20とエクセルギー演算モジュール30が順次実行し、熱学演算値やエクセルギー演算値を算定し、画面に表示する。このような演算値だけの表示では、その性能評価を理解しづらい。画面右下の視覚化ボタンをクリックすると、図5に示すような、エクセルギー損失に関するサンキーダイアグラムが表示される。同じ画面には、その性能評価をもたらした入力条件も表示されている。表示された性能評価のレベルに満足できない場合、再度入力条件を変えて、シミュレーションするため、戻るボタンをクリックして図4の画面に戻ることができる。このように入力条件を変えながらシミュレーションを繰り返すことで、例えば、最適な運転条件を得ることが可能となる。
上述したように、エネルギー変換機器のエクセルギー損失をサンキーダイアグラムによって瞬時に評価でき、このサンキーダイアグラムによって理解しやすくなったエクセルギー損失の解析結果を用いてフィードバックをかけることでエクセルギー損失を最小化する入力条件、つまり運転条件を容易に得ることができる。
10:ユーザーインタフェース
20:シミュレーションモジュール
21:構成要素モデルデータベース
22:モデル構築部
23:シミュレーション実行部
24:熱学演算値処理部
25:入力パラメータ処理部
30:エクセルギー演算モジュール
31:エクセルギー損失演算関数テーブル
32:エクセルギー演算部
40:評価モジュール
41:評価部
42:情報視覚化部
43:エクセルギー損失処理部

Claims (6)

  1. エクセルギーを用いてエネルギー変換機器の性能評価を行うエネルギー変換機器性能評価システムであって、
    評価対象となるエネルギー変換機器を構成する構成要素からなるシミュレーションモデルを構築するモデル構築部と、
    入力パラメータに基づいて前記シミュレーションモデルにおける各構成要素における熱学演算値を出力するシミュレーション実行部と、
    前記シミュレーション実行部から出力された前記熱学演算値を用いて各構成要素のエクセルギー損失を演算出力するエクセルギー演算部と、
    出力された前記エクセルギー損失から前記エネルギー変換機器の性能評価を行う評価部と、
    を備えたエネルギー変換機器性能評価システム。
  2. 前記エクセルギー演算部は、前記シミュレーションモデルに採用される種々の構成要素とリンクされるエクセルギー損失演算関数を備えており、前記エクセルギー損失演算関数は前記熱学演算値をもって呼び出されることによって前記エクセルギー損失を引き渡すように構成されている請求項1に記載のエネルギー変換機器性能評価システム。
  3. 前記入力パラメータの値が変更されることで、前記シミュレーション実行部による熱学演算値の再出力と、再出力された前記熱学演算値に基づく前記エクセルギー演算部によるエクセルギー損失の再演算出力と、再演算出力されたエクセルギー損失から前記評価部による前記エネルギー変換機器の再性能評価が行われる請求項1または2に記載のエネルギー変換機器性能評価システム。
  4. 前記入力パラメータの再入力にともなう前記再性能評価は、エネルギー変換機器の最適化が実現されるまで続けられる請求項3に記載のエネルギー変換機器性能評価システム。
  5. 前記評価部は、前記エクセルギー損失を視覚化する情報視覚化機能を有する請求項1から4のいずれか一項に記載のエネルギー変換機器性能評価システム。
  6. 前記情報視覚化機能はサンキーダイアグラム生成機能である請求項5に記載のエネルギー変換機器性能評価システム。
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