JP4441722B2 - 伝動ベルトおよび伝動ベルト寿命予知装置 - Google Patents

伝動ベルトおよび伝動ベルト寿命予知装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯付ベルト等の伝動ベルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
伝動ベルトは、長時間使用されると、歯布やリブゴムが摩耗するとともに、ゴムの硬化により、伝動ベルト表面にクラックが生じる。この摩耗やクラックが進行し伝動ベルトの破断や歯欠け等が起こることにより、伝動ベルトとプーリにおける伝動作用が低下するため、伝動ベルトが破断等する前に伝動ベルトを交換する必要がある。
【0003】
しかし、伝動ベルトが例えば歯付ベルトであるとき、摩耗やクラックがいくら進行しても、ベルトの破断や歯欠けが起こる兆候である異音等が何ら生じないため、伝動ベルトとプーリにおける伝動作用が低下する時期の把握が難しい。特に、自動車のカム軸用等に使われる歯付ベルトは、機関内部に設けられているため、摩耗やクラックの発生の確認を逐次行うことができず、ベルトの交換時期を把握することは困難である。
【0004】
また、ベルトが使用限界になると警告を発する装置として、電気回路から構成するものが従来知られているが、その構成は複雑である(例えば、実用新案文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
実開昭60−12747号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は伝動ベルトとプーリが伝達不能となる時期を予見し、ベルトの交換時期を把握することができる簡単な構成を有する伝動ベルトを得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る伝動ベルトは、プーリに掛け回され、プーリとの接触面の近傍に異物が埋設され、接触面が摩耗することによって異物が接触面に露出し、プーリに対する伝動作用の低下が判定可能となることを特徴とする。これにより、伝動ベルトの使用者は、伝動ベルトが使用できなくなる前に、取り替えることができる。
【0008】
プーリと異物は接触することによって警告音を発することが好ましい。これにより、伝動ベルトの使用者は伝動ベルトを逐次確認することなく、伝動ベルトの伝動作用の低下が判定できる。
【0009】
異物はプーリより軟らかいことが好ましい。これにより、プーリを摩耗させることなく、伝動ベルトの伝動作用の低下が判定できる。
【0010】
異物の長手方向は接触面の垂直方向であることが好ましく、さらに、異物の幅は接触面に近づくほど小さくなることが好ましい。これにより、伝動ベルトの摩耗の程度が識別できる。また、異物が複数埋設される場合、少なくとも一部の異物の接触面からの距離は他の異物の接触面からの距離と異なることが好ましい。これにより、さらに正確に伝動ベルトの摩耗の程度が識別できる。
【0011】
また、例えば視覚によりベルトの摩耗の程度を識別したい場合、異物は伝動ベルトが有する帆布またはゴム層と異なる色に着色されていることが好ましい。さらに、伝動ベルト寿命予知装置に備えられる場合、プーリと異物が接触することによって特定の周波数の音を発することが好ましい。
【0012】
本発明に係る伝動ベルト寿命予知装置は、プーリに掛け回され、プーリとの接触面の近傍に異物が埋設され、接触面が摩耗することによって異物が接触面に露出し、プーリと異物が接触することによって特定の音を発する伝動ベルトと、プーリと伝動ベルトの接触部の近傍に設置され特定の音を検出する音センサと、特定の音に応じて警告を発する警報機とを備えることを特徴とする。
【0013】
この場合、伝動ベルトが所定の速度で回転し、プーリと異物が所定の周期で接触することによって、特定の音が所定の周期で発生する。そして、好ましくは、警報機は、特定の音が所定の周期で発生した場合に、警告を発する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は第1の実施形態である歯付ベルト10の部分的な側面図を示す。この図において、歯付ベルト10の上面側には、歯部が形成された歯ゴム層12が設けられ、背面側には背ゴム層22が設けられる。歯ゴム層12と背ゴム層22の間には心線14が埋設されている。歯ゴム層12すなわち歯部の表面は、帆布18で覆われている。
【0015】
歯付ベルト10がプーリに掛け回されるとき、帆布18の表側が、プーリとの接触面18aとなる。接触面18aの近傍には、接触面18aから略等距離に複数の円錐状の異物25がランダムな間隔で埋設されている。異物25の長手方向は接触面18aの垂直方向であり、円錐の頂点が表側を向いている。すなわち、異物25の幅は接触面18aに近づくほど小さくなっている。なお、一例として、異物25の長さは1mm以下であり、幅は数100μm程度である。
【0016】
図2は図1のII−II線に沿う断面図を示す。異物25は、心線14に干渉しない位置に埋設され、円錐の底面が歯ゴム層12内に位置し、円錐の頂点が帆布18内に位置している。
【0017】
本実施形態においては、歯付ベルト10は、ゴム層や接着剤によってコーティングされた帆布18が歯付金型に巻き付けられ、帆布18の上に心線14、ゴムシートが巻き付けられ、加硫して成型されたのち、切断されることによって製造される。異物25は、心線14が巻き付けられた後に帆布18に打ち込まれ取り付けられる。これにより、異物25は、心線14を避けるように埋設される。異物25は、ランダムに複数埋設されているが、等間隔に埋設されるようにしても良いし、異物25は1個であっても良い。
【0018】
接触面18aは歯付ベルト10がプーリに掛け回され、回転させられることにより摩耗し、摩耗が進行すると、異物25が接触面18aに露出する。歯付ベルト10が回転させられるとき、異物25が接触面18aに露出しているので、プーリと異物25が接触し警告音が生じる。
【0019】
異物25の断面積は接触面に近いほうが狭くなっており、接触面から遠ざかると広くなる。したがって、摩耗が進むにつれて、プーリと異物25との接触面積が広くなり、これにより警告音も大きくなる。
【0020】
以上のように第1の実施形態においては、異物25がプーリとの接触面の近傍に埋設されることにより、摩耗が一定量進行すると、伝動ベルトが回転させられるとき警告音が生じる。歯付ベルト10は摩耗がさらに進むと歯欠けや破断を生じ、プーリと伝動不能となるので、歯付ベルト10の使用者等は、警告音により、歯付ベルト10がプーリと伝動不能となる時期が近づいていることを知ることができる。すなわち、歯付ベルト10の使用者等は、警告音により、プーリに対する歯付ベルト10の伝動作用の低下が判定可能である。また、警告音は摩耗が進むにつれ、徐々に大きくなるので、的確に歯付ベルト10の伝動作用の低下が判定可能である。
【0021】
なお、第1の実施形態においては、異物25は円錐であったが、その長手方向が接触面18aの垂直方向であり、その幅が接触面18aに近づくほど小さくなっているものであればよく、例えば、斜切円柱等であっても良い。
【0022】
図3は第2の実施形態である歯付ベルト30の部分的な側面図を示す。第1の実施形態において複数の異物は、接触面との距離がほぼ等距離に埋設されていたが、本実施形態においては、接触面との距離が各々異なるように埋設されている。また、異物の形状も異なる。以下第1の実施形態と相違する点のみ説明する。
【0023】
異物45a、45b、45cは円柱であり、歯付ベルト30の歯底47に埋設されている。接触面38aから異物45a、異物45b、異物45cの先端までの距離はH1、H2、H3であり、距離H1が最も短く、距離H3が最も長い。
【0024】
接触面38aの摩耗が進行すると、まず異物45aが接触面38aに露出し、プーリと異物45aの接触により警告音が生じる。これにより、使用者等は、歯付ベルト30のプーリに対する伝動作用が低下する時期が近づいてきていることを知ることができる。
【0025】
更に摩耗が進行すると、異物45aのみならず、異物45bも接触面38aに露出するため、異物45aのみが露出するときに比べて接触面38aへの異物の露出面積が大きくなる。したがって、異物45aのみの場合よりも大きい警告音が生ずる。これにより、使用者等は、歯付ベルト30の摩耗がさらに進み、歯付ベルト30のプーリに対する伝動作用が低下する時期がさらに近づいてきていると認識する。
【0026】
また、さらに摩耗が進行すると、異物45a、45b、45cが接触面38aに露出するため、さらに警告音が大きくなり、使用者等は歯付ベルト30のプーリに対する伝動作用が低下する時期がさらに近づいてきていると知ることができる。
【0027】
なお、本実施形態においては歯付ベルト30の図示されない部分にも同様に異物が埋設されているが、図3に示した実施形態は模式的であり、すべての歯底に異物が埋設されているわけではなく、歯付ベルトに応じて、埋設される異物の数が調整される。また、異物45a、45b、45cは、接触面38aの近傍ならば、第1の実施形態と同様に歯底以外の位置に埋設されていても良い。なお、異物45a、45b、45cは円錐や斜切円柱等にしてもよい。
【0028】
以上のように第2の実施形態においては、少なくとも一部の異物の接触面からの距離が他の異物の接触面からの距離と異なることにより、歯付ベルトは、摩耗程度に応じた警告音を発生させることが可能となる。
【0029】
なお、第1および第2の実施形態において、異物は、帆布の上に心線、ゴムシートが巻き付けられる前すなわち帆布のみが歯付金型に巻き付けられた状態で取り付けられても良い。また、異物は加硫成型後ベルト背面より歯底に取り付けても良い。
【0030】
図4は第3の実施形態におけるVリブドベルト50の部分的な断面図を示す。本実施形態において第1および第2の実施形態と相違する点は、異物が埋設される伝動ベルトがVリブドベルトである点である。以下相違点のみ説明する。
【0031】
Vリブドベルト50の背面側には背面帆布62(または背ゴム62)が設けられ、上面側にはリブゴム52が設けられる。リブゴム52にはリブが形成され、リブゴム52と背面帆布62(または背ゴム62)の間には心線54が長手方向に埋設されている。心線54の周りには接着ゴム55が密着している。
【0032】
Vリブドベルト50がプーリに掛け回されるとき、リブゴム52の表側が、プーリとの接触面52aとなる。接触面52aの近傍には、第1の実施形態と同様に複数の円錐状の異物65a、65bがランダムに埋設されている。
【0033】
第3の実施形態においても第1および第2の実施形態と同様な効果が得られる。
【0034】
第1ないし第3の実施形態において、伝動ベルトが、歯付ベルトおよびVリブドベルトの場合についてのみ説明したが、伝動ベルトは他の伝動ベルトであってもよい。
【0035】
また、異物は、伝動ベルト回転時、プーリに接触することにより警告音が発せられるものでなくてもよく、異物がプーリとの接触面に露出したとき、人間の視覚的に識別できるもの、例えば、帆布やゴム層と異なる色が着色された異物を用いることも可能である。
【0036】
なお、異物は金属やプラスチック、ゴム等で良いが、プーリの摩耗を防止するため、プーリより軟らかい材料でなければならない。
【0037】
図5は本発明における第4の実施形態を示す。本実施形態は、自動車のエンジンルームに設けられ、伝動ベルトのプーリに対する伝動作用の低下を使用者等に知らせる伝動ベルト寿命予知装置に関するものである。
【0038】
伝動ベルト72は異物が埋設されており、自動車のエンジンルーム内でプーリ70に掛け回されている。本実施形態における伝動ベルト72が、第1ないし第3の実施形態の伝動ベルトと相違するのは、回転させられたとき、異物がプーリ70と接触することによって特定の周波数の音を発する点である。その他の伝動ベルト72の構成は第1ないし第3の実施形態の伝動ベルトと同様であり、異物が発する特定の周波数における音の大きさは、伝動ベルト72の摩耗が進むにつれて大きくなる。
【0039】
プーリ70と伝動ベルト72の接触部の近傍にはマイクロフォン73(音センサ)が設置される。マイクロフォン73により、異物が発する特定の周波数における音の大きさが検出され、その音データはCPU74に送られる。CPU74には、異物がプーリ70と接触し始めたときに生ずる特定の周波数における音の大きさ以上に設定された閾値が予め記憶されている。CPU74に送られた音データは、閾値と比較され、特定の周波数における音の大きさが閾値を超えていると判断された場合、ランプ75が点灯される。
【0040】
ランプ75は自動車の運転者等に警告を発する警報機であり、運転者が見える位置(例えば計器盤)に取り付けられている。運転者等はランプ75の点灯により、伝動ベルト72のプーリ70に対する伝動作用の低下を判定することができる。この判定は、伝動ベルト72の発する音が安定しているアイドリング時などに行うことが望ましい。
【0041】
以上のように第4の実施形態によれば、伝動ベルトのプーリに対する伝動作用の低下をより確実に検出することができる。
【0042】
なお、CPU74によって比較される音データは特定の周波数における音の大きさではなく、音圧であってもよい。
【0043】
第5の実施形態について、第4の実施形態との相違点のみを説明する。本実施形態においては、ベルト72には円柱の異物が1個のみ埋設される。ベルト72が磨耗し、異物が接触面に露出すると、プーリ70の噛み合い部と異物との接触によって特定音が発生する。この特定音は、プーリ70の噛み合い部と異物との接触のみによって発生するので、ベルト70が1回転するごとに1回のみ発生する。つまり、本実施形態においては、磨耗が進み異物が露出すると、ベルトが所定の速度で回転した場合、所定の周期を有する特定音が発生する。なお、この特定音は所定量以上の音量(音圧)を有する音である。
【0044】
発生した特定音はマイクロフォン73によって検知され、その音データはCPU74に送られる。CPU74ではその音データに基づいて警告が発生させられる。すなわち、音量(音圧)が所定量以上である音が、所定の周期で所定回数以上発生した場合にのみ警告が発生するように制御される。
【0045】
以上のように本実施形態においては、一定の周期で特定音が発生した場合にのみ、警告を発生する構成にすることにより、異物とプーリ72との接触以外の音によって、誤って警告が発生させられることが防止される。
【0046】
なお、本実施形態においては、異物は1個のみ埋設されるが、例えば、複数の異物がベルトの幅方向の同一線上に埋設されるようにしても良い。これにより、複数の異物とプーリ72の接触が同時に起こるので、特定音は、異物が1個のみ埋設された場合に比べて、大きな音量(音圧)を有することとなる。
【0047】
第6の実施形態について、第5の実施形態との相違点のみを説明する。本実施形態においては、異物をベルトの長手方向に2以上並列して埋設し、少なくとも1つの異物の接触面からの距離を他の異物の接触面からの距離と異ならせる。これにより、例えば、磨耗がある程度進んだところでは、ベルトが1回転するごとに特定音が1回発生し、さらに磨耗が進むと、ベルトが1回転するごとに特定音が2回発生する。そして、さらに磨耗が進んでいくと、ベルト1回転ごとの特定音の発生回数は、異物の埋設される数に応じて増加していく。なおこの場合、ベルトが1回転する間に発生する特定音の発生パターンは、磨耗程度が同等のときは同一となる。
【0048】
これらの発生した特定音は、マイクロフォン73によって検知され、その音データはCPU74に送られる。CPU74では、ベルト72が1回転するごとに特定音が発生する回数や、特定音の発生パターンに基づいて警告が発せられる。すなわち、例えばCPU74では、ベルトが1回転するごとに、1回特定音が発生した場合には、レベル1の警告を発生する。そして、ベルトが1回転するごとに、2回特定音が発生した場合には、レベル1のときよりベルトの磨耗が進んだとしてレベル2の警告を発生する。以上のように第6の実施形態では、第5の実施形態に比べ、ベルトの磨耗程度がより明らかに把握することができる。
【0049】
【実施例】
以下、実施例1、2、比較例を用いて、第5の実施形態の効果について詳細に説明する。本実施例、比較例において、異物が埋設された伝動ベルト72(図5参照)は、原動プーリと従動プーリ(プーリ70)に掛け回され、550rpmで回転させられた。マイクロフォン73は、そのマイク部(音センサ部)の位置がプーリ70と伝動ベルト72の噛み込み部から30mmの位置になるように設置された。異物は、実施例1においては、金属製の円柱でその直径が3mmであり、伝動ベルト72の歯底部に1個埋設された。実施例2においては、異物は、金属製の円柱でその直径が1.5mmであり、伝動ベルト72の歯底部の幅方向に延びる同一線上に3個埋設された。比較例においては、異物は、金属製の円柱でその直径が1.5mmであり、伝動ベルト72の歯底部に1個埋設された。
【0050】
なお、実施例、比較例は、本実施形態の効果の確認のための例であって、伝動ベルトが磨耗される前から、予め異物の上面の全体を歯底の接触面に露出させたベルトを使用して行なった。
【0051】
図6に実施例1のマイクロフォン73によって検知された音を示す。図6から明らかなように、本実施例の伝動ベルトを回転させると、本装置は、伝動ベルト72とプーリ70の噛み合いにより常時発生する80dB前後の音に加えて、特定音Xが発生した。特定音Xは、常時発生する音より音圧(音量)が大きく、所定時間毎に(一定の周期で)発生する音であった。この特定音Xは、プーリ72とベルト70の噛み合い部と、異物との接触によって発生する音であって、音が発生する周期は、ベルトが1回転する周期(ベルト周期)と同一であった。なお、本実施例においては、特定音Xは装置から約1m程度離れた地点でも、人の耳によって聞き取ることができた。
【0052】
実施例2においても、マイクロフォンによって検知された音は図示しないが、特定音Xを検知することができた。なお、実施例2における特定音Xは、ベルトから10cm程度離れた地点において、人の耳によって聞き取ることができた。
【0053】
図7に比較例のマイクロフォン73によって検知された音を示す。図7から明らかなように、比較例においても実施例と同様に、伝動ベルトを回転させると、本装置は、伝動ベルトとプーリの噛み合いにより80dB前後の音を常時発生させた。しかし、比較例においては、実施例において検知された一定の周期で発生する特定音Xは検知されなかった。これは、比較例において埋設された異物の直径が小さいので、異物によって発生する音は小さく、常時発生する音と混同したためと考えられる。
【0054】
実施例1、比較例より、第5の実施形態において異物を1個だけ埋設した場合においては、異物の直径は、所定長(例えば1.5mm)より大きい必要があり、好ましくは、3mm程度必要なことが理解できる。また、実施例2が示すように、異物の直径が小さい場合であっても、異物の数を増やすことにより、本発明の効果を充分に発揮できることが理解できる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の伝動ベルトは、簡単な構成により、摩耗が進行したときに警告音を発する。これにより、伝動ベルトとプーリにおける伝達作用が低下する時期が判定可能となり、ベルトの交換時期を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態である歯付ベルトの部分的な側面図を示す。
【図2】歯付ベルトの歯底における断面図を示す。
【図3】第2の実施形態である歯付ベルトの部分的な側面図を示す。
【図4】第3の実施形態であるVリブドベルトの断面図を示す。
【図5】第4の実施形態である伝動ベルト寿命予知装置の模式図を示す。
【図6】実施例1においてマイクロフォンによって検知された音圧レベルの結果を示す。
【図7】比較例においてマイクロフォンによって検知された音圧レベルの結果を示す。
【符号の説明】
10、30 歯付ベルト
50 Vリブドベルト
18、38 帆布
18a、38a、52a 接触面
25、45a、45b、45c、65a、65b 異物
72 伝動ベルト
73 マイクロフォン
75 ランプ

Claims (10)

  1. プーリに掛け回され、前記プーリとの接触面の近傍に異物が埋設され、前記接触面が摩耗することによって前記異物が前記接触面に露出し、前記プーリと前記異物が接触することによって特定の音を発する伝動ベルトと、前記プーリと前記伝動ベルトの接触部の近傍に設置され前記特定の音を検出する音センサと、前記特定の音に応じて警告を発する警報機とを備え、
    前記伝動ベルトを一定の速度で回転させることにより、前記プーリと前記異物を一定の周期で接触させて、前記特定の音を一定の周期で発生させ、
    前記警報機は、音量が所定量以上である前記特定の音が一定の周期で発生した場合に、警告を発し、
    前記異物が少なくとも2つ埋設され、少なくとも1つの異物の前記接触面からの距離が他の異物の前記接触面からの距離と異なることを特徴とする伝動ベルト寿命予知装置。
  2. 前記異物が前記プーリより軟らかいことを特徴とする請求項1に記載の伝動ベルト寿命予知装置。
  3. 前記異物の長手方向が前記接触面の垂直方向であることを特徴とする請求項1に記載の伝動ベルト寿命予知装置。
  4. 前記異物の幅が接触面に近づくほど小さくなることを特徴とする請求項3に記載の伝動ベルト寿命予知装置。
  5. 前記異物は、円錐或いは斜切円柱であることを特徴とする請求項4に記載の伝動ベルト寿命予知装置。
  6. 前記少なくとも1つの異物と前記他の異物は、ベルト長手方向の異なる位置に埋設されることを特徴とする請求項に記載の伝動ベルト寿命予知装置。
  7. 前記警報機は、ベルト1回転毎に音量が所定量以上である前記特定の音が、前記一定の周期で1回発生したときと、前記一定の周期で2回発生したときとで異なる警告を発することを特徴とする請求項に記載の伝動ベルト寿命予知装置。
  8. 前記警報機は、音量が所定量以上でかつ一定の周期の前記特定の音が、ベルト1回転毎に発生する回数に応じて、異なる警告を発することを特徴とする請求項に記載の伝動ベルト寿命予知装置。
  9. 前記異物が複数埋設され、前記複数の異物が幅方向の同一線上に埋設されることを特徴とする請求項1に記載の伝動ベルト寿命予知装置。
  10. 前記プーリと前記異物が接触することによって特定の周波数の音を発することを特徴とする請求項1に記載の伝動ベルト寿命予知装置。
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