JP2006125488A - Vリブドベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】 被水時の背面に起因する異音発生を抑制した、カバー帆布がない、すなわち背面が背面ゴム層からなるVリブドベルトを提供する。
【解決手段】 ベルト長手方向に沿って心線2を埋設した接着ゴム層3と、接着ゴム層3の一方の側に隣接して設けられる背面ゴム層6と、接着ゴム層3の他方の側に隣接して設けられ、ベルト長手方向に延在する複数のリブ部5を有する圧縮ゴム層4とからなるVリブドベルト1において、前記背面ゴム層6の表面が、研磨によって得られる微細な凹凸構造7を有することを特徴とするVリブドベルト1である。
【選択図】 図1
【解決手段】 ベルト長手方向に沿って心線2を埋設した接着ゴム層3と、接着ゴム層3の一方の側に隣接して設けられる背面ゴム層6と、接着ゴム層3の他方の側に隣接して設けられ、ベルト長手方向に延在する複数のリブ部5を有する圧縮ゴム層4とからなるVリブドベルト1において、前記背面ゴム層6の表面が、研磨によって得られる微細な凹凸構造7を有することを特徴とするVリブドベルト1である。
【選択図】 図1
Description
本発明はVリブドベルトに関し、詳しくは被水時の異音発生を抑制したVリブドベルトに関する。
自動車用エアコンやオルタネータ等の補機をエンジンの回転駆動力によって駆動するためにVリブドベルトが広く用いられている。Vリブドベルトは、通常、ベルト長手方向に沿って心線を埋設した接着ゴム層と、接着ゴム層の一方の面に設けられ、複数のリブ部を有する圧縮ゴム層と、接着ゴム層の他方の面を被覆するカバー帆布からなる。ここで、カバー帆布の代わりにゴムからなる層(以下、背面ゴム層という)が設けられることもある。
1本のVリブドベルトによって多数の補機を駆動する、いわゆるサーペンタイン駆動システムにおいては、Vリブドベルトの背面にアイドラープーリ(オートテンショナの一部材としてのアイドラープーリも含む)を当接させるレイアウトが採用される。このようなレイアウトにおいては、駆動システムが被水した場合、前記アイドラープーリとカバー帆布との間でスリップが発生し、それに起因して異音が発生する問題がある。
前記異音は、Vリブドベルトの背面のみならずリブ部とプーリとの間においても発生するものであって、それへの対策として、特許文献1にリブ部表面が多孔質アクリル短繊維を配合したゴム配合物で構成されたVリブドベルトが開示されている。同文献には、多孔質アクリル短繊維による効果的な吸水、及びそれによる発音抑制効果が記載されている。
しかし、特許文献1のVリブドベルトは、カバー帆布を有するVリブドベルトであって、異音抑制効果もリブ部に起因する異音のみに限定されており、ベルト背面に起因する異音には言及されていない。さらに、特殊な配合剤を別途必要とすることから、ベルトの製造コスト上昇につながるという問題があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、被水時の背面に起因する異音発生を抑制した、カバー帆布がない、すなわち背面が背面ゴム層からなるVリブドベルトを提供することを目的とする。
すなわち本願請求項1記載の発明は、ベルト長手方向に沿って心線を埋設した接着ゴム層と、接着ゴム層の一方の側に隣接して設けられる背面ゴム層と、接着ゴム層の他方の側に隣接して設けられ、ベルト長手方向に延在する複数のリブ部を有する圧縮ゴム層とからなるVリブドベルトにおいて、前記背面ゴム層の表面が、研磨によって得られる微細な凹凸構造を有することを特徴とするVリブドベルトである。
請求項2記載の発明は、前記凹凸構造の面粗度Raが、5μm〜30μmである請求項1記載のVリブドベルトである。
本願各請求項記載の発明によれば、アイドラープーリを含むサーペンタイン駆動システムにおいて、被水時でもベルト背面に起因するスリップを抑制でき、それによって異音の発生を抑制するVリブドベルトを提供することができる。
以下、本発明のVリブドベルトについて詳細に説明する。本発明のVリブドベルト1は、図1に示すように、ベルト長手方向に沿ってコードからなる心線2を埋設した接着ゴム層3と、接着ゴム層3の一方の側に隣接して設けられる背面ゴム層6と、接着ゴム層3の他方の側に隣接して設けられ、ベルト長手方向に延在する複数のリブ部5を有する圧縮ゴム層4とからなる。
心線2には、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、エチレン−2,6−ナフタレート(PEN)繊維、アラミド繊維等からなる高強度で低伸度のコードからなり、あらかじめレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス(RFL)液に浸漬することによって接着処理が施され、ベルト幅方向に等間隔に並ぶように配置される。
接着ゴム層3、圧縮ゴム層4、及び背面ゴム層6、には、クロロプレンゴム(CR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アルキル化クロロスルホン化ポリエチレン(ACSM)等のゴムをマトリックスゴムとしたゴム配合物が用いられる。各ゴム層は、同種のマトリックスゴムで構成されることが好ましい。
前記各ゴム層を構成するゴム組成物には、加硫剤としての硫黄あるいは有機過酸化物、補強剤としてのカーボンブラック、シリカ、その他充填剤、軟化剤、老化防止剤等の各種薬剤が配合される。さらに、前記圧縮ゴム層4及び背面ゴム層6を構成するゴム組成物には、各ゴム層の耐側圧性を向上させる目的でナイロン6、ナイロン66、ポリエステル、綿、アラミド等からなる短繊維が混入される。
背面ゴム層6の表面には、凹凸構造7が設けられる。この凹凸構造7は、具体的には、JISB0601に準拠して測定される面粗度Raが5μm〜30μmの範囲、より好ましくは5μm〜15μmの範囲にある不規則な凹凸構造である。この凹凸構造7によって、被水時に背面ゴム層6とそれに当接するプーリとの間に形成される水膜が破壊され、背面ゴム層6のプーリへの食いつきが改善される。それによって、スリップが抑制され、その結果背面に起因する発音が抑制される。凹凸構造7の面粗度が5μm未満では、前記水膜破壊効果が小さいために十分な発音抑制効果が発揮されず、面粗度が30μmを超えると、背面ゴム層6本体の耐久性に悪影響を及ぼし、ベルトの早期破壊につながるおそれがある。
凹凸構造7は、通常のVリブドベルトの製造方法によって得られたVリブドベルトの背面を研磨することによって得られる。ここで、通常のVリブドベルトの製造方法について説明する。
離型剤を塗布した平坦な外周面を有する円筒状金型に背面ゴム層を形成する未加硫ゴムシート、接着ゴム層を形成する未加硫ゴムシートを順に積層し、心線を形成するコードを巻き付け、さらに圧縮ゴム層を形成するゴムシートを積層して未加硫成形体を得る。得られた未加硫成形体を所定温度・圧力にて加硫し、加硫スリーブを得る。得られた加硫スリーブを脱型し、駆動ロールと従動ロールに掛架して所定の張力下で走行させ、同時に、回転させた研削ホイールを走行中の加硫スリーブに当接させて加硫スリーブ表面にリブ部となる3〜100個の複数の溝状部を一度に形成する。得られた加硫スリーブを駆動ロールと従動ロールから取り外し、別の駆動ロールと従動ロールに掛架して走行させ、カッターによって所定幅に輪切りし、反転させることによって個々のVリブドベルトが得られる。
得られた通常のVリブドベルトをリブ付きプーリを有する駆動ロールと従動ロールに掛架して所定の張力下で走行させ、回転させた研磨ホイールを背面ゴム層の表面に当接させることによって、背面ゴム層の背面を研磨する。研磨ホイールは、通常の歯付ベルトや平ベルト等を研磨するために用いられる、ダイヤモンド粒子からなる砥石を有する研磨ホイールがそのまま用いられる。前記所望の表面粗度を有する凹凸構造を形成するためには、例えば100〜300メッシュのダイヤモンド粒子からなる砥石を用いることが望ましい。背面ゴム層の表面には成形時に金型に塗布した離型剤が付着しているため、その離型剤が十分に除去される程度に研磨ホイールを当接させることによって、凹凸構造が形成される。
以下、本発明のVリブドベルトを実施例を示しながらさらに詳細に説明する。
表1に示す各ゴムからなるゴム配合物からなる背面ゴム層、接着ゴム層、圧縮ゴム層(背面ゴム層及び圧縮ゴム層には各短繊維を配合)及び各心線を用いて6リブのVリブドベルトを作製した。得られたVリブドベルトの背面ゴム表面を140メッシュあるいは200メッシュのダイヤモンド粒子からなる砥石を有する研磨ホイールで研磨し、凹凸構造を作製した。
表1に示す各ゴムからなるゴム配合物からなる背面ゴム層、接着ゴム層、圧縮ゴム層(背面ゴム層及び圧縮ゴム層には各短繊維を配合)及び各心線を用いて6リブのVリブドベルトを作製した。得られたVリブドベルトの背面ゴム表面を140メッシュあるいは200メッシュのダイヤモンド粒子からなる砥石を有する研磨ホイールで研磨し、凹凸構造を作製した。
作製したVリブドベルトから注水時摩擦係数測定用試料を切り出し、図2に示すプーリ回転法によって背面ゴム層表面の注水時摩擦係数を測定した。具体的には、直径120mmのプーリ12に試料11を錘13によって19.6Nの荷重で巻き掛け、プーリ12を半時計回りに40rpmで回転させながら、矢印の位置に10ccの水を注ぎ、ロードセル14の読みから摩擦係数を計算した。得られた摩擦係数を背面ゴム層表面の面粗度と共に表2に示す。比較例として、各実施例の背面ゴム層表面の研磨を行う前のVリブドベルトから切り出した測定用試料を用意し、同様に注水時摩擦係数を測定した。結果を表2に併記する。
また、各実施例・比較例のVリブドベルトについて、図3に示すレイアウトでVリブドベルトを背面掛けして注水時発音試験を行い、発音有無・発音大小を確認した。具体的には、直径130mmの駆動プーリ31、直径128mmの従動プーリ32、及び直径55mmのテンションプーリ33にVリブドベルト1を初期張力300Nで巻き掛け、従動プーリ32に10.5N・mの負荷を掛け、駆動プーリ31を1000rpmで回転させながら従動プーリ32の矢印の位置に10ccの水を注ぎ、注水箇所近傍に設置したマイクで音の有無及び大小を測定した。結果を表2に併記する。
すべての実施例において、対応する比較例に比較して背面ゴム層表面の摩擦係数が増大し、また発音が抑制された。ポリマー自体が撥水性のEPDMを用いた実施例1においては、背面ゴム層表面研磨の効果はやや小さく、発音も確認されたが、研磨なしの比較例1に比較すればはるかに小さい発音に抑制された。その他の実施例においては、摩擦係数が大幅に増大し、かつ発音も完全に抑制された。
被水時のベルト背面に起因する異音発生を抑制したVリブドベルトを提供することができる。
1 Vリブドベルト
2 心線
3 接着ゴム層
4 圧縮ゴム層
5 リブ部
6 背面ゴム層
7 凹凸構造
2 心線
3 接着ゴム層
4 圧縮ゴム層
5 リブ部
6 背面ゴム層
7 凹凸構造
Claims (2)
- ベルト長手方向に沿って心線を埋設した接着ゴム層と、接着ゴム層の一方の側に隣接して設けられる背面ゴム層と、接着ゴム層の他方の側に隣接して設けられ、ベルト長手方向に延在する複数のリブ部を有する圧縮ゴム層とからなるVリブドベルトにおいて、前記背面ゴム層の表面が、研磨によって得られる微細な凹凸構造を有することを特徴とするVリブドベルト。
- 前記凹凸構造の面粗度Raが、5μm〜30μmである請求項1記載のVリブドベルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004313601A JP2006125488A (ja) | 2004-10-28 | 2004-10-28 | Vリブドベルト |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004313601A JP2006125488A (ja) | 2004-10-28 | 2004-10-28 | Vリブドベルト |
Publications (1)
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Family
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Family Applications (1)
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JP2004313601A Pending JP2006125488A (ja) | 2004-10-28 | 2004-10-28 | Vリブドベルト |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2401523A1 (en) | 2009-02-24 | 2012-01-04 | Dayco Products, LLC | V-ribbed belt having an outer surface with improved coefficient of friction |
CN106246802A (zh) * | 2016-09-01 | 2016-12-21 | 盖茨优霓塔传动系统(苏州)有限公司 | 传动带 |
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2004
- 2004-10-28 JP JP2004313601A patent/JP2006125488A/ja active Pending
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AU2010218307B2 (en) * | 2009-02-24 | 2014-09-04 | Dayco Ip Holdings, Llc | V-ribbed belt and v-ribbed belt pulley system |
EP2401523B1 (en) * | 2009-02-24 | 2016-05-25 | Dayco IP Holdings, LLC | V-ribbed belt having an outer surface with improved coefficient of friction |
CN106246802A (zh) * | 2016-09-01 | 2016-12-21 | 盖茨优霓塔传动系统(苏州)有限公司 | 传动带 |
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