JP4441634B2 - 偽造防止用印刷物 - Google Patents

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Description

本発明は、紙幣、パスポート、有価証券、カード、その他の貴重印刷物を含む偽造防止及び改ざん防止機能が必要とされる印刷物に関するものである。
一般に、セキュリティ印刷物は画線で構成されていることが多い。これは、一般的な入出力機器では再現できない高精細な線画を、プロセス印刷ではなく、特色で印刷することによって偽造防止効果をもたせるためである。しかし、近年、カラー複写機、スキャナ及び家庭用プリンタの解像度向上に伴い、偽造券の作製を容易にできるようになってきた。また、スキャナ等の入力機器の高性能化により、高精度な入力を行って印刷を行う精巧な偽造も増えてきた。
画線を利用した偽造防止技術としては、本出願人らが先に出願した、「曲画線の集合模様を、潜像を施さない部分を一本線、潜像を施した部分を二本線以上の画線で表現し、潜像を施した部分の二本線以上の画線は、二本線以上の画線の合計の画線幅が、潜像を施さない部分の一本線の画線の画線幅と等しく、かつ、潜像を施さない部分の一本線から分岐し、さらに、潜像を施さない部分と潜像を施した部分の画線上の境界線が、曲画線の集合模様を構成する基本曲線と潜像の輪郭線の交点において基本曲線に接する直線に対し、約直角に交わる直線となることを特徴とする複写防止模様の作成方法及びその印刷物」(例えば、特許文献1参照)と、「曲画線の集合模様に、潜像を施さない部分を実線、潜像を施した部分を定周期断絶線で表現し、潜像を施した部分の定周期断絶線の合計上の実印刷される画線部と、画線部が断絶して欠落する非画線部の一周期において、画線部の面積に非画線部の面積を加算し、潜像を施した部分と潜像を施さない部分の曲線状方向の同一長さで同一画線面積率とする印刷物」(例えば、特許文献2参照)がある。
しかし、これらの技術も、カラー複写機並びに入力機器の高性能化及びDTP(デスクトップパブリッシング)技術の高度化により、従来は再現が困難であった細線が簡単に複製できるようになり、偽造防止としての十分な効果が得られなくなってきている。従って、複写機及び入力機器の解像度に依存しない偽造防止技術の開発が求められている。
また、本出願人は、2種類の網点画像を同一平面上に均等配置する場合において、一般の商業印刷で使用されている赤外線吸収性材料を含まないシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)と赤外線吸収性材料を含むブラック(Bk)のプロセスの基本4色インキを用いて、可視又は不可視画像を生成し、現在の写真製版装置では複製が不可能で、特殊鑑定装置等を用いない限り画像を認識することができない不可視画像を安価に印刷する網点印刷物及びその印刷方法を先に出願している(例えば、特許文献3参照)。
しかし、これらの方法は、網点画像特有の性質を利用したものであり、有価証券等の貴重印刷物で用いられている線画画像には不向きである。
特願平6−206140 特願平7−138879 特開2003−136828
本発明は上記の問題にかんがみ、画線を利用した偽造防止技術であって、かつ、判別方法を各種複製機器又は入力機器の解像度に依存しない偽造防止技術を提供することを目的としている。
本発明は、特定の波長において吸収又は発光する第1の色材で印刷した第1の線画と、特定の波長において吸収又は発光せず、かつ、可視光下では第1の色材と同色に見える第2の色材で印刷した第2の線画で構成され、第1の線画と第2の線画は、それぞれ画線幅の違う背景領域と潜像領域で構成され、第2の線画の潜像領域は第1の線画の潜像領域と形状及び大きさが等しく、第1の線画と前記第2の線画が重なり、かつ、背景領域と潜像領域の濃度が等しいことを特徴とする印刷物である。
本発明の偽造防止用印刷物は、第1の線画を構成する画線と第2の線画を構成する画線が交差していることを特徴とする。
本発明の偽造防止用印刷物は、第1の線画を構成する画線と第2の線画を構成する画線が並行又は重畳して配列されていることを特徴とする。
本発明の偽造防止用印刷物は、第1の線画と、第2の線画の少なくとも一つが、規則的な間隔をもって配置された複数の画線で構成されることを特徴とする。
本発明の偽造防止用印刷物は、第1の線画と第2の線画が、少なくともどちらか一方において所定の領域で、隣接する画線と画線幅を異ならせることで濃度が変化してカムフラージュ模様を成していることを特徴とする。
本発明の偽造防止用印刷物は、カムフラージュ模様が、第1と第2の線画の同じ領域に配置されていることを特徴とする。
本発明の偽造防止用印刷物は、第1の線画が、赤外線吸収性材料を含むインキで印刷され、第2の線画が、赤外線吸収性材料を含まないインキで印刷されることを特徴とする。
本発明の偽造防止用印刷物は、第1の線画が、紫外線発光特性材料を含むインキで印刷され、第2の線画が、紫外線発光特性材料を含まないインキで印刷されることを特徴とする。
本発明の偽造防止用印刷物は、可視光下では第1の線画と第2の線画の合成画像が単色で印刷されているように認識されるが、赤外線下では第1の線画は認識できず、第2の線画のみを観察することができ、潜像模様として確認することができる。
該印刷物は線画で構成されているため、画線で構成されている多くのセキュリティ印刷物に利用することができる。また、連続した画線で模様が構成されているため、自然な階調潜像が得られる。さらに、本発明の偽造防止用印刷物は、二つの線画により構成されていることから、高水準の刷り合わせ精度を必要としない。
本発明を実施するための最良の形態について、以下、図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための最良の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が含まれる。
本発明における図1で示される偽造防止用印刷物Aは、図2(1)で示される第1の線画a’と図2(2)で示される第2の線画a”の二つの線画によって構成されており、それぞれの線画については、画線幅の変化により模様を形成している。なお、この模様については、第1の線画a’における模様2とその周囲となる背景1との画線幅の関係と、第2の線画a”における模様4とその周囲となる背景3との画線幅の関係は相反するものであり、例えば、第1の線画a’において、背景1を構成する画線に対して模様2を構成する画線の画線幅を細くして形成する場合、第2の線画a”においては、背景3を構成する画線は第1の線画a’の模様2を形成している画線の画線幅と等しく細く、逆に模様4については、第1の線画a’の背景1を形成している画線の画線幅と等しく太く構成する。これは、いわゆるネガポジの関係となるように構成されているものである。
また、第1の線画a’における模様2と、第2の線画a”における模様4は、形状及び大きさが等しく、同じ領域内に構成されている。
さらに、第1の線画a’は、特定の波長範囲において吸収又は発光する第1の色材で印刷し、第2の線画a”は、第1の色材における特定の波長範囲で吸収又は発光しない第2の色材で印刷する。なお、後述の実施例においては、色材に印刷インキを用いることで説明するが、インキに限定することなく、印刷用転写箔を用いても良い。特定の波長範囲において吸収する色材としては、赤外線吸収性材料を含むインキを用い、特定の波長範囲において発光する色材としては、紫外線発光材料を含むインキを用いることができる。
第1の色材と第2の色材は、可視光下においては同色に視認される色を用い、前述のように、第1の線画a’の模様2と第2の線画a”の模様4を同じ領域に配置すると、第1の線画a’と第2の線画a”の画線幅の相互関係、いわゆるネガポジ関係により、すべての領域において画線面積率が等しくなり、見た目には濃度が等しいことから、第1の線画a’による模様2及び第2の線画a”による模様4は確認できなくなる。
この偽造防止用印刷物に対して、第1の色材の特性、例えば赤外線を照射して確認すると、第1の色材を用いて印刷された第1の線画a’のみが確認でき、それにより第1の線画a’による模様2を確認することができる。したがって、第1の線画a’による模様2は潜像となって出現することとなる(以下、画線幅の変化により形成された模様を「潜像」という。)。
(実施例1)
図1は、実施例1における本発明の偽造防止用印刷物Aの完成図であり、図2(1)は第1の線画a’で、(2)は第2の線画a”であり、図3は偽造防止用印刷物Aを可視光下において観察したときの状態を示し、図4は赤外線を照射したときに観察した状態を示すものである。
偽造防止用印刷物Aは、第1の線画a’と第2の線画a”で構成される。図2(1)で示される第1の線画a’は、規則的な間隔で配置された連続した縦直万線で、画線幅600μmの背景領域1と、例えばSの文字を型どった画線幅400μmの潜像領域2で構成される。図2(2)で示される第2の線画a”は、規則的な間隔で配置された連続した横直万線で、画線幅400μmの背景領域3と、例えば、「S」の文字を型どった画線幅600μmの潜像領域4で構成される。第1の線画a’と第2の線画a”は互いにネガポジの関係にある。すなわち、第1の線画a’で画線幅400μmの領域では、第2の線画a”は画線幅600μmで表現され、反対に、第1の線画a’で画線幅600μmの領域では、第2の線画a”は画線幅400μmで表現される。このため、偽造防止用印刷物Aは、すべての領域において画線面積率が等しく、かつ、均一な濃度になっている。本実施例1では、第1の線画a’及び第2の線画a”は、共に画線ピッチが1,000μmによって作成される。
第1の線画a’と第2の線画a”は、可視光下では同色に見えるインキで印刷したものである。例えば、第1の線画a’を赤外線吸収性材料を含む暗緑色のインキで印刷し、さらにその上に、潜像領域同士が同じ領域に重なるように第2の線画a”を赤外線吸収性材料を含まない暗緑色のインキで印刷した。この印刷物を可視光下で観察すると、図3のように、第1の線画a’と第2の線画a”が重なり、全体が平坦な格子模様を成して見え、特に「S」という模様は確認できない。これを、赤外線カメラで印刷物を観察すると、図4に示すように、第1の線画a’のみが確認され、潜像「S」を観察できる。本実施例1では一定ピッチの直万線を用いたが、本発明では、画線面積率が一定であれば良く、必ずしもこの限りではない。また、第1のインキと第2のインキを入れ替えても良い。
(実施例2)
図5は、実施例2における本発明の偽造防止用印刷物Bの完成図であり、図6(1)は第1の線画b’で、(2)は第2の線画b”であり、図7は偽造防止用印刷物Bを可視光下において観察したときの状態を示し、図8は紫外線を照射したときに観察した状態を示すものである。
偽造防止用印刷物Bは、第1の線画b’と第2の線画b”で構成される。図6(1)で示される第1の線画b’は、連続した横波万線で、画線幅150μmの背景領域5と、例えば、「S」の文字を型どった画線幅300μmの潜像領域6で構成される。図6(2)で示される第2の線画b”は、第1の線画b’を下に500μm平行移動した位置にある連続した横波万線で、画線幅300μmの背景領域7と、例えば、「S」の文字を型どった画線幅150μmの潜像領域8で構成される。第1の線画b’と第2の線画b”は互いにネガポジの関係にあり、並行に配列されている。すなわち、第1の線画b’で画線幅150μmの領域では、第2の線画b”は画線幅300μmで表現され、反対に、第1の線画b’で画線幅300μmの領域では、第2の線画b”は画線幅150μmで表現される。このため、偽造防止用印刷物Bは、すべての領域において画線面積率が等しく、かつ、均一な濃度になっている。本実施例2では、第1の線画b’及び第2の線画b”は、共に画線ピッチが1,000μmによって作成される。
第1の線画b’と第2の線画b”は、可視光下では同色に見えるインキで印刷したものである。例えば、第1の線画b’を紫外線発光特性材料を含む黄緑色のインキで印刷し、さらにその上に、潜像領域同士が同じ領域に重なるように第2の線画b”を紫外線発光特性材料を含まない黄緑色のインキで印刷した。この印刷物を可視光下で観察すると、図7に示すように、第1の線画b’と第2の線画b”が重なり、全体が平坦な波模様を成して見え、特に「S」という模様は確認できない。これに紫外線をあてて観察すると、図8に示すように、第1の線画b’の領域が発光し、潜像「S」を観察できる。このように、本発明は必ずしも線画を構成する画線が交差しなくても良い。
本実施例2においては、第1の線画b’と第2の線画b”を並行して配列した例を示したが、第1の線画b’と第2の線画b”が同じ位置に重畳して配列されていても良い(図示せず)。この場合、背景領域を構成する第1の線画b’は、同じ背景領域を構成する第2の線画b”の画線幅内に配置されることとなり、また、潜像領域を構成する第2の線画b”は、同じ潜像領域を構成する第1の線画b’の画線幅内に配置されることとなる。いわゆる、第1の線画と第2の線画が重畳されて配置されるとは、画線幅が太い線画の画線幅内に画線幅が狭い線画が配置されるということである。
第1の線画b’と第2の線画b”を重畳して配置する場合には、それぞれの線画を等色のインキで印刷する必要がある。どちらか一方が濃度の高いインキで印刷した場合には、前述したように、背景領域及び潜像領域において、第1の線画と第2の線画の画線幅が逆転するため、濃度の高いインキで印刷された線画が細い線画として配置された領域においては、2色の線画が確認されることとなり、潜像自体が認識されることとなる。
(実施例3)
図9は、実施例3における本発明の偽造防止用印刷物Cの完成図であり、図10(1)は第1の線画c’で、(2)は第2の線画c”であり、図11は偽造防止用印刷物Cを可視光下において観察したときの状態を示し、図12は赤外線を照射したときに観察した状態を示すものである。
偽造防止用印刷物Cは、第1の線画c’と第2の線画c”で構成される。図10(1)で示される第1の線画c’は、連続した横波万線で、画線幅250μmの背景領域9と、例えば、「S」の文字を型どった画線幅600μmの潜像領域10で構成される。図10(2)で示される第2の線画c”は、第1の線画c’を横に2,500μm、縦に1,000μm平行移動した位置にある連続した横波万線で、画線幅600μmの背景領域11と、例えば、「S」の文字を型どった画線幅250μmの潜像領域12で構成される。よって第1の線画c’と第2の線画c”は並行に配列された関係を成す。また、第1の線画c’と第2の線画c”は互いにネガポジの関係にある。すなわち、第1の線画c’で画線幅250μmの領域では、第2の線画c”は画線幅600μmで表現され、反対に、第1の線画c’で画線幅600μmの領域では、第2の線画c”は画線幅250μmで表現される。このため、偽造防止用印刷物Cは、すべての領域において画線面積率が等しく、全体が均一な濃度になっている。本実施例3では、第1の線画c’及び第2の線画c”は、共に画線ピッチが2,000μmによって作成される。また、波線の位相は5,000μm、振幅は1,500μmである。
第1の線画c’と第2の線画c”は、可視光下では同色に見えるインキで印刷したものである。例えば、第1の線画c’を赤外線吸収性材料を含む暗緑色のインキで印刷し、さらにその上に潜像領域同士が同じ領域に重なるように第2の線画c”を赤外線吸収性材料を含まない暗緑色のインキで印刷した。この印刷物を可視光下で観察すると、図11に示すように、第1の線画c’と第2の線画c”が重なり、全体が平坦な模様を成して見え、特に「S」という模様は確認できない。これを、赤外線カメラで印刷物を観察すると、図12に示すように、第1の線画c’の領域のみが確認され、潜像「S」を観察できる。
(実施例4)
図13は、実施例4における本発明の偽造防止用印刷物Dの完成図であり、図14(1)は第1の線画d’で、(2)は第2の線画d”であり、図15は偽造防止用印刷物Dを可視光下において観察したときの状態を示し、図16は赤外線を照射したときに観察した状態を示すものである。
偽造防止用印刷物Dは、第1の線画d’と第2の線画d”で構成される。図14(1)で示される第1の線画d’は、連続した横波万線で、画線幅350μmの背景線画13と、例えば、「S」の文字を型どった画線幅500μmの潜像線画14で構成される。図14(2)で示される第2の線画d”は、連続した縦万線で画線幅1,000μmの背景線画15と、例えば、「S」の文字を型どった画線幅700μmの潜像線画16で構成される。画線ピッチは第1の線画d’が1,000μm 、第2の線画d”が2,000μmである。第1の線画d’と第2の線画d”は、画線面積率において互いにネガポジの関係にある。すなわち、第1の線画d’で画線幅350μmの領域では、第2の線画d”は画線幅1,000μmで表現され、反対に、第1の線画d’で画線幅500μmの領域では、第2の線画d”は画線幅700μmで表現される。このため、偽造防止用印刷物Dは、すべての領域において画線面積率が等しく、かつ、全体が均一な濃度になっている。
第1の線画d’と第2の線画d”は、可視光下では同色に見えるインキで印刷したものである。例えば、第1の線画d’を赤外線吸収性材料を含む暗緑色のインキで印刷し、さらにその上に、潜像領域同士が同じ領域に重なるように第2の線画d”を赤外線吸収性材料を含まない暗緑色のインキで印刷した。この印刷物を可視光下で観察すると、図15に示すように、第1の線画d’と第2の線画d”が重なり、全体が平坦な模様を成して見え、特に「S」という模様は確認できない。これを、赤外線カメラで印刷物を観察すると、図16に示すように、第1の線画d’の領域のみが確認され、潜像「S」を観察できる。
(実施例5)
図17は、実施例5における本発明の偽造防止用印刷物Eの完成図であり、本発明の効果をより高めるために実施例3の偽造防止用印刷物Cに水玉を型どったカムフラージュを施したものである。図18(1)は第1の線画e’で、(2)は第2の線画e”であり、図19は偽造防止用印刷物Eを可視光下において観察したときの状態を示し、図20は、赤外線を照射したときに観察した状態を示すものである。
偽造防止用印刷物Eは、図18(1)で示される第1の線画e’と図18(2)で示される第2の線画e”で構成される。第1の線画e’は、実施例3における偽造防止用印刷物Cの第1の線画c’におけるカムフラージュ領域17の部分を、背景領域を画線幅150μm、潜像領域を画線幅400μmで構成したものであり、第2の線画e”は、実施例3における偽造防止用印刷物Cの第2の線画c”における点線にて図示したカムフラージュ領域18の部分を、背景領域を画線幅400μm、潜像領域を画線幅150μmで構成したものである。
第1の線画e’と第2の線画e”は、可視光下では同色に見えるインキで印刷したものである。例えば、第1の線画e’を赤外線吸収性材料を含む暗緑色のインキで印刷し、さらにその上に、潜像領域同士が同じ領域に重なるように第2の線画e”を赤外線吸収性材料を含まない暗緑色のインキで印刷した。この印刷物を可視光下で観察すると、図19に示すように、第1の線画e’と第2の線画e”が重なり、全体がカムフラージュ模様の水玉を含めた平坦な模様を成して見え、特に「S」という模様は確認できない。これを赤外線カメラで印刷物を観察すると、図20に示すように、第1の線画e’の領域のみが確認され、潜像「S」を観察できる。このようなカムフラージュ模様は、本実施例に限らず前述のいかなる実施例においても効果を得られるものである。また、カムフラージュ模様は諧調のある模様でも構わない。
(実施例6)
図21は、実施例6における本発明の偽造防止用印刷物Fの完成図であり、本発明の効果をより高めるために実施例1の偽造防止用印刷物Aに「A」という文字のカムフラージュを施したものである。図22(1)は第1の線画f’で、(2)は第2の線画f”であり、図23は偽造防止用印刷物Fを可視光下において観察したときの状態を示し、図24は赤外線を照射したときに観察した状態を示すものである。
偽造防止用印刷物Fは、図22(1)で示される第1の線画f’と図22(2)で示される第2の線画f”で構成される。第1の線画f’は、背景領域20と「S」の文字を型どった潜像領域19で構成され、画線幅とピッチは、実施例1における図2(1)と等しく、第2の線画f”は、図2(2)と等しい。なお、第1の線画f’と第2の線画f”の潜像領域は共通である。また、第1の線画f’にはカムフラージュとして「A」の文字がデザインされている。「A」の文字の画線幅は、「S」の潜像領域と重なる領域19が150μm、背景領域と重なる領域20が430μmである。これにより、偽造防止用印刷物Fは、「A」の文字と、その周りの領域でそれぞれ均一の画線面積率になっている。
第1の線画f’と第2の線画f”は、可視光下では同色に見えるインキで印刷したものである。例えば、第1の線画f’を赤外線吸収性材料を含む暗緑色のインキで印刷し、さらにその上に、潜像領域同士が同じ領域に重なるように第2の線画f”を赤外線吸収性材料を含まない暗緑色のインキで印刷した。この印刷物を可視光下で観察すると、図23に示すように、第1の線画f’と第2の線画f”が重なり、全体がカムフラージュ模様の「A」という文字として見え、特に「S」という模様は確認できない。これを赤外線カメラで印刷物を観察すると、図24に示すように、第1の線画f’の領域のみが確認され、潜像「S」を観察できる。このように、画線面積率さえ合わせれば、カムフラージュ模様を入れるのは第1の線画又は第2の線画のどちらか一方の線画だけでも良い。また、二つの線画の背景領域は必ずしも一致しなくても良い。
実施例1の偽造防止用印刷物Aを示した図。 実施例1における第1の線画a’及び第2の線画a”を示した図。 実施例1の偽造防止用印刷物Aを可視光下で観察した状態を示した図。 実施例1の偽造防止用印刷物Aを赤外線光下で観察した状態を示した図。 実施例2の偽造防止用印刷物Bを示した図。 実施例2における第1の線画b’及び第2の線画b”を示した図。 実施例2の偽造防止用印刷物B可視光下で観察した状態を示した図。 実施例2の偽造防止用印刷物B赤外線光下で観察した状態を示した図。 実施例3の偽造防止用印刷物Cを示した図。 実施例3における第1の線画c’及び第2の線画c”を示した図。 実施例3の偽造防止用印刷物Cを可視光下で観察した状態を示した図。 実施例3の偽造防止用印刷物Cを赤外線光下で観察した状態を示した図。 実施例4の偽造防止用印刷物Dを示した図。 実施例4における第1の線画d’及び第2の線画d”を示した図。 実施例4の偽造防止用印刷物Dを可視光下で観察した状態を示した図。 実施例4の偽造防止用印刷物Dを赤外線光下で観察した状態を示した図。 実施例5の偽造防止用印刷物Eを示した図。 実施例5における第1の線画e’及び第2の線画e”を示した図。 実施例5の偽造防止用印刷物Eを可視光下で観察した状態を示した図。 実施例5の偽造防止用印刷物Eを赤外線光下で観察した状態を示した図。 実施例6の偽造防止用印刷物Fを示した図。 実施例6における第1の線画f’及び第2の線画f”を示した図。 実施例6の偽造防止用印刷物Fを可視光下で観察した状態を示した図。 実施例6の偽造防止用印刷物Fを赤外線光下で観察した状態を示した図
符号の説明
A 偽造防止用印刷物A
B 偽造防止用印刷物B
C 偽造防止用印刷物C
D 偽造防止用印刷物D
E 偽造防止用印刷物E
F 偽造防止用印刷物F
a’、b’、c’、d’、e’、f’ 第1の線画
a”、b”、c”、d”、e”、f” 第2の線画
1、3、5、7、9、11、13、15 背景領域
2、4、6、8、10、12、14、16 潜像領域
17 第1の線画におけるカムフラージュ領域
18 第2の線画におけるカムフラージュ領域
19 潜像領域と重なるカムフラージュ領域
20 背景領域と重なるカムフラージュ領域

Claims (8)

  1. 特定の波長において吸収又は発光する第1の色材で印刷した第1の線画と、
    前記特定の波長において吸収又は発光せず、かつ、可視光下では第1の色材と同色に見える第2の色材で印刷した第2の線画で構成され、前記第1の線画と前記第2の線画は、それぞれ画線幅の違う背景領域と潜像領域で構成され、前記第2の線画の潜像領域は前記第1の線画の潜像領域と形状及び大きさが等しく、前記第1の線画と前記第2の線画が重なり、かつ、背景領域と潜像領域の濃度が等しいことを特徴とする印刷物。
  2. 前記第1の線画を構成する画線と前記第2の線画を構成する画線が交差していることを特徴とする請求項1記載の印刷物。
  3. 前記第1の線画を構成する画線と前記第2の線画を構成する画線が並行又は重畳して配列されていることを特徴とする請求項1記載の印刷物。
  4. 前記第1の線画と、前記第2の線画の少なくとも一つは、規則的な間隔をもって配置された複数の画線で構成されることを特徴とする請求項1記載の印刷物。
  5. 前記第1の線画と前記第2の線画は、少なくともどちらか一方において所定の領域で、隣接する画線と画線幅を異ならせることで濃度が変化してカムフラージュ模様を成していることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の印刷物
  6. 前記カムフラージュ模様は、前記第1と第2の線画の同じ領域に配置されていることを特徴とする請求項5記載の印刷物
  7. 前記第1の線画は、赤外線吸収性材料を含むインキで印刷され、前記第2の線画は、赤外線吸収性材料を含まないインキで印刷されていることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の印刷物
  8. 前記第1の線画は、紫外線発光特性材料を含むインキで印刷され、前記第2の線画は、紫外線発光特性材料を含まないインキで印刷されていることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の印刷物
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