JP4441397B2 - 地震応答解析装置、地震応答解析方法及び地震応答解析プログラム - Google Patents

地震応答解析装置、地震応答解析方法及び地震応答解析プログラム Download PDF

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Description

本発明は、地震応答解析装置、地震応答解析方法及び地震応答解析プログラムに係り、より詳しくは、少なくとも解析対象とする地盤のせん断応力を用いて地震応答解析を行う地震応答解析装置、地震応答解析方法及び地震応答解析プログラムに関する。
解析対象とする地盤のせん断応力を用いて地震応答解析を行う従来の技術として、本出願人らによる特許文献1には、解析対象とする地盤のせん断応力の時刻歴から液状化強度曲線を用いて累積損傷度を求め、累積損傷度から過剰間隙水圧比を求め、これによって得られる有効応力から液状化によるせん断剛性低下率を得て、せん断応力及びせん断ひずみの振幅の半波毎に、その半波内の最大せん断ひずみによる剛性低下率をそれぞれ求め、これらから、等価なせん断剛性を求め、この剛性(割線剛性)を用いて時刻歴応答解析(地震応答解析)を行うことが提案されている。
具体的には、図6に示すように、せん断応力の時刻歴において、せん断応力がゼロ線を横切る点を区切り点として、隣接する2つの区切り点で囲まれる間を「半波」と定義し(図7も参照。)、当該半波間のせん断応力の最大値τmaxを求め(図6(1))、これをせん断応力比Rに換算し、当該せん断応力比Rにより液状化強度曲線を用いて増分損傷度ΔDを求め(図6(3))、これを積算することにより累積損傷度Dを求め(図6(1))、更に累積損傷度Dから過剰間隙水圧比ruを求め(図6(4))、当該過剰間隙水圧比ruから液状化による剛性低下率G0を求め(図6(5))、図6(2)のひずみによる剛性低下率を合わせて、地震応答解析に用いる剛性を求めていた。
ところで、特許文献1で提案されている技術では、水平2方向の地震成分(例えば、東西方向の成分(以下、「EW方向成分」という。)と南北方向の成分(以下、「NS方向成分」という。))を考慮した地震応答解析を行う場合、せん断応力が2方向(成分)に分けられるため、それぞれの成分について半波が考えられる。しかしながら、過剰間隙水圧は方向成分を持たないスカラー量であるので、これに対する累積損傷度もスカラー量であるものと考えられる。
この累積損傷度を算出するために、本出願人らによる非特許文献1では、せん断応力の2方向成分のベクトル和の大きさ(ここでは、最大せん断応力τmax)からせん断応力比を求め、これに基づいて累積損傷度を求める技術が提案されている。
すなわち、最大せん断応力はベクトルの大きさなので必ず正(プラス)の値となるため、水平2方向の地震成分を考慮した地震応答解析では、特許文献1の技術で適用している1次元の解析(水平1方向の解析)と同様には半波を定義することができない。そこで、非特許文献1の技術では、図8に示すように、最大せん断応力τmaxを2つのせん断応力τxz(xz面のせん断応力)及びτyz(yz面のせん断応力)からなるベクトルと見なし、半波の区切り点を「最大せん断応力ベクトルの大きさが最大となる最大せん断応力ベクトルに対して、現時点の最大せん断応力ベクトルが垂直になった時点」と定義している。
特開2001−208641公報 貫井泰,瀧ヶ崎進,吉田洋之,塩見忠彦,「水平2方向入力を考慮した累積損傷度による自由地盤の液状化解析」,第39回地盤工学研究発表会(新潟),2004,p.1771−1772
しかしながら、上記非特許文献1で提案されている技術では、水平2方向の地震成分を考慮した地震応答解析はできるものの、3方向以上の地震成分を考慮した地震応答解析を行うことができないため、必ずしも高精度な地震応答解析を行うことができるとは限らない、という問題点があった。
すなわち、3次元解析では、応力は9つ(6つが独立)の成分(x方向の軸応力σxx、y方向の軸応力σyy、z方向の軸応力σzz、xy平面のせん断応力σxy、yz平面のせん断応力σyz、zx平面のせん断応力σzx)があり、過剰間隙水圧を生じさせるせん断応力成分としては9つ(6つが独立)のせん断応力成分(σxx−σyy、σyy−σzz、σzz−σxx、σxy、σyz、σzx)がある。
これに対して、上記非特許文献1の技術では、これらの3方向以上の応力成分は考慮されていないため、実際の地震動の挙動に即した半波の区切り点を検出することができない場合があり、この場合には、高精度な地震応答解析を行うことはできない。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、実際の地震動の挙動に即した高精度な地震応答解析を行うことのできる地震応答解析装置、地震応答解析方法及び地震応答解析プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の地震応答解析装置は、少なくとも解析対象とする地盤のせん断応力を用いて地震応答解析を行う地震応答解析装置であって、時系列順で所定応力が最大となる時刻を基点時刻として、当該基点時刻以降の時刻で、かつ応力ベクトルと前記基点時刻における応力ベクトルとの内積が所定値となる時刻を検出し、検出した時刻以降で、かつ前記所定応力が極小となる時刻を区切り点として検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された前記区切り点から次に前記検出手段によって検出された前記区切り点までの期間内における前記所定応力に基づいて前記せん断応力を導出する導出手段と、を備えている。
請求項1記載の地震応答解析装置によれば、検出手段により、時系列順で所定応力が最大となる時刻が基点時刻とされて、当該基点時刻以降の時刻で、かつ応力ベクトルと前記基点時刻における応力ベクトルとの内積が所定値となる時刻が検出された後、検出された時刻以降で、かつ前記所定応力が極小となる時刻が区切り点として検出され、導出手段により、前記検出手段によって検出された前記区切り点から次に前記検出手段によって検出された前記区切り点までの期間内における前記所定応力に基づいて解析対象とする地盤のせん断応力が導出され、当該せん断応力が用いられて地震応答解析が行われる。
このように、請求項1記載の地震応答解析装置によれば、少なくとも解析対象とする地盤のせん断応力を用いて地震応答解析を行うに際し、時系列順で所定応力が最大となる時刻を基点時刻として、当該基点時刻以降の時刻で、かつ応力ベクトルと前記基点時刻における応力ベクトルとの内積が所定値となる時刻を検出し、検出した時刻以降で、かつ前記所定応力が極小となる時刻を区切り点として検出すると共に、これによって検出された前記区切り点から次に検出された前記区切り点までの期間内における前記所定応力に基づいて前記せん断応力を導出しているので、実際の地震動の挙動に即した高精度な地震応答解析を行うことができる。
なお、本発明は、請求項2に記載の発明のように、前記所定応力を、相当応力又は最大せん断応力とするものとしてもよい。これにより、当該相当応力又は最大せん断応力に応じた地震応答解析を行うことができる。
一方、上記目的を達成するために、請求項3記載の地震応答解析方法は、少なくとも解析対象とする地盤のせん断応力を用いて地震応答解析を行う地震応答解析方法であって、時系列順で所定応力が最大となる時刻を基点時刻として、当該基点時刻以降の時刻で、かつ応力ベクトルと前記基点時刻における応力ベクトルとの内積が所定値となる時刻を検出し、検出した時刻以降で、かつ前記所定応力が極小となる時刻を区切り点として検出すると共に、これによって検出された前記区切り点から次に検出された前記区切り点までの期間内における前記所定応力に基づいて前記せん断応力を導出するものである。
従って、請求項3記載の地震応答解析方法によれば、請求項1記載の発明と同様に作用するので、請求項1記載の発明と同様に、実際の地震動の挙動に即した高精度な地震応答解析を行うことができる。
なお、請求項3記載の発明は、請求項4に記載の発明のように、前記所定応力を、相当応力又は最大せん断応力とするものとしてもよい。これにより、当該相当応力や当該最大せん断応力に応じた地震応答解析を行うことができる。
一方、上記目的を達成するために、請求項5記載の地震応答解析プログラムは、少なくとも解析対象とする地盤のせん断応力を用いて地震応答解析を行う地震応答解析プログラムであって、時系列順で所定応力が最大となる時刻を基点時刻として、当該基点時刻以降の時刻で、かつ応力ベクトルと前記基点時刻における応力ベクトルとの内積が所定値となる時刻を検出し、検出した時刻以降で、かつ前記所定応力が極小となる時刻を区切り点として検出する検出ステップと、前記検出ステップによって検出された前記区切り点から次に前記検出ステップによって検出された前記区切り点までの期間内における前記所定応力に基づいて前記せん断応力を導出する導出ステップと、をコンピュータに実行させるものである。
従って、請求項5記載の地震応答解析プログラムによれば、コンピュータに対して請求項1記載の発明と同様に作用させることができるので、請求項1記載の発明と同様に、実際の地震動の挙動に即した高精度な地震応答解析を行うことができる。
なお、請求項5記載の発明は、請求項6に記載の発明のように、前記所定応力を、相当応力又は最大せん断応力とするものとしてもよい。これにより、当該相当応力や当該最大せん断応力に応じた地震応答解析を行うことができる。
本発明によれば、少なくとも解析対象とする地盤のせん断応力を用いて地震応答解析を行うに際し、時系列順で所定応力が最大となる時刻を基点時刻として、当該基点時刻以降の時刻で、かつ応力ベクトルと前記基点時刻における応力ベクトルとの内積が所定値となる時刻を検出し、検出した時刻以降で、かつ前記所定応力が極小となる時刻を区切り点として検出すると共に、これによって検出された前記区切り点から次に検出された前記区切り点までの期間内における前記所定応力に基づいて前記せん断応力を導出しているので、実際の地震動の挙動に即した高精度な地震応答解析を行うことができる、という効果が得られる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1には、本実施の形態に係る地震応答解析装置10の要部構成が示されている。同図に示されるように、この地震応答解析装置10は、操作部12、記憶部14、演算部16、及び表示部18を含んで構成されている。
操作部12は、オペレータが表示部18に表示されたメニューに従って所望の解析モデルについての地震応答解析を演算部16に実行させるための指示や必要なパラメータを指定するためのものである。記憶部14は、演算部16において用いられる様々な解析モデルのパラメータや、所定応力(ここでは、相当応力)を算出する演算式等の地震応答解析に必要な各種演算式が記憶されている。また、記憶部14には、演算部16による地震応答解析の解析結果が格納される。なお、上記相当応力を算出する演算式としては、中間主応力成分を考慮したせん断応力の大きさを表す相当応力を算出することのできる演算式であれば、従来既知のあらゆる演算式を適用することができる。
演算部16は、操作部12からの指示に従って記憶部14から必要なデータを読み出して地震応答解析を行うと共に、解析結果を記憶部14へ記憶し、かつ表示部18へ出力する。
演算部16では、地震応答解析をおおよそ次のようにして行う。すなわち、せん断応力の時刻歴から累積損傷度を求め、累積損傷度から過剰間隙水圧を求め、これによって得られる有効応力から液状化によるせん断剛性低下率を得る。そして、せん断応力及びせん断ひずみの振幅の半波毎に、その半波内の最大せん断ひずみによる剛性低下率をそれぞれ求め、これらから、等価なせん断剛性を求め、この剛性(割線剛性)を用いて時刻歴応答解析、すなわち地震応答解析を行う。
なお、地震応答解析は、次式で示される運動方程式を時間積分することにより行う。
ここで、本実施の形態では、時間積分にはNewmark−β法を用い、時間積分に用いる剛性には割線剛性を用いている。
次に、本実施の形態の作用として、演算部16で実行される制御ルーチンについて図2に示すフローチャートを参照して説明する。なお、当該制御ルーチンでは、上述したような時刻歴応答解析(地震応答解析)が従来既知の技術(一例として、本出願人らによる特許文献1で提案されている技術)を利用して行われるが、ここでは、錯綜を回避するために、当該制御ルーチンにおける本発明に特に関係する部分のみについて説明する。
まず、図2のステップ100では、最大応力σmaxと最大応力ベクトルSij maxの初期設定として0(零)を代入する。
次のステップ102では、記憶部14に記憶されている演算式を用いた所定応力σ(本実施の形態では、相当応力)の時系列順での算出を開始し、次のステップ104にて、所定応力σの記憶部14への時系列順での記録を開始する。なお、上記相当応力を算出する際に用いられる各種パラメータは、例えば、地震応答解析において変位を求め、当該変位に基づいてひずみを求めて、当該ひずみに基づいて求めたものを適用することができる。
次のステップ106では、所定応力σが極大となるまで待機し、次のステップ108では、所定応力σが最大応力σmaxを越えたか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ110に移行して、最大応力σmaxを所定応力σに置き換えると共に、最大応力ベクトルSij maxを所定応力σの応力ベクトルSijに置き換えた後にステップ112に移行する。なお、上記ステップ108において否定判定となった場合は上記ステップ110の処理を実行することなくステップ112に移行する。
ステップ112では、所定応力σの応力ベクトルSijと最大応力ベクトルSij maxとの内積が所定値a以下となったか否か、すなわち、応力ベクトルSijと応力ベクトルSij maxとのなす角度が所定角度以下となったか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ108に戻り、肯定判定となった時点でステップ114に移行する。なお、本ステップ112では、応力ベクトルSijが次の(2)式を満足するか否か(応力ベクトルSijと応力ベクトルSij maxの内積が上記所定角度に対応する所定値a以下となったか否か)を判定することによって上記所定応力の応力ベクトルSijと応力ベクトルSij maxとのなす角度が所定角度以下となったか否かを判定する。
なお、本実施の形態では、上記所定値aとして、解析対象とする地震動の特性等に応じて、最終的に主要な振動の最大値が得られるように経験値として予め指定したものを適用している。
上記ステップ108〜ステップ112の繰り返し処理により、時系列順で所定応力σが最大となる時刻を基点時刻として、当該基点時刻以降の時刻で、かつ応力ベクトルSijと前記基点時刻における応力ベクトルSij maxとの内積が所定値となる時刻を検出することができる。
ステップ114では、所定応力σが極小となるまで待機し、次のステップ116にて、上記ステップ104の処理によって開始された所定応力σの記録を停止する。
次のステップ118では、以上の処理によって記憶部14に記憶された所定応力σの最大値と最小値との差を最大せん断応力τmaxとして算出すると共に、予め指定されたパラメータを用いて従来既知の技術(一例として、特許文献1に記載された技術)を用いて最大せん断ひずみγmaxを算出する。
次のステップ120では、予め記憶部14に記憶されている液状化強度曲線と、上記ステップ118において算出された最大せん断応力τmaxを用いて、当該最大せん断応力τmaxにより液状化に至る載荷繰り返し回数Nifを導出し、導出した載荷繰り返し回数Nifから累積損傷度の増分ΔDを導出する。なお、当該累積損傷度の増分ΔDは、次の(3)式で示される。
そして、ステップ120では、導出した増分ΔDを、それまでに得られている累積損傷度Dに加算することにより、この時点の累積損傷度Dを算出する。なお、上記液状化強度曲線は、地盤調査における動的非排水変形試験等の繰り返し載荷試験により得られたものを用いることができる。
次のステップ122では、予め試験によって得られて記憶部14に記憶されている累積損傷度Dと過剰間隙水圧比ruとの関係を示すテーブル(一例として、図6(4)に示されるグラフを示すテーブル)を参照して、上記ステップ120において算出された累積損傷度Dに対応する過剰間隙水圧比ruを導出する。
次のステップ124では、予め試験によって得られて記憶部14に記憶されている過剰間隙水圧比ruと剛性低下率G0との関係を示すテーブル(一例として、図6(5)に示されるグラフを示すテーブルであり、以下、「剛性低下率テーブル」という。)を参照して、上記ステップ122において導出された過剰間隙水圧比ruに対応する剛性低下率G0を導出する。
次のステップ126では、上記ステップ118において算出した最大せん断ひずみγmaxと、上記ステップ122において導出した過剰間隙水圧比ruと、上記ステップ124において導出した剛性低下率G0と、を次の(4)式に代入することによってせん断剛性Gを算出する。なお、(4)式におけるnは入力パラメータ(通常n=0.5)であり、f(γmax)は剛性のひずみ依存特性である。
次のステップ128では、以上の処理によって導出されたせん断剛性Gを始めとする各種物理量を記憶部14の所定領域に記憶する。
そして、次のステップ130にて、地震時間全体について以上の処理が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合は上記ステップ104に戻り、肯定判定となった時点で、本制御ルーチンを終了する。
以上詳細に説明したように、本実施の形態では、少なくとも解析対象とする地盤のせん断応力を用いて地震応答解析を行うに際し、時系列順で所定応力が最大となる時刻を基点時刻として、当該基点時刻以降の時刻で、かつ応力ベクトルと前記基点時刻における応力ベクトルとの内積が所定値となる時刻を検出し、検出した時刻以降で、かつ前記所定応力が極小となる時刻を区切り点として検出すると共に、これによって検出された前記区切り点から次に検出された前記区切り点までの期間内における前記所定応力に基づいて前記せん断応力を導出しているので、実際の地震動の挙動に即した高精度な地震応答解析を行うことができる。
また、本実施の形態では、前記所定応力を相当応力としているので、当該相当応力に応じた地震応答解析を行うことができる。
なお、本実施の形態では、本発明の所定応力として相当応力を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、最大せん断応力を適用する形態とすることもできる。この場合、記憶部14に最大せん断応力を算出する従来既知の演算式を予め記憶しておき、図2に示される制御ルーチンにおいて適用されていた相当応力に代えて最大せん断応力を適用することになる。
この場合も、本実施の形態と同様の効果を奏することができる。
その他、本実施の形態で説明した地震応答解析装置10の構成(図1参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施の形態に係る地震応答解析装置10で適用していた表示部18は必ずしも必要ではなく、削除することも可能である。
更に、本実施の形態で示した制御ルーチンの処理の流れ(図2参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
[実施例]
以下、本実施の形態で示した地震応答解析手法による解析結果例について説明する。なお、図3は、ここで適用した3次元の解析モデルを示す図であり、ここでは模型振動実験シミュレーションを行った。
図4には、この解析手法によって求められた6つの応力成分の時刻歴が示されている。なお、図4(A)はσx−σyの時刻歴であり、図4(B)はσy−σzの時刻歴であり、図4(C)はσz−σxの時刻歴であり、図4(D)はτxyの時刻歴であり、図4(E)はτyzの時刻歴であり、図4(F)はτzxの時刻歴である。
図5(A)には本発明の所定応力として相当応力を適用して検出した区切り点を適用したときの相当応力の最大値及び最小値の検出結果が、図5(B)には本発明の所定応力として最大せん断応力を適用して検出した区切り点を適用したときの最大せん断応力の最大値及び最小値の検出結果が、各々示されている。なお、ここでは、所定値aを0.35とした。
同図に示されるように、本発明の所定応力として相当応力及び最大せん断応力の何れを適用した場合も実際の最大値及び最小値と略同一の位置が検出されており、本発明による区切り点の検出手法の有効性が確認された。
実施の形態に係る地震応答解析装置の概略ブロック図である。 実施の形態に係る地震応答解析装置の演算部において実行される制御ルーチンのフローチャートである。 実施の形態に係る地震応答解析手法による解析例(実施例)で用いた3次元の解析モデルを示す概略図である。 実施の形態に係る地震応答解析手法による解析例(実施例)において求められた6つの応力成分の時刻歴を示す線図である。 実施の形態に係る地震応答解析手法による解析例(実施例)において、本発明の所定応力として相当応力を適用した場合と、最大せん断応力を適用した場合の最大値及び最小値の検出結果を示す線図である。 従来の地震応答解析手法の説明に供する概略図である。 従来技術における半波の定義の説明に供する線図である。 非特許文献1の技術の説明に供する線図である。
符号の説明
10 地震応答解析装置
12 操作部
14 記憶部
16 演算部(検出手段、導出手段)
18 表示部

Claims (6)

  1. 少なくとも解析対象とする地盤のせん断応力を用いて地震応答解析を行う地震応答解析装置であって、
    時系列順で所定応力が最大となる時刻を基点時刻として、当該基点時刻以降の時刻で、かつ応力ベクトルと前記基点時刻における応力ベクトルとの内積が所定値となる時刻を検出し、検出した時刻以降で、かつ前記所定応力が極小となる時刻を区切り点として検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された前記区切り点から次に前記検出手段によって検出された前記区切り点までの期間内における前記所定応力に基づいて前記せん断応力を導出する導出手段と、
    を備えた地震応答解析装置。
  2. 前記所定応力を、相当応力又は最大せん断応力とした
    請求項1記載の地震応答解析装置。
  3. 少なくとも解析対象とする地盤のせん断応力を用いて地震応答解析を行う地震応答解析方法であって、
    時系列順で所定応力が最大となる時刻を基点時刻として、当該基点時刻以降の時刻で、かつ応力ベクトルと前記基点時刻における応力ベクトルとの内積が所定値となる時刻を検出し、検出した時刻以降で、かつ前記所定応力が極小となる時刻を区切り点として検出すると共に、これによって検出された前記区切り点から次に検出された前記区切り点までの期間内における前記所定応力に基づいて前記せん断応力を導出する、
    地震応答解析方法。
  4. 前記所定応力を、相当応力又は最大せん断応力とした
    請求項3記載の地震応答解析方法。
  5. 少なくとも解析対象とする地盤のせん断応力を用いて地震応答解析を行う地震応答解析プログラムであって、
    時系列順で所定応力が最大となる時刻を基点時刻として、当該基点時刻以降の時刻で、かつ応力ベクトルと前記基点時刻における応力ベクトルとの内積が所定値となる時刻を検出し、検出した時刻以降で、かつ前記所定応力が極小となる時刻を区切り点として検出する検出ステップと、
    前記検出ステップによって検出された前記区切り点から次に前記検出ステップによって検出された前記区切り点までの期間内における前記所定応力に基づいて前記せん断応力を導出する導出ステップと、
    をコンピュータに実行させる地震応答解析プログラム。
  6. 前記所定応力を、相当応力又は最大せん断応力とした
    請求項5記載の地震応答解析プログラム。
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