JP4439897B2 - 導電性組成物 - Google Patents
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上記の要望に対応して積層セラミックコンデンサの誘電体層と電極層の薄膜化、多層化が必要となっている。特に電極層を薄膜化した場合において、従来と同様に十分な電気的特性や機械的特性を保持しなければならないが、そのためには導電性ペーストを塗布して形成される乾燥塗膜中における導電性粉末の充填密度(塗膜密度)を向上させることが特に重要である。乾燥塗膜中における充填密度が低い程、乾燥塗膜の内部に空隙が多く存在することになり、その場合、乾燥塗膜を電極層に焼成時に収縮等の内部ひずみ等が生成し電極性能の劣化を生じやすくなる。
また、特許文献2(特開2002−75051号公報)では、導電性粉末、有機バインダー、および溶剤を主成分し、かつN−アシルアミノ酸およびその塩を含むペーストにより、保存中に導電性粉末が分離沈降したり、凝集したりすることを防いだ保存安定性に優れた導電性ペーストを開示している。しかしながら、N−アシルアミノ酸を添加した場合の塗膜密度は添加しない場合に比べて大きな向上がみられていない。
即ち本発明は、下記の通りである。
1.導電性粉末の1種以上を分散してなる導電性組成物であって、一般式(1)に示す分子内にアシル基と親水基とを2個以上ずつ有するアシル化合物を少なくとも1種以上含有することを特徴とする導電性組成物。
Xは、ヒドロキシル基、アミノ基、及びチオール基から選ばれる1種または2種以上のm個の官能基、および任意にヒドロキシル基、アミノ基、及びチオール基以外の置換基を有する炭素数1〜40の直鎖または分岐鎖または環状鎖であって、芳香族炭化水素を含有し又は含有しない鎖であり、
Xに結合している、n(m≧n)個のQは、一般式(2)で表される置換基で、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、
一般式(2)において、ZはXの有する官能基に由来する結合部であり、
R1COは炭素原子数2〜20の飽和または不飽和の脂肪酸から誘導されるアシル基を示し、
R2は水素であるか、またはヒドロキシル基またはカルボキシル基が置換していてもよい炭素原子数1〜3の低級アルキル基を示し、
Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基および/またはそれらの塩を示し、
j、kはそれぞれ独立に0,1,2のいずれかであり、かつj、kは同時に0ではなく、nは2〜20の整数を示す)
2. 導電性組成物が、さらに有機バインダーと溶媒を含む導電性ペーストであることを特徴とする、1.に記載の導電性組成物。
3. 溶媒が、水または水と有機溶媒との混合溶媒であることを特徴とする、請求項2に記載の導電性組成物。
本発明でいう導電性組成物は、導電性粉末の1種以上を溶媒中に分散してなるペースト状のもので、該組成物中に少なくとも特定の構造を有するアシル化合物の1種以上を含んでなる組成物である。ここでいうアシル化合物とは、構造的には分子内に少なくともアシル基と親水基とを2個以上ずつ有する構造の化合物であり、この構造であればよく、これまで公知になっている化合物でよい。
アシル基としては、それぞれ、独立して、すなわち、それぞれ異なっても同一でもよく、炭素原子数2〜20の飽和または不飽和の脂肪酸から誘導されるものが好ましく、直鎖、分岐、環状を問わない。
メチルヘプテン酸、メチルノネン酸、メチルウンデセン酸、ジメチルデセン酸、メチルドデセン酸、メチルトリデセン酸、ジメチルドデセン酸、ジメチルトリデセン酸、メチルオクタデセン酸、ジメチルヘプタデセン酸、エチルオクタデセン酸のような分岐モノエン酸;
オクチン酸、ノニン酸、デシン酸、ウンデシン酸、ドデシン酸、トリデシン酸、テトラデシン酸、ペンタデシン酸、ヘプタデシン酸、オクタデシン酸、ノナデシン酸、ジメチルオクタデシン酸のようなアセチレン酸;
メチレンオクタデセン酸、メチレンオクタデカン酸、アレプロール酸、アレプレスチン酸、アレプリル酸、アレプリン酸、ヒドノカルプン酸、ショールムーグリン酸、ゴルリン酸、α−シクロペンチル酸、α−シクロヘキシル酸、α−シクロペンチルエチル酸のような環状酸から誘導されるアシル基があげられる。
本発明の導電性組成物において、アシル化合物とは、親水基としてはそれぞれ独立に、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸残基、リン酸残基またはそれらの塩等、あるいはオキシアルキレン基、ポリエチレングリコール基等、またはアミノ基、4級アンモニウム基、ピリジニウム基、スルホニウム基またはそれらの塩等を有するものである。アシル化合物の親水基はそれぞれ独立に、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基および/またはそれらの塩であることが好ましい。
ここでいうアシル化合物とは構造的には一般式(1)および(2)に示すように分子内に少なくとも1個以上のアシル基と親水基とを有する化合物を適当なスペーサーで連結した構造のものである。
一般式(2)中、R1COで示されるアシル基は独立して、すなわち、それぞれ異なっても同一でもよく、上記したように炭素原子数2〜20の飽和または不飽和の脂肪酸から誘導されるものであれば何でも良く、直鎖、分岐、環状を問わない。
一般式(2)中、R2は水素であるか、またはヒドロキシル基またはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基またはそれらの塩等が置換していてもよい炭素原子数1〜3の低級アルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシ(イソ)プロピル基、ジヒドロキシ(イソ)プロピル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、スルホエチル基等が挙げられる。
一般式(1)中、Xに結合したn個の置換基Q(式(2))は、それぞれ互いに、異なっても同一でもよい。また、式(2)は、いわゆる酸性アミノ酸がN−アシル化されたものを示すものであり、それらは光学異性体例えばD−体、L−体、ラセミ体であるかは問わない。
一般式(2)中、Zは、Xに置換したm個(m≧n、かつ、2〜20の整数)の官能基(ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基)に由来する結合部(−O−、−NR3−、−S−)である。ここで、R3は水素、または炭素原子数1〜10のアルキル基またはアルケニル基またはアリール基またはアルキルアリール基である。
一般式(1)中、Xはヒドロキシル基、アミノ基、チオール基から選ばれる1種または2種以上からなるm個の官能基を有する分子量100万以下の直鎖または分枝鎖または環状鎖または芳香族炭化水素鎖であるスペーサーであり、Xは、前記ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基以外の置換基を有していてもよい。
このようなm価の化合物としては、例えば、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、シスチンジスルホキシド、シスタチオニン、メチオニン、アルギニン、リジン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン、オキシプロリン等のアミノ酸類;
アミノエタノール、アミノプロパノール、アミノブタノール、アミノペンタノール、アミノヘキサノール、アミノプロパンジオール、アミノエチルエタノールアミン、アミノエチルアミノエタノール、アミノクレゾール、アミノナフトール、アミノナフトールスルホン酸、アミノヒドロキシ安息香酸、アミノヒドロキシブタン酸、アミノフェノール、アミノフェネチルアルコール、グルコサミン等の分子内にアミノ基とヒドロキシル基を有する化合物類;
アミノチオフェノール、アミノトリアゾールチオール等の分子内にチオール基とアミノ基を有する化合物類;
が挙げられる。また、タンパク質やペプチド等、またはそれらを加水分解したもの等でも良い。
このようなm価のポリヒドロキシル化合物としては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ジメチロールシクロヘキサン、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、イソプレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ソルバイト、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、
グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、
ペンタエリスリトール、エリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール、ジグリセリン、ソルビタン等の4価ポリヒドロキシル化合物;
アドニトール、アラビトール、キシリトール、トリグリセリン等の5価ポリヒドロキシル化合物;
ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、イノシトール、ダルシトール、タロース、アロース等の6価ポリヒドロキシル化合物;
またはこれらの脱水縮合物、ポリグリセリン等が挙げられる。
リボース、アラビノース、キシロース、リクソース、キシルロース、リブロース等のペントース;アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、ギューロース、イドース、ガラクトース、タロース、フラクトース、ソルボース、プシコース、タガトース等のヘキソース等の単糖類;
マルトース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、メリビオース、ラクトース、ツラノース、トレハロース、サッカロース、マンニトリオース、セロトリオース、ゲンチアノース、ラフィノース、メレチトース、セロテトロース、スタキオース等のオリゴ糖類が挙げられる。
また、一般式(2)中、Xは好ましくはアミノ基以外の置換基を有していてもよい分子量100万以下のm価のポリアミノ化合物残基である。ここで、m価のポリアミノ化合物は、m個の酸アミド結合を作りうることを意味する。それらは光学異性体例えばD−体、L−体、ラセミ体であるかは問わない。
ジエチレントリアミン、トリアミノヘキサン、トリアミノドデカン、1,8−ジアミノ−4−アミノメチル−オクタン、2,6−ジアミノカプリン酸−2−アミノエチルエステル、1,3,6−トリアミノヘキサン、1,6,11−トリアミノウンデカン、ジ(アミノエチル)アミンおよびこれらの各異性体等の脂肪族トリアミン類;
ジアミノベンゼン、ジアミノトルエン、ジアミノ安息香酸、ジアミノアントラキノン、ジアミノベンゼンスルホン酸、ジアミノ安息香酸、およびこれらの各異性体等の芳香族ポリアミン類;
ジアミノキシレン、ジ(アミノメチル)ベンゼン、ジ(アミノメチル)ピリジン、ジ(アミノメチル)ナフタレン、およびこれらの各異性体等の芳香脂肪族ポリアミン類;
ジアミノヒドロキシプロパンおよびこれらの各異性体等のヒドロキシル基が置換したポリアミン類等が挙げられる。
このようなm価のポリチオール化合物としては、例えば、ジチオエチレングリコール、ジチオエリトリトール、ジチオトレイトール等のジチオール化合物類等が挙げられる。
Xは上に挙げた化合物の残基の中でも、炭素数1〜40の場合が好ましい、さらに好ましくはXは炭素数1〜20である。また、Xは天然に存在する型である場合の方が、生分解性に優れるという点で好ましい。
このような一般式(1)および(2)で示されるアシル化合物の製造方法としては、一般式(3)で示されるN−アシル酸性アミノ酸無水物と分子内にヒドロキシル基、アミノ基、チオール基から選ばれる1種または2種以上のm個の官能基を有する化合物とを、水および/または水と有機溶媒との混合溶媒中で反応させることによって、またはテトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、クロロホルム、アセトン等の不活性溶媒を使用して、あるいは無溶媒で−5℃〜200℃でいずれかの融点以上の温度で混合して反応することで得ることができる。
本発明の導電性組成物において、導電性粉末としては、特に限定はされないが、例えば金、銀、白金、パラジウム等またはそれらの合金からなる導電性貴金属の粉末等、またはニッケル、銅、コバルト等またはそれらの合金からなる卑金属の粉末等の1種以上を用いることができる。これらの金属粉末は単体でも、複合または混合粉末でもかまわない。金属粉末の平均粒径が2μm以下のものが好ましく、より好ましくは1μm以下である。
本発明の導電性組成物において、溶媒としては、アルコール系、炭化水素系、エーテル系、エステル系の有機溶媒や水、またはこれらの混合溶媒を用いることができる。例えば、テルピネオール、ブチルカルビトール、カルビトールアセテート、テトラリン、ケロシン、デシルアルコール、デカン等を挙げることができる。
本発明の導電性組成物において、アシル化合物の割合は、導電性粉末100重量部に対してアシル化合物が0.01〜10重量部が好ましい。アシル化合物の割合が、0.01重量部未満の場合には、分散効果が十分得られないことがあり、また10重量部を超える場合には、乾燥塗膜密度の低下が起こることがある。より好ましくは導電性粉末100重量部に対してアシル化合物が0.1〜5重量部である。
本発明の導電性組成物は公知の方法で製造することが出来、例えば次のような方法によって製造することが出来る。
また、特に水性ペーストの場合は、水または水と有機溶媒との混合媒体からなる水性媒体にアシル化合物の1種以上と導電性粉末を混合撹拌することでスラリー状の水性ペーストを製造することができる。
さらに、水性ペースト中の水性溶媒を有機溶媒に置換し、適宜有機バインダー等を混合することで所望の導電性組成物を得ることもできる。水性媒体から有機溶媒への置換方法に関しては、通常実施される公知の方法を用いて行うことができる。
以下で、本発明を実施例等を用いてさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例等により何ら限定させるものではない。
(塗膜密度の評価)
導電性粉末を含有するペーストを用いてガラス板上に塗膜を形成し、これを120℃で乾燥した後、その塗膜密度を測定した。
(ペースト凝集物の評価)
40℃で1週間静置した導電性粉末を含有するペーストをガラス板上に薄く延ばし、凝集物の有無を確認した。
評価基準
凝集物の確認されないもの ・・・ ○
明らかに凝集物が確認されるもの ・・・ ×
L−リジン塩酸塩9.1g(0.05mol)を水57g中と混合した。この液を25%水酸化ナトリウム水溶液でpH範囲を10〜11に調整しながら、また反応温度を5℃に維持しながら、攪拌下にN−ラウロイル−L−グルタミン酸無水物31.1g(0.1mol)を2時間を要して添加し、反応を実施した。さらに30分攪拌を続けた後、ターシャリーブタノールを液中濃度20重量%となるように添加した後、75%硫酸を滴下して液のpH値を2に、また液の温度を65℃に調整した。滴下終了後、攪拌を停止し、20分間65℃で静置すると有機層と水層とに分層し、これから有機層を分離した。分離した有機層にターシャリーブタノールおよび水を添加して、温度を65℃にして20分攪拌した。攪拌停止後、静置すると有機層と水層とに分層した。得られた有機層に対して、同じ水洗操作をくり返した後、得られた有機層から溶媒を除去し、これを乾燥して式(4)に示すアシル化合物を含有する組成物を得た。
製造例1において、N−ラウロイル−L−グルタミン酸無水物31.1gをN−ココイル−L−グルタミン酸無水物とした以外は、製造例1の方法と同じ条件で実施し、アシル化合物を含有する組成物を得た。
(アシル化合物の製造例3)
製造例1において、N−ラウロイル−L−グルタミン酸無水物31.1gをN−ステアロイル−L−グルタミン酸無水物39.5gとし、反応温度を20℃とした以外は、製造例1の方法と同じ条件で実施し、アシル化合物を含有する組成物を得た。
(アシル化合物の製造例4)
製造例1で得た組成物を用いてアンモニア水で固形分30重量%、pH6.5(25℃)の水溶液に中和調製した後、これを乾燥してアシル化合物を含有する組成物を得た。
ニッケル粉末100重量部、テルピネオール100重量部、エチルセルロース10重量部、製造例1のアシル化合物0.5重量部を3本ロールミルで混練して導電性ペーストを作成した。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、原料組成をニッケル粉末100重量部、テルピネオール100重量部、エチルセルロース10重量部、チタン酸バリウム20重量部、製造例1のアシル化合物2重量部とした以外は、製造例1の方法と同じ条件で実施した。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例2において、製造例1のアシル化合物2重量部を5重量部とした以外は実施例2と同じ条件で実施した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、製造例1のアシル化合物を製造例2のアシル化合物とした以外は、実施例1と同じ条件で実施した。評価結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例1において、製造例1のアシル化合物を製造例3のアシル化合物とした以外は、実施例1と同じ条件で実施した。評価結果を表1に示す。
[実施例6]
ニッケル粉末100重量部、精製水100重量部、製造例4のアシル化合物0.5重量部とを混合ホモジナイズした後、テルピネオール100重量部を添加して、加熱および減圧下に脱水して、水の全量をテルピネオールに置換して、ニッケル分散体を得た。該分散体に、エチルセルロース10重量部を添加して、3本ロールミルで混練して導電性ペーストを作成した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、製造例1のアシル化合物を添加しなかった以外は、実施例1と同じ条件で実施した。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、製造例のアシル化合物をN−ココイル−L−グルタミン酸とした以外は、実施例1と同じ条件で実施した。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例2において、製造例1のアシル化合物を添加しなかった以外は、実施例2と同じ条件で実施した。評価結果を表1に示す。
[比較例4]
実施例2において、製造例1のアシル化合物をリン酸エステルとした以外は、実施例2と同じ条件で実施した。評価結果を表1に示す。
Claims (3)
- 導電性粉末の1種以上を分散してなる導電性組成物であって、一般式(1)に示す分子内にアシル基と親水基とを2個以上ずつ有するアシル化合物を少なくとも1種以上含有することを特徴とする導電性組成物。
Xは、ヒドロキシル基、アミノ基、及びチオール基から選ばれる1種または2種以上のm個の官能基、および任意にヒドロキシル基、アミノ基、及びチオール基以外の置換基を有する炭素数1〜40の直鎖または分岐鎖または環状鎖であって、芳香族炭化水素を含有し又は含有しない鎖であり、
Xに結合している、n(m≧n)個のQは、一般式(2)で表される置換基で、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、
一般式(2)において、ZはXの有する官能基に由来する結合部であり、
R1COは炭素原子数2〜20の飽和または不飽和の脂肪酸から誘導されるアシル基を示し、
R2は水素であるか、またはヒドロキシル基またはカルボキシル基が置換していてもよい炭素原子数1〜3の低級アルキル基を示し、
Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基および/またはそれらの塩を示し、
j、kはそれぞれ独立に0,1,2のいずれかであり、かつj、kは同時に0ではなく、nは2〜20の整数を示す)
- 導電性組成物が、さらに有機バインダーと溶媒を含む導電性ペーストであることを特徴とする、請求項1に記載の導電性組成物。
- 溶媒が、水または水と有機溶媒との混合溶媒であることを特徴とする、請求項2に記載の導電性組成物。
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