JP4439816B2 - コンクリート混和剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート混和剤、好ましくはセメント、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム等、あるいは亜炭を含む骨材を含有するコンクリート用の混和剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリート用混和材は、セメントペーストと反応させてあるいは複合させてコンクリートの性質を改質するために用いられる材であり、無機質の粉末からなるものが多く、セメントの代替やコンクリートに特別の機能を付与するために繁用される。代表的な混和材として、セメント代替を目的とする高炉スラグ、人工ポゾラン(フライアッシュ、シリカヒューム等)等があり、これらを適正に添加することはコンクリート製造において重要である。一般に、高炉スラグや、フライアッシュ、シリカヒューム、亜炭には黒色微粉等が含まれる。
【0003】
しかし、近年のシリカヒュームやフライアッシュ、高炉スラグ等の使用の増加、セメントへの焼却灰の混入(産業廃棄物の利用)、亜炭の含まれる骨材や混和材の使用、また、作業性、環境性向上を目的としたコンクリートの高流動化が原因となり、コンクリート硬化後の肌面に黒い斑状が生じる或いは全体的に黒ずむ現象が発生し、特に減水剤として、ポリカルボン酸系重合体を使用したコンクリートの場合が顕著であり、有効な改善策が望まれている。これを改善する技術として、特許文献1、2には、界面活性剤をコンクリートに含有させることが開示されている。また、特許文献3には、鎖状オレフィンとエチレン性不飽和ジカルボン酸との共重合体の水溶性塩をセメント混和剤として用いることが開示されているが、コンクリートの黒ずみやその防止についての認識は全くされていない。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−3264号(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開2002−234763号(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開昭51−101024号(特許請求の範囲)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ポリカルボン酸系重合体の使用においてもコンクリート肌面に発生する黒ずみを、界面活性剤を用いなくても抑制できるコンクリート混和剤の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、炭素数6〜14のオレフィン由来の構成単位とマレイン酸由来の構成単位とを有する、重量平均分子量が1000〜20000のオレフィン−マレイン酸共重合体(1)〔以下、共重合体(1)という〕と、該共重合体(1)以外のポリカルボン酸系重合体(2)〔以下、ポリカルボン酸系重合体(2)という〕とを含有するコンクリート混和剤に関する。
【0007】
また、本発明は、水硬性物質と、高炉スラグ、フライアッシュ及びシリカヒューム、亜炭から選ばれる一種以上と、上記本発明のコンクリート混和剤とを含有する水硬性組成物に関する。また、該組成物を用いたコンクリート硬化体に関する。
【0008】
また、本発明は、共重合体(1)を含有し、該共重合体(1)以外のポリカルボン酸系重合体(2)を含む水硬性組成物を含有するコンクリートに用いられる、コンクリート肌面黒ずみ防止剤に関する。
【0009】
また、本発明は、高炉スラグ、フライアッシュ、石粉、炭酸カルシウム、シリカヒューム及び亜炭から選ばれる一種以上と、上記本発明のコンクリート肌面黒ずみ防止剤とを含有する、粉末状コンクリート混和材に関する。
【0010】
また、本発明は、水硬性物質と、高炉スラグ、フライアッシュ、石粉、炭酸カルシウム、シリカヒューム及び亜炭から選ばれる一種以上と、上記本発明のコンクリート肌面黒ずみ防止剤とを含有する、粉末状水硬性組成物に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明では、特定範囲の炭素数の共重合単位を有する共重合体(1)とポリカルボン酸系重合体(2)とを含有する混和剤を用いることで、表面に黒ずみの発生がない水硬性組成物の硬化体を得ることができる。
【0012】
一般にコンクリート肌面の黒い斑点や全体の黒ずみは、セメントや骨材、混和材等に含有される強熱減量物質や炭化物質、カーボン等の黒色微粉が、流動性の高い自己充填コンクリート等で、特に振動を加えた場合に表面に移動することで発生すると考えられている。
【0013】
本発明のコンクリート混和剤が、コンクリート肌面の黒ずみの発生を抑制できる理由は、詳細は不明であるが、以下の様に考えられる。ポリカルボン酸系重合体(2)はセメントの分散に有効であるが、コンクリート中の強熱減量物質や炭化物質、カーボン等の黒色微粉に対しては効果が低い。一方、共重合体(1)は黒色微粉に対する吸着分散に優れ、且つセメントの分散を阻害しないことから共重合体(1)とポリカルボン酸系重合体(2)を混和剤に用いることでセメント及びカーボン等の分散促進に有効になるものと考えられる。
【0014】
本発明に用いられる共重合体(1)は、オレフィン−マレイン酸共重合体であり、鎖状オレフィンと、マレイン酸、マレイン酸無水物またはマレイン酸塩の共重合体である。鎖状オレフィンと、マレイン酸、マレイン酸無水物またはマレイン酸塩の混合物の共重合体が好ましい。カーボン類の分散とセメントの分散を阻害しない面から、オレフィン由来の構成単位の炭素数は6〜14であり、好ましくは、8〜12、特に好ましくは、8〜10である。共重合体(1)としては、下記の構成単位(I)を有する共重合体が好ましい。
【0015】
【化2】
【0016】
〔式中、
R:炭素数6〜14の二価の炭化水素基
X:水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基、有機アンモニウム基
である。〕。
【0017】
共重合体(1)は酸型または中和塩を用いることができ、中和度も任意に選択することができる。したがって、構成単位(I)中のXは、水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基、有機アンモニウム基である。有機アンモニウム基は、アルキルもしくはヒドロキシアルキル(炭素数2〜6)置換アンモニウム基が好ましい。塩としては、一価金属塩、例えばNa、Kなどのアルカリ金属塩、二価金属塩、例えばCa、Mgなどのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩、例えばアルカノール(炭素数2〜6)アンモニウム塩が挙げられるが、好ましくはアルカリ金属塩である。
【0018】
また、共重合体(1)の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法/ポリスチレンスルホン酸換算)は、1000〜20000であり、好ましくは2000〜15000、特に3000〜10000が好ましい。共重合体(1)は、例えば、特開昭51−101024号公報記載の方法に準じて製造できる。
【0019】
また、本発明に用いられるポリカルボン酸系重合体(2)とは、共重合体(1)以外のポリカルボン酸系重合体であって、分子内にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸またはその塩及びマレイン酸無水物の構造を有するアクリル系共重合体、好ましくは重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法/ポリエチレンオキシド換算)3000〜50000のアクリル系共重合体のことであり、セメント混和剤(分散剤)として用いられるものであり、市販のものを使用できる。重合体(2)として例えば、スチレン−マレイン酸共重合体塩、スチレン−マレイン酸共重合体スルホン酸塩、スチレン−マレイン酸アリルエーテル類、(メタ)アクリル酸−ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート共重合体塩や(メタ)アクリル酸−ポリアルキレングリコールモノアリルエーテル共重合体塩のようなポリカルボン酸エーテル系である(メタ)アクリル酸(メタ)アクリル酸エステル共重合体類、及びさらに他のビニル単量体成分を含む前記の共重合体塩のような多元ポリマー系である(メタ)アクリル酸(メタ)アクリル酸エステル共重合体類、及びさらに部分架橋構造をもつ(メタ)アクリル酸(メタ)アクリル酸エステル共重合体類、アリルエーテル−マレイン酸エステル類、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−アクリル酸メチル共重合体塩、(メタ)アクリル酸−アクリルアミド共重合体塩またはポリ(メタ)アクリルアミド部分加水分解物、(メタ)アクリル酸−アクリルアミド共重合体スルホン酸塩、及びこれらの各種変性物等が挙げられる。これらのうち、前記の重量平均分子量の範囲ものがより好ましい。また分子内に酸無水物、酸アミド、酸塩化物、エステル等を持ちアルカリ中で分解してカルボキシル基を発生させる、いわゆる、徐放型ポリマーも本発明のポリカルボン酸系重合体に含まれる。これらのうち、減水効果の点で、ポリアルキレングリコールのグラフト鎖を有する重合体が特に好ましく、上記に挙げたものではポリカルボン酸エーテル系である(メタ)アクリル酸(メタ)アクリル酸エステル共重合体類が特に好ましい。
【0020】
本発明のコンクリート混和剤において、共重合体(1)とポリカルボン酸系共重合体(2)の重量比は、(1)/(2)=1/99〜40/60が好ましく、より好ましくは2/98〜30/70、特に好ましくは3/97〜20/80である。
【0021】
本発明のコンクリート混和剤の共重合体(1)とポリカルボン酸系共重合体(2)の含有率は、(1)と(2)の合計で全固形分中に50〜100重量%が好ましく、より好ましくは70〜100重量%、特に好ましくは95〜100重量%である。
【0022】
本発明のコンクリート混和剤は、水硬性組成物中の水硬性物質に対して、0.01〜1重量%(固形分換算)の比率で使用することが好ましく、0.1〜0.5重量%(固形分換算)が更に好ましい。
【0023】
本発明のコンクリート混和剤の添加方法は水硬性物質と予め粉体混合する、或いはコンクリート製造時に添加する等のいずれの方法でもよい。又コンクリート混和剤の形態は液体、粉体のいずれも可能である。
【0024】
本発明の共重合体(1)は、該共重合体(1)以外のポリカルボン酸系共重合体(2)を含む水硬性組成物を含有するコンクリート用の肌面黒ずみ防止剤として用いることができる。ポリカルボン酸系重合体(2)を含む水硬性組成物は、セメントに対する分散性は顕著であるが、黒ずみの原因となる水硬性組成物中に含まれる黒色微粉等に対して効果が低く、黒色微粉等がコンクリート肌面に凝集して黒ずみを生じ易いと考えられる。該組成物に、本発明のコンクリート肌面黒ずみ防止剤を添加すると黒色微粉等の分散性が向上し顕著な効果が得られる。その結果、ポリカルボン酸系重合体(2)の優れたセメント分散性を阻害することなく、コンクリート肌面の黒ずみを防止できる。
【0025】
本発明のコンクリート肌面黒ずみ防止剤を用いる水硬性組成物に含まれるポリカルボン酸系重合体(2)は、減水効果の点で、ポリアルキレングリコールのグラフト鎖を有する重合体が特に好ましく、上記に挙げたものではポリカルボン酸エーテル系である(メタ)アクリル酸(メタ)アクリル酸エステル共重合体類を含有することが、特に好ましい。
【0026】
本発明のコンクリート肌面黒ずみ防止剤中の共重合体(1)の含有量は、50〜100重量%(固形分換算)が好ましく、より好ましくは70〜100重量%、特に好ましくは90〜100重量%である。
【0027】
ポリカルボン酸系共重合体(2)を含む水硬性組成物への、本発明のコンクリート肌面黒ずみ防止剤の添加量は、水硬性組成物中の水硬性物質に対して0.0001〜0.4重量%(固形分換算)が好ましく、より好ましくは0.001〜0.2重量%、特に好ましくは0.002〜0.1重量%である。水硬性組成物中のポリカルボン酸系共重合体(2)の含有量は、水硬性組成物中の水硬性物質に対して0.006〜1重量%(固形分換算)が好ましく、より好ましくは0.06〜0.5重量%、特に好ましくは0.08〜0.5重量%である。
【0028】
高炉スラグ、フライアッシュ、石粉、炭酸カルシウム、シリカヒューム及び亜炭から選ばれる一種以上(以下、混和材(I)という)を、予め本発明のコンクリート肌面黒ずみ防止剤と混合して用いることができる。例えば、混和材(I)と本発明のコンクリート肌面黒ずみ防止剤とを含有する粉末状コンクリート混和材(以下、粉末状混和材という)、並びに、水硬性物質と、混和材(I)と、本発明のコンクリート肌面黒ずみ防止剤とを含有する粉末状水硬性組成物が得られる。その際、混合する本発明のコンクリート肌面黒ずみ防止剤は、粉末状のものが好ましい。これら粉末状混和材や水硬性組成物を用いると、コンクリート調製時に黒ずみ防止剤の添加操作を行う必要がないため、簡便性が向上する。前記粉末状混和材において、本発明のコンクリート肌面黒ずみ防止剤の比率は、粉末混和材中、0.001〜1.2重量%(固形分換算)が好ましく、より好ましくは0.01〜0.6重量%、特に好ましくは0.02〜0.3重量%である。また、前記粉末状水硬性組成物においては、本発明のコンクリート肌面黒ずみ防止剤の比率は、水硬性物質に対して0.0001〜0.4重量%(固形分換算)が好ましく、より好ましくは0.001〜0.2重量%、特に好ましくは0.002〜0.1重量%である。
【0029】
本発明の混和剤のセメント分散性とコンクリート肌面黒ずみ抑制効果の顕著性の点から、水硬性組成物の水/水硬性物質の比(重量%)は45重量%以下が好ましく、より好ましくは45〜20重量%、特に好ましくは40〜20重量%である。また、ポリカルボン酸系重合体(2)を含有する水硬性組成物に対して共重合体(1)をコンクリート肌面黒ずみ防止剤として用いる場合も、セメント分散性とコンクリート肌面黒ずみ抑制効果の顕著性の点から、水硬性組成物の水/水硬性物質の比(重量%)は45重量%以下が好ましく、より好ましくは45〜20重量%、特に好ましくは40〜20重量%である。
【0030】
本発明によれば、水硬性物質と、ポリカルボン酸系重合体(2)とを前記水硬性物質に対して0.006〜1重量%(固形分換算)含有する水硬性組成物に対して、共重合体(1)を前記水硬性物質に対して0.0001〜0.4重量%(固形分換算)の比率で添加する工程を有する、コンクリートの製造方法もしくはコンクリートの肌面の黒ずみ防止方法が提供される。
【0031】
本発明の混和剤が対象とする水硬性組成物は、セメント類を主成分とするセメントペースト、モルタル、コンクリート等であり、特に限定しないが、特に黒色微紛が多く含まれる、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム、石粉、炭酸カルシウム、亜炭を含有する水硬性組成物に使用することが好ましい。さらには、これら粉体を含有する流動性の高い自己充填用コンクリートに使用するのが好ましく、モルタルフロー(JIS R-5201 セメントの物理試験方法に準じ、タッピングなし)で180〜400mmの領域が挙げられる。
【0032】
水硬性物質の具体例としては、ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカヒュームセメント、フライアッシュセメント、アルミナセメント、天然石膏、副成石膏等が挙げられる。
【0033】
水硬性物質への添加方法は、共重合体(1)、ポリカルボン酸系重合体(2)を予め混合、或いは別々の添加、混合水への投入、混合同時、途中、終了前の添加の何れでもよく、限定するものではない。
【0034】
また本発明の水硬性組成物には、各種の材(剤)を使用することができる。例えば、樹脂石鹸、飽和もしくは不飽和脂肪酸、ラウリルサルフェート、アルキルベンゼンスルホン酸(塩)、アルカンスルホネート等のAE剤;グルコン酸、クエン酸等のオキシカルボン酸系、デキストリン、糖アルコール系等の遅延剤;起泡剤;増粘剤;珪砂;AE減水剤;早強剤又は促進剤;発泡剤;防水剤;流動化剤;ジメチルポリシロキサン系、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル系、鉱油系、油脂系、オキシアルキレン系、アルコール系、アミド系等の消泡剤;防泡剤;メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物系、アミノスルホン酸系、ポリカルボン酸系、ポリマレイン酸系等の高性能減水剤;防錆剤;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子;(メタ)アクリル酸アルキル等の高分子エマルジョンが挙げられる。また、上記成分は本発明のコンクリート混和剤中やコンクリート肌面黒ずみ防止剤中に配合してもよい。
【0035】
【実施例】
<共重合体の製造例>
オートクレーブ中窒素雰囲気下にて、マレイン酸116重量部(1モル)、C6オレフィン86重量部(1モル)、過酸化ベンゾイル4部及びトルエン400部の混合物を70〜75℃にて8時間混合重合した。重合終了後、析出した共重合体を濾別乾燥して共重合体を得た。水620gと共重合体202g(1モル)に対し30%水酸化ナトリウムを266g(水酸化ナトリウムが2モル)加え、80℃で透明に溶解するまで、攪拌を行い、共重合体No.1を得た。共重合体No.2−1〜2−4、3〜5、比較1〜3についてもこの方法に準じて製造した。この製造では、分子量は過酸化ベンゾイルの量で調整した。
【0036】
<実施例1〜15及び比較例1〜6>
セメント〔太平洋セメント(株)製;普通ポルトランドセメント〕500g、シリカヒューム〔花王(株)製;マイクロポズ〕50g、瀬戸内産海砂800g、水175g、消泡剤〔日華化学(株)製;フォームレックス797〕0.01g、表1の共重合体(1)、表2のポリカルボン酸系重合体(2)を、モルタルミキサーにて混練する。その際、JIS R-5201セメントの物理試験方法に準じ、モルタルフローが260〜300mmになるように、共重合体とポリカルボン酸系重合体の添加量を調整した。両者の添加量は表3に示す通りである。なお、表3中、実施例1、5〜10、12は、本発明の範囲外であるが、便宜的に実施例として示した。
【0037】
<実施例16〜17及び比較例7〜8>
セメント〔太平洋セメント(株)製;普通ポルトランドセメント〕300g、表4の粉体200g、君津産陸砂800g、水170g、消泡剤〔日華化学(株)製;フォームレックス797〕0.01g、表1の共重合体2−2、ポリカルボン酸系重合体〔花王(株)製;マイテイ21HF〕を、モルタルミキサーにて混練する。その際、JIS R-5201セメントの物理試験方法に準じ、モルタルフローが260〜300mmになるように、共重合体とポリカルボン酸系重合体の添加量を調整した。両者の添加量は表5に示す通りである。なお、表5中、実施例17は、本発明の範囲外であるが、便宜的に実施例として示した。
【0038】
<実施例18及び比較例9>
セメント〔太平洋セメント(株)製;普通ポルトランドセメント〕500g、山口産頁岩砕砂(亜炭含有)800g、水170g、消泡剤〔日華化学(株)製;フォームレックス797〕0.01g、表1の共重合体2−2、ポリカルボン酸系重合体〔花王(株)製;マイテイ21HF〕を、モルタルミキサーにて混練する。その際、JIS R-5201セメントの物理試験方法に準じ、モルタルフローが260〜300mmになるように、共重合体とポリカルボン酸系重合体の添加量を調整した。両者の添加量は表6に示す通りである。
【0039】
混練後、モルタルを型枠(同様JIS R-5201)に充填し、更に振動〔25回タッピング(1回/1秒)〕を加え、その後24時間室内20℃養生し、外観を目視観察と測定して、下記基準で黒ずみを評価した。モルタル面積における黒ずみ面積率を測定した。
黒ずみ判断基準:◎黒ずみなし ○黒色面積10%以下 ×10%以上発生
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】
【発明の効果】
本発明の混和剤により、コンクリート硬化体表面の黒ずみ発生を抑制できる。
Claims (9)
- 炭素数8のオレフィン由来の構成単位とマレイン酸由来の構成単位とを有する、重量平均分子量が3000〜10000のオレフィン−マレイン酸共重合体(1)と、該共重合体(1)以外のポリカルボン酸系重合体(2)とを含有するコンクリート混和剤であって、
オレフィン−マレイン酸共重合体(1)が、下記の構成単位(I)を有するオレフィン−マレイン酸共重合体であり、
ポリカルボン酸系重合体(2)が、ポリカルボン酸エーテル系の(メタ)アクリル酸(メタ)アクリル酸エステル共重合体であり、
オレフィン−マレイン酸共重合体(1)とポリカルボン酸系重合体(2)の重量比が(1)/(2)=7/93〜15/85である、
コンクリート混和剤。
R:炭素数8の二価の炭化水素基
X:水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基、有機アンモニウム基
である。〕 - 水硬性物質と、高炉スラグ、フライアッシュ、石粉、炭酸カルシウム、シリカヒューム及び亜炭から選ばれる一種以上と、請求項1又は2記載のコンクリート混和剤とを含有する水硬性組成物。
- コンクリート混和剤の含有量が水硬性物質に対して0.01〜1重量%(固形分換算)である請求項3記載の水硬性組成物。
- 請求項3又は4記載の水硬性組成物を用いたコンクリート硬化体。
- 炭素数8のオレフィン由来の構成単位とマレイン酸由来の構成単位とを有する、重量平均分子量が3000〜10000のオレフィン−マレイン酸共重合体(1)と、前記共重合体(1)以外のポリカルボン酸系重合体(2)と、水硬性物質と、高炉スラグ、フライアッシュ、石粉、炭酸カルシウム、シリカヒューム及び亜炭から選ばれる一種以上とを含む水硬性組成物であって、
オレフィン−マレイン酸共重合体(1)が、下記の構成単位(I)を有するオレフィン−マレイン酸共重合体であり、
ポリカルボン酸系重合体(2)が、ポリカルボン酸エーテル系の(メタ)アクリル酸(メタ)アクリル酸エステル共重合体であり、
オレフィン−マレイン酸共重合体(1)とポリカルボン酸系重合体(2)の重量比が(1)/(2)=7/93〜15/85である、
水硬性組成物。
R:炭素数8の二価の炭化水素基
X:水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基、有機アンモニウム基
である。〕 - 炭素数8のオレフィン由来の構成単位とマレイン酸由来の構成単位とを有する、重量平均分子量が3000〜10000のオレフィン−マレイン酸共重合体(1)を含有する黒ずみ防止剤により、前記共重合体(1)以外のポリカルボン酸系重合体(2)を含む水硬性組成物を含有するコンクリートの肌面の黒ずみを防止する、コンクリート肌面黒ずみ防止剤方法であって、
オレフィン−マレイン酸共重合体(1)が、下記の構成単位(I)を有するオレフィン−マレイン酸共重合体であり、
ポリカルボン酸系重合体(2)が、ポリカルボン酸エーテル系の(メタ)アクリル酸(メタ)アクリル酸エステル共重合体であり、
オレフィン−マレイン酸共重合体(1)を、オレフィン−マレイン酸共重合体(1)とポリカルボン酸系重合体(2)との重量比が(1)/(2)=7/93〜15/85となるように用いる、
コンクリート肌面黒ずみ防止方法。
R:炭素数8の二価の炭化水素基
X:水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基、有機アンモニウム基
である。〕 - 高炉スラグ、フライアッシュ、石粉、炭酸カルシウム、シリカヒューム及び亜炭から選ばれる一種以上と、前記コンクリート肌面黒ずみ防止剤とを含有する粉末状コンクリート混和材から、前記ポリカルボン酸系重合体(2)を含む水硬性組成物を調製する、請求項7記載のコンクリート肌面黒ずみ防止方法。
- 水硬性物質と、高炉スラグ、フライアッシュ、石粉、炭酸カルシウム、シリカヒューム及び亜炭から選ばれる一種以上と、前記コンクリート肌面黒ずみ防止剤とを含有する粉末状水硬性組成物から、前記ポリカルボン酸系重合体(2)を含む水硬性組成物を調製する、請求項7記載のコンクリート肌面黒ずみ防止方法。
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